カテゴリ未分類 0
俺だけの旅 0
俺たちの旅 0
全13件 (13件中 1-13件目)
1
俺にもやらせろ! 星桃次郎 新必殺からくり人 第13話「東海道五十三次殺し旅 京都」京に到着したお艶一行。最後に残った「三条大橋」をあぶるが、赤くなる代わりに三条大橋が崩れる。荷物にあったもう一枚の「三条大橋」をあぶると今度は橋の上に佇む男が赤く浮かび出る。こちらが正しい依頼のようだが、広重が間違ってお艶たちに渡したのか?「この男、行き交う京の三条の橋で唯一人。思い余って身投げでもするように佇んでおります。私がこの橋を描く時、毎日のように同じ場所で、同じ格好で立っているので目についたのです」。ブラ平と蘭兵衛が三条大橋を訪れると確かに広重の話通り男が佇んでいる。蘭兵衛は橋桁に印がついているのを見つける。そこを切れば橋は崩れるはず。お艶によると男は京都所司代の見張り役だ。その頃。お艶は小駒に蘭兵衛を好きになってはいけないと忠告していた。高野長英は信念を貫くため許嫁を捨てたほどの男だ。小駒は草津の宿で一緒になった盲目の佐市(いも安)と千代(服部妙子)父娘を見つけて声をかける。お艶は「三条大橋」で見張り役の男の傍に盲目の琵琶法師が描かれていたことを思い出す。その夜、佐市と千代に京へ来た目的は検校の位を得るためではと聞くと佐市は突然怯えながら取り乱す。検校は盲人にとって最高の位だ。最高位の検校になると高利貸し業を営むことができる。ところが検校を得るには京の公家・久我家から検校の位を授けてもらわなければならないが、手数料に千両もの大金がかかる。公家は貧乏のため手数料の値を釣り上げていったらしい。見張り役の目明し・安次は佐市父娘を見つけると京都所司代に案内する。小駒は二人を見送る。京都所司代の役人・斎藤嘉兵衛は検校の手続きを行うため早速上納金を預かり、仮の受取証を発行するが、手続きが完了するまで四、五日かかると説明する。その頃、蘭兵衛は公家の久我を訪ねる。すっかり貧乏が板につきいてしまい、戦も乱もなくなり公家は上がったり。「今や幕府の屋台骨はばらばらです。今に乱が起きるでしょう」「またあんた担ぐんじゃないでしょうな~」。久我によると検校の申請に来る人は「一人もおりまへん。近頃の座頭は検校が欲しゅうないんでしょうかな」。手数料も五十両だが「それでも儲かりまへんねん」。所司代の斎藤は目が見えないことを利用して検校の申請に来た座頭から上納金を騙し取っていた。口封じのため佐市父娘を殺す算段になっていたが、小駒に声をかけられたため実行できなかった。お艶は佐市父娘にこのままでは検校の位は得られないのではと話す。佐市は地獄のような苦労を重ねてきた。角づけでは僅かばかりの日銭しか稼げない。そのため自分と同じ盲目の妻を旅の途中で亡くした。佐市は検校の位を得ようとするが、千両を工面することなどできるはずがない。そこで「私は目の見えない仲間に声を掛けました。皆つらい思いで生きている連中です。食うのがやっとという連中ばかりです。でも私は根気よく声を掛けました。検校になればもっとましに暮らせる。一人ではダメで大勢ならできる。この金は四十二人の千両です」。検校の位は代表して佐市が得るが、江戸で仲間たちが帰りを待っている。「私は何としてでも検校を江戸に持って帰らなければならんのです!」。そんなこんなで佐市父娘は安次に荒寺へ案内される。安次の手下が二人を始末しようとするがブラ平の火炎放射で丸焼け。しかし安次が手にしていた刀が佐市に突き刺さってしまう。安次は逃げ出すが、久我を連れてきた蘭兵衛と鉢合わせ。「逃げてもらっちゃ困る」「どこかで見た顔や!」「思い出してもらっても困る」「高野~!」。蘭兵衛は安次を斬りつけるが取り逃がしてしまう。それよりも佐市に検校の位を与えるよう久我に迫る。その頃、祇園ではお艶と小駒が斎藤に踊りを披露していた。そこへ安次が「あいつら高野の仲間や!」と駆け込んでくる。 しかし瞬殺。一方、蘭兵衛たちは捕り方に追われ、佐市は息を引き取る。泣き崩れる千代に蘭兵衛は「お千代さん生き抜くんだ。俺も生き抜く。お父さんのためだけじゃない。江戸にいる四十二人の仲間のためにも生き抜いてくれ」と諭すとブラ平に顔を焼くように頼む。「私にはまだまだやらなきゃならないことがいっぱいあるんです」。その後、お艶は京に到着した広重と再会すると「三条大橋」の絵について尋ねる。「これは幕府に差し出すのをうっかり私に差し出したんでしょ?」。倒幕の軍勢が西から動いた時、三条大橋を崩して動きを防ぐ。「東海道五十三次」の裏の裏には幕府の防ぎ様が描き込まれている。つまり広重は幕府の隠密。蘭兵衛こと高野長英への不意の追手も広重の密告によるものではと迫る。広重はかつては隠密だったことを認めるが今は一回の絵描き。「長英さんを密告するなんてしてませんよ。断じて」「証拠は?」「証拠?それは残念ながらありません」「じゃあ仕方ありませんね」。お艶は広重に撥を向ける。一瞬広重の断末魔が脳裏をよぎるが、広重は筆を取り出すと一心不乱にお艶を描き始める。「お艶さん・・・一度貴女を描きたかったんですよ。どうぞ遠慮なくやって下さい。できれば描き終わるまで待っていただきたいんですが」。翌朝、お艶たちは三条大橋で検校の目録を手にした千代と再会する。千代は佐市の身代わりに自ら目を潰していた。目録には佐市と書いてあるだけで性別や年齢は書かれていない。必ず目録を江戸へ持って帰る。心配する小駒にお艶はきっとやり遂げると言って巡礼姿の千代を見送る。しかし三条大橋を渡ったところで台八車に轢かれそうになる。男が千代を庇うが、その顔は火傷を負った蘭兵衛だった。二人の後ろ姿を見届ける小駒。お艶は塩八と蘭兵衛を思い出しながら江戸を目指す。お・わ・り
2021年02月14日
