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「中国はとんでもないところだ。中国人は言うこと聞かないし、悪さばかりする....。」こういう話をするのは、大企業の日本人駐在員、しかもあまり若くない方にに多いように思えます。日本と比較したら、うまく行かないことはたくさんあるでしょう、ここは中国なのですから。でも中国のことを愚痴っている日本人駐在員の中には、中国人顔負けの"悪さ"を働いている人も居そうです.....。こんなお話、ブログに書くことは憚れちゃいますが、きょうはちょこっと触れることにします。なぜなら、そういう"悪さ"を働いているオジさんこそ、中国人スタッフの"悪さ"を声を大にして叫んだりしていたりするからです。例えば、社用車の私用。日本の大企業の幹部クラス以上の駐在員であれば、北京では社用車を使えたりします。朝夕の出勤・退勤のとき、取引先に出かけるとき、顧客を空港に出迎えたり送り出すときなどに、運転手つきの社用車を使います。取引先との接待で、夕食にご招待したり、顧客をご自宅までお送りする、これも社用だからOKでしょう。仕事関係の人とゴルフに出かけるときに社用車を使う、これもOKだと思います。お子さんの学校への送迎、奥様のお買い物など、駐在員の家族による社用車の利用を認めている企業もありますから、これも私用にはあたらないでしょう。私個人としてアウトだと思うのは、スナックやカラオケに社用車を待たせたまま、個人的に夜遅くまで遊んで、お店の女の子を社用車で送ったりする駐在員("送る"イコール"帰宅"というケースが多いわけですが)。若い日本の女の子との合コンに社用車で乗り付けて、気に入った女の子を送っていく、と言うのもアウトかな、と思っています。個人的に社用車を利用したり、休日にゴルフの送迎を頼む場合、運転手には会社の残業代とは別に恐らく個人的にチップを支払ったりしている場合もあるようですが、運転手とは言え会社関係の人間にチップを払うこと自体、よろしく無いような気もします。そういう私も、直接仕事に関係しない知人が北京にやってきたりすると、出迎えに社用車を利用したりしますが、自分を戒めるうえでも、社用車の私用は日本人的には良くない、と宣言します。ちなみに、中国人老板(社長、まぁ一流企業は別ですが)の場合、社用車=自分のクルマという感覚の方が多いようです。中国の商習慣などをあれこれ批判したいのであれば、社用車の私用は自粛するのが賢明ではないでしょうか。例えば、通訳や通訳の私用。中国語が得意でない駐在員にとって、通訳(或いは通訳兼秘書)は最も身近な中国人になる場合が多いようです。エアチケットの手配、ビザの更新、携帯電話の手配、住所変更手続き、顧客と接待に使うレストランの予約など、仕事に関わるさまざまなサポートをしてもらっているうちに、私的用件まで依頼してしまいがちです。食料品や日常用品のお買い物まで通訳連れで出かけるような駐在員の方は何度かお見受けしました。北京での生活環境に馴れるまでの間は、仕方ないのかもしれませんけど、更にエスカレートしてしまう方もいるようです。例えば、女性秘書とただならぬ関係になってしまうような.....。この場合も、社用車同様、お給料のほかに、個人的にお手当てを支払ったりするケースが多いらしいのですが。バレないように頑張っても、周囲の皆さんはお見通し、という場合が意外と多いことも忘れてはなりません。例えば、横領。私が実際に目撃したのは、北京での住居費用に関わるケースです。ウチもそうですが、日本本社の海外勤務規定により、北京での家賃の上限が定められている企業が多いのではないでしょうか。例えば上限が月2,500USDだとします。実際には2,000USDの家賃のマンションを借りて、家主や仲介不動産と結託して会社には2,500USDということにして、毎月500USDをバックマージンとして貰う、つまりピンハネするような輩が居たりするのです.....。あまり具体的なことは書けませんが、いろんなことをされている方がいらっしゃいますね。という私も小心者なので大きな"悪さ"はできないにせよ、せこい部分で会社を個人的に活用したりもしてきました。"悪さ"のことを、偽善者ぶって告発するつもりで書いているのではありません。私には、大きな"悪さ"をしている日本人駐在員のほうが、「中国人や中国人社員は"悪さ"ばかりする」などと大きな声で言いふらしているように思えて少し不愉快なのです。ご自身が清廉潔白ならば説得力もあるのでしょうが、私たち日本人にも弱いところがあるはずですから、そのあたりも考慮されたほうが良いのでは、などと思うのですが.....。
