全15件 (15件中 1-15件目)
1
トイレの前で待っていたイケメン添乗員は,おばちゃんをバスの方へ促すと,私の方へ近づいて来た。 「ありがとう・・・。また,会いましょう。連絡,待ってます。」と,私に一枚の紙を握らせ,走ってバスに戻って行った。それは,彼の名刺だった。名刺交換だったら昨日済ませているのに・・・と,思ったら,裏に何やらメッセージが書いてあった。 “運命の人へ・・・ きっとまた会える・・・。“ と,そして携帯電話の番号が書いてあった。ホントに私に運命を感じたンだろうか?それとも,女にはいつもこんな事を言っているのだろうかどっちでもいいが,私の方は運命を感じなかった訳で,“きっとまた会える” ではなく,むしろ“きっともう会うこともないだろう” と思っていて,彼のメッセージに心が揺れることもなかった。とは,言っても私はしばしの間,その名刺に目を落とし固まっていたらしい。 「随分,お名残惜しそうじゃいなぁい?」私の後ろから,その名刺をのぞき込んでいたアンジーに私は,まったく気が付かなかった。 「・・・,うふふっ・・・。」 と,私は秘密めいた含み笑いを浮かべた。 「アンタッ!まさかあのイケメンと・・・?エ―――?!」 「いい思い出がまた1つ増えました!!」私は舞台女優のように,オーバーアクションで天を仰ぎながら言った。 「何で仕事のアンタがいい思い出作ってンのよオ~。いい思い出は アタシたちが作ンのよオ~!!」 「あははっはっ・・・。」私はわざと高笑いをしてアンジーをからかっていた。 「もう~,プンップンッ!! 許せない~。プンップンッ!」今朝も女モード全開のアンジーは,両腕を胸の前で左右に振りながら,口をとがらせ“イヤイヤ”している。 「あんないい男,アンタにはもったいないわヨ!」 「はぃハイはぃハイ・・・。」と,アンジーをなだめながら,自分たちのバスの方へ歩き出した。こうしてアンジーと話している時が一番楽しい私は,まだまだ男に恵まれないことを,このとき何となく察したのだった。 つづく 「この物語はほとんど事実に基づかないフィクションです。 ]
2010/03/30
コメント(0)
恐らく仲居さんは私たちに昨夜何かあった様だ・・・と,推測しているのだろう。慌てて否定したところで反って疑われるかも知れないし,スマートじゃないような気がする。いっそのこと,ある事ない事しゃべくり倒そうか?とも思ったが,いくらイケメンでもからかってる暇などない。あきれ顔を隠す事は出来なかったが,クールに受け流すことにした。添乗員は朝食に時間をかけられる訳もなく,私たちは黙々と食事をしていた。 「お先に・・・!!」と,言って,私はわざと忙しそうに席を立った。」 「・・・!!」フロントへ戻ると,ロビーは出発前の団体客でごった返していた。ウチのグループより少し早く出発するその人たちは,少しがんばり過ぎたお化粧と,絶妙にずれている流行のファッションでに身を包み隠している。貴重品の入った斜めがけのポシェットには,今トイレから出てきたばかりなのか,中途半端にしまわれたハンカチが飛び出している。そう・・・,“あれから40年の”中高年の皆さんだ。私が全部のチェックアウトを終えてロビーに戻って来ると,ウチのお客さんがチラホラ売店をうろついているのがわかった。そう言えばさっきの中高年の皆さんは,既にバスに乗り込んでしまったらしく,ロビーは静かなものだった。私たちも,間もなく出発だ。私は,口紅を直そうとトイレに入り,鏡の前でカバンの中の化粧ポーチを探していると,トイレの中から一人のおばちゃんが出てきた。大きな荷物を抱えたまま個室に入るのは,さぞかし大変だったろう・・・,と,思いながら鏡越しにおばちゃんを観察していると,なにやらゴソゴソとハンドバックの中を探っていた。後ろにある荷物台を教えて上げようか?と,思って声をかけた。 「どちらからお越しですか?」 「群馬からです。」 「じゃぁ今日はもうお帰りですか?あっ,ここに荷物置けますよ」と,言いながら,手伝って上げようとおばちゃんの荷物に手をかけてしまった。うかつだった。おばちゃんの荷物を持つ手に力が入って,私の手を拒んでいるのがわかった。 「大丈夫です。自分で出来ます!」 「失礼しました」やっぱり私は,この年代の女性は苦手だ。“さっさと逃げよ~”と,肩をすくめながらトイレを出た。すると・・・,誰かを捜しているようなあのイケメン添乗員を見つけた。どうやら,一人足りない・・・らしい・・・?!ピン!と来た。私はイケメンに合図を送り,トイレに戻った。おばちゃんは,ナント,口紅を直していた。 「あの・・・,お客様のとこは若いイケメンの添乗員ですか?」 「そうだけど・・・。」鏡に映った私にチラッと目やった。 「出発のお時間みたいです!探してますよ!!」 「あらっ!!」と,慌ててこちらを向いたとき,口紅がはみ出ししまった。おばちゃんは,もう一度鏡を見ることもなくそのまま出て行った。呼び止めて,教えて上げる事も出来たが,私はあえてしなかった。 つづく
