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こんにちは。 この一週間。 座談会に出席したり、海外のテレビ局の取材を受けたり、国家試験の監督をしたり、賞味期限の切れたチョコレートを食べて気持ち悪くなったり、早くも花粉症の症状が出たりと、とてもエキサイティングでした。 そろそろ、ビジネスネタや文章ネタを書かなくてはとあせり始める今日この頃。 なのに、少しも気力が沸き起こってまいりませぬ。 この脱力感は、花粉症から来るのでしょうか。 まだ、脳みそが花粉まみれのきなこ餅状態というほどではないのですが、なんとなく頭の中に靄がかかっている状態。 しかしオイラには、食欲のないときでも食べられる、さっぱり風味のそうめんのようなネタがあるのでした。 それは、お散歩ネタ。 やる気が出るまでお散歩ネタでつなごうか、とせこいことを考えたのでした。 不幸中の幸いというか、今年、花粉症が発症する前に撮りためた写真が結構ありますし。 …ということで、今日のお散歩ネタは、お正月に行った神奈川県の真鶴です。 真鶴は、東海道線の東京から見て、小田原の先、熱海の手前にある町。 首都圏から真鶴へ行くには、小田急で小田原まで出て、そこから東海道線に乗ると格安ですよ。 ちなみに小田原から真鶴までのJRの運賃は、230円っす。 オイラが、JR真鶴駅に着いたのは、1月4日の午前11時。 駅前を国道が通り、ひっきりなしに乗用車やバス、トラックが行き過ぎます。高いビルもなく、コンビニや食堂の家並みの後ろには小高い丘といった風情。 ガイドブックを見ながら、まず駅の近くにあるという荒井城址公園を訪ねてみることにしました。 駅の正面から伸びる大通りの横に伸びる小道を行くと、小高い丘の麓に荒井城址公園入り口の標識が。 階段を少し登ると、明らかに土塁と空堀のあとがわかります。 思ったよりきれいに城跡が残っているので、うれしくなってさらに階段を登ると、広く開けた広場に出ました。 がぁぁぁぁぁぁ~ん。 ちょっと、整備しすぎ…。 おそらく、二の丸か三の丸のあとだったと思うのですが、完全にどこにでもある普通の公園になっている。 あとで調べてみると、かつて城址公園として整備したときに、城郭遺構はかなり破壊されてしまったらしい。 城址公園とは、この場合、「昔、城のあったところ」という認識なのですな。 この城は、かつて後三年の役(1083)に源義家の配下として出陣した荒井実継の居城だったとか。その後は荒井氏に代わり鎌倉幕府の有力御家人である土肥氏の持ち城となり、戦国時代には後北条氏の烽火台として機能していたと伝えられる。 城址公園として整備されたとき、平安時代から後北条氏の遺構がどれくらい残っていたかわかりませんが、なるべく手を入れないでもらいたかったニャー。 …というのは、現在の地形から当時の城跡をイメージできないのです。ここよりもっと高い地形に、住宅が建ち並んでいるので、そこも城内だったのでしょう。 おそらく本丸は、もっと高い場所にあったように思えるし。 腕を組みつつ、当時の城の縄張りを考えましたがわからない。仕方なく後ろ髪を引かれる思いで、真鶴半島へ向かうことにしました。 真鶴半島は、相模湾に小指を立てたような形状で、その背骨にあたる位置に高い尾根が半島の先端まで続く。 その尾根道ともいえる舗装道路を、オイラは気持ちよく歩きました。 時折、木々や家並みが切れる場所から、相模湾のオーシャンブルーが冬の暖かな日差しに光り輝いて広がっているのが見渡せます。 あまりの絶景に、思わず立ち止まって何枚も写真を撮りました。 快調に歩き、最初の目的地である御林展望公園に到着。 広大な芝生の広場と海に面した高台から熱海方面を望むことができます。 展望公園の横にある中川一政美術館に寄ってみました。 ここは、真鶴町立の美術館で、かつて真鶴町にアトリエを設けていた中川一政画伯から、約600点の作品の寄贈を受け、平成元年に開館したとか。 中川一政は、昔、日曜美術館で紹介されていた頃から名前は知っていました。昔、ゴジラの映画に出ていた女優の中川安奈は、孫娘だということも。 でも、彼の作品を間近でしみじみと鑑賞したのは、今回が初めてであったような。 行った日は、20歳代の初期の作品から97歳で死去する間近の作品まで見ることができましたが、70歳代から80歳くらいまでの作品がすごくいいですね。 真鶴の福浦港にキャンバスを据え、毎日外で港や港から見える山を描いた油彩の奔放な色使いが見る者を圧倒する。 絵を飾る額にも、それぞれの絵が引き立つような彫刻を施したり、色を塗ったりしてあったのが興味深かったですね~。 あと、参考作品として、生前、中川一政が納得できないと思った作品も展示されていました。 その作品と、他の作品を比べてみて、素晴らしい作品はベクトルが外に向かって放射されているなと、感じました。 逆に参考作品は、うまくまとまっているけれど、それがかえってベクトルが内側に向かっているのではないか、と…。 絵のことはよくわからないので、あまりえらそーに書くとボロが出てきますからこのくらいにしておきます。 