60ばーばの手習い帳

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July 10, 2026
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カテゴリ: ミステリー三昧

 浅田次郎氏の短編集『沙高楼綺譚』から、ホラー味のある1編を。

国立博物館で偶然出会った小日向(おびなた)君に誘われ、「私」は​、「とっておきの体験談を語り合う、ちょっと面白い会」に誘われてきました。高級マンションの最上階に、「沙高楼」はありました。
 有名なガーデナー音羽妙子付きの、軽井沢の庭番だという老婆シゲが、妙子に代わって話し始めます。



 初代主の「閣下」は、百年後の名園を目指すとして、庭を作っていました。庭が
大好きだった、幼なかったシゲに「閣下」は、庭師の父の後を継ぎなさいと声をかけたのでした。

 庭は音羽男爵、その息子、邦隆へと引き継がれます。ふたりともおっとりとした主で、幸せな時間が流れるのですが…。シゲの父は「似合わぬ花を植えてはいけない」という戒めを与えます。

 父の意を汲み、シゲは庭を守り続けました。閣下の志を受けて。
庭を守るために彼女がしたことが、文の背後から浮かび上がってくる過程が怖いのです。彼女は庭に仕えるうちに、同化していき、人ではないものに変わっていく…。

 百年の庭には、軽井沢の土地と気候には適さないはずの薔薇が咲きあふれています。妙子のマチルダ、邦隆のシャポー・ド・ナポレオン、前妻のハイブリッド・ティー、父のサマー・スノー。

               参照元:浅田次郎『紗高楼綺譚』から『百年の庭』








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Last updated  July 10, 2026 12:00:12 AM
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