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依鈴に会うため夾の師匠の所を訪れた透。しかし、そこには透と夾の仲を不満に感じている楽羅がいて透は一撃で楽羅に倒されてしまいます。「一番大切な人は夾だと気づきながらもなかなか仲を進展させられない」透と「夾のことが好きなので両思いの夾と透を複雑な気持ちで見てしまう」楽羅はどうしても衝突することになり、透は怪力を誇る楽羅の拳にこめられた強い想いを物理的に受け止められず気絶してしまったのです。一方、草摩家の当主・慊人と母親の楝は長年の確執から互いに憎み合っていました。そして、慊人の父親であり楝の夫でもあった故人・草摩晶の残した箱をめぐって慊人と楝は激しく争うことになります。そんな中、唐突にウサギに変身する十二支憑き紅葉に異変が起こって・・・。 「フルーツバスケット」シリーズは、両親を亡くして天涯孤独になった主人公の少女・本田透が「十二支の呪い」のため異性に触れると十二支の動物に変身してしまう一族・草摩家の人々と一緒に生活することになるというストーリーです。両親を失ったことにも負けず前向きに一生懸命頑張る透は、十二支の動物に変身するために酷い差別を受けている草摩家の人々を勇気づけ救うことになるのです。そして、透は草摩の一族の中でも最も蔑まれている猫に変身する少年・草摩夾のことが好きになり、夾もまた透のことが好きになります。ところが春までに夾の呪いが解けなければ夾は一生幽閉されてしまう運命にあり、透は夾とともに幸せになるために「十二支の呪い」を解こうと強く決意します。 「十二支の呪い」はすでに解けかかっていて、呪いは自然にひとつひとつ次々と解けていくことになります。しかし、呪いが解けかかっているといっても「いつ夾の呪いが解けるのか?」は分からず透は夾の呪いを解く方法を探すため奔走することになるのです。一方、「十二支の呪い」の存在を心の支えにして生きている草間慊人は呪いが次々と解けていくことに激しい衝撃を受け動揺することになります。そして、透と慊人二人の少女は呪いの崩壊とともに厳しい試練に立ち向かわなくてはならなくなってしまいます。「十二支の呪い」によって生まれる絆、ちょっとした偶然により生じる人間同士のつながりなど複雑で過酷な運命に翻弄されることになる透や慊人の姿がとても面白かったです。 ジャンルは十二支ハートフル・ラブストーリー・ファンタジー。ラブストーリーやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>フルーツバスケットシリーズ
2007年04月30日
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危険を顧みず自分の体を犠牲にして勇敢にユシヤちゃんを守ったデュラハンのフォン・シュバルツェン。しかし、体を動かせなくなったフォン・シュバルツェンは生首同然の姿になってしまいオルレーユ城の仲間たちから「食堂のテーブルに生首があると絶望的に食事がまずくなる」などと邪魔者扱いされてしまうのです。しかもユシヤの祖父クルセイダーのルイラムまでも「魔人に乗っ取られたフォン・シュバルツェンの体を取り戻すのは無理だからあきらめてくれ」と孫を助けられたにも関わらずあまりにも冷淡な態度なのです。その上、フォン・シュバルツェンは動けないこと所をつけこまれ顔に落書きをされたり仲間たちにやりたい放題されてしまいます。そんな中、フォン・シュバルツェンの体を乗っ取った魔人から闇の力が出て部屋が侵蝕されたり、おちこぼれサキュバスのイルザリアが単位不足でサキュバス再教育センターに送られることになったり新たな問題が次々と発生して・・・。 「お留守バンシー」シリーズは、主人公の家事全般が得意な精霊アリアが魔物たちが暮らすオルレーユ城のお留守番をすることになるというストーリーです。アリアの主人ブラド卿はバンシーのアリア、デュラハンのフォン・シュバルツェン、サキュバスのイルザリア、リビングデッドのフンデルボッチ、ガーゴイルのセルルマーニなど魔物の仲間たちと一緒にオルレーユ城で平和に暮らしていました。ところがクルセイダーのルイラムと魔女のトファニアたちのせいでブラド卿が城から逃げ出したり、オルレーユ城の一部が破壊されたりしてブラド卿が城に居られなくなりアリアがお留守番をすることになったのです。アリアは城を修復してブラド卿に早く帰ってきてもらおうと頑張ることになりますがルイラムの孫ユシヤちゃんを育てなくてはならなくなったり、勘違いしたブラド卿が刺客を雇ったり、魔女のサバトが催されることになったり、平和だったオルレーユ城は次々と厄介なトラブルに巻き込まれることになっていきます。 シリーズ完結編です。男性が苦手で清楚な落ちこぼれサキュバス・イルザリアは「124単位取らないと一人前のなれないのに50年もかかって2単位しか取れていない」とサキュバス再教育センターの使者から怒られてしまいます。そして、すぐに単位を取得しなければサキュバス再教育センターに送られてしまうことが決定してしまうのです。アリアたちは仲間のイルザリアを守るためどうすれば良いのか?その方法を探して奮闘することになります。落ちこぼれサキュバスのイルザリアがどのようにしてオルレーユ城で暮らすことになったのか?可笑しくて楽しい真相が明かされることになり大変面白かったです。しかし、ストーリーが中途半端な所で完結してしまいがっかりしました。きちんと区切りをつけて完結してほしかったと思います。 ジャンルはモンスターほのぼのコメディ・ファンタジー。コメディやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>お留守バンシーシリーズ
2007年04月29日
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相棒のデュアンと再会するために待ち合わせ場所のガイトムントへやって来たオルバとその連れズーニョ。ガイトムントにはオルバの元妻アズルが住んでいて、オルバたちは彼女の所に3日ほどお世話になることになります。アズルは自分を捨てて冒険の旅へ出て行ってしまったオルバに多少の仕返しをしながらも仲間で恩人だったアルフレックを失い落ち込んでいるオルバとズーニョを温かく迎え入れるのです。そしてオルバたちがズーニョの僧院へ出発して3日経って、今度はデュアンとルルフェがアズルの元を訪ねることになります。知的で爽やかなオーラと存在感を発しているのにどこか子どもっぽいデュアン、ほっそりと華奢でおどおどしているルルフェの可愛らしい二人があまり冒険者らしくないのでアズルは驚きますが、彼らを快く迎え入れオルバたちが僧院へ向かったことを教えることになるのです。そうしてデュアンとオルバが別れてから約半年、魔法戦士として成長したデュアンと過酷な戦いをしてきたオルバはついに再会することになって・・・。 「デュアン・サーク」シリーズは、小柄でひよっこ戦士の主人公のデュアン・サークが数々の冒険をくぐり抜けていくうちに伝説的な勇者へと成長していくことになるというストーリーです。デュアンは頭の回転が早く様々な危機をその機転で切り抜けてきました。そして、賢者オパールから助言を受けたデュアンは魔法使いサヴァランの元で魔法の修行をし、魔法戦士を目指すことになるのです。ところが修行中に大魔法テレポーテーションを使うことに成功したデュアンですが、魔法を自分の意志でコントロールすることができず自分の大きな魔力をどうすれば良いのか?悩むことになります。さらにデュアンは大きな魔法をコントロールできずに使ったことで体調を崩してしまいます。しかし、恐ろしい敵・闇魔の出現でデュアンは調子が悪いと言っている暇もなくデュアンを慕うレンジャーのルルフェットとともに闇魔を倒すために旅立つことになるのです。そして以前からの仲間である凄腕の戦士オルバやフィアナ国の王女であり魔法使いでもあるアニエスたちに力を貸してもらうため彼らを探すことになります。 魔法使いだったアニエスですが魔法使いに向いていないことに気づき、火の精霊使いとしての修行を一から始めていました。そうして精霊使いだった母の元で火属性の様々な精霊たちと根気良く接したアニエスは、火の精霊使いとして新たな一歩を歩み出すことになるのです。ところが突然火の精霊たちに異変が起き、アニエスはこの謎の異変を解決するためデュアンたちに相談しようと探すことになります。今回は、火の精霊たちの異変の謎に挑むことになったデュアンとその仲間たちが次々と再会を果たしていきます。それぞれに成長した彼らが久しぶりに再会するということで感慨深く感動的でした。特に3巻以降あまり登場機会がなかったアニエスが大活躍で彼女の修行シーンや精霊使いとしての戦闘、そしてデュアンやルルフェたちとのやり取りなど大変面白かったです。 ジャンルは冒険アクション・ファンタジー。ファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>デュアン・サークシリーズ
2007年04月28日
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突然リーの両親と名乗る人々が6人も現れ、アレックスたちはビックリしてしまいます。リーの後見人であるアレックスは「廃棄物同然で10年も放っておいた子どもに何の用だ!」「一人の子どもに6人の親など生物学的にありえない」と怒りますが、騒ぎ立てられても困るので仕方なく見知らぬ男女6人を屋敷に迎えることになるのです。ところがリーの両親を自称する6人は「会いたかったわ!ようやく会えたのね!」「どうぞママと呼んで」「ほーらパパだよ!」「ちょっと邪魔しないで」「あなたこそどきなさいよ!ずうずうしい!」などとアレックスやメアリーを無視して口々にまくし立てることになります。驚いて呆然としているリー本人すら気にかけず騒ぐ6人の大人たちに怒ったアレックスは銃を取り出し、天井に向けて発砲するのです。そうしてアレックスは一瞬で静になった6人に「あなた方はリーの親だと言うが、その証拠を見せていただこう!」と問いただすことになって・・・。 「ねじまき博士」シリーズは、主人公である17歳の天才変人少年博士アレックスが野生動物に育てられた少女リーを引き取って一緒に暮らすことになるというストーリーです。野生動物に育てられたと言ってもリーは動物学者のカシュー博士に教育を受けていたのでワイルドな所はあるもののとても頭が良いのです。しかし、カシュー博士が亡くなってからは人間を信用せず警戒していました。一方、アレックスはカシュー博士の友人だった行方不明の祖父の変わりに身寄りのないリーを引き取ることになるのですが、極度の人間嫌いで研究ばかりに熱心な変人なので最初リーと衝突を起こし大騒ぎすることになるのです。しかし、変人のアレックスも賢くて大人な野生少女リーと衝突しながら理解し合ううちに少しずつ常識的なことが分かるようになっていくことになります。 博士のスキャンダルをスクープしようとしている特派員ナターシャのせいで「17歳の変人博士、動物に育てられた少女と同棲中!?」など胡散臭いゴシップ記事を書き立てられアレックスたちは困ってしまいます。さらにゴシップ記事の影響により、どう考えても偽者のリーの両親が6人も現れたり、アレックスの従兄グウェインが車で人を跳ねたり、アレックスの屋敷で長年執事をしてくれているロレンスが「改造人間」と騒ぎ立てられたり次々と大迷惑を被ることになるのです。そんな中、行方不明になっているアレックスの祖父やどんなに調査しても身元不明なリーの事など謎が明かされることになっていきます。スキャンダルで騒がれることになるアレックスやリー、ロレンスたちですが困った異常事態をみんなで力を合わせて乗り越えていくことになり、とても面白かったです。また、明かされることになるリーの正体も意外でビックリしました。 ジャンルは変人コメディ・ファンタジー。コメディやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>ねじまき博士シリーズ