でも、70歳過ぎてから、人生でもっとも素晴らしい作品を描き続けることができたというのは励みになりますね。 オイラも、頑張らねば。 さて、中川一政美術館を出て、いよいよ半島の先端を目指して歩き始めました。 美術館の近くの案内板に従って、「お林遊歩道」の緩やかな登りの道に入る。 森林浴気分で道を登ると、やがて十字路に。 そこをまっすぐ進み、小鳥の観察小屋の近くを過ぎ、うっそうとした森に囲まれた車道に出て、道なりにゆるやかに登っていきます。 やがて周囲は明るく開け、半島の先端の丘の上に立つ観光施設、ケープ真鶴の正面に出ました。 裏手の芝生の広場に出ると、目の前は相模湾。 太陽が直接目に入って、眩しいのなんの。 それでも、透き通るような青の水平線の向こうには初島や伊豆の山々が見渡せました。 かすみがかかった先におぼろに見えるのは、大島でしょうか。 近くに目を転じると、岬の先端には荒波が押し寄せる岩場の風景。海から突き出た岩は、有名な三ツ石ですね~。 石段を降りて、三ツ石海岸へ向かいました。 岩に波が押し寄せて、白く砕ける景色はなかなか。 この景色が、真鶴のシンボルというのも頷けました。 ここから、磯伝いに設けられた「潮騒遊歩道」を歩きます。確かに、波の音はウォーキングのバックグランドミュージックとしては絶妙。 荒波が打ち寄せる岩場の中に舗装された道をゆっくり歩き、青く澄んだ入江の番場浦へ出る。 月夜の晩だったら、松田聖子の名曲「秘密の花園」が似合いそうな景色。 ここから潮騒の音に別れを告げ、再び階段を登って、「森林浴遊歩道」へ入ります。さきほど通った道を抜け、舗装された車道を両側に樹林を見ながら歩くと、岬入口の標識がクロマツやくすのきの巨木に囲まれた車道に立っていました。 ここからは下りで、琴ヶ浜海岸の素晴らしい風景が見渡せます。 琴ヶ浜には、名物の干物や鮮魚店が並んでいる。 ウインドウショッピングならぬ店先ショッピングを楽しんだあと、階段を下りて海辺へ出てみました。 こちらも海岸伝いに広い道が整備されていて、波の音を聴きながらウォーキングを楽しむことができるのですね~。 少し浜辺は人工的な感じもしましたが、海はモノホンの素晴らしさ。 色といい、水のきれいさといい、夏に来たら最高かも。 ゆっくり海辺の景色を堪能しながら歩き、あっという間に真鶴港へ着きました。 小さな漁港ですが、近くにヨットハーバーや魚市場、鮮魚料理の店や干物を売る店など、ほとんどすべてのアイテムが揃っています。 遊覧船の発着場もあって、さきほどの三ツ石など真鶴半島を海から眺めることもできるのですよ。 魚市場のバス停のそばに、品川台場礎石の碑がありました。 去年行った、お台場の壮大な石垣は、ここから運ばれた石によって作られたのでしょうか。 巨石の碑の後ろに、しとどの窟という史跡もありました。 解説板を読むと、源頼朝が石垣山の戦いに敗れたとき、この岩屋に一時隠れて難を逃れたのだとか。 岩屋の中を覗き込むと、薄暗くて3畳のスペースもないでしょうね。 のちの征夷大将軍が、こんな薄暗い穴の中で、息を殺して隠れていたなんて、歴史のロマンを感じました。 頼朝もかなりやばい橋をわたって創業したのですな。 それにしても、海のそばだし、前の道からもわりと目立つ場所にあるし、すぐ見つかってしまうような気もするのだけど…。
2007年01月31日
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こんばんは。 日中忙しくて、久々の夜更新です。 さて前回、文字数をオーバーしたために発表できなかった、「輝く!私が、去年読んで面白かった小説大賞」。 まさか、ここまで引っ張ることになろうとは夢にも思いませんでした。 いよいよ発表させていただきますが、 なんか、今更という空気も漂っている今日この頃。 芥川賞と直木賞の発表とかあって、そちらのほうに話題を奪われてしまったですから~。 …なんて言い訳をいったら、ブログの管理画面の改悪で叩かれる楽天のスタッフみたいになりそうですね。 それはともかく、オイラの去年読んで面白かった小説大賞は、作家の先生方なら誰もいらないのは間違いないところですな。 でも、芥川賞と直木賞だけは別。 最近は、芥川賞をとっても消えてゆく新人作家は少なくないと思いますが、それは実力の問題もあるから仕方ない。 しかし、これらの賞を取る限り、実力があるのに世の中から見向きもされないという悲劇だけは回避することができる。 だから、太宰治のような実力のある大作家でも、芥川賞くれ~と恥を忍んで嘆願したのでしょうか。 ところで今回の直木賞は、該当作なしでしたね。 今回の候補作をまだ一冊も読んでないので何ともいえませんが、歴代の直木賞受賞作をずっと読み続けているうちに、ある種の傾向があることがわかりました。 感覚的なことなので、それを文章にするのは難しい。 無理やり言葉にすれば、作品の中に作者の技巧が見えないというか。 それもちょっと抽象的ですね。あえて言えば、作者の顔が見えない作品。作り手の考えていることを意識しないで読み進められる作品と言ったらいいでしょうか。 審査委員の大先生方は、同業者のプロ。 