2010/03/24
コメント(0)
やれやれ・・・。何も私が逃げなくても良かろうに・・・,と誰もが思うだろう。だが,それが私の気配りなのだ。恐らくあの場面では,お客さんの方がバツ悪そうな顔をすることだろう。このまま誰にも会わずに部屋に戻れたらいいなぁ・・・,ときっと思っていたはずだから,私の方が逃げてあげたのである。7時40分,朝食時間20前に私は部屋を出た。朝食会場でお膳の数を確認し,フロントへ。自分の部屋のチャックアウトを済ませた。どうやら夕べのビール代はイケメンのおごりだった様だ,私の部屋には付いていなかった。後で“ごちそうさま!”と,言おう。ここは,気持ち良くごちそうになることにする。再度朝食会場へ戻り,お客さんを迎える。 「おはようございます!」 「おはよう。桜来さんは今日もキレイだね!」 「それはどうも・・・,まだお酒が残っているのでは・・・?」 「そうかもね!!」 「それは桜来さんに失礼だろ」 ウワッハッハッ・・・。 なんて,みんなの寝ぼけた顔も,笑顔に変わった。一番先に入って来たのはやはり,長老組だ。役員数名と現場のおじさん達だった。その中に常務もいたが,私は特に気にも留めなかった。 「空ちゃん!オハヨ。」アンジーが両腕を左右に揺りながら,内股で近づいて来る。私は,耳元でそっとささやいた。 「アンジー,今日もキレイよ!!」 「ありがと!あなたもねっ。」と,ウィンクが返って来た。全員が席に着いたころで・・・,私はマイクを握る。今日の出発時間を改めて伝え,各部屋のチェックアウトなどの連絡事項を一通り話した。そして私は自分の食事会場へ速攻,向かった。朝も乗務員の食事会場は,ドライバーとガイドが食事を終えてお茶を飲んでいるところだった。 「添乗員さん!今日はどこ廻るの?」と,ドラバーの一人が聞いてきた。私が今日のウチのコースをザックリ説明すると,続けて“私らは・・・。”と,まったくウチの行程と交わらない,自分たちのコースも教えてくれた。 「じゃぁお先っ!!」 「はぃ! いってらっしゃい!!」私は,口いっぱいに頬張ったごはんを吹き出さないよう,口を押さえて答えた。すると入れ替わるように,あのイケメン添乗員が入って来た。私は挨拶の後, 「昨日は,ごちそうさまでした。」と,ちょこんと頭を下げた。何故か?隣に座ったイケメンが私の耳元まで来てしゃべった。そう,ささやいたのでは,けしてない!! 「どういたしまして。昨夜は楽しかったヨ!」“何だその意味深な言い方 おかしいだろ”と,思いながらその顔をまじまじと見ていたら,彼のごはんを運んできた仲居さんと目があって,“ニヤッ”とされてしまった。 つづく
2010/03/19
コメント(0)
私は,“家政婦は見た!!”の気分だったが,あまり驚いてはいなかった。彼女が誰かと不倫をしている・・・と,言う噂をを前に聞いたことがあったからだ。他人の色恋沙汰など,はっきり言ってどーでもいのだ。それより30歳を過ぎても,結婚相手に巡り会えない自分を心配しなければ・・・。まだまだイケル・・・。ナイスだ!!私は,誰もいない脱衣所で全裸の体を鏡に映し,自分に向かってウィンクした。そして,朝風呂の贅沢な時間を独り,楽しんでいた。が,それは誰に断りもなく中断された。どこかのおばちゃん達が3,4人入って来て,おしゃべりを始めた。お風呂独特の音響のせいで,元気なおばちゃん達の声は,2,30人もいるかのように,響き渡っていた。私はせっかちな方で,どんなにいいお風呂でもあまり長くは入っていられないのだが,おばちゃん達がぞっくり露天風呂に移動してから,なんだかもったいない気がして,珍しく湯船の中でのんびりしてしまった。少しのぼせ気味で上がった私は,しばらく脱衣所の扇風機の前で涼んでいた。再びおばちゃん達の賑やかな声が,廊下の方から聞こえて来た。長湯でいささかだるくなった体をゆっくり動かし,混んで来そうだなぁ・・・と思いながら,私はやっと着替え始めた。時計を見ると6時10分。まだウチのお客さんが起きてきた様子はない。急いで部屋に戻ろうと,足早に女湯ののれんをくぐり出て行った。ドンッ!! 「ウワッ,ごめんなさい。」 