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人は悩みがあるために衰えず。自ら悩みを知るがために老化するのだ。悲しいかな、今悩みを知るの苦痛日一日に深刻を加えて行く。
2025年06月30日
決して多数の人に知己を得たいとは願わない。併(しか)し思えば人生は余りに寂し過ぎる。汝自身の外に一人でも汝を知るものがあって欲しい。弱い声だが人間真実の叫びだ。
2025年06月29日
人 生 日 録 世 相
2025年06月29日
風上に置けぬと云わるる人は常に高楼(こうろう)に眠り、世に指弾さるる人は絶えず美人に親しむ。人の罪か社会の罪か。
2025年06月28日
今日、九州、中国、四国、近畿地方は梅雨明けしたと見られると気象庁が発表した。
2025年06月27日
労働者は往復切符を買う力なくみすみす一銭の損に甘んず。中流者は多く回数の特典に據(よ)り、上等閥は常にパスの恩恵に興(あず)かる。
2025年06月27日
今の時分の人間はツブシになるか乞食するかの二つより生き得る道はない。折れ釘のようにツブシに売られて山なす荷物の下積みとなるか、自ら良心を売り侫笑を売って路傍に人の憐みを乞う非人となるか、多少の意気あるものは前者に、全く気骨なきものは後者に、滔々(とうとう)として分解されて行くのだ。
2025年06月26日
多数決は勝利だろう。けれども勝利は必ずしも真理ではない。若(も)し真理を把握せんとするのは、寧(むし)ろ数の敗北者に投ずることだ。
2025年06月25日
肉の切売、操の切売、ペンの切売、魂の切売、金さえあればドンナものでも安値で買われる便利な世の中だ。但(ただ)し「看板に偽なし」というような古語に欺かれながら買いかぶるから要心すべし。看板は常に裏返して見よ。 そこに正しい文字が読める
2025年06月24日
零落(れいらく)の人曰(いわ)く「正直なるが故に頭上らず」。偶々(たまたま)出世の緒(いとぐち)に就けば曰く「神は正直の頭に宿る」終に正直の善悪を知らず。
2025年06月23日
6月22日 12時予約で行きつけの店で散髪をした。約6か月ぶりの散髪であった。
2025年06月22日
現代世界に欠けているものは「微笑」だ。集会、電車、途上と群り歩む人の面上にはドス黒い暗影ばかりが漂っている。酒に酔払って嫌悪な笑を放っているものはある。女の前に詐(いつわ)って嬉し気に妖魔(ようま)の笑を呈しているものはある。だが、肚(はら)の底から湧き出る平和の力に包み切れぬ微笑を湛(たた)えているものは一人もない。ほほえみの世界、それは唯(た)だ母の温い懐に抱かれて静かに眠る幼児のみに見られる。
2025年06月22日
寒い朝、七條橋下に多くの群俗が集り騒いでいる。空腹に耐え兼ねたヨボ鮮人が店のパン一個を盗んで食ったのを皆が寄って毒罵(どくば)している。特に主人らしい頑健屈強な男が威たけ高に、土下座して謝するヨボを蹴る。鴨川へホリ込んでやると焦燥(しょうそう)する。盗まざれば餓死せんとする今彼の此行為も彼のためには寧(むし)ろ真実だろう。「盗む」ことはパン一個でも確かに悪事だ。而(しかし)して人間の真実は何としても詐(いつわ)るに由(よし)ない。若(も)し此鮮人がパン屋の店前で飢を叫びつつ絶命したと仮定せば町の群俗は果して何と云うだろう。盗むことよりも、盗まねば食えぬ人間が先決問題だ。
2025年06月21日
試みに当局に向って或る事実の有無を質す。断じて無き事と信じますと答う。断じて無き事に「信じます」は無用の註ならずや。
2025年06月20日
新聞の広告を見れば悉(ことごと)く「稀有の新著(しんちょ)」ならぬはなし。蓋し新本の誤なるべし。唯(た)だ「本」だけが新しいまでだ。
2025年06月19日
犯罪の十の八までは生活難より来る。特に老人の犯罪は殆んど十の十まで飢に迫られたるものなりと。「罪を犯すにあらず食を求むるなり」とは同情すべき衷心の叫びにあらずや。
2025年06月18日
死刑執行の直前、厳粛なる重い刑場の空気中にあって欠伸一ツ噛み殺したものがあるとする。その欠伸一ツは何を意味するであろうか。
2025年06月17日
どの大学を見ても学生が皆クタビレている。独り大学生ばかりでなく今日の社会全体が総クタビレの時代だ。闇から闇へサグリ足で歩いている。神経衰弱の病室その儘(まま)だ。この総クタビレ時代は果して何時まで続くか。この儘で何処まで押して行くか。寒心(かんしん)に耐えない。
2025年06月16日
「俗論」のために正邪曲直が全く顚倒(てんとう)して真理の阻(はば)まれることが多い。近時、人の尖端戦術は先ず俗論の啓蒙より始めねばならぬ。
2025年06月15日