2007年04月27日
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継母の女王から疎まれている王女サンは、サウスシーの名前も知らない小島に大使として行かされることになります。ところがサンの船出の日はちょうど大嵐と重なり、船は岩礁に乗り上げて転覆してしまうのです。そして、女王に仕えている者たちは当然サンを見捨てて逃げることになり、サンは逃げ遅れた侍女二人とともに溺れ死ぬ時を待つしかなくなってしまいます。これはサンが15歳になって正式な王位継承権を得る前に抹殺してしまおうという継母の女王の陰謀だったのです。しかし、サンたちは嵐の中通りがかりの海賊に命を救われて生き延びることになります。海賊たちに王女だとばれないように少年の姿に変装したサンは、海賊に囚われて監禁されてしまった侍女たちと頼りになる従者エスピオン(彼は腕の立つ剣士ですが海賊を油断させるため女装してます)を守るため海賊船の下働きとして働くことになるのです。王女として育ったサンには、海賊船で料理番をしているシルバートの手伝いは厳しすぎて・・・。 「聖海のサンドリオン」シリーズは、不幸な出来事に遭い続けている主人公の王女ソラーナ(少年に変装している時はサンと名乗っています)が継母の女王に故郷の島を追い出され、偶然乗り込むことになった海賊船?「緑の宝玉号」で大海原を冒険することになるというストーリーです。サンの面倒を見ることになったシルバートは、本当は女の子で王女だったので何の手伝いもしたことがないサンを「さっさと行動しろ!お前反応鈍すぎ!」と男性と同様に馬車馬のように容赦なく働かせることになります。しかし、船酔いで苦しむサンは満足に動けずエスピオンや侍女を助けて逃げることもできません。しかもシルバートは「救われた者は救った者に全身全霊で恩を返さなければならない掟だからお前は一生俺の奴隷だ」と理不尽なことばかり言ってくるのです。さらに侍女たちも「私たちは姫の不幸に巻き込まれて酷い目に遭っているのです」とサンを非難することになり、サンは理不尽なほどに不幸な自分に困りながらもお人よしなので侍女やエスピオンを助けるようと頑張ることになります。 陸地のほとんどが海に覆われた世界の物語です。そこでは島に住む王族や貴族が威張っていて庶民は海で生活しています。また、いろんな神様や神様に祝福され「銘」を刻まれたことで特殊な能力を持つ人々「銘もち」たちがいて不思議な能力で敬われたり恐れられたりしているのです。サンが下働きしている「緑の宝玉号」には3人もの「銘もち」が乗っていて、サンは彼らのとんでもない行動や性格に振り回されながらも「緑の宝玉号」で生活していくことになります。食材に個性的な名前を付けたり女性にモテまくり困るシルバートやいつも眠っている船長のナーウァルクス、暑さを感じなくて食事もしない副長サジェスなど魅力的で不思議なキャラクターたちが大変面白かったです。また、次々と不幸や試練に襲われながらも人々の善意を信じて健気に頑張るサンがとても良かったです。 ジャンルは海洋冒険ファンタジー。ファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>聖海のサンドリオンシリーズ
2007年04月26日
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農業高校へ通っている上原一馬は「今日もオレ様を愛する作物たちが待っている・・・行け!鉄の愛馬ブラックホーク!向かうは我が大根畑なりッ!」と変な歌を高らかに歌いながら自分が育てている大根畑に向かっていました。そして、そんな一馬に恋する幼馴染みの三谷みのりは「馬鹿っぽい歌を歌わず黙っていれば格好いいのに」をつぶやきながら建物の陰に隠れて一馬を見つめています。一馬のことが好きなみのりは、隠れたりせず一馬と話したり一馬を手伝って野菜を育てたいと思っているのですが「野菜を含め農業全般が大嫌い」だと宣言しているので自分の気持ちに素直になることができないのです。しかし、「一馬が美女と知り合ったりしないか?」どうしても一馬のことを放っておけずストーカーのように一馬をつけまわしています。そんな時、突然現れた女の子が10メートルほどの高さから落下し腰のあたりまですっぽりと大根畑に埋まってしまうことになります。ところが一馬は何事もなかったように作業を続けて女の子が「こんにちはなのです!」と話しかけても「人間みたいな大根!」と見当違いな応答をしていて・・・。 「ぼくたちには野菜が足りない」シリーズは、農業を愛し農業人口を増やす努力を続けている主人公の上原一馬が大根畑に落ちて来た宇宙人の少女コペルと結婚を前提に農業の指導をすることになるというストーリーです。宇宙人のコペルにはお尻の所に緑色の野菜のヘタがついていて「家族以外の異性にヘタを見られたらその人と結婚をしなければならない」のです。また、相手が結婚を拒んだ場合はその相手を殺さなければなりません。こうして尻のヘタを見た一馬とヘタを見られたコペルは、結婚を前提とした同棲生活をすることになるのです。しかし、コペルは「地球に農業の勉強をしにきた」にも関わらず野菜を食べることができなくて一馬は「農家の嫁になるには未熟すぎる!」と結婚を拒否します。そして、結局「コペルが野菜を食べられるようになったら結婚する」ということで話がまとまることになります。 当然、コペルとみのりの間で一馬をめぐる恐ろしい争いが繰り広げられると誰もが思うのですが、何故かダメダメなコペルをみのりが助けることになっていきます。また、農力(農作物を育てるために利用できる超能力のことです。一馬には鍬を光輝かせる農力があります)のことで一馬たちは宇宙人の管理官シイと対立することになります。「野菜と心が通じ合う部分があって可哀相で野菜を食べられない」コペルと「農業の普及と農業人口を増やすため頑張る」一馬、そして「一馬が好きという自分の気持ちに素直になれず、コペルを応援してしまう」みのり。3人が繰り広げるちょっと奇妙でおかしな恋愛バトルが楽しかったです。また、ストーリーの中にためになる野菜知識がたびたび紹介されているのが興味深くて良かったです。 ジャンルは野菜SFラブコメディ。SFやラブコメディが好きな人にお薦めです。<終>ぼくたちには野菜が足りないシリーズ
2007年04月25日
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もともとケイロニア王の演技をしたり擬闘を見せたりする旅芸人としてタイスにやって来たのにタイス伯爵に見事な筋肉と巨大な体躯、怪力を見込まれて剣闘士にされてしまったグイン。グインは「俺は戦うのが嫌いなのだ」とか「魔道師にかけられた術を解きたいからタイスから出させてほしい」と主張して何とか水神祭りに行われる武闘大会から逃げ出そうとしますが、タイス伯爵から「豹頭の戦士の方が目立って良い」「そんな下らぬことを気にするより武闘大会で優勝すれば金・栄光・名声が手に入り英雄になれるぞ」と一方的に言われて逃げ出す理由を強引に否定されてしまいます。さらにグインの連れには全く戦えない心優しい美女フロリーや幼児のスーティ、戦えない軟弱男マリウスなどがいて実力行使でタイスを脱出することもできません。そして、グインは仕方なく剣闘士として闘うことになってしまうのです。グインは多少強い相手が出てきたらワザと負ければ良いと考えますが・・・。 「グイン・サーガ」シリーズは、記憶を失った状態で突然辺境の森に出現した主人公の豹頭の戦士グインが困っている王族の危機を救ったり、人望や武勇を認められて大国ケイロニアの王になったり、恐ろしい侵略者から国々を守ったりすることになるというストーリーです。ところが隣国を守るため強敵と戦ったグインは再び今までの記憶を失ってしまうことになってしまいます。そして、記憶を失った状態で王を続けるのは不可能だと感じたグインは吟遊詩人のマリウスとともに記憶を取り戻すための旅に出ることになるのです。しかし、グインの姿が豹頭で目立つことやゴーラ王国の争いに巻き込まれているフロリー、スーティ親子を守らなくてはならなくなったことで旅は困難を極めることになります。さらに快楽の都タイスを訪れることになったグイン一行は、あらゆる快楽を肯定している特殊すぎるタイスの風習やグインを無理矢理剣闘士にして武闘大会に出場させようとするタイス伯爵せいで困った事態に追い込まれることになっていきます。 あまりに弱い相手にはそれなりに強いところを見せて勝ち、それなりの実力の相手が出てきたら互角に闘っている演技をしたり多少ピンチに陥るふりをして多少ケガをしてみせたり場合によってはワザと負けようと考えているグインですが、グイン自身が強すぎて「負けてみせる相手」を誰にするのか?選ぶことができなくなってしまいます。そうこうするうちにグインはタイスの四剣士というタイスの中でも上位の剣士たちと対戦することになってしまい、今度は相手の実力がありすぎて八百長をすることも難しくなってしまうのです。わざと弱いふりをしたり、「自分は臆病で弱い」と言い訳をしたり、どの相手に負けると良いか?悩んだり、必死に自分の実力を誤魔化そうとしながらもそれでも結局勝ってしまい困り果てるグインの姿が面白かったです。 ジャンルは、剣闘士アクション・ファンタジー。アクションやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>グイン・サーガシリーズ(一部)
2007年04月24日
