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マリアが召喚する人造人間(ホムンクルス)の少女ナナは、数百年以上も前に滅んだ古代魔法帝国で作られた高度な魔法技術の結晶です。そして、長い眠りから目覚めマリアの仲間になったナナは主であるマリアを母と慕い、優れた魔法の力と意表をつく行動で聖都防衛隊の一員として頑張っています。そんなある日、ナナの体のメンテナンス(健康診断のようなものです)のため聖都サザンの大学院を訪れていたマリアは、突如現れた怪しげな魔法使いに「クカカカカ!お前の人造人間は預かった。聖都防衛隊に知らせないほうが身のためだぞ」と告げられ危機感をつのられることになります。しかもナナをさらった魔法使いの男は赤と緑で構成された変なロープを着ていて7、8歳の美少女に見えるナナを「我が研究所に招待し、体の隅々まで調べるのよ!」と変態的な発言をしているのです。マリアはフレイムから「自分の召喚獣をさらわれるまで気づかないマヌケな召喚士なんて聞いたこともねぇぜ」と馬鹿にされながらもナナ救出のため研究所のある髑髏山へ向かうことになって・・・。 「召喚士マリア」シリーズは、父イエルのような伝説的な大召喚師を目指して六門世界の中心である聖都サザンへやって来た主人公のおちこぼれ召喚士マリアが聖都防衛隊に入って奮闘することになるというストーリーです。マリアは召喚も武術も勉強もダメダメな落ちこぼれ召喚士なのですが、ゲイの堕天使フレイムと融合してしまったり、むやみに魔物を寄せ付ける魔物フェロモン体質になってしまったり、次々とトラブルに巻き込まれることになってしまいます。そして、マリアの体を乗っ取ったフレイムが隙あらば同室になった仲間の美少年アルフレッドを誘惑しようとしたり、魔物フェロモンのせいで魔王に求婚されたり魔物たちに追いかけ回されたり大変なことになるのです。また堕天使と融合していることが知られると「聖都」では非常にまずかったりとトラブルは尽きませんが、可愛いナナや攻撃魔法で街を破壊する聖女フリーダ、「魔」属性のモンスターを殺そうとする美少年アルフレッド(堕天使の属性は当然「魔」です)、マッドサイエンティストなイオニアなど個性豊かな仲間たちと協力したり、気づかれないようにフレイムの力を借りたりしてマリアは聖都防衛隊の仕事を続けていくことになります。 短編集の3巻です。今回は「子守編」ということで人造人間の少女ナナやマリアの弟妹ラフィとルーシィ、そして毎回登場する美少年たちなど子どもキャラクターがたくさん出てきます。もちろんマリアのライバルである怪盗アルカンシエルや聖女フリーダ、久しぶりに登場するマリアの母ウェンディも存分に暴れまわりますが、美少年と見ると所構わず大活躍のフレイムがとても良かったです。特に飛び級で幼くして魔法の先生になったコリン先生を押し倒そうとしたり、「オメェの弟ならオレがもらってもいいよな!」とラフィに手を出そうとしたり、美少年ならマリアの弟や担任の先生にまで見境のないフレイムとそんなフレイムを何とか止めようと必死なマリアが大爆笑で大変面白かったです。また、久しぶりに登場したマリアの母ウェンディが相変わらず元気そうでちょっと懐かしかったです。 ジャンルはモンスター召喚アクション・コメディ・ファンタジー。コメディやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>召喚士マリア短編集シリーズ召喚士マリアシリーズドラマCDもでてますマリアの父イエルや母ウェンディが活躍するシリーズもあります(一部紹介 全5巻です)マリアの兄エルリクが活躍するシリーズもあります(一部紹介 全6巻です)「召喚士マリア」シリーズは、父イエルや兄エルリクのシリーズと関連しているので先に「イエル編」「エルリク編」を読んでから読むといっそう楽しめます
2007年07月30日
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大覇星祭のお昼休み、皆と一緒に満員状態の喫茶店に入った上条は「ぐあー。とうま、私もうお腹がペコペコかも・・・」と主張しまくるインデックスに困っていました。さらに御坂美琴や両親からも「いつも一緒にいるその子は誰なの?」とインデックスのことを問い詰められることになり、上条は「夏休みに記憶喪失になって以来、詳しい理由も分からず銀髪の少女と同居してます」と本当のことを言うわけにはいかず何とかして誤魔化そうとするのです。そして、話の軌道をそらすことで危機を乗り切ることに成功した上条ですが、互いに張り合うインデックスと美琴それを生温かい目で見つめる保護者たちの様子にどうしようもなく居心地が悪くなってしまいます。一方、上条とともに学園都市を守ることになったステイルは敵の持つ謎の霊装「使徒十字」(クローチェディピエトロ)の効力や使用条件について調べていました。「使徒十字」には世界のパワーバランスを根底から覆す信じられない力があって・・・。 「とある魔術の禁書目録(インデックス)」シリーズは、全ての異能の力を打ち消す右手「幻想殺し」(イマジンブレイカー)を持つ主人公の上条当麻が魔術や超能力などの異能が原因で苦しんでいる人たちを救うため戦うことになるというストーリーです。学園都市で行われる超能力者たちの巨大規模イベント「大覇星祭」の最中、「学園都市に魔術師が侵入して物騒な取引をしようとしている」という情報が入りました。クラスメイトたちと一緒に超能力を使った特殊運動会「大覇星祭」を楽しむはずだった上条は、みんなが一生懸命準備してきた「大覇星祭」を守るため急遽学園都市に侵入した魔術師を捕まえることになるのです。しかし、「大覇星祭」のため学園都市は移動が困難になっていて、超能力者側と魔術師側の摩擦を抑えるために味方は最小限、敵の正確な目的や戦力・事情が分からず、事件に巻き込まれた人々に被害が出てしまい、上条たちの追跡はうまくいきません。しかも「追跡封じ」の異名を持つ敵の美女オリアナは追跡を逃れるために手段を選ばず、上条たちは追い詰められていきます。 少しずつ恐るべき「使徒十字」の秘密が明らかにされる中、上条と仲間たちは歓声の響く「大覇星祭」を止めないため必死にオリアナの行方を追うことになります。そして、オリアナによって傷つけられる仲間を案じつつ、最終的なオリアナの目的地を見つけなければならない上条たちは常に後手後手にまわってしまい、世界的な危機が迫ることになってしまいます。強力な「魔術の原典」の力を駆使するオリアナ、最後の最後まで見えない巧妙な敵リドヴィアの陰謀に翻弄されながら絶体絶命の状況を覆すため戦いに挑む上条たちの死に物狂いの活躍が大変面白かったです。また、「大覇星祭」という大イベントを通して登場人物たちの深い友情や絆が分かり非常に感動的でした。 ジャンルは学園異能アクション・ラブコメ・ファンタジー。アクションやラブコメディが好きな人にお薦めです。<終>とある魔術の禁書目録(インデックス)シリーズ短編集もでてます
2007年07月23日
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愛する光君が恐ろしい悪魔神ルシファーのように変貌することになってしまい、愛は別人のようになった光を救うことができるのか?不安をつのらせます。しかも愛を守護していた大天使ラファエルもいなくなって、愛はこれからどうすれば良いのか?分からなくなってしまうのです。7人の悪魔っ娘たちから光を救うことをあきらめない愛はいなくなった光を捜そうと光や悪魔っ娘たちが暮らしていた廃教会を訪れたり、光たちが行きそうな所を捜したりしますが手がかりが掴めません。困った愛は仕方なく学校へ行くことになるのですが、「愛の下着を血走った顔で見つめる」担任教師の来栖先生に襲われて危機に陥ることになります。その頃、光と7人の悪魔っ娘たちは「全裸に黒マント」という変な恰好をして地獄にあるという万魔殿へ行こうとしていました。悪魔神ルシファーの力に目覚めた光は、以前の優しかった光と違い考えられないくらい邪悪で愛を牽制する役・牧鷹羊子を残すと他の悪魔っ娘たちを地獄へと導くことになって・・・。 「でぃ・えっち・えぃ」シリーズは、愛する神代光を救おうとする主人公の少女・白鳥愛が光を誘惑して「堕落」(ダウンフォール)させようとする7人の悪魔っ娘たちと対決することになるというストーリーです。神代光の正体は悪魔神ルシファーもしくは元大天使ルシフェルの生まれ変わりであり、7人の悪魔っ娘たちは悪魔神ルシファーを復活させようと光を誘惑することになります。もし悪魔神ルシファーが復活することになれば世界は滅亡してしまいます。そして、愛は光と世界を救うため大天使ラファエルと協力することになるのです。光を救うには「愛と光が契る」しかなく、愛はまず光と恋人同士になりきちんとした順序を踏んで契ろうと恋愛に頑張ります。ところが大天使ラファエルは「愛し合っているなら光を強引に押し倒しても契るのだ。世界平和のためだ」と無茶なアドバイスをすることになり、7人の悪魔っ娘たちも「7人全員が光と同居」して愛と光の仲を妨害することになっていきます。 とうとう光が悪魔神ルシファーに覚醒し、人格が元の優しい光に戻らなくなってしまいました。ショックを受ける愛ですが、7人の悪魔っ娘たちの中にも戸惑う者が出てきます。そんな中、完全な「堕落」を望む光は地獄の万魔殿に行くことになり、ラファエルの力を借りれなくなった愛は「邪淫」の大罪を持つ羊子に邪魔されながらも以前の敵や意外な味方を仲間にして地獄へ乗り込むことになります。地獄は人々の欲望が具現化する恐ろしい世界なのですが、愛は大きな愛情と膨大な妄想を力に変えて光を救うため奮闘するのです。ラファエルと引き離され元気の出ない愛が「愛情」と「妄想」を爆発させて危機を切り抜けていく活躍が素晴らしく大変面白かったです。 ジャンルは悪魔誘惑ラブコメ・ファンタジー。ラブコメディやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>でぃ・えっち・えぃシリーズコミックもありますお知らせ 最近、本のストックを確保するのが難しくなってしまったのでブログを書くペースを遅くしようと考えてます。今後も土曜・日曜日には、たぶん図書館等に寄れると思うので毎月曜日にはブログを更新したいです。一応ブログは続けていくつもりなので、これからもよろしくお願いします。
