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その土地にしがみつくようにして、必死になって生きていく人々。
そこに希望というものがあるわけではなく、人々もまた貧しいので
あるが、そこに何かを見つけようしている。
映画「海炭市叙景」が描いた世界は、実は日本映画が最も得意とす
るものではなかったか。日本映画の伝統であったようだ。
この映画を見ながら、内容としては暗く重いものばかりであるのに
そこに親近感に近いもの、いつまでもこの映画の世界んひたってい
たい気持ちになるのは、もしかしたら、ここに描かれている世界が
私の精神的な故郷だからかも知れない。
それは映画ファンとしての原点的なものもあるのかも知れない。
まるでカーテンコールのように最後の路面電車に乗り合わせる人々
と、その路面電車を横切る颯太と妹の帆波の姿が映し出される。
それが初日の出を見に行くための2人の後ろ姿だったことが判ると
いうときの一種の映画的な快感もまた、この映画の魅力でもある。
そうした映画術がちりばめられているのではなかろうか。
その魅力をもっと発見したかったのだが、1週間という上映期間では、私は1回しか見ることが出来なかった。
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