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叶野市の土地神かのう様をもてなす祭りに強制的に参加させられた秋庭率いる叶野学園生徒会メンバーたちですが超能力を操る黒猫の仮面をつけた謎の集団に襲撃されたり、かのう様の憑坐である彩波が誘拐されたり、さらに秋庭たちの仲間である生徒会臨時役員・羽黒花南が突然裏切ることになったり、大混乱することになります。ところが敵である黒猫側も「かのう様を見つけ出して拉致する」という目的を達成することができず、秋庭たちと黒猫たちは「広い和家の屋敷の中からかのう様のいる参の間を先に探しだす」勝負を始めることになるのです。しかし、今まで信頼していた羽黒に裏切られたことでショックをうけている秋庭たちは、敵に回った羽黒に対してどう接すれば良いのか?分からなくなってしまいます。そして話し合った結果、秋庭たちは「かのう様を見つける勝負に勝つ」のと同時に「仲間である羽黒花南を取り戻す」ことになって・・・。 「神様ゲーム」シリーズは、格好良くて優秀な頭脳とカリスマ性を持っているのに何故か「自分は人相が悪い」と思い込んでいたり念願の生徒会長になれなかったりする主人公の秋庭多加良が腹黒で陰謀好きな土地神かのう様に目を付けられて神様の催すゲームに巻き込まれてしまうというストーリーです。かのう様のゲームは「願いの植物が咲いた人間から結晶化した花を摘む」というものです。叶野市にいる自分の願いがもうすぐ叶いそうな人間には、かのう様が植えつけた「願いの植物」が芽をつけます。そして、その人間の願いが叶えられると花が咲くことになるのです。しかし、もし願いが叶えられなかったり、願いが叶ったとしても花を摘んでもらえなかったりするとその人間は死んでしまったり眠ったまま意識が戻らなくなってしまいます。秋庭と叶野学園生徒会メンバーたちは人間の命がかかっているので「願いの植物」が咲いた人間の願いを叶える手伝いをしたり、願いが結晶化した花を摘むことになるのです。また、かのう様はこのゲームの他にも様々なやっかい事をたくらんで秋庭たちを困らせることになります。 「自分は嘘つきです」と言う羽黒とその姉の凜音たちと対決することになった秋庭、桑田、尾田たちですが「勝負に勝つ」ことと「羽黒の真意を知り、羽黒を取り戻す」ことをなかなか両立できず苦戦します。さらに羽黒にも「願いの植物」が咲いてしまい、秋庭たちは何としても「羽黒の本当の願い」突き止めなくてはならなくなるのです。そんな中、秋庭と桑田と尾田たち3人はそれぞれ「勝負を捨ててでも羽黒の本当の気持ちを確かめる」「あらゆる手を使って勝つために真剣に勝負する」「最後まで羽黒花南を信じぬく」という自分なりの方法で戦うことになります。一方、羽黒は「自分は嘘つきで裏切り者だから救われなくても良い」と主張するとともに姉や秋庭たちが傷つかないように密に頑張っています。最後まで友情を信じ抜き羽黒の切ない想いに応えるため必死に奮闘することになる秋庭たちの活躍が大変感動的でとても面白かったです。また、今回はかのう様の真の正体も明らかになり驚かされました。 ジャンルは、神様探し友情ファンタジー。友情ストーリーやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>神様ゲームシリーズ短編集もあります
2007年04月23日
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冒険者のミスリルやデインたちとともに地下迷宮にいる魔獣マンティコアを退治することになったサーラ。しかし、魔獣キマイラに恐ろしい呪いをかけられたり最愛の少女デルが魔獣ナイトフライヤーになって行方不明になったり、今まで「魔獣」で酷い目に遭っているサーラには陰鬱でなりません。特にサーラは、自分が原因で愛するデルを魔獣にしてしまったことに重い責任と深い後悔を感じていて魔獣との戦いで死んでしまっても良いと考えてしまうのです。また、サーラは自分のせいでデルが恐ろしい罪を犯してしまったことで「自分の手で魔獣になったデルを殺さなければならない」もしくは「自分がデルによって殺されなければならない」と思いつめることにもなります。そうしたある日の夜、サーラはザーンの町を支配する盗賊ギルドのマスター・ダルシュから突然呼び出しを受けます。そして、ダルシュはサーラに対して自身が見たという不思議な「夢」と「運命」について語り始めることになり・・・。 「サーラの冒険」シリーズは、物語に出てくるような英雄にあこがれている主人公の少年サーラが英雄になるため冒険者たちとともに様々な冒険をしたり、盗賊ギルドで修行することになるというストーリーです。サーラは体が大きいわけでなく名前も「サーラ」という女の子のような名前なのでコンプレックスを持っていて自分に自信がありませんでした。しかし、村を訪れた冒険者のデインやミスリルたちに連れられて冒険をするうちにサーラは勇気や機転で仲間たちの危機を度々救うことになり、英雄としての道を少しずつ歩き始めることになっていきます。また、サーラを修行しているザーンの盗賊ギルドで闇の王子ジェノアに付け狙われている少女デルと出会い恋に落ちることになるのです。そうしてサーラとデルは恋人同士になり一緒に冒険をすることになるのですが、デルはサーラにかけられていた呪いを解くために殺人を犯し魔獣になってしまいます。愛するデルが魔獣となって姿を消したことでサーラはショックをうけ精神的に追い詰められますが、デルを取り戻すため再び立ち上がることになります。 シリーズ完結編です。ダルシュから「魔獣となり闇の女王となったデルがザーンを悪の都にして支配している奇妙な夢を見た。夢では青年になったサーラがデルを倒した。このままいけば未来は夢のとおりになるだろう」と告げられたサーラは衝撃を受けます。さらに「わしはデルが魔獣にならないように気を配っていたが結局は魔獣になってしまった。もし夢がこれから起こる運命だとするならデルを倒しザーンを救うことができるのはサーラお前だ」と言われてしまうのです。サーラは「愛するデルを倒す」ということに苦悩しますが、運命を覆してデルを取り戻すためジェノアや魔獣の力を操る軍団「闇の庭」たちが待ち構える盗賊都市ドレックノールに乗り込むことになります。「デルを救う」「英雄になる」という未来を実現させるため断固とした信念と勇気で困難な運命を切り開いていくサーラがとても格好良く大変面白かったです。また、1巻の時に比べると英雄として大きな一歩を踏み出したサーラの姿が感慨深く感じられました。 ジャンルは冒険アクション・ファンタジー。アクションやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>サーラの冒険シリーズサーラの冒険全巻セットもありますサーラの冒険に関連したストーリーです
2007年04月22日
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「ナゾの行事」の影響でサンク・マリカ大聖堂が使えなくなり、サンク・マリカで行われるはずだった結婚式が無期限延期になってしまったノン。ノンとそのダンナさんは、突然「明後日の結婚式の日にサンク・マリカ大聖堂を使った行事が急遽強引にとり行われることになったので結婚式を中止してください」と言われて結婚式場の使用権をやむなく譲ってしまったのです。仲間のノンのため休日をとって結婚式を盛大に祝う予定だったマーガスは「サンク・マリカでの結婚式をしばらく禁じる」というサンク・マリカ上層部の理不尽な命令に怒りを覚え、イッコやケンジとともにノンが前から楽しみにしていた結婚式をぶち壊した原因を探るため「ナゾの行事」とはどんなものなのか?偵察することになります。そして、マーガスたちは結婚式延期の元凶がサンク・マリカ大聖堂の最上階に無理矢理住んでいる大企業ライブウィンドウの三男坊ホリィであることを突き止めるのです。さらにホリィは「お金の力で町中の店を買収するんだ」ととんでもないことを言い出して・・・。 「七人の武器屋」シリーズは、変な商売で小銭を稼いで適当に生活していた主人公のマーガス、料理好きでのんびり屋なムードメーカーのノン、愛するサンク・マリカ大聖堂を手に入れるため大金を儲けようとする情熱的な女イッコ、フランの町で自分の店を持つため掃除夫として働いている心優しき大男ドノヴァン、ジャンケンだけが特技でノリだけで生きる悪友ジャン、超一流のブリッコで男心を翻弄しまくるお嬢様ミニィ、仲間の中では最も常識を持つ天才鍛冶師少年ケンジの七人が怪しげなオーナー募集に引き寄せられていきなり武器屋「エクスガリバー」を経営することになってしまうというストーリーです。武器屋としてはみんな素人、性格も目的もバラバラ、店を開こうにも商品となるべき肝心の武器がない、というボロボロな状態で始めた武器屋経営がうまくいくはずがなく七人は何度も挫折しかけます。しかし、個性的な七人だからこそできる自分たちの武器屋「エクスガリバー」を目指して、七人は心の底から仲間を信じて絶望的な状況を乗り越えていくことになるのです。 マーガスたちはお金に物を言わせて何でも思いどおりにしようとするホリィからフランの町を守り、ノンの結婚式ができるようにホリィの計画を潰そうとします。ところがフランの町の人たちはお金の力に惑わされてホリィの味方にまわり、マーガスたちの邪魔をすることになってしまうのです。さらにホリィは武器屋「エクスガリバー」の向かい側に「ライブウィンドウ・ブレイド」という武器屋をオープンし、露骨に「エクスガリバー」を潰そうと狙ってきます。マーガスら「エクスガリバー」の仲間たちは良質の武器を赤字確実の激安値段で売りまくるなどの「ライブウィンドウ」の作戦に苦戦しますが、仲間たちの力を合わせてお金の力に挑むことになるのです。仲間のノンの結婚式を祝うため、新たに開発した不思議で愉快で驚異的な武器とフランの町で今まで築いてきた人々の信頼で「ライブウィンドウ」と戦うマーガスたちの活躍が大変面白かったです。それにしても今回のストーリーは以前の「ライブドア」騒動のことを思い出してしまいました。 ジャンルは武器屋経営友情アクション・コメディ・ファンタジー。アクションやコメディが好きな人にお薦めです。<終>七人の武器屋シリーズ
2007年04月21日
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体から立ち上る湯気、上気した頬を撫でる涼しい秋風とともに心地よく銭湯・松乃湯から出てきた小谷。しかし、小谷が出てくるのを銭湯の外で待っていた名門は「お前は僕に風邪を引いてもらいたいんだな。なんでお前は僕が出てから30分も経たないと出てこないんだ」と最高に不機嫌な顔で怒っていました。手早く風呂から上がりドライヤーなんて面倒くさいから使わない名門に比べて女の子の小谷はどうしても入浴時間が長くなるのです。ところが怒った名門は「銭湯の古くてぬるいドライヤーで時間をかけて完全に髪を乾かしたな。次は絶対置いてくからな」と言い放ち、小谷が追いつけない速度で歩き出します。「名門さんごめんなさい。これからはもっと早く出てきますから置いて行かないでください」と縋り付く小谷に対して名門は「冗談だ。馬鹿」と温かく小谷の手を握り返すことになるのですが、次の瞬間「僕がいなくても大丈夫なんだろうな?」と問われ小谷はビックリしてしまいます。名門が研修でいない夏期休暇の間、小谷は学校の寮で暮らさなくてはならなくなって・・・。 「最後の夏に見上げた空は」シリーズは、遺伝子強化兵にされてしまい記憶も失った主人公の少女・小谷順子が死ぬまでの期間を大切に過ごすことになるというストーリーです。遺伝子強化兵とはかつて起こった戦争の際に遺伝子レベルで改造された子どもたちのことです。遺伝子強化兵は普通の人間ではありえない超常的な能力を発揮することができるのですが、その代償として能力が発揮できるようになってから一週間ぐらいで死んでしまいます。戦争は終わりましたが遺伝子強化兵の運命は変わらず、社会は遺伝子強化兵が問題を起こさないように周囲から隔離したり酷い扱いをしているのです。二ヶ月前までの記憶を失っている小谷は今までの生に執着できず漠然とした終わりを予感しながら生きてましたが、だからこそ精一杯の現在をあるがままに生きようと頑張ることになります。 名門と離れて遺伝子強化兵たちが集まる学校の寮で暮らすことになった小谷は問題児の吉原剛臣に目を付けられて嫌がらせを受けることになってしまいます。クラスメートで友だちの太一や啓介たちは小谷をいじめから守ろうとしますが、小谷は自分を守ろうとしてくれた友人たちが傷つくことに耐えられず自ら吉原に立ち向かうことになるのです。また、名門のいない生活は小谷にとって非常につらいもので小谷は名門を想う自分の気持ちに気づかされることにもなっていきます。遺伝子強化兵をめぐる悲しみの連鎖や葛藤はつらいのですが、そうした中でも失われることのない友情や恋心など小谷たちの大切な気持ちがとても感動的で大変面白かったです。特に少しでも多くの時間を大好きな名門と過ごしたいと願う小谷が切なくてその気持ちが伝わってきました。 ジャンルはハートフル・ラブストーリー・ファンタジー。ラブストーリーや感動的なストーリーが好きな人にお薦めです。<終>最後の夏に見上げた空はシリーズ