コメント(0)
一度握ったハンドルは絶対に離さねえ! 星桃次郎 新必殺からくり人 第12話「東海道五十三次殺し旅 大津」お艶たちは大津に逗留していたが、小駒が部屋を離れた隙に泥棒に入られ広重の絵を全て盗まれる。同じ旅籠に泊まっていたおしまも道中手形を盗まれていた。盗みに入った捨吉は代官・服部重四郎(石橋レンジ)と問屋場を営む宗右衛門(金田金男の父親)に盗みの成果を報告する。ろくでもないものばかりだったが広重の「東海道五十三次」に違和感を覚える。なぜか一部分だけ赤く染まっている。しかもなぜ旅芸人の一座が持ち歩いているのか?お艶たちは記憶と足を頼りに「大津 走井茶屋」に隠された悪事を探る。描かれているのは蜆売りの親子、茶店、牛が引いている米俵を積んだ荷車など。早速手分けして調査開始。その頃、服部は偶然、火鉢の熱で「大津 走井茶屋」の米俵が赤く浮き出る仕掛けを発見する。何者かがお艶たちの後ろで手を引いている。もうじき江戸に戻る服部は悪事が露見しないか焦り出す。そんなこんなで蘭兵衛と小駒は宗右衛門を訪ね牛を貸してほしいと交渉する。捨吉が二人を訝しんで断るが、小駒は捨吉の顔を見て先日の泥棒だと思い出す。大騒ぎになるが宗右衛門と捨吉は相手にしない。宗右衛門はお艶一行が気になり、捨吉にお艶たちが訪れていた庄野で変わったことがなかったか調べさせる。手形を盗まれたおしまは京へ働きに出る予定だったが足止め状態。しかも宗右衛門から関所を越える裏情報の提供と引き換えに金か身体を差し出すよう迫られていた。その頃、ブラ平は蜆売りの親子から突然母親が失踪した話を聞く。どうやら捨吉、宗右衛門、服部は繋がっている。蜆売りの母親の件とも関係があるのでは?一方、庄野から戻ってきた捨吉は宗右衛門に報告。お艶たちが出立する前日に村田屋が何者かに殺されたこと、そのことで庄屋では天罰が下ったと大評判になっている。服部はお艶たちが何者かの依頼で殺し旅を続けていると見破る。そんなこんなで代官所から盗品が見つかったとの知らせが入る。互いの正体を知ったお艶と服部はそれぞれで腹を探り合う。服部は米俵が赤く染まった「大津 走井茶屋」をお艶に示すが、お艶は自分の物ではないと否定しながらも、なぜ米俵が赤くなっているのかと服部を挑発する。服部は持ち主が現れなければ今夜中に燃やして処分すると言う。さらに興行でもないのに大津に長逗留する理由を尋ねるが、お艶は適当にごまかして代官所を後にする。おしまは見つかった盗品の中に手形がなかったことにしょんぼり。小駒の制止を振り切って宗右衛門を訪ね服部に身体を差し出すが、京の女郎屋へ五十両で売り飛ばされてしまう。服部たちは女から手形を盗むと関所を抜ける方法があると持ち掛けては、女を米俵に隠して関所を通過、そのまま女郎屋に売って利益を得ていた。蜆売りの母親もその被害に遭っていた。捨吉はおしまを米俵に隠して関所を通過、女衒と一杯やっているところをブラ平の火炎放射で丸焼け。おしまはブラ平に助け出される。その頃、宗右衛門は金田金男の父親らしくニコニコで金勘定しているところを蘭兵衛に刺殺。お艶は服部を仕留め、広重の絵を取り戻す。「広重さん、大津の仕事終わりました。あと残すは京の都だけとなりました。今頃は京の都に向かって旅立たれたことでしょうか。お会いできることを楽しみにしております。取り急ぎご報告まで。お艶ほか一同」。お・わ・り次回感動の最終回。
2021年02月14日
コメント(0)
僕は科学者だ! 星桃次郎 新必殺からくり人 第11話「東海道五十三次殺し旅 庄野」冒頭から広重の「庄野 白雨」をあぶるお艶たち。「竹のうち」と書かれた番傘が赤く浮かび上がる。広重によると「お艶さん、この絵をよっくご覧ください。私がなぜ唐傘に「竹のうち」と記したか。それは傘を差した御人のこの後のことが、どうしても気にならずにいられなかったからです。去年の夏のある日、二里ほど離れた亀山に行った帰り道、この峠付近で姿を消したきり行方知れずになってしまいました。その御人は庄野宿で代々本陣を構えていなさる竹之内庄左衛門さんという御方で、私は縁あって一方ならぬお世話になりました。もし裏に何かがあるのでしたらお艶さん、その時はお頼みします」とのこと。本陣は大名が参勤交代などの際に泊まる宿。庄左衛門の本陣はかなりの財力を持っているはずだが、後を継いだ娘のるいが旅人を相手に焼き米を売っている有り様。大名一行をもてなすたびに莫大な出費がかさみ、竹之内家の資産は底をついていた。しかし、るいには信頼のおける番頭の嘉平とときわ屋の番頭で恋人の巳之助の二人が支えになっていた。Bクラスの本陣・村田屋は嘉平に資金提供を申し出るが拒否。しかし三日後には大名行列が到着する。嘉平は亀山で何とか五十両を工面することができたが、その帰り道に村田屋の番頭・辰三に殺されてしまう。村田屋は竹之内家の本陣株のゲットを狙っていた。そんなこんなでるいの許に借金の取り立てが詰め寄るが、村田屋が肩代わりを申し出る。もちろんるいは村田屋の申し出を断る。お艶たちの存在が邪魔だと感じた村田屋は、役人を通じて水野忠邦による綱紀粛正を理由に明朝までに庄野から出るように仕向ける。巳之助はるいに村田屋の申し出を受け入れるよう説得する。巳之助はかつて村田屋に命を助けてもらったことがあった。その話を聞いてるいは村田屋を訪ねる。村田屋は無条件で二百両を提供する。その代わりるいをレイプ。その現場を巳之助が目撃してしまう。巳之助はるいが村田屋に身体を売ったと思い「私には女の気持ちが分からないよ!」と言って竹之内家から出て行ってしまう。しかし、実はすべて村田屋と巳之助の芝居だった。絶望したるいは川へ身を投げるが蘭兵衛に助けられる。蘭兵衛は巳之助にずぶ濡れになったるいを見せつける。るいが死んだと思った巳之助は慌てて村田屋に報告。お艶たちを始末しようとするが、蘭兵衛が巳之助を、ブラ平が辰三を、お艶が村田屋をそれぞれ始末する。翌日、晴れ晴れとした表情で出発するお艶たち。入れ替わるように大名行列が庄野入りし、るいは本陣を取り仕切って大名行列を出迎える。「広重さん、庄野での仕事、無事に相すみました。お艶ほか一同」。お・わ・り