「失礼!!」女湯を出たところで,右側から歩いてきた中年の男とぶつかった。明らかに飛び出した私が悪い。頭を深々と下げて,謝った。顔を上げると,常務の横顔が間近に通り過ぎた。私と気付いていないようだ。幸か不幸か私はコンタクトを外し,メイクを取りメガネをかけると別人になるようだ。これまでも,湯上がりにお客さんに見つかったことは,あまりないのだった。そんな事より・・・,女湯を出ると・・・右側には・・・家族風呂しかないのだ。私は,ぶつかった瞬間の石けんの香りを思い出した。“そうか・・・常務はお風呂から出てきたンだ。・・・?”“んっ?・・・家族風呂?”“もしかして・・・?あの二人?”なんて考えながら,エレベーターを待っていた。すると,時間差で家族風呂から出てきた女子社員の姿が,ピカピカのエレベーターの扉に映って見えた。私は,彼女に背中を向けたまま,おもむろにその奥にある階段へ向かった。 つづく
2010/03/18
コメント(0)
考える余地はない。電話に出なければこの音は止まないのだ。このフロアーの部屋の壁は極薄であるから,恐らく隣の部屋で寝ている人にとっても,相当うるさいはずだ。 「もしもし・・・,はぃ・・・。」私は,やり過ぎな位眠そうな声で,電話に出たのだった。 「ごめん,寝てた?!」やっぱりあのイケメン添乗員だった。 「nnn・・・・はぃ・・・。」 「じゃあ,少し話してもいい?」話すのかよっ!! “じゃあ,おやすみ”じゃないのかよ!!私は,心の中でツッコミを入れた。そしてまた,彼は自分のペースで話し始めた。私が,上の空で眠そうに相づちを打っているにも関わらず,酒の勢いで益々なめらかになったその口で,まくし立てる。彼は1人でボケ,自らツッコミ,そして・・・ウケている。まさしく一人舞台だ。彼の話の内容がおもしろかった訳ではないが,何だか彼の一生懸命さが伝わって来て,私は図らずも笑ってしまった。そして,完全に目が覚めた。私たちは30分位話しただろうか,付けっぱなしのテレビに目をやると,深夜のニュースが始まっていた。 「明日のお肌のために・・・,もう寝ることにします。」と,私は電話を切ろうとすると,お名残惜しそうな彼も私の一方的な言葉に,仕方なく従った。 「そうですね・・・。じゃぁ,また明日・・・おやすみなさい。」翌朝5時半,昨夜入れなかった大浴場行くため,少々むくんだ体を起こす。まだ,完全に目が開いていないが,洗面所用具をほとんど手探りでバックから出し,部屋を出た。大浴場は地下1階にあり,男女ともに露天風呂を有しているが,2つの大風呂は相反するような趣で設計され,夜と朝に入れ替えし,両方のお風呂を楽しめることになっている。そしてこのホテルは家族風呂(貸し切り風呂)もあり,これが最近とても人気なのだと言う。エレベーターを降りると,手前に男風呂,女風呂,そして一番奥に家族風呂の看板が見えた。女風呂ののれんをくぐると,幸い誰も入っている様はない・・・シメシメ・・・と,スリッパを脱ごうとした時,今通り過ぎて来た廊下の方から聞き覚えのある男女の話し声が聞こえた。午前5時半のホテルの廊下は,さすがにシーンと静まり返ってヒソヒソと話すその声もクリアーに聞こえてしまうようだ。私は,のれんの間からそっとその声の方へ目をやった。“湯上がり処”の角の方に,こちらには背中を向けて座っている男女の姿があった。そして,それが誰なのかすぐにわかった。髪の毛を1つに束ね,タオルで顔を隠しながらうつむき加減で,うなずいているのは,事務員(若い方)の女の子だった。そして,彼女の腰に腕を回し,彼女をのぞき込むように話している50半ばの男性は・・・,常務だった。 つづく
2010/03/17
コメント(0)
「・・・・・。」彼は言葉を無くして,固まった。 「アッ,いやっ・・・そう言う意味じゃなく・・・。私お酒が入ると すぐ眠くなるので,多分話聞きながら寝てしまうと思って・・・。」 「プッ・・・,可愛いですね。僕はすごく楽しかったので時間を忘れて しゃべっていまいました。ごめんなさい。」 「アッ,いえ,私も楽しかったです。・・・失礼します!!」どこまでも褒めたりして,なんだかウザくなって来た。“イケメンなんだから,そんなにしゃべり倒してご機嫌とらなくても女に困らないでしょ?“と,説教したくなった。酒が入ると人に説教したくなる・・・,私の悪い癖だ。彼は年の方は私と変わらないが・・・この業界は,私の方が確実に長い。今度会ったら言ってやろう,“口説こうとして女を褒めすぎると,墓穴を掘るぞ”・・・なんて事を考えながら,部屋に入った。