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ひょっとしたら、今、一番騒がれている映画じゃないか? が封切られているのです。 180分の大作 ですが、 2024年 の アカデミー賞、作品賞、監督賞(クリストファー・ノーラン)、主演男優賞(キリアン・マーフィ)、助演男優賞(ロバート・ダウニー・Jr.)、編集賞、撮影賞、作曲賞 と、 7部門 、まあ、総舐めという作品で、おっちょこちょいの徘徊老人として
あっこならすいているんじゃないか? とやって来た 109ハット でしたが、やっぱり空いていました(笑)
なんで、今、オッペンハイマーやねん? で、見終えました。若い人はご存知ないかもしれませんが、 1940年代 、第二次大戦中ですが、 マンハッタン計画 という、 アメリカ の 原爆開発プロジェクト の科学技術的な責任者であった J・ロバート・オッペンハイマーJulius Robert Oppenheimer の、いわば伝記映画でした。
似た人というのはいるのですねえ(笑)。 で、その、 オッペンハイマー と アインシュタイン が出会うシーンが一回だけあるのですが、そこで何が語り合われたのかが、おそらく、この映画の底に流れている大事なポイントだと思いました。 古典力学 が描いた世界を根底から刷新した アインシュタイン ですが、 彼 がたどり着いたのは 量子力学 という新しい未知の発見、ひょっとしたら、 「絶望」の発見 だったわけで、そこから未知の世界へ足を踏み入れて、世界を滅ぼす可能性のある殺戮兵器の道を歩もうとしている オッペンハイマーの「不安」 が出会ったシーンとして、まあ、この映画の鍵となるシーンだったと思うのですが、ボクには印象深かったのですね。
「なんや、あんたもわかってへんのやろ」 という感じで、笑えました。
「存在論的な苦悩」 が、本線として、まず、あるわけですね。
「怒りと戸惑い」 加えて、彼の性的、精神的な志向によるのでしょうね、いわば、内面に渦巻く
欲動の自己矛盾に対する怯え を抱えている人間という、 重層的な存在のありさま を、多分、三通りの、時制ではなくて、映像の主体、だから、誰が見ているシーンかという映像的な差異によって、錯綜させて描くという、 ノーラン監督 の得意技が駆使されていて、面白い人には面白いのでしょうが、ボクには
かなりややこしい という印象でしたが、とどのつまりに、 妻 の口から発せられた
「公聴会で許されたからといって、あなたがやったことが許されたとは限らない」 という(はっきり覚えていませんが)セリフの、
「あなたがやったこと」 が実に 多義的 で、かつ、静かではあるのですが、 激しい否定のセリフ には、やはり、ギョッとするというか、印象に残ったのですが、なんだか、消化不良な感じも残りましたね(笑)。
衝撃的な体験 をさせられた映画でもありました。 上に貼ったのは映画ではなくて、公式記録の写真らしいですが、映画の前半、最後の山場は、この写真が写している 最初の原爆の実験の現場を描いた映像 でした。ボクは普通の映画館で見ましたから、椅子が揺れたりしたわけではありませんが、最初に光と火炎の塊がスクリーンに広がり、しばらくの沈黙の後、強烈な爆音が響き、まさに
「ピカドン」 が映しだされたのですが、その映像を見ながら、 椅子にすくみこむような気分 に落ち込みながら、 涙がとまらなくなってしまった のでした。不思議な経験でしたね。
なんだったのしょうね、あの、身体反応は? ここ数年、何本か見たことのある監督ですが、ややこしさはいつものことですが、あのシーンは衝撃でしたね。 拍手!
なぜ、今、オッペンハイマーなのか? は、結局、わかりませんでしたね。ついでにいえば、この映画が大騒ぎになっている理由もよくわからなかったですね。嫌いじゃないし、面白かったのですが・・・(笑)。
「うん???」 と思い浮かんだことがありました。 2023年 に見た 「アステロイド・シティ」 という、アニメのようでアニメでない、という雰囲気のけったいな映画のことです。
「あれって、ロスアラモスか?」 という、なんというか、ひらめきというか、思いつきでした。
「原爆実験かあ・・・」 とか思っていたのですが、ひょっとしたら、この映画と 同じ関心 で、あの映画は作られていたのではないかという思い付きですね。
なぜ、今、オッペンハイマーなのか? なんだか、いよいよ、引っかかってきましたね(笑)。
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