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アルパインクライミングを始めたい人がいて、丹沢はモミソ懸垂岩でロープワークの基礎的な練習をした。林道に入ると何と雨が降ってきた。それもかなり強い雨だった。連休中は好天という予報から意外な気持ちになったが、今日は前線が通過するというので意外ではない当然の天候のようだ。しばらく車の中で待つと、雨もあがったので岩場に向かった。 これは予想していたのだが、水無川本谷はこの季節とは思えない水量である。いつもは軽く飛び石伝いに渡れるのだが、今日は裸足になっての渡渉となった。足が痛いほどの冷たさで、沢登りの快適な季節にはもう少し時間が必要と思った。 濡れた岩場も次第に乾いてきて、練習には支障がないようになった。あたりは新緑が眩しく、そこにいるだけで幸せな気分になれる。雪山続きで丹沢にはご無沙汰だったこともあり、季節の進展を改めて感じさせてもらった。
2010.04.29
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前夜の冷え込みの強さから出発時間を少し遅らせた。普通春山では雪が緩まない早朝が勝負だ。しかし固雪での下降は危険があり、少し雪が緩むころに下降するのが安全と判断した。 朝の雪稜はアイゼンの跡が残る程度で快適に高度が稼げた。それにしても尾根を歩く開放感は言葉では言い尽くせない素晴らしさがある。この開放感は谷歩きでは決して味わえない醍醐味だ。 双子尾根の登高中は風もなかったが、晴天にしては暑さを感じないすがすがしい気候だった。大きな雪庇脇の雪壁を越すと、平らな雪面の先に頂上を示す標柱が見えた。さすがに後立山稜線の風は冷たく、雪面は所々アイゼンの歯がささらないほどの青氷となっていた。 樺平へは大雪渓を白馬尻まで下り、杓子尾根の支尾根を経由して長走沢に入り、その支流を登って戻った。標高差600mの登り返しはつらかったが、ルート取りの自由さが春山の醍醐味と割り切った。
2010.04.27
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登山者には皆憧れのピークやルートがあると思う。そしてもしかしたら、是非テントを張って一夜を過ごしたいと思う場所があるかもしれない。私にもいくつかそのような場所があるが、白馬三山の杓子岳双子尾根にある樺平もその中のひとつだ。ゴールデンウィーク直前の土日に1泊で双子尾根を目指し、そのベースキャンプ地を樺平にする計画をたてた。 杓子岳双子尾根は雪の季節には美しい雪稜となり、初級のバリエーションルートとして人気のあるルートだ。通常は小日向のコルから尾根を辿る。この間はいくつかの小ピークを伴い細い雪稜が続いている。その中間に樺平と呼ばれる広く開けた場所があり、1本の樺の大木が雪原の中にポツンと立っている。 ゴールデンウィークには多くのスキーヤーが双子尾根周辺の沢に入り、至るところシュプールだらけとなる。ゴールデンウィークの前は車が登山口の猿倉まで入らないので、手前の二股から車道を歩かなければならない。あえてこの時期を選んだのは、効率よりも静かな環境で樺平の1泊を楽しみたかったためだ。思惑は的中し、2日間とも好天に恵まれたが樺平には他の登山者が現れなかった。 メンバーの一人は憧れの樺の大木に会えて嬉しそうだった。また別のメンバーは30数年ぶりの樺平への再訪に感慨深そうだった。彼は冬山合宿での双子尾根山行で、樺平にテントを張ったが豪雪に閉じ込められてしまった。雪崩の恐怖から深夜の脱出行の経験をしたそうだ。しかし春の樺平は穏やかな雰囲気の別天地で、月夜に見た大きな雪庇を頂く杓子岳の姿が美しかった。
2010.04.26
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荒島岳は福井県にあり深田百名山のひとつである。深田久弥のえこひいきで選んだとの評価もあるが、一方で低いながらも風格のある山との評価もある。標高が低いことからたいした期待は持たずに、所要で西日本に旅行した帰路を利用して登った。登ったルートは一番登山者が多いという勝原コースの往復である。 登山口の標高はまだ300m台。1時間ほど登るとブナ林になり、開花直前のイワウチワを見かけるようになる。ほどなく雪の上を歩くようになると傾斜も緩む。左後方には白山が樹林を通して見える。登山口から2時間ほどで稜線に出た。