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2020.06.10
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カテゴリ: 陳情令 全50話

※不適切な表現が含まれますが作品のオリジナリティを尊重しそのままあらすじを書いています



陈情令 The Untamed
第46話「金丹の真実」

思思(スースー)と碧草(ビーツァオ)による斂芳尊(レンホウソン)@金光瑶(ジングアンヤオ)の告発…。
宗主たちは金光瑶が妹だと知りながら秦愫(チンスー)を娶ったと知り、驚愕した。
恐らく自分の地位を盤石にするには秦蒼業(チンツアンイエ)という義父の後ろ盾が必須だったのだろう。
すると姚(ヤオ)宗主がやはり自分の言った通りだと声を上げた。
金光瑶の息子・金如松(ジンルーソン)の死は他殺ではなく、金光瑶が手を下したのだという。
「兄妹の間で生まれた子は大抵、愚物となる
 幼い頃は変わりないように見えるが、成長すれば常人と違うと徐々に周囲も気づき始める

 それに考えてみてくれ、金如松を毒殺したとされる者は金光瑶の仙督就任を反対した家主だ
 これは単なる偶然か?そこで金光瑶は容赦なく金如松を殺し、その家主に罪を着せ、
 息子の敵という名目で一族を討伐した」
しかし魏無羨には気になることがあった。
「金麟(キンリン)台の清談(セイダン)会で秦愫に会ったのか?」
「それは…」
碧草は気まずそうに口ごもる。
「あの晩、芳菲(ホウヒ)殿で秦愫と金光瑶はもめていた
 秦愫いわく、ある者が自分に真実を告げ、文を渡したそうだ
 その者は自分を騙しはしないと…君のことか?」
「…そうです」

「その~なぜって、お嬢様に夫の正体を知って欲しかったからです!」
碧草は自分も公にしたくなかったが、秦愫の死が謎の自害として片づけられ、金光瑶の化けの皮を剥がして秦夫人と秦愫の敵を討ちたかったという。
「自覚があるのか?君が告げたせいで秦愫は自害した」
「おい、その言い方はいかがなものか?真相を隠すべきだと?」
姚宗主は言葉尻を捕らえ、魏無羨を制止した。

「立派な腕輪だな…」
すると碧草は慌てて袖の中に隠した。

黙って聞いていた聶懐桑(ニエホワイサン)だったが、確かに誰が2人をここへ届けたのか疑問を呈した。
( *`ω´)<こまけーことはいいんだよ!
姚宗主はそれが誰であろうと自分たちの味方に違いないと訴える。
すると藍湛(ランジャン)@忘機(ワンジー)が珍しく口出しした。
( ತ _ತ)<実に疑わしい…
確かに金光瑶がなぜ思思だけを生かしておいたのか、本人の証言はあっても物証はない。
しかし宗主たちの金光瑶への疑念は深まるばかりだった。
「金光瑶が赤鋒尊(セキホウソン)や沢蕪君(タクブクン)に取り入らねば、妓女の子が今の地位まで出世したか?」
「その赤鋒尊の命を奪い、沢蕪君も手中にある…何事もなければいいが」
「金光善(ジングアンシャン)が死ぬ数年前、奴は己の座を守るため、隠し子を次々と抹殺していた
 それを考えると莫玄羽(モーシュエンユー)は幸運だな~
 追い出されなければ他の者と同様、消されていたぞ」
「金子軒(ジンズーシュエン)の死も奴が関係したのでは?」
「もう1つ、薛洋(シュエヤン)の存在を忘れるな、薛洋が逃げたのも金光瑶が関与している!」
「そうだ、傀儡を操る陰虎符(インコフ)も薛洋が作った」
こうして金光瑶が父、兄、我が子、主まで殺したことが暴かれた。
今日の一件も、恐らく各家の力が強まっていることに危機を感じた金光瑶が岐山(キザン)温(ウェン)氏のように討伐されることを恐れ、罠を張ったのだろう。
「ならば奴の恐れていることを現実に変えてやる!一斉に金麟台を攻めるのだ!」
金麟台を攻めるぞ!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<金光瑶を生け捕れ!
各世家の宗主と弟子たちが声高に決起を叫ぶ中、魏無羨は何とも虚しくなった。
…昨日までは、かの恐ろしい人物を誰もが″斂芳尊″と絶賛した
…それがまさか一夜の間に打倒すべき敵になるとはな
まさに昨日の敵は今日の友、乱葬崗(ランソウコウ)であれほど夷陵老祖(イリョウロウソ)を憎き敵だと責めていた宗主たちがあっさり態度を変えた。
「魏先生?!魏先生?!金光瑶の持っている陰虎符はお任せしたぞ!」
「ォォォ~それが良い!この道で夷陵老祖に勝る者はいない!」
魏無羨は宗主たちの変わり身の早さにへき易し、藍湛と退散した。

