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『†Princesse du sang†』を文字数チェックしてみました。光ノ章【シャルロット編】0-00【聖女】/46170-01【妹姫】/52660-02【夜冠】/44560-03【聖船】/67261-00【世界】/28831-01【神都】/46611-02【古怪】/40431-03【呪夜】/46141-04【蠱毒】/36971-05【残光】/23871-06【脱出】/20402-00【老卿】/25632-01【籠姫】/38002-02【我意】/27112-03【涜聖】/50742-04【慫慂】/35792-05【追跡】/34352-06【聖堂】/32862-07【神韻】/44552-08【首人】/19603-00【過去】/49823-01【鷹眼】/27483-02【決断】/28373-03【船旅】/19873-04【船旅】/28853-05【真実】/43393-06【魂牢】/20953-07【魂牢】/35293-08【魂牢】/11993-09【神娘】/26973-10【蠢動】/2967計108248文字月ノ章【ミューク編】0-00【屍族】/42660-01【双子】/57000-02【双子】/52640-03【双子】/39161-00【日常】/25881-01【慧眼】/31331-02【聖船】/40741-03【聖船】/31451-04【妹姫】/46251-05【脱出】/64861-06【余談】/25032-00【呪地】/38972-01【灯台】/63552-02【灯台】/55892-03【灯台】/14255┃壁┃◇。)!2-04【国境】/23162-05【女難】/26032-06【幻影】/30172-07【血渇】/32572-08【転換】/35983-00【金策】/22923-01【月兎】/33643-02【思惑】/43693-03【水都】/22573-04【天敵】/59683-05【語部】/32883-06【捕竜】/38553-07【取引】/26233-08【取引】/40213-09【取引】/35743-10【凶刃】/33233-11【凶刃】/46463-12【凶刃】/2991計137158文字血ノ章【ラグナウェル編】0-00【夜娘】/7230-01【血契】/25274-00【囚姫】/4116(3216)計7366文字夜ノ章【短編集】0-00【炎神】/6863総文字数259635一頁500文字平均で519.27頁となるので、換算すると小説二冊分ぐらいの文量なのかな?ちなみに伝奇の方は総文字数15万文字ぐらいでした。
2011/08/24

※推敲はフリーページ内で致します『†Princesse du sang†』 光ノ章 3-10【蠢動】光ノ章 3-10【蠢動】―anotherSIDE― 古から連なる知識の座。 薄闇に浮かび上がる八つの首座に六つの頭部―――其々が老若男女を象る古老たちである。 「頃来の聖職者どもは腑抜けばかりだと思っておったが全く以って殊勝なことだ」 感嘆と皮肉を内在した嗄れた響き。 「ヴィルヘルムの目的は、聖女に掛けられた嫌疑を払拭する為、敢えて私たちとの対立構図を明確化することでしょう。 真偽の選択を臣民の手に委ね、状況の打開に利用する算段かと」 それに応えたのは、何処か憂いを帯びたうら若い女の声。 「確かに吾らに反感を抱く信徒も多かろう」 「現し世では、ボクたちのことを人の皮を被った半妖とか」 更に別の声が応じ、それを奇妙な音階を宿す幼げな声が揶揄する。 「今更信心を得ようなど詮無きこと。 我らがヒトの身を捨てた理由を忘れたわけではあるまい。 そう、全ては数百年に亘る悲願を成就する為に……」 最後の一者が妄執を篭めてそう締め括った。