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6月28日(日)田部京子のコンサートに行ってきました(浜離宮朝日ホール)。・シューベルト:即興曲op.142 より第2番、ショパン:即興曲第1番、ワルツ第9番「告別」、バラード第3番、ノクターン第18番op.62-2、幻想ポロネーズ、シューマン:謝肉祭久々の田部です。音の輪郭が実に明瞭で、一切の曖昧さを排した確かな表現が胸にストレートに飛び込んできて「明晰さ」を感じさせます。それでいて決して冷たい印象にはならないのが素晴らしいところで、音の奥にはじんわりとした「暖かみ」が感じられ、どちらかというとサッパリとした心地よい後味を残してくれます。全般的に余計なクセが見当たらず最初から最後まで高い安定感を見せ、作品そのものの美しさが素直に伝わってきました。シューベルトは文句なし、ショパンもシンプルなアプローチの好演でしたが、幻想ポロネーズはサッパリ感が勝っていてショパン好きには物足りなかったもしれません。メインのカーニバルは超名演でした!意外と実演で聴ける機会が少なく私自身これまでいくつかの実演に接してきましたが正直期待を裏切られるケースがほとんどで、次々と場面が切り替わり物語性が非常に強く多彩さが求められる曲ですが全体の流れに乏しくバラバラな印象の演奏が多かったからです。しかし今日の田部は期待を遥かに超え、前半から感じていた「クリアで曖昧さのない表現」でこの曲の持つ多様さを鮮やかに描き出し、サッパリとした気品を保ちながらもシューマン特有の情熱や内省的な暖かみが絶妙なバランスで配されていました。何より全体の「流れ」が一切淀むことなく、物語としての多彩さと音楽としての有機的なつながりを見事に両立させていました。高い壁のようなカーニバルをこれほどの安定感と深い説得力で聴かせてくれて大満足のリサイタルでした。
2026年06月28日
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6月27日(土)ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートに行ってきました(所沢ミューズアークホール)。・ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲、ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」(亀井聖矢)、ブラームス:交響曲第4番序曲は抑えの利いたヨーロピアンな味わいのある好演でした。オケはまとまりを感じさせました。亀井の軽やかでクリアな音は瑞々しく、抜群で余裕のあるテクニックは素晴らしく、綺麗で見事な「皇帝」でしたが、やや軽さとサラサラさ、表層感が勝っていました。ブラ4は、玄人好みのやや渋めのアプローチで派手さは無いものの聴けば聴くほどしみじみしてくるイメージの名演でした。テンポの変動もほとんどなくある意味淡々と進めますが、 全体的に抑制気味でバランスを重視したサウスポーラニクルズの見事なシェフ振りがいい味わいを出していました。オケは傷が少なく上品上質な総合力を見せました。
2026年06月27日
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6月25日(木)ネマニャ・ラドゥロヴィチのコンサートに行ってきました(浜離宮朝日ホール)。・チャイコフスキー:ポリーナのロマンス、フランク:ヴァイオリン・ソナタ、J.S.バッハ:シチリアーノBWV1031、シャコンヌBWV1004、L.ブーランジェ:2つの小品 「夜想曲」と「行列」、ラヴェル:ツィガーヌ(ステファニー・フォンタナローザ)ラドゥロヴィチは何と言っても音のクオリティが極めて高く、芯があってどの領域でもしっかり聴こえてきました。そんな中でも繊細さと滑らかさも合わせ持っていて非常に魅力的なヴァイオリンでした。ゆったり目のテンポで滔々と歌いますがクドさや古めかしさは皆無で、情感豊かにズッシリと迫ってきました。チャイコフスキーはややすすり泣き的にしっとり聴かせましたし、フランクは懐が深いスケール感のある名演でした。後半も無伴奏を含め高質なパフォーマンスを見せました。アプローチは至ってシンプルで大きく表現を付けたりはしませんが、音の微妙なニュアンスを見事に操り、フランス物の雰囲気も不足ありませんでした。伴奏のフォンタナローザもこれまたシンプルながら味わいがあり素晴らしかったです。全体に非の打ち所が無く極めて充実度の高いコンサートでした。
2026年06月25日
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6月19日(金)田所光之マルセルのコンサートに行ってきました(王子ホール)。・リスト:愛の夢 3つのノクターンS541, R211、ノクターン「夢のなかに」S207, R87、ツェルニー:8つのノクターンより第4曲変ニ長調、リスト:超絶技巧練習曲田所はクセがなく音の精度が高いピアノで、すーと染み込んでくるようなイメージがあります。表現はシンプルで前半のノクターン系も過度な抑揚は排していて、しっかりと聴かせました。後半の練習曲も極めて実直なアプローチで聴き応え十分でした。叩きつけるような強打感はなく滑らかなタッチから繰り出されるクリアな音は見事で、どの場面でもムラを感じさせない均質性が素晴らしく、華々しさは抑え気味ながら充実度の高パフォーマンスでした。ラヴェルのコンチェルトを聴いた際の印象が強かったので楽しみにしていたリサイタルでしたが、大当たりでした。
