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八翼白金は魔王だ。少女とも少年とも、あるいは男性とも女性ともつかない体つきで薄い肌色の皮膚と白金に光る眼球を持っていた。身長の倍もありそうな長さの白金の巻き毛、それと同じ色の巨大な八枚の翼は完璧な魔力の同化と制御を表して整然と完全な対称型で四枚ずつ背中に付いている。いかにも重そうで邪魔そうな髪と翼は重さも実体もないものらしい。八翼白金は尊大に口を開いた。「さて、サファイヤ・ジェムナス・トードリアよ。お前を呼び出したのは他でもない」よどみなく続きそうだった言葉のわずかな隙をついて、斜めになった眼鏡を直すと同時にサファイヤは言った。「招かれた側としては大いに不本意だな。僕は客でしょ。あなたが座っている椅子に座らせないかな、普通さ」サファイヤは八翼白金と同様に尊大だった。魔法使いスマートを手に入れるため、邪魔者の魔王サルドニュクスを連れ帰ってもらおうとサファイヤを召喚した八翼白金だったが、サファイヤは八翼白金の恋のアドバイスをすることになって・・・。 「魔王」シリーズは、様々な異世界をめぐって旅をしている主人公の魔王サルドニュクス(昔の名前はサリタ・タロットワーク)が師匠である美貌の流浪の大賢者スマート・ゴルディオンとともに行く先々で恋愛の応援をすることになるというストーリーです。元いた世界で知り合いの女神にプロポーズされてしまったスマートは、暇を持て余している元弟子サルドニュクスに頼んで異世界に逃げることになります。各世界の人々の召喚に応じて次々と異世界を渡っていく二人。二人は、そうした中で召喚者の願いを叶える契約をすることになっていきます。その願いの中で多いのが恋愛相談。魔法が使えて人生経験も多い彼らは竜退治や無実の人の処刑阻止、さらには革命を起こすなど普通では考えられない方法で恋のサポートをすることになるのです。そんな中、スマートのことを好きになった異世界の魔王・八翼白金が現れてサルドニュクスの力を封じたり、スマートの記憶を奪ったり、無茶苦茶な行動で二人を振り回すことになってしまいます。 八翼白金のせいで混乱の続くシンギンガンド城。サルドニュクスとスマートのおかげで市民たちは無事だったものの、王様と王妃さまが行方不明です。そして、後継者に指名されているギンガ王子も元々行方不明。ろくでもない大臣達は保身に走ったり、ギンガ王子を殺しホルイー姫を傀儡にしようと計画したり、収拾がつきません。その事態に国を出て盗賊団の首領をしているギンガ王子は家族やティルファを心配して城に向かおうとしますが、「王宮の奴らは次期国王の首領を殺そうとしている」と仲間たちに止められて断念。そして、サファイヤのアドバイスを受けた八翼白金は記憶喪失のスマートに大接近することになります。このシリーズでは恋愛成就のために竜を退治したり、革命を起こしたり、とんでもないことばかりしてますが、記憶を失い美少女に変身している状態のスマートに対して的外れで滅茶苦茶でも一生懸命なアプローチをする八翼白金の悪戦苦闘の姿がとても笑えて大変面白かったです。 ジャンルは魔王ラブストーリー・ファンタジー。ラブストーリーやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>魔王シリーズちょーシリーズ 1巻2巻(ちょーシリーズは全19巻 ガイドブックが2冊出てます)魔王シリーズは、ちょーシリーズの外伝的ストーリーです。あらかじめ、ちょーシリーズを読んでから読むといっそう楽しめます。
2009年06月29日
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やさしく揺さぶられる感覚で目が覚めた。「二ノ宮くん。ほら起きて」「ん・・・?」重たいまぶたを開けると蛍光灯の明かりが峻護の網膜をきつく刺してくる。思わずまた目を閉じ、再びまどろみの底へ沈もうとするとさっきより強く揺さぶられる感覚が。「だめだってば二ノ宮くん。まったく、ここしばらくの疲れが出ちゃったのかな・・・ほら、こんなところで寝ちゃいけないって」「ああ・・・ええ、はい。すいません」目じりをこすりながら身を起こし、目を覚まさせてくれた人物に視線を向ける。保坂光流。二ノ宮家で峻護と共に暮らす同居人のひとり。「あの、保坂先輩」「ん?なんだい?」「ここってどこでしたっけ」「やだなあ二ノ宮くん。寝ぼけるのもほどほどにしといてくれないと」戸惑いつつ恐縮すると、保坂は苦笑しながらもやや真剣な眼差しで「ほんとに忘れちゃってるの?まったくしっかりしてよ、こんな大事な日に」「大事な日」(・・・そうだ。思い出した)一生に一度と言っていい、人生最大級の節目の日。結婚式の当日ではないか。(ん・・・あれ?おれって一体、誰と結婚するんだっけ・・・?)突然「結婚相手」を忘れてしまった二ノ宮くんは・・・。 「二ノ宮くん」シリーズは、いつも姉の涼子に奴隷として虐げられている主人公の二ノ宮峻護が男性恐怖症のサキュバス娘・月村真由や幼い頃に将来を誓い合った財閥令嬢・北条麗華たちと一つ屋根の下で暮らすことになるというストーリーです。サキュバスなのに男性恐怖症で生命維持に必要な精気を取り込むことができない真由。峻護は真由の男性恐怖症克服特訓に協力することになり、涼子たちが考えた無駄にHな特訓の数々に翻弄されることになるのです。一方、峻護と真由が仲良くなることが気に入らない麗華は、お嬢様なのに何故か住み込みメイドとして二ノ宮家で働くことになり、二人の仲を邪魔することになっていきます。そして、ストーリーが進むにつれ明らかになる「真由が男性恐怖症になった理由」「どうしてか幼い頃の記憶が欠落している峻護」「自分もサキュバスであることに気づいていない麗華」などの多くの謎。峻護、真由、麗華、の奇妙な三角関係は世界中のサキュバス一族を巻き込んだバトルへと発展し、大騒動になってしまいます。 本編・短編集を含めての「二ノ宮くん」シリーズ最終巻です。今回の短編集では、短編集あとがきでいつも麗華にセクハラしている謎の紳士?ミスターXが真由を恐ろしい罠に嵌めてHで変態的な禁断の扉を開いてしまったり、深夜の学校に忘れ物を取りに来た真由が妖怪退治をしている法力僧軍団や凶器(チェーンソーなど)をふりかざす霊能少女に追い回されることになったり(可哀相な事に真由は妖怪と間違えられてしまいます)、ちょっとした失敗が原因で一歩も席を立つことができなくなってしまった真由に次々と災難が降りかかったり、最終巻ということもあってヒロインのひとり真由がいつにも増して面白くも散々な目に遭わされることになります。また、今までに登場したおもしろキャラクターたちが勢揃いしたり、二ノ宮くんたちの結婚式まで開かれることになっていきます。本編のシリアスで感動的なラストも良かったと思いますが、この短編集のくだらなくも愉快で楽しいバカ騒ぎのようなラストもとても面白かったです。特にどうなるのか?全く想像できない結婚式のエピソードは、ありえない展開で驚かされました。 ジャンルは、サキュバス・ラブコメディ。ラブコメディが好きな人にお薦めです。<終>二ノ宮くん短編集シリーズ二ノ宮くんシリーズ本編1巻(本編は全10巻です)コミックやDVDもあります
2009年06月22日
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リィリィ姫は目の前で繰り広げられている光景に呆然としていた。(信じられない・・・なにがどうなっているの?)前方で一人の少年が民衆に向けて大きく手を振っている。石造りの腰かけが舞台を何重にも取り囲んでいる闘技場は、都の半分以上の民を収容できる広さを持っていた。やがて黒い髪と黒い瞳で異国の服を身に纏った彼は、先程まで振り回していた大剣を背中にくくりつけた鞘に収めた。「ざっとこんなもんよ」自慢げな笑みを浮かべパンパンと手を払っているその姿は、自分がしでかしたことの重要性を少しも理解していないようだ。メイベル国に古くから伝わるしきたり。国に王子が生まれなかった場合は、世継ぎの姫が誰よりも強い男を花婿として迎え入れるというものだ。だが、それは表向きの話。神聖とされる勝ち抜き戦は謀略の八百長試合。身分の高い者が金や根回しで優勝するようになっているのだ。ところが今回、「年齢・身分・出身国を問わず参加者募集!」としたためアシュターと名乗る謎の少年が飛び入り参加で優勝してしまったのだ!このままではリィリィ姫の結婚相手はアシュターということになり、メイベル国の王もアシュターになってしまう!しかも事情を全く分かっていない粗暴で野蛮な感じのアシュターは、うまい食事を食べることしか考えていなくて・・・。 「聖獣王(クロスティア)の花嫁」シリーズは、失踪した妹の身代わりで大国ゼネスティアに嫁いだ主人公のリージュが変わり者揃いのゼネスティアの王子様たちに振り回されて苦労することになるというストーリーです。貧乏なドレナー国はシルヴァーナ姫を大国ゼネスティアの第三王子ゼルフォン=レストに嫁がせることで国を守る計画でした。しかし、シルヴァーナは「冷酷」で有名なゼルフォン=レストを嫌い、姉であるリージュの婚約者を唆して駆け落ちしてしまいます。そういうわけで妹と婚約者に裏切られたリージュは、国を守るため仕方なくゼネスティアに嫁ぐことになったのです。そんなリージュを待っていたのはゼネスティアの王位をめぐって争う?三人の王子様。第一王子のアシュター=ザードは「力こそ全て」という感じの人物で何事も自身の腕力によって解決しようとします。第二王子のイオは普段はのんびりして優しい性格なのですが、何らかのショックで凶悪で恐ろしい人格イオ=アルヴァースと入れ替わってしまいます。そして、第三王子のゼルフォン=レストは目的のためなら手段を選ぶことのない冷酷な人物。結婚相手としては困った人々ばかりです。そんな中、リージュは頼りなくも優しい第二王子イオと愛し合うことなっていきます。ところが失踪したはずの妹シルヴァーナが突如記憶喪失の状態で現れたり、義姉であるマリィレーネが「リージュはゼルフォン=レストと結婚したほうが良い」と強硬に主張したり、さらにはゼネスティアを滅ぼそうとする敵が現れたり、リージュは次々と苦難に襲われることになるのです。 謎の少年アシュターと突然結婚しなくてはならなくなったリィリィ姫。ハーレイという恋人がいるリィリィ姫はどうしてもアシュターと結婚したくありません。アシュターはメイベル国の人間ではないので何とか国をこっそり出て行ってくれるか、権利を放棄してくれるように説得を試みますが、肝心のアシュターは「勝てば賞金がもらえるって書いてあったから大会に出場したんだ。賞金じゃなくて国の宝だっけか?まっどっちでもいいや。勝ったらその宝を金に換えてメシを食う」と話が全くかみ合わずどうしようもありません。しかもリィリィ姫の母である王妃は「しきたりは何よりも守らなければならない大切なものなのよ」と取り合ってくれず、恋人のハーレイもやる気なし、父である王様は行方不明、親友のエレナも行方不明、さらにアシュター=ザードはリィリィ姫の結婚相手になったにも関わらずシーラという少女を部屋に連れ込んでいたのです。どうしようもなくなって追い詰められたリィリィ姫はハーレイと駆け落ちする計画を立てることになっていきます。主人公のアシュター=ザードは何も考えていなくてトラブルばかり起こす人間なのですが、正論を主張するリィリィ姫やシーラたちを単純かつ無茶な言動で振り回す姿がある意味とても純粋で楽しくて大変面白かったです。 ジャンルは異世界冒険アクション・ファンタジー。アクションやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>聖獣王の花嫁シリーズ「リィリィ姫の謀略」は「聖獣王の花嫁」シリーズの外伝的ストーリーです。あらかじめ「聖獣王の花嫁」シリーズを読んでから読むといっそう楽しめます。
2009年06月15日
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「・・・分かった」目を見開いた。彼女は無表情に顔を上げた。まるでどこからか聞こえてくる声に答えるように。「わたしの希望は変わらない。日本一不運な者を幸せにする。それがわたしの生まれ変わった理由。全ての望み。そうしたい」そう小さく呟く。その声がゆわんと空気を伝わり、湖面にさざ波が立つ。遠くのほうから、近くのほうから、まるで誰かが歌を歌っているような声が微かに聞こえてくる。「ごえん使い?その少年が日本で一番不運なんだな?」少女は小首を傾げ、小声で念を押す。どこからか回答が返ってくる。「ふむ」少女は頷いた。「分かった。では、わたしがその者を心の底から幸せにしてやろう」何事でもないように告げる。「ごえん使いの外神雅人!おまえは、これからわたしが幸せにしてやるぞ!」少女たちにボコボコにされた外神雅人の前に突如現われた福の神の女の子・キチ。「男の幸せは二つしかないと聞いた。お前が欲しいのは金か?それとも女か?どっちもわたしが与えてやろう!」自信満々のキチですが、疫病神から転職したばかりのキチには福の神の力が使えず「お金に関しては銀行を襲えば何とかなる」「女の意思を変えるには心を剥奪する薬を使わないと無理だ」無茶苦茶なことを言い出して・・・。 「ラッキーチャンス!」シリーズは、日本最強の霊能者にして日本一不運で貧乏な主人公の「ごえん」使いの高校生・外神雅人が福の神に転職したばかりの元疫病神の女の子・キチに幸せ?にしてもらうというストーリーです。ところが、半人前のキチには普通の福の神が使える「幸福招来」という技が使えず、できることと言えばお金を0.0005パーセント増やすことぐらい。貧乏な雅人には手元に千円すらない状況なので全く効果がありません。そういうわけで雅人は福の神のキチに幸せにしてもろうどころか、逆に失敗ばかりの半人前のキチの面倒を看るため多大な苦労を強いられることになってしまうのです。元々お人好しな雅人は「キチが来てますます不幸になった?」と感じても、自分を幸せにするために一生懸命頑張るキチを放っておけず「キチのためにも幸せになろう」と悪戦苦闘することになっていきます。 外神雅人は家が潰れるのは日常茶飯事、基本的に住所不定、頼るべき後見人は変態オカマ校長(雅人をオカマの世界に引きずり込もうとします)、霊能者としての収入はほとんどなく、食事はクラスメイトたちに昼飯の余りものを恵んでもらう、という不幸ぶりです。そして、悪霊を退治しようとすれば女子更衣室の壁を破壊して覗き魔に間違えられて袋叩き、住む場所を探そうとすると「今、ジョンがいた犬小屋新しいシベリアンハスキーが入っているんだ」と断られ、キモカッコイイ校長のサモンを頼ろうとすると変態世界に連れ込まれそうになる、という運に見放された状況です。それに福の神というより疫病神のキチが加わると、雨露を防ぐテントすら失い、キチの分の食糧も確保しなくてはならず、キチの火の不始末で雅人の全財産は燃やされ、不幸の度合いが増すいっぽうになってしまいます。しかし、どんなに不幸に襲われても「お金で買えるものは頑張ればまたすぐ手に入れることができる。命あるものはそうはいかないから、命を大切にして頑張ろう」とどんな時でも前向きでキチを励ます雅人がとても格好良く感動的で大変面白かったです。 ジャンルは幸福招来?学園アクション・コメディ。アクションやコメディが好きな人にお薦めです。<終>ラッキーチャンス!シリーズ
2009年06月08日