2006.04.27
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日本企業の中国現地法人では、大企業なら部長クラス、中小企業なら総経理(社長)を中国人に委ねています。マネージメントに中国人を登用することと『現地化』は決してイコールではないと思いますが、中国で中国人マネージメントを登用することは、ビジネスの成功に不可欠な必要条件ではあります。さて、中国人マネージメントの登用の仕方にも、大きく分けると二つの方法があります。一つは、日本の本社で仕事をしてきた中国人を中国の現地法人に駐在させる、と言う方法。もう一つは、中国で採用した有能な現地社員を登用する、と言う方法です。前者には、日本に留学し日本の別の企業で経験を積んで、日本で中国要員として転職し、ほぼすぐに中国に派遣されるケースなどもありますし、後者には、その現地法人の中で長年働いている社員が昇格する場合もありますし、いきなりヘッドハンティングで幹部に登用するケースもあります。様々なケースがありますが、日本の本社からの派遣か現地での登用か、の二つに分けてお話を進めてみたいと思います。中国人幹部を日本の本社から派遣する魅力は、何といっても会社に対するロイヤルティ(忠誠度)ではないでしょうか。これは、日本の本社社員が海外に駐在する場合と同じ待遇であることが前提ではありますが。お給料も評価も、自分の人生も、みんな日本の本社に依存することになりますから、日本の本社にとってマイナスになるような行為はあまりしないはずです。また、日本本社の企業理念、企業文化、社風などを理解している場合が多いので、中国の現地法人に日本の本社のそれらを導入する場合は、大きな力になるはずです。さらに、日本流のビジネスの仕方をわきまえているはずですから、中国における日系企業との取引などにも力を発揮できると思いますし、日本の本社との連絡、報告、交渉においても、うまく行くでしょう。日本の本社や現地法人の日本人にとっては、比較的安心感があると思います。しかし、これらのメリットはまた、デメリットに変わりかねない危険性をも秘めています。まずは待遇格差。日本の本社社員としての待遇と現地法人の幹部としての待遇には、多くの場合、雲泥の差があります。前者の場合、給料は日本本社の体系に基づきますし、海外勤務手当てなども上乗せされるでしょう。さらに、中国での住居や日本への帰国も会社費用で賄われる場合が多いはずです。現地採用の有能な幹部に、現地法人がいくら優遇したとしても、月5万RMBも払える日系現地法人は稀でしょう。年収60万RMB(約900万円)は、中国都市部のビジネスマンの中でもかなり高給取りに属すのでしょうが、同じポジションで日本の本社から派遣された中国人幹部の場合は、いろいろ含めるとこれ以上の報酬を得ているはずです。一般的には月2~3万RMBあたりが限界線でしょう。しかも、日本本社では成果や実績に関わらない(ほぼ)固定給が未だに主流ですが、中国の現地法人では成果報酬制を採用している企業も多いはずです。日本の本社からどんな待遇を受けているのか、現地法人の社員は知るはずもないだろう、考えるのは少し甘いと思います。給料や待遇のことなど筒抜けになってしまうのが中国の現状です。無理に隠そうとすれば、正確でない大袈裟な噂が立つことになるかもしれません。もちろんその中国人幹部が、現地法人の中で活躍して、成果を挙げ、現地法人のスタッフに評価されているのであれば、大きな問題にはなりません。中国では成果主義が根付いていますから、報酬に相応しいほどの活躍をしているのであれば、"本社待遇”であろうがなかろうが、現地法人のスタッフは納得するはずです。けれとも、そうで無いケースが意外に多いようなのです。その原因こそ、皮肉なことに日本流のビジネスの仕方をわきまえていることや、日本本社の事情をよく理解していることの"反作用"だったりします。つまり、日本に留学したり、日本の会社で働いている間に、中国の事情に疎くなってしまう場合が多く、中国の現地法人に赴任しても、現地でのビジネス経験の豊富な現地採用の中国人幹部ほど能力が発揮できず、なかなか成果を挙げられないケースがあるということです。。