相変わらず殺風景な部屋だ。シングルベットのすぐ横に小さいテレビがあり,横になって見るには近すぎるようだ。足下には,シミだらけのソファーと今時骨董品屋にしかないだろうと思われる古いテーブルが置いてあった。こんなに小さいもの,良くあったなぁと,感心しながら腰を下ろす。この部屋を見回すには,首を回す必要がないなぁ・・・と思ったら,私は1人吹き出していた。そして「まぁ,1人で寝るには広すぎるより狭い方が落ち着くし・・・」と,一人言を言っていた。そう,私は結構酔っている。多分2人で5,6本のビールを空けたと思う。ソファーにはそう長く座っていられなかった。私はベットにバタっと倒れ込むように,うつ伏せで寝入ってしまった。テレビの音が聞こえているが,何か異音が混じって聞こえる。コン,トン,コトっ・・・コンコン。 コンコン・・・。・・・誰かが私の部屋をノックしている。誰だろう?・・・と考えてはみたものの,答えは1つだ。あのイケメン添乗員に決まっているのだ。だいたいドアを開けてもらえる・・・と,思っているのが腹立たしい。私が,開けるわけないだろうが!! バカたれ!!でも私は自分の中に,“いい男だったなぁ・・・”と,グラついているもう1人の私がいることも知っている。良かった,今夜は眠気が勝った。私はそのまままた寝入った様だ。どのくらい寝入ったのか確かではないが・・・,今度は電話が鳴った。サイドテーブルに置かれた電話は,無駄に大きな音を立てて私を驚かせた。 つづく
2010/03/15
コメント(0)
「一杯だけ付き合って下さい。 あなたも今来たばかりでしょ?!」 「あっ,はい~。」私たちは,どこからどんなお客さんを連れてきたか,などの話題から最近どんな映画を見たか,なんて事までプライベートな話にまでなっていった。私は,話をしながら少しずつ落ち着きを取り戻して行った。彼は大学を卒業し,とある会社に就職したが,社風が合わず3年目に退社,その後地元(群馬)に戻り今の旅行会社に入ったのだと言う。今回は地元の婦人会の1泊2日の研修旅行に同行して来たらしい。趣味は映画鑑賞で,もっぱらハリウッド映画専門で,ジャンルにこだわらず見あさっている・・・と,好きな監督・俳優など沢山のカタカナを並べ,熱っぽく話していた。私もアメリカ映画は好きだが,俳優の名前が沢山出てくる程詳しくはなく,話を合わせるために,“ロサンゼルスに行った時,USJを観て来た”と,話をすると,彼はひどく羨ましがっていた。何だか彼の勢いに引き込まれそうで,私は途中からビールをやめ,ご飯を食べながら,話を聞いていたのだった。とても話題の豊富な人でとても楽しい時間だった。彼は,自分の話に夢中になっているかと思えば,時折“君はどう思う?”とか,“君はどっち?“とか,”何だか気が合いそうだね“なんて言葉を挟んでくるあたり,女慣れしているように感じた。仕事柄,口がうまいのはありがちだが・・・。私は完全に冷静を取り戻していた。あっという間に時間が経ってしまったらしい。ちらりと覗く廊下に,酔っぱらい達がウロウロし始めて気が付いた。もう,宴会が終わる時間だ。 「そろそろ,失礼します。お風呂が混んじゃいますので・・・。」と,席を立とうとすると, 「お風呂上がったら,また飲み直しませんか?」ほォ・・・,来た来た来た! 「私はもう飲めません。限界です!!」 「良かった,僕の方がつぶされるかも?って,思ってたから。 じゃぁ後で,もう少しお話しませんか?」 「それも,限界です。」私は間髪入れずに,そう答えた。 つづく
2010/03/12
コメント(0)
私は仲居さんに「後をよろしく・・・!」とだけ告げて,急ぎ足で宴会場を後にした。正直,中高年が好きそうなデユエット曲で歌えない歌など私にはない!!以前は,コンパニオンがいなかったり,足りなかったりした時に,快く受けて歌ったものだが,きりがなくなって当然断る事にもなるわけで・・・。でも,お客さんによっては,“俺とは歌ってくれなかった・・・!”と,ひがまれることもあり,会社に苦情の手紙を送って来た人までいた程だった。その時,上司に怒られた訳でもないが,お客様サービスの上限と,過剰サービスは紙一重であるから・・・“と,社長が話していた事を思い出し,それから,デユエットの申し出は極力断る事にしていたのだった。私は小走りで,添乗員・乗務員の食事会場へ向かった。ラーメンコーナーの奥の方に,その場所はあった。私の勝手な計画では,もう少し早く食事を始めていたはずなのだが,と携帯の時刻を見ながら席に着く。 「お疲れ様です!」