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二人の男が何やら準備をしている。そして、その二人が道を
歩く若い女性を誘拐し、隠れ家のベッドに縛り付ける。
ここまでをスピーディーに一気に見せる。セリフなどない。
この無駄のない導入部で私はひきつけられ映画の世界に引き
込まれる。
この映画の登場人物は誘拐する男二人と誘拐された女性1名
の3名のみ。これは主要人物が3名ということではなく、画
面に登場するのが3名ということなのである。
やがて、誘拐は突発的なものではなく、計画されたものであ
ることが判ってくる。3名のそれぞれの関係もわかってきて、
そこから計画の綻びが生じてくる。それがサスペンスを生み
出す。登場人物が3名だけであるから、主軸となるストーリ
ーのみに集中して無駄がない。101分という上映時間もちょう
どいい。
この映画、予想もしない傑作である。
成功の要因は、3人の行動のひとつひとつが的確に描かれ、
そこから次の展開へつなげていくシャープな編集と省略の見
事さである。
物語のテーマは「崩壊」である。何が崩壊するのかは実際に
映画を見ていただくしかない。
タイトルにある「失踪」は、原題も同じであるが、もしかしたら、「失踪」はラストから始まるのではなかろうか?
エンドタイトルのデザインも見事であった。
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