2007年07月22日
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聖剣ファーラムを求めて城塞都市プリシスにやって来たリウイたちは、そこで軍事国家ロドーリルに攻撃され陥落した無残なプリシスの姿を目の当たりにします。20日ほど前までは無事だったプリシスですが、今は「鉄の女王」と恐れられるロドーリル女王ジューネの軍に占領され生々しい戦争の被害や不穏な雰囲気が漂います。リウイたちはエレミアの行商人を装いロドーリルの将軍のひとりに賄賂を渡すことで潜入を果たしますが、物々しい警備のため自由に動くことができません。そんな時、リウイは咄嗟の判断でトラブルを利用して女王ジューネに近づき、うまい事とりいって女王寵愛の商人兼側近になってしまうのです。そして、リウイは邪悪で恐ろしいと評判の女王ジューネの真の姿を知り、世間の噂と全く異なる実像に驚くことになります。一方、単独でジューネの所に潜入したリウイに置いていかれることになったミレル、アイラ、メリッサ、ジーニたちは歓楽街で「女殺し」と言われたリウイと邪悪で妖艶な「鉄の女王」ジューネが何か問題を起こさないか動くことになって・・・。 「魔法戦士リウイ」シリーズは、剣の国オーファンの妾腹の王子であり冒険者でもある主人公のリウイが仲間の女性冒険者たちとともに国々のトラブルを解決したり、世界を救うための冒険をすることになるというストーリーです。現在、フォーセリア世界は復活した魔精霊アトンにより滅亡の危機にさらされています。アトンを倒すには「魔法王の鍛冶師」ヴァンが作ったとされる聖剣ファーラムが必要なので、リウイたちは世界のどこかにある聖剣ファーラムを求めて冒険の旅にでることになったのです。プリシスに到着したリウイ一行はロドーリル軍の誰かが何らかの魔法の剣を持っていると推測しますが詳しい情報は分かりません。さらに他国を侵略するロドーリルに対してオランやミラルゴといった大国が動き出し、大規模な戦争が起こり出しかねない危険な状況です。そこでリウイたちは聖剣ファーラムを見つけ出し、戦争を防ぐという難しい冒険に挑むことになりました。ところが女王ジューネと鮮血の将軍ヒュードには思ってもみない秘密が隠されていてリウイたちは女王と将軍のトラブルに巻き込まれていきます。 妖艶で残虐な「鉄の女王」と恐れられるジューネが本来清楚で平和を愛する女性であったり、またジューネを愛しているはずのヒュードが女王の寵愛を受けるリウイに協力的だったり、ロドーリルに潜入したリウイは変な違和感に戸惑うことになります。また、ロドーリルの侵略戦争が無謀すぎる状況やジューネの若さが何年たっても変わらなかったり、不自然でおかしなことばかりです。剣の行方や違和感の謎を探るうちにリウイたちは「鉄の女王」と「鮮血の将軍」に隠された哀しい恋物語を知ることになり、問題を解決すべくリウイとヒュードは対決することになるのです。謎に包まれた哀しくも激しいラブストーリー、「鉄の女王」の意外すぎる真相など思ってもみない展開がとても面白かったです。それにしても今回リウイやバブリーズに酷い目に遭わされてばかりの軍師ルキアルさんの処遇が分かり、「やっぱり」と思い納得しました。 ジャンルは冒険ラブストーリー・アクション・ファンタジー。アクションやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>魔法戦士リウイシリーズ魔法戦士リウイシリーズ(一部紹介 剣の国の魔法戦士以前のストーリーです。0巻を含めて全10巻あります)ガイドブックやDVDもあります
2007年07月21日
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秋庭たちも2年生に進級し、いよいよ生徒会選挙が始まることになりました。生徒会長になるために半年以上も前から準備をし努力を積み重ねて来た生徒会副会長・秋庭多加良は、念願の生徒会長への第一歩を感慨深く思い喜びを隠し切れません。ところが今年から何故か突然選挙方法が変わることになったり、かのう様の命令で雨の神が飼っている「雨の鳥」を捕まえなくてはならなくなったり、順調だった選挙戦に暗雲が立ち込めることになってしまいます。さらに秋庭の立候補届けが何者かに盗まれてしまったり、秋庭の宿敵である現生徒会長であり神様でもある鈴木朔が当然のように次期生徒会長に立候補したり、思わぬ伏兵・一年生の五藤尚青と岸田駿が選挙に参戦することになったり、秋庭が一番重要視していた選挙はトラブルばかりです。どんな障害が立ちはだかっても「生徒会長になる」ことをあきらめない秋庭は、神様たちの陰謀や邪魔をものともせず選挙に挑むことになって・・・。 「神様ゲーム」シリーズは、叶野学園で生徒会長を目指している主人公の秋庭多加良が世界創造神であり生徒会長でもある鈴木と対決することになったり、叶野市の土地神で超腹黒なかのう様の陰謀に巻き込まれたり、神様たちの催す超危険かつ困難なゲームをクリアしなくてはならなくなるというストーリーです。かのう様とのいつもゲームは相変わらず人間の命がかかっていて気がぬけませんが、今回は水不足の叶野市を救うため「雨の鳥」を捕まえることになったり、同時進行で生徒会選挙に挑むことになったり、いつにも増して大忙しになります。そんな中、雨を降らす時の相棒である「雨の鳥」に逃げられて困っていた雨の神・雨緒は最初人間たちを信じられず秋庭たちの協力も拒否して行き詰まってしまいました。「雨の鳥」は涙を溜めている人間の中に潜んでいるので秋庭たちと雨緒が協力しなければ捕まえられそうにありません。そうこうするうちに雨緒は秋庭のライバル候補である五藤・岸田に協力することになってしまい、秋庭たちは「生徒会選挙」「雨の鳥の捕獲」「願いの植物を摘む」という3つのゲームを同時にクリアしなくてはならなくなるのです。 五藤はケガが原因で陸上競技・高跳びの夢を絶たれた親友・岸田を励ますため生徒会選挙に臨んでいました。人が良いばかりの五藤と違って岸田は成績も良く、二人で頑張れば充実した生徒会を作れるはずです。「雨の鳥」はそんな涙を抱える二人に憑りつくことになり、雨緒は「雨の鳥」を捕まえるためにも二人に協力して選挙の手伝いをすることになります。一方、鈴木はとにかく皆が楽しめる「忍者生徒会」を目指しており、秋庭・鈴木・五藤はそれぞれの仲間たちとともに「投票+チーム対抗ゲーム合戦」という特殊な選挙戦を戦うことになっていきます。皆で協力して選挙戦を戦ううちに五藤や岸田の悲しみ・友情などを感じとり雨の神として重要な事を取り戻していく雨緒、そして力をあわせて苦しみや悲しみを乗り越えていく五藤・岸田たちの心の成長が大変感動的でとても面白かったです。また、学校中を巻き込む愉快な秋庭と鈴木のライバル対決は非常に楽しく笑えました。 ジャンルは選挙戦対決友情ハートフル・ストーリー。感動的なストーリーが好きな人にお薦めです。<終>神様ゲームシリーズ短編集もあります
2007年07月20日
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近頃、怪造生物(モンスター)召喚に必要な唯一の道具「門」(ゲートと呼びます。どこでもドアみたいじゃなくて普通の腕輪のような形をしています)が次々と盗まれるという事件が多発しています。「門」(ゲート)がなければ正しい呪文を唱えてもモンスターを召喚することができず、しかも「門」自体が希少な金属でできているので「門」が盗まれ続ける状況がこのまま継続すればモンスターを召喚することで成立する怪造学は滅んでしまいます。怪造学を学ぶ生徒たちが集まる古頃怪造高等学校でも被害は増え始め、正義の味方を目指す少女・戦橋舞弓とその友人・空井伊依は学友たちと怪造学を救うため犯人を捕まえようとすることになるのです。「正義の味方がいるかぎり、悪は絶対に栄えない!」と意気込んで犯人に立ち向かう舞弓でしたが、ブラックジャック風な顔の犯人の美少年は通常ではありえない恐るべき能力を持っていて・・・。 「アンダカの怪造学」シリーズは、怪造生物(モンスター)と人類が仲良く暮らせる世界を夢見る主人公の空井伊依が夢を実現させるために古頃怪造学校で怪造学を学び、怪造学者を目指すことになるというストーリーです。一般的な人々も怪造学に関わる人たちも「怪造生物(モンスター)は恐ろしい存在で人間とは共存できない」と考えていて、今のところ伊依の夢は全く実現しそうにありません。また、モンスターたちを束ねる魔王も「魔王自身を怪造(召喚)できるできる唯一の存在」である伊依を利用しようとしており、伊依が力を望むと「世界すら滅ぼせるほどの強大な力をやろう」と誘惑してきます。そんな困難な状況の中でも伊依は、自分の勇気と知恵と仲間の力だけを頼りに怪造生物と人間たちの間で起こるトラブルを解決していくことになるのです。 古頃怪造学校に転校して来た伊依の幼馴染み仇祭遊は「危険な怪造生物(モンスター)から人間世界を救う」という信念で異世界から怪造生物(モンスター)を召喚する学問・怪造学を滅ぼそうとしていました。当然、「怪造生物(モンスター)と人類の共存」を目指す伊依とは対立することになり、伊依は大切な幼馴染みとどう戦えば良いのか?戸惑うことになります。また、伊依は遊から「怪造生物(モンスター)と仲良くするよりもっと人間の友人を大切にしたほうがいい」と忠告され迷ってしまうのです。それでも伊依はかつての優しかった遊を再び取り戻すため、変貌してしまった遊や今までの自分がしてきたことと真剣に向き合い試練を乗り越えようと頑張ります。「人間と怪造生物(モンスター)は仲良くできる」という夢と信念を信じ貫き、遊を向かい合う伊依がとても面白かったです。 ジャンルはモンスター召喚学園アクション・ファンタジー。アクションやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>アンダカの怪造学シリーズ