・・・ ファティマ・イスはヴィルヘルムと密かに合流すると、精力的に外交攻勢を講じていた。 手始めに、教会内の有力者、特にアルジャベータ聖公会の重鎮たちと密に連絡を取り合った。 情報戦を制するには、敵陣営の内情をできるだけ詳しく知る必要があったのだ。 「しかし、あのような愚か者の戯言に貴族連合が賛同の意を示すとは慮外ですわ」 ファティマ・イス曰く、件の愚か者―――ゲティス・フォンという人物は、権威を笠に増長した挙句、放蕩の限りを尽くしてフォン家の名声を失墜せしめた張本人である。 元老院の遣り口には賛同致しかねるところだが、あの男から司教位を剥奪したことだけは評価に値した。 「大方、協力者に対して、失地の回復と既得権の復活を約束したのじゃろう」 ヴィルヘルムは泰然たる面持ちで述べる。 事実その推察は正鵠を射ていた。 ゲティスの下に集った貴族たちの大半は、彼の父である前教皇バレル三世の教会改革によって利権を失った者達である。 支援の対価として嘗ての特権的な地位を取り戻そうとする反動勢力と位置づけて差し支えなかった。 「浅慮で打算的な為業としか言いようがありません。 貴族道徳の真髄は高潔さである筈ですが、そういった精神は過去の遺物に成り果てたようですわね」 ファティマ・イスが辛辣に吐き捨てる。 現在、三陣営の中で最も巨大な勢力を保持するのは、貴族連合の後ろ盾を得たゲティス・フォンである。 その事実が彼女を苛立たせているのだろう。 「それはワシ等宗教人にとっても耳が痛い言葉じゃな。 もっとも、打算的であるが故に、必要以上に警戒することもなかろう」 「あら、それはどういった了見で?」 「数は多くとも、アレは覚悟なき烏合の衆じゃ」 ゲティスを担ぐ貴族たちは、我が身に降りかかる不幸―――この場合、一般市民にとっての幸福だが、を嘆きつつも一度は新体制を受け入れたのである。 真に気骨無き者など恐るるに足らずと言いたいのだろう。 「では当面の敵は元老院ということになりますわね」 細顎に指を添えたファティマ・イスがヴィルヘルムに目線で問い掛ける。 「そうなるかの」 教皇位は陣営の規模で決まるわけではない。 要は教皇選挙で枢機卿団の過半数票を得ればいいのだ。 そういった意味で、既に枢機卿三者から推薦を受けて、教会内の気脈に通じる元老院の後押しがあるアンヌフォルト・インスブルクは、最も聖座に近い存在と言えるだろう。 聖女も同様に枢機卿三名の票を確保しているが、今は咎人の身だ。 汚名を払拭できねば、教皇選挙どころではない。 加えて、アルジャベータ聖公会の総本山が座すアダマストル本国でもキナ臭い動きがあるようだった。 「じゃが、ここにきて白十字教の動向も腑に落ちぬ」 ヴィルヘルムが話題を転換する。 元より現白十字教の幹部には元老院の息の掛かった聖職者が多数存在した。 加えて同宗派では、偶像崇拝を禁ずるが故に、聖女と対立の構図が描かれることは、当然の成り行きである。 それは、白十字教区長でもあるアンヌベルクとライオネルの両枢機卿が元老院側に付いていることからも確認できる。 ところが、本来なら真っ先にアンヌフォルトを推薦すると思われたマグヌス卿が中立の立場をとったのだ。 彼は同宗派に多大な影響力を保持するギルドゥクリエースト家の次期当主候補であったから、教会の内情に通ずる者達は驚きを禁じ得なかった。 マグヌス卿の離反は元老院にとっても思わぬ誤算であったと考えるべきだろう。 「切り崩すのならば特定宗派に属さないカルロ卿だと考えていましたが、離反者の懐柔という選択肢もありえますわね」 ファティマ・イスはヴィルヘルムの世才に感化したように静かに瞠目していた。 ・ ・ ・ 一方、そのファティマ・イスに堕落者の烙印を捺されたゲティス・フォンの陣営は閉塞感に苛まれていた。 「くそ、どうなっている!?」 