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先日「100分で名著」で取り上げられていたので、久しぶりに手に取った。 この新潮文庫版を手に取るのは40年ぶりぐらいではないだろうか。 新たな発見があったのは、読者がにやりとするようなほのかな笑いの要素を入れようという姿勢が見られることだ。「ダス・ゲヤイネ」 フィクションではあるが心理的にはノンフィクションなのかもしれない。暗く書こうと思えば暗い話になるはずなのに、最後も妙に滑稽な印象を与える。「満願」 わずか三ページの小品。 病人の家族が出てくる話なのに、明るく、健康的でさえある。「富嶽百景」 半分は事実で半分は誇張ではないか。 井伏鱒二の放屁など書く必要はないめにわざわざ書いている。 笑えるところを入れずにはいられなかったのだろう。「女性徒」 これは全く理解できない。ファンの女性が書いて送ってきたものを下敷きに使っているそうだが、文章芸として書いて見せたのだろうか。「駆け込み訴え」 途中で誰の話かはわかる。 太宰は「涙の谷」とか「蕩児の帰宅」とか、聖書由来の語をさらりと使う。 キリスト教に興味を持っていたことがあるのだろう。「走れメロス」 教科書で読んで以来何度か読んでいる。 あきれるのはメロスの短絡的な性格だ。町の人の噂を聞いただけで王を殺さなくてはならないと思い込み、何の計画もなくのこのこ場内に入り込んでつかまる。 メロスの縁者なら「勘弁してくれよ」と言いたくなるところだ。 読み直して、以前から謎のままだったことがあったのを思い出した。 山賊が現れる場面で、 「さては、王の命令で、ここで私を待ち伏せしていたのだな」と言う。メロスはほとんど裸で、金目のものを待っていないことは見れば分かるのだから、そう考えても不思議はない。 しかし、ほんとうに王の命令だったのかどうかは明らかにされていない。話を盛り上げるために山賊を出七ただけなのかも知れないが、こういうところははっきりさせてほしい。 謎と言えば、太宰がなぜこれを書いたのかということと、三島由紀夫がなぜ「潮騒」を書いたのか、私には永遠に謎のままおわりそうだ。「東京八景」 自分の半生を自虐的に書いている。 自虐的だからこそ滑稽味も感じられる。 これで覚えているのは、太宰が薬物中毒で入院していたことがあるということだけだった。 今回、そのきっかけが盲腸から腹膜炎になって入院していたことだと理解できた。もちろん、以前読んだ時にもその事は書いてあったのだが、自分が同じ病気を経験してみると、印象が違う。 おそらくドレーンをさして腹水を外に出すという技術が無く、ガーゼで腹水を吸い取っていたのではないかと思う。 痛かったろう。 その後船橋に一時住んでいたことが簡単に触れられている。 船橋時代にあったことは、「黄金風景」という小品に書かれている。(「青空文庫」で読める)「帰去来」「故郷」 この二つはつながった話で、「故郷」の冒頭に、「帰去来」発表の経緯と「故郷」の話になった過程が説明されている。 資産を食いつぶし家名に泥を塗ってきた男が、周囲の力で帰郷する。 さらりとたとえられているが、「蕩児の帰宅」がずっと頭にあったのだろう。 そして家族も周囲の人々も、太宰が駄目な人間だということがわかっているのだろう。ことさらその点を指摘されたり非難されたりしないのが不思議だが、そこが「蕩児の帰宅」なのだろう。
2018.07.31
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この映画の存在を知らなかった。 謎の宇宙生命と戦う人類の話と、宝石強盗団を巡るアクション映画の要素とが絡み合っている。 とにかく特撮映画が作りたかったんだろうな。
2018.07.30
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訃報を受けて、「ワールドプロレスリング」の放送を待っていた。 さすが「ワールドプロレスリング」で、マサさんがうっかりクリス・ベノワがペガサス・キッドであることを言ってしまったところも放送していた。 全日ファンなので、たぶん、マサさんを生で見たことはないと思う。 インタビューでは面白いものがあった。 アメリカ北大陸を主戦場にしていた頃、地方のプロレスにも参戦していた。 その地域の人気レスラーが相手なので、気を遣う。相手に実力がないと、自分がかける技を言ってから技をかけていたという。 それでもだめな相手の時は、相手がかけるべき技も指示して試合を成り立たせていたという。 最後は健介の所にいたんだね。 ああ、またプロレスラーの訃報だ。 ご冥福をお祈りします。
