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えらくたいそうな誉め方もされているようですが、まあ、 シマクマ君
的には、 世界漫遊記マンガ
という理解なわけなので、国ごとに紹介しますね。 地政学
というハヤリ言葉に踊らされて、あんまり信じ込むような読み方はやめた方がいいように思います。
というわけで、 5巻
から 6巻
の舞台は アメリカ
でした。 「自由平等の国」
の現状を 「人種」、「宗教」、「支持政党」
、という、まあ、 地政学的基本要素
で分析しながら、ネイティブ・アメリカンの居留地にカジノ建設という、いかにもアメリカ的な地域復興策を持ち出してドラマ化しています。まあ、マンガ的ご都合主義はこのマンガの特徴ですから、ノンキに読みました。
6巻
は
7巻
にかけて、
イギリス
で フット・ボール
をネタにした話で、次の話が ナウル共和国
です。パプア・ニューギニアあたりの、そんな言い方がいいのかどうかわかりませんが 離島国家
が舞台でした。
知りませんでしたが、戦前は、 日本軍の軍事基地
の島ですね。このマンガの舞台の選び方の面白さですが、全く知らなかった小さな国の産業と経済の話でした。世界の周辺の弱小国家と中央の先進国家の両者が資本主義的経済成長の論理に包括されざるを得ない関係の描き方なんか、勉強にになりますねえ。
7巻
の後半は シンガポール
に出かけて一仕事した後、日本に帰ってきて 8巻
です。
8巻
のメインは 韓国
ですね。 韓国
といえば、 脱北、半地下、Kポップ
です。あくまでもマンガとして読むわけですが、最近、韓国映画にもハマり気味ということもあって、ナルホドそうだったのかとなりました。
で、今回の マンガ便
の 9巻
は マリ
です。 アフリカ
の砂漠のなかの国ですが、どこにあるかすぐにわかる人って少ないんじゃないでしょうか。
アルジェリア
の南に位置する国で、20世紀の前半までは フランスの植民地
だった国らしいです。その国の民族紛争と、そこに絡むイスラム原理主義が紹介されています。ただ、ここでも マリ
という国の、現実を正確にこのマンガが描いているとは考えない方がいいと思いますが、関心を呼び起こされたことはたしかです。
べつに総論しようというわけではありませんが、 1月のマンガ便
から 4月のマンガ便
のあいだに、実は、地政学が最も得意とするらしい 「戦争」
が、現実にはじまりました。今のところ、このマンガがあの辺りを話題にしたことはありませんが、どこかで 八田さん
が出かけて行ったりするのでしょうかね。
八田さん
が活躍する余地が、果たして、 現実の戦場
にあるのかどうか、まあ、マンガはやっぱりマンガだと思うのですが、ちょっと興味を感じますね。
現実の グローバルな世界
の 混沌
を、 地政学
という、いわば、ポリティカルなパワー・オブ・バランスの視点を導入することで、 「わかりやすく」
マンガ化していて面白いわけですが、 混沌は、やはり混沌である
という現実は、そんなにわかりやすいわけではないことも忘れないでいたいですね(笑)。
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