作品を読むうちに、作者の考えているプロットや意図が垣間見えてくるはず。 作者が、ここはお涙頂戴で行こうとしているな、とか、ここでメッセージを込めようと考えているなとわかったら、もう駄目。 ふふふ、私たちプロの読み手が、お前さんのような後輩の書いた作品に、そう簡単に感動させられてたまるか、と急に評価が厳しくなる。 むしろ、純朴で、余計な装飾のないシンプルな作品を好む傾向にあるのではないか。 たとえば、浅田次郎は「蒼穹の昴」で直木賞確実と言われながら落選し、次の回の「鉄道員」で受賞したケース。 「蒼穹の昴」は、いい作品だと思いますが、ちょっと作者の技巧が前面に出すぎているような気がしました。 「鉄道員」は、短編集なので枚数が限られていて、あっさりシンプルな構成にならざるを得ないのが、逆によかったのでしょう。 作者の意図が垣間見える暇もなく、ゆったりと感動の余韻に浸ることができた。 宮部みゆきも、本来の彼女の文体とは違う「理由」で直木賞を取っていますね。 シンプルなドキュメンタリータッチの作品です。 ご本人の話を聞くと、松本清張の文体の真似っ子をしたそうですが…。 宮部みゆきは、技巧派としては浅田次郎と双璧をなす作家だと思います。 だけど、それまでは何度も候補になりながら落選。 同じプロの作家として、審査委員たちは、彼女の文章の技巧派ぶりが鼻についたのかも。 ほかにも、具体例はいくらでもあげられますが、肝心の発表ができなくなるといけないので、直木賞の傾向と対策はいずれまた。 ちなみに、オイラの「私が面白かった小説大賞」は、そんなことどうでもよくて、単に個人的な趣味の面白かったかどうかだけで選んでいますので念のため。 それでは、もう一度ベスト5作品のおさらいと、前回できなかった「鳥類学者のファンタジア」のプックレビューから。 ● 終戦のローレライ 福井晴敏著● 四日間の奇蹟 浅倉卓弥著● 対岸の彼女 角田光代著 ● 深重の海 津本陽著● 鳥類学者のファンタジア 奥泉光著 さて、この作品のブックレビューだけまだでしたね。 いわゆるタイムトラベルものですが、同時に場所も移動してしまうという力技がすごい。 しかも、タイムトラベルを司っているのは猫ちゃんとは。 普通なら、荒唐無稽なストーリーになっているのでしょうが、この作品を魅力あるものにしているのは、主人公の三十路のジャズ・ピアニスト、フォギーこと池永希梨子の存在かも。 彼女は、国分寺のライブの夜に不思議な女性に遭遇する。幽霊のように思えた彼女は「ピュタゴラスの天体」「オルフェウスの音階」という謎の言葉を残して霧の中に姿を消す。 自分とよく似た容貌とピアノ弾きの手を持つその女性は大戦中にベルリンで亡くなったという祖母の曾根崎霧子ではないのか。 フォギーは後輩の佐和子と祖母のことを調べ出す。ベルリン留学中の霧子の周りにはナチスの影が差していた。父の三回忌で訪れた山形の実家の倉で祖母が父に贈ったオルゴールを発見したフォギーは時空を跳んで、戦時下のベルリンへ行く羽目になる。 ストーリーを追ってゆくと、フォギーの身にはとんでもないことが起こったことになりますよね。 同じタイムトラベルものの戦国自衛隊だったら、元の世界に戻ろうと焦燥し、絶望感すら漂っていました。 ところが彼女はあわてない。 いずれ戻れるだろうと、流れに身をゆだね、あまり深く考えずに新しい生活を送る。 本の中では、目が離れていていつもボーッとしている顔をした性格に描かれています。そこがまたほのぼのとしていてとてもいい。 ビジュアル的にはなんとなく、平原綾香をイメージしてしまいました。 音楽家という共通点もありますし。 戦時下のドイツとタイムトラベルという設定なのに、この作品はゆったりゆっくりのんびりとストーリーが進む。 それでも飽きないのは、フォギーの自虐的で客観的な一人称の描き方かも。 作品全体を通じて、ジャズをはじめとする音楽の薀蓄で満たされているのも、センスのよさを感じさせます。 音楽のことがわからなくても、楽しめるところがまたいいですね。 お忙しの現代人にとって、何が起こっても、自分を客観的にほのぼのと眺められるフォギーの生き方は参考になると思いました。 また傍から見ても、魅力的ですよ。 …ということで、以上ベスト5のご紹介が終わりました。 この中から、グランプリの一冊を選ぶのですか。 そんなことして果たしていいのだろうかと思いつつ、どーせ素人だし、法律に違反するわけでもないから、いっちょやってやろうかなどと不遜な気持ちになる今日この頃。 それでは、清水の舞台から飛び降りる気持ちになって、ビジベンが選ぶ「私が、去年読んで面白かった小説大賞2006」は…ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ… ( ← ドラムの音?) 間 (by 倉本聡) 浅倉卓弥さんの「四日間の奇蹟」に決定いたしました~♪ グランプリを取っても何も出ませんし、かえって評価が下がったどうしてくれると言われても責任を負いかねますので念のため。 もともとミリオンセラーで、十分評価の高い作品。勝ち馬に乗ったのか、と言われればそれまでですけど…。 理由ですか。 