2018.07.29
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偶然相部屋になった女から、いまわの際に、子どもを父親の住む前原に連れて行ってくれと頼まれてしまう座頭市。子連れの旅となり、旅芸人の一座と親しくなったり、謎の浪人に出会ったり。定番の組み合わせなので、最初の方は既視感が否めない。旅芸人の座長が朝丘雪路で、一座に中尾ミエがいたり、大工で一シーンだけなべおさみが出たり。他にも、小池朝雄や松村達雄の若い姿を見ることができる。謎の浪人が近衛十四郎で「素浪人月影兵庫」の明朗な雰囲気とは全く違う。 子どもに慕われるのはいつものことだが、目が見えないのをいいことに、小石を飴だと言って市をからかう場面は、市の怖さを見せる。 クライマックスの殺陣は長丁場でなかなか見せる。 「おじちゃーん」という子どもの声に背を向けて立ち去るのはこれも股旅ものの定番だが、寒々とした風景なのが印象に残った。
2018.07.28
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珍しい映画だ。 世間から隔絶された環境で育った姫、そしてその姫をさらう魔法使い。 こういう設定だと「長靴をはいた猫」のようだが、ペロもピエールも登場しない。 姫が美少女ではないというも斬新。 姫は内省し、自立していく。自力で自分のおかれた環境を乗り越えていく。 助けようとしてくれる人はいる。しかし、重要なのは、自立しようという自分自身の意思なのだ。 魔法使いもただ滅ぼされて終わるというのではない、というのも斬新だ。
2018.07.26
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アメリカでの二度目の「ゴジラ」。前作ではマグロを食べていて、「ゴジラ ファイナルウォーズ」では、「マグロ食ってるような奴はダメだな」と言われていた。 この映画については全く知識がないまま見た。 アメリカ映画なのだが、妙に日本風の情緒がある。 最初の、原子力発電所の事故で妻を失うところなど、とくにそうだ。 日本が舞台になっている部分もあって、少しは日本語も出てくる。 渡辺謙が日本人研究者として登場する。その名も芹沢博士で、日本版への敬意が感じられる。 ところが渡辺謙がどうも変なのだ。演技が下手なわけはないのだが、本人が日本人として演じているのに演出がアメリカ風でちぐはぐになってしまったのだろうか。 怪獣と怪獣の闘いになる話で、敵としてムートーというのが出てくるが、造形がちょっとギャオスに似ている。 雌雄のつがい怪獣というのは珍しい。 日本風のところがあるのは、プロデューサーが日本人だからなのかなと思ったら、なんとあの怪作「ゴジラ対へドラ」の監督だった人だ。不思議な感性の持ち主なのかもしれない。 なかなか面白かった。
2018.07.25
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後に「この世界の片隅に」を作るきっかけとなった作品。 山口県の地方都市に住む女子高生が、転校生との友情を深めていくという話を軸に、千年前に周防国だった時のことが平行して描かれる。千年前には清原元輔が娘を連れて赴任してくる。その娘は清少納言になるのだろうが、そういうことは語られない。 二つの世界の少女の心が重なるのだが、だからといってタイムスリップしてどうのこうのというわけではなく、観客の中で二つの世界が重なっていく。 原作があるのだが、こういう話に目をつけ映像化するというところに監督の才能があるのだろう。 声優を福田麻由子や森迫永依など、子役時代から活躍している人が務めている。 追記 後で気がついたが、福田麻由子と森迫永依って、「ちびまる子ちゃん」のお姉ちゃんとまるちゃんじゃないか!
