新吾を召し捕れ
新吾は、京都の中院通朝の屋敷に来ていました。
「では、何故あなたを殺そうとしたのです」と新吾が通朝に尋ねますと・・・御所の修築のことで、所司代の態度があまり冷たいので、腹に据えかね談じこみましたが、それが気にくわなかったのでしょう・・・と通朝がいったことに、「たったそれくらいのことで」と新吾が言うと、
通朝「そうです、それが徳川幕府の政策なのです」
新吾「
徳川幕府
?
」
…天皇は尊んで扶持せず、荒廃した御所の塀を修築する財力すら持たされていない・・・と通朝が話すと、新吾は即答で、
新吾「
分かりました
、塀の修築は、私がさせていただきましょう」
これには通朝もびっくりして「あなたが
?
」と言います。















参内の支度の間で、
河内「お鯉の方様の蟄居、酒井讃岐の閉門など、一応名目はたちましたなれど、肝
心の新吾様が」
すると、吉宗が備中守と河内守に向かっていいます。
吉宗「そち達は名目さえつけばよいのか」
二人は顔をあげ吉宗を見ます。
吉宗「お鯉や酒井は朝廷の寄進とは何の関係もない。新吾の罪を軽からしめようと
思えばこそ、そち達の名目を立てるため、お鯉は自ら蟄居を申し出たのじゃ
ぞ。余も今までは城中の不和を避けるため、つとめて新吾の話には触れまい
と努力をしてきた。 子
を思う親の情に変りはない
。余の苦衷わかるか」
参内の時刻が来たとの知らせを受た吉宗は、部屋を出る前に立ち止まり河内守に、新吾の居所はわかっているのか、と聞きます。河内守は、中院通朝卿の屋敷にいることを伝えると、
吉宗「将軍として命ずる。朝廷への寄進は天下の法度、
示しをつけぬ訳にはいくま
い
。
新吾を召し捕れ
」


続きます
。
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