やっぱし、読む前と読んだあとのいい意味でのギャップが大きかったです、この作品は。 オイラ的には、医療に対するディティールがしっかり書き込まれていたのもポイントが高かったですね。 プロットやネタが、既存の有名作家の作品に似ているという批判も多々あるみたいですが、登場人物の台詞回しのうまさと魅力は、日本の作家の中でも最高水準だと思いました。 あとで聞いたら、執筆に一年以上を費やしたらしい。 実際の執筆の倍の時間を推敲作業に費やしたとか。 当時、素人だからできたのでしょうね。職業作家になると、ひとつの作品に7ヶ月間もかかりきりで推敲などできないでしょうから。 作家が骨身を削った完成度の高い作品を、ポップコーンをつまみながら寝転がって堪能できるのが読書のいいところ。 いや~、読書って、ホントに楽しいもんですね~。
2007年01月24日
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こんにちは。 今日は長くなりそうなので、前ふりなしで行きまっす。 さて、去年からさんざん引っ張った読書ネタ。 とうとう今日、大賞を発表して決着がつきまする。 ところでおととしは、ベスト10だけ選んで、大賞受賞作は選べなかったんですよ。 昨日発表された直木賞みたいに、該当作なしというのではなく、どんぐりの背比べで選べなかったというか。 今年は、ベストワン作品を自分の頭の中の満場一致で決定することができました~♪ それは、最後に発表いたします。 その前に、前回書けなかったベスト5作品のブックレビューから。● 終戦のローレライ 福井晴敏著 昨年ベスト10入りした「亡国のイージス」に続き、今年もベスト5入りです。長大な小説なのに、長さを感じない。 こちらのほうが好きだという人もまわりに多かったような気がします。 前作同様、次から次へとトラブルが発生し、それを一つひとつ乗り越えながら、若き主人公が成長してゆく過程がまた共感を呼ぶのかも。 時代はタイトル通り、第二次世界大戦の終結間際。ドイツの降伏後,秘密兵器ローレライを搭載して,潜水艦が日本まで回航されてくる。 その秘密兵器の「ローレライ」とは何なのか、が前半の大きな山場。突拍子もないものなのですが、その背景や経緯がしっかり書き込まれているので、リアル感が損なわれることはありませぬ。 ある雑誌で作者へのインタビューを見たのですが、最初から映画化を想定して書かれたものだとか。 テーマを潜水艦モノということで依頼したのは映画監督だそうですね~。 潜水艦なら、セットもそれほどお金がかからないですから。 そんなセコイ舞台裏があったとは思えないほど、この物語は雄大でプロットや伏線も複雑に富んでいて、ストーリテラーとしての作者の才能が感じられます。 それにしても、当時の潜水艦での生活は大変だったのでしょうね。狭いし、息苦しいし、臭いもきつそう。 読んでいて息苦しさを覚えてくるくらいだから、このリアル感は半端ではない。 誰でも、戦争末期の潜水艦での生活を経験できる。 本を読むだけで、普通ではとても味わえない経験ができるなんて、いゃ~読書ってホントにいいもんですね~。● 四日間の奇蹟 浅倉卓弥著 この本を図書館で手に取ったとき、まったく期待していなかったんですよ。ほかに借りたい本が全部借りられていて、仕方なくこれを選んだのでした。 ところがどっこい、読み始めて数分で、あれれ、これは面白いじゃんと、オイラの借りたかった本を借りていった人に感謝したぐらい。 あらすじをそのまま引用すると、脳に障害を負った少女とピアニストの道を閉ざされた青年が山奥の診療所で遭遇する不思議な出来事を、最高の筆致で描く癒しと再生のファンタジー。 ちなみに、第1回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作だそうですね。 宣伝文には、審査員から「描写力抜群、正統派の魅力」「新人離れしたうまさが光る!」「張り巡らされた伏線がラストで感動へと結実する」「ここ十年の新人賞ベスト1」と絶賛された感涙のベストセラーを待望の文庫化、とありました。 装飾された宣伝文には、一応興味を惹かれますが、それを真に受けて喜んで読むほど若くはない。 今まで何度も期待を裏切られた悲しい過去があるからです。 しかし、この作品に限っては、なるほど~確かにおっしゃる通りと納得できました。 最初の数ページを読んだだけで、この人、文章がうまいなとまず驚き。そして、出だしのインパクトと思わせぶりな伏線の張り方に次を読みたいという興味をそそられる。 新人というより、どこぞの文学賞審査委員の大作家先生よりもうまいと思われる文章力。 ただ、ミステリーではないし、プロットも、実はどこかで読んだような印象をうける。 この作者のその後の作品の評価もあまり聞かないし…。 それでも、オイラはこの作品の中に他の作家の作品とは比べ物にならない魅力を発見しました。 それは、「 」の中。 登場人物の台詞回しのうまさですね~。 とくに、主人公の相手役?を演じる岩村真理子の台詞がとてつもなく長いんですよ。 もう、一人でしゃべりまくるというか。 それでも、この人物の魅力が伝わってくる。 