2026年06月19日
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6月18日(木)東京フィルハーモニー交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)。・モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲、ヴァイオリン協奏曲第3番、交響曲第40番序曲はややゆったりしたテンポでノンビブラートながらたっぷり響かせ、囁やくように魅力的に仕上げました。ズーカーマンのヴァイオリンは艷やかで線は太くしっかりしていてどんな場面でも伸びやかで実に見事でした。貫禄に満ちていて揺るぎがなく、なかなか聴けない貴重なコンチェルトでした。シンフォニーはリピート有りで26分程度、やや渋めのアプローチですが歌うところはしっかり歌いヨーロピアンに響かせ味わい深くどこか懐かしさを感じさせる名演でした。オケも終始安定感を見せ、メイン終了20時20分とさっくりしていましたがとても満足度の高いコンサートでした。
2026年06月18日
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6月14日(日)ブルース・リウのコンサートに行ってきました(所沢ミューズアークホール)。・リゲティ : ピアノ練習曲集第1巻第4番「ファンファーレ」、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」、ショパン: ノクターン第7番Op.27-1、第8番 Op.27-2、ラヴェル:道化師の朝の歌(「鏡」より 第4曲)、ドビュッシー:夢、ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」、モンポウ:「月の光」によるグロッサ、アルベニス : イベリア 第1巻第2曲港(エル・プエルト)、リスト:スペイン狂詩曲これまで聴いたリウとはやや違う印象を持ったのは気のせいでしょうか。滑らかなタッチに鋭さが加わり、もともと高い精度は更に上がった印象でした。激しい場面でも強打感はなく完全なコントロール下にあって、常に音のクリアさが失われないのは驚異的でした。ベートーヴェンらしいかと言うとそうではなく、ドビュッシーもややフワフワしていたりと結構独特感があるのですが、それらを越えて余りある高質な魅力に感嘆を覚えました。通常ヴィルトゥオーゾという言葉からイメージするピアニストとは全く違い技術に目を奪われるということではなく、リストのように速く弱い場面で音の粒を明確に聴かせ完璧に表現して見せ、圧倒させられました。プログラムの多彩さも素晴らしく極めて高い満足感のあるリサイタルでした。
2026年06月14日
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6月9日(火)カメラータ・ザルツブルクのコンサートに行ってきました(東京芸術劇場)・モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番、コンサート・アリア 「どうしてあなたを忘れられようか~恐れないで愛しい人」、ピアノ協奏曲第24番(イム・ユンチャン、イム・ソンへ)ユンチャンの極上モーツァルト!ユンチャンは透明感の高い極めてクリアな音で瑞々しさこのうえなく、シャープさと柔らかさ、繊細さとダイナミックさの融合が素晴らしく、22歳のピアノとはとても信じられない完成度の高さでした。こまめで棘のないアンジュレーションから繰り出される見事な表現には、終始惹きつけられました。ソンへのソロは伸びやかで聴かせましたが、耳はユンチャンのピアノに多く向かってしまいましたし、オケは至って普通でした。
2026年06月09日
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6月5日(金)NHK交響楽団のコンサートに行ってきました(サントリーホール)・オネゲル:交響詩「夏の牧歌」、ベルリオーズ:歌曲集「夏の夜」(ガエル・アルケーズ)、イベール:寄港地、ドビュッシー:交響詩『海』オネゲルからマエストロ・ドゥネーヴの絶妙なコントロールが満載で、素晴らしいスタートでした。N響管ソロ陣も申し分ありませんでした。アルケーズは安定感を見せましたしてが、やや表面的な印象があって今一つ打たれるものがありませんでした。後半はドゥネーヴの魅力を十分に味わえる名演でした。細部にわたる丁寧さや繊細さを見せながら常に全体観を失わず、懐の深さやスケール感を存分に感じさせました。バランス感が素晴らしく音楽にギスギス感や小さくまとめる感は決して見せませんでした。特にドビュッシーは手中に収めている感が凄く、テンポ感や流れの構成が見事で結構惹きつけられました。オケはややかたい印象ではありましたが、手堅くまとめました。
2026年06月05日
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