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墓掴み洗い了りぬ山椒喰 石田あき子 句が気に入ったページですが、まあ、こんな感じですね。気に入ったのは「さくら餅」のほうの句です。
ようやく墓をつかんで洗い終わった。いい声で山椒喰が鳴いている。
墓参の際の墓掃除の動作をていねいに描いている。あき子の夫は波郷である。橋本榮治は、掲出句と 「霜の墓抱き起されしとき観たり 波郷」 とが遠く響き合っていると指摘するが、そのとおりだろう。また、「掴み」と言えば、 「西日中電車のどこか掴みて居り 波郷」 が反射的に思い出される。この動詞によって、墓を頼りに生きている思いも感じられる。意識しているか、無意識かわからないが、夫の句に由来するのだろう。
「山椒喰」は雀くらいの大きさの鳥で、「ひりんひりん」と高い声で鳴くという。晩春。「山椒喰」の鳴き声も生前の夫に教わっているのかもしれない。 「風くれば檜原したたり山椒喰 波郷」 。波郷の墓は、東京・調布市の深大寺にある。「石田あき子全句集」(昭和五十二年刊)所載。【山椒喰】
さくら餅死んでも夫の誕生日
あき子は大正四年生まれ。病の波郷を助け子を育てた。「鶴」「馬酔木」に投句。昭和五十年没。
起立礼着席青葉風過ぎた 神野紗希 「俳句甲子園」 という大会で詠まれた句だそうです。漢字の連打なのですが、そういう経験のない方には、たぶん、爽やかな句なのでしょうね。ぼくには、 「いいなあ」 と思う一方で、40年近く務めた学校という仕事場の、終わりの頃の雰囲気が響いてくる気がしました。
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