テーマから遊びに来ました。
お気に入りの映画に関する記事がたくさんあって、楽しく読ませていただきました。
私は楽天にHPを開設してからまだ間もないのですが、映画が好きなので、これから少しずつ映画の記事を増やしていきたいと思っています。
これからも参考にさせていただきたいので、よろしくお願いします。

アニメや漫画の映画化、それ自体は悪いことだとは思いませんが、どうせ作るなら「こりゃ見たい!」と思う企画を実現させてほしいと…。実写のデビルマンを、映画館に足を運んで「こりゃ見たい!」と思う人が、どれだけいるだろうか?というのが私は疑問なのですが。 (2004年11月09日 12時42分39秒)

フリーページ

2004年11月09日
XML
東映という映画会社は時々、すさまじい作品を世に送り出し
てきた。
その時の主流路線からはずれた作品、いわゆる異色作である。
例えば、69年の任侠映画全盛期の
「日本暗殺秘録」という作品は、それに相当する。
同年の「恐怖奇形人間」もその系譜に入るであろうが、これ
は、当時の石井輝男異常性愛路線のひとつとして作られたと
思われるので、ここでは省いておこう。
また、70年代中期の実録路線とトラック野郎が人気のあった

「新幹線大爆破」が作られた。
その後も80年の「二百三高地」など公開当時は「おや!」と
思わせる作品が作られた。

「日本暗殺秘録」は作品自体も出来がよく、千葉真一は、これ
で演技賞を受賞し、数年後の「仁義なき戦い・広島死闘編」に
つながっていき、脚本の笠原和夫作品としても「仁義なき戦い」
への重要な中継点である。
今では東映映画の代名詞的存在の「仁義なき戦い」も企画の
当初は一種の異色作であったし、公開当時もそのような扱われ
方であった。
「新幹線大爆破」は公開当時は興行的には振るわなかったが、

とが出来る。
「二百三高地」も賛否あるものの、その後の戦争大作の道を
開いた。

さて、この数年間の東映の異色大作としては
「北京原人」、

「千年の恋・ひかる源氏物語」
があり、そして現在上映中の「デビルマン」がある。

これらはことごとく失敗作に終っている。作品評価としても
興行としても無残な結果である。
「デビルマン」は、まだ上映中であるが、おそらく
失敗作として興行を終えるであろう。
これらの作品が後年に傑作として再評価されることは、まず
ないであろう。

考えてみれば、これは当然のことである。
「日本暗殺秘録」、「仁義なき戦い」、「新幹線大爆破」など
は、その時点でも主流に対抗しよう、新しい興行の幹を作ろうと
いう熱気の中から生まれたもので、対抗すべき基盤があったので
ある。
一時期は主流となった任侠路線も時代劇に衰退の中から生み出
されたものであることを考えればよくわかる。
80年代後半以降、東映にはその主流や作品製作の基盤がなく
なっているのである。
しかも、製作体制はほとんどが、ともすれば無責任になりがち
な「製作委員会」方式であり、「東映としての個性」はどこに
もない。

こうした中で傑作が生まれる条件は
「作ろうとしている素材やテーマをきちんと理解した優れた
創作者」

「それを支える体制で製作すること」
でしかない。

それができない東映という会社は
「作品を作る会社としての機能もポリシーも」
失った会社である。

「デビルマン」は、なるべくして愚作になった。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2004年11月09日 13時04分36秒
コメント(7) | コメントを書く
[作品レビュー(日本映画)] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


製作委員会システム  
Film Shaker  さん
東京国際映画祭開催中には、他国から多くの
関係者が一同に東京に集まっていました。
その中の、同年代くらいの方々とお会い
しましたが、雑談の中で製作委員会システム
の話が多々でていました。
このシステムは自分達の首を絞める元凶としか
いいようのないシステムになっています。
時代の変化とともに、ビジネスのシステム
自体も変化させていくのが基本ですが、
全く逆を邁進しています。
今後もまだまだ続くでしょう。
悲しいことですが。 (2004年11月09日 01時52分58秒)

はじめまして  
サリィ斉藤  さん

Re:実録・東映異色作列伝 - 「デビルマン」失敗への経営学的考察(11/09)  
shiro-mike  さん
「二百三高地」哲さん的にはおもしろかったですか?

