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昨日は杉山亮さんの『子どものことを子どもにきく』を紹介しました。今日は、そのつながりで、子どもにきく「アンケート」のことを、書こうと思います。 本当は子ども一人一人と対話する時間をとって、じっくりと話を聞くのがいいのかもしれません。ですが、なにしろ学校には たくさんの子どもたちがいます。教師として実施しやすいのは、子ども一人一人との面談やインタビューよりも、アンケートのほうかもしれません。 僕は、仮説実験授業を提唱している仮説社の本や雑誌が好きなのですが、その理由は、授業後にアンケートをとって、その授業がどうだったか子どもにきく、というのを当たり前にやっているからです。子どもが実際にどう思ったかというところに、かなり関心があります。子どもがどう言っているのかを聞かないといけない、と思っています。 その点、雑誌『たのしい授業』には、子どもにアンケートをとった結果どうだったか、という記事がけっこう載っています。今年読んだ中で面白かったのは、「誰にほめられたいか アンケート」です。子どもに、だれにほめられたいかをきくと、大人が思っていたのと、ちょっとちがった結果が出た、という記事です。とってもちっさいサイズの雑誌で、それの5ページ分しか使っていない記事なので、すぐ読めます。おもしろいので、おすすめです。『たのしい授業』2015/1月号(通算No.430)(仮説社、761円) より・「誰にほめられたいか アンケート」の結果とその考察 ●子どもたちは誰にほめられたいと思っている? (p26-30、報告者:末丸千早(広島・小学校)) 結論の一部を、ちょっと紹介すると、こんなことがわかったそうです。(同誌p27より)・(2年生の)約60%の子どもたちが、「おうちの人にほめられたい」と答えています。・(6年生の)80%の子どもたちが家族にほめられたいと考えています。こういったアンケートから、高学年になるとなかなかおうちの人にほめられなくなるけど、本当はほめてもらいたい、といった子どもたちの気持ちが、見えてきます。こういうアンケートって、やっぱり貴重だなあ、と思います。 あなたは、どんなことを子どもたちにきいてみたいですか? (^0^)
2015.09.14
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非常におもしろく、意義深い本に出会いました。 『子どものことを子どもにきく』 (杉山 亮、新潮OH!文庫、新潮社、2000、524円(絶版。著者のみ再販。リンク先中古価格385円))作者の杉山亮(あきら)さんは、子ども向けの遊び心あるおもちゃや教材を作っておられる方。「おはなしめいろ」や『朝の連続小説』は、その発想のすごさにおどろいたものです。その杉山さんの、大変おもしろい取り組みを本にまとめられたのが本書。 杉山さんのお子さんへの、3歳からのインタビュー記録です。3歳から10歳まで、雑誌の企画のために年1回、インタビューは続けられました。 本書のp204で杉山さんがこう書かれています。「ぼくたちは子どもや教育のことを考えるのに まず子どもに聞く ということを どうしてこんなにも してこなかったのだろう。」p207では、「両者は同時代を生きる人間同士だ。 対等の対話というものが もっと試みられていい。」とも書かれています。 「子どもに聞く」という試みは、実はいろいろなところでされていますが、まだまだメジャーではありません。大人たちが子どもの教育で「ああだ こうだ」言っているなかに、当事者の子どもの意見が抜けているというのは、実にアンフェアな気がします。障害者の権利運動の中に「わたしたち抜きに 私たちのことを決めるな」というものがあります。子どもについても、同じようなことが言えるのかもしれません。 たとえば、本書のインタビューの中で、「教科書」について、聞いているものがあります。教科書が「どうしたら もっと おもしろくなると 思う?」(p174)と聞かれて、当時4年生のたかし君は、次のようなアイデアを出しました。・漫画をふやす・上下の教科書をもっと分けて、月刊教科書にする(あきらくんは、「1冊に半分入ってると 時々先を見ちゃうから つまんなくなっちゃう」と言っています。(^^))実現は難しいかもしれませんが、こういう意見を聞いておくことって、すごく貴重だと思います。 読み物としてもおもしろいですが、子どもに接する人、教育に携わる者なら、子ども側からの視点を提示してもらえるので、子どもの気持ちに寄り添うために役立つでしょう。普段何気なく使っている言葉も、実は大人視点だったことにも気づかされます。たとえば、「迷子」。「『迷子』というのは 大人の側から見た 一方的なことばだったらしい。」(p79)と杉山さんは書いています。たかし君が迷子になった時のエピソードは、そのとき大人は・・・、一方、子どもは・・・と、両方の考えと行動が出てきて、一読の値打ちがあります。「どうしたら 保育園はもっとよくなる?」の質問に、「先生がいない!」(p102)と答えるくだりも、実に面白く、時代のかなり先を行っています。 ちなみに杉山さんのホームページ(▼杉山亮のなぞなぞ工房 ON THE WEB)では、昔のゲームブックみたいな、お話を選択肢を選びながら進めていく「ロールプレイングめいろ・300ひきのひつじのカラカラトン」というコーナー(?)があります。さすが杉山さん、ホームページにも遊び心が満載です。一度ご覧になってみてくださいね。(^0^)
2015.09.13
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