ゲティスが特徴的な狐目を更に吊り上げて、玉杯を床に叩きつける。 フォン家直轄の保養地に数えられるソウルガイス諸島群の一角ジフ・クロワ島に居を構えた後、貴族連合に後援を取り付けたまではよかった。 しかし、各枢機卿宛てに送った密書の成果が芳しくない。 このままでは一人蚊帳の外に追いやられたまま、道化を演じる羽目に陥るだろう。 「いっそのこと大軍を動員して神都を攻め落としてはどうだろうか?」 「なりませぬ。 アレシャイムは教会の聖地、そのようなことをなさってはゲティスさまの威光が地に堕ちますぞ」 ゲティスが安易に口走った放言に慌てたのは側近たちである。 もっとも、口ではそう諌めたが、内情は違っていた。 現時点でゲティス傘下の戦力は、フォン家直属の私兵五百に加えて、ルブリス島の貴族連合支部から形ばかりに参集した三百の雑兵である。 合わせて千にも満たぬ軍勢では、神都を守護する神聖騎士団に返り討ちに遭うのが関の山であろう。 「それにつけても、各地の貴族共はなにをしている!? 既に貴族連合から軍隊派遣の要請を受けているはずだ。 なぜ、一向に動こうとせぬ」 ゲティスもそれがわかっていたからこそ、貴族たちの打算的な退嬰さが余計に腹立たしかった。 教敵を討つために貴族連合に対して援軍を呼集したのだが、何かと理由をつけて門扉を閉ざす貴族が続出したのだ。 もっとも、喩え志があっても、教皇庁が座すルブリス島への渡航は著しく制限されている為、十分な兵士を送り出す手段にも欠けていた。 加えて大遠征ともなれば財政面の問題もある。 端から新教皇の下で、甘い汁を啜ろうとの打算的な腹積もりであるのだから、不確かな未来に、大枚を投資する者は少なかったのである。 「貴族たちも国の許可を得ずに出兵することはできません。 致し方ない判断かと存じますが……」 「渡航者に身を窶すなり、殉教者として教会船に潜り込むなり、方法は幾らでもあるだろう」 ゲティスの言い分はもっともだが、ここで廷臣相手に喚き散らしても仕方が無い。 「では今一度、貴族連合に対して出兵を促す教書を送り届けましょうか?」 初老の廷臣の問いかけに、暫しの沈黙がその場を支配する。 「……いや、奴らにその気がないのならば時間の無駄だろう。 ここは別の手段を―――そうか、そうだな。 このような回りくどい手段を講ぜずとも、予の対抗馬になりえる存在がこの世から消えてしまえばよいのだ」 ゲティスは己が抱いた着想に得心したように何度も頷くと、いつしか高らかな嘲笑を放っていた。 ■創作小説. ■自作小説. ■ファンタジー.
2011/08/22
小説モドキを書いてみて、とっておきの台詞を後まで残しておく作業がとても大変だと気づきました。他で書いている伝奇モノは、基本一話(長くて五話)完結なので、そういった悩みはないのですが、『†Princesse du sang†』の場合、各章共に完結時には30万文字超えていると思うので、かなりシンドイ作業です。特定人物の最期の台詞に関しては、光ノ章は二章を終えた時点で、血ノ章に関しては創作を始めた段階で構想済みです。後は、それを使わずに如何に見せ場まで持って行くかが問題なのですけどね(汗)まぁ、口癖っぽく被せて強調する手法もありますが、出来れば、築き上げて最期に一言っていうのが理想です。■創作
2011/08/15
『ぬらりひょん』の雪女さん以来描きたくて堪らなくなるキャラがいない今日この頃。そんなこんなで、『エクシリア』に期待してます。なにしろテイルズ補正で作品的には好き以上が確約されています。テイルズは面白くても詰まらなくても良くも悪くも初心に帰れるので、創作面において、大きな存在です。ラタトクスのアリスちゃんは今でもお気に入りで描いているので、取って代わるぐらいインパクトの強いキャラでないかなー(´・ω・`)
2011/08/14