2007年04月20日
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修学旅行で京都へやって来た琴葉と棚彦ですが初日から三日連続で雨に降られ、雨がやんだと思ったら友だちと引き離されて無責任教師・脇野啓二郎に付き合わされることになりうんざりしてしまいます。そして、脇野に連れられて倉崎財閥の六角屋敷へ呼ばれた琴葉と棚彦は、倉崎家で執事をしている中民から暗号を解いて「アステカの秘宝」を探し出してほしいと頼まれることになるのです。さらに同時期に倉崎家のお嬢様・倉崎明日香が何者かに誘拐されて琴葉たちは探偵のなる様とともに犯人の画策した「お嬢様探しゲーム」にも参加しなくてはならなくなってしまいます。一方、霧舎学園に残っている頭木保と坂下のの子たちも「倉崎財閥の秘宝」という小説を読んでこれから何らかの事件が起こると確信し、自力で事件を見つけ出してその事件を解決しようとしていました。「秘宝」も「お嬢様」も見つけ出すには暗号を解読しなければならなくて・・・。 「私立霧舎学園ミステリ白書」シリーズは、主人公の羽月琴葉と小日向棚彦が霧舎学園の伝説どおり事件を解決したり、カップルとして付き合うことになるというストーリーです。霧舎学園に伝わる伝説どおりの出会い方をした琴葉と棚彦ですが、最初は「初対面の者同士なのにいきなり付き合う」とか「探偵として殺人事件を解決する」などありえない学園の伝説に戸惑うことになります。しかし、伝説のとおり毎月ごとに殺人事件や誘拐事件がおき、ライバルの自称探偵・頭木保や琴葉の母で警視でもある羽月倫子たちから「推理勝負!」「伝説どおり付き合っている」と言われながら事件解決に協力していくうち琴葉と棚彦は仲良くなっていくことになるのです。そうして9月の修学旅行でまたしても事件が起きることになり、琴葉と棚彦は霧舎学園の学園理事長の陰謀で事件に関わることになっていきます。 誘拐されたお嬢様を見つけるための犯人手書きの京都地図と琴葉が写ったプリクラの暗号、秘宝が隠されている場所を示した六角屋敷の十一種類の彫像と「ペガサスの詩」の暗号。琴葉と棚彦は二種類の暗号を解かなくてはならなくなります。しかし、どうして琴葉のプリクラが誘拐事件に関係しているのか?十二支の動物の彫像に混じってポセイドンとかナマケモノとかの彫像があるのは何故なのか?奇妙な暗号に苦しむことになるのです。京都を舞台にした暗号を解くということで名探偵コナンの映画「迷宮のクロスロード」を思い出してしまいました。それでも京都地図だけでなく将棋や麻雀、十二支、詩などあらゆる要素を組み合わせた暗号がとても面白かったです。 ジャンルは暗号解読学園ラブコメ・ミステリー。ラブコメディやミステリーが好きな人にお薦めです。<終>私立霧舎学園ミステリ白書シリーズ
2007年04月19日
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昨日、ひよこのぴよと一緒に変な名前のアパート「富瑠菩華荘」に引っ越してきて新生活を始めようしていた螢。ところが帰宅予定のアパートはさっぱり見当たらず、アパートがあったと思い込んでいた場所には焼け落ちて黒こげになった建物の残骸があるばかりです。「道、間違えたのかも!引っ越してきたばっかだし」と螢は現実を認めたくない一心でつぶやきますが周囲の人に「富瑠菩華荘は不審火で焼けてしまった。でもみんな出払っていて怪我人がいなかったのが幸いだったねえ」と言葉をかけられ、螢はしばらくの間意識が飛んでしまうことになるのです。研究バカ一代の螢の両親は研究のために海外に行っていて全く連絡がつかず、頼るべき親類はいるかどうか不明!所持金はたったの3451円で預金通帳や家財道具や服は火事で燃えてしまい皆無。しかも引越しほやほやなので知人や友人もいません。日常生活能力のない両親に育てられたおかげで自活力には自信のある螢ですが、この絶望的な状況で自分と扶養ひよこを養っていけるはずがなく途方にくれてしまいます。落ち込む螢の前にリムジンに乗った美女が現われて・・・。 「ぴぴぴ!」は、謎の鳥類のひよこぴよと主人公の少女・鳴瀬川螢が大豪邸に居候することになるというストーリーです。純真無垢なお嬢様である真鶴・A・クォードフリクは「むかし祖父がひよこ侍に助けられたのでひよこ侍の子孫である螢さまに恩返しがしたいのです。お祖父さまができなかった恩返しを私にさせてください」と言って強引に螢を豪邸に連れて行くことになります。それだけでなく真鶴はお嬢様なのにメイド姿になって付きっきりで螢の面倒を看ようとするのです。住む場所を与えてもらっただけで恐縮している螢はこの待遇に戸惑うことになるのですが、真剣かつ純粋な好意で接している真鶴を拒否できず真鶴の恩返しを受け入れていきます。しかし、クォードフリク家に仕えている人々には尊敬するお嬢様がメイドになって誰かの世話をするなんて受け入れられるはずがなく、螢は執事やメイドたちに嫌がらせを受けることになるのです。 お嬢様に世話をされることになった螢ですがメイドたちの態度がものすごく冷たかったり、執事がジゴロな性格だったり、メイド長が世紀末覇者にそっくりだったり、変なことばかりで戸惑います。さらに真鶴の命が狙われていることまで判明して螢はどうすれば良いのか?分からなくなってしまいます。そんな中、螢と真鶴は立場や状況や性格の違いが原因ですれ違ったりしながらもそれを乗り越えて本当の友情を温めていくことになります。異常すぎるほど螢を警戒するメイドたち、そして真鶴を狙っているのは誰なのか?ちょっとサスペンス風な展開でした。そんな異常な状況にも関わらず、障害を乗り越えて友情を温めていく螢と真鶴がとても面白かったです。 ジャンルは、友情サスペンス。友情ストーリーやサスペンスが好きな人にお薦めです。<終>
2007年04月18日
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イズーが警察署長としてダナーク魔法村へやって来てから一ヶ月。イズーは「世界最後の秘境」「女はみんな魔女」というど田舎と魔法に満ち溢れたダナーク村にいまだ慣れることができないながらも何とか警察署長として頑張っていました。そして「冬始まりの日」を迎えた朝、イズーはいつも帚で暴走している突撃魔女の少女ビーから「今日はひみつの魔女集会の日だから夜になったら魔女以外の外出は禁止」だと注意されることになります。イズーは気になって「魔女集会とは何をするのか?」とビーに尋ねますが、ビーは「ひみつ」の魔女集会なのだからと言ってその内容を教えてくれません。秘密と言われて幾つもの恐ろしい想像が頭の中を駆けめぐったイズーは「男が今夜、外へ出たらどうなるんだ?」とたまらず質問することになるのですが、ビーは「ふふふ」と含み笑いを返すだけでやはり何も教えてくれません。ビーの怪しげな態度にぞっとしたものを感じたイズーは、ダナーク署の署員たちに魔女集会のことを聞くことになって・・・。 「ダナーク魔法村はしあわせ日和」シリーズは、首都警察特務課でバリバリ働いていた主人公のイズーファ・クライン(22歳)が無理矢理ダナーク村の警察署長にされてしまうというストーリーです。22歳の若さなのに事件が全く起こらない田舎のダナーク村へ強引に転属させられて不満に思うイズーですが、警察官として命令を無視するわけにはいかず仕方なくダナーク村へやって来ました。そして、イズーは警察署長の責務を果たすため真面目に仕事をしようとします。ところがダナーク村は村長兼魔女長のアガートが絶対的な権限で村の皆をまとめていて警察官としての仕事が全くない大変な所だったのです。さらに顔見知りで身内同然の者ばかりのダナーク村ではめったなことではトラブルも起こらず、もしトラブルが起こっても魔法が原因であるならイズーでは解決できません。また、ダナーク署にいるイズーの部下は仕事をしないグータラ署員ギャラントと昆虫やガールフレンドと遊ぶことしか考えていない嘱託員シーカー、透明人間の事務員サリーの3人だけなのです。それでもイズーは警察署長として村の平和を守るため真面目に働こうとします。 ひみつの魔女集会が開催されることになるのですが「魔女以外の外出は禁止」という厳しい掟にも関わらず違反者が出てきてしまうのです。怒った魔女たちは魔女裁判(魔女を裁く裁判ではなく、魔女たちが裁く裁判です)を開いて違反者シーカーを魔法鍋で煮込んで膏薬にすることを決定します。ビーたちからシーカーを助けてほしいと頼まれたイズーは、シーカーを救うためビーとともに魔女長アガートの課した試練に挑むことになるのです。魔女の掟、魔女たちの伝統、魔女の試練など部外者のイズーが部外者だからこそできる方法でシーカーを助けようと奮闘するのがとても面白かったです。今回ダナーク村の人間関係や掟など複雑な所もありましたが、愛すべきキャラクターのシーカーや辛いことがあっても頑張るビーなど登場人物たちの活躍が良かったです。 ジャンルは、ど田舎魔法コメディ・ファンタジー。コメディやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>ダナーク魔法村はしあわせ日和シリーズ
2007年04月17日