既に食事を終えて,ゆっくりくつろいでいる乗務員4人が,口々に声をかけてくれた。ウチの乗務員はいない。地元のバスのため今日は車庫に帰ってまた明日出直すからだ。だからここにいる乗務員は島外からカーフェリーで来ている人たちである。テーブルに1人ずつセットされお膳は,ほとんど手がつけられており,私が最後になったのかなぁ・・・と思ったら,私の斜め前のお膳が手つかずだった。おそらくもう1人,どこかの添乗員がいるのだろう。 「添乗員さん,何かお飲みになりますか?」と,仲居さんが聞いてくる。 「いえ,結構です。」と,断るとすぐにご飯と味噌汁が運ばれてきた。 「ごゆっくりどうぞ。」 「ありがとうございます。いただきます!」私は,箸袋から箸を取り出しながら,何から食べようか・・・と考えていると,もう1人の添乗員が入って来た。 「お疲れさまです~。」またみんなが口々に声をかける。 「スイマセン!!ビール下さい。」その添乗員は自分の席を探す前に慣れた様子で,注文した。そして,私の斜め前に座った。“イケメンだ”。私は自分に言い聞かせた。「落ち着け・・空子!!」その男は手にしていたバインダーファイルに目を通し,一言メモをして素早くバックにしまい,おしぼりを手に取り料理に目をやった。ほんの数十秒だったと思うが,私は釘付けだった。 「はいどうぞ・・・。」と,仲居さんがその男にビールを運んできたとき,私は我に返った。慌てて,私も,忘れていたおしぼりを使い始めた。速攻でガッツリ食べてお風呂に行こうとしてたのに,こんなイケメンの前じゃ,ガツガツ行けないじゃないか~,まったくもう・・・。 「一杯どうですか?」と,イケメンがしゃべった。 「えっ・・・?」 「嫌いですか?」 「いや・・・あの・・・。」“しっかりおし空子!!”アンジーの声が聞こえて来そうだ。 つづく
2010/03/11
コメント(0)
さてと,今宵はコンパニオンたちに任せるとして・・・,幹事さんだけにコソッと挨拶をして私は早々と退散することにする。そして,さっさと夕食を済ませ,誰もいない大浴場に入ることにしよう。そう,これが独り寝の夜の唯一の楽しみなのである。幹事長を見つけて,目立たぬように話す。 「私はこれで・・・お先に失礼します。ごゆっくりお楽しみ下さい。」と,明日の朝食時間と場所,出発時間などを確認し合って立ち上がろうとすると,若い社員が声をかけてきた。 「スイマセン,桜来さん! 常務が“これ”一緒に歌ってほしいって 言ってるンですけど・・・。」と,カラオケの本を開いて指を指しているのは,“今夜は離さない”だった。カラオケを勧めては入れて上げ,デユエットの相手を交渉したりと,平社員は大忙しだ。おそらく最初に常務の曲をかけようとしているのだろう。 「はぃ,わかりました。」と,私はあっさりと答えて歩き出した。が,手を捕まれて止められた。「あと,もう1人。谷やンが“麦畑”って・・・。」申し訳なさそうに話すその社員に私は,迷いなく答える。「了解!」私は,宴会場を見回してコンパニオンのリーダーのミスズさんを探した。 「ミスズさん! 常務と“今夜は離さない”歌ってもらえる?」 「ハイ,わかりました。」 「それと,“麦畑”歌える人いるかな?」 「え~とっ,アヤが歌えます!!」 私は,ミスズさんを伴って常務の所に行った。 「すいません,常務!“今夜は・・・”私わからないので, ミスズさんにお願いしました。よろしいですか?」 「はぃはぃ,いいとも~!」常務は機嫌良く,返事してくれた。私はミスズさんと常務の前で別れ,アヤを探す。アヤはナント?谷やンの前にいた。私は早速アヤの隣に座り,交渉を始めた。 「谷さん,申しわけないンだけど,私“麦畑”よくわからないの!! だから,アヤちゃんにお願いしてもいい?」 「やだ~~!空子さんがいい!!」 「あららららら・・・!」と,アヤ。 「イヤっ・・・ですか・・・。それじゃぁ・・・」と,私が言いかけた時,大御所登場。 「それじゃぁアタシの出番ね!谷やン,アタシと歌いましょう!」と,アンジーが怖い顔して現れた。昼間より少し濃いめの化粧が,恐怖をも感じさせるのだ。 「じゃぁ,アヤちゃんでいい・・・。」 「ったく!失礼しちゃうわ!!」と,言いながらアンジーは,私にシーシーっと言う手の動きで,“もう行っていいよ”と,合図を送ってくれた。 “いつもありがと”と,私は心から思った。 つづく
2010/03/10
コメント(0)