2021年02月13日
コメント(0)
続いてUFO情報のお知らせです。 星桃次郎新必殺からくり人 第10話「東海道五十三次殺し旅 桑名」広重の「桑名 七里渡口」をあぶるお艶たち。すると船が赤く浮き出てくる。早速ブラ平が桑名港を偵察するが、船大工たちが奴隷のように働かされていた。ブラ平は船大工の小吉(桜木健一)から木綿問屋・角屋で働くおしのに充てた手紙を渡される。角屋善兵衛は大量の帆を作るため女たちをこき使っていた。女たちは身体を壊している。小駒から手紙を受け取ったおしのは女たちの協力で角屋を抜け出し、小吉との待ち合わせ場所へ向かう。その頃、善兵衛はお艶が江戸から来た芸人と知ると一曲聴きたいとお艶を招く。お艶は「桑名の殿様」を披露しようとするが「あれはだめだ。江戸の唄がいいなあ」とダメ出し。おしのは小吉と落ち合い、このまま逃げたい、戻るぐらいなら死んだほうがましだと言う。腰が引けている小吉は二、三日中に逃げる算段をつけると約束する。小駒はおしのを宿で匿うが労咳に侵されていた。そのうえ番頭から客が一人増えていることに感づかれていた。桑名中が善兵衛の息がかかっている。そこで蘭兵衛と小駒はおしのを籠に入れて小屋へ移動させる。ブラ平の調べで善兵衛の正体が明らかになる。善兵衛は修理を理由に船便をコントロールして連日二千人の客を足止め、桑名に金を落とすよう無理やり留まらせていた。さらに宿場役人の守村とグルになって機織り仕事に就くため桑名にやってきた女たちから通行手形を奪って監禁、女郎屋に売りつけていた。そこに足止めを食らった客たちが女を買う。身体を壊し客が取れなくなった女郎は機織りをさせる。善兵衛流ビジネスモデルで大儲け。その頃、おしのはうなされていた。蘭兵衛によると今夜が峠。小吉は三ヶ月に一回、船大工たちに機織り女があてがわれる夜を狙って脱走する。おしのと知り合ったのもこの時だった。小吉を始め船大工たちは借金の肩代わりに働かされていた。これも善兵衛流ビジネスモデル。そのことを小駒に話すとおしのは息を引き取る。小吉はおしのの手形を取り返し、小屋に駆け付けるが死に目に会えず、善兵衛の手下に返り討ちにあって殺される。後を追っていた蘭兵衛は善兵衛の手下を次々に斬り捨てる。お艶は善兵衛を訪ねると善兵衛の嫌がる「桑名の殿様」を唄い始める。みるみる不機嫌になる善兵衛。「その唄なんや?」「これは角屋善兵衛さんに死んでいただくための替え歌でございます」「死ぬのはお前じゃ。ウフフ」。しかし瞬時に手下ともども仕留められ、守村もブラ平の炎に焼かれる。「広重さん、桑名の仕事終わりました。それにしても角屋善兵衛という男、よほど「桑名の殿様」という唄が嫌いなようです。きっと唄の文句にありますように本人も時雨でお茶をかきこんでお金を貯め込んだ吝嗇家なのかもしれません。そんな男を人々はいつの間にか多少の恨みと皮肉を持って「桑名の殿様」と唄うようになったのでしょう。ではまた。お艶ほか一同」。お・わ・り
2021年02月13日
コメント(0)
マイコール一番星! 星桃次郎新必殺からくり人 第9話「東海道五十三次殺し旅 鳴海」鳴海に先乗りしていたブラ平はやくざ連中が幅を利かせている様子を目の当たりにする。そのボスが鳴海の重蔵(山本麟一)。広重の次の依頼は鳴海だった。「お艶さん、鳴海といえば名物・有松絞です。宿場通りには絞染めを売る店がずらっと並び、女の買い物客が引きも切りません。近郷近在はもとより江戸や京から遥々足を運んでくる客もいるそうです」。蘭兵衛は女が通行手形を掏られるところを偶然目撃する。掏った男から通行手形を取り戻すが、女は立ち去った後だった。その夜、お艶たちは仕事の準備にかかる。広重の「鳴海 名物有松絞」をあぶると駕籠に乗った女が赤く浮き出る。「私はこの女について妙な噂を耳にしました。女の名前はお葉。歳の頃は三十そこそこでしょうか。一見大店のお内儀風に見えますが詳しいことは私にも分かりません。妙な噂というのは・・・」。お葉(横山リエ)は毎年同じ時期になると江戸から染め物を買いに来る。しかも今年で三年目。「ところがこの女の様子には買い物を楽しむ風情など全くないのです。まるで仇を探すように、そう仇でも探すようにそれは悲壮な姿なのです。絵描きの直感と申しましょうか、私はこの女の姿に異常な執念を感じました。一体この女は何に取りつかれているのか?今だにそれが気がかりでなりません。おそらくこの女は今年も鳴海の宿に姿を現すでしょう。お艶さん、折よくこの女に巡り合うようなことがあったら心に残る一抹の疑念を解き明かしていただきたいのです」。蘭兵衛の手元にある通行手形はお葉のものだった。通行手形を探していたお葉は重蔵の許を訪れる。重蔵は手下に鳴海へ来た女から通行手形を掏らせては、手形の世話をすると称して食い物にするセコイ極悪人だった。寸でのところで蘭兵衛に助けられるが、重蔵軍団に目を着けられる。お葉はお艶たちに事の経緯を語り出す。お葉は神田の老舗染物屋の女主人。三年前、店の染物職人・多七(関口宏の弟)に夫を殺され、以来多七を探している。その後、多七を尾張で見たとの噂を聞く。多七が染物以外の職に就くことは考えにくく、鳴海の染物屋で働いているに違いない。お艶が客からもらった染物がまさに多七のものだった。翌朝、お葉は多七が働いている益田屋に突撃。多七に江戸へ戻ってくるよう迫る。