中国の変化は日本と比べものにならないくらい速いのです。5年、10年、日本で生活しているうちに、いろんなことが変化してしまいます。許認可や手続きのシステムやマーケットの状況などであれば、日本からでも情報収集できますが、中国ビジネスで重要な"人間関係"の形成に空白期間ができてしまいます。効果的な"人間関係"は主として実践を通して形成されていきます。中国で働いていれば、政府関係者にせよ、取引先にせよ、どんどん人脈を広げ深めることが可能ですが、日本に居る期間が長いほど、中国での人脈が細くなっていきます。日本本社から派遣された幹部は、中国人でありながら中国の事情に疎く、有効な人脈をあまり持たない人材と言うことになりかねないのです。ですから、現地採用の幹部よりも成果が挙げられないということにもなりかねないのです。さらに、日本流のビジネスの仕方に馴れてしまって、中国風のビジネスの仕方に馴染めないというケースもあります。日の本社が、日本流のビジネスの仕方を貫き通しほしい、と願ってくれても、"郷に入れば、郷に従え"です。中国で中国人が日本流のビジネスの仕方を貫き通して、うまく行くケースは稀ですし、マイナス面のほうが多いと思います。こうして、"待遇の割には使えないヤツ"という評判が現地採用のスタッフの中から沸きあがってくるケースがあります。こうなってしまうと、日本本社とのパイプの太さが、現地法人の内部での軋轢を生む原因になっていきます。日本から派遣された幹部なら日常的に本社とコミュニケーションできます。相談や報告が"的を得たもの"であれば良いのですが、自己保身のために、現地スタッフのよからぬ話をレポートするような場合もでてきます。現地採用の幹部のほうはダイレクトに日本の本社とコミュニケーションする機会が少ないでしょうし、日本側も本社から派遣させている中国人幹部の報告を信用しがちです。一方、現地で育成或いは採用した幹部は、中国や業界の事情に詳しいはずですし、中国のビジネス習慣をわきまえながら仕事を進めていくでしょうから、大きな成果を期待することができるかもしれません。でも日本の本社に対するロイヤルティ(忠誠度)はあまり期待できないでしょうし、リベートやバックマージンはおろか、ウラで自ら会社をつくって"ピンハネ"するようなリスクも否定できません。日本流のビジネスの仕方が理解できず、日本の本社としてはコントロールしにくいでしょう。現地法人の中国人幹部。日本から派遣する、現地で調達する、どちらの場合でも、メリットとデメリット(リスク)があります。もちろん、こうしたリスクの心配が要らないくらいの有能な人材が居れば、本社派遣だろうが現地採用だろうが、どちらでも構わないのですが、なかなか見つけることは難しいと思います。
2006.04.25
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朝陽公園南門の「パームスプリング・アパートメント」という高級マンション付設のショッピングモールにあった"ヨーカ堂"(正確にはヨークベニマル/王府井洋華堂朝陽公園南門店)が3月27日にひっそりと閉店してしまいました。昨年の8月にオープンしたばかりですから、半年ちょっとの短い命でした。利用者の一人として大変残念です。ちなみにイトーヨーカ堂(北京では「華堂商場」)は、現在北京に5店舗あります。営業面積9,000~20,000平米の総合スーパー(GMS)として、食料品だけではなく衣料品や家電なども販売しています。「華堂商場」(少なくとも私が良く行く2店舗)はいつも賑わっています。顧客の中心は、北京の中流より上の層といったところで、ローカルなお店として北京に根付いてきた感じがしています。いっぽう、今回無くなってしまった(北京の日本人の多くが呼ぶところの)"ヨーカ堂"は、日本で言えば「ヨークベニマル」のほうで、営業面積5,000平米以下で食料品を中心に販売するスーパーマーケットです。北京の老舗デパート「王府井百貨」との合弁で正式には「王府井洋華堂」(社名がヨーカ堂だから紛らわしいのですね)と言い、2004年に東三環路の南側に最初のお店をオープンし、朝陽公園南門店は2店舗目でした。「王府井洋華堂(ヨークベニマル)」の朝陽公園南門店は、ある意味でチャレンジングな出店だったと勝手に思っています。