魏無羨は藍湛を連れて屋敷の回廊を歩いた。
2人は誰かがこの機を選んで金光瑶の悪事を暴くよう仕組んだと疑っていたが、証拠は何もない。
「敵か味方か、動機が何かも判断できないが、どちらにしても金光瑶の悪事は揺らぎない事実だな」
「うむ、慎重を期すよう兄に知らせねば」
やがて2人はちょうど江氏の祠堂(シドウ)の前に出た。
( ತ _ತ)<入るか?
( ˘ω˘ )<ぃゃ…
そうは言ったものの、魏無羨は後ろ髪を引かれる。
結局、魏無羨は藍湛と一緒に祠堂を訪ね、2人で江一族の位牌に叩頭した。

「江叔、虞(ユー)夫人、師姐(シシャ)、俺だよ…また眠りを妨げに来た」
思えば以前はちょっとしたことですぐ虞夫人に罰を与えられ、祠堂でひざまずかされていたものだ。
( ತ _ತ)<耳にはした…
(; ˘ω˘ )<姑蘇(コソ)にも伝わっているとは…知れ渡ってたんだな
魏無羨はしみじみ今まで生きて来た中で虞夫人ほど気性の荒い夫人は見たことがないとこぼした。
(; ̄▽ ̄)<あはは~これは罰当たりだった
失言した魏無羨はお詫びに拝礼する。
( ತ _ತ)<江澄(ジャンチョン)に告げぬのか?
( ˘ω˘ )<さあな~少なくとも今は…
( ತ _ತ)<だが兄弟分でもある
( ˘ω˘ )<江澄と袂を分かって長い、簡単じゃない、しかも陰虎符は俺が最初に作った
しかし運悪く、祠堂に江澄@晩吟(ワンイン)がやって来る。
( ˘ω˘ )<…金光瑶がいなくとも、事実は変わらない
「ウェイウーシエン、まるで身内のように来たい時にやって来て、連れまで引き入れる
 ここの主人は誰だと?」
江澄の声を聞いた魏無羨はすぐ立ち上がる。
「含光君(ガンコウクン)を機密の場所には入れていない、江叔と虞夫人に線香を上げただけだ
 すぐ去るさ」
しかし江澄は魏無羨に罵声を浴びせた。
「確かにひざまずくべきだ、祠堂に乗り込み、眠りを妨げたのだからな!」
「江宗主、言葉に注意せよ」
藍湛にとがめられ、江澄はムキになった。
「私が注意すると?何某(ナニガシ)こそ所作に注意せよ
 うちを破門されておいて、私の両親と姉に合わせる顔があるのか?」
( ತ _ತ)<江晩吟っ
藍湛は思わず江澄に向き直ったが、魏無羨が慌てて止めた。
「ランジャン、もう行こう」

江澄は魏無羨のそっけない態度に苛立ち、さらに挑発した。
「去るなら遠くへ行け!ふざけた仲間どもと我が一族の前に現れるな!」
これには魏無羨も我慢ならず、つい言い返してしまう。
「罵倒するなら俺だけにしろ、他は関係ない」
「お前は忘れっぽいな、なら忠告してやる
 その昔、お前が英雄を気取り、藍の二公子を救ったせいで両親と蓮花塢(レンカウ)は犠牲となった
 それでも飽き足らず温氏を救い、姉まで犠牲にしたのに…実に偉大だじゃないか
 しかも驚くほど寛大な心で鬼将軍を蓮花塢(レンカウ)に連れて来て、二公子に焼香させるとは…
 私や家族への当てつけか?二公子にも恐れ入るよ〜
 姑蘇の双璧でありながら藍氏の名声など顧みず、夷陵老祖と徒党を組むとは
 藍叔もあなたの哥哥もさぞ誇らしいだろうな」
「ジャンワンイン!…すぐに謝れ!」
「なぜだ?偉大な知己との情を侮辱したからか?」
「いい加減にしないか!」
魏無羨は江澄につかみかかったが、祖先たちの目があることに気づいて手を離す。
「…藍湛、もう行こう」
藍湛は立ちくらみを起こした魏無羨を支え、祠堂を出て行った。