夏コミとか間接的にしか関係ない今日この頃。泡描写の勉強も兼ねて背景を描き足しました。 これからは、いつでもアワ風呂に入れるね(違
2011/08/13

※推敲はフリーページ内で致します『†Princesse du sang†』 光ノ章 3-09【神娘】光ノ章 3-09【神娘】―シャルロットSIDE― 闇を焦がした炎塵が所々で燻り続けているお陰で、僅かだが視界が明るくなっていた。 「風?」 暫く進むと、シャルロットが訝しげに眉根を潜める。 「下方から空気の流れがあるようです」 ミルフィーナの言葉通り、吹き抜けの中、闇の底から、僅かな空気の流れが感じられた。 湿気を含んだ気流は緩やかな上昇風となり、女守護騎士団長の長い銀髪を撫でるように揺り動かしている。 「ふぅ」 シャルロットが小さく息を吐く。 じっとりとした冷たい汗が少女の首筋を伝っていた。 いつしか風に運ばれる冷気に、得体の知れない圧迫感が含まれるようになっていた。 それは腐敗臭にも似た瘴気。 「どうやら、ここが最下層のようです」 立ち止まったミルフィーナの眼前に、金属で造られた重厚な両開きの扉が浮き上がっている。 内側の吹き抜けは更なる深淵まで続いていることから、この巨大な地下空間は、人為的に造られたものではなく、元から存在していた巨大な縦穴洞窟を利用して、女神の荒御霊を封じる棺と為したようだ。 「わたしが……」 「……わかりました」 暫しの逡巡の後、ミルフィーナはシャルロットに場所を譲る。 「このなかにアルジャベータが……」 シャルロットの手の平が扉に触れる。 指先から冷気が氷のように染み込み、形容し難い不安と恐怖が心に絡みつく。 光から遠く遮断された深い闇の底で、ひとり取り残されて生き続ける苦しみとは如何程のものであろうか? 何も知らず、安穏と地上で暮らしていた自分に、アルジャベータに逢う資格があるのか? そう想うと両腕に篭められた圧力が急速に薄らいでしまう。 「シャルロットさま」 横からミルフィーナの手がシャルロットの手の甲に優しく重ねられる。 シャルロットは小さく頷くと掌に力を篭めていく。 「ここが……」 玄室の内部は蒼白い色彩に満たされていた。 そして真正面、天と地を繋ぐ巨大な磔柱に両腕を拘束された人影があった。 胸から下は十字架に同化するように深く埋もれ、既に人の姿を為していない。 胸元に深く突き刺さる一振りの剣の存在が、その人物の正体を如実に物語っていた。 「アル……ジャベータ……」 掠れた声、シャルロットが引き寄せられるように歩を進める。 「ここから先はあの娘の戦いじゃ」 後を追おうとしたミルフィーナを首人の言葉が押し止める。 シャルロットは玄室の中央に位置する十字架までの距離を、無限とも思える感情の揺らぎを超えて辿り着いていた。 「アルジャベータ」 シャルロットは、もう一度―――今度は、はっきりとその名を口にする。 目の前にすると、アルジャベータは己と比べてもさして変わりがないような年齢の少女だった。 ずっとこの冥らい地の底で、永遠とも思える苦しみの中で孤独に耐えていたのだろう。 金髪の聖女と称えられた頭髪は白く斑に染まっていた。 彼女にとって“生”とはどのような意味を持つものであったのか。 それを考えると胸が詰まる。 無意識に伸びたシャルロットの手がアルジャベータの骨ばった頬に触れた時、 「ん……」 彫像のように微動だにしなかったアルジャベータの身体が小さく揺れる。 ゆっくりと開いた瞳は、虚ろな左右非対称の光彩―――深い哀しみの色を宿していた。 「アナタは……?」 「わたしは……」 「いいえ、わかる。 アナタからはアノ人と同じ匂いがする。 よかった、アグリウスタと私の大切な子供たちは未来を繋ぐことが出来たのね」 「……はい」 シャルロットはそれだけを発するのが精一杯だった。 