2007年07月19日
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路地裏で「貴方たちは勇者ですか?」と問いかけてくる謎の少年は、勇者と名乗る人々を次々と虐殺しています。彼は「路地裏の魔王」と呼ばれていて、オンラインゲームをやり過ぎたため現実とゲームの区別がつかなくなってしまった狂人だと噂されているのです。一方、魔法の国の法務官たちは自分たちの杖を失ってしまったため魔法が使えず魔法の国にも帰れなくなっていました。彼らは自分たちを酷い目に遭わせた魔法少女に復讐するため魔法の杖を探しています。そして、魔法少女893号は阿弥陀組の組長・銀島に引き取られ「サマー」という名前をもらい銀島の家族として幸せに暮らしていました。それらの出来事に「殺人鬼」や「勇者の少女」、「組同士の争い」が加わって奇妙で不可解な大事件が起きることになります。全ての事件の中心にいるのは針山真吉という普通の人間。なぜか巻き込まれる事件の中で針山さんは一生懸命自分のできることをすることになって・・・。 「世界の中心、針山さん」シリーズは、ある時は宇宙人や忍者のトラブルに巻き込まれたり、奇妙な縁で世界中を騒がす怪盗エタノールと仲良くなったり、またある時は猫耳地底人やドラゴンに遭遇してしまう主人公の針山真吉(37歳)があたかも自分が世界の中心であるかのように次々と事件に巻き込まれていくことになるというストーリーです。針山さんは宇宙人を呼ぶ力も超能力も霊感もない本当にごくごく普通の人間なのですが、彼の周りではいつも何かしらの事件が起き彼は単なる脇役として常に事件に巻き込まれることになっていきます。針山さんの視点で見た世界というのは全く方向性の違う様々な事件が広がっていて、まるで針山さんが「世界の中心」であるかのようです。そんな針山さんは斧男の都市伝説、変な魔法少女、勇者と名乗る人々が暮らす孤島の謎の消滅からヤクザの闘争まで今回も奇妙な事件に巻き込まれていくことになります。 この「世界の中心、針山さん」は変な名前のカップル赤神瑠流と一二三夢羽を主人公とした都市伝説を扱ったトリッキーなストーリー「としれじぇ」、日本の魔法少女番組の影響を受けすぎて犯罪者になってしまった魔法の国の少女を描く「魔法少女893号」、突然島の住人が「自分は勇者だ」と言い出し狂ったように戦い出したり悪の魔王を倒すために旅立ったりする悲劇「拝啓、光の勇者様」、3つの独立したストーリーが最後には針山さんを中心にひとつになっていくという展開です。普通の人間でしかない針山さんが殺人鬼、組同士の抗争、魔法少女、などの異常事態にどのように関わっていくのか?そして、針山さんに何ができるのか?予想のできない展開と普通人でも一生懸命な針山さんの感動的な活躍がとても面白かったです。 ジャンルは短編連作ごちゃまぜファンタジー。ファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>世界の中心、針山さんシリーズ
2007年07月18日
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桃ヶ丘音楽大学に通う千秋真一は、「へたくそ」「どへたくそ」「みーんなへたくそ」と苛立ちながら颯爽と構内を歩いていました。特に「ドイツ留学者決定。本学の指揮科学生、世界を舞台に指揮を学ぶ」と書かれた掲示板の記事には「何であんな胸もシャツも頬もパンパンに張ったハムの原材料みたいな奴が留学するんだ」と腹立ちを抑えられません。そんな時、「なーにやっとんじゃ、ゴルァ!」という声が響くとともに千秋はいきなり出現したハリセンによって楽譜もろとも弾き飛ばされてしまうのです。「ハリセン」という異名を持つピアノ講師・江藤耕造は「ピアノもろくに弾けんクセに指揮者にでもなるつもりか?」と千秋に対して怒鳴りたてますが、「ギャーギャービービー借金の取立てのようなレッスンしやがって!」など毒舌のつきない千秋の反撃に遭い打ち負かされます。その後、ますます苛立つことになった千秋はわけの分からないうちに奇妙な女のいるゴミ部屋に迷い込んでいて・・・。 「のだめカンタービレ」シリーズは、幼い頃の飛行機事故が原因で海外に行けなくなってしまった主人公の千秋真一が天才的なピアニストの才能があるのに何故か幼稚園の先生を目指している自由気儘なのだめ(フルネームは野田恵)と出会ったことで、振り回されつつも困難を乗り越え指揮者として成長していくことになるというストーリーです。世界的な指揮者になるにはウィーン、ベルリンといったヨーロッパで修行する必要があるのですが、精神的恐怖症のため飛行機にも船にも乗れない千秋はヨーロッパに行って本格的な指揮者になるための勉強ができません。そうして努力も十分で才能もあふれる千秋は、「俺は指揮者になりたいんだ」という気持ちを持て余しながら灰色の大学生活を送ることになるのです。しかし、のだめやシュトレーゼマンなどの変人たちと出会った千秋は今まで経験できなかったことを学べるようになり、指揮者として成長していきます。 この「小説 のだめカンタービレ」はTV版「のだめカンタービレ」を小説にしたものです。原作のマンガは読んだことがないのですがTV版「のだめカンタービレ」が面白かったことと著者が好きな作家である高里椎奈だったので読むことにしました。この小説版は基本的にTV版と同じ内容になっていて読みやすかったです。考えられないくらい自由奔放なのだめが「これでもか」と千秋を振り回し、ものすごく胡散臭さそうなマエストロ・シュトレーゼマンが怪しげな日本語とエロ全開なトークで大笑いさせてくれます。TV版「のだめカンタービレ」の楽しい雰囲気を再び味わうことができて大変面白かったです。それにしても「のだめのゴミ部屋」の写真は驚くほど汚そうでTVで同じものを見たはずなのにビックリしてしまいました。 ジャンルは音楽コメディ。コメディが好きな人にお薦めです。<終>原作コミックのだめカンタービレのセットもあります
2007年07月17日
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突然空からやって来て旧耶麻台国の城が沈む人工湖に降り立った飛行要塞・琵琶島。九峪や天目たちは飛行要塞という常識ではありえない超兵器・琵琶島の戦力を何とか見極めようと苦心しながら作戦を練ることになります。 一方、思いきって超兵器・琵琶島を敵勢力のど真ん中に投入することになった彩花紫王女ひきいる狗根国九洲遠征軍は、第一艦隊司令・平八郎を中心に作戦遂行のための準備・対策に追われていました。耶麻台共和国・耶麻臺国同盟軍は方術を駆使してハングライダーのように飛ぶことができる飛空挺、衝撃を与えると爆発する炸裂岩など貴重な兵器を使って水上に浮かぶ琵琶島の威力偵察を行うことになり、狗根国九洲遠征軍側も多数の弓矢部隊や防御施設を使用して敵の攻撃を迎え討つことになるのです。そんな緊迫した戦況の中、原因不明・予測不可能な地震が突如両軍を襲い、戦いは一時的に膠着状態に陥って・・・。 「火魅子炎戦記」シリーズ(火魅子伝シリーズを含む)は、天魔鏡に導かれて突然現代世界から3世紀の九洲に召喚された主人公の九峪が元の世界に戻るため狗根国によって滅ぼされた耶麻台国を復興させなければならなくなるというストーリーです。九峪が現代世界へ帰るには6人いる女王候補の中から真の女王・火魅子にふさわしい人物を選び、九洲を狗根国の支配から解放して耶麻台国を復興させなければなりません。ところが耶麻台国は滅んでから10年以上経っているので味方の軍はなかなか集まらず、圧倒的な兵力を誇る狗根国軍を打倒するのは非常に困難な状態です。しかし、現代からやって来た九峪は歴史から様々な戦略・戦術を学んでおり、また現代の知識を活用することにより耶麻台国復興軍を連戦連勝に導くことになるのです。そうして狗根国軍を追い払うことに成功した耶麻台国復興軍ですが、狗根国から新たに彩花紫王女ひきいる狗根国九洲遠征軍がやって来ることになり再び激しい戦いが始まることになります。 ついに飛行要塞琵琶島を中心とした本格的な両軍の攻防が始まることになるのですが、同時期に火魅子候補のひとりである藤那が勝手に「真耶麻台国」という自分の国を造ってしまい、九峪も天目も彩花紫王女も想定外の事態に困惑することになってしまいます。さらに両軍を襲った不可解な地震のせいで耶麻台共和国・耶麻臺国側も狗根国側も相手の戦力や状況が分からなくなり、奇妙な膠着状態に陥ることになるのです。そんな中、バニーガールのような魔人を連れた乱破の真姉胡が真耶麻台国に潜入することになったり、狗根国軍に捕らえられていた清瑞がついに動き出したり、少しずつ事態が動いていきます。予測不可能な事態が次々と起こることで大騒ぎになる両軍の様子がとても面白かったです。また、人外の力を持つ魔人と人間の力を超越した謎の老人の戦闘には驚かされました。 ジャンルは、異世界戦記ファンタジー。戦記ストーリーやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>火魅子炎戦記シリーズ短編集もあります火魅子伝シリーズ(一部紹介 全10巻です)「火魅子炎戦記」シリーズは、「火魅子伝」シリーズの続編なので先に「火魅子伝」シリーズを読んでから読むといっそう楽しめます
