歯医者の独り言
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今年最初の投稿です。先日の朝日新聞 編集手帳におもしろい記事がありました。将棋の大山名人が生前「得意の手があるようじゃ、素人です。玄人にはありません」とよく語られたそうです。いろんな駒を自在に使いこなせないで、プロ棋士は名乗れないという事でしょう。かつてのアメリカ国務長官ラムズフェルド氏は”得意な手”に頼る政策手法を、「工具箱にハンマーしかないと、あらゆる問題が釘にみえてしまう」のかと皮肉られた事があるそうです。一軒の家を建てるのにはノコギリモノミもカンナも必要です。金づちしか入っていない工具箱の大工さんには、大事な我が家の施工を頼みたいとは思わないだろう・・・これを読んで歯医者の仕事が頭に浮かんできました。歯医者の仕事は他の医者と違って 失われた歯が自然に再生することは無く、人工物で修復する作業が重要になります。ちょうど家を建てるように基礎工事もあれば柱を立て壁を作り屋根を乗せ内装工事をし・・・歯科の専門分野も歯の根の治療・歯茎の治療・虫歯の治療・抜歯などの外科治療・きれいに冠を作ったり入れ歯を作る補綴治療・・・・一般の歯科開業医は1人でほとんどの診療分野をこなさなければなりません。子供の歯の治療が得意な歯科医が老人の入れ歯を作ったり、抜歯が得意な歯科医が歯を抜かずに残すため歯の根の中の神経の治療をしたり・・・それぞれの得意不得意がありますが、不得意だからうまく治療できないという逃げ口上は通用しません。最近 マスコミでインプラント治療に対するバッシングが盛んに行われています。安易に歯を抜いてインプラントをすすめる歯科医もいるようです。神様が創った天然の歯よりすばらしいものはありませんが、残念ながら虫歯や歯周病などで抜歯せざるを得ない状態の時、その歯が抜歯に至った原因を解決することなく、安易に抜歯してインプラントを行っても、しばらくするとインプラントの周囲に問題が出て脱落などという報告を目にします。金儲け主義の歯科医は論外ですが、非常に高度なインプラント技術を持つ歯科医でもついつい得意なインプラントで困っている患者さんを助けたいという思いが治療プランに大きく影響することもあるようです。全ての分野の研鑽を重ねて得手に溺れることが無いよう心がけなければならないと思います。
2014.01.29
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