読んでいて、となりでペラペラしゃべっているような臨場感を味わえます。 ファンタジーのシーンとかもあって、読後感は最高でした。 まだ読んでいない人は、読んで損はないと思いますよ。● 対岸の彼女 角田光代著 こちらの作品はブログでの中でも取り上げましたね。 オイラが気に入った箇所は、普通の文学的な部分ではなく、ビジネスの現場の臨場感でした。 とくに、女性社長の率いる旅行代理店が、新規事業としてハウスクリーニングを手がけるリアル感にはびっくりしたな~もう。 スモールビジネスの現場にいるオイラからしても、全然違和感がない。 ハウスクリーニングの研修風景、新規事業立ち上げの問題点、チラシのポスティングの反応率。 現実に、企業が経験のない分野で新規事業を立ち上げたら、こういうシミュレーションで事が進むだろうと思うのです。 たとえば最初は、知り合いが顧客になってくれるのだけれど、注文は3件でストップ。そこから、まったく仕事のない長~い空白期間。 チラシをポスティングしても、まったく効果なし。 それでもコツコツ宣伝していると、あきらめかけた頃に、電話で見積り依頼が入る。 しかし相見積りで、すぐには決まらない。 最初の仕事が決まったとき、感動して涙を流す主人公にジーンときました。 だけど、そのまま事業が軌道に乗るわけではなく、過酷な試練が待ち受けて…。 もちろん、作者が現場の人たちに密着して取材したからだと思いますが、作家自身にバックグラウンドがなければ、ここまでリアルに書けないかも。 その意味では突っ込みを入れられない作品でした。 世間的には、30代、既婚、子持ちの「勝ち犬」小夜子と、独身、子なしの「負け犬」葵という二人の主人公がビジネスの現場では社長と社員と立場は逆転する。 でも、屈託なく明るい葵社長の性格と生き方に共感できましたね。 ● 深重の海 津本陽著 一転、こちらはこれぞ直木賞~という心にずんと響く極太の長編大作。 こちらも宣伝の文章を引用されていただくと… 明治11年12月24日夕刻、熊野灘の沖に現われた1頭の巨大な鯨に、300人もの男たちが銛を手に、小舟を操って立ち向かっていった。これが“背美流れ”と云われた大遭難の発端であり、慶長以来400年もつづいた古式捕鯨の組織“鯨方”壊滅の始まりでもあった。 文明開化という時代のさ中で滅びていった人びとの絶叫と、燦爛たる愛とをドラマチックに描いた感動の長編。 すごいっす。男の世界っす。 軽く生きている人たちを描いた小説の後に、命をかけて巨大な鯨に挑んでゆく男たちの姿を読むと、どちらが幸せなのだろうかと考えてしまいます。 いわゆる大きな目標に向かって、村の人たち全員が一丸となって助け合いながら生きているという感じ。 昭和の時代も、もう少し豊かになりたいというひとつの目標に向かって、多くの人たちは生き生きと生きていたような。 この本の中で、鯨を捕まえるのが多くの人たちの分業に支えられているということを知りました。 一頭捕まえるだけでひとつの村が潤うという男たちの使命感というか。 太く短い人生でも、目標が明確で迷いのない人生を送ることの素晴らしさを感じさせてくれる一冊でした。● 鳥類学者のファンタジア 奥泉光著 …ということで、以上ベスト4のご紹介が終わりました。 実は、このあとに鳥類学者のファンタジアのブックレビューと大賞受賞作を発表した記事を書いたのですよ。ところが、文字が10000字を超えたためにエラーになってしまったのです。 これ以上引っ張るつもりはなかったのに、残念! 誠に恐縮ですが、仕方なく発表はまた次回に。
2007年01月17日
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こんにちは。 今年の冬はそれほど寒くないなと思ったら、ここに来て朝晩はグッと冷え込んできましたね。 でも、子供の頃の記憶からすると、東京はもっと寒かったような。 正月過ぎてから小学校に登校するとき、皆、吐く息が白くなっていたり、水溜りが凍っていたりして、よく転びました。 去年の暮れから今年にかけて、氷はおろか、吐く息が白くなることもなかったです。 ユニクロのエアテックコートだって、一度も着ていないのですよ。 あれだけ苦労して覚えたヨン様巻きだって、もう忘れそうだし…。 やはり、地球温暖化が確実に進んでいるのだと実感される今日この頃。 おととしだったか、雪女の伝説は、東北の寒村ではなく、東京の青梅市が舞台だと聞いて驚いたのも、記憶に新しいところです。 江戸時代は、青梅にも雪女が現れるくらい寒かったのですね。 あと、何十年かしたら、冬に蚊取り線香やごきぶりホイホイのお世話にならなければいけないかも、と思ったのでした。 さて、昨年、ノミネートまでしておきながら、発表がそのままになっていた「私が面白かった小説ベスト5 ( 2006年 )」。 そろそろ書きませんと、読んだ本の中身を忘れてしまう。 と言っても、ずいぶん前でしたから、何を読んだのかさえ忘れているのでした。 ちなみにオイラが去年読んだ本をもう一度あげますと、以下のとおりです。 