2007年07月16日
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ローランド国王シオン・アスタールは前王の悪政を指摘しあざやかな手並みで革命を起こした英雄王だとか、完全無欠の王様だとか呼ばれ、その高い能力、カリスマ性、優れた容姿、政治手腕によって国民から絶大な支持を集めています。当然、シオンはローランド中の女性たちからも「ああもう、王様かっこいいー」「アスタール様すてきー」と毎日騒がれモテモテの日々を送っているのです。シオンに馬車馬のように無理矢理働かされているライナやフェリスは「あの王の奴め、言うことを聞かないとウィニットだんご店を潰すなどと私を脅迫しおって」「睡眠時間を削ってでも働け!と常人には不可能な無理難題を言ってきやがって」と不満をつのらせ、各地で王様の悪口を広める活動を続けていますが圧倒的なシオン王の人気の前では全く効果がありません。しかし、そんなモテモテのシオン王なのですが、おかしなことに女性と付き合っている気配がないのです。ライナとフェリスはシオンの秘密を探ることになって・・・。 「伝説の勇者の伝説」シリーズは、毎日20時間は余裕で眠れるほどの怠け者なのにローランド最高の魔術師と呼ばれている主人公のライナ・リュートと健康を害するほどのダンゴ好きなのに剣の達人・絶世の美女と称されるフェリス・エリスがシオン王の命令で勇者が使ったとされる伝説の武器を集めたり、ローランド王国のために様々な任務を行うことになるというストーリーです。イエット共和国で大規模な洪水に巻き込まれたライナとその相棒フェリスは偶然故郷のローランド王国に流れ着きますが、安心するのも束の間今度は極悪非道なシオン王に次々と仕事を押し付けられて死にそうになってしまいます。また、仕事をさぼると王の権力をフルに利用した脅迫が待っているので逆らうことはできません。ライナとフェリスはシオンの弱みを握って何とか反撃しようとしますが、狡猾なシオン王には勝てず「素晴らしいローランド王国を作る」ための仕事をしなくてはならなくなるのです。 シオンの弱みを探るライナとフェリスは「跡継ぎを望む仕事熱心な部下がシオンに次々と美女を送り込んでも何事もなく追い返される」という奇妙な事実に気づきます。王といっても健康な19歳の男性が全く女性に興味がないというのは変です。そういうわけでシオンがどうして美女に興味がないのか?探ることにしたライナとフェリスは、シオン王の「同性愛者」「ロリコン」疑惑を追うことになっていきます。権力をフルに使ってライナとフェリスを振り回すシオン王の活躍とそんなシオンに振り回されながらも何とか自分の睡眠とダンゴを守ろうとするライナ、フェリスの愉快なやりとりが大変楽しくとても面白かったです。特に同性愛、ロリコン疑惑から「最近俺たちはシオンに呼び出されすぎてるぞ。このままだと俺かフェリスが好青年面した野獣シオンのえじきに・・・」とシオンの性癖を酷く恐れる様子がおかしかったです。 ジャンルは、国王コメディ・ファンタジー。コメディやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>伝説の勇者の伝説 短編集シリーズ本編1巻です(本編の内容は割とシリアスです)
2007年07月15日
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数万の魔物による襲撃を受けたペシャワール城塞とその周辺は、人間と魔物の凄まじい攻防により凄惨な事態に陥っていました。鳥面人妖(ガブル・ネリーシャ)や有翼猿鬼(アフラ・ヴィラータ)など空を飛ぶことのできる魔物は3匹が1組となって上空から雨が降るような大量の石を降らせ、地上のあらゆるものを粉砕します。この石の豪雨を降らせる恐ろしい戦法によって人間たちは全身を石で打たれ、頭を割られ、負傷者が続出してしまいます。さらに建物の屋根や天井まで破壊されて被害は広がるばかりです。しかし、クバード率いるパルス軍も魔物が苦手にしている芸香(ヘンルーダ)を武器に塗ることにより、魔軍を寄せ付けず奮闘します。そんな中、蛇王ザッハークに魂を売りわたしたトゥラーンの武将イルテリシュは狡猾に魔物たちを従え、パルスの武将イスファーンの前に立ちはだかることになるのです。部下を倒されたイスファーンは仇を討とうとイルテリシュに剣を向けますが、わずかな隙をつかれて逆に窮地に追い込まれて・・・。 「アルスラーン戦記」シリーズは、戦乱の影響で若くして突然パルス国王になってしまった主人公のアルスラーンが黒衣の雄将ダリューンや宮廷画家をしている天才軍師ナルサスなど多くの英雄たちに支えられて苦難が続くパルス王国を守っていくことになるというストーリーです。パルスの伝説に登場する蛇王ザッハークの眷族にいきなり襲撃されたパルス王国は、今までの人間相手とは違う魔物の群れとどう戦えば良いのか?戸惑うことになります。奇怪な魔物たちや蛇王ザッハークを復活させようとする魔道士の暗躍に「蛇王や魔物は伝説に登場するだけで現在の我々には関係ないだろう」と考えていたアルスラーンたちは後手にまわることになってしまうのです。また、ミスル王国では正統なパルス王家の生き残りヒルメスがアルスラーン打倒の力を得ようと野望実現のため本格的に動き出すことになります。 後のパルスの歴史で「染血の一夜」と呼ばれることになるペシャワール攻防戦が繰り広げられたり、パルスの王太后であり名目上のアルスラーンの母タハミーネが蛇王ザッハークの眷族に利用されそうになったり、ミスル王国ではアルスラーンのライバルであるヒルメスがついに野望に向けて動き出したり、アルスラーンと親しいルシタニアの女騎士エステル一行がパルス王国の王都エクバターナを目指していたり、様々な所でアルスラーンやパルス王国の命運を握る重大事件が起こります。そして、こうした複雑に入り組んだ出来事に対処するためアルスラーンとパルス王国を支える英雄たちはついに一堂に会することになるのです。主人公のアルスラーンは英雄たちに比べると割と普通の人間なのですが、自然と個性派揃いの英雄たちを結びつけることのできる魅力はさすがに王らしく格好良かったです。また、国々や英雄たちを巻き込んだストーリー展開は相変わらず素晴らしく大変面白かったです。 ジャンルは英雄アクション・ファンタジー。ファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>アルスラーン戦記シリーズDVDもあります
2007年07月14日
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超能力開発機関である学園都市の最大級イベント「大覇星祭」が行われることになります。「大覇星祭」とは、簡単に言うと超能力者たちが参加する大規模な運動会のことで学園都市に存在する全ての学校が合同で「超能力の使用が認められた」競技をすることになるのです。学園都市の総人口230万人の約8割がこの行事に参加し、9月19日~9月25日までの7日間にわたって開催されます。当然、超能力を有する参加者の学生だけでなく、保護者方々さらに超能力を使用する競技を見ようと世界中から集まった見物人まで学園都市に集結することになるのでこの期間はものすごい混雑と熱気で包まれることになります。そんな中、競技参加者の上条は同じく参加者の御坂美琴と「競技で負けた方は勝った方の言うことを何でも聞くこと」という約束をすることになるのです。「お前は女子中学生の美琴に対してどんな無茶な要求をするつもりなんだ」という批判を受けまくる上条でしたが、学園都市に侵入した魔術師を捕まえるため競技どころではなくなって・・・。 「とある魔術の禁書目録(インデックス)」シリーズは、全ての異能を打ち消すことができる右手「幻想殺し」(イマジンブレイカー)を持つ主人公の上条当麻が魔術や超能力などの異能が原因で苦しんでいる人々を救うため戦うことになるというストーリーです。超能力者たちが集まる学園都市に所属している上条ですが、10万冊以上の魔術書を記憶している少女インデックスと関わったことで魔術師・超能力者双方の争いに加速度的に巻き込まれることになってしまいます。そして、大騒ぎの「大覇星祭」が行われる学園都市で「刺突杭剣」(スタブソード)という魔術道具の取引があるという情報が入り、上条は世界に危険を及ぼす魔術師たちの取引を中止させるべく「追跡封じ」の異名を持つ運び屋オリアナ=トムソンを捕まえなくてはならなくなります。しかし、大規模すぎる「大覇星祭」のため動きが取りづらかったり、魔術師側と超能力者側の衝突を防ぐため上条・ステイル・土御門の3人しか行動できなかったり、敵のオリアナが「速記原典」という強力な武器を持っていて、ただでさえ運の悪い上条はいろんなトラブルにも巻き込まれ困ってしまいます。 オリアナの持つ「刺突杭剣」(スタブソード)は聖人必殺の武器なので聖人である仲間・神裂は応援に来られません。さらに魔術に精通するインデックスは皆に見張られていて、この騒動に巻き込むと事態がさらに悪化してしまいます。そういうわけで運の悪い上条、専門である炎の魔術以外は使えないステイル、魔術を使うたびに負傷する体質の土御門、という3人で広くて大量の人々が集まる学園都市の中を「追跡封じ」の運び屋オリアナを捕まえるため探しまわります。ところが上条は何度も女性たちの下着や裸を見てしまうことになったり、御坂美琴に引きずり回されたり、色っぽくも危険な美女オリアナの胸へと突入してしまったり、女難(上条は健康な男子高校生だから、ある意味ではラッキーなのか?)に襲われるのです。また、超能力者たちの競技は凄まじく上条たちは危機に陥りることになります。次々と襲う女性関係のトラブル、驚異の超能力者運動会、少ない味方たち、そしてお色気たっぷりなオリアナに翻弄されまくり困り果てる上条の姿がとても面白かったです。 ジャンルは学園異能アクション・ラブコメ・ファンタジー。アクションやラブコメディが好きな人にお薦めです。<終>とある魔術の禁書目録(インデックス)シリーズ短編集もでてます