コンパニオンたちは,ご挨拶が終わるとあちこちにバランス良く散らばり,お酌をしながら歓談する。リーダーの人はまず,上座に座る一番偉そうな人の前に座るのが常である。今日のコンパニオンもそのようだ。 「空ちゃん!!」さっさと自分の席で飲み始めた偽コンパニオンのアンジーは,少し色っぽいかすれた声で私の名を呼んで,手招きをしている。アンジーの隣にはやっぱりK君がいて,アンジーのご機嫌はすこぶる良さそうだ。 「お邪魔じゃないですか?」と,私は2人の正面に正座した。K君の 「ぜ~ンぜん!!」と,アンジーの「当然!!」が,同時に聞こえた。私たち3人は,顔を合わせて大笑いしていた。 「空ちゃん,お疲れ~~。」と,アンジーがグラスを差し出し,ビールを注いでくれた。廻りの人たちにも軽く会釈をして,私は音もなく一気に飲み干した。そして私がグラスを置く前に,今度はK君が2杯目を注いでくれた。 「いえいえ,もう結構です・・・。」と,言いながら私は,グラスを斜めにしてビールの泡を調節していた。 「どうしてアンタの席ないの?」と,アンジー。 「今日はコンパニオンにお任せしようと思います。」 「でもアンタ!今日のコンパニオン大したことないわね!!」K君が,慌ててアンジーを止める。 「聞こえますヨ・・・。」 「聞こえるように言ってるのよ!!」アンジーは私と背中合わせに座って,向かい側の人と話をしていたコンパニオンに声をかけた。 「アヤッ!ビール持って来て。」 「はぁ~い!」いつの間に名前を覚えたのか?と思っていたら,ビールを持って戻って来た“アヤ”に,アンジーはこう続けた。 「ありがと。アンタ性格悪いンだから顔と体はもっと磨かなきゃダメよ!!」 「あはっはははっ・・・,わかってま~す。」“あや”は悪びれる様子もなく,アンジーにウィンクして席を移動して行った。私の疑問をK君が先に問いかけた。 「あやちゃんと知り合いなの?」 「まぁね!!」 「あの子性格悪いンだ!?」 「そんなの知るわけないでしょ!! さっきそこで会ったンだから・・・。ねェ!!」と,私に同意を促し,廊下の方を指さして,結構まじめなK君の方にもたれながら,悪戯っぽく笑った。アンジーは初対面でもすぐに仲良くなってしまう特技がある事は知っていたが,人を見極めることも得意の様だ。“あや”の乗りの良さも,世間慣れしていないまじめなK君も,アンジーの好みなのだと,私は悟ったのだった。いつだって,アンジーの毒舌や悪戯は,T.P.O.をわきまえているのだから。 つづく[この物語は事実にほとんど基づかないフィクションです。]
2010/03/09
コメント(0)
宴会の開始時間には全員集合し,予定通り宴会が始まった。司会をするのは幹事長の役目だが,1日目の旅を振り返り一言挨拶して次の人を紹介する辺り,さすが営業マンだ。話のまとめ方が上手で,声の張り・滑舌共に申し分ない。社長が所用で2日目から合流するため,今日の挨拶は常務が代行していた。そして乾杯の音頭・・・となるのだが,私は,食前酒として用意されていた小さいグラスを手に取っているみんなを,ぐるっと見回した。”みんな用意できたかな・・?と。席が1つ空いていた。確かあそこには・・・?・・・,”そうだアンジーがいたはずだ”どこ行っちゃったンだろう・・・と,探している暇もなく, 「今後の我が社の発展と,皆さんの・・・乾杯!!」してしまった。私は時間通りに来ていたコンパニオン6人を,乾杯が終わってから入ってほしい・・・,と廊下で待たせていたため,早速招き入れた。廊下側の襖を少し開け,リーダーらしき人に「お願いします」と,声をかけた。彼女たちは,おそろいの白いスーツを来て,膝上6センチのスカートから覗く自慢の足は不揃いだが,なかなか男心をくすぐる長さである。私の声を合図に,コンパニオンたちは少し前屈みのすり足で入場し,中央から右寄りに正座して並び,三つ指ついて1人1人簡単な自己紹介を始めた。 リーダーから, 1人目「この度はお招き頂き,ありがとうございます。 チゴユリ会から参りました,ミスズと申します。 よろしくお願い致します。」 2人目「ナツキです。よろしく・・・・。」 3人目「サキ です。よろしく・・・・。」次々と顔を上げ,挨拶しているのだが・・・,あれっ,何か変だ! 1.2.3.・・・7,・・・7!! 6人のはずだが・・・。どうして7人いるの??その答えはすぐにわかった。 7人目が顔を上げた, 「アンジーで~す。よろちくび~!!」7人全員が挨拶を終えると,全員で合わせてもう一度頭を下げる。アンジーはいつの間にか,コンパニオンに話を付け,一緒に入場する段取りをしていたのだった。ところが,1人の仲居さんが悪ふざけしているアンジーを見て, 「あらっ・・・やだ,あなたここじゃないわよ!!」 「・・・・・。」と,アンジーの手を引っ張って,外へ連れ出そうとしている。どうやら,別の宴会場から紛れ込んだよそ者と勘違いしているみたいだ。私は,この先いったいどうなのか黙って見ていたい気もしたが,一応慌てたように,止めに入った。 「ウチのお客さんです!!」宴会場は爆笑の嵐だ。宴会のスタートとしては申し分のない幕開けだった。 つづく
