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この合宿を準備し、集まった若手狗牙絶ち衆を殺そうとした者がいる。それが誰なのか、駿にはもう判っている。確信している。問題は。其奴が何時襲ってくるのかということ。其奴とどうやって闘うかということ。香月だけでは、しんどい勝負になるだろう。相手が一人ならともかく、二人では。香月自身も「難しい」「厳しい」と言っている。勝てる相手だと思ったら、「勝てる」と言うのを躊躇うような香月ではない。彼女が「厳しい」と言うのなら、それは本当に厳しい闘いになるということだ。けれど、敵は二人だろうか。駿はもう一度考える。すでに何回考えたか判らない。その都度、駿は同じ結論を出す。間違いない、と。相手は二人のはずだ、と。敵の正体は・・・。 「狗牙絶ちの劔」シリーズは、居合いの達人の美少女・修学院香月に斬られてしまった普通の主人公の高校生・葛城駿が「狗牙絶ち衆」の世界に入ることになってしまい、連続殺人事件が起こる山奥の合同合宿に参加することになるというストーリーです。「狗牙」とは、人を喰らう吸血鬼風の化け物。「狗牙絶ち衆」たちは、そんな狗牙を昔から特殊な剣と超絶的な剣術を使って人知れず倒し、社会の平和を守ってきました。そんな中、狗牙との戦闘に巻き込まれた駿は狗牙絶ち衆の香月に斬られてしまうのですが、刀を身体の中に飲み込む特異体質だったので命拾い。刀を飲み込む者は狗牙絶ち衆の長い歴史の中でも非常に珍しい存在だったことも判明し、強引に狗牙絶ち衆の仲間にされてしまいます。その後「美少女」の香月につられたこともあって、駿は若手狗牙絶ち衆が集まる山奥の剣術修行合宿に参加することになり連続殺人にも巻き込まれることになってしまいます。 行く先を告げられることもなく、突如北海道の山奥で行われる合同合宿に参加させられることになった若手狗牙絶ち衆たち。そんな中、若手の講師役となる剣の達人・岩洞那原が何者かに斬り殺され、バラバラ死体になっているのが発見されます。もうひとりの講師・伊砂斎もほどなく行方不明。その後も若手狗牙絶ち衆たちが次々と斬り殺される事件が発生します。誰が剣の達人を斬り殺したのか?、そんなことが可能な人間が合宿に参加しているのか?、さらに普通の狗牙とは思えない正体不明の狗牙の襲撃、合宿所につながる秘密通路の発見、香月の妹弟子・美久が狗牙に襲われ瀕死、狗牙絶ち衆内でも仲間割れが起こり、大混乱の中で駿は狗牙絶ち衆にはない第三者的な視点で冷静に事件の犯人を見極めることになっていきます。一応、完結編です。連続殺人犯の意外な正体が判明することになります。合同合宿の楽しさ、駿と香月のラブコメ、狗牙との激しい戦闘、仲間たちが死んでいく悲しみ、不可解な事件の謎、そして正体不明の犯人との対決、ラブコメディ・アクション・ミステリーの違和感のない見事な融合がとても面白かったです。 ジャンルは、剣術居合いラブコメ・アクション・ミステリー・ファンタジー。ラブコメディやアクションやミステリーが好きな人にお薦めです。<終>狗牙絶ちの劔シリーズ
2010年03月27日
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雲一つない青空の下、生徒たちが盛り上がっている。場所は小鐘井市にある浅間山学園高校の玄関だった。「ヤダ~、今度は知らない人ばっかりだわ。仲良くできるかな?」「ラッキー、今度のクラスは美人揃いじゃないか。テンション上がるぜ」「J組かあ。教室からトイレまで一番遠いんだよなあ」そんな感じに盛り上がる生徒たち。3年に進級したマモルとゆうなたちも「ま~も~く~ん!やったよ!また同じクラスだよ!今度は一緒にJ組だよ!!!保育園の頃からずっと一緒だからもうこれで・・・14年同じクラスだよ。奇跡って言ってもいいよね!?」目をキラキラさせるゆうな、同じクラスにする裏工作で傷つき疲れ果てながら一年間の平穏無事を祈るマモル。そんな時、教室までやって来た椿が「陰守、水臭いではないか。どうしてあのように重大なことを拙者に教えてくれなかったのだ。入学して来たお主の妹のことだ!」少々非難っぽく言った。突然現れたマモルの妹まりも。その正体は・・・。 「陰からマモル!」シリーズは、ルックスダメ!勉強ダメ!運動ダメ!のダメダメ高校生に偽装している主人公の凄腕忍者・陰守マモルがお隣に住んでいる日常的にマフィアや犯罪組織に狙われ電柱にぶつかり転んだりもする危険に巻き込まれる才能溢れた少女・紺若ゆうなを守り続けるストーリーです。昔々の戦国時代、こんにゃくが大好きなお殿様がいました。ある日、美味しいこんにゃくを後世まで残したいと思い立ったお殿様は、一人の忍者を呼び出して「こんにゃく作り名人の家系を陰からこっそり守るのじゃ」と言ったのです。主君の命令は絶対。「名人の家系を陰からこっそり守る!」という命令を至上の掟にした忍者の家系は、以来数百年の時が流れ殿様の一族がとっくに滅んでも、何故か今だに掟を守り続けているのです。そんなしょーもない掟を仕方なく守り続けるマモルですが、格好良い忍者としての正体を知る一部の女の子たちには大人気でモテモテです。 マモルの妹まりも。その正体は、陰守家の親戚である裏陰守からマモルの任務を奪うためにやって来たくノ一だったのです。