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戦場の記憶だ。それまで俺は軍人でその日も歩兵部隊の一員として銃身を切り詰めた小銃をばかすか撃っていた。酷い戦場だった。音が無かったのだ。文字通り、何をしようとも音が耳まで届かなかった。仲間の声も、本来銃が上げるべき轟音も、砲のたてる炸裂音も、指揮するための鳴り物も。原因は明白。竜である。戦場となっていた平野一帯の音をことごとく竜に食われたのだ。竜とはそうした生き物で大抵のものは連中の胃袋に収まる。竜一種につき一種類のものしか口にしないことが確認されていて、餌にするものの名をとってその竜の名前とされていた。だから今回の場合は音竜と呼ぶべきだろう。音を食うから音竜、これが火を食えば火竜というわけだ。そして、竜によって何かを食われることを竜害と呼んでいた。その竜害にも関わらず、戦場はこちらの優位に進んでいた。が、突然異変が起きる。竜の体のあちこちから血が流れ出し、降り注いだのだ。血の雨が降り注ぐ戦場、竜の血肉は人にとって猛毒だ。原因はドラゴンキラー。竜を殺しうる超人をそう呼ぶ。結局、そのドラゴンキラーは竜も付近にいた人間たちも一方的に虐殺してしまう。ココは運良く生き延びることができたが、以来その戦場の悪夢の記憶に悩まされ続けることになる。そんなココがドラゴンキラーの女リリィと手を組むことになって・・・。 「ドラゴンキラーあります」シリーズは、辺境の無法地帯で便利屋をしている主人公の元軍人ココ(性別・男)が相棒となった女ドラゴンキラーのリリィとともにマルクト帝国の皇位継承争いに巻き込まれた亡命中の皇女アルマを守ることになるというストーリーです。戦場に突如現れたドラゴンキラーによって地獄のような光景を目の当たりにしたココは、軍を辞めて国を離れた後もその時の悪夢に悩まされ続けていました。辺境の無法地帯バストラントは小さな小国が集まった場所なので紛争は延々と続いているものの、一つ一つの国家規模が小さすぎて大国が戦略兵器として雇っているドラゴンキラーは基本的に存在しません。ココはそこでドラゴンキラーの脅威に怯えながらも金と暴力と騙し合いにまみれたハードな生活を送っています。そんなある日、いるはずもないドラゴンキラーに出くわして気を失ってしまったココは、その厄を落とすため珍しく少女に親切にしようと考えます。お腹をすかしている少女アルマのためにパンを買ってやるのです。しかし、アルマに多額の懸賞金が懸けられていることやアルマの護衛がドラゴンキラーであることを知ったココは、「アルマを売って懸賞金が欲しいがドラゴンキラーには関わりたくない」とどうすれば良いのか?悩むことになっていきます。 アルマを売って懸賞金の分け前にありつこうとするココでしたが、ドラゴンキラーのリリィから「私の体を自由にしてくれても構わないからアルマを助けて欲しい」「戦場で虐殺を行ったドラゴンキラー・レクスを殺すのに協力しよう」と必死に懇願されて、結局リリィと手を組んで「アルマを助け出し、レクスを倒す」ことになってしまいます。ココはドラゴンキラーのことを考えるだけでも激しい頭痛に襲われて気絶してしまう体質。一方、竜を素手で殺せる力を持つリリィは怖くて人間を殺せない性格。全くかみ合わなそうな二人ですが、「アルマを助ける」「レクスを殺す」という自分たちの目的を達成するために互いに力を合わせて頑張ることになります。性格や立場など本来なら手を組むはずのない二人が手を組み、ケンカをしながらも強敵であるドラゴンキラーたちに立ち向かっていく無謀極まりない展開がとても楽しくて痛快で大変面白かったです。また、ドラゴンキラーの怪力で抱きしめられると死ぬ危険があるのに「女を目の前にして甲斐性がないにも程がある。まさかお前、女よりも男が好きなんだな」リリィからいわれのない非難をうけるココの姿がバカバカしくて爆笑でした。 ジャンルはドラゴンキラー・ハードボイルド・アクション・ファンタジー。アクションやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>ドラゴンキラーありますシリーズ
2009年06月01日
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