自身がここに来た目的など伝えられるわけもない。 教会を包み込む無益で愚かな争いの為に、アルジャベータが命を掛けて費やした全てを無に帰すことなど出来るはずもなかった。 自分がとても独りよがりで矮小な存在に思えてならない。 だが、それでも捨てきれない願いがシャルロットを突き動かす。 「わたしは……わたしは、自分の身勝手な想いを遂げるためにここに参りました」 途切れ途切れに思いの丈を吐露する。 教会の混乱、リュズレイの血が背負った宿命、自分が果たすべきと信じている全てを。 「断ち切らなければならない。 古き慣習に縛られ、子を奪われる母がなくなるように。 種族や人種の違いで、命を奪われることがなくなるように。 そして、生まれや身分に左右されて、自分自身を見失う不幸な人間が生まれないように」 それはふたりの母と、教会の対面を保つ為だけに存在を抹消された御子へと向けられた言葉。 そしてなにより、シャルロットが自分自身に投げかけたものであった。 「その為に、この剣が必要なのね?」 アルジャベータの瞳が全てを見透かすようにシャルロットを射る。 「はい。 それがどれくらい身勝手なことかも心得ています」 「気に病むことはありません。 私が救いたかったのもアグリウスタただ一人でした。 身近な誰かを守りたい、その想いが私を聖女たらしめていたのですから。 アナタはひとりの人間として愛すべき存在を守りなさい」 アルジャベータの頬が妙齢の少女のように僅かに緩む。 「わたしは生まれた時から聖女と崇められ生きてきました。 ただ与えられた運命を甘受して、そこに疑問など抱きもしなかった」 シャルロットが言葉を紡ぐ。 神聖などと崇められることが、どんなに愚かしく無意味なことであるかは自分自身の存在が証明している。 聖女の血脈など例え偶像であっても、事足りるのだ。 大事なのは生まれ持った資質などではなく、想いをカタチとして成し遂げる強さであることを。 「わたしにはこの剣の所持者足る資格などないのかもしれません。 それでもお譲り戴けますか?」 シャルロットはこの問いかけが何の意味も成さないことを理解していた。 しかし、それでも聞かずにはいられなかった。 その行為はアルジャベータの死に直結するのだから。 己に彼女の想いを受け止める資格があるのかを訊ねずにはいられなかった。 「永い時の流れの中で神剣の力は消えかけています。 私が人のカタチを保っていられるのも時間の問題でしょう。 それに久しくメナディエルの魂の苦悩を感じなくなりました。 アナタがアンネシュテフを受け継いでくれるのならば、私も安心してアグリウスタの元へいけます」 アルジャベータの言葉にシャルロットは無言で頷く。 そして、迷いも躊躇いもなく、決然と神剣の柄へと手を伸ばした。 「無駄にはしない。 これはわたしがわたしの意志で受け入れる“初めての”運命なのだから」 今なら理解できる。 なぜ、首人が自分に醜態ともいえる過去を明かしたのか、それは、物語の中心に居た者にしかこの輪廻の鎖を断ち切ることができないと悟っていたからであろう。 ―――ありがとう…… アルジャベータの身体が塵となって消え去る寸前、彼女の口がそう象ったように見えた。 ==============================================感動的なBGMで拙い文章を補佐してお読みください(笑)
2011/08/11