去年かな?
「ラストサムライ」で大泣きしている私を見て、
彼が薦めてくれたのですが、
その当時いつも貸し出し中で借りられなかったのです。

こないだDVDも見かけたので、
みようかなーと思って。。。 (2004年11月09日 18時56分30秒)

これは夢ぢゃ、夢で・・・  
明彦 さん
「柳生一族の陰謀」(78)は「異色作」には入りませんか?
東映時代劇と実録路線の異種交配という意味で・・・。
一時あの路線も何本か続きましたね。

自分なりの実写版「デビルマン」を考えてみました。
監督:金子修介 脚本:鄭義信
 不動明=中村獅童 飛鳥了=市川海老蔵 牧村美樹=松たか子
 シレーヌ=坂東玉三郎 ゼノン=中村吉右衛門
 カイム=市川團十郎 ジンメン=中村勘九郎
 牧村夫妻=松本幸四郎・真野あずさ
 ミーコ=矢田亜希子 雷沼教授=日下武史 
 タレちゃん=神木隆之介 飛鳥博士=佐野史郎

「デーモンが出来そうな人」を思い浮かべたら、歌舞伎役者になってしまいました・・・。 (2004年11月09日 20時39分33秒)

Re:製作委員会システム(11/09)  
哲0701  さん
Film Shakerさん
>東京国際映画祭開催中には、他国から多くの
>関係者が一同に東京に集まっていました。
>その中の、同年代くらいの方々とお会い
>しましたが、雑談の中で製作委員会システム
>の話が多々でていました。

そちらでは現役の映画関係者の方々、製作の様々な
ジャンルで活躍されている方々とこういう交流が
できるのですね。うらやましい!


>このシステムは自分達の首を絞める元凶としか
>いいようのないシステムになっています。
>時代の変化とともに、ビジネスのシステム
>自体も変化させていくのが基本ですが、
>全く逆を邁進しています。
>今後もまだまだ続くでしょう。
>悲しいことですが。
-----

「製作委員会システム」は、ある状況では
有効でしょうし、これでしか成立できない
ケースもあると思います。
しかし、一方では欠陥も多いと思います。
現時点での長所・短所をふまえた評価を
行うべきと思います。
こういうことこそ「キネマ旬報」の仕事
のはずですが。 (2004年11月09日 23時17分10秒)

「二百三高地」  
哲0701  さん
shiro-mikeさん
>「二百三高地」哲さん的にはおもしろかったですか?
-----

非常に力のある作品だと思います。
反論をねじふせる力のある作品だと思います。
但し、思想的にはクビをひねる内容ですが、
最近、脚本家の笠原和夫さんの「昭和の劇」を
読んで、少し考えが変わりました。
もう一度、映画館で見たいと思います。
(2004年11月09日 23時48分21秒)

Re:これは夢ぢゃ、夢で・・・(11/09)  
哲0701  さん
明彦さん
>「柳生一族の陰謀」(78)は「異色作」には入りませんか?
>東映時代劇と実録路線の異種交配という意味で・・・。
>一時あの路線も何本か続きましたね。

これも入れるべきでした。
あの時期、企業内でも実験意欲があったのだなと
思います。


>自分なりの実写版「デビルマン」を考えてみました。
>「デーモンが出来そうな人」を思い浮かべたら、歌舞伎役者になってしまいました・・・。
-----

お見事!
劇画の「デビルマン」のファンにとって
今回の映画は
「これは夢ぢゃ、夢でござーる」と
言いたいのでしょう。

(2004年11月09日 23時54分59秒)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

哲0701

哲0701

コメント新着

リボン@ Re:原田芳雄と深作欣二は、何故、本格的にタッグを組まなかったのか?(07/25) 原田芳雄さんはヤクザ映画は嫌いだったみ…
国民洗脳から目を覚ませ!@ Re:メンフィスに行く日本人(07/02) 馬鹿メディアである、テレビ、新聞、週刊…
背番号のないエース0829 @ まず、木村拓哉 「マスカレード・ナイト」に、上記の内容…
王島将春@ Re:「ディア・ハンター」はお嫌い?(11/06) はじめまして。福井市在住の王島将春(お…
http://buycialisky.com/@ Re:映画しりとり遊びをやってみた!(03/15) mix cialis and viagraviagra cialis levi…

お気に入りブログ

馬上少年を過ぐ:司… New! 天地 はるなさん

ますます積読 New! k-nanaさん

ニュース雑感 みらい0614さん

LIVEやります! SEAL OF CAINさん

泥棒は嘘吐きの始ま… ポンボさん

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: