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その存在を知っている者さえほとんどいない小さな島・不承島に姉の七実と二人きりで暮らしている七花。二人は20年前に島流しにあった父・六枝に連れられて当時無人島だったこの島へやって来たのですが、刃物の持込みをいっさい禁じていた父の方針のため船を作ることができず父が亡くなって一年経った今でも二人は不承島に閉じ込められています。そんな中、七花は「重くて長い刀を振り回すのは剣士として弱点になる」という変な考えに基づいた剣法・虚刀流を大乱の英雄だった父から受け継ぎ、刀を用いない剣術を毎日鍛錬する日々を送っているのです。物心ついた頃から狭い不承島以外の世界を全く知らない七花ですが「力仕事は男である自分の担当、物事を考えるのは賢い姉の担当」という頭を使わない生活をしていることと面倒なことはしない性格のため島の外に出ようという考えはありません。そんなある日、奇策士とがめと名乗る美貌の女性が訪ねてきて・・・。 「刀語」シリーズは、刀を使わない虚刀流を操る主人公の鑢七花が奇策士とがめとともに刀鍛冶・四季崎記紀の作った究極の12本の刀を集めることになるというストーリーです。「人が刀を使うのではない。刀が人を作るのだ」という異端中の異端の思想を持つ刀鍛冶・四季崎記紀は合計千本の刀を作り、全国二十五ヵ国に節操なくばら撒きました。その結果、二十五ヵ国のバランスは四季崎の刀を多く持っている方が優勢になるという奇妙な力関係になり「四季崎の刀を持つ者が天下を制す」という幻想が生じることになったのです。その後、四季崎の刀の過半数を集めた者が天下をとることになったのですが、刀狩令という法律を作っても集めることができなかった究極の十二本の刀には天下を覆すほどの力があることが分かりました。幕府は何とか十二本の刀を手に入れようとしますが「天下をとれる刀」を前にした者たちはたとえ刀を手に入れられたとしても次々と幕府を裏切り、どうしても刀を手に入れることができません。そして、幕府の命を受けた奇策士とがめは決して裏切らせない奇策を胸に七花を仲間にすることになるのです。 この第一話で七花たちは十二本の刀の一つ絶刀・鉋の使い手である忍者の頭領・真庭蝙蝠と戦うことになります。絶対に破壊できない頑丈な絶刀・鉋、収納や変装の忍術を極めた蝙蝠を相手に世間知らずの七花と戦闘能力のないとがめは右往左往することになっていきます。「剣を用いない剣法」「天下をとれるほどすごい刀」「姉と父親以外の人間を見たことのない主人公」「考えられない発想の奇策」など、ありえないような世界観や設定がとても特殊で楽しかったです。特に面倒なことが大嫌いで考えることすら姉に頼っている主人公・七花の行動はものすごくバカバカしく普通の人間では予測できないほど驚異的で大変面白かったです。 ジャンルは剣劇時代劇アクション・ファンタジー。アクションやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>刀語シリーズ
2007年12月31日
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茶州で広まりつつある奇病をくい止めるため少々強引な手段で国を動かし医師団の派遣、全商連からの協力、国王の許可、各部の助力など州牧としてできる限りの力を尽くす秀麗。しかし、茶州では「邪仙教」と名乗る謎の集団が「女性州牧の秀麗がいるから奇病が広まっている。病を鎮めるには女性州牧を生贄にするしかない」というとんでもない噂を流し、奇病が広まり不安になっている人々を扇動していました。秀麗は病に苦しむ人々を救い、暴動を鎮めるには「自らの命をかける」という決意と覚悟を胸に危険が待ち構える茶州へ向かうことになるのです。その頃、奇病の中心になっている石榮村へ向かった州牧の影月は邪仙教に捕らえられ行方不明になっていました。村人たちは失踪した影月を案じながらも「秀麗さんは絶対医者と救援物資を伴い駆けつけます」という影月の言葉を信じ、茶州州都・琥連に向かうことになりますが・・・。 「彩雲国物語」シリーズは、女性差別を乗り越えて彩雲国初の女性官吏となった主人公の紅秀麗が様々な陰謀に巻き込まれながらも国を守る官吏として奮闘することになるというストーリーです。秀麗は名門のお嬢様なのですが父・邵可が出世を気にしない人物だったことから貧乏生活をして育ちました。そして、幼い頃に国が乱れ人々が苦しむ様を目の当たりにした秀麗は勉強に励み官吏として国を支えることを夢見ることになっていきます。その後夢を叶え、同期の影月とともに茶州州牧になった秀麗ですが茶州に君臨する茶一族の陰謀や恐ろしい奇病の流行など次々と困難な事態に遭遇することになります。さらに今回、秀麗とともに州牧に任命された影月の深刻な状況が判明し、秀麗と影月の二人は命と信念をかけて困難な状況に挑むことになるのです。 病に苦しむ人々、尽きゆく影月の寿命、不安から秀麗を排除すようとする民衆たち、秀麗と影月を陥れようとする邪仙教など秀麗と影月の前には大きな試練が立ちはだかることになります。しかし、影月を愛する香鈴やあきらめることなく病人を救おうとする若き医師たち、秀麗たちを必死に守ろうとする静蘭や燕青、そして必ず病気を治療してくれると秀麗・影月を信じる人々の助けを受け、秀麗と影月は頑張ることになっていきます。最近、薬害肝炎で苦しむ人たちが首相に政治決断をしてほしいと訴えていましたが、アメリカ軍への給油に対してはすぐに決断できるのに薬害の被害者救済に難色を示す首相の態度は納得できるものではありませんでした。それに比べて病に苦しむ人々を救うため、自らの命や官吏としての出世もかえりみず行動する秀麗・影月の活躍はとても素晴らしく感動的で面白かったです。 ジャンルは、病気撲滅陰謀ファンタジー。陰謀ストーリーやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>彩雲国物語シリーズ
2007年12月24日
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大覇星祭(超能力の使用を許可された学校対抗運動会のことです)で負けた罰ゲームとして御坂美琴の言うことを何でも聞くことになった上条当麻。しかし、美琴と上条が接近することを許さないお姉様大好き少女・白井黒子や美琴の妹・御坂妹、武装集団「猟犬部隊」に追われる少女・打ち止め(ラストオーダー)などの邪魔が次々と入り罰ゲームはうやむやになっていくことになります。さらに学園都市を襲撃するためにやって来たローマ正教の刺客ヴェントや最強の超能力者・一方通行(アクセラレータ)に復讐を誓う「猟犬部隊」を率いる科学者・木原数多らの攻撃によって学園都市はかつてない惨劇を迎えることになるのです。正体不明の魔術でバタバタと倒れていく人々、打ち止め(ラストオーダー)を捕まえるためなら一般人をためらいなく殺そうとする「猟犬部隊」を前に上条、一方通行(アクセラレータ)、インデックスたちはそれぞれ守るべき者のために戦うことになりますが・・・。 「とある魔術の禁書目録(インデックス)」シリーズは、異能の力を打ち消す右手・幻想殺し(イマジンブレイカー)を持つ主人公の上条当麻が魔術や超能力などの異能が原因で苦しんでいる人たちを救うため戦うことになるというストーリーです。10万3000冊の魔術書を記憶している少女インデックスといつのまにか同棲することになった上条は、不運なことにその後も次々と魔術や超能力が関連した事件に巻き込まれ続け、記憶を失ったり、ボロボロになったり、女性関係のトラブルに遭ったり、散々な目に遭うことになります。そして、魔術勢力を代表するローマ正教VS科学勢力を代表する学園都市の争いが激化する中、様々な事件に関わった上条は重要人物として命を狙われることになってしまうのです。一方、最強の超能力者・一方通行(アクセラレータ)は体を自由に動かすことのできない重傷ながらも打ち止め(ラストオーダー)を守るため超技術で武装した「猟犬部隊」と戦うことになります。そして、魔術と科学の争いの中心となった学園都市は危機的状況に陥ることになるのです。 上条はローマ正教禁断の組織「神の右席」に所属する正体不明の魔術を操る魔術師ヴェントと戦い、一方通行(アクセラレータ)は一方通行(アクセラレータ)の弱点を研究し尽くした狂気の天才科学者・木原数多とその手下「猟犬部隊」との戦いを繰り広げることになります。熾烈な戦いの中、インデックスの友達・風斬氷華にも異変が起きインデックスは氷華を助けるため上条、一方通行(アクセラレータ)、御坂美琴たちに協力してもらうことになるのです。今回は上条と一方通行(アクセラレータ)の二人の主人公が交互に出番を交代しながら互いに関連のある二つの危機をそれぞれ救うことろになるというストーリーでした。性格、考え方、立ち位置が全く対称的な二人が交互にスイッチしながら極限の戦闘を繰り広げるということでその対比がとても面白かったです。 ジャンルは異能アクション・ファンタジー。アクションやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>とある魔術の禁書目録(インデックス)シリーズ短編集もあります
2007年12月17日
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一学期が終わった直後の臨海学校、千住花音は他の事には目もくれず水泳の特訓に励んでいました。なぜなら花音が恋する同居人・後白河法行が泳ぐのが速すぎて「特組」と呼ばれる他の生徒たちとは別々の場所で練習をしているからです。しかも特組は法行と水泳部の兼平久美の二人だけなので花音は「法行を他の女子と二人きりにしてはなるものか」と執念を燃やし必死に頑張っています。基礎体力に劣る花音ですが泳ぎ方の研究と「海」という場所での戦略や情報収集など頭脳を駆使し、体力バカたちに負けず特組入りしようと知力・体力を尽くすことになります。一方、三十三間堂学院の他の女子生徒たちは臨海学校最終日に行われる遠泳大会に向けて様々な陰謀をめぐらしていました。遠泳大会はいちおう個人戦なのですが優勝者や記録などが所属の校舎と一緒に掲額されるため「各校舎の代表」という団体戦的な意味もありみんな校舎を通し団結して非常に盛り上がることになるからです。さらに今年は校内唯一の男子生徒であり女子生徒たちのあこがれでもある後白河法行も参加するということで尋常でない盛り上がり方をしていて・・・。 「私立!三十三間堂学院」シリーズは、家族を失った主人公の後白河法行が親戚の千住花音の所に居候することになり、さらに三十三間堂学院の理事長である花音の陰謀で女子校である三十三間堂学院に転校することになってしまうというストーリーです。そして、三十三間堂学院唯一の男子生徒となった法行はルックスも成績も運動神経も性格も良いということで女子生徒たちから次々と交際を申し込まれることになってしまいます。しかし、非常に硬派でもある法行の性格や「校内で不純異性交遊を働いたら日本刀で斬る」という生徒会長・五部浄里との約束により、とりあえず法行をめぐる騒動は治まることになるのです。ところが女子生徒たちは命を脅かす危険に臆することなく「何とか生徒会長の目を逃れて法行に近づこう」とそれぞれ陰謀をめぐらすことになり、女生徒同士の凄まじい駆け引きや戦いが行われることになります。一方、トラブルの中心である法行は女生徒たちの思惑に気づくことなく「学校に溶け込めるよう友だちを作ろう」と体育会系のノリで奮闘することになっていきます。 「久美の親父さんって遠洋漁船の船長をやっているのかぁ。カッコいいな。己の知力・体力・精神力を頼りに世界中の海を駆け回るなんてすごい。乗ってみたいな」という法行の不用意な発言によって、根っからの海の男である久美の父親に「一緒の船に乗せてほしいということはウチに婿入りしたいということだな」と勘違いされてしまいます。そして、「遠泳大会で久美と法行が一番と二番を取ったら二人の結婚を許そう」という一大事になってしまうのです。普通に行けば超人的な泳ぎをする久美と女性では勝てそうにない体力・筋力を有する法行が優勝・準優勝するのは確実です。そういうわけで女生徒たちは校舎同士の争いをしつつ久美と法行の優勝・準優勝を阻止するという大作戦を繰り広げることになっていきます。肝心の法行と久美には事情を知らされない中、女生徒たちは「イルカに乗って優勝をかっさらう」「反則覚悟でパンチでKOする」「人海戦術で食い止める」「うまくリタイヤさせて法行と仲良くなる」「離岸流に乗ってスピードアップ」などとんでもない荒技・策略に出ることになるのですが、それぞれの知力・体力やチームワークの全てを出し切った真剣勝負が大変面白かったです。 ジャンルは、学園陰謀水泳ラブコメディ。ラブコメディが好きな人にお薦めです。<終>私立!三十三間堂学院シリーズ
2007年12月10日
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卒業式が終わり、在校生の伊依は学園祭の時に仲良くなった卒業生の虚島罠奈との別れを惜しんでいました。伊依は怪造学者になるという夢を叶えて就職する予定の罠奈を祝福しながらも心強い先輩の卒業や執拗に隠蔽された宿敵ヴェクサシオンの正体とその対抗策を思い不安をつのらせることになります。そうして幾日が過ぎた三月の下旬、伊依はちょっとした口論で親友の魅神香美とケンカをしてしまいました。そして、「仲直りしなくちゃなぁ」と呟きながら歩く伊依は公園の自動販売機前で左右非対称の翼の飾りをつけた異様な格好の少女と出会うことになるのです。志田桐涼女と名乗るその少女は「お金は天下の回りもの!だったらきちんと回ってよ!投入したあたしの百二十円はどこの異空間に飛んでいったんだよぉー!最後のお金だったのにちくしょーっ!」と自動販売機相手に真面目にケンカをしています。お節介かもしれないけれど放っておけないと感じた伊依は涼女に声をかけることになるのですが、「みじめなあたしを笑いにきた神様の手先かぁっ!」「都会の人間が他人に優しくするなんて信じないんだぁっ!」と絶叫されてしまい困ってしまうのです。さらに涼女はケンカ中の親友・香美のことを知っているみたいで・・・。 「アンダカの怪造学」シリーズは、人間と怪造生物(モンスター)との共存を夢見る主人公の空井伊依が夢を実現するために奮闘することになるというストーリーです。舞台は異世界アンダカから怪造生物(モンスター)を召喚する技術・怪造が普及する世界なのですが、多くの人々は怪造生物=危険と考えており「怪造生物は友だち」と主張する伊依の考えは全く受け入れられません。そんな中、怪造生物と友だちになることで深い絶望から救われた伊依は何としてでも「人間と怪造生物は友だちになれる」という考えを広めようと頑張ることになるのです。しかし、恩師が怪造生物に殺害される事件が起きたり、最悪の怪造生物「魔王」が伊依の力を利用しようとしたり、アンダカの怪造生物同士の戦争が人間の世界に影響したり、邪悪な怪造生物ヴェクサシオンが暗躍したり、伊依の夢の実現の前には次々と困難な試練が立ちはだかることになります。それでも伊依は困難に負けることなく「怪造生物は友だち」という自分の考えを貫き、周囲の人々にも自分の考えが間違っていないことを納得してもらえるように奮闘することになるのです。 香美の幼馴染みだという涼女は「香美は存在自体が疫病神だからあたしが戦略兵器として役立ててあげないといけない」などと言って伊依を怒らせます。そして、考え方が根本的に合わない伊依と涼女は互いに対立することになり、新入生歓迎イベントとして開催される怪造生物のレース大会・魔王杯で勝負をつけることになっていきます。ところが涼女が取り仕切る魔王杯は涼女に圧倒的に有利になっていて、しかも召喚したモンスターに本人の精神を乗り移らせて参加するというありえないイベントだったのです。伊依は涼女の用意した恐るべき罠に苦しみながらも友人の遊に助けられて頑張ります。様々なモンスターに乗り移った生徒たちが入り乱れて地獄のような場所でレースを行うという「魔王杯」が大変面白かったです。そして、過酷なレースを通して伝わる伊依や香美たちの友情がとても感動的で良かったです。また、前巻では明かされなかったヴェクサシオンの正体も判明することになります。 ジャンルは学園召喚友情アクション・ファンタジー。アクションやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>アンダカの怪造学シリーズセットもあります
2007年12月03日
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