2007年07月13日
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あらゆる人間に擬態し少女ばかりを虐殺している「獣」(テリオン)のオフリス・ペインキラーと戦っている日向子は、右足の負傷と出血多量で危機に陥っていました。しかも廃線になった暗い地下鉄の通路では夜目が利かず、オフリスに圧倒的有利な状況です。日向子はオフリスからの「死にたいのか?」という恐ろしい声に体が震えて止まらなくなってしまいますが、「わたしの誕生日は6月16日」と呟く独自の精神集中法を繰り返し、何とか逃げる機会を探すことになります。しかし、とうとうオフリスの触手に捕まってしまった日向子は身動きがとれず絶体絶命になってしまうのです。そんな時、突然レディ・バットと呼ばれる謎の鳥が現れ、理由も分からないうちに日向子は助かります。一方、夜中に怪しい人影の正体を探りに来ていた拓也は得たいの知れない剣を所持したセーラー服姿の美少女を発見することになって・・・。 「天空のアルカミレス」シリーズは、子どもの時の記憶を失くしている主人公の高校生・篠宮拓也が「獣」(テリオン)と戦う少女・久慈日向子や兄妹同然に育った篠宮礼菜を守るため「獣」(テリオン)と戦うことになるというストーリーです。「獣」(テリオン)とは神話や伝説などで言われる妖魔や妖怪など闇の眷族たちのことで本来なら繁栄を続ける人類文明の陰で歴史に埋もれていくはずの存在でした。高い身体能力や様々な特殊能力を備え、古くから「人類の敵」と恐れられるテリオンでしたがそれぞれが個々バラバラに活動していたので被害が最小限に抑えられ人類の脅威とはなりえない種族です。しかもテリオンは変身することがなければ普通の人間と同じ姿で同じように生活しているので自然と人類に淘汰されるのは時間の問題でした。ところが何者かがもたらした「戦器」(オニクス)によりテリオンは本来の力を取り戻し、単独ではなく組織的に行動するようになったのです。これにより交通事故死亡者数よりはるかに少ないとは言え毎年数百人程度の犠牲者が出るようになり、人類は「未知の生物に襲撃される恐怖」を背負いながら暮らさなくてはならなくなりました。 拓也は同じ高校に転校してきた久慈日向子に心惹かれるようになってオフリスとの戦いに巻き込まれることになってしまいます。一方、妹同然の礼菜は拓也と日向子が仲良くする状況に嫉妬しますが、同時に失われた恐ろしい記憶が少しずつ甦ることにもなり精神的に不安定になるのです。そんな中、誰にでも変身できる能力を持つ(テリオンは人間に変身できるものの基本的に一定の姿にしか変身できません。オフリスの変身能力は特別です)オフリスがひそかに拓也たちに迫り、平穏な日常生活が破壊されていきます。人知れず忍び寄るオフリスの魔の手、失われた記憶に隠された恐ろしい真実など学園ラブストーリー風の展開に忍び込む恐怖が伝わりとても面白かったです。また、ラストシーンは衝撃的でビックリしました。 ジャンルは学園ホラー・アクション・ファンタジー。ホラーやアクションが好きな人にお薦めです。<終>天空のアルカミレスシリーズ
2007年07月12日
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「魔法士たちの命を犠牲にしながらシティのマザーシステムを稼動させ続けている」という秘密を全世界に向けて告発した「賢人会議」は、「魔法士たちを守るためマザーシステムを放棄するべきだ」と強く主張することになります。この事態に「マザーシステム」を維持することで人々の生活を守ってきた世界の各シティは大紛糾することになり、サクラをはじめとする「賢人会議」のメンバーたちは危険なテロリストとして世界中から追われることになってしまいます。一方、行方不明になり連絡のとれなくなった兄・真昼と姉・月夜を探していた天樹錬は、「マザーシステムを使っている全世界のシティに対して宣戦布告する」という「賢人会議」の演説映像の中で「賢人会議」の参謀をしている兄・真昼の姿を見つけビックリしていました。さらに姉・月夜が「賢人会議」に対する人質としてモスクワ軍に捕まったという情報も入り、錬は危険な状況にある兄と姉に会う方法を模索することになります。その頃、最も魔法士を大切にしている「シティ・ニューデリー」では今後も「マザーシステム」を稼動し続けるべきなのかどうか?激しく議論していて・・・。 「ウィザーズ・ブレイン」シリーズは、気候変動や戦争が原因で荒廃してしまった世界のストーリーです。その中で何とか生き延びた各シティは、魔法士たちの命を犠牲にした「マザーシステム」を使って多くの人々の生活を維持していました。そんな世界の中で主人公のひとり魔法士の少女サクラは自ら「賢人会議」と名乗り、シティによって次々と殺されていく魔法士の子どもたちを救うため活動することになるのです。そして、サクラは世界中のシティから魔法士の子どもたちを助けようと単身シティに対して戦いを挑むことになりますが、サクラひとりがいくらシティを襲撃して一人一人の魔法士の子どもたちを保護してもさっぱり状況は変わりません。しかし、メルボルンで天樹真昼と出会ったサクラは「本当に世界中の全ての魔法士を助けたいのなら、もっと世界中の人々を巻き込んで活動しなければならない」と言われ全世界に宣戦布告し、世界全体を変えるための戦いをしていくことになります。一方、天樹錬は気候変動から世界を救う方法を求めて仲間たちと活動していましたが失敗に終り、その後は行方不明になった兄と姉を探しています。 真昼の作戦どおりサクラたちは「賢人会議」として「シティ・ニューデリー」に魔法士を救うための協力を求めることになります。ところが「シティ・ニューデリー」ではちょうど「マザーシステム」を存続させるかどうかで幹部の執政官アニルとルジュナが争っていて、「賢人会議」もその争いに巻き込まれてしまうのです。さらに真昼に会うために「シティ・ニューデリー」にやって来た錬たち、「賢人会議」や「シティ・ニューデリー」を牽制する任務で来たモスクワ軍のイルと捕虜の月夜など様々な人物の思いが交錯することになり、出会いと再会そして戦いが始まることになっていきます。大きな事件や苦難を乗り越えてきた登場人物たちが再会しあったり、出会ったりするということで誰がどういった状況で出会うことになるのか?興味深くて大変面白かったです。特に世界に二人しかいない「元型なる悪魔使い」(様々な能力をコピーするという能力です)の能力を持つ者同士サクラと錬の戦闘シーンがどうなっていくのか?気になりました。 ジャンルはSF魔法アクション・ファンタジー。アクションやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>ウィザーズ・ブレインシリーズ
2007年07月11日
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宇宙人という正体を隠して農業高校へ通っているコペルは、仲良くなったクラスメイトたちと一緒に今度行われる臨海学校に行くことになりました。「お台場というところには巨大な空中ピラミッドがあって、その近くにはビルの中に球体がくっついている建物があって、不思議なのです。まさにミステリーツアーッ!他にも天然温泉や遺跡めぐり、ポインセチアグッズなどのショッピングも楽しめるそうです。もしよかったら一馬さんも一緒にどうですか!」と東京観光に胸をふくらませて大はしゃぎします。しかし、コペルに誘われた農業バカの一馬は「参加の申し込みは普通科の東京コースじゃなくて当然農業科コースにしておいたぜコペルッ!一緒に種ノ島へ行きたいだろ」と農業のことしか頭にありません。何の相談もなしに行く先を決まられてしまったコペルはショックを受けますが、あっさり丸め込まれて種ノ島へ行くことを決めるのです。そんな中、知り合いの宇宙人そっくりな新担任とフリルいっぱいのゴシックロリータな制服の転入生がやって来て・・・。 「ぼくたちには野菜が足りない」シリーズは、農業を広めるため農家の嫁を増やそうとしている主人公の農業バカ・上原一馬が農業を学ぶために宇宙からやって来た宇宙人少女リコペルシコン(通称コペル)と付き合うことになるというストーリーです。コペルは農家の嫁になる修行をするということで一馬の家に居候することになるのですが、野菜に強烈な感情移入をしてしまうコペルは野菜を食べることができず困ってしまうことになります(コペルは一生懸命育てた野菜を食べるなんて残酷だと感じています)。また、宇宙人の管理官シイがコペルを母星へ連れ戻そうとしたり、一馬の中に眠っている「農業に関する超能力」農力を目覚めさせなくてはならなくなったり、恋のライバル三谷みのりが頑張ったり?、様々なトラブルが一馬とコペルを襲うことになるのです。コペルは農家の嫁となって一馬に認めてもらおうと頑張りますが、農業を学びたいのに野菜が食べられず苦戦します。 新担任と主張するシイ(どう見てもバレバレなのにシイは管理官だと皆にバレてないと思っています)とともに転入生としてやって来たゴスロリ少女・五所川原礼子は一馬を慕っていて農家の嫁に立候補することになります。そして、不思議な魔法を操り、コペルの心を読むことができる礼子は急速に一馬と仲良くなって野菜が食べられないコペルは自信を喪失してしまうのです。さらに南国の島でサバイバル生活をすることになった一馬やコペルたちは管理官シイの陰謀でピンチに陥ることになっていきます。一馬の役に立とうと何かとコペルと礼子が張り合ったり、嵐に襲われたり、蕎麦好きな先輩がどうしても島で蕎麦を作ろうとしたり、スーパーサイヤ人風の敵と戦ったり、恋・バトル・農業・サバイバルに大騒ぎするコペル、一馬たちがとても面白かったです。 ジャンルは農業サバイバル・ラブコメ・アクション・ファンタジー。野菜やラブコメディが好きな人にお薦めです。<終>ぼくたちには野菜が足りないシリーズ