江澄は魏無羨がおとなしく引き下がったことに納得がいかなかった。
そこで2人の前に飛び出し、魏無羨の胸ぐらをつかむ。
「さっきの威勢はどうした?殴るんだろう?やれよ!」
( ತ _ತ)<手を離せ…
藍湛がしつこい江澄の手を払い避けると、魏無羨はよろけながら急に鼻血を出した。
驚いた藍湛は魏無羨をかばって先を急ごうとしたが、ついに力尽きた魏無羨がその場で意識を失ってしまう。
そんな2人を逃すまいと、江澄は紫電(シデン)を放った。
その時、温寧(ウェンニン)@瓊林(チョンリン)が駆けつけ、2人をかばって紫電に打たれてしまう。
江澄は勝手に屋敷に入った温寧に逆上、再び紫電を放った。
しかし温寧は打たれても打たれても立ち上がり、なぜか江澄に″随便(ズイベン)″を差し出す。
「抜け」
「抜いたら何だ?!」
江澄はやけになって随便をつかんだが、なぜか剣が鞘から抜けた。
「封印を解いたのか?」
「解いていない、今も剣は封じられている、他の者が抜こうとしても、それが誰であれ抜けない」
「なぜだ…なぜ私は抜ける?」
「剣が魏公子だと思っているからだ」
「私を魏無羨だと?どうして?なぜ私なのだ?」
すると温寧はついにその秘密を明かした。
「なぜならその体内で霊力を生み出す金丹は…彼のものだからだ」



江澄はこれまで抱山散人(ホウザンサンジン)が金丹を修復してくれたと信じて疑わなかった。
突然、金丹が魏無羨の物だと言われても、とうてい受け入れがたい。
しかしその場にいた温寧は全てを目撃していた@18話。
「あなたは黒い布で目隠しをし、長い杖を持っていた
 山頂の手前で林を通り抜け、半時ほど迂回して鐘音のが聞こえたはず
 驚いた鳥が飛び立ち、あなたは杖を握りしめた、剣のように…
 鐘の音が静まると剣を突きつけられ、立ち止まれと女子の声がした
 あなたは歩みを止め、緊張しながらも興奮していた
 女子の声は低く、名前と目的を尋ねたので、あなたは…」
「黙れっ!」
「あなたは蔵色散人(ゾウシキサンジン)の子、ウェイインと答えた
 蓮花塢が襲われ滅亡に瀕し、温逐流(ウェンジューリゥ)に金丹を消されたと…
 その女子に両親のことを聞かれ、最後の質問に答える時、香を嗅いでから意識を失ったはずだ」
「なぜそれを?!」
「言っただろう?その場にいたと…私だけでなく魏公子もいた
 我らだけでなく、姉の温情(ウェンチン)もあの場にいた
 江宗主、あそこが抱山散人の隠居の地だと?ただの夷陵の山に過ぎなかったんだっ!」
「あり得ぬ…そんなはずはない!だったらなぜ私の金丹は修復された?!」
「修復されてなんかない!」
「違う!違う!そんなはずは…」
「江宗主、もう予想はつくだろう?
 金丹が修復されたように感じたのは、岐山温氏の最高の医師・温情がいたからだ
 姉が魏公子の金丹を取り出してあなたに移した!」
魏無羨は己を犠牲にして江澄を救っていた。
衝撃の真実に言葉を失う江澄、一方、藍湛は意識のない魏無羨の顔を見ながら、その深い情義に思わず涙した。

それ以来、魏無羨は礼儀知らずだと白い目で見られても、陰口を叩かれても、随便を使わなかった。
なぜなら金丹を失って霊力がなければ、随便を抜いても持ちこたえることができない。
剣の道が進めなくなり、魏無羨は止むを得ず詭道(キドウ)術法を編み出し、夷陵老祖となったのだ。
江澄は確かに思い当たる節があった。
第24話、江澄は肩に手を回してきた魏無羨を突き飛ばしたが、魏無羨はあっけなく転んでしまう。
…なんだ、酒の飲み過ぎで霊力も弱くなったか?
そして魏無羨はあの山で自分を送り出した時、必死に叫んでいた。
…江澄!これが最後の機会だ!2度と無茶はするなよ!
今になって思えば全て合点がいく。
しかし何も気づかず、魏無羨に剣を佩けと注意していたのだ。
それでも魏無羨はいつも笑っていた、こんな絶望を抱えながらも…。

藍湛はやりきれず、握りしめた避塵で床を突いた。
それはまるで知己の苦しみに寄り添えなかった自分への苛立ちをぶつけるように。(←と思う)
ガツン!