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「私は愛で世界を救おうとしている者だっ!どんな障害に満ちた恋でも成就させる恋愛最終兵器だ!」と叫びまくっている桜ヶ丘高校の前生徒会長・高天原A(アルファベットのAではじめと呼びます)の出現でサクヤと来夏は「椎堂密争奪☆お弁当バトル」をすることになります。恋愛原理主義者である高天原センパイの暴走に振り回されたくない密は、サクヤと来夏のお弁当バトルを止めようするのですが「おまえに銃や弾丸を都合してやってるのはどこの誰なんだ?」と脅迫しつつ的確に頚動脈を圧迫して実力行使にでる高天原センパイには勝てず気絶させられてしまうのです。そして、意識が戻った密は自分の席に座らされた格好で後ろ手に手錠をかけられており逃げることが不可能になっていました。「いけっ!そこでちゅーだ!来夏!」「イヒヒ、楽しみだねえ」「密を一発殴らせろ」などのヤジが飛び交う中、恐ろしい勝負が始まって・・・。 「殺×愛」(きるらぶ)シリーズは、オメガという存在に変質してしまった主人公の椎堂密が世界滅亡を防ぐため対天使兵器の少女サクヤと恋をすることになるというストーリーです。世界滅亡(カーテンコール)を防ぐにはオメガである密を殺さなければならないのですが、不死になってしまった密を殺せるのは相思相愛の相手だけなのです。こうして世界の終わりを見るという使命を背負わされた密と密を殺して世界を救いたいサクヤは、殺すために恋をして死ぬために愛し合うという奇妙な恋を始めることになります。しかし、二人が恋をしようとしている間にも問答無用で全てを破壊し「回収」する天使たちが現れることになり、密とサクヤは学校生活を守るためにも力を合わせて天使と戦うことになるのです。また、密にはすでに「あの人」という想い人がいて密とサクヤは「契約」「偽りの代替品」「紛い物」という前提で恋をしなくてはならなくなります。 ずっと天使と戦っていたためものすごく恋愛に疎いサクヤと密ことが好きな幼馴染みの来夏は、高天原センパイに唆されて張り合うことになっていきます。そんな中、サクヤは高天原センパイの変な助言を素直に聞きながらも「デートをする」「互いを名前で呼び合う」「交換日記をする」など恋愛をするために少しずつ頑張ることになるのです。恋がどんなものなのか?分からず微妙に的外れな行動を一生懸命するサクヤとサクヤを騙している罪悪感にさいなまれながらも徐々にサクヤに惹かれていく密の奇妙な恋愛がとても面白かったです。また、ものすごく存在感のある高天原センパイが楽しくて良かったです。 ジャンルは、世界滅亡アクション・ラブストーリー。アクションやラブストーリーが好きな人にお薦めです。<終>殺×愛(きるらぶ)シリーズ1巻ではなく0巻が最初の巻です
2007年04月16日
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選定者ナルレイシアが行方不明になったと聞いても護衛役のガスカールは、「どうせ田舎育ちのナルレイシアが王都の人々には想像もつかない所で昼寝をしているか、どっかで暇をつぶしているのだろう」とあまり心配していませんでした。しかし、翌日の朝になっても全く姿を見せないナルレイシアにガスカールは愕然としてしまうのです。そして、ガスカールは斎王のオースリン侯爵令嬢から「何者かに呼び出されたナルレイシアが刃物をつきつけられて誘拐されてしまう夢を見た」と告げられ、ナルレイシアが本当に誘拐されたことを実感します。もし選定者であるナルレイシアが脅迫に屈したり、薬物で操られたりして誤った人物を柱神に選んでしまえばナルレイシア自身に神罰が下るとともにディエーン王国自体も危うくなってしまいます。ガスカールはスカルトードとともにナルレイシアを探すため奔走することになるのです。一方、ナルレイシアは自分が見知らぬ部屋で寝かされていることに気づき仰天して飛び起きて・・・。 「天を支える者」シリーズは、次々と不幸に襲われるけれど最後の所では助かる「不幸中の幸いの権化」と呼ばれている主人公の少女ナルレイシアが柱神を選ぶ選定者になってしまうというストーリーです。柱神とは神の力で不安定な国を豊かにする存在であり、選定者になった者は柱神となるべき者を間違えず確実に見極めなければなりません。しかし、柱神に選ばれた者の一族はその国の王族になる決まりなので欲に目のくらんだ人々は選定者を脅迫したり傀儡にしたりして何とか自分こそが柱神に選ばれようとするのです。また、王家が交代するということは現在の王家の人々も権力を失ったり粛清されてしまう危険があるので選定者の動きを警戒しています。実際、選定者の3割はこうした争いに巻き込まれて命を落としています。選定者になってしまったナルレイシアは青年侯爵ガスカールや超絶美形のスカルトード、そして王都中の人々から尊敬されているファティ・リンシャたちに守られることになるのですが陰謀に巻き込まれて誘拐されてしまうことになるのです。 誘拐されたナルレイシアは、犯人から「ちょっとロマンティックな運命の出会い」の話を聞かされて恋愛に協力してほしいと頼まれます。しかし刃物をつきつけられたり、恋の相手の近況をただ知りたいだけと言われたり、異能の力があるにも関わらずそれを否定したり、などあまりに違和感のある犯人の行動にナルレイシアは戸惑うことになります。本編の続きとスカルトードが活躍する外伝「嵐と共に」が収録されていて少しずつストーリーが進みます。今回は謎の老婦人ファティ・リンシャの正体が明らかになったり、超絶美形のスカルトードがとんでもないことになったり、とても面白かったです。ただストーリーの進行が遅いのがちょっと残念でした。本が分厚くなってもかまわないのでもう少し区切りの良いところまでストーリーを進めてほしいと思います。 ジャンルは、本好き少女トラブル・ファンタジー。ファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>天を支える者シリーズ天を支える者 古戀唄シリーズ「天を支える者 古戀唄」シリーズは「天を支える者」シリーズの外伝的ストーリーです
2007年04月15日
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輸送車から逃げ出したライオンやトラをおとなしくさせてトラブルを防いだウラン。事件後に警察から事情聴取を受けたウランは、「ライオンやトラたちが怖がっているのを遠くから感じて駆けつけた」と説明することになります。警察の人々は、ウランが3キロも離れた所から怖がっている動物たちを感じたことに驚きながらも動物たちから子どもを守ってくれたウランに感謝することになるのです。一方、ウランを迎えに来たアトムは「どうせもらうなら感謝状より大きくて可愛いライオンのほうが良いな」「やさしそうな目をしている白いライオンがウチにもいたらいいよね」など困ったことを言うウランを叱りつつ家に帰ります。その途中アトムはロボットと人間の共存を訴えていた田崎氏が殺されたことや人間なのかロボットなのか区別のつかない人物とすれ違ったりしたことで漠然とした不安を感じていて・・・。 「PLUTO」シリーズは、ユーロポールで数々の難事件を解決してきた主人公のロボット刑事ゲジヒトが世界的に活躍している優秀なロボットたちや人間とロボットの共存を訴えている人間たちが次々と殺害されていく怪事件を捜査することになるというストーリーです。人間かロボットかに関わらず被害者たちは皆頭部に角に見立てた物体を突きたてられており、その異様な姿にゲジヒトは戦慄することになります。また、どの被害者たちも立派なロボットもしくは立派な人間たちでどうして恐ろしい殺され方をしなくてはならないのか?理由がさっぱり分からず捜査はうまく進みません。そんな中、世界的に優秀なロボットの一人であるアトムの身にも犯人の魔の手が忍び寄っていて、ついにロボットや人間を殺害している犯人「プルートゥ」が姿を現します。 アトムとプルートゥが接近していくのと同時にゲジヒトもロボットを狂信的に社会から排斥しようとする組織KR団から狙われることになります。兄を殺したゲジヒトに復讐を誓うアドルフと物騒なKR団、謎に包まれた不思議な能力を持つプルートゥなどゲジヒトやアトムに少しずつ危機が迫ることになっていきます。KR団などロボットを憎む人間たち、ゲジヒトやアトムをはじめとする人間とロボットの共存のために頑張っているロボットたち、そして次々とロボットや人間たちを殺害していくプルートゥとプルートゥを操っている黒幕。戦争の悲劇などで生まれた憎しみの連鎖に翻弄されるロボットや人々とそうした連鎖を断ち切ろうとするロボットや人間たちのせめぎあいが大変面白かったです。また、このストーリーに登場するロボットたちは人間以上に人間らしく描かれていてとても魅力的でした。 ジャンルはSFロボット・サスペンス。SFやサスペンスが好きな人にお薦めです。<終>PLUTOシリーズ豪華版もあります
2007年04月14日
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上位から3番目という優秀な成績で国試に受かり、彩雲国初の女性官吏になるという夢を叶えた秀麗。しかし彩雲国の宮廷では男尊女卑が激しく、唯一の女性である秀麗は「女性と一緒の席に並びたくない」と進士式をすっぽかす者が現れるなど存在をあからさまに拒否されてしまうのです。しかもこの不当な扱いは宮廷内だけにとどまらず、今まで街の馴染みだった人々も秀麗が官吏になった途端「悪いんだけど秀麗ちゃん、しばらくここへは来ないでもらえるかい」など秀麗に冷たく当たるようになってしまいます。秀麗は急に自分への態度を変える人々の様子にショックを受けることになるのですが、田舎から出てきて13歳というあまりにも若すぎる年齢でトップ合格したため秀麗と同じく周囲から孤立している同僚の杜影月と力を合わせて仕事に打ち込むことになるのです。ところが秀麗や影月の上司となる魯官吏は、家柄のコネがある者や賄賂を送る者たちをひいきにして秀麗や影月には通常よりかなり厳しい仕事を押し付けてきて・・・。 「彩雲国物語」シリーズは、名門一族のお嬢様出身なのに父親の紅邵可が浮世離れした人物であったため貧乏暮らしをしている主人公の紅秀麗が彩雲国のため頑張ることになるというストーリーです。秀麗は貴妃という名目で後宮に入り仕事放棄ばかりしている彩雲国の王様・紫劉輝の教育係になったり、猛暑のために官吏たちが次々と倒れて働く人がいなくなった宮廷を臨時官吏(この時は男装して仕事をしていたので差別されてません)として救うことになったり、彩雲国が再び荒廃して人々が困ることがないように力を尽くすことになります。そして国を良くするには宮廷で官吏として働くことが重要だと感じた秀麗は、女性の官吏登用試験に賛成してくれる王様の手助けもあり彩雲国初の女性官吏を目指すことになるのです。しかし試験に合格して念願の官吏になったものの宮廷は女性差別が猛烈に激しく、秀麗は厳しい試練に立ち向かうことになります。 女性ということで差別された秀麗は過労死するのではないかと思うほど休む暇なく働かされたり、上司や同僚からは様々ないじめを受けたり、宮廷内や街では人々から敬遠されたり、時には本当に命を狙われたり、次々と過酷な試練に襲われることになるのです。しかし、愛する秀麗のために王様が影ながらボディガードすることになったり、同僚の影月が秀麗と一緒に頑張ってくれたり、紅家の門番の静蘭がひそかに手助けをしたり、秀麗は仲間たちに守られて奮闘することになります。それでも秀麗を追い出そうとする者たちの行為はどんどんエスカレートしていくことになり、ついに彩雲国中に絶大な影響力を持つ紅一族が本気で動き出すことになっていきます。夢を叶えるためにつらいことに負けず立ち向かう秀麗と秀麗を助けるためならどんなことでもしてしまう紅一族及びその仲間たちが、卑劣な手段で秀麗を追い出そうとする者たちを見事に退治する痛快な展開が大変面白かったです。 ジャンルは中国風宮廷陰謀ファンタジー。宮廷ストーリーや中国風ファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>彩雲国物語シリーズコミックやDVDもあります
2007年04月13日