2007年07月10日
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子どもたち全員が呪われているという呪われ屋敷・童子守家にやって来たヘルパーのさされは、ヘルパーステーションからただ単に「三人の子どもたちを世話する仕事」としか聞かされていなかったので驚くことになります。しかし、さされ自身がかなり呪われてることもあり童子守氏の「どうか子どもたちの母親代わりになってください」という頼みを快く引き受けることになるのです。そして、相棒の黒猫(本当の猫ではなくガンボークと呼ばれる動く人形です。さされを守ってます)シャルロとともに子どもたちに紹介されたさされは、ブロンドの少年・童子守アンニョロに「うお!?すげーホントにささってるーっ!」「痛くないのか?お前けっこう強いんだな!」「さされって変な名前」とものすごく驚かれてしまいます。互いに変な名前で呼ばわれいる「さされ」と「ニョロ」はすぐに仲良くなりますが・・・。 「串刺しヘルパーさされさん」シリーズは、呪いの剣に串刺しにされている主人公の佐々岡支恵(皆から「さされ」と呼ばれてます)が人々の役に立つ仕事をするためにヘルパーとして働くことになるというストーリーです。さされは3年前に呪いの剣で串刺しにされたのですが、誰が刺したのか?どうして刺されたのか?全く経緯を思い出せません。剣が刺さっていると言っても特に痛くはなく抜くこともできないので、さされは串刺し状態のまま明るく元気に生活しています。ヘルパーとしてやって来た童子守家には家族の誰かと一緒じゃないと絶対に迷子になって自分の家にたどり着けない呪いにかかっている長男・童子守崇(通称・スー)、巨大化して暴れ出す白鳥のおまるキグナスにとり憑かれている次男・童子守アンニョロ、呪いの影響でずっと金魚鉢の中で暮らしている長女・童子守聖など重い呪いで困っている子どもたちがいてヘルパーのさされは3人の子どもたちを世話するために悪戦苦闘することになっていきます。 人々の精神が生み出すエネルギー「精気」には良い性質のものもあれば悪い性質のものもあります。それらは様々な人間や物に憑りつき、良い精気に憑りつかれれば「祝命者」(運の良い人)悪いほうに憑りつかれると「呪感者」(呪われた人)になるのです。古くから呪いのアイテムに関わっている童子守家の人々は父親が祝命者、3人の子どもたちが呪感者です。呪感者たちは様々な呪いによって大変な目に遭わされますが呪感者自身が呪いを克服したり、より強い呪感者が側にいれば弱い呪いの呪感者は弱体化したり、いくつか対処法があります。そして、自らも呪われているさされは呪いに苦しむ3人の子どもたちを「呪いなんてしゃらくせえ」と元気いっぱい励ますことになるのです。やっかいな呪いを全くものともせず体当たりで人々と接し、不幸を吹き飛ばしてしまうさされの活躍がとても面白かったです。 ジャンルは呪われ家族コメディ・ファンタジー。コメディやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>串刺しヘルパーさされさんシリーズ
2007年07月09日
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森山真里の事件から1年半。矢代純、早瀬綾佳、水藤深矢たちは北海道を離れ人口の多い首都圏付近に移動し、モノ祓い師たちの追っ手を逃れるためモノ祓いの仕事をせずに生活していました。綾佳は料理店で看板娘として働き、水藤はまた塾の講師をはじめ、純も様々なバイトをして3人の共同生活のためのお金を稼いでいます。京都で喰った巨大な「モノ」のおかげで最初のうちはそれほど飢えを感じなかった純たちですが、そろそろ「モノ」を喰わなくては限界です。そのためモノ祓い師たちの追跡や純たちを付け狙う仙谷に見つかる危険を冒してもインターネットを使ってモノ祓いの仕事を始めなければなりません。そんな時、水藤が講師を勤める塾の子どもが行方不明になる事件が起き、事件には「願いがあるならば、階段を上れ」と書かれた紙切れが関わっていて・・・。 「哀しみキメラ」シリーズは、エレベーター内で霊的な「モノ」(幽霊や妖怪のような存在です)に襲われた主人公の矢代純たちが「モノ」と融合してしまいキメラになってしまうというストーリーです。キメラになった純たちは視力が良くなったり、驚異的な身体能力を発揮できるようになったものの「モノ」を喰わなくては生きられなくなってしまいました。純たちは知り合いになったモノ祓い師の助けを借りて、「モノ」を喰うことで退治するモノ祓い師をして生活することになるのですが、しだいにモノ祓い師たちがキメラとして強力な力を持つ純たちを危険視し始め迫害されることになってしまうのです。その後、純たちはモノ祓い師たちの手から逃れ、インターネットなどを使って独自にモノ祓い師の仕事を始めることになります。しかし、キメラとしての純たちを退治しようとしたり、利用しようとつけ狙う者たちが現れてモノ祓いの仕事が続けられなくなってしまいます。 行方不明になった沢村圭吾(あだ名はおかめ)は「願いがあるならば、階段を上れ」と書かれた紙を拾い、クラスメイトにけしかけられて「この町を騒がせている通り魔強盗に罰を与えて下さい」と願った後に姿を消しました。そして、おかめの願いのとおり通り魔強盗は逮捕されなかったものの純によって返り討ちに遭い大怪我を負うことになったのです。偶然子どもたちに関わることになった純や綾佳はクラスメイトを案じる紺野勇輝や麻生穂高、久保田まなみたちとは別に事件の調査をはじめますが、純の体に異変が起きたり綾佳が襲われたり水藤の精神が不安定だったり様々な不調に戸惑うことになります。「紙に書かれた不可解な謎を解き、願いを叶えてもらう」、そして「願いを叶えてもらった者は行方不明になる」という都市伝説や怪談に良くあるような展開です。しかし、ストーリーの中での子どもたちの心の闇や純たちのキメラとしての苦悩など精神的な葛藤が強く感じられてとても面白かったです。また、紙切れに書かれた不可解な謎を解くまでの過程は楽しく、意外な真相にはものすごく驚かされました。 ジャンルは、ホラー・アクション・ファンタジー。ホラーやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>哀しみキメラシリーズ
2007年07月08日
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世界有数のお嬢様学校であり超能力開発でも優秀な実績を持つ常盤台中学に通う白井黒子は、ルームメイトでもあるお姉様・御坂美琴にあこがれています。美琴は超電磁砲(レールガン)を操る絶大な能力を誇り、誰とでも分け隔てなく接し、責任感と優しさと強い意志を併せ持つ素晴らしい人物なのです。そして、今日も白井はシャワールームにいる美琴の元へ空間移動の超能力を使って突撃しようとしたり、一緒にお買い物に出かけたり、美琴から「気持ちが悪いんだけど」と言われてもあきらめず、あこがれのお姉様の腕の中で甘えまくる野望のために頑張ることになります。しかし、せっかくのお姉様との楽しいショッピングだというのに「風紀委員」(ジャッジメント)の任務のため白井の至福の時間は邪魔されてしまうのです。白井は仕方なく「人工衛星に搭載されていたスーパーコンピュータの残骸を回収する」という任務を引き受けることになって・・・。 「とある魔術の禁書目録(インデックス)」シリーズは、あらゆる異能の力を打ち消す右手「幻想殺し」(イマジンブレイカー)を持つ主人公の上条当麻が魔術や超能力など異能の力が原因で苦しんでいる人々を救うため戦うことになるというストーリーです。上条は最強の超能力者・一方通行(アクセラレータ)と戦い、約1万人いる御坂美琴の妹を命がけで守ったので美琴に感謝され惚れられてしまいました。しかし、スーパーコンピュータ「樹形図の設計者」の残骸が発見されたことで再び御坂妹達に危機が迫り、世界平和も危うくなります。もし「樹形図の設計者」が復元されることになれば超能力を持つ1万人の御坂妹たちが暴走することになるのです。白井は世界の危機はともかく、美琴を悲しませたくないので「樹形図の設計者」の残骸を持ち出そうとする超能力者・結標淡希を止めようとします。ところがテレポート能力を持つ白井でも触れることなく様々な物体を移動されられる結標の超能力には勝てず苦戦することになります。 今回の主人公は上条当麻ではなく、空間移動の超能力を持つお姉様大好き少女・白井黒子です。白井には自分自身や触れた物体を瞬間移動される能力があるのですが、敵である結標淡希の触れることなく大量の物体を移動されられる能力の前に苦戦します。しかし、結標にも自分自身の体を瞬間移動させるのは困難だったり、同系統の超能力者を移動させるのは不可能だったりする弱点があり、白井は絶対的に不利な状況でも敵の弱点をついて対抗することになります。瞬間的に物体が移動する中で戦う白井VS結標の予測不能な迫力のアクションシーンや美琴のためボロボロになっても戦う白井がとても格好良く大変面白かったです。また、白井の視点から見る強くて優しい素敵な美琴の魅力が伝わって良かったと思います。 ジャンルは超能力アクション・ファンタジー。アクションやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>とある魔術の禁書目録(インデックス)シリーズ短編集もあります