江澄は藍湛の無言の憤怒に身がすくみ、もはや立ち去る藍湛と魏無羨を止める気力はなかった。
すると温寧は随便を鞘にしまって江澄に渡し、他に誰か抜ける人がいるか試すよう勧める。
「そうすれば嘘かどうか分かるはず…
 江宗主、あなたは負けず嫌いで常に誰かと競っている
 でも本来、あなたは永遠にあの人には勝てない」
江澄は激しく動揺し、随便を持って逃げるように走って行った。

藍湛と温寧は魏無羨を舟に乗せ、蓮花湖に出た。
すると温寧が金丹の件は口止めされていると伝え、藍湛にしばらく伏せておいて欲しいと頼む。
またかつて藍湛が金麟台で味方してくれたことに感謝し、何より温苑(ウェンユエン)を世話してくれたことを喜んだ。
「てっきりうちの一族は皆殺しになったと思ってたのに…
 まさか阿苑が生き延びていたとは…従兄の二十代の頃とよく似ています」
実は温氏が処刑された後、藍湛は魏無羨を探しに乱葬崗を訪ねていた。
そこで偶然にも洞窟に隠れていた温苑を発見したという。
しかしその時、温苑は熱を出して病にかかっており、藍愿(ランユエン)はその影響で以前の記憶を失っていた。
温寧は藍愿が幸せなら気が重くなるような過去を知るより、今のままでいた方が良いと判断、素性は明かしていないという。
もちろんいずれは知ることになるだろう。
自分の金丹が魏無羨の物だと江澄が知ってしまったように…。



藍湛はふと金丹を取り出すのは痛いか聞いた。
温情なら何らかの方法があったのだろうが…。
しかし体から金丹を分離する時、麻酔にかかった状態では金丹も影響を受けるため、本人は覚醒している必要があった。
「意識がある中で霊脈と結合していた金丹が身体から分離され、
 湧き上がる霊力が少しずつ静まるのを感じる…
 そして最後は、何の波も立たない死水のように霊力は消える…」
「ずっと意識が…」
「1日半、ずっと覚醒しています」
「成功の確率はどれほど?」
「5割ほど…今まで誰も試したことのない施術です、誰が自分の金丹を他人にあげますか? 
 そんなことをすれば、永遠に自分が頂きに登れない非力な人間になってしまう
 だから魏公子に頼まれた時、姉は拒んだんです、でも魏公子は諦めず、
 ″5割でも十分だ、半々だろう?失敗して金丹を失っても自分には別の道がある″と…
 でも江宗主は違います、あまりに負けず嫌いで損得を重んじ、修行の成果は命も同然、
 もし何の変哲もない普通の人間になれば、人生は終わってしまうでしょう」
するとようやく魏無羨の意識が戻った。

魏無羨はいつの間にか舟に乗っていた。
そこで藍湛は江澄と戦って外へ出たとごまかす。
「藍湛、江澄の言うことなんて気にするなよ?
 あいつは昔からあの性格で、腹を立てるとひどい悪態をつく…絶対に気にするな、な?」
すると魏無羨は子供の頃、師姐と良く遊びに来た蓮花湖にいると気づいた。
…阿羨、蓮の実よ
魏無羨は江厭離(ジャンイエンリー)の幻影を見る。
…家族と呼べるのは私たち3人だけよ
…師姐~お腹が減ったよ~
…まるで子供みたいね
しかし師姐はもういない。
その時、ふいに魏無羨の頰を涙が伝った。
「魏公子?どうしたの?」
「…ふっ、腹が減った」

魏無羨たちが蓮の実で腹ごしらえしていると、金色の蝶がやって来た。
すると藍湛が手を差し出し、伝言を届けて蝶は消散する。
( ತ _ತ)<金光瑶が来た
( ̄꒳ ̄)<蘭陵にいるんだろう?なぜ雲夢に?…はっ!
魏無羨は芳菲殿で土地権利書を見たことを思い出した。
金光瑶の行き先は雲萍(ウンヘイ)城に違いない。

つづく


(꒦ິ⌑꒦ີ)師姐が言っていた通り、うーさんの性分は変わらない
「そんな性格だから阿澄を受け止められるのね」
「俺はそんな良い性格じゃない、師姐がいるからさ」
でももういない…。゚(∩ω∩`)゚。しくしく
あ、忘れるところだったけど、どうして宗主たちは金光瑶が赤鋒尊を殺したって知ってるんだろう?





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最終更新日  2020.06.11 11:03:29
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