2010/03/08
コメント(0)
私がチェックインと,宴会その他の打ち合わせをしている間に,お客さんたちは仲居さんの案内で各部屋に入っていた。急いで部屋を廻り,宴会時間と場所の連絡をもう一度確認する。既に仲居さんから案内があった様で,全部で7部屋の私の挨拶回りは極簡単に,スピーデイ―に流れていった。最後の一部屋のドアの前,私がノブに手をかけた瞬間,中から人が出てきた。アンジーの彼?(K君)と出くわしたのだった。K君は,ビックリした顔で, 「空・・空子さん! この部屋に決めたんですか?!」 「はぃ・・イヤ,あの・・・ご挨拶と宴会の確認に来ただけです!!」K君は少しがっかりしたような顔をしていたが,快く私を部屋に招き入れてくれた。この部屋はどうやら若者たちの部屋らしい・・・。 「あれ~,桜木さん!やっぱ若い方がいいっしょ?!・・・。」 「じじぃたちの世話も大変っすよねェ~・・・」旅行中でも先輩たちに少しは気を遣っていたのだろう。すっかり気が抜けてリラックスしている様だ。私は用件だけ済ませると,さっさと部屋を出た。するとまた・・・出くわした。アンジーだった。当然この部屋のK君に会いに来たであろうアンジーは,私を見つけるなり, 「あらっ,アンタも目ざといわね!! ・・・やっぱここ?!」 「大丈夫ですよ,K君には指一本触れてませんから・・・。」 「あたりまえヨ~!!アンタに取られてたまるもンですか!!」と,余裕綽々って感じで, 「Kく~~~ン,お風呂行こ~!!」アンジーは背中を向けたまま,私に手を振って部屋に入ったのだった。ククッックク・・・,少し遠慮がちに下を向いて笑っていると,いつからそこに居たのか,担当の仲居さんに声をかけられ。 「あの方・・・,どっちのお風呂に入るンでしょう?」 「・・・男が好きだから,もちろん男風呂です!!」 「あっそうか・・・!!」アッハッハハア・・・・,初対面の私たちは狭い廊下で声を殺しながら,しばらく笑っていた。 つづく
2010/03/04
コメント(1)
佐渡島まで1時間の水上飛行はすこぶる快適で,船酔いをする者もなく無事両津港へ到着した。さて,またここでバスに乗り換える。本日4回目の乗り換えだ。さほど大きな港でもない上,他に到着した船もなく,お客さんか迷子になる要因はどこにもなさそうで,私はやっと緊張感から解放された。週末の佐渡を訪れる観光客は圧倒的個人客が多く,この時間に港に迎えに来たバスは,私たちの1台だけだった。迎えにきたバスで私たちは,これから2カ所観光しながらホテルへ向かう予定になっている。私にとっては今日の仕事は終わったようなものだが,今回のグループは全員,佐渡島は初めて・・・とあって,期待の思いが強いのであろう,みんなの瞳は輝いていた。あたりまえのガイドの挨拶のあと,通り一遍の佐渡の紹介がされたが,みんな興味深く聞き入っていた。最初の観光は,“妙宣寺”。続いて“真野御陵”に案内した。ほとんどの若者にとって,興味をそそるものではなかったが,みんな文句も言わず,おとなしく見て廻っていた。 妙宣寺:日蓮聖人が佐渡に流されたとき,初めて信者になった阿仏房日得上人 が建立したもので,佐渡三山の1つに数えられている。 真野御陵:承久の乱に敗れ,佐渡に流された順徳天皇のご火葬塚で,広さ約 2千5百坪,江戸時代の初めに整備された。本日宿泊するホテルが目の前に見えてきた。行程表に目をやり,自己満足に浸る。予定時刻ジャスト,午後4時40分八幡温泉に到着。到着直前に部屋割りを確認し,部屋割りカードを配っていた時,何度となく 「空子ちゃんの部屋は?」と,聞かれた。私は,笑顔でこう答える。 「今,皆さんの顔と名前が一致しましたので,これからじっくり 決めようと思います。」 つづく
2010/03/03
コメント(0)