2007年07月07日
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偽王の身代わりとして処刑される罪のない少女を救うため敵国シスタスの街ロックローズに潜入したフェンたち。シスタス側の目的は反逆者を処刑することで戦争で疲弊する民衆の怒りをそらすことと少女を救出するためにやって来た偽王を罠にかけることにあり、フェンたちは敵の内部に入って情報を操作することで少女救出の機会をうかがうことになります。ロックローズにいる兵には神殿に属する僧兵、民間から国防・侵攻のため集められた軍兵という二つの組織があってフェンたちは親密に連携しているとは言えない二つの組織の隙をつくことになるのです。そうしてフェンたちの作戦により何とか捕まっていた少女を助け出すのに成功しますが、脱出する間もなく今度は近衛隊を率いるグレッグ・アーヴィングがフェンたちの前に立ちはだかることになり絶体絶命になってしまいます。「戦わなければ何も得られない。脆弱で非力なお前に誰かが救えるか?」と問うアーヴィングにフェンは「人々が争わない方法があれば良い」と思いながらも言い返すことができず・・・。 「フェンネル大陸 偽王伝」シリーズは、無実の罪を着せられて故郷のストライフ王国を追放された主人公の王女フェンベルク(通称はフェンです)が知り合った仲間たちとともに様々な形態の国々をめぐり旅することになるというストーリーです。偉大な王がいると言われるソルド王国でトラブルに巻き込まれたフェンは、知り合いの人々を助けるためソルド王国を侵略するためにやって来た大国シスタスと対立することになってしまいます。そして、「シスタスの皇王こそが世界で唯一の王。世界を一つにするために他に王と名乗る存在は許さない」と宣言し、他の国々を侵略するシスタスに対してフェンは自ら「偽王」と名乗り戦いを挑むことになるのです。滅亡しそうな国の危機を救ったり、小国が連携してシスタスに対抗するのを手助けすることになるフェンたちですが、根本的な解決のためシスタスに潜入して侵略戦争を始めた原因を探ることになっていきます。 アーヴィングの言葉により、フェンは「力がなければ何も守れない」と打ちのめされてしまいます。「無力な自分に何ができるのか?」と思い悩むことになるフェンですが、各国をめぐる中で得た「腕力や権力だけが全てではない」ということを思い出し、再び自分が偽王としてできることを為す決意をします。そして、フェンは仲間たちの力を借りてシスタスの皇王のいる場所へとたどり着き、そこで思いもよらない真実を知ることになるのです。一方、ソルド王国騎士見習いのロカは、友人だったアシュレイを取り戻すため必死に奮闘します。「フェンネル大陸 偽王伝」シリーズのひと区切りです。謎めいたシスタスの事情がついに明らかになり、争いにも決着がつくことになります。王とは人の上に立つものではなく、人の間で人々を繋げていくもの。王の名に敵意があるなら受けて立ち、王の名に希望を求めるならそれを背負う。困難を乗り越えていく中で自分なりの答えを見つけ、偽王としてその信念を貫くフェンの活躍が大変感動的でとても面白かったです。またフェン、ロカ、アシュレイの友情が復活してホッとしました。 ジャンルは冒険アクション・ファンタジー。ファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>フェンネル大陸 偽王伝シリーズ
2007年07月06日
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啓太の恋人の座を勝ち取ったかに見えるようこ、啓太が好きという想いを伝えようとする新堂ケイ、啓太の妹ポジションを争っているカオルとともはね、その他面白い事に目がないフラノや素直になれない体育会系少女たゆね、無口で絵を書くのが得意なてんそうなど犬神使い川平啓太の周りは犬神などの女の子たちがたくさん集まり、楽しくもトラブルいっぱいです。と同時に世界のどこかへ消え去った川平薫を探す必要もあるので世界中の変な精霊たちや世界を変態で埋め尽くそうとする野望を持った大魔導師・赤道斎まで頻繁に出入りをしています。そんな中、ヨーロッパにいる川平薫捜索隊から爆発音の混じった物騒な電話がかかってきて「啓太様がいないとダメ」ということで啓太たちは突如ヨーロッパまで行くことになるのです。ところがヨーロッパまで瞬間移動できるという変態魔導師の移動方法は、Hな妄想や恥ずかしい道具を駆使した人間関係や日本外交が崩壊しそうなもので・・・。 「いぬかみっ!」シリーズは、主人公の犬神使い川平啓太とその相棒の犬神ようこが変態や妖怪たちが関わる面白可笑しい事件を解決することになるというストーリーです。破天荒なようこの父親と変態大魔導師・赤道斎たちが起こしたトラブルが原因で啓太の親戚で同じく犬神使いの青年・川平薫が行方不明になってしまいました。そして、薫の犬神たちは啓太やようこ、仲間のともはねたちに留守をまかせて行方不明の薫を探す旅に出ることになるのです。薫の犬神たちは世界各地を周り、有名占い師や予言者たちの元を訪ねて行方不明の薫の情報を集めていきます。一方、留守を任された啓太とようこたちは薫の犬神たちが世界中から送ってくるトラブルや自分たち自身が巻き起こす大量のトラブルに襲われながらも楽しい日々をおくっています。しかし、薫を取り戻すには対価が必要なことや裏切り者が出るという予言が判明して事態は急展開を迎えることになりそうです。 啓太をめぐる女の子たちの争いから同性愛・女装いっぱいの変態的トラブル、そして様々な能力を持つ犬神たちを指揮する犬神使い・川平啓太の戦いまで相変わらず奇妙でおかしな事件やトラブルが満載です。それにしても今回は啓太が全裸放置されて猥褻物陳列罪で逮捕されませんでしたが、ライバルの女の子たちを押さえて啓太をゲットするようこの高度な戦略や特命霊的捜査官が管理官から乱交好きな同性愛者に間違えられたりするなど考えなれないほどの変態的爆笑シーンが非常にいっぱいで大変面白かったです。また、何やら事情のありそうな犬神なでしこの動向や意味深な予言がとても気になりました。 ジャンルは人探し変態ラブコメ・ファンタジー。ラブコメディやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>いぬかみっ!シリーズ
2007年07月05日
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勘違いで法行を斬り殺そうとした生徒会長・五部浄里が返り討ちに遭い病院送りになったので生徒会副会長である柴又かずちが最高責任者として三十三間堂学院を仕切ることになりました。突然校内一の権力者となったかずちは「キチガイ生徒会長を倒した最高功労者は私だもん!」「生徒会長としての仕事を完璧に務められたら法行も私を見直すわ!」と大はりきりします。そして、かずちは「生徒会長が戻ってくるまでしっかり校内を治めたら私の奴隷になって何でも言うことを聞いてもらうからね!」と法行と強引な約束をすることになるのです。一方、実家が貧乏なのに基本的にお嬢様が集まる三十三間堂学院に入ることになった六道明日香は、貧乏すぎてスケ番のような制服しか着られなかったり、スケ番のような見た目のせいでクラスメイトに恐れられて友達ができなかったり、困っていました。クラスメイトの中に溶け込めない明日香は拾った可愛い子猫をひそかに校内で世話することになって・・・。 「私立!三十三間堂学院」シリーズは、家族を亡くし天涯孤独になった主人公の後白河法行が遠い親戚で同い年でもある千住花音のはからいで女子校である三十三間堂学院に転入することになってしまうというストーリーです。当然、女の子ばかりの女子高に男子の法行が転入すれば大騒ぎになります。しかも法行は成績優秀、容姿端麗、スポーツ万能、性格まで良いといういい男なので学院中の女生徒たちが法行をめぐって恋のバトルを繰り広げることになってしまいます。この事態を生徒会長・五部浄里は「法行が校内の女生徒と付き合うことになれば斬る」(彼女はいつも日本刀を所持しており冗談ではなく本当に斬り殺すつもりです)と宣言し恋愛禁止令を出して治めることになりますが、そんな状況では普通の友達ができるはずがなく法行は困ってしまうのです。それでも法行は彼氏が100人いる良久須美、大の男嫌いの金田伊緒、大雨と嵐を呼び寄せる無口な相楽佳耶など大きな障害を乗り越えて友達を作っていきます。 困っているお婆さんを助けようとした明日香は勘違いしたかずちに「不良生徒がお婆さんを襲っている」と思われてしまいます。さらに明日香は行き違いから思い込みの激しいかずちに暴行事件など濡れ衣を着せられてしまうのです。そして、かずちの勘違いはドンドン進行して「捨て猫は保健所で処分してもらう」「明日香が法行に近づいたら停学」など明日香はしだいに追い詰められていきます。あまりの理不尽にとうとう我慢できなくなった明日香はかずちに決闘を挑むことになるのですが、弓の達人であるかずちは強敵で明日香に危機が迫ります。ちょっと横暴すぎるかずちや勘違い・トラブルによって苦しめられながらも頑張る明日香がとても健気で応援したくなりました。暴走しまくるかずちと次々とトラブルに巻き込まれながらも頑張る明日香、そして明日香を助けようとする樹葉や法行たちの繰り広げる勘違いだらけで進む展開がとても面白かったです。 ジャンルは学園陰謀ラブコメ・ファンタジー。ラブコメディや陰謀ストーリーが好きな人にお薦めです。<終>私立!三十三間堂学院シリーズ
2007年07月04日
