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世界暦三三○五年 某所 昼。何故でしょう?何故、彼なんでしょう?何故、彼なのでしょう?私は、あの人と出会いました。あの人は、とても頼りない目をしていました。あの人は、とても優しい目をしていました。しかし、なんでこうなるんでしょう?どうして、こんなことになるんでしょう?それはさておき、私は・・・何をさておいても、私は・・・やっぱり彼のことが心の底から・・・大好きなのです。演劇部のアーサー部長のために「五十の蜂」という何かを捜している演劇部副部長のソフィア。それはアーサーが学校在学中に手に入れたいと熱望しているものなのですが、ソフィアには今までに聞いたことがない言葉で何のことだか分かりません。アーサーに思いを寄せているソフィアは、アーサーが欲しがっている「五十の蜂」という何かを捜し出して、三日後のソフィア自身の誕生日にそのプレゼントとともに自分の思いを告白するつもりなのです。しかし、どうしても「五十の蜂」が何なのか分からないソフィアは、情報通の新聞部メンバーたちに「五十の蜂が何なのかつきとめてほしい」という依頼をすることになって・・・。 「メグとセロン」シリーズは、ロクシアーヌク連邦(通称ロクシェ)の第四上級学校に通う主人公のセロン・マクスウェルがベゼル・イルトア王国連合(通称スー・べー・イル)から転校して来たシュトラウスキー・メグミカ(通称メグ。シュトラウスキーは名字です)に片思いすることになり、奇妙な事件に巻き込まれた結果、メグと一緒に、変な記事ばかり掲載していたりやたらと豪華な部屋を部室にしていたりまともな部員がいない新聞部に入って、楽しい仲間たちと部活動することになるというストーリーです。成績優秀でルックスも良いけれど恋愛や人付き合いが苦手なセロン、片言のロクシェ語と美しい歌声の正義感あふれる可憐な暴走少女・メグ、セロンの親友で軍人一家で育った熱血体育会系のラリー、ラリーの幼馴染みで楽器演奏が得意な長身の少女・ナタリア、容姿端麗で中性的な魅力を持つニック、そして面白い新聞作りに燃える警察までも利用する気満々の野心的な新聞部部長ジェニー。この個性豊かな6人の新聞部メンバーたちが部活動を通して恋や友情、学園などで起きる不思議な事件の解決に頑張ることになります。 演劇部のソフィア副部長の恋を応援するため、「五十の蜂」という謎の言葉の意味をさぐることになった新聞部メンバーたちでしたが、どれだけ調べてもさっぱり分からず三日間という短い依頼の期限が迫ります。学校の友達や家族に聞いても分からず、皆で相談しても答えは出ず、図書館の百科事典や様々な専門書を片っ端から徹夜で調べても「五十の蜂」の意味は分かりません。アーサー自身からそれとなく聞きだすという作戦もうまくいかない中、セロンが疲労でボロボロになったり、メグによる変なベゼル語講座が始まったり、調査は行き詰ることになってしまいます。学園ものらしく恋愛を応援するストーリーでした。皆で力を合わせてソフィアのために頑張る姿は美しい友情や強い団結力が感じられて大変感動的で面白かったです。また、一見おとなしそうに見えるメグがものすごく熱血だったり、頭もルックスも良いセロンが自分に自信を持てなくて恋愛に後ろ向きな考えだったり、ギャップが楽しかったと思います。 ジャンルは学園ラブストーリー・ミステリー・ファンタジー。ラブストーリーやミステリーが好きな人にお薦めです。<終>メグとセロンシリーズリリアとトレイズシリーズ「メグとセロン」シリーズは「リリアとトレイズ」シリーズの外伝的ストーリーです。あらかじめ「リリアとトレイズ」シリーズを読んでから読むといっそう楽しめます。アリソンシリーズ(これは1巻です。全4冊出てます)また「アリソン」シリーズは、「リリアとトレイズ」シリーズと「メグとセロン」シリーズの親世代のストーリーです。
2009年04月27日
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生い茂った森、険しく切り立った崖、そして動物すら敬遠するような獣道を進んだ先。そこに、その村はあった。一見、山に囲まれた普通の村のようだが、実はこの村の住人全て忍者という普通じゃない村。そう、ここは伊賀の隠れ里。「日本一の『忍』の名産地!」を自負する由緒正しい里なのだ。そんな物騒な里だけど、今日はいつにも増して物騒な雰囲気に包まれている。里の中央の広場に伊賀の里の重鎮が集まっていた。すべからく真剣な顔つきをしている。一同が注目しているのは、広場の中心にいる一人の忍だ。年は三十前半で背が高く実に柔和な顔立ちをしている。服部総八郎、服部総本家の跡取り息子でいずれは服部半蔵の名を世襲し伊賀の頂点に立つ忍なのだ。総八郎が見据えるのは二十メートルほど離れた場所に置かれた巨大なルーレット。