実はお葉と多七は不倫関係。お葉は多七と一緒になるため夫を殺すが、多七はお葉が恐ろしくなり逃亡を続けていた。「あれはお前のせいだよ。お前のためにうちの人を殺したんだ」。申し出を断るなら訴えると脅す。お葉は本気だ。蘭兵衛は多七に逃げるよう説得。京へ行けば染物職人として十分やっていけると提案し、ブラ平と途中まで見送る。お葉は重蔵に自分の身体を差し出し多七を捕まえることと、お艶たちの始末を依頼する。一方、重蔵はお葉を妾にするつもりでいた。そんなこんなで多七は捕まり、お艶、小駒も監禁されてしまう。そこにお葉が現れ、多七に再度復縁を迫るが、多七は嫁にしたい女がいると言って断る。「殺してやる!」。すかさず多七は逃げ出すが見張り役に殺される。「私を捨てようとしたお前が悪いんだ」。そう言いながら「やっと私のものになった。やっと帰ってきてくれたんだね」と満足する。お艶は小駒に見張り役を仕留めさせると「お葉さん、あんたにも死んでもらいますよ」とお葉を切り裂く。その頃、蘭兵衛は重蔵の手下を次々と斬り捨て、重蔵はブラ平の火炎放射で丸焼けにされる。「広重さんが抱いた一抹の疑念。思わぬ結果になってしまいました。どうやら姿かたちは絵筆で捉えられても女心までは描き切れなかったようですね。ではまた。お艶ほか一同」。お・わ・り
2021年02月13日
コメント(0)
一体君は誰かね? 星桃次郎 新必殺からくり人 第8話「東海道五十三次殺し旅 藤川」蘭兵衛は盲目の少女・おせん(西崎みどり)と知り合いになる。おせんは歌が富士という馬を飼っている。富士とは大の仲良し。富士に荷物を載せてもらいおせんと藤川へ向かう。その途中、太郎という犬のことおせんから知る。太郎は一年前から誰かの帰りを待ち続けているとのこと。その後、藤川に到着するやいなや、おせんは怪我をして暴れていた馬を鎮めて皆やんややんや。飼い主の宿場役人・村瀬重太郎(村上隊長)もほっとする。そんなこんなで蘭兵衛はお艶たちと合流。広重の「藤川 棒鼻ノ図」をあぶると馬と犬が赤く浮かび上がる。広重によると献上馬を運ぶ行列に若者が馬を返してほしいと直訴するが、村瀬に斬り捨てられたという。「確かに私が見たところでは若者の持ち馬に相違ありません。旅を急いでおりまして後ろ髪を引かれる思いで藤川の宿をあとにしました。お艶さん、その時私が胸を打たれましたのは引かれていく馬ともう一匹、いつまでも若者の躯から離れようとしなかったあの犬の寂しそうな表情です。よくお調べの上、この恨みをどうぞ」。ひょっとして太郎のことでは?そして今日の暴れ馬が献上馬では?村瀬と庄屋の上田徳兵衛(松山照夫)は三河松平家主催の馬コンテストに出場する予定だったが、肝心の馬が負傷している。馬コンまであと三日。何としてでも代わりの馬を見つけなければ。そんな中、馬を静めてくれた礼を言いにおせんと祖父の嘉助を訪ねるたところ富士を見かけて一目ぼれ。その頃、ブラ平は献上馬を巡って若者が無礼打ちにあった話を聞く。ただし献上馬が馬コンに優勝しても飼い主に褒章は入らない。良い思いをするのは村瀬と徳兵衛。そんなこんなで二人は富士を手放そうとしない嘉助を殺害。翌朝、二人は嘉助の殺害現場でわざとらしい芝居を打って物取りの仕業に見せかける。村瀬は泣き崩れるおせんに必ず下手人を捕まえると約束する。しかし蘭兵衛は嘉助殺しは二人の仕業だと見抜いていた。そうこうしているうちに村瀬は嘉助が書いたというニセの証文を手に富士を連れだす。嘉助は字が書けないはずだが、徳兵衛が私が代筆したと出鱈目を言う。盲目のおせんには証文を確かめることができない。悲しみを紛らわすため馬子歌をうたうおせん。お艶はおせんの歌に合わせて三味線を弾く。「歌いなさい。声の続く限り歌ってごらん。さあ」。そんなこんなで蘭兵衛は徳兵衛の屋敷に潜入し富士を助け出す。ブラ平は火炎放射で下っ端ごと馬小屋を全焼、ついでに徳兵衛も丸焼け。富士を解放した蘭兵衛は村瀬を仕留める。翌朝、馬コンの使いたちが富士の到着を待つがいつまで経っても現れない。その横をお艶たち一行が通り過ぎる。そのなかにおせんが紛れていた。お艶は富士と再会したおせんに「もう二度と藤川に近づいちゃいけませんよ」と声をかける。「広重さん、藤川の仕事が済みました。貴方がお描きになった馬と犬。つくづく人間の傲慢さが暇しく思えます。ではまた次の宿場から。お艶ほか一同」。お・わ・り
2021年02月12日
コメント(0)
乗れ!この野郎! 星桃次郎 新必殺からくり人 第7話「東海道五十三次殺し旅 荒井」次の目的地は荒井。その前に浜名湖を渡って関所を通らなければならない。訳ありカップルの志ま(鮎川いづみ)と文次郎(ミラーマン)は駿府の炭問屋の娘と手代。二人は駆け落ちしてきたため、何が何でも関所を通りたい。しかし関所を通るには女は通行手形が必要。そこでお艶たちの小屋から男性の衣装を盗もうとするが、蘭兵衛たちにあっさり見つかってしまう。男装したぐらいで通れるほど関所は甘くない。お艶は二人を見逃すが、気になって塩八に尾行させる。そんなこんなで広重の「舞阪 今切真景」をあぶると浜名湖に浮かんでいる船が赤く浮かび上がる。広重によると「この風光明媚な浜名湖がまるで地獄の血の池のように赤く染まっている。水に沈んだ多くの恨み、お艶さん手向けの花の一本もお願いしますよ」。お艶は二人を見失った塩八に「あの二人にもしものことがあったらお前さんも一生浮かばれないよ」と釘を刺す。そんなこんなでお艶たち一行は浜名湖を渡り、荒井の関所に到着。お艶は賄賂を渡して素通りする女たちのことを役人に突っ込むとほぼノーチェックで通過。その頃、志まと文次郎は土地の有力者・善兵ヱ(浜村純)を通じて裏のルートで関所を通過しようとしていた。