全3件 (3件中 1-3件目)
1
仙台に、塗敦子(ぬりあつこ)と言う画家がいます。年齢は三十代後半でしょうか。女性です。彼女は知的障害者で、仙台の授産施設に通所しています。そこの職員の方から彼女の個展会場で絵の製作過程のビデオを流したいので、その映像を撮影・編集して欲しいとの依頼を受け、初めてお会いしたのはもう三年前でした。とにかく寡黙な人で、一心不乱に絵を描いていました。僕があいさつすると、大きな声で「こんにちは!」と深くお辞儀をすると、再び絵に向かい、また何事もなかったように没頭し始めました。「意志の疎通はできませんので…」と担当職員の方が小声でささやきました。塗さんの絵への取り組み方はすさまじい、のひとことです。とにかく書く早さが尋常ではありません。クレヨン、色鉛筆、ポスターカラー、とにかくその辺にある画材を駆使し、筆、つまようじ、綿棒、時には爪を使ってあっという間に書き上げてしまいます。ビデオカメラを向けても物怖じすることもなく、黙々と彼女の作業は進んでいきました。先日、仙台のとある画廊が塗さんと契約を結びたいとのオファーがあったと、塗さん担当の職員の方から連絡がありました。「それは良かったですねぇ!」と電話口では言いましたが、ひそかに「塗さんの作品を商業デザインで使えるかも知れない、無名の今なら使用料が格安」ともくろんでいた僕は、ちょっとガッカリ。でも、写真の一万五千円で買った彼女の作品「マリエッティ」はひょっとしたらプレミアがつくかも…(いやらしいですね)。
2007/08/30
コメント(0)
笹舟のイベントや七夕祭り等、なんだかせわしない日々が続き、気まぐれで買った古本をすっかり忘れていました。パラパラとページを捲っていると、新聞の切り抜きが出てきました。日付を見ると平成十二年三月十一日。この詩集と作者である尾形亀之助についての批評のようです。尾形亀之助は宮城県出身の詩人で、絵画でも一定の評価をされた人です。一時期は上京して活動していたらしいのですが、とにかく飲んだくれで女好き、生活能力はゼロだったそうです。実家が裕福だったのでなんとか暮らしていけたらしいのですが、最後は奥さんにも逃げられ、四十二歳で誰にも看取られず息を引き取ったそうです。僕が尾形亀之助の詩の好きな理由は、短い詩が多いからです。一行で終わってしまうものすらあります。例えば「昼」という詩は、昼の時計は明るいで終わり。それから「十一月の電話」と言う詩は、十一月が鳥のような眼をしているで終わり。仕事の合間にも読めちゃいます。いずれの詩も昭和二~三年に発表された詩で、あまりに意味不明、あまりに唐突なので可笑しみすら覚えるのですが、彼は安アパートで奥さんに逃げられながら安酒をくらい、こんな詩を書いていたのかと思うと、可哀想に思えたりバカに思えたり、あるいは天才に思えたりと、なんとも不思議な詩です。この古本の持ち主は新聞の切り抜きを挟んでおくほどの尾形亀之助ファンだったのでしょう。そして古本屋にその切り抜きを挟んで売ってしまいたくなるほどの切なさが迫って来たのではないでしょうか…。あるいは単純に忘れただけか…。
2007/08/09
コメント(4)
今月は東北各地で夏祭りがてんこ盛りです。仙台では6月・7火・8水の三日間、「せんだい七夕祭り」が開催されます。道路は渋滞し、繁華街は観光客が右往左往。夜は夜で何故か改造車のあんちゃんがコンビニの前でとぐろを巻いています。なのでこの三日間は仕事が手に付きません。 で、そんなうるさい七夕祭りのちょっと前にひっそりとやっているのが今年で3回目を迎える、「NPO法人 笹舟」が主催し仙台市が後援するイベント「仙台笹舟プロジェクト」。僕もスタッフの一人として参加しています。チラシ写真のように、ペルーなどで現在も作られ、利用されている葦(アシ、あるいはヨシ)舟を笹で作り、みんなで乗って遊ぼう、というイベントです。実はこの「NPO法人 笹舟」の主旨は「舟に乗って遊ぶイベントを開く」のがメインではありません。舟の材料である笹を荒れた里山から許可を得て刈りだし、それで舟を作ってみんなで遊び、遊び終わったら舟をまるごと炭焼きにし、その炭を再び刈り出した里山に撒く。炭を撒かれた里山はバクテリアが増殖し、アルカリ性の良質な土壌に生まれ変わる…。と言う、一種の環境プログラムなんです。七夕祭りより遙かに意義にあるこのイベント、ご興味のある方は http://sasabune.xrea.jp/ あるいはoffice@sasabune.xrea.jp までメールを!当日は僕も参加します。
2007/08/01
コメント(0)
全3件 (3件中 1-3件目)
1
![]()