服部カナデ、服部小鳩、音羽マムシ子、百地殺裏香、石川衛門子、下柘血飛沫、センスについてはかなり問題あるけれど一応女性の名前が書かれている。「縁結の儀」、それは伊賀の里に伝わるバカバカしい風習の一つで嫁候補となる女性の名前が書かれたルーレットを回し、そこに手裏剣を投げて結婚相手を決めるというものだ。そして、投げられた手裏剣は誰も思っていなかった所に突き刺さってしまい・・・。 「陰からマモル!」シリーズは、先祖代々の掟を守り続けながら忍者をしている主人公の陰守マモルがものすごくくだらない掟に翻弄されて苦労するというストーリーです。凄腕忍者のマモルは、400年前の殿様が命じた「紺若家の人々を守るように」という陰守家代々の掟のため、お隣に住んでいる天然ボケトラブルメーカーの少女・紺若ゆうなを日夜守っています。殿様の家系はとっくの昔に滅んでいるので現在掟を守る必要は全くないわけですが、掟を守ることを重視する父母に言われて幼い頃から忍者としての厳しい修行をしたり、正体を隠すため勉強ダメ・運動ダメ・ルックスダメのダメダメ少年を演じなければならず、結婚相手は掟を守るため強い女性じゃないとダメ!と、いろいろ苦労が絶えません。その上、護衛対象のゆうなは日常的にマフィアに追われたり、いつのまにか竜宮城へ連れて行かれるような恐ろしいほどのトラブルメーカーなのです。そんな苦労ばかりのマモルですが、格好良い忍者としての正体を知る女性たちには大変モテます。女侍の椿、伊賀のくノ一・山芽、甲賀のくノ一・ホタルたちはマモルに好意を寄せています。しかし、ダメ少年を演じることに慣れきったマモルは自分がモテることにさっぱり気づかず、マモル自身が恋のトラブルを引き起こすことになってしまいます。 しょーもない掟のせいで何故か次期服部半蔵の結婚相手に選ばれてしまった山芽。一方、椿も強引過ぎる父・斬十郎の意向で剣術対抗試合の優勝者と結婚させられることになってしまいます。甲賀の里では「伊賀VS甲賀の運動会に勝利する」というバカバカしい目的でマモルとホタルを結婚させようとする陰謀が里中の人々を巻き込んで進行することになり、ゆうなにいたってはカメを助けてうっかり竜宮城へ連れて行かれることになるのです。女の子たちの大ピンチ!そんな中で進展しそうなマモルの恋の行方?マモルは山芽、椿、ホタル、ゆうなの危機を救うためそれぞれの故郷や竜宮城まで駆けつけることになります。恋愛ににぶいマモルをめぐる女の子たちの愉快で熾烈な爆笑恋愛バトルがとても面白かったです。また、おバカな風習が普通に続く伊賀の里や普通の人間には食べられないようなゲテもの料理が名物の甲賀の里、CGみたいな超剣術が乱れ飛ぶ椿の家、などヒロインたちの楽しい故郷の様子やそこに住む面白住人たちが大変笑えました。 ジャンルは爆笑忍者アクション・ラブコメディ。コメディが好きな人にお薦めです。<終>陰からマモル!シリーズコミックも出てます
2009年04月20日
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教室で授業を受けていた直人は首をかしげる。彼は机の上に教科書とノートを広げ、授業の内容を書き留めているところだった。(あれ?)自分の書いていたはずの文字をまるで読むことができない。何行にも渡ってぐちゃぐちゃした黒い線がうねっているだけだ。どうやら寝ぼけていたらしい。どこまでちゃんとノートを取っていたのか前のページを確かめる。しかし、そこも同じように得体の知れない線で埋め尽くされている。ぱらぱらとノートをめくっていくうちに気味が悪くなってきた。どのページにも読める文字は見当たらない。矢印や文様のような奇妙な図も描かれているが、どこを取っても意味が分からなかった。(なんだ、これ・・・なんの授業だ?)ふと、人の動く気配を感じて直人は教室の反対側の隅を振り返った。(・・・牧野)同じクラスの牧野やよいだ。「うわ・・・」赤い目をした灰色の怪物がやよいの顔を両手で挟み、その後やよいの頭の上半分が失われていた。(食われたんだ)直人の口から絶叫が上がり、保健室のベッドで跳ね起きた。異様に鮮明な恐ろしい悪夢。ところが現実の世界でも怪物に食われた牧野やよいは、授業中に眠ったまま目を覚まさなくなっていて・・・。 「モーフィアスの教室」シリーズは、いつも得体の知れない悪夢にうなされている主人公の岸杜直人が謎めいたところがある幼馴染みの美少女・久世綾乃とともに「赤い目」を持つ敵と対決することになるというストーリーです。人間たちの悪夢が暴走することによって生まれる「赤い目」の怪物・夢神。強い力を持つ夢神は人間たちを悪夢の中に引きずり込み、人間の魂を取り込んでしまいます。そして、魂を取り込んでさらに力をつけた夢神は夢の中から現実の世界へまで来ようとするのです。もし夢神が現実の世界へ来てしまったら、夢神は自身を現実世界で維持し続けるために夢の中にいた時より多くの魂を必要とし、人間を殺し続ける最悪の存在になってしまいます。しかも、もともと実体を持たない夢神は物理的に傷つけられても死ぬことはなく、現実世界では対抗手段がないのです。父・孝臣を夢神に殺され、綾乃以外のクラスメイト全員を夢神の悪夢の中に取り込まれてしまった直人は、夢神のことを何故か詳しく知る綾乃に助けられ夢神の恐怖に立ち向かうことになっていきます。 夢神に魂を食われ、次々と眠ったまま目を覚まさなくなるクラスメイトたち。直人、綾乃、そして何の説明もなく協力してくれることになったクラス委員の倉野棗の3人は、クラスメイトを救うため綾乃の指示で「最初に悪夢を見たクラスメイト」を見つけ出そうと奔走します。しかし、日ごとに犠牲者は増え続けクラス中に動揺が広がっていくことになります。そんな中、綾乃はこれ以上の被害を防ごうとクラスメイトたちに「とにかく寝るな!」と無茶な命令をすることになり、理由を説明するわけにもいかずますます追い詰められていきます。「悪夢の中で怪物に食われたクラスメイトが次々と目を覚まさなくなる」「最初に悪夢を見たクラスメイトをいっこうに見つけることができず追い詰められる」「怪物が現実世界に出てきてしまった大変」というまさに悪夢のような展開がとても怖かったです。夜眠る前には読まないほうが良いと思うほどでした。とにかくストーリーが進むほど深まる謎と驚愕の真実、そしてスリリングな恐怖が大変面白かったです。 ジャンルは、学園ホラー・アクション・ファンタジー。ホラーが好きな人にお薦めです。<終>モーフィアスの教室シリーズ
2009年04月13日
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「須黒魔術団 御挨拶」親愛なる紳士淑女の皆様、並びに愛らしき御子息御令嬢の皆様。世界の神秘、希代の驚異、魅惑の美技、皆々様が未だかつて眼にしたことのない真の魔術を披露する須黒魔術団が、この度ご当地に御目見えいたします。我が魔術団の発足は今を去る二十余年前、私こと須黒平祐が欧州にて魔術の修行を終え帰国した際、わが国における手品・魔術に対する無知無理解と演者の技量のあまりに稚拙なることに義憤を覚え、真の魔術の力を世間に知らしめ、以って我が国の知的興味の水準を向上せしむことを願い、全国より才能ある若者を集め育成し、その成果を供覧することを目的として設立したものであります。この度の御当地での公演におきましても空前絶後の大魔術を御披露し、必ずや皆様方を驚異驚嘆驚愕の世界へとお連れ申し上げます。俊介たちの町にやって来た須黒魔術団。「彼ら魔術団が訪れた町では必ず宝石泥棒が起きる」という噂があって・・・。 「狩野俊介」シリーズは、探偵としての才能あふれる主人公の少年・狩野俊介が石神探偵事務所を引き継いだ探偵・野上英太郎のもとで様々な事件に遭遇し、人間としても探偵としても成長していくことになるというストーリーです。舞台は一昔前の日本、孤児の少年・俊介は名探偵・石神法全にその才能を見出され、法全の薦めで一人で探偵事務所を切り盛りしている野上英太郎を訪ねることになります。そして、当時小学生だった俊介は恐ろしい事件や痛ましい事件を大人顔負けの見事な推理で解決していくうちに「人間の心の闇、事件を解決することによって得られる救い」を同時に知ることになり、人間として探偵として大きく成長していくことになるのです。最初人見知りで人々の輪の中に溶け込むことができなかった俊介も保護者の野上、行きつけの喫茶店で働くウェイトレスのアキ、友人の遠島寺美樹や久野徹、手品師の滝之水梨花など事件を通して出会った信頼できる人々に支えられ自分の居場所や良い人間関係を築くことができるようになっていきます。 悲運の死を遂げた百舌姫が妖怪と化し、悪党どもを百舌の早贄のように木の枝に突き刺して殺したという恐るべき百舌姫伝説。須黒魔術団は町に伝わるこの「百舌姫伝説」をもとに魔術劇を公演することになります。そんな中、「須黒魔術団が訪れた町では必ず宝石泥棒が起きる」という噂どおりに宝石店で宝石が盗まれ、さらに魔術劇と同じように木の枝に突き刺さった百舌の早贄そのものの死体が発見されることになってしまいます。どうやって高い木の枝に死体を突き刺したのか?仮に怪力を持つ大男がいたとしても死体を持ち上げて深々と木の枝に突き刺すことは不可能でしょう。あまりに人間離れした犯行に宝石泥棒事件と同様、須黒魔術団の人々が疑われることになります。今回の事件は、異常としか思えない見立て殺人や怪しげな雰囲気の魔術団以上に初恋に戸惑う俊介の姿がとても印象的でした。魔術団の一員である美女・琳麗に恋しながらも探偵として魔術団の人々を疑い、事件を解決しようとする俊介が切なくて大変面白かったです。やっぱり恋は少年を成長させますね。 ジャンルは本格推理ミステリー。ミステリーが好きな人にお薦めです。<終>狩野俊介シリーズ短編集やコミックもあります
2009年04月06日
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