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2021.09.12
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​​​ 武田一義「ペリリュー 楽園のゲルニカ(11)」(白泉社)
2021年 9月 マンガ便 で到着しました。
​  武田一義「ペリリュー 楽園のゲルニカ 11巻」(白泉社) です。最終巻です。​
​ 敗戦を知らないまま1年半、パラオ諸島の ペリリュー島 「従軍」 していた 田丸一等兵 でしたが、 第10巻 で、所属部隊を脱走、ようやく米軍に降伏し、 1947年 「復員」 し、故郷の茨城県に帰ってきます。​
​​​​​​ マンガはこの巻から、少し構成が変わります。開巻、第3ページに描かれているのは、 「2017年のペリリュ-島」 です。
 ヤシの木の下に立っているのは 「田丸一等兵」 のお孫さんで、 後村亮 という編集者です。顔が 「吉敷君」 に似ているのは、 田丸一等兵 が復員し、 吉敷君の妹 と結婚したらしく(詳しくは描かれていない)、二人の間に出来た男の子の子供が 後村亮 ということだからのようです。​​​​​​

後村亮 は、 生きて帰ってきた田丸君 と、 無念の死を遂げた吉敷君 、両方の 血族 というわけです。
 彼は 2015年 1945年 から 70年後 に、自分の 祖父 ペリリュー島の戦場 を生きた人間であることに気づき、取材を始めます。
​​ マンガは、 後村君 が90歳を超えて存命だった祖父、 田丸さん から戦地と、復員後の戦後の生活を聞き取りながら、漫画に描くことを思い立ち、ペリリュー島を訪ねるという経緯を描いてゆきます。​​
​​ 祖父の取材のなかで、 後村君 田丸さん に話しかけるこんなシーンがあります。 セリフを拾ってみますね。​
「ぼくの死んだ父さんとはじいちゃんはこういう話をしたの?」
「いや君の父さん耕助とは戦争の話はほとんどしたことがない。
たぶん、他の戦争体験者たち同じようなものだと思うよ。
いや・・・この言い方は違うな
すまないね  他の人たちの話じゃない私自身の話だ。
フ―
戦争の話をきちんとしようとすればどうしても避けられない話がある」
​  ご覧のページで ​田丸さん​ はここまで話して、言いよどんでいます。 ​​ページを繰ると、病院のベッドに腰かけて、外を見ながら、後ろに座っているお孫さんに、ひとりごとのように話しかけている 田丸さん の後ろ姿と、その話を聞いている、お孫さんの 後村君 の姿が描かれています。​​
自分が
人を殺したということ
それを
自分の子供に
伝えるのは
とても
恐ろしいとことだよ
​  ここまで読んできて、ぼくはこんな短歌を思い出しました。
​中国に 兵なりし日の 五ケ年を しみじみと思ふ 戦争は悪だ  宮柊二
 ​ ​この短歌が振り返っているのは、 歌人自身の五年間 なのですね。ぼくは、マンガの中で 田丸さん がお孫さんに語った言葉を読み直して、この短歌の深さにようやく気付かされた気がしました。​
​​​​​  後村君 が祖父である 田丸一等兵 と大伯父である 吉敷一等兵 が70年前にいた ペリリュー島 を訪ね、若き日の二人がその中にいた海と空を見あげます。そのころ 田丸さん は病室で ​吉敷くん​ の夢を見ます。​​​​​
​ 後ろ表紙に 「戦争とは何だったのか、生還した兵士ひとりひとりに何を残したのか!?」 と問いかけている本書に収められた 80話~87話 はすべて 「鎮魂」 と題されています。​
​  ​「楽園のゲルニカ」​ と題したこの作品を描き上げた 武田一義さん の気持ちがこもっている結末でした。多くの人に読んでいただきたい作品でした。
​​​
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最終更新日  2021.09.16 12:36:30
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