この先で先行していたすべてのパーティーを抜いて、新雪に自分の足跡をつける。モチガ壁と名づけられた急な斜面では夏道の位置を知らずに、胸がつかえるような急な雪壁を登らされた。そしていくつかの雪のコブを越えると広々とした山頂に立てた。ちょつと前までは頂上に通信施設があったらしいが、今では撤去されて少し下がった場所に小さな祠があるだけの好ましい姿になっている。白山の展望を楽しんでいると後続のパーティーが着いたので下山を開始した。 荒島岳は確かに小さな山である。しかし単なる「白山の好展望台」だけの山ではない。勝原コースは終始白山を眺めながらの登高だが、標高で倍近くもある白山と堂々の四つ相撲をとっているかのように感じた。
2010.04.19
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昨年の4月に二分から守門岳を往復した。久々の山スキー山行だった。守門山頂から袴越方面には気持ちよさそうな細い稜線が連なり歩きたいという衝動を覚えた。この時、来年は黒姫方面から守門岳を目指そうと決意した。 破間川にかかる橋から雪に埋まった林道をスキーを着けて歩き始めた。1時間ほどで林道は終わり、雪に埋まった下黒姫沢に斜面を巻きながら降り立った。沢はゆるやかでスキー登高に向いていた。登るに連れて背後の浅草岳が大きくなって行く。やがて沢はデブリに遮られたので右手の尾根に取り付いた。登りきると尾根は台地状になり、ブナの大木が点在する格好のテントサイトとなっている。さっそくここにテントを張った。出発の準備中に3パーティーが通り過ぎた。1パーティーがスキー、他の2パーティーはワカンだった。 予定では1日目に黒姫往復、2日目に守門岳往復だった。しかし明日は雨の予報になっていたので、1日目に守門岳を目指す計画に変えた。トレースは黒姫に向かっていた。守門岳を目指すには少し効率の悪いルートだが、トレースを追った方が楽と判断した。稜線にスキーをデし、ツボ足で袴越方面へ歩き出した。当初はスキーでも歩けると想像していたが、思ったより細い稜線だった。雪庇もほとんどなく安心して歩ける。前方にはピラミダルな袴越が立ちはだかり、とても1500mの山とは思えない威容だ。 袴越山頂は狭く細い山頂で、守門岳まで美しい雪稜が続いている。守門岳と袴越とはたった10mしか高さが違わないのだが、地図での判断より遠くに感じた。少し時間が遅くなっても守門岳まで行きたいと思っていたが、時間も遅いので袴越から引き返した。 翌日は予報どおりの雨となった。風もなく暖かいので、雨の中のスキー滑降も苦にならなかった。簡単に下山してしまったために、帰路には酒蔵見学などをして遠くまで来た元を取ろうとした。守門岳は遠い山だが、その価値を認識した2日間だった。
2010.04.12
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桜も満開。やっと暖かい季節となった。今日は高気圧に覆われて晴れて暖かいという天気予報を信じて今年初めての沢へ行った。久々の単独行である。西丹沢の東沢支流石棚沢という超マイナーな沢である。ゴーロ歩きが長い水の少ない沢だという情報である。ゴーロ歩きが長いと言ってもたかが丹沢である。そんなに長いはずがない。かえって明るいということをメリットとして捉えた。 この沢は西丹沢自然教室から東沢沿いの工事用道路を通じて簡単にアプローチできる。核心と思われる滑滝の連続とミニ・ゴルジュも短いが思っていた以上に快適だ。今年は春に雨が多かったためか、水量もそこそこあり沢登らしさがある。残念なことにこの箇所は1時間もかからないで通過してしまう。 水が涸れるとゴーロ歩きとなる。幾つかの二股を分けると、高さのある涸棚に突き当たる。はなから直登を避けて右岸の急な尾根に逃げた。この尾根を30分ほど辿ると傾斜も落ち、所々にブナの大木のある雰囲気のよい尾根となる。石棚山稜の登山道にはここからわずかだった。なんとこの頃からみぞれが降ってきた。駐車場からここまで標高差900mを3時間。まだ沢の季節には早いと思ったが、楽しめた半日だった。 同行者がいないので、いつもの後姿の登山者を写した写真はない。今日出会った小さな滝の写真をアップした。自然にできた石英閃緑岩の石畳があたかも人工の堰堤のように見えた。
2010.04.04
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