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武田一真を倒した自源流の若僧か六平太のいった通り箱根の関所では、役人達が関所破りをした浪人5人を追いかけています。その浪人達の前に、一人の浪人が立ち塞がっていたため、立ちすくみます。しかし、後からは役人達が追って来ているので、その浪人に斬りかかっていった一人は倒れ、刀を持ち妖気をおびた浪人の近づくのに恐れをなし後ずさりしていきます。刀をさげたまま歩いてくるので、残りの4人の浪人が斬りかかっていくと、3人を一気に斬り捨てました。待ってくれ命だけは助けてくれ、と哀願する残った一人に笑いを浮かべ刀を振り上げたとき、「お待ちなさい」という声が役人達の後ろのほうから聞こえると、新吾と六平太が現れます。新吾「刀を捨てた相手だ。あとは役人に任されては」その浪人は「余計な世話だ」といい哀願している浪人に刀を振り上げた瞬間に、新吾「おやめなさい」浪人は「なにい」と新吾に言ってきたので、新吾は新吾「関所破りの罪人は、手に余ったときにのみ斬るのです。ひっ捕らえて取り調 べるのが常道です」浪人「常道、ふふん、俺は外道だ」新吾「外道?」 すると、浪人は「そうだ」というと、俺の刀は始末をつけないと鞘に戻らない、といってきます。それに対し、新吾がしばらく間をおいて・・・「では、どうするのだ」と言った新吾に、「こうだ」と言うと浪人の剣は目にもとまらぬ速さで新吾に向かって振り上げられると、新吾も剣を抜き構えます。 剣を構える新吾を見ていて、浪人は薄気味悪い笑いを浮かべると、新吾にいってきます。 浪人「出来るな。その腕前は、武田一真を倒した自源流の若僧か」そう言ってきたとき、今度は新吾が浪人に向かって剣を出し、二人は剣を交え離れると、しばらくじっとお互いに様子をうかがって、新吾が先に動くと、浪人が後ろに下がります。 そして、また二人とも動かずに構えていたとき、「弥次郎」という声がした方を見て、浪人は驚き顔色が変わり、そして、新吾も驚いた瞬間、弥次郎という浪人は逃げ去って行きます。弥次郎を追いかける老人を止めようとしたとき、「妖しい奴、ひっ捕らえろ」と新吾を取り囲みました。 新吾にかかって来る役人達に割って入った六平太は、恐れ多くも将軍家の御長子、葵新吾様の御名を知らないのか、というと、役人一同平伏するのです。新吾は六平太にあきれ顔です。 続きます。🎥『新吾二十番勝負』前回までの投稿掲載分は、ページ内リンクできるようにしてみました。下記のそれぞれをクリックしてご購読することができます。新吾二十番勝負・・・(1)新吾二十番勝負・・・(2)
2025年04月29日
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箱根の関所?去って行く老人を呆然と見ていた新吾に、「何ですかあの爺は。日本一の葵新吾様が両手をつかれたり」と新吾の愛馬の手綱をとって突然近づいて来た男が声をかけて来ます。 「貴公は?」と新吾が訝しげに聞くと、男は新吾の剣技を慕って後を追いかけて来た者、どうか門弟に加えてほしい、と両手をつき頭を下げます。それを見て、先ほどまでと違って表情も柔らかくなった新吾は、新吾 「慕ってくださるのはうれしいが、自源流の剣技を求むなら、秩父の山へ 行って真崎先生の門人になるがよい」 そういう新吾に、流派がのぞみではなく、「新吾先生をお慕いして参ったのです」というのです。新吾が「折角だが、私は修行の道にあるもの、とても人を教える自信はない。・・お諦めください」そう言うと、愛馬に乗り走り去って行きます。男は、門人にしてもらうまでは傍を離れないと、追いかけて行くのです。 西丸派の刺客大賀陣蔵が新吾の後をつけています。その大賀陣蔵を隠密甲賀平八郎がつけています。新吾は愛馬を飛ばし、しばらく駆けて行き、馬から降り鞍の調整をしていると、あの男がにこにこしながら近づいてきたのです。 新吾は驚きの表情で、「貴公は、先刻の」と言うと、「はい」と言い、近道をして待ち受けていたといいます。「それにしても」と言う新吾に、男が「足の早いのと、耳の早いのは、六尺六平太の特徴です」と言うのを聞いていて、新吾 「六尺六平太。あっはっは、変った名前だ」新吾が馬に跨ると、六平太はしっかりと馬のくつわをとって歩き出します。新吾が「まだ門弟にするとはいってない、くつわを放せ」と言っても、六平太は「門弟にしていただくまでは、放しません」と。新吾 「困った奴だ。じゃあ、好きなようにしろ。・・だが、そちが手を放したら 逃げ出すかもしれんぞ」 それに対し、六平太は、六平太「逃げようとなさっても無駄です。拙者は馬に劣らぬ早い足を持っておりま す。それに、どこへお逃げになろうと、一里先までの物音を聞き分けるこ の耳を持っていますから」新吾 「一里先の物音、嘘をつけ」 六平太か嘘ではないと新吾にいったとき、六平太の耳が動きます。笑っていた新吾も、その様子に、何か気になったのでしょう。見た方向に、何気なく通り過ぎる大賀陣蔵と甲賀新八郎の姿がありました。 六平太に「先生は剣気に対しては敏感ですが、声なき声に対しては、私の耳に劣りますな」と言われた新吾が「どういう意味だ」と言うと、六平太をお供にくわえてくれれば、この耳が厄除けになる、といっていたとき、またもや六平太の耳が動きます。新吾 「どうした、また何か」 六平太「この方角なら、箱根の関所辺り」新吾 「箱根の関所?」 続きます・🎥『新吾二十番勝負』前回までの投稿掲載分は、ページ内リンクできるようにしてみました。下記のそれぞれをクリックしてご購読することができます。新吾二十番勝負・・・(1)
2025年04月08日
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