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「かつての勇者は魔王となった。魔王と勇者は対のもの。ならば空白になった勇者の座を埋める今の魔王に対する今の勇者がいるはずだ」という謎の書簡が出回り、統一帝国サッハースの帝都シルディアは大騒ぎすることになります。統一帝国サッハースは、魔王ラジャスを倒した勇者サラ=シャンカーラがそのまま魔物たちを屈服させて魔王となり、さらに魔王となったサラが魔物軍を率いて人間世界の国々全てを征服し、そして人間世界・魔物世界を史上はじめて統一したことで造られた国です。しかし建国してまだ3年しか経っておらず、しかも人間と魔物を両者等しく統治しているサッハースはまだまだ安定しているわけではなく、「謀略の皇帝」と呼ばれるサラが絶大な統率力を発揮して何とか成り立っている状態なのです。もし魔物を束ねている魔王であり人間を束ねている皇帝でもあるサラがいなくなってしまえば統一帝国サッハースは簡単に崩壊してしまいます。このため帝国上層部の者たちは、帝国への反逆とも受け取れる「謎の書簡」に対して大騒ぎするのです。そうした中、人々は現魔王サラを脅かす「勇者」の存在を探すことになって・・・。 「抗いし者たちの系譜」シリーズは、主人公の統一皇帝サラ=シャンカーラと元魔王ラジャスの二人が互いにライバルとして戦うことになるというストーリーです。また、出会った時からラジャスに一目惚れしているサラとサラに敗れたことでサラのことしか目に入らなくなってしまったラジャスは、互いにライバルであると同時に想い人でもあります。そうしてサラは愛するラジャスに認められるためラジャスの真剣な思いを受け止めて戦うことになり、ラジャスも自分より強く賢明なサラをひたすら追い求めてサラに戦いを挑むことになるのです。ところが統一帝国サッハースを打倒しようとする者たちが次々と現れて邪魔が入ったり、皇帝のサラがむやみに戦うわけにはいかず二人の想いはなかなかうまくいきません。それでも二人は「勇者が魔王を倒すことは運命であり必然である」ということに抗って、戦い愛し合うことになっていきます。 「今の勇者は誰か?」という議論になり当然サラに匹敵する実力のある元魔王ラジャスがみんなから注目されることになります。そしてラジャスが再び帝都シルディアへやって来ることになるのですが、「変な理由でラジャスを無理に呼び出してしまって会いづらい」とサラが仕事を言い訳にして帝都から逃げ出してしまうのです。皇帝不在の中、「勇者探し」をする人々が大暴走して大変なことになりラジャスは混乱を治めるため戦います。その中でとうとう意外な「勇者」が姿を現すことになるのです。「勇者」とは?という謎かけで大混乱することになり右往左往して陰謀や争いが次々と起こる展開がとても面白かったです。また、狡猾な皇帝と恋心に揺り動かされる少女という二面性を併せ持つサラが魅力的で良かったです。それにしても今回は可愛らしいウサ耳少女ナナが大活躍でものすごく驚かされました。 ジャンルは陰謀アクション・ラブストーリー・ファンタジー。アクションやラブストーリーが好きな人にお薦めです。<終>抗いし者たちの系譜シリーズ
2007年04月12日
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「ユーロ・フェアプフランツにアイザック・フォン・ヴァルトミュラーなどという名の職員はいない」というメールを受け取った奏は、移植コーディネーターとして今まで奏を守ってきたアイザックに対していっそう警戒を強めることになります。そして、不思議な力を駆使して襲ってくる謎の敵から何とかして自分の身を守ろうと考えた奏は、御岳へ行って土地神である大口真神を味方につけようとします。一方、兄アドルフを救うため奏の心臓を必要としているアイザックは、行方不明になっているウルテアが奏を守るためにかけた術「ラーの護身術」をどう破るのか考えていました。「ラーの護身術」は殺意や悪意を持つ者に反応して自動的に身を守る術なのですが、仲良くなった奏から心臓を奪うことに罪悪感のあるアイザックでは術に打ち勝つことができません。そのためアイザックは殺意や悪意でなく、ひたすら敬虔な気持ちで奏から心臓を取り出す手術をしようと決意するのです。その頃ケヴァンは、アドルフが甦らないように奏の心臓を破壊するのか?それとも敵に奏の心臓を奪わせないように奏を守るのか?迷っていて・・・。 「シュバルツ・ヘルツ」シリーズは、心臓移植を受けた主人公の少年・嘉手納奏が謎の美女ウルテアから「ラーの護身術」という不思議な術をかけられたり、姿を変えることができる刺客ケヴァンに命を狙われたり、移植コーディネーターのアイザックにボディガードされることになったり、移植手術に関わった人たちが次々と殺されたり、奇妙な事件に巻き込まれることになるというストーリーです。事件に巻き込まれる原因が移植された心臓であることを聞かされた奏は、命を狙われながら移植手術で手に入れた健康な体で生き続けるべきなのか?自分が死んで生きている本来の心臓の持ち主ドナーに心臓を返すべきなのか?苦悩することになるのです。さらに信頼していたアイザックが奏を殺そうとしていることを知り、奏は誰を信じれば良いのか分からなくなってしまいます。そんな中、奏は自分の身を守る方法を見つけるため御岳へ登ることになり、奏を狙うアイザックやケヴァンなどの刺客たちもまた決着をつけようと御岳を目指すことになります。 御岳へやって来た奏は「生まれながらの暗殺者」と呼ばれるギドという新たな刺客に襲われます。そして、自分の身を守ろうとする奏、奏から心臓を取り出そうとするアイザック、毒や魔物を使って奏を殺そうとするギド、奏を殺すべきなのか守るべきなのか迷っているケヴァンたちは心臓をどうするのかをめぐり争うことになっていきます。今回、ついに心臓の本来の持ち主であるアドルフのことやアイザックの事情が明らかになります。そうした中で奏、アイザック、ケヴァンたちは自分がどうするべきなのか決断を下すことになるのです。まだまだ問題はありますが、困難な状況の中で迷ったり戦ったりしながら自分がどうしたいのか見つけていく奏たちがとても面白かったです。 ジャンルは、心臓サスペンス・アクション・ファンタジー。サスペンスやアクションが好きな人にお薦めです。<終>シュバルツ・ヘルツシリーズ
2007年04月11日
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このところロンドンブリッジでは、橋の欄干に結わえたロープで首を吊られて殺されるという不気味な連続殺人事件が続いています。最初は自殺と考えられていた事件ですが、「ロンドンブリッジで怪しい人影や悪魔のような恐ろしい姿を見た」という証言があったため連続殺人事件だと報じられているのです。ロンドン市民を震撼させているこの連続殺人事件は被害者の年齢も経歴も全くバラバラなのですが、セイロンの小部族ハディーヤ出身のマイケル・カーンという人物が殺されたことでエドガーは連続殺人に宿敵プリンスが関わっていると確信することになります。なぜならハディーヤという小国はエドガーやプリンスと深い関わりを持つ双子の姉弟アーミンとレイヴンの故郷だからです。プリンスの魔の手が迫っていると感じたエドガーは、大好きなリディアを厳重に保護するため「ロンドンで恐ろしい無差別殺人が続いているのでリディアさんを伯爵邸で預かりたい。彼女は僕が守ります」とリディアの父カールトン教授を強引に説得してしまうのです。いつのまにかエドガーと同棲することになってしまったリディアは突然の急展開に驚きますが・・・。 「伯爵と妖精」シリーズは、妖精を見たり妖精と話したりすることのできる特技を持つ主人公のリディアが妖精の力を悪用するプリンスと戦う青騎士伯爵エドガーを助け協力することになるというストーリーです。リディアは妖精博士としてエドガーに雇われることになり、一緒に協力してプリンスと戦ったりあまい言葉で積極的にプロポーズされるうちに少しずつエドガーに好意を寄せるようになります。一方エドガーもリディアのことが好きなので本気で結婚しようと何度もプロポーズすることになりますが、エドガーが女たらしであることやエドガーの従者アーミンが命を懸けるほどエドガーを愛していることで「エドガーが一番好きなのはアーミンでプロポーズは冗談」だと思われてしまうのです。しかし、真剣なエドガーの想いは徐々にリディアに伝わっていき、リディアも冗談だとエドガーを拒絶できないようになっていきます。そんな中、本格的にプリンスが動き出しリディアやエドガーに危機が迫ることになるのです。 プリンスはアーミンがエドガーを裏切るように画策し、宝石の力でレイヴンを操り、リディアにまで魔の手を伸ばしてきます。リディアは窮地に追い込まれつつあるエドガーを何とか助けようとしますが、リディアのことが好きで本人の意思に反してもリディアを守ろうとする妖精ケルピーに邪魔されてしまいます。そして、エドガーは危機的な状況の中でプリンスと対決し、懸命にレイヴンを取り戻しリディアを守ろうとするのです。エドガーのことが好きだという自分の気持ちに気づきエドガーを助けようとするリディア、プリンスに狙われているリディアやレイヴンを守ろうとするエドガー。危機的な状況が続く中で互いを助けようと必死に頑張るリディアとエドガーがとても素敵で大変面白かったです。 ジャンルは妖精ロマンティック・ラブストーリー・ファンタジー。ラブストーリーやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>伯爵と妖精シリーズドラマCDもあります
2007年04月10日
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9月1日の早朝、人助けをするため一晩中警備兵と戦ったり走り回っていた上条はすでに疲れ果てていました。しかし、今日から夏休みが終わり新学期が始まるので当然学校へ行かなければなりません。上条は夏休みの宿題をやっていないことは勿論、夏休み中に記憶喪失になってしまったことや疲労と睡眠不足で今にも倒れそうなことなど深刻な問題を抱えながらも登校しようとするのです。ところが上条の所に居候をしているインデックスは昨夜から縄で縛られて置き去りにされていたため非常に機嫌が悪く、体が自由になった途端上条に猛然と襲いかかることになります。上条は常識が皆無なインデックスを野放しにすることを躊躇いながらも「早く帰ってくるから、帰ったら一緒にどっか遊びに行くか」と機嫌をとり、インデックスに留守を頼んででかけることになるのです。しかし、家に食べ物が全くないことに気づいたインデックスは上条を追いかけて学校へ来てしまい、しかも何やら事情のありそうな少女・風斬氷華と友達になって・・・。 「とある魔術の禁書目録(インデックス)」シリーズは、全ての異能の力を打ち消すことのできる右手「イマジンブレイカー」を持つ主人公の上条当麻が魔術や超能力などの異能の力のせいで苦しんでいる人々を救うため戦うことになるというストーリーです。新学期が始まり学校へ通うことになった上条ですが、魔術師に狙われていた少女・インデックスを助けた際記憶喪失になってしまい学校生活をどうすれば良いのか困ることになります。また、インデックスを悲しませたくない上条は自分が記憶喪失であることを皆に隠しているのです。そうして記憶喪失と疲労と睡眠不足でものすごく困っている上条なのですが、その上インデックスと御坂美琴が上条をめぐってケンカすることになったり、イギリス清教の魔術師シェリー=クロムウェルが襲撃してきたり、謎の存在・風斬氷華とインデックスが友達になったり、大変なことが次々と起きていっそう困った事態に陥ることになります。 上条を慕い一緒に暮らしているインデックスと以前上条に助けられ上条のことが好きになった御坂美琴が出会えば確実に争いが起きます。それだけでなく超能力と魔術との間で戦争を起こそうとするシェリーがやって来たり、超能力者たちの集う学園都市で重要人物とされている風斬氷華が現れたり、トラブルは留まることなく起き続けることになっていきます。戦争を起こすため巨大ゴーレムを操ってインデックスや風斬氷華を殺そうとするシェリー、お互い初めてできた友達を守り合うことになるインデックスと風斬氷華、その争いに巻き込まれる美琴たち風紀委員や警備員たち、そして争いを治めるため戦う上条。大切な人を守るため、信念を貫くため、登場人物たちが命がけで戦う迫力のアクション・シーンがとても面白かったです。 ジャンルは異能アクション・ファンタジー。アクションやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>とある魔術の禁書目録(インデックス)シリーズ