「突然」などは新聞社が煽動(せんどう)的に書く文字で地上には決して突発事件などあり得るものではない。最も規律正しく自然の手に按配されて成るべきように成って行くのが社会事象だ。偶然の如く見ゆる突発事件、それは最も平静な人間常事に外ならない。
2025年06月14日
雑誌出づ、出でて倒る。此一瞬間の被害、蓋(ふた)し意外。
2025年06月13日
人が悪くなったというのは、他の言葉でいえば段々世慣れて来たのだ。今の世の時人(じじん)に交(まじ)って円満に生活して行こうとするには、人間の巧妙なる悪質化が秘訣なのだ。
2025年06月12日
不平を鳴らさぬものは人間でないように感違いされてる時代だ。そこで感謝すべきでさえ悉(ことごと)く不平の種に使われている。夫婦揃って金があって、衣食住に何の屈託もなく、大なる健康が恵まれていても尚、考えては種々の不平を産み出す。地上はそんなに放縦生活を認容する処ではない。或る意味に於ては生きること夫(そ)れ自体が既に一の束縛だ。今や自由の女神でさえ人の約束には正に王座を譲ろうとしているそうだ。
2025年06月11日
英語で「もう我慢できない!」はなんて言う?|Infoseekニュースこの連載では、アメリカやニュージーランドでの海外生活をはじめ海外添乗員として世界各地を訪れ現在は二人の娘をバイリンガル子育てしている英会話講師Mrs.Hattoriが身近な表現をクイズ形式でお届けします。 「もう我慢できない!」って英語で言えますか?正解は↓↓↓「もう限界だ!」「もう我慢で…【全文を読む】
2025年06月10日
列車中に四五の雛妓を見る。何れも「子持芸者」又は「浮世の夢」などの単行本を耽読(たんどく)しつつあり。此種の女をして此種の本を読ましむる迄に文字を教えたる学校毒の軽き惨禍(さんか)を想う。
2025年06月10日
近畿地方が梅雨入りとなった。今日、東海・近畿・中国地方が梅雨入りしたとみられると気象庁が発表した。それぞれ平年より3日遅いという。台風1号発が生した。日本への影響はなく中国へ上陸となる。
2025年06月09日
今の世の善と悪とは唯(た)だ巧妙にやると拙劣(せつれつ)にやるとの差別の名のみ。必ずしも固定されたる善悪なるものあらず。
2025年06月09日
人の多きは勢力なり。併(しか)しながら人の少きは権威なり。
2025年06月08日
排斥なる文字は善き人が悪き人を放逐せんとする場合よりも、邪(よこし)まの人が正しき人を疎隔(そくわく)せんとする場合に多く使用せらる。 排斥は崇敬の意なり。
2025年06月07日
大臣の一語は直ちに国法だから之に服従しないものは反国家思想だと珍妙奇てれつなことを云ってるものがある世の中、真宗の血脈相承を是非すれば危険思想呼ばわり、大谷家を評難すれば逆臣(ぎゃくしん)呼ばわりするのも笑われない。全国民が丸坊主になるかチョン髷になるかに一度すっぱりと還元しなきゃなるまい。
2025年06月06日
或る高徳の僧が禮佛中に病を発するも其処に身を横えた儘、苦を忍んで読経の役を終ったと云う。或る角力頭取が将(まさ)に死せんとする時、故(ことさ)らに妻子を枕頭(ちんとう)より退け、断末魔の苦を忍びて辛く臨終まで念仏の声を絶たなかったと云う。苦しき儘にもがき狂うて死に行くべき凡夫(ぼんぷ)の眼から見れば「末期の道楽」なんか全く無用のようにも感ずる。
2025年06月05日
謂わゆる知名の士の名刺を多く貰い集めて自ら交際の大を誇る人がある。つくづくと間の抜けた御面相を排して人間の心の悲しさを考えさされる。
2025年06月04日
弱点を掴みたがるものは最も弱い人間だ。その弱い人間に逆に弱点を投げ與(あた)えてやる。すると直ぐ強くなって見せる。滑稽な程に正直だ。
2025年06月03日
破産は昔の人には最大の屈辱であった。而(しか)して現代人は寧(むし)ろ便利なる生活慰安場だ。今の商人は「おじぎ」することを屁とも思わない。頭を一度下げると幾何(いくばく)の利得となると計算して「おじぎ」する。懐中深く財を秘めて「おじぎ」する。チャンと生活安定の用意を整えて置いて徐(おもむ)ろに破産する。皆ぬかりのない巧妙たる整理の一新法だ。近頃破産者の激増し行く事実に顧みて「満腹の食えない人」の多くなるを怪しまない。
2025年06月02日
今の今までピョコピョコ頭を下げた奴がイザ当選となると忽(たちま)ちソリ返って大きくなる。甘ったるい言動でニヤニヤと媚(こ)びたものが、或る事業が成功すれば独力で大きくなったように恩人を踏みつける。いかに重要な人でも利用期が過ぐれば却って邪魔物と化する。陰に他人の世話をするものは必ず後脚で泥をかけられるに定まってある。
2025年06月01日
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