1月 龍臥亭事件(下) 島田荘司 真田太平記 11 池波正太郎 真田太平記 12 池波正太郎 弥勒 篠田節子 2月 影武者徳川家康 隆慶一郎 雨月荘事件 和久峻三 エトロフ発緊急電 佐々木譲 絆 小杉健治 3月 マレー鉄道の謎 有栖川有栖 終戦のローレライ 福井晴敏 4月 生きる 乙川優三郎 山妣 坂東真砂子 5月 石の中の蜘蛛 浅暮三文 四日間の奇蹟 浅倉卓弥 片想い 東野圭吾 6月 孤島パズル 有栖川有栖 いま、会いにゆきます 市川拓司 ネバーランド 恩田睦 反自殺クラブ 石田衣良 7月 渇きの町 北方謙三 背いて故郷 志水辰夫 胡蝶の夢 (4) 司馬遼太郎 8月 大誘拐 天藤真 天山を越えて 胡桃沢耕史 対岸の彼女 角田光代 9月 深重の海 津本陽 天使のナイフ 薬丸岳 鳥類学者のファンタジア 奥泉光 10月 古代天皇の秘密 高木彬光 暗黒館の殺人(上) 綾辻行人 暗黒館の殺人(下) 綾辻行人 11月 自家製文章読本 井上ひさし 真説宮本武蔵 司馬遼太郎 千曲川のスケッチ 島崎藤村 ダヴィンチ・コード(上) ダン・ブラウン ダヴィンチ・コード(下) ダン・ブラウン 12月 幕末 司馬遼太郎 傷ついた野獣 伴野朗 私家版日本語文法 井上ひさし うぬぬ、この中から5冊というのはホントに難しいっす。 世界的ベストセラーをはじめ、巨匠や直木賞、推理作家協会賞受賞作が目白押しですからね。 プロだったら、こんな神をも恐れぬ所業はできないかも。 やはり素人はいいと思いました。 それはともかく、上記の本の中から独断と偏見で、オイラが去年読んで面白かったベスト5を選ぶと次のようになります。 ちなみに読んだ順番ですよ。● 終戦のローレライ 福井晴敏● 四日間の奇蹟 浅倉卓弥● 対岸の彼女 角田光代● 深重の海 津本陽● 鳥類学者のファンタジア 奥泉光 もちろん、去年ブログで取り上げたダヴィンチ・コードは期待にたがわぬ面白さだったのですが、それ以上に上記の5作品が面白かったというか、印象に残ったというか。 ほかにも、去年読んだ中で、上記の作品に勝るとも劣らないくらい面白い作品はありました。 たとえば、「雨月荘事件 和久峻三著」は、新しい試みのミステリー作品として素晴らしかったです。 裁判記録ファイルそのものを、元裁判官が講師を務める「市民セミナー」の講義にそって読み進めるという魅力的な趣向。日本のミステリーでは例を見ない形式だそうな。 読者は実際に裁判を傍聴し、参加しているような気分になる。 もうすぐ陪審員制度がはじまるみたいだから、その前に全国民はこの本を必読のこと、なんて法律が改正されたりして。 そのときの購入費は、もちろん公費でお願いしたいところですが…。 実際の裁判と同じように、公判調書には起訴状、公判調書、証拠等関係カード、実況検分調書、証人尋問調書、逮捕状、弁解録取書、勾留状、供述調書、解剖結果報告書、鑑定書、被告人供述調書等、必要な書類がすべて収められ、しかも最後のどんでん返し部分は袋とじ。 ちなみに、この本が日本推理作家協会賞受賞作なのは異論のないところです。 リアルミステリーの好きな方は是非どうぞ。 それから、「山妣 坂東真砂子著」も、一風変わった独自の世界を持っている小説でした。 明治末期、東京からやって来た旅芸人が静かな越後の山村に嵐を巻き起こした。その男の肉体に隠された秘密、そして地主の若夫婦との間に芽生えた密やかな三角関係が、伝説の中から山妣の姿を浮かび上がらせる。明らかになっていく山妣の凄絶な過去。そして熊狩りの日、山神の叫ぶ声が響き、白雪を朱に染める惨劇の幕が開いた―。 …と紹介文にある。 書評を読むと、ホラー・伝奇小説の枠を破ったとあるけれど、確かにそのジャンルには収まらない。 それほど怖くはないし、伝奇というほど古めかしくはない。生きるということの悲しさみたいなものを痛切に感じさせてくれる小説と感じましたね。 正直言うと、この小説のテーマがよくわからないのですよ。 ひと言でいうと、心の奥の部分に溜まるものがあって、それがなかなか取れなくて妙にセンチメンタルな気分になる。 ただ悪い気分ではありませんので、念のため。 ちなみに直木賞受賞作なのでした。 それからもう一冊。 「天山を越えて 胡桃沢 耕史著」 こちらも推理作家協会賞受賞作だけあって、ミステリーの枠組みを備えています。 最後でそれがわかるのですが、それを書くとネタばれになるのでこの辺で。 でもこの作品は、ミステリーというより冒険ものですね。 特に旧満州からモンゴルや旧ソビエトと接する中国奥地までらくだに乗って延々と苦しい旅をするシーンのリアル感はなかなかです。 著者自身も、戦争中は中国で苦しい思いをしたようなので、その小さなエピソード一つひとつに惹きつけられました。 「アラビアのロレンス」の映画の砂漠のシーンだけ忘れられないように、天山の砂漠のシーンはきっとこれからも頭に残りそうです。 …と言いながら、ベスト5以外の作品に触れていたら、長くなりすぎてしまいました。 これからベスト5の感想と、この中から、「私が、今年読んで面白かった小説大賞2006」を発表していたら、とんでもなく長くなりそう。 なので、去年の総決算は、また次回に発表いたします。 さて、皆さんだったら、どの作品を大賞に選びますか?