2007年04月08日
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葵学園に転校してきた美少女・山瀬千早。初対面にも関わらず和樹と千早が親しくしているのを見て夕菜は嫉妬の炎を燃やすことになります。そして、夕菜は「和樹が他の女と後暗いことをしていて、それを隠している」と思い込み和樹を厳しく問い詰めることになるのです。しかし、和樹には全く心当たりがなく戸惑うばかりです。和樹は正直に「誰のことだかさっぱり分かんないよ」と夕菜に答えますが、夕菜は和樹が嘘をついていないらしいことは分かるものの和樹に対して親しそうな態度で接する千早のことが気になって仕方がありません。そして、夕菜は友人の神城凜や風椿玖里子に協力してもらい謎の転校生・山瀬千早について調査することになるのです。しかし、調べれば調べるほど「千早と和樹は面識がない」のに「千早は和樹の癖や性格を知り抜いている」という変な結論になってしまいます。そんな中、千早は早く和樹や夕菜たちと仲良くなろうとして・・・。 「まぶらほ」シリーズは、魔法学校・葵学園で落ちこぼれ生徒をしている主人公の式森和樹が本人はともかく優秀な魔術師を輩出している家柄ということで宮間夕菜、神城凜、風椿玖里子などの美少女たちから「優秀な魔術師の遺伝子を持つ子どもをつくる」ことを前提とした交際を迫られることになるというストーリーです。和樹は平穏な学校生活をおくりたいと考えているのですが「愛は暴力、浮気は死刑」と言い放ち攻撃魔法を連発する清純風武闘派の夕菜、剣を振り回したり地獄のような料理を作ったり自分の気持ちを素直に伝えられない剣豪少女・凜、学園の生徒会を陰で操り陰謀をめぐらす玖里子などに囲まれて困ってしまいます。さらに和樹は幸せそうにしている他人を蹴落とすことやお金儲けばかりに一生懸命な問題クラス2年B組の一員になったり、夕菜を拉致しようとする謎のテロリスト組織と戦うことになったり、スーパーメイドのリーラ・シャルンホルストからご主人様になってほしいと頼まれたり、体が消滅したり、エロ発言ばかりする13歳の高校生・栗丘舞穂と離れられなくなったり、やっかいな事に次々と巻き込まれることになっていきます。そして今回、山瀬千早が転校してきてますますトラブルが増えることになるのです。 愛する和樹を手に入れるため苦難を乗り越えて葵学園に舞い戻った山瀬千早ですが、その代償として葵学園にいる皆の記憶から「千早」の存在が消されていて複雑な気持ちになってしまいます。しかし、「皆の記憶から存在を消される」という試練を乗り越えて再び和樹と仲良くなるために千早は頑張ることになるのです。ものすごく千早を警戒する夕菜や料理で学校を破壊する凜、疑り深い玖里子、卑猥な発言を連発して精神を攻撃する舞穂など和樹の周囲にいるトラブルメーカーたちの間に必死になって溶け込もうとする千早の姿がとても楽しくて大変面白かったです。 ジャンルは学園マジカル・ラブコメ・ファンタジー。ラブコメディが好きな人にお薦めです。<終>まぶらほ短編集シリーズ長編シリーズもありますDVDもでてます
2007年04月07日
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黒ずくめで黒猫まで乗せている怪しい恰好をした同じアパートの住人・闇絵から「女難の相が出てるな」と告げられた真九郎。真九郎には女難の心当たりはないものの、それからすぐに女難を体現していそうな人物・柔沢紅香がアパートを訪ねてきてビックリすることになります。柔沢紅香とは、一流モデルが裸足で逃げ出す美貌と抜群のプロポーションを持つ女性で肩に羽織ったトレンチコートとタバコをくわえた姿は貫禄のある暗黒街の若き女ボスといった感じなのです。そして紅香は、傲慢な態度ままいきなり「この子を守ってやってくれ」と真九郎に仕事の依頼をしてきます。守るように依頼された子どもはお姫様のようなドレスを着た上品で可憐な少女で真九郎から見ると「女ギャングの紅香に誘拐されたお姫様」のようです。少女が九鳳院紫7歳という以外、依頼理由も具体的なこともいっさい教えてもらえない怪しすぎる依頼ですが、依頼者があこがれの紅香であるということと涙を流す紫の可憐な姿に心を打たれて真九郎は依頼を引き受けることになるのです。ところが紅香がいなくなった途端紫の態度が急変して・・・。 「紅」シリーズは、主人公の揉め事処理屋を営む高校生・紅真九郎がストーカーを退治したり暴力団に苦しめられる人を救ったり様々な事件を解決していくことになるというストーリーです。幼い頃、人身売買組織に攫われて殺されかかった真九郎はその危機を柔沢紅香に救われることになりました。それ以来紅香に憧れを抱くことになった真九郎は、崩月流という武術を学び周囲の反対を押し切って紅香と同じ揉め事処理屋になったのです。紅香の依頼を引き受けた真九郎は、「気安く触るな一般庶民」「わたしは九鳳院だ。そこらの者とは血筋が違う」という尊大で我儘なお嬢様・紫との共同生活に困り果てます。考え方や価値観の違いを乗り越えて苦労しながらも一緒に暮らしていくうちに打ち解けていく真九郎と紫ですが、仲良くなったら今度は「ロリコンで不潔」とか「正しい道に帰還しなければ」と姉代わりの夕乃や幼馴染みの銀子に激しく非難されてさらに悩みが大きくなってしまうのです。そんな中、卑劣で変態的な男の出現で真九郎と紫は引き離されることになり、真九郎は紫を守るため戦うことになっていきます。 武術を学んで強くなったものの精神的な傷を克服することができない真九郎と特殊な環境で育った純粋で真っ直ぐな大財閥のお嬢様・紫。大財閥のとんでもない掟やプロの戦闘屋との対決、「ロリコン」という非難の声や生活習慣の違いなど多くの障害を乗り越えて絆を強くしていく真九郎と紫がとても感動的で大変面白かったです。さらに女性の心に鈍い真九郎をめぐる紫、夕乃、銀子の女の子たちの恋のバトルもとても楽しめました。また「電波的な彼女」シリーズに登場する型破りな主人公の母親・柔沢紅香の豪快な活躍も良かったです。 ジャンルはラブコメ・アクション・ファンタジー。ラブコメディやアクションが好きな人にお薦めです。<終>紅シリーズ電波的な彼女シリーズ紅シリーズは、電波的な彼女シリーズの続編ではありませんが世界観や一部の登場人物などが共通しています。
2007年04月06日
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信者を増やすため幼馴染みで主教のヴァルカーレとともに巨大都市ゼクタスへやって来たサンティス。しかし、サンティスたちが広めようとしているディートン教は同じイアス教から異端の宣告を受けていて激しい迫害のため布教がうまくいきません。ディートン教とはイアス教の聖人であるディートンの教えを信仰する宗教なのですが、体を超人的に鍛え上げたり様々な武器で武装したり異常なほど武力にこだわった宗教なのでなかなか人々に受け入れられないのです。それでもヴァルカーレはたぐいまれな美貌と狡猾な頭脳を活かして上流階級の女性たちをたらしこんだり、美貌以上に美しい言葉や物腰で人々を惹き付け迫害に負けず着々と信者を増やしています。サンティスは、それほど信仰心に厚いわけでもなく教団の中で出世しようとも考えてないので布教に熱心ではありませんが、小さい頃から世話になっているヴァルカーレを助けるため天才的な射撃の腕で悪質な迫害者を倒しているのです。そんなある時、サンティスは車に轢かれても平然としている黒ずくめの美女に出会って・・・。 「ブラック・ベルベット」シリーズは、主人公の美少女キリが仲間たちと一緒にディートン教が支配している神聖帝国ディートニアを打倒しようとするストーリーです。今回の「緋の目」はディートン教が世界を支配する前の外伝的な話で本編では敵となっている若き日のヴァルカーレやサンティスが迫害に遭いながらもディートン教を広めるため権力者やイアス教と戦うことになります。そんな中、今回の主人公サンティスは自分に信仰心がないことを自覚していて教団に留まるかどうか悩むことになるのですが、ディートン教を迫害しているゼクタス最高権力者に仕える漆黒の美女マリアと出会い一目惚れしてしまうのです。そうしてヴァルカーレの陰謀やゼクタス市長の迫害、イアス教の刺客たちの襲撃など次々と災難に遭遇するサンティスはマリアと会ったことで自らの過去と向き合うことになり真実を受け入れていきます。 サンティスは昔から恩人のヴァルカーレを尊敬する一方、腹黒で権力志向なヴァルカーレについて行けなくて困っています。またサンティスは修道院の仲間が迫害されて殺されたことにも苦悩しているのです。信仰すら助けにならないサンティスは不良神父として酒や女に溺れてしまいますが、思ってもみない真実を知り自分の運命を受け入れることになります。悩んだり迷ったりするサンティスと全く迷うことなく野望に邁進するヴァルカーレが、信頼したり反発したりしながら恐ろしい敵と戦っていく姿が面白くて良かったです。またサンティスが主人公ということで本編とは全然違う視点で楽しむことができました。 ジャンルはSFアクション・ファンタジー。SFやアクションが好きな人にお薦めです。<終>ブラック・ベルベットシリーズ
2007年04月05日
