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ショッツル鍋 律儀に書き写しながら残念なのが 「ショッツル鍋」 そのものについて、 ぼく 自身が何にも知らないことなのですが、文章はいかにも立派な作家による 昭和の新聞コラム ですね。
そろそろ、なべ物の好季節がやってきた。
秋のモミジの色づく頃に、土地土地の様々の流儀の鍋をつつく時、まったく日本人に生まれた仕合わせをしみじみと感じるものだ。
フグチリよし、タイチリよし、沖スキよし、北海道の石狩鍋よろしく、九州のキビナゴ鍋よろしく、水戸のアンコウ鍋も結構だ。
新潟のスケソウダラの鍋もだんだんおいしくなってくる頃だが、今回はひとつ、ショッツル鍋といこう。
ショッツル鍋というのは、秋田のショッツルで鍋の汁をつくった、味わいの深い鍋物である。
ショッツルはおそらく塩ッ汁の転訛であるに相違なく、主としてハタハタを塩して、アンチョビー化した、いわば、魚の醬油である。
秋田では、ハタハタの大量の頃、そのハタハタに塩をまぶして、自家製のショッツルを作っていたものらしい。そのショッツルを自分の口に合うような塩からさに薄めて、ホタテガイの貝の鍋に入れ、さまざまの魚や、野菜を煮込みながら鍋物にしてつつくわけである。
しみじみとおいしいものだ。
ショッツル鍋 寒さ吹っ飛ぶ 秋田名物ハタハタ料理 あのー。すごいですね。何がって、お父さん、当時、 「火宅の人」 を書いていらっしゃる最中で、息子さん、 「ハーイ」 なんですから。思いません? 「すごいなあ!」 って。
先日友人から、金沢の市場から直送されて来たばかりのハタハタをいただいた。それは見事なハタハタで、姿はプリプリしていて、いかにもショッツルにしてくださいというような風情であった。
ハタハタ、ショッツル鍋といえば、父も僕も大好物で、肌寒い季節になると、
「今日はショッツル鍋にします。タロー、ショッツルを買って来なさい。」
「ハーイッ」(新・檀流クッキングP27)
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