2007年01月11日
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遅ればせながら、あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。 年末、仕事で忙しかった分、お正月はいろいろなところをほっつき歩いてリフレッシュできました~♪ 山篭りして剣の修行に励んだり、岬めぐりをしたり、日頃の悪行を悔い改めるために神社仏閣を訪ね歩いたり。 ここ数日間は、完全に体育会系でしたね~。 さて、今日は久しぶりに大晦日の「 輝く!私が、今年読んで面白かった小説大賞」のランキング発表の記事を書こうと思ったのですが、 今年最初のブログですし、まずは縁起ものから行こうか、と…。 今年最初のネタは、お散歩と開運祈願が同時に満喫できる「七福神めぐり」です。 まだ初詣に行かれてない方や七福神めぐりをしたことがない方は、日記の写真で初詣気分を味わっていただければ幸いです。 できればついでに、お参りも。 神社本庁から、ネット上には神様は存在しないという通達がまわったそうですが、こればっかりはやってみなければわかりませぬ。 IT講習を受けられた神様もいらっしゃるかもしれませんし。 …と、新春からテンション高めですが、実はここだけの話、オイラはこれまでのさほど短くない生涯において、七福神めぐりを完遂したことがないのです。 確か、おととしの十二月に川越へ行き、七福神めぐりにチャレンジ。 でも、途中に見学した川越城の本丸御殿や街中の蔵、菓子屋横丁をめぐるうちに、自分が七福神めぐりをしていることを忘れてしまうという大失態を演じてしまったのでした。 去年、さほどいいことがないのはこのせいかしらん、と考える今日この頃。 今回は絶対、途中で放り出さないぞ、と心に決め、出発したのでした。 さて、オイラが出かけたのは、都の西北、埼玉県の隣にある東久留米市です。 3~4年前にも、ウォーキングに来たことがあり、都心の近くとは思えないほど豊かな水と緑にあふれた街というイメージがあります。 うちの近所にも、至るところに七福神めぐりのコースはあるのですが、ここを選んだのは、優れもののガイドマップを手に入れたからです。 年末に仕事で西武線を利用したとき、駅に置かれていたのが、七福神めぐりクイズラリー、「東久留米七福神めぐり」。 クイズがついていれば、あきっぽいオイラでも完遂できるかも、と思ったのでした。 …ということで、1月2日の午前、オイラは西武池袋線の東久留米駅に降り立ちました。 さほど大きくはありませんが、なかなかお洒落できれいな駅ですね~。 まずはガイドマップを見ながら、東口から直線に伸びる道路を歩き始めました。 曇りでしたが、それほど寒くはない快適なウォーキング日和。今の時間に頑張っている箱根駅伝の選手にとっても、雨が降らなくてよかったですね。 歩き始めてほどなく、いかにも由緒ありそうな緑あふれるお寺が左手に現れました。 ここが、七福神の大黒様を祭る浄牧院。 それほど古くはないけれど、禅寺らしい質実剛健な風情を備える山門が出迎えてくれました。 しっとりとして、落ち着いた境内に心を癒されます。 境内に枝を広げるカヤの大木は、東久留米市の天然記念物なんだとか。 しっかりお参りをしたあと、クイズの問題を見ると、山門の近くに並ぶ十二支地蔵。その中のイノシシを模した地蔵が手に持っている野菜は何?というものでした。 答えはなるほど、と思いましたが、ここへ来なければわからないかも。 そういえば、イノシシは、この野菜が好きだったっけ、と思い、さっそくメモしました。 それにしても、やけに懐かしい感じがするのはどうして? …と思って、墓地に足を踏み入れたら、新たな発見が。 江戸時代、このあたりの領主であった二千石の旗本とオイラの血のつながった親戚が同じ苗字だということがわかったのです。 解説板を読むと、家康の三河譜代の家臣だったとか。オイラの親戚も三河。 もしかして、過去を遡ると血のつながりがあるのかも、と思いながらしっかりこちらの墓にも手を合わせました。 さて、浄牧院を出て、再び直線道路を駅と反対側へ向かって歩きます。 突き当たりを道なりに左へゆくと、読んで字のごとく弁財天の宝泉寺。 ここも、小さいながら、趣のあるお寺ですね。 お正月だからと言って、あんまり混んでいてはご利益が参拝客に案分されそう。 ご利益の確率から行ったら、多くの参拝客を集める有名なお寺と比べてどうなのでしょうね。 