善兵ヱは訳ありの旅人に裏ルートを斡旋しているが、実は関所役人の五味重四郎とグルになって食い物にしていた。お艶率いる天保太夫一座は荒井宿で満員御礼。塩八の高座は関所の役人が全員通い詰めるほど連日バカ受け。しかし塩八は二人が気になり浜名湖に船を出して探すが、五味一派に銃で撃たれてしまう。重傷を負いながらもなんとか小屋に戻り、蘭兵衛の手術を受けるが助かりそうにない。塩八の報告を受けたお艶は広重の「荒井 渡舟ノ図」をあぶると関所が赤く浮かび上がる。「海を挟んだ荒井の関所。これがまた曲者です。関所破りの抜け道稼業、そのお目こぼしで一財産作るのがここの役人の才覚とか。くれぐれもご用心」。塩八の心配をよそに文次郎は有り金を巻き上げられ、志まは五味と善兵衛に犯されていた。気の強い志まは打ち首を覚悟で五味一派の悪行を洗いざらい訴えることを決心、文次郎も共にすると約束する。しかし駆け落ちした際、店の金を持ち出したことがすでに駿府代官所に伝わっていたため、二人は牢屋に閉じ込められてしまう。お艶は小屋を開き、関所の役人を引き付けている間に二人の救出を計画する。しかしお目当ての塩八の高座は取り止め。それを聞いて役人たちを始めとする大勢の客は騒ぎ出す。塩八に高座をつとめる体力は残っていない。それでも役人たちを引き付けるため化粧をして高座にのぼる。蘭兵衛は意識が遠のくなった時のための気つけ薬を用意する。お艶と小駒はお囃子を演奏して塩八を舞台に送り出す。塩八の姿を見届けるとブラ平と蘭兵衛は二人の救出に向かう。命を懸けて自分たちを助けようとした塩八のことも知らずに、この期に及んでも五味たちを訴えたいとすがる志まに蘭兵衛は「好きなところへとっとと失せろ!」と怒りをぶつけると五味を仕留め、ブラ平の火炎放射で善兵ヱ丸焼け。その頃、塩八は必死で高座をつとめようとしていた。しかし蘭兵衛が用意した気つけ薬を口にするが意識を失い、客たちは騒然となる。お艶は慌てて幕を閉じるが塩八は「幕・・・幕・・・」と口にする。誰一人いない小屋でお艶に抱きかかえられる塩八。満員の客たちから拍手喝さいを浴びる夢を見ながら息を引き取る。塩八は近くの寺に葬られたが「芸人ということで墓は犬猫並みということでした。塩八が江戸のれっきとした旗本出であることは最後まで私の胸に閉まっておくつもりです。ではまた。お艶」。お・わ・り
2021年02月11日
コメント(0)
迷惑だぜ。俺に惚れてるのはお前だけじゃないんだ。 星桃次郎 新必殺からくり人 第6話「東海道五十三次殺し旅 日坂」ある夜、小駒は「兄ちゃん」と何度も寝言を繰り返す。蘭兵衛はお艶に小駒は実の子ではないのでは?と尋ねるが、お艶から高野長英の過去について聞かれる。お互いに過去を詮索するのは野暮なこと。翌朝、広重の「日坂」をあぶると岩が赤く浮き出る。通称「夜泣き石」。塩八によると今から700年前のお話。この地で妊婦が山賊に殺されてしまうが、近くの寺の僧が妊婦の腹から赤ん坊を取り出し、母乳の代わりに飴を与えて育てたと言う。今や妊婦が安産を祈願して「夜泣き岩」詣がブーム。広重は半年前にこの由来に似た世にも惨い光景に出くわしていた。清太郎(綿引勝彦)は妻のおわかと「夜泣き岩」に訪れるが、山賊に襲われて清太郎は崖から転落、おわかは斬られてしまう。広重はおわかを助けるが赤ん坊を産んで息を引き取ってしまう。「そのあとに何があったか。それはお艶さん貴女の目ではっきり見届けたうえでこの恨みを晴らしてやって下さいまし」。赤ん坊はおわかの妹・おふじが引き取り、たあ坊と名付けられていた。おふじは旅籠で働いているが、仕事の邪魔になるとたあ坊を捨てられてしまう。偶然お艶たちはたあ坊を拾い、おふじの旅籠に逗留、無事に再開を果たす。そこでおふじが働いている間、小駒がたあ坊の面倒を見ることになる。お艶たちの興行は連日満員御礼。おふじは客の中に死んだはずの清太郎を見つける。しかも女を連れている。思い切って声を掛けるが知らぬ存ぜぬ。一方、蘭兵衛は現地調査。土地のやくざたちが集まる賭場で急に金回りが良くなった角造(志賀勝)たちの噂を耳にする。清太郎は庄屋の婿養子に収まるため、角造たちにおわかを殺害させていた。清太郎はおふじとたあ坊の殺害を計画していた。さらにブラ平の調べで清太郎は奥州の生まれで作造という名前だったことも分かる。作造は間引きを免れるが、貧しさゆえに盗みを繰り返しながら親代わりに妹の面倒を見ていた。お艶は作造を知っていた。作造の妹こそ小駒だった。清太郎と小駒はひょんなことで9年ぶりに再会する。清太郎は小駒があやしているたあ坊が気になって仕方がない。一方、小駒は兄との再会に大喜び。しかしお艶たちは清太郎の正体を知っている。お艶は小駒に今回の的は兄である清太郎だと打ち明ける。小駒は逡巡するが「おっかさん、あたしはからくり人です」。ブラ平と塩八は小駒が土壇場で気が変わるのではないかと疑うが、お艶は「あの子が裏切るなら皆一緒に死ねばいいじゃないか」と言い返す。そんなこんなで清太郎は小駒にたあ坊を譲るよう求める。小駒にも楽をさせると言うが「あたし、このまま旅芸人で生きます」と清太郎の申し出を断る。その後、旅籠の主人を説得してたあ坊を客として泊めさせ、おふじが元通り面倒を見ることになる。これでたあ坊は守られた。その夜、お艶たちは清太郎の婚礼の席で余興を披露。塩八の噺とブラ平の芸で場を盛り上げ、清太郎を油断させる。その隙に塩八は角造の手下に催眠術を掛けて屋根の上に誘導。「お前たちは鶏になったよ~。下に餌があるから飛び降りて食べよう~さあ飛びなさい~」。地面に激突して死亡。ブラ平は角造を火炎放射で焼き殺す。一方、小駒はお艶の三味線に合わせて駒を披露していたが、脳裏に幼い頃の兄との思い出が甦る。動揺して紐の上で回転していた駒を落とすが、すかさずお艶が次の曲を披露。何事もなかったように小駒退場。その後、寝床で新妻を待つ清太郎を蘭兵衛が仕留める。翌朝、仕事を終えたお艶たちは日坂を出発する。「広重さん、日坂の仕事も無事に終わりました。一行五人何の変りもありません」。小駒の表情は暗く硬いまま。お・わ・り