2018.07.24
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何度か見たことがあるはずなのだが、驚くほど何も覚えていない。 開発事業による環境破壊など、時事的な問題も織り込まれている。レジャーランドやヘルスセンターなどというものは、悪人が自然を破壊して金儲けのために作るものというイメージがあった。 モスラが双子だったことも忘れていた。一つの卵から双子が生まれるとは尋常ではない。さすがモスラ。 「三大怪獣 地球最大の決戦」では、モスラが口から吐く糸でキングギドラを撃退したのだし、モスラの幼虫最強なのだ。
2018.07.23
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たまたま泊まることにした本能寺ホテルでエレベーターに乗ると、なぜか戦国時代の本能寺へタイムスリップ。本能寺があった場所にホテルが建っているわけではないのに。 なぜタイムスリップするのかということについては何の説明もない。この映画の場合、そんなことに合理的な説明は要らない。金平糖と呼び出しベルがきっかけになるということだけは描かれている。 したいこともなく、何となく婚約してしまった主人公(綾瀬はるか)が、本能寺の変前日の織田信長と出会って、自分の人生を考え直す。 妙に教訓めいた話になってしまったのが残念。
2018.07.22
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有名な映画なのだが、見たことがなかった。 自閉症の兄(ダスティン・ホフマン)と、打算的な理由で一緒に旅行する弟(トム・クルーズ)。 最初の方は、弟の方が自閉症スペクトラムに見える。 自分のことしか考えられず、恋人の気持ちを理解することができない。また、「レインマン」の話も、最初は、想像上の友達なのかと思わせる。 自閉症を正面から取り上げた数少ない映画であり、もしかするとこれが最初なのかもしれないが、弟の問題も描かれている。 発達障害を持つ者が誰でも特殊な能力を持つわけではないので、これを見て誤解する人もいるかもしれないけれど、こういう生まれつきの特性を持った人がいるということを知らしめただけでも意味がある。 「愛情」がすべてを乗り越えるわけではないと言う結末もリアルでいい。 この映画の時は知らなかったが、トム・クルーズはディスレクシアだと公表している。テレビで見たことがある。 念のために言っておくが、発達障害を理解するための映画ではない。 映画はあくまでも映画を見るためのものだ。
2018.07.20
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特に日立に用があったわけではないのだが、連休だからどこかへ行こうということで、スパ&サウナ ホテル日立プラザで1泊。 ここに泊まるのは二度目。前は、2011年の12月。冬休みに行ったのだが、東日本大震災があり、節電モードで、さらに大寒波の時だったので、廊下が寒かった。 今回は異常熱波で、廊下が蒸し暑い感じがしたけれど、これはホテルのせいとは言えない。 ベッドが広い。大浴場がある。部屋の風呂には入らず、大浴場を利用し、サウナも楽しんだ。 ビジネスホテルなのに、朝風呂まで楽しんだ。 料理もおいしい。 大満足。
2018.07.17
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こういう映画があったことを知らなかった。 桜田門外の変から始まり、彦根側から描かれる。 主君の井伊直弼(中村吉右衛門!)を殺された側の使い手(中井貴一)が明治になっても主君の仇を追い求め続ける。 時が経ち、ほとんどは死んでしまっているのだが、生き残りがいる。それが阿部寛であることはすぐにわかる。 それぞれの生活があり、自分の家庭をどうするかという卑近な問題を抱えつつ、仇を追う身、追われる身として生きている。 ところが仇討ち禁止令が出てしまう。 実際には仇討ちはなかったので、斬り合うことなく終わるのかと思ったが予想ははずれた。 良質なものを作ろう、奥行きのあるものを作ろうという意気込みはよく伝わってくる。こういうものを作る気持ちはよくわかる。私が映画人だったらこういう作品を残したいと思うだろう。 ただそれが空回りしている感は否めない。 ミサンガの設定は無理がある。 監督は年配者のようだが、それよりも、どうしても引っかかるところがある。 金平糖だ。日銭を稼ぐ身であっても、そんなにしょっちゅう買ってやるだろうか。長屋の子供には贅沢すぎるだろう。 もう一つ。子供が転んで金平糖が地面に散らばったのを見て、「これはもうダメだ」と言うが、そんなことがあるだろうか。地面に落ちたものは食べられないなどというのはつい最近のことではないか。 40年ぐらい前なら平気で土を払って食べたと思う。しかも、金平糖という贅沢品だ。 終わりの方でも、夫婦があんなに寄り添って歩くかなあ、と思った。 丁寧に作ってあるだけに気になるんだな。 引っかかるところはあるのだが、出演者はみな好演。女優もみないい。控え目で好感が持てる。