確かに,男ばかりの団体に同行するときは,いささかモテるのだが・・・何だか・・・今回はもてあそばれているかの様に,言い寄って来る。30女を捕まえて,“女の子”だなんて,まして年下の男に・・・,バカにされているのかも知れない・・・と,思いながらも,まぁ悪い気はしないものだ。添乗員とバスガイドは,コンパニオンでも仲居でもないのだが,時には酒を注ぎ,お世辞の1つも言ってはお客を喜ばせる事もある。サービス業であるからには,誰にでも同じようにお愛想をふりまくのは,お仕事の一部なのだが,やっかいなのは,同じホテルに泊まる・・・って事なのだ。夜中まで追いかけ回したり,部屋の番号を聞こうと智恵を絞ったり,と,勘違いしたエロオヤジが,旅の夜を彷徨うのだ。営業の苦手だった私は,添乗業務は営業の絶好の機会だと考えていた。こういった社員旅行で知り合ったお客さんが,家族旅行の相談に来たり,同級生たちとの海外旅行を予約したり,別の取引会社を紹介してくれたり,と,確かに成果は上がっていたのだ。だから,添乗をする時私はこのチャンスを逃してはならない・・・と思っていたのだ。次の仕事に繋がれば・・・,と,2次会3次会まで付き合ったり,携帯の番号を教えたりした。でも中には勘違いしてしまう人がいたり,団体の海外旅行を餌に,“今晩付き合え”と,言い出すヤカラまでいるのだった。私は30を過ぎてやっと,このオヤジたちを,上手にあしらう事を身に付けたのだった。宴会場では極力事務的に振る舞う事,酒は運んでも注がないこと,コンパニオンが入った宴会には絶対に同席しないこと,つまり,酒の席で営業はしないことにしたのだ。そしてお風呂はお客さんの宴会中に入ること(廊下で酔っぱらいに絡まれないように),等々,私の方が勘違いさせない様に気を付けなければならないと,悟ったのだ。今回は5回目とあって,勝手知ったる・・・何とかになるわけで,誰に何を言われても右から左で,私の仕事に何も影響しないのだが,何かと絡んで仕事の邪魔をされるのが,今回のように乗り換えの多い,神経がとがっている時には,しつこく絡まれるとうっとうしくなるのである。だからアンジーは私にとって,救世主なのである。アンジーは,しばらく若い社員にブツブツと文句を言っていたが,最後には“はぃ,あ~ン”と,言いながら,若い社員(k君)の口に飴を入れて上げていた。どうやら,機嫌が直ったみたいだ。佐渡島まで1時間,嬉しそうにいちゃついているアンジーを眺めては目を閉じ,私は誰にも気付かれないように,“飛行中”を想像し密かに楽しんでいた。 つづく
2010/03/02
コメント(0)
私たちは,やっとジェットフォイルに乗り込んだ。ボーイング社製のこの船は,ジェット機のようなエンジン音が聞こえ,船内のシートも飛行機の座席に似ていて,とてもゴージャスだ。停泊中は多少揺れるのだが,これがなければ飛行機に乗っているような錯覚をしてしまいそうだ。そして,出港すれば完全に浮上し水面をなめるように,飛ぶ?のである。船酔いをする人にとっては,波の揺れをほとんど感じないのもありがたい。定刻通り,私たちの乗ったジェットフォイルは新潟港を出港し佐渡島へ向かった。スピードがどんどん加速していく。エンジン音は益々ジェット機のようだ。実は私,船が大嫌いで,自分で企画するコースにはほとんど船が入っていない。大きなカーフェリーから湖の遊覧船まで,まず,入れる事はないのだ。だがこのジェットフォイルだけは,ちょと違う。私が企画し,添乗するのはこれで3回目だ。ジェット機に似たこのエンジン音とスピード感が,まさしく今離陸しようと加速している飛行機に乗っているようで・・・,大好きなのだ。“この瞬間がたまらない・・・”と,思いながら私はほくそ笑んでいたらしい。 「何,ニヤケてンのよー!」私の目の前に後ろ向きで座っているアンジーに,振り向きもせずに声をかけられた。 「どこに目があるの?!」 「ここよ!!」と,アンジーは鏡に自分を映して,私に見えるように微笑んだ。そう,アンジーは化粧直しをしていて,コンパクトの鏡越しにニヤケた私を発見したらしい。でも鏡越しのアンジーも近すぎてかなり”強烈!”と,思ったが口に出すこともできず,平静を保った。 「あのねェ,私このエンジン音とスピード感がたまらなく好きなんです。」 「やあねェ,空ちゃん男の子みたい!!」 「あははははぁ・・・」すると,大きな波に乗り上げたのか,ジェットフォイルがジャンプするように揺れた。 「きゃぁぁ~・・・,怖い~!!」アンジーが叫んだ。そして,こう続けた。 「女の子はこうでなきゃね~。」と,アンジーは隣に連れて来られた若い男性社員に,思いきり首を曲ながら腕を絡め,そして,しなだれかかった。 「ん~,でも僕は空子さみたいな女の子って・・好きですよ!!」 「なにっ!!,アンタまで??」私は,言葉を失った。 つづく
2010/03/01
コメント(0)
全15件 (15件中 1-15件目)
1