全4件 (4件中 1-4件目)
1
船形連峰は最高峰の船形山が標高1500mで、1000mを越えるピークが30ほどある広がりを持った山塊だ。ブナ林が広がる山として知られ200名山になっているそうだ。 その船形山のブナ林の中を流れる大倉川笹木沢に誘われた。この沢は本流の大倉川沿いに定義林道があり、この林道を使うと大倉川の下流をショートカットでき、かつ遡行後に林道最上部に下れば短時間で済む。通常は定義林道を最大限利用した計画で遡行されているようだが、私は沢遡行後に船形山の山頂に立ちたいと思った。メンバーに私の希望をいれていただき、遡行後に船形山経由で下山する計画とした。山頂はガスの中だったが、東北の名山・船形山の理解に役立ち有益だった。 笹木沢に入ると大倉川本流のゴーロから一転して小滝が連続するようになる。滝はいずれも5mにも満たない低いものだが、沢幅一杯の幅広のものが多い。この後はナメが続くようになる。この沢の地質は凝灰岩質で少し赤茶けている。倒木は多いものの沢は荒れた感じはなく水辺まで濃い緑が迫っている。中流で少し退屈な感じになったが、ほとんどゴーロのない沢で非常に快適だ。 出合から1時間強で8mほどの滝に出会う。一見して難しそうで、右岸から小さく巻いた。ここから連瀑帯となり、2段の滝、ホールドの細かい8mの滝を越えると笹木沢のシンボルとも言える鎧滝3段30mになる。見た目より快適に越せる。ここからも小滝があるが、すぐに沢は明るく開けて源流の雰囲気となる。両岸のブナ林が素晴らしい。ほどなく河原から少し上の台地に笹を刈り払った広いスペースを見つけ、ここでテントを張った。
2010.09.28
コメント(0)
笛吹川流域の東沢釜ノ沢東俣を1泊で遡行した。沢での泊りが目的のような山行だった。先週の万太郎谷は泊り場に恵まれない沢だったので、今回は快適なキャンプを楽しみたいと思っていた。 いつものように登山口に近い道の駅で車中泊した。朝早くに目が覚めてしまい、流れで早い出発となってしまった。この沢は非常に人気のある沢なので、週末なので遡行者が多いと考えた。キャンプサイトには恵まれた沢だが、よいキャンプサイトに泊るには早い出発は有利とも考えた。 歩き出して見ると、どうやら先行者はいないようだった。もしいれば乾いた岩に足跡が付くはずである。天気もよく、水が美しいというこの沢の特徴を味わいながら歩いた。特に悪い箇所もない沢なので昼ごろには広河原に着いてしまった。たまたま開放的な場所に広い平地があり、これ以上の場所はこの先にもないと判断して荷を降ろした。マキがやや少ないのが難点だったが、これは労力で補うことができる。 マキはやや湿っていたが、問題なくよく燃えた。早い時間から持ってきた焚き火用の食材を食べてしまったので、時間を持て余すようになってしまった。それでも焚き火を囲んでの会話ははずみ、沢音も適度な大きさで、よいキャンプとなった。暑くも寒くもない登山にはよい季節となったが、焚き火にはもう少し寒い方がよいとも思った。タープの下に寝て快適なのは、そろそろ終わりのような気もした。
2010.09.20
コメント(0)
谷川岳北面の万太郎谷本谷を遡行した。5人という珍しく多数パーティーでの山行だった。 9月の沢は快適だ。雪渓が消えて水は温み、水量も少なく、虫もいない。晴れれば水面は空の色を映して吸い込まれそうな色となり、乾いたスラブはこの上なく歩行を楽しくさせる。 人気のある沢にはそれぞれ売りがある。万太郎谷本谷の売りはナメ、淵、釜のある小滝、大滝、ゴルジュと、沢を楽しくさせる要素がほどよく混ざっていている総合力だろうか。そのどれもが条件のよい時に登れば困難というほどのものはないので、沢のいろいろな楽しさが味わえてしまう。 しかしよいことだけではない。欠点はよい泊り場がないということだ。沢での泊りは泊らねばいけないという時間的制約だけではなく、積極的に沢の中での泊りを求めたいのが私の山だ。今回は三ノ滝上で比較的安全な泊り場を確保できたが、5人全員のスペースはなく、二手に分かれての就寝となった。またマキの確保にも不自由した。 明るいナメや、きれいな水を蓄えた釜の通過も楽しめたが、この沢の最も楽しみは沖ドウキョウと呼ばれるゴルジュの通過だった。残念ながらだいぶ埋まって淵が浅くなっているような感じがした。狭い廊下状の底まで光が届き明るい雰囲気があるのが不思議だった。
2010.09.13
コメント(0)
執杖流しの磨かれた溶岩流を剣ヶ峰に向かってひたすら歩く 今年は空前の富士登山ブームらしい。特に山梨県側のルートは7月8月の2ヶ月間で26万人近い登山者数を記録したそうだ。1日に1万人を越える日も何日かあったようだ。静岡県側も昨年を大幅に上回る登山者数だったそうだ。それでも富士宮口8.5万人、須走口5.6万人、御殿場口0.8万人と、山梨県側と比べれば少ない。ブームに加え好天が続いた今夏の天候が理由として考えられるとマスコミは伝えている。 私の今までの経験では9月に入れば山小屋も営業を止めるので登山者は極端に減る。と思っていた。9月の第1週の土曜後深夜に富士宮口五合目に向かった。車の多さと、ヘッドランプを付けて歩き始めた登山者の多さに驚いた。ようやく駐車スペースを見つけて車内泊をしたが、早朝まで車の行き来は絶えなかった。 今回のルートは「執杖流し」である。磨かれた標高差千メートルの溶岩流が一直線に最高地点の剣ヶ峰まで続くルートである。まず五合目から登山道を少し辿ってブル道経由で御中道に入るのだが、登山道から離れると登山者はもういない。剣ヶ峰までは静かな山が楽しめる。取り得は「静けさ」だけでない。磨かれた溶岩流を靴のフリクションを効かせてペタペタと岩を登るのはこの上なく快適だ。登山道のように埃にまみれることもない。 最後は山頂の測候所の建物を背面から廻りこんで最高地点の標識に出るのだが、ルート取りを間違えてゴミタメのようなガレを登ってしまった。登山道から最高地点に登ると標識の先に行き止まりの手すりがあるが、その手すりの反対側から最高地点に出た。記念撮影する人たちが列を作っていた。私は列を見ずして最高地点に立ってしまったのだ。列に沿うように下って行き、延々と続く列の長さに驚いた。 以前、お鉢巡りをして吉田口山頂で休んでいる時だった。一人の男が私に聞いてきた。「剣ヶ峰にはここが一番高いとか、標高が書いてあるとか、日本の最高点と解る看板はありますか」という質問だった。どうやら彼は日本一の場所に立ったという他人に見せる証拠が欲しかったようだ。もし看板がなければ剣ヶ峰に行くのは止めたいと言った。私の「記念撮影するによい大きな標識があります」との答えに彼は最後の疲れたような歩みで剣ヶ峰へ向かった。私は記念撮影する人たちの列を見て、この時の男との会話を思い出した。
2010.09.06
コメント(2)
全4件 (4件中 1-4件目)
1