その点、今回行ったお寺どこも、ほどよい参拝客だったので好感が持てました。 あんまり少なくても、閑散とした宝くじ売り場みたいだしと、正月早々罰当たりなことを考えつつ、ガイドマップに沿って黒目川へ向かいます。 それほど大きな川ではありませんが、流れている水もきれいだし、岸辺の景観もなかなかだし、鴨や鯉もいるし、川のほとりを歩いているだけでうれしくなってきました。 黒目橋まで歩き、落合川の合流地点から今度は下谷橋を渡って、落合川を東久留米駅方面に戻ります。 周りに高い建物がないせいか、空が近くに感じられました。 快調に歩いて、外人さんファミリーが野球をしている不動橋広場を過ぎ、西武池袋線の線路の下をくぐり、川のほとりの素敵な景観に時折足を止めてシャッターを押しながら進むと、あっという間に老松橋。 この橋を渡った先に、前回来たとき、京都の嵯峨野かと見間違えた空間があるのでした。 それは、竹林公園。 面積は広くありませんが、二千本もの孟宗竹が自然の起伏を生かした園内にある。 湧き水のサラサラとした音と竹の葉のサラサラ風に揺れる音とのコラボがまた絶妙っす。 しばし、竹と湧き水に囲まれて、別世界へ飛んだのでありました。 再び、老松橋へ戻り、落合川をさらに進みます。 ここから、毘沙門橋へ行くまでの岸辺の景色が素晴らしい。 行った日は、家族連れが、芝生の広場から川に集まる鴨たちにえさをやっておりました。 さて、毘沙門橋の近くにあるのが、毘沙門天の多聞寺。 本堂は鉄筋コンクリートの近代的建築でしたが、その前にある山門は、江戸時代後期に建てられた総ケヤキ作り。 この地で伐採された木材を落合川に流して江戸に運び、彫刻を施した後再び戻してくみ上げられた建築なんだとか。 毘沙門天といえば、上杉謙信が崇拝したことで有名ですが、オイラもあやかってしっかり拝みました。 ところで、gactが大河ドラマの上杉謙信役というのはちょっと…、と思うのはオイラだけでしょうか。 落合川に戻り、岸辺に広く芝生が張られた南沢水辺公園から、こちらもまた前回印象に残っている南沢緑地保全地域へ行ってみることにしました。 ここは、落合川に注ぎ込む四つの湧き水が合流している場所で、湧水量は一日一万トンとか。水道の水源としても使われているらしく、隣に水道局の建物がある。 まわりは、武蔵野の面影を残す雑木林。美しい水は、森がはぐくむものだということが実感できます。 ゆっくりしていたら、少し暗くなってきました。 まだ3時過ぎだというのに、冬の日は短い。急がないと真っ暗になって、七福神めぐりがまた失敗に終わってしまう。 少々あわてたオイラは、後ろから追い上げられる箱根駅伝の選手気分で、小走りに次のスポットへ向かいます。 市街地に入り、公民館やJA、ガソリンスタンドの並ぶ道路を駆け抜け、セブンイレブンを左手に見つつ、角を曲がると米津寺。 このお寺の呼び方は、こめつじやこめつてらではなく、べいしんじと言うのですね~。 ここにあるのは、布袋様。 なんと、米津家という大名家の菩提寺として創建されたお寺らしい。 境内には多摩地区で唯一の大名墓地もありました。 1万石そこそこの小さな大名ですが、徳川家の譜代で、初代は江戸町奉行も勤めた名家だとか。 江戸町奉行の先輩なので、しっかり拝んでおきました。 そこから道なりに都立久留米高校まで歩き、再び黒目川の川沿いの道を歩きます。 そして七福神めぐりの最後に向かったのは、大円寺。 あれっ?まだ五つしかお寺をまわっていないよ、と思ったら、このお寺は、恵比寿様と福禄寿と寿老人を兼ねているらしい。 少し無理があるかも、と思えぬ節はないでもなかったですが、堂々たる山門と由緒正しそうな本堂を見て、多少心に宿った疑念も吹き飛びました。 それもそのはずで、ここは平安時代初期に開山されたという古刹なのですね。 本堂はもちろん、山門に安置された三つの木像をしっかり拝みました。 これで、生涯はじめての「七福神めぐり」、達成しました~♪ やっほ~、これで今年はきっといいことあるはず!! いい気分のまま、お寺の近くにある小山台遺跡公園へ行ってみました。 豊かな水に包まれた東久留米は、古代から人が豊かな暮らしを営んでいたのですね。 高台に立ち、東久留米の市外を見下ろしながら、来るべき一年に思いをはせたのです。 七福神めぐりは達成したけれど、クイズを途中で忘れていたのに気づいたのは家に帰ってからでした。
2007年01月05日
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