2018.07.14
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ずいぶん前に見た記憶はあるのだが、例によって、ほとんど覚えていない。最後の女性とのくだりは何となく覚えていた。 西部の街というのはこんなにどこも悪党に支配されていたのだろうか。保安官はこんなに命がけで正義を貫こうとしていたのだろうか。時代劇と同じでこういう様式美なのかもしれない。 「こうあってほしい」という願望もあるのだろう。 アルコール依存症の男がディーン・マーティン。この人、「キャノンボール」にも出ていた。 印象に残るのは、保安官を助けるじいさん(ウォルター・ブレナン)。こういう人、日本でも脇役俳優の中にいる気がする。
2018.07.13
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見たのは初めてかもしれない。 定職に就くでもなくぶらぶらしているように見えるが、大学生と高校生の兄弟だとは驚いた。 高校生がモーターボートを乗り回すのか。 この設定は当時としては斬新だっただろうな。 「世の中にはこんな世界に住んでいる人間がいるのか」と今でも思う。今の方がいないか。 知的じゃない高等遊民とでもいうべきか。 岡田眞澄が、店員に英語で注文を聞かれ「焼酎ある?」というところが気が利いている。 ラストは衝撃的。これも観客を驚かせ、話題になったことだろう。 当然だが、津川雅彦も裕次郎も若い。 ただ、こういう世界は感情移入できないし、好きになれないなあ。
2018.07.12
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また「ワールドプロレスリング」。 大雨の中の鈴木みのるデビュー30周年大会。そうなんだよな、この人、横浜出身なんだよな。 ずぶ濡れというのも鈴木らしいと思って見ていたらレフェリーは和田京平ではないか。(違っていたらごめん) 鈴木みのるといえば、第二次UWFの東京ドーム大会で、船木の代役でモーリス・スミスと戦ったのが今でも一番印象に残っている。 立てなくなり、ロープにつかまって泣きながら崩れ落ちていった。 後半は本間朋晃の復帰戦。 無理するな、でもプロである以上リングではあらゆる技を受けるわけだし。
2018.07.08
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「ワールドプロレスリング」を見てはいるが、最近のプロレスにはついてはいけないのが実情。 今回はベイダーのテンカウントから始まったので、居住まいを正してみた。 最後は何とスーパー・ストロング・マシンの引退イベント。 最近試合はしていないようだったが、ついに引退か。たしか前田日明と同期だったはず。 「お前、平田だろ」もマスクを取った状態での「しょっぱい試合ですみません」も放送された。 いろいろあったのをそのまま認めて放送するのが、さすが新日本プロレス。 お疲れ様。
2018.07.01
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「勝プロ第1回作品」というのが最初にどーんと出てくる。 かなり力が入っている。 最初は尊敬できる任侠の徒だった三國連太郎が後半は人が変わってしまっている。その一方で、農民を組織して新しい世の中を作ろうとする浪人(鈴木瑞穂)がわかりやすい設定。万七親分だった遠藤辰夫がはまり役で見ていて楽しい。悪人の関八州が西村晃! 女のさいなむところなど、本領発揮。水戸黄門よりもほんとうはこういう変な役が好きだったんだろうね。それでも水戸黄門を引き受けたところがすごい。 内容はてんこ盛りで濃密。「カムイ伝」のような面もある。つくづく「民衆」というものは信用できないものだと思う。
2018.07.01
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