2021年02月10日
コメント(0)
出た! 星桃次郎 新必殺からくり人 第5話「東海道五十三次殺し旅 府中」お艶たちが目指す府中では、夜な夜な凶悪な盗賊がはびこっていた。そして今夜も豪商を狙って押し込み強盗。盗賊の頭・春之助(ピーター)は顔を見られたため、唯一生き残った六歳の少女・お咲さえ始末するよう手下の乙吉に命じる。そんなこんなで広重の「府中」をあぶると「駕籠に乗る女」が赤く浮かび上がる。ブラ平と蘭兵衛は先乗りして女を探すが、広重によると「駕籠の女」は一様ではないという。その夜、お艶は宿で春之助と再会する。春之助はお艶の弟子でかつて浄瑠璃の修行に励んでいたが、今は府中で壺屋の称号で商いを行っている。その技術の高さから将来を期待されていたが、十八を迎えた時、突然江戸から姿を消してしまう。理由は惚れ合った女と心中を図ろうとしたが、女だけ殺してしまい自分は生き延びてしまったからと微笑を浮かべながら話す。小駒は春之助の美しさと妖しい雰囲気にすっかり夢中になる。ある日、小駒は春之助に心中の話は嘘ではないかと指摘するが、父親が大金でもみ消したから噂にならなかったと答える。しかし、心中の動機は恐ろしいものだった。その当時、春之助はお艶から技術を追求するあまり、男女の情愛の表現が疎かになっていると指摘されていた。そこで惚れた男を死ぬほど愛する女の気持ちが知りたくなって心中をしようとしたと話す。小駒は恐ろしくなって春之助の店から立ち去る。そんなこんなで実は乙吉はお咲を始末することができずにいた。お咲はショックで言葉を発することができなくなっていたが、お艶たちと知り合い、蘭兵衛に心を開いていく。春之助は乙吉にお咲を始末するよう命令するが、蘭兵衛の抵抗で失敗。蘭兵衛は乙吉らが春之助の店へ入っていくところを目撃する。身の危険を感じるようになった春之助は乙吉を処分すると、手下に分け前を与えバラバラに府中から出ることに決める。その姿はかつてお艶の許で修行に励んでいた頃の面影はなく、極悪非道の盗賊でしかなかった。春之助がお艶の弟子だったことを知った蘭兵衛とブラ平は密かに探りを入れる。春之助は手下に金を分け与えると女装して逃走しようとする。その姿は広重が描いた「駕籠の女」だった。お艶はブラ平と蘭兵衛を従えて春之助の許へ向かう。「春之助さん命をもらいに参りましたよ」。春之助を庇う手下たちをブラ平と蘭兵衛が仕留める。お艶と春之助の一騎打ち。二人は互いに三味線を弾く。演奏が終わった時、お艶の撥が春之助の喉を切り裂く。お・わ・り
2021年02月09日
コメント(0)
北島三郎なんかボクのクラスの劣等生でね。 星桃次郎新必殺からくり人 第4話「東海道五十三次殺し旅 原宿」お艶たちは原宿近くに辿り着くが、塩八が宿を手配しなかったばかりに野宿する羽目に。小駒は血だらけの男を発見する。男は駆けつけた侍たちに斬り殺されるが、死ぬ寸前に「鶴」と言い残す。懐には高価な簪が遺されていた。そんなこんなで広重の「原宿」をあぶると鶴が赤く浮き出る。お艶に充てた広重の手紙には、以前この土地で侍の切腹を目撃したこと、侍は無念そうに「鶴」と口にしていたと書かれていた。しかし「あの見事な御腹の召され方といい、このお顔といい、この御武家様は決して悪いことをされるような御方ではない。お艶さん、貴女ならきっとこの謎を解いて下さる」。翌朝、お艶たちは原宿を目指して出発するが役人たちに咎められる。この辺りは将軍家に献上する鶴の生息地。迂回するよう言い渡される。ようやく原宿入りするが、塩八が手配した宿はボロ宿。しかも足止めの影響を受けた客でごった返していた。さらに御膳奉行の前沢らが通行手形を抜き打ちチェックを始める。昨夜の侍たちだ。鳥追いのしのは手形を持っていない。お艶は蘭兵衛が着ている黒子の衣装を着せて役人の目をごまかす。蘭兵衛は役人たちがやたらピリピリしているのは、おそらく鶴がいないことが外部に知れ渡るのを防ごうとしているためではないかと考える。そんなこんなでしのは侍が遺した簪を突き刺して死のうとするが、蘭兵衛の手当てで一命をとりとめる。お艶たちは前沢の追及を逃れ、塩八が接触していた尼寺へ避難。そこでようやくしのから話を聞きだす。広重が目撃した侍は勘定役・伊川新兵衛であり、お艶たちの目の前で斬り殺された侍はその息子・小一郎、しのは小一郎の妻だった。その後、伊川家は取り潰しになってから小一郎は酒浸りとなり、連日しのを求めるようになる。しのは次第に小一郎を拒むようになるが、代わりに他の男を求めるようになる。その一人が前沢だった。ある夜、前沢は鶴が生息していないことを口にする。あたかも鶴がいるよう虚偽の報告を重ねていたが、新兵衛はそのことを公にすると前沢に次げる。そこで前沢は自分の地位を守るため、新兵衛に藩の金を着服した罪を着せて切腹に追い込む。そのことだけでなく、しのが前沢に抱かれていたことを知った小一郎は激怒。前沢の件を江戸の藩主に伝えるため原宿を出発したが、口封じのため斬り殺される。しのは自分の不貞を責めながらも、お艶に恨みを晴らしてほしいと頼む。お艶たちは前沢一味をおびき出すと次々仕留め、鶴の見張り小屋もブラ平の火炎放射で燃え上がる。前沢一味の死を見届けるしの。「お艶さん、ありがとうございました。これでもう思い残すことは何もありません」。そう言って燃え盛る小屋の中へ飛び込む。唖然とするお艶とブラ平。「広重さん、原宿の仕事が済みました。一羽の雌鶴が火の中に飛んでいきました。それは美しいというにはあまりにも悲しい光景でございました。では次の宿場から、また。お艶ほか一同」。お・わ・り
