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監督 是枝裕和
出演 福山雅治 役所広司 広瀬すず 吉田鋼太郎 斉藤由貴 橋爪功
なんか、すごい久しぶりですね。でも、忘れていたわけではありませんよ。
今回は、昨年の日本アカデミー賞作品賞に輝いた、是枝裕和監督初の法廷ミステリーです。以前、地上波 TV で放映していたのを録画していたのを、やっと最近みることができました。
弁護士 重盛朋章 ( 福山雅治 ) は、司法試験同期の摂津大輔 ( 吉田鋼太郎 ) から弁護を頼まれます。容疑者の三隅高司 ( 役所広司 ) 、彼は先日1人の男性を撲殺、ガソリンをかけて焼き殺した殺人の容疑にかけられ、当初から罪を認めており、殺人に加え窃盗も行っていたため死刑は確実でした。しかし、摂津は、ころころと供述を変える三隅に辟易していたのです。
幾度か彼の元へと足を運ぶ重盛だが、その都度三隅の話は二転三転しており、真実をなかなか掴めません。とりあえず死刑ではなく無期懲役とする減刑を目標とし、部下と共に調べ始めました。
被害者の男性は三隅の働いていた会社の社長で、彼をクビにした男であり三隅の供述のとおり、怨恨による殺人であることは確かなようです。三隅の家へと向かった重盛は、大家にこの家へ来ていた人物について聴きます。すると足の悪い少女がたびたび目撃されていました。その少女は被害者の娘・咲江 ( 広瀬すず ) でした。さらに、彼が被害者の妻・美津江 ( 斉藤由貴 ) と交わした『例の件お願いします』というメールがあったのです。
裁判の日が刻一刻と迫る中、重盛は部下と2人で北海道へ向かいます。三隅は、かつて殺人の罪で 30 年投獄しており、その時の事件の詳細を聴きに来たのです。
しかし当時の事件を知る人間もまた、彼の供述の変わり方に頭を抱えていました。重盛達が分かったのは殺人の事実と、今と変わらぬ謎の性格、そして消息の掴めない三隅の娘でした。
そしていよいよ裁判の日、重盛たちは、『保険金殺人を狙った被害者の妻・山中美津江を主犯とした事件』というシナリオを用意していましたが、‥‥‥。
福山雅治が演じる重盛弁護士は、真実を追求することよりも、容疑者の依頼に応じた事件のシナリオを設定し、裁判を自分の思うとおりに持っていくことに働き甲斐を感じる、腕利きの弁護士でした。
しかし、役所広司演じる三隅の異様さに圧倒され、次第に真実が知りたいと思うようになっていきます。そこに、見るからに陰のある少女、被害者の一人娘でありながら容疑者三隅と交流があった、広瀬すず演じる咲江、その母であり、被害者の妻、美津江、三隅の最初の殺人を裁いた裁判長だった、重盛の父 ( 橋爪功 ) などが絡んでいき、観客も次第に心から真実が知りたいと思い、物語にのめりこんでいきます。
そんな中、三隅を演じる役所広司の存在感は圧倒的です。終始目の焦点が合わず、何を考えているのか全く読めない虚ろな表情で供述を二転三転させる容疑者三隅、観客は彼の真実がどこにあるのか気になって気になって、画面から目が離せなくなります。日本アカデミー賞最優秀助演男優賞は圧勝だったのでしょう。
また、もう
1
人気になってしまうのが、被害者の娘咲江を演じる広瀬すずです。どことなく不幸を背負った陰のある少女の役がこんなに似合ってしまうのはどうしてでしょうか。彼女が
CM
などで見せるあどけない明るい少女とはギャップがありすぎて、彼女の底はどこにあるのか、末恐ろしい女優です。こんな演技を見せられてしまうとやっぱり「海街
diary
」で、カーテンのエピソードを見せてほしかったと後悔しきりです。もちろん、彼女も日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞しています。
(
カーテンのエピソードがカットされていなければ、「海街
diary
」で受賞できたのかもしれませんね。詳しくはこのブログの「海街
diary
」の記事を参照してください。
)
ということで、大河ドラマの主役まで張っている当代きっての色男が、現在の日本映画界
NO.1
の演技派に圧倒的に食われてしまったというお話でした。まあ、役的にそうなってしまうのはしょうがないですけどね。
(
福山雅治は、この映画で主演男優賞にノミネートすらされてません。「そして父になる」のときはノミネートされているのにね。
)
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