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2023.01.03
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​​ レイ・ヨン「ソク・ソク」元町映画館
​  「香港映画祭2022」 で上映された作品です。見た直後メモだけしか残せなくて、放ったらしになっていた作品ですが、備忘録として感想だけ書いておきます。​
​​​ 現代の 香港 が舞台で、登場人物はタクシーの運転手 パクさん。 演じていらっしゃるのは タイポー という名の俳優さんらしいのですが、実はボクのおとなりのお父さんにそっくりなことに、見始めて笑いそうでした。​​​
​ お年は、たぶん、ボクと同じくらいだと思いました。ご家庭があって、奥さんも健在で、お子さんたちがいて、お孫さんもいらっしゃるようです。​
​​​ で、その、タクシー運転手というお仕事からも引退間近な。この お父さん が、たぶん、同じくらいの年恰好のシングル・ファーザー暮らしをしている ホイさん という男性と巡り合ったことで、自分の中にあることは気づいてはいたらしいのですが、 「普通」 に暮らすことで、自分自身に対しても隠してきていたらしい性的な志向性について、目覚めてしまうという映画でした。​​​
​​ 決して、比喩的な作品ではなくて、 リアリズムの作品 だと思いましたが、今回の 香港映画祭 として上映された、他の映画が、 現代香港の政治的状況 を反映した作品群といってよかったわけで、その中では、際立って異色という印象を持ちました。​​
​​​​​​ しかし、一方で、 オールド・ボーイズ・ラブ に目覚める、 この老人 にとって、半生を過ごし、人並みの幸せを築いてきた 「香港」 という街に、今、暮らしているわけですが、あるシーンで、大陸から海を渡ってきた始まりの記憶がたどられるところに、どうも、この映画の肝がありそうだと思いました。
 本当は大切だったはずの 真実を隠し続けてきた男の半生 が、ひょっととしたら相似的な真実を、おおい隠したまま 歴史に葬り去られようとしている香港 に重ねられているのでは、という予感ですね。それを、フト、感じました。 いずれにせよ、同年配の老人の、自らのアイデンティティに対する新た発見に、戸惑い、さまようかに見える主人公に 拍手! でした。

監督 レイ・ヨン
キャスト
タイポー
ベン・ユエン
2019年・92分・香港
原題「叔・叔」「Twilight's Kiss」
2022・12・16-no138・元町映画館no154
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最終更新日  2023.07.31 22:37:07
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