100mも離れていないお隣に「京客隆」というローカルな食品スーパーがドンと構えています。「京客隆」は北京に100店舗以上展開していますが、その「京客隆」は恐らくその中でも最も大きく、食品スーパーであるものの、日用品なども充実していて、いつも賑わっているお店なのです。食品スーパーである「王府井洋華堂(ヨークベニマル)」の商圏は徒歩圏内で恐らく半径1~1.5Km位でしょうし、商圏内に競合となりえる食品スーパーは「京客隆」以外にありませんから、ヨークベニマルのほうが敢えて人気店「京客隆」にガチンコ勝負を挑んだのだと思いました。しかも「京客隆」はバス停のまん前なのに、「王府井洋華堂(ヨークベニマル)」は通りにすら面していないアクセスの悪い地下店舗です。かなりチャレンジングだと思いました。もちろん、「王府井洋華堂(ヨークベニマル)」には「京客隆」には無い"強み"がありました。それは先発のイトーヨーカ堂(「華堂商場」)が培ってきたノウハウです。例えば、中国的なものだけではなく、お寿司や焼きそばやおでんやピザやトンカツやサラダなどのお惣菜が充実していること、そして火を通して好みの味付けをするだけでよい半完成食品が充実していることです。「京客隆」の顧客の中心が中流以下の層とするなら、「王府井洋華堂」(ヨークベニマル)はお惣菜や半完成食品や"小湯山"産オーガニック野菜などの"ワンランク上"の品揃えも整え、中流よりちょっと上の層までを狙うことができると考えたのではないでしょうか。現に「王府井洋華堂(ヨークベニマル)」朝陽公園南門店の背後にはお金持ちのローカルや外国の駐在員が住むような高級マンションが控えており、さらに東側には"小金持ち"のローカルをターゲットとした準高級マンション群が立ち並んでいます。背後に控える(準)高級マンション群の高所得顧客を取り込むと同時に、どローカルな「京客隆」から中流以上の顧客を奪い取るという戦略だったように私には思えました。ところが誤算その一は、背後に控える(準)高級マンション群の入居者が思うように増えなかったことでしょう。「パームスプリング・アパートメント」は別として、その東側のマンション群は竣工が遅れたり、投機目的買いなのに店子が見つからなかったりで入居率が低く、結果として商圏内の高所得者人口がなかなか増えなかったのでしょう。更に誤算その二は、当てにしていた高所得家族の多くはお手伝いさん(アーイ)を雇っていて、食品購入店の選択権はお手伝いさんが握っていたと言うことでしょう。多くのお手伝いさんは、良いモノをより安く買うことを半分生き甲斐にしていますから、どちらかと言うと身近で安心感のある「京客隆」を選んでしまったようです。そもそも、手料理を作るのが役割のお手伝いさんがヨークベニマルで買って来たお惣菜で済ませるわけにはいきませんし....。このように、商圏内の"小金持ち"が予想より増えなかったこと、そして高所得家庭の食品購入はお手伝いさんが仕切っているという現実が、「王府井洋華堂」(ヨークベニマル)朝陽公園南門店を窮地に追い込んだ原因ではないか、と私は勝手に推測しています。オープンしたての頃は、お惣菜も日本や洋風の食材も大変充実していました。北京に住む日本人にとっても魅力的な品揃えだったのですが、お客さんの入りが厳しくなるにつれて、お惣菜はローカル化していき、品揃えも怪しくなってしまいました。コスト削減のためかレジ係が一人か二人になってしまい、一時的に長い行列ができることもあり、サービスの質も低下した感じでした。そうしたことから、ここ数ヶ月は中心ターゲットであるローカルの人たちからだけではなく、北京在住の日本人からも支持を失う状況だったようです。そして3月27日、ほとんど予告無しにひっそりと「王府井洋華堂」(ヨークベニマル)朝陽公園南門店は閉店してしまいました.....。ある意味、英断だったと思います。ここ北京はレストランもスーパーもスナックもカラオケも、儲かりそうに無くなると、スパっと無くなってしまいます。方策を尽くしてもダメだったなら、潔く撤退する、という"引き際"こそ大切だと思います。幸いにも北京のイトーヨーカ堂(「華堂商場」)は元気なようですし、「王府井洋華堂」(ヨークベニマル)も起死回生を図ってもらいたいと願っております。
2006.04.03
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