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父の形見の刀である天生牙の真の力を引き出すため、母の元で刀の修行をすることになった殺生丸。そこで殺生丸は冥界の犬に連れ去られたりんと琥珀を助け出すため自らの意志で冥道に入るという試練に挑むことになります。ところが四魂のかけらで命を繋げている琥珀はともかく、普通の人間の少女りんは冥界の気に耐えられず瀕死の状態に陥ってしまうのです。そうこうするうちにりんの息は止まり、徐々に体温も失われてりんに死が近づきます。殺生丸は瀕死のりんを救うため百の命を救う癒しの刀・天生牙の力を発揮しようとしますが、冥界の中では命を奪っていくあの世の使いを見ることができないので、天生牙を使ってあの世の使いを斬りりんの命を取り戻すということができません。殺生丸は心の中で「なぜ力を発揮できないのだ。答えろ!天生牙」と己の刀に向かい必死に問いかけるのですが何も答えは返ってきてくれないのです。そんな時、殺生丸の母は「愛しい息子を救うため冥界から出してやろう有難く思え」と息子に語りかけて・・・。 「犬夜叉」シリーズは、主人公である半妖(半分人間半分妖怪)の犬夜叉が現代からやって来た少女かごめなどの仲間たちとともに悪事を働く宿敵・奈落を倒す旅に出るというストーリーです。戦国時代、妖怪の力を強くする「四魂の玉」という宝玉がありました。「四魂の玉」は砕け散ることになるのですが、砕けて小さくなった四魂のかけらにも強力な力があり犬夜叉の宿敵・奈落は四魂のかけらを集めようと陰謀をたくらむことになるのです。犬夜叉の兄であり完全な妖怪の殺生丸は当初半妖の犬夜叉を嫌っていて犬夜叉の刀・鉄砕牙を奪おうとしていましたが、奈落の陰謀に巻き込まれたことで犬夜叉とは別に奈落を倒そうと狙うことになります。そうして卑劣な陰謀を行い多くの敵たちに狙われることになる奈落ですが、「四魂の玉」の力や悪賢く狡猾な陰謀をめぐらし犬夜叉たち敵を逆に返り討ちにしようとするのです。 殺生丸が天生牙の修行をしている頃、犬夜叉たちは人の悲しみや苦しみの心を養分にする妖怪に襲われていました。桔梗の死に苦しむ犬夜叉は敵の妖怪の精神的な攻撃によって危機に陥ることになります。また、奈落の手下である鏡の妖怪・神無はあらゆる攻撃を吸収しその攻撃を相手にはじき返す鏡の化け物を操って犬夜叉たちに襲いかかることになるのです。今回は殺生丸が大活躍でした。残虐だった殺生丸の心の成長、殺生丸を慕うりんや邪見たちの絆、「あんな可愛げのないやつ冥界から戻って来なければいい」と言いつつ息子の殺生丸を救い助言する殺生丸の母、そしてりんが死ぬかどうかという極限の状況で天生牙の力を引き出そうとするなど殺生丸とその仲間たちの活躍が大変感動的でとても面白かったです。また、小さな女の子のような神無が意外に強かったので驚かされました。 ジャンルは戦国妖怪アクション・ファンタジー。アクションやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>犬夜叉シリーズ1~49巻セットもあります
2007年07月03日
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魔書使いクリストフ・デルガルとの戦いで傷つきボロボロになって逃げて来たジネットを匿うことになったリュカ。ジネットは魔法の力で何とか存在を保っており深刻な状態ですが、このままの状態で何日か安静にしていれば少しずつ回復してそれなりに動けるようになります。しかし、動けるようになったとしても完全な回復は望めない状態なので、その後もし再び敵と戦うことになったとしたら今度こそ確実にジネットの命はありません。そして、ジネットを案じるアルト老は「ジネットが完全に回復しない原因は自分の回復以外に魔法を使い続けていることにあるから、もしもの時はその魔法を解いてもよいか」とリュカに尋ねるのです。死んだリュカの体を生かしているのはジネットの魔法なのでその魔法が解かれてしまえばリュカはそのまま死んでしまうことになります。しかし、ジネットが死んでしまえば自然とリュカにかかった魔法も解かれるので結局リュカも死んでしまいます。リュカは「このままジネットが無駄に死ぬより自分が死んでジネットが助かった方が良い」と理解しますが・・・。 「銀月のソルトレージュ」シリーズは、有名な物語にもなっている大昔の伝説に登場する魔女、騎士、姫たちの争いに主人公のリュカ・エルモントが巻き込まれていくというストーリーです。二百年前の伝説に登場する古き王国は当時の第一王女が起こした内乱によって滅んでしまいました。その際、恐ろしい力を秘めた魔法書が流出したことで魔法書の代役・不死者(レヴナント、レヴナントは魔法書と融合した存在です)や魔法書の力を使いこなす魔書使いたちが生まれることになったのです。そうした魔法使いたちは約200ある魔法書の数だけ存在し長い年月の間互いに争っており、リュカはジネット姫と騎士レオネルの争いに巻き込まれて戦うことになります。魔法使いではないリュカですが幼馴染みの少女アリスを学院中の男から守るため膨大な決闘経験があり、自然とリュカの命を救ってくれたジネットのために戦います。また、リュカの身体には何故か最強の魔法書「ひとつめの嘘」(ソルトレージュ)が隠されていて魔法使いと戦えるようになるのです。 ジネットを自分の家に匿うことになったリュカは、リュカが魔法と関わっていることを伯父のアルベール・エルモントと学院の魔書使いライア・パージェリーに知られてしまいます。普通なら魔法使い同士争わなくてはなりませんがジネットもアルベール、ライアも「リュカを魔法に関わらせて危ない目に遭わせたくない」ということで一致していて緊張感は漂うものの何とか戦いを回避することになります。ところがジネットを追って魔書使いクリストフが学術院に侵入することになり、戦えないジネットと「ひとつめの嘘」(ソルトレージュ)に関わるリュカたちに危機が迫るのです。1巻から続く「ひとつめの嘘」(ソルトレージュ)とリュカに隠された驚くべき謎が明かされたり、リュカの家族の秘密や今回登場するライアとの関係そしてリュカの運命など嘘と真実の交わった驚愕の展開が大変面白かったです。また、刻印した物に命令を与えて動かすことができる魔書使いクリストフとの息詰まる戦闘もとても良かったです。 ジャンルは魔術アクション・ファンタジー。アクションやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>銀月のソルトレージュシリーズ
2007年07月02日
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元修道士で森番をしているエリは犬とともに黒猫を追いかけていたところ、寒さの中で薄汚れた衣服一枚で倒れている6~7歳の小さな少女を発見します。そして、エリは行き倒れて眠り込んでいた少女を森の警備小屋まで運び保護することになるのですが、翌朝になって同じく森番のヘイドが「一滴も飲んでねえのに幻覚が見えた。テーブルの上に幽霊が寝てるのがはっきり見える」と不安そうに騒ぎ出し何事かと顔をしかめることになります。よく見るとヘイドが言う幽霊が居る場所には、昨夜保護した少女が暖炉の近くて満足そうな表情で眠っている微笑ましい光景があるだけなのですがヘイドは少女のことを「幽霊」だと言い張ります。どうもヘイドには普通の少女が「幽霊のように透き通った姿」に見えているようなのです。エリはヘイドが重い病気に罹っていると心配しますが、そんな中突然小屋に入って来た黒猫が人間のようにしゃべり出して・・・。 「光降る精霊の森」は、事情があって森番をしていて、しばらく前から得体の知れない奇妙な黒い影にも悩まされている元修道士の主人公エリが半精霊の少女ファティと黒猫の姿の精霊ゼッテと出会い、精霊たちのトラブルに巻き込まれていくことになるというストーリーです。エリは殺人事件に関わったことで追われているのですが、ゼッテから「僕らと一緒にディエフまで行ってほしい」と頼まれ困ってしまいます。半分人間・半分精霊の少女ファティは精霊にとり憑かれた者には普通の少女に見えますが、普通の人間たちには幽霊のような姿に見えたり場合によっては全く透明の姿なので誰か人間の助けがないと人間世界を旅することが困難なのです。エリは本人が知らないうちに精霊にとり憑かれており、このまま放っておくとすぐ死んでしまうので精霊憑きを治してもらうのと引き替えに仕方なくゼッテたちの頼みを聞き入れます。しかし、指名手配のエリや精霊の力を持つファティ、ゼッテの旅はトラブルばかりの厳しいものになっていくのです。 ファティとゼッテは知り合いの精霊フォルママ(正式にはフォルテシモという名前です)を救うためディエフにいるらしい鷹の女王エカラートを探しています。一方、エリは家族内で起こった殺人事件が原因で指名手配されており、エリの身分が高かったことで捕まってしまうと大変なことになってしまいます。エリはファティになつかれ仲良くなり、「そう簡単に指名手配と分からないだろう」と旅立ちますが途中で警備をしている騎士の一団と遭遇したり、勘違いした精霊に襲われたり、予想していた以上の様々なトラブルに巻き込まれてしまうのです。不思議な精霊の事情にビックリして振り回されたり、指名手配として追い回されたり、精霊と戦ったり、大変な目に遭ったことで自分の家族や殺人事件と向き合うことになっていくエリの活躍がとても面白かったです。 ジャンルは精霊冒険ファンタジー。ファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>
2007年07月01日
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