※推敲はフリーページ内で致します『†Princesse du sang†』 光ノ章 3-08【魂牢】光ノ章 3-08【魂牢】―シャルロットSIDE― 「それにしてもあんな化け物が巣食っているとはね。 お陰で、都の王室御用達の仕立て屋に特注した一張羅が台無しだ」 エドゥアルトが衣服にこびり付いた煤を鬱陶しそうに払いのける。 「首人さまも、こういった事態を予期なさっていたからこそ、我々を同行させたのでしょう」 立ち上がったミルフィーナが首人へと顔を向ける。 口調こそ穏やかであったが、その両眼には釈然としない苛立ちにも似た感情が色濃く滲んでいた。 首人―――アルフォンヌの助力が得難いものであることは確かだ。 しかし、その遣り様はシャルロットを進んで危険へと誘っているように思えてならなかったのだろう。 「ミルフィーナ卿がそう思做すならば、そうなのやも知れぬな」 「まだ、何か隠していることがあるのならば、手遅れにならない内にお教え願いたい」 首人の歯切れの悪い応答に、ミルフィーナが憮然とした表情で詰問する。 「フィーナ、おやめなさい!」 シャルロットが驚きの声をあげて、ミルフィーナを制止する。 「御身に及ぶ災いを事前にくい止めることが叶うのならば、どのような非難や汚名も、甘んじて受け入れる覚悟です」 だが、ミルフィーナも後には引けなかった。 聖女の血脈を守護することが、守護騎士団の矜持であることを強く主張する。 「妾は力に溺れ償いきれぬ過ちを犯した。 その贖罪の為にここにおる」 首人が投掛けられた視線を受けて答える。 「どうやら、お二人は似たもの同士であるようだな」 そこに意外な人物が意外な言葉と共に割って入る。 エドゥアルトであった。 「貴様、このような時に世迷言など―――」 「似ているさ。 何の得にもならない厄介事にこうして首を突っ込んでおられるのだからな。 それは偏にシャルロット姫の為だ。 違うかな?」 ミルフィーナの苦言など何処吹く風、エドゥアルトは素直な感慨を洩らす。 「そ、それは……」 ミルフィーナが気勢を削がれたように言い淀む。 「ここは、そんなお人好し共に、嫌々つき合わされている俺の顔を立てて欲しいものだな」 などと斜に構えて傍観者気取りのエドゥアルトだったが、 「口ではそう仰っていますが―――」 「エドゥアルトさまも十分にお人好しですけどね」 シーラとノーラに突っ込まれる始末だ。 「お二人ともまだまだ人生経験が足りないようだな。 敢えて口にはせず、相手だけを持ち上げておいた方が、俺の善良さが一層際立つだろう。 それに、時には真実よりも大切なことがあるものさ。 信仰を遵守ることに固執するあまり、その本来に意味を見失う狂信者に成り下がりたくなければな」 双子に向けられたエドゥアルトの視線が、一瞬だけミルフィーナへと移る。 「くっ、まぁいい。 今は貴様の戯言に構っている暇はないからな。 シャルロットさま、先を急ぎましょう」 ミルフィーナは僅かに頬を赤らめて舌鋒を収める。 そのまま、抜き身の長剣を片手に下層へと歩を進めてしまう。 「やれやれ、素直じゃないな」 エドゥアルトは苦笑して歩き出した。 ==============================================短いですが区切りが良いのでココで〆ます。続けて光ノ章 3-09【神娘】をUPします。
2011/08/11

か、髪がウネウネしているからってお気に入りだなんて勘違いしないでよねξ*゚ω゚)ξツンな今日この頃。後日、自由に描きたかったので、作中での容姿描写を省いていた双子の少女騎士です。特に髪の色に関しては、“赤と白の混じり”と“栗色”とで最後まで悩みました。ただ、今まで人族に関しては、リアルでも存在する髪色にしていたので、最終的に茶髪に落ち着きました。・・・いつもより大きめで載せてみましたが、画像が自動でサムネ形式にならないので、横幅は800p程度が限界ですね(汗)
2011/08/06

今年の残暑お見舞い絵はこんな感じで、シーラ&ノーラの双子騎士の予定です(*゜∀゜*)丿補正後、土日にヌリヌリすると思います。
2011/08/04
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