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2025年04月12日
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テーマ: 読書(9987)
カテゴリ: 読書
このところ、朝井まかてさんの本を連読している。
この本は、図書館に行った時に目について借りてきた。

「雲上雲下」朝井まかて /徳間書店




子狐に山姥、乙姫に天人、そして龍の子。民話の主人公たちが笑い、苦悩し、闘う! 
「俺たち、本当に存在しているんですか?」
やがて物語は交錯し、雲上雲下がひずみ始める。物語が世界から消えてしまうのか?
不思議で懐かしい、ニッポンのファンタジー。



確かにファンタジーなのだろう。
主人公の草どんと子狐の出会いから様々な物語が語られてゆく。
私が知っている昔話がほとんどなので、このまま昔話や民話が続くのでは面白くもないので、
草どんと子狐の謎めいた部分にきっと何かあるのだろうと読み進む。
なじみの民話に、ひっそりと現代の問題を潜り込ませるところも面白い。
そんな繰り返しで最後まで読み終わって、うーん、凄い!と朝井まかて氏に脱帽だ。
昔話の源流というか、それがどのように生まれて語り継がれて育ってきて、

最終的には現代の課題と警鐘が語られていると思うのだが、その読み方には人それぞれに多様だろうと思う。
一時、昔話の中には子どもには残酷な話が多いので、物語の書き換え的なことが行われた。
だから、昔話の本の中にはその時代によって内容が変わっているものがあるはずだ。
しかし、この世はきれいごとばかりではないし、悪いことばかりでもない。
人には様々な立場での思いや感情があり、とても理不尽だったり不公平なことも多い。
そんなことに悩まされ傷つくことの多いこの世を生きる知恵や癒しを、昔話や物語は伝えてくれる。

以前、子育て支援のボランティア活動をしていた時、読み聞かせ活動をしている仲間が言っていた。
「今のお母さん達、昔話やわらべ歌をあまり知らないから、できるだけ取り入れよう」と。
みんな難しいことはあまり考えてはいないのだが、
直感的に日本の子ども達には日本の昔話を伝えることは大切だし、
手遊び歌やわらべ歌も幼子には大切な栄養なのだと考えていた。

うーん、大丈夫なのかと心配になる。
しかし、時代は逆戻りはしないし、子育て中は忙しいのでそんなアプリを使いたくなる気持ちもわかる。

人は誰でも自分の物語を、誰かの物語と交錯しながら生きている。
それは、過去の物語と現在・未来の物語との交錯でもあるように思う。
それはまさに、雲上と雲下の物語なのだ。

いよいよ複雑で意味が深まる方向に向かっているのだが、その複雑さについていけない時に、
人は単純化していくものなのかもしれない。
善か悪、〇か×、白か黒、自分はどっちにつくかなんて単純化することが、私は怖いと思う。
とまあ、思いは色々な方向に向かってしまうこの本は、やはり良い本だと思う。





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最終更新日  2025年04月12日 15時26分31秒
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