2021年02月09日
コメント(0)
ユーモラス=You漏らす。 星桃次郎新必殺からくり人 第3話「東海道五十三次殺し旅 三島」お艶たちは三島に到着。広重の「三島」をあぶると灯篭が赤く浮かび上がる。三島明神に「清吉」「のぶ」と彫られた灯篭があった。灯篭は「のぶ」という女が寄進したものだが「清吉」は何者なのか?「のぶ」も今は女郎に身を堕としている。そこで塩八が客に扮して「のぶ」を指名する。おのぶ(加賀まりこ)は酒浸りで泥酔。「清吉」のことを聞かれると怒り出し手に負えない。塩八の報告を聞くお艶の許に代官・小幡弥十郎(和田浩治)が現れ実地指導を開始。風紀を乱さないこと、扇情的な歌や噺は禁止など述べながらも小駒の美しさを見逃さなかった。小幡は金持ちの商人たちとつるんで夜な夜なエロい催し物を開催、金を稼いでいた。お艶は塩八の代わりに蘭兵衛を指名。女は男と違って自分の身体を操ることができない。おのぶを抱かせて本心を聞き出そうとする。「あんた恐ろしい人だ」と言う蘭兵衛にお艶は微笑を浮かべる。蘭兵衛に抱かれた後、おのぶは灯篭の前で自分を責めて泣き叫ぶ。お艶は三味線を弾きながらおのぶに話しかける。この音色は泣き節、恨み節。また聞きたくなったら小屋に来るように伝える。ある日、お艶は小幡から小駒を二十両で売るよう迫られる。遠州屋(曇り)が是非にとも望んでいる。断れば処罰すると脅迫。小屋に戻ると作戦通りおのぶが訪ねていた。お艶の泣き節に合わせて「清吉」のことを話し始める。清吉は旅の絵師だった。二人は知りあい、所帯を持つことを約束する。おのぶは清吉が絵師として出世するよう三島明神に灯篭を寄進する。清吉はおのぶを描き続けた。しかし、清吉は姿を見せなくなり、小幡から病で死んだと聞かされる。以来、おのぶは女郎に身を堕とし抜け殻のように生きている。蘭兵衛は清吉の墓を掘り返すことを提案する。清吉の遺体は腐敗が進んでいたが、右から左にかけて刀傷が残っていた。死因は病死ではなかった。しかも相手は左利きの侍。そのやり取りをおのぶが目撃にしてしまう。清吉は小幡に殺された。おのぶは清吉の後を追って死ぬつもりだったが小幡の屋敷へ向かう。しかし返り討ちに会い深手を負う。おのぶの刀傷は清吉と全く同じ斬られ方だ。蘭兵衛は手術するが、おそらく助からない。そこへ広重が現れる。清吉は広重の弟子だった。広重は清吉が描いたおのぶの絵(※ほぼあぶな絵)の出来栄えに圧倒される。遠州屋からおのぶの絵を売るよう迫られていたが、清吉にそのつもりはなかった。また精力的に活躍していた清吉が病死するはずがないと証言する。そして小駒を引き渡す夜。お艶は集まった遠州屋、駿河屋、鳴門屋にニセの企画を提案。天下の安藤広重に火あぶりにした小駒のあぶな絵を描いてもらうという趣向。一方、蘭兵衛は下っ端と小幡を始末。そうとは知らず盛り上がる遠州屋たち。ブラ平が油を口に含み、小駒に向かって火を吹こうとした瞬間、振り返って遠州屋たちに火炎放射。三人丸焼け。おのぶはもう助からない。「あんたの恨み節聞かせて・・・せめて清さんにお土産を持ってってあげたい・・・あんたの恨み節を土産に」。お艶はおのぶのために弾き語りを聞きせる。涙を流しながら息を引き取るおのぶ。その二人を描く広重。「天下の風景画家・安藤広重さんが何枚のあぶな絵を描いたことはあまり知られていません。幸運にもその絵を見ることができた者は、あまりの美しさに皆一様に息を飲んだと言うことです」。灯篭に手を合わせるお艶。お・わ・り
2021年02月08日
コメント(0)
チータイムにいたしましょう。 星桃次郎新必殺からくり人 第2話「東海道五十三次殺し旅 戸塚」「人の一生は旅に似ているといいますが、ほんとにそうでございますね。私、安藤広重が旅を描きました東海道五十三次。綺麗ばかりで少しも人のため息が聞こえてこないとか。そんな事はございません。一枚一枚にせっぱつまった怨みとつらみ、つまりは殺してもらいたい人間をそっと描き込んである仕掛け。お艶さんよっく御覧の上、東海道五十三次殺し旅、よろしくお願い致します」(ナレーション・緒形拳)。「東海道五十三次」の「戸塚」から鎌倉道の道しるべと鎌倉へ逃げる女が赤くあぶりだされる。鎌倉には駆け込み寺の東慶寺がある。その日、お艶たちの目の前であきが東慶寺へ駆け込もうとするが、追っ手に捕まってしまう。あきを助けようと番頭の佐市が追ってくるが返り討ちに会う。そこへ謎の渡世人登場。その名もお助け紋三郎(岸田森)。あきを助けると鎌倉へ連れ、駆け込み女の面倒を見ている蓬莱屋(岡田英次)に預ける。蓬莱屋にはあきと同じ境遇の女が何人もいた。しかし広重の話によると東慶寺に繋がる鎌倉道は女を救うおたすけ道ではなかった。東慶寺に向かった女のうち半分は行方知れずになっている。そんなこんなでお艶たちは仕事の準備に取り掛かるが、蘭兵衛をどうするか?ブラ平と塩八は幕府の密偵ではないかと疑うが、蘭兵衛にはそれを否定するだけのものは持ち合わせていない。お艶は突然仕込み刀で蘭兵衛に斬りかかる。とっさに手拭いで受け止めた蘭兵衛を見てからくり人チームに加える。その頃、蓬莱屋はあきの身の上をカウンセリング風に聞き出していた。あきは江戸でも指折りの材木商・木曽屋の若女将だが、木曽屋にとって妻は権力者から発注を得るための商売道具でしかなかった。木曽屋はあきを南町奉行・鳥居耀蔵に差し出したことで印旛沼の干拓工事をゲット。あきは慰み物にされることが耐えられず木曽屋を飛び出したと話す。それを聞くと蓬莱屋はあきを監禁、江戸へ向かう。一方、佐市はお艶にこれまでのことを話す。