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木塚東吾は奇妙な友人である摩神尊に仕事中無理矢理連れ出されて300年以上続く由緒ある旧家・西郷家にやって来ました。雑誌や新聞に短文を書いて何とか文筆家として生活している木塚は仕事の選り好みができる状況でなく、お金がない以前にはゴーストライター的な仕事や少々卑猥な文章を書くなどやりたくない仕事をしていたのでどうでもよさそうな雑誌の穴埋め記事と言ってもきちんと仕事を完成させたいのです。ところが摩神は木塚の仕事中ひょっこり来て「自分の仕事に誇りを持てないなら、そんな仕事は止めてしまうがいい。君は僕と一緒に出かけるんだ」と言い放ちます。摩神に付き合わされたせいで仕事を失ったり宗教団体に狙われたり酷い目に遭ったことのある木塚は摩神を何とか追い出そうとしますが、「君の信奉している西郷姉妹の美術品のあるユーカリ荘に行くんだ」と言われ誘惑にあらがえず西郷家を訪れることになったのです。そして、西郷家に到着した摩神は「謎は12月4日12時に解かれる」と人々の前で事件解決を予告することになって・・・。 「予告探偵」は、具体的に事件が起こる前にいつ事件が解決するのか予告する予告探偵・摩神尊が尊大な態度や意味不明の言動で木塚たち人々を振り回しながら予告どおり事件を解決してしまうというストーリーです。事件が起こることがあらかじめ分かるのであれば、事件が起こらないようにすることもできるはずです。ところが摩神は「謎とは何なんだ?」「どんな事件が起きるのか?」と真剣に問いかけられても予告した時間でないなら「今はその時でない。僕がすべての謎を解く」と言うばかりなのです。この言葉に人々は怒ったり動揺したりしますが、摩神は全く動じずマイペースに予告した時間に事件を解決することになります。そして、当然西郷家では奇妙な事件が次々と起こることになっていきます。 予告日の12月4日は十年前に芸術家の西郷姉妹や西郷家当主の妻が亡くなった日です。しかも今年は西郷家の長女・花鈴が3人の候補者の中から結婚相手を選ぶ日でもあるのです。12月4日が近づくにつれ西郷姉妹の芸術作品が公開されない謎、十年前の事故で死んだされている3人の女性の謎、花鈴の結婚相手の謎など様々な西郷家の謎が見つかることになります。そんな中、次々と殺人事件も起きることになり摩神が事件を解決する予告の日まで待てない人々は自らの力で犯人を見つけようと様々な推理をめぐらし事件に挑みます。とにかくどんな状況でも自信満々な態度をくずさず予告したとおりするのが当然という予告探偵・摩神の奇妙で型破りな活躍がとても面白かったです。また、最後の結末は犯人が誰か?ということよりも意外でものすごく驚愕させられました。 ジャンルは驚愕ミステリー。ミステリーが好きな人にお薦めです。<終>
2007年04月04日
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昔々あるところに賢く優しい王様がいました。ある時、そんな王様の元に恐ろしい魔神がやって来て「王よ、毎年俺様に10人の男女を生贄として差し出すが良い。そうすれば生贄を差し出すごとに望むものを何でも一つ与えてやろう」と取引を持ちかけたのです。当然、賢く優しい王様は魔神の申し出を断るにちがいないと誰もが思っていました。ところが王様は何と魔神との取引を承知して生贄を差し出すことを決めたのです。大臣たちは驚き必死に魔神との取引をやめるよう王様を止めましたが、王様は「魔神の力で流行病や戦争を防ぐことができれば多くの命が助かる。10人の生贄でそれ以上の人々を救うことができるのなら冷酷にも残酷にもなろう」と自分の考えを述べました。そうして毎年魔神と取引をすることになった王国は生贄を捧げる代わりにどんどん豊になっていったのです。しかし、生贄が当然という論理そのものには・・・。 「ストレイト・ジャケット」シリーズは、無資格の戦術魔法士である主人公のレイオット・スタインバーグが助手のCSAカペルテータとともに町を守るため魔族と戦うことになるというストーリーです。この話の魔族とは魔法を使って魔法中毒になった人間のことで魔族になると理性が吹き飛んで化物になり暴れ出すことになります。しかし、魔法技術によって成り立つ世界では魔法を使わないわけにいかず魔族化の危険がありながらも人々は魔法を使うことになるのです。そして、魔族が発生した場合レイオットをはじめとする戦術魔法士が魔法を使って魔族を倒します。当然、魔族と言っても元々人間だった存在なので殺してしまうと家族だった人々に恨まれることになります。さらに魔族の被害にあった人々も魔族化した人間の周りの人たちを迫害したり憎むことになり魔族事件によって多くの悲劇が生じることになるのです。今回の黒騎士事件では謎の黒騎士が町の人々を次々と魔族化させており、レイオットたちは魔族化を恐れる人々の暴走に対処しながら黒騎士を捕まえるため奮闘することになります。 無差別に人間を魔族化させる黒騎士によって人々は疑心暗鬼になり、戦術魔法士のレイオットや人間と魔族の間で生まれたCSAのカペルテータたちは心無い町の人たちに襲撃されたりします。そんな中洞察力の鋭いカペルテータが黒騎士の正体を見破り、レイオットは再び黒騎士と対決することになるのです。「生贄は当然だ」と主張する黒騎士の考えを否定して戦うレイオットや暴走して殺人まで犯す町の人々に立ち向かうレイオットの仲間たちなどしっかりした信念や当たり前のことを受け止めながら戦うことになる登場人物たちが大変格好良くとても面白かったです。 ジャンルは魔法アクション・ファンタジー。アクションやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>ストレイト・ジャケットシリーズ
2007年04月03日
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学校から帰ってきてからずっと部屋に閉じこもっている巴を心配する秀明。勉強をしていた埜々香やあろえもしだいに様子のおかしな巴が気になっていきます。「食事はいらない」と告げる巴にガニメデはダイエットをするつもりなのか?と考えますが、巴と琴梨が言い争っていることから原因は「巴がラブレターをもらって困惑している」ことだと判明するのです。超高性能人工知能ガニメデの違法なハッキングによりラブレターの相手は文武両道の好青年・小野寺ヒロトということが分かって琴梨は「断るのはもったいないからデートしちゃいなよ!」と巴にアドバイスします。しかし幼稚園の頃以来ずっと男性不信に陥っている巴はデートのことを考えただけで頭が混乱してしまうのです。困っている巴を助けるために琴梨、あろえ、秀明たちは遊園地でデートのリハーサルをすることを思いつきますが・・・。 「電撃!!イージス5」シリーズは、マッドサイエンティストをしている祖父のもとに居候することになった主人公の逆瀬川秀明が祖父の家に住んでいる5人の女の子たち・佐々巴、掛川あろえ、鴻池琴梨、三隅埜々香、雪崎凌央とともに謎の侵略者から世界を守ることになるというストーリーです。秀明の祖父は原因不明の爆発により研究中に行方不明になっていました。そして、その後の通信で祖父が異次元を彷徨っていることが分かり、同時に異次元からの侵略者を倒さなければならないことも知るのです。侵略者を倒すには5人の女の子たちが持っている祖父の発明品、竹刀・スケートボード・笛・筆・スケッチブックを使って戦わなくてはなりません。しかし、「必殺技を叫ぶとそれに応じてすごい攻撃がでる竹刀」(だたし必殺技の名前は一度使用したら二度同じ名前の技は使えない、エネルギーのチャージに時間がかかる、しかもどんな技が出るのか分からない)など使いづらい発明品ばかりで困ってしまいます。それでも秀明は5人の女の子たちと協力して異次元からやって来るわけの分からない敵と戦うことになります。 1巻では女の子たちに囲まれた生活や世界を守るための戦い、また「男なら少女たちの姿態を観察しなくてはなりません。盗撮や盗聴は任せてください」というHなことばかり熱心な人工知能ガニメデに振り回されて右往左往していた秀明ですが、2巻ではこの奇妙な生活にも慣れて皆と楽しく日々をおくっています。しかし、秀明と巴の仲に進展があったり、無口な凌央の驚くべき秘密が分かったり、秀明の妹が訪ねてきたりして以前以上にトラブルが発生することになるのです。秀明と5人の女の子たちが共同生活や学校生活、恋愛、そして世界を守るために戦いを通して様々な問題にぶち当たりながらも明るく楽しく日々を過ごしていて大変面白かったです。 ジャンルは世界防衛ラブコメ・アクション・ファンタジー。ラブコメディやアクションが好きな人にお薦めです。<終>電撃!!イージス5シリーズ
2007年04月02日
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地球を侵略しに来た宇宙サナダムシを退治したり、宇宙サナダムシを倒すついでに人間を巻き添えにする覚醒者・拝暁人を止めたり、大変な事件を解決をした御剣涼子。しかし、そうした戦いの中でも涼子は榊原烈膳との死合で生まれた迷いを振り払うことができず「自分はどうして闘うことを求めてきたのか?」「自分が倒すべき敵とは何なのか?」悩むことになります。一方、烈飛鈴は大怪我で動くことができない夫の南雲慶一郎から「涼子に預けたソルバニアの秘石を取ってきてもらいたい」と頼まれ再び大門高校へ赴くことになるのです。ところが飛鈴が「南雲先生の代理でソルバニアの秘石を受け取りにきたのよ」と主張しても涼子は「南雲先生本人以外には渡せない」と言い張ります。さらに涼子が「南雲先生に会わせてほしい」と言ったことから飛鈴と涼子は激しい言い合いになり、大門高校独特の制度「Kファイト」(学校で起こる揉め事を決闘で解決するという制度です。大門高校の生徒たちはイベントとしての決闘を楽しみにしていて格闘技を見物するのが好きな校長やKファイト実行委員会が学校をあげて盛り上げます)で決着をつけることになって・・・。 「リアルバウトハイスクール」シリーズは、大門高校で英語の先生をしている主人公の南雲慶一郎が仙術気功闘法「神威の拳」でマフィアのボスであるウィラード・ゲイツから送り込まれる刺客たちと戦ったり、異世界ソルバニアの鬼神召喚士レイハに呼び出されて異世界の怪物を退治することになるというストーリーです。生徒の涼子だけが「異世界ソルバニアで怪物を退治している」という慶一郎の秘密を知っているのですが、信じられないことなので皆には黙っています。しかし、今回ソルバニアの秘石が原因で涼子は様々なトラブルに巻き込まれることになっていくのです。また、飛鈴が再び教師としてやって来ることになり大門高校は厳しくも美しい女教師の出現で大騒ぎすることになります。 涼子は暗殺拳を極めた最強の嫁・飛鈴と決闘することになったり、レイハに突然呼び出されて異世界の怪物を退治することになりますが、あらゆる能力で涼子の上を行く飛鈴や異常に強い怪物を相手に苦戦します。さらに男子生徒たちが「人妻で暗殺拳の遣い手の女教師」がやって来ると大騒ぎしたり、飛鈴が慶一郎の代わりに遅れている英語の授業をいっきに進めるとはりきったり、「神威の拳」の秘密を知ってしまったり、ソルバニアとこれまで以上に深く関わったり、涼子の頭を悩ませることばかりが起きることになってしまうのです。何度死んでも繰り返されるソルバニアの怪物との戦闘、剣士としての誇りをかけた飛鈴との対決など色んな意味で厳しい闘いを乗り越えてゆく涼子の活躍がとても面白かったです。また、行方不明だった静馬も登場して久しぶりに大活躍でした。 ジャンルは学園アクション・ファンタジー。アクションが好きな人にお薦めです。<終>召喚教師リアルバウトハイスクールシリーズ外伝(一部)もあります
2007年04月01日
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