木曽屋は印旛沼の干拓工事の材木発注を握るため鳥居との接触を狙っていた。鳥居が町娘だったあきに目を付けている事を知った木曽屋は、妻と離縁しあきを妻に迎えた。しかし結婚初夜にあきは鳥居に差し出され、その後も鳥居は木曽屋に出向いてはあきを抱いていた。佐市はあきの見張り役だったのだが、罪悪感に苛まれあきに駆け込みを薦めた。その頃、蓬莱屋は江戸の木曽屋に出向き、あきの件で五百両強請り取ろうとするが、印旛沼の材木は搬入済み、ついでに新しい妻を迎えたので関係なしと追い返す。その頃、塩八は女郎たちに聞き込み調査。行方知れずになった女たちは蓬莱屋を通じて女郎屋に売り飛ばされていたのだ。あきは売り飛ばされる前に紋三郎によって手込めにされていた。しかも汚らわしいと思いながらも快楽に溺れていた。お艶と蘭兵衛は佐市を連れて蓬莱屋に乗り込み、あきを救出するがあきの表情は暗い。お艶は蓬莱屋と紋三郎を殺さず監禁する。腹ごしらえをしながらお艶は蘭兵衛に「高野長英・・・偉い蘭学の先生なんだろ?」と耳元で囁く。そんなこんなで塩八が大勢の女郎を連れてくる。東慶寺に向かう途中、蓬莱屋と紋三郎に騙されて女郎にされた女たちだ。「あいつらだよ、あんたたちを売り飛ばしたのは!ほらほら!あいつらだよ!」「殺せえー!」。蓬莱屋と紋三郎は女たちから凄惨なリンチを受け惨殺される。佐市はあきに上方へ行こうと説得するが、身体だけでなく心まで汚れてしまった。「死にたい・・・こんな世の中いっときも生きてるの嫌です。死にたい」と呟く。佐市はあきと心中することを決意する。「おかみさん、じゃああの世で」「はい」。二人は互いを帯で結ぶと石を抱いて川に向かっていく。その頃、ブラ平は木曽屋が運んだ印旛沼用の材木を火炎放射で焼き払う。その炎は江戸の広重も確認できるほどのものだった。そして川には心中したあきと佐市が浮かんでいた。お・わ・り
2021年02月07日
コメント(0)
邪魔だ、どきたまえ! 星桃次郎新必殺からくり人 第1話「東海道五十三次殺し旅 日本橋」ご存じ必殺シリーズ第11弾。『必殺からくり人』のパラレルワールド。花乃屋仇吉ことお艶(山田五十鈴)が八丈島送りになっていなかったら。。。どっちにしても裏稼業やってるんですが。こちらの世界のお艶は天保太夫一座を率いる芸人。冒頭しんないを聞かせながら備前屋(白影さん)を焼き殺すお艶、ブラ平(芦屋雁之助)、噺し家塩八(古今亭志ん朝)。その様子を男が遠くから見ていた。お艶は自分の小屋を持ち連日大入りで大盛況。その頃、蘭学者・高野長英(近藤正臣)は牢屋敷を脱獄、役人たちに追われていた。お艶は小屋に転がり込んできた長英を匿うが名前や素性は知らない。長英は自分の傷を針と糸で縫おうとする。「アンタ医者だね?」。ブラ平に指摘されるが否定しない。客席には先日お艶たちの殺しを見ていた男が紛れていた。男は三味線を演奏するお艶の似顔絵を描く。翌日、役人たちが小屋を訪れ、奉行所への出頭を言い渡す。長英を匿ったことがバレたのかとひやひやしながら奉行所へ行くと、役者や芸人たちが多数集められていた。何とお艶たちは天保の改革による贅沢禁止令により江戸所払いを言い渡される。さらに小屋へ戻ると長英を追う役人たちに火を放たれ、道具一式ごと焼かれてしまう。長英は舞台の下に掘った穴に身を隠して無事だったが、何もかも失って途方に暮れる。そこに男が現れる。男の正体は絵師・安藤広重(緒形拳)。広重は百三十両をお艶に渡し、十三件の殺しを依頼する。「これは私が描きました東海道五十三次。私は絵を描きながら方々旅をして歩き、ゆく先々で腹に据えかねることばかり見て参りました。人の面をした鬼がのさばり、大手を振って生きております。私は歯ぎしりするが一介の絵師。でもこの絵の中にちゃんと鬼たちは描き止めておきました」。広重が「東海道五十三次」を熱であぶると仕留める悪人が赤く浮かび上がる。お艶は半金だけ受け取り、仕事を引き受ける。早速仕事の準備に入ると「東海道五十三次」の「日本橋」をあぶる。浮かび上がってきたのは高倉藩の家紋。高倉藩の江戸屋敷では夜な夜ないかさまの賭場が開かれていた。長英はお艶の娘・小駒太夫(ジュディ・オング)に「あんたどうすんの?」と聞かれ「さてどうするかな?」とにやにや。長英とお艶たちは互いの素性をあえて知ろうとはしない。そんなこんなでお艶たちは高倉藩の江戸屋敷に潜入。お艶は撥を投げつけてサイコロを切り裂く。「まあ鉛が入ってますね。皆さんこのいかさまじゃ勝てませんよ!」。やくざたちと大乱闘。別室ではいかさま博打のカタに召し上げられた娘をネタに変態ショーが行われていた。あまりの変態ぶりに死に至った娘は十人を下らない。変態ショー候補の娘に扮した小駒が侍に駒を投げつける。駒は額に突き刺さるとぐりぐり回転。侍死亡。大乱闘の中、塩八がチンピラに催眠術をかける。「ほーらこれは何だ?よーく見てよーく見てほらほらよーく考えて・・・」と言いながら屋敷の屋根に誘導。「下は海だよーさあ~泳ごう~気持ちがいいよーそらそら~」。チンピラふんどし一丁でダイブ。頭から地面に激突して死亡。ものすごい殺し技。そしてブラ平がリーダーの笹川妥女(草野大悟)を追い詰める。「笹川さん、今度はあんたたちが責められる番だ」。徳利に入った油を口に含むと蠟燭越しに火炎放射。全身丸焼け。翌朝、お艶たちは江戸を出発する。しれっと後ろからついてくる長英。「旅に医者がいると便利ですよ」。お艶に名前を聞かれ「蘭兵衛」と答える。「蘭兵衛?さあ行くよ」。小駒はイケメンが一座に加わって機嫌が良い。「お艶さんよっくご覧の上、東海道五十三次殺し旅。よろしくお願い致します」(ナレーション・緒形拳)。お・わ・り
2021年02月07日
コメント(1)
全13件 (13件中 1-13件目)
1