「お隣を守り続けるっていう任務は厄介で大変なだけ」と主張するマモルに対し、まりもは「トラブルに巻き込まれる才能に恵まれた紺若ゆうなを厳しい修行で身につけた忍術・対術を存分に生かして守れるなんて素晴らしい!」と無茶苦茶なことを言って任務を奪うための勝負を挑んでくるのです。「陰からマモル!」シリーズの続編です。毎度おバカな理由で命を狙われるゆうなやヘンテコな掟に振り回されて爆笑忍術アクションを繰り広げる忍者たち。そして、自分がモテることに気づかず重度の恋愛オンチで女の子たちを困らせるマモル。リニューアルしても変わることのない「陰まも」は相変わらず楽しくて笑えて大変面白かったです。また、高校3年生でも受験勉強しなくても良い忍者は羨ましいですね。 ジャンルは、忍者ラブコメ・アクション・ファンタジー。ラブコメディやアクションが好きな人にお薦めです。<終>陰からマモル!シリーズコミックやDVDもあります
2010年03月20日
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全てを疑え。僕は両親の手でそういう風に造られた。こんな言い方をしてみたけれど、別に恨んではいない。無論、本当に恨んでいないのか疑ってみた結果だ。造られたというとまるで人造人間か何かのようだが、僕はれっきとした普通の人間だ。まあ、結局のところ人間も人間を造るのだから、ある意味で全ての人間は人造人間と言えなくもないのだが。とにかく、造られたというのは、そういう風に育て上げられたということだ。生まれてこの方、恋人が出来たことは一度もない。友人達は、僕のこの性格のせいだと言う。本当かどうか疑ったが、どうやら真実ではあるらしい。休日、副業で竹細工を造っている父さんに言われて竹の伐採に裏山へ向かった僕は、まず自分の目を疑った。竹林の中、竹槍を持った半裸の女の子がパンダとダンス!?・・・なんだこれ。「ち・・・違うんです。た、助けてください!わ、私その、このパンダに突然襲われて・・・」どう見てもパンダを竹槍で襲っている変な少女の言い訳。そして、僕はそんな少女に一目惚れしてしまう。本来ならば絶対におかしい。疑わしいぞ。しかし、少女は疑いようもなく可愛くて・・・。 「世界の中心、針山さん」シリーズは、誰にも憎まれないような何者にも嫌われないような人の良さそうな主人公・針山真吉が埼玉県所沢市で巻き起こる奇想天外な事件の数々に脇役として必ず絡んでいくという短編連作ストーリーです。針山さんは、デザイナーとしてそこそこ裕福な生活を送っているごく普通のオジサン。針山さん自身には特別な能力はありません。そんな普通すぎる針山さんですが、宇宙人や米国秘密組織と闘っている忍者から仕事を依頼されたり、巨大ロボットのデザインをすることになったり、宇宙人から贈り物をもらったり、異世界からやって来た魔法少女と友だちになったり、非日常的な出来事に関わることになっていくのです。そして、そうした非日常的な出来事はそれぞれに独立した短編ストーリーでありながら、少しずつ絡み合い関係しあって「世界の中心、針山さん」というストーリーになっていきます。 非常に疑い深い中学二年生の半人前忍者少年・霊雪人が情報収集のために地球に送り込まれた宇宙人少女カグヤと恋に落ちて武闘派野良パンダや敵性宇宙人と闘う忍者夫婦に振り回されたり、「米軍」を自称する秘密組織と対決したり、24世紀の宇宙船と関わったりするSFラブストーリー風御伽噺「なよ竹の姫君は伝奇パンダの夢を見るか」前編・後編。工業機器メーカー馬熊重工の工場長・朝乃橋徹也が「カッコイイ巨大ロボットを操縦する」という幼い頃からの夢を叶えるため会社や家族を振り回して情熱と夢を暴走させる「工場長のドリームチェイス」。記憶喪失の黒服女性・美津川サヤが謎の黒服集団と宇宙人で彩られた不可思議で恐ろしい記憶を思い出そうとする「メン・イン・ブラックの閻魔帳」。そして、エピローグ的なおまけ短編「子供の中心、針山さん」。短編連作5編が収録されています。御伽噺なのに何故か宇宙船からストーリーが始まったり、巨大ロボットのパイロットを夢見るストーリーが企業買収を中心に進んだり、ホラー風味のストーリーが最終的にコミカルに覆ったり、予想のつかない意外性てんこもりの展開がとても面白かったです。 ジャンルは、ごちゃまぜ御伽噺・都市伝説・ドリーム・アクション・ラブストーリー・ファンタジー。ジャンルがカオスな不思議ストーリーが好きな人にお薦めです。<終>世界の中心、針山さんシリーズ
2010年03月13日
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(・・・子供?)清苑は眉をひそめた。なぜ王宮の庭院から子供の泣き声が聞こえてくるのか。「・・・誰か、いるのか?」当たりをつけた場所で繁みをかきわけた清苑は、そこに世にも奇妙な物体を発見した。(・・・なんだこれは?)ぺろーんとうつぶせに何かが転がっている。清苑を見上げた顔は涙と鼻水と泥でぐちゃぐちゃで、ふえふえと面白い声でしゃくりあげている。見つめていると、力尽きたように子供の顔が地面に激突した。清苑はのけぞった。どうやら顔を上げ続ける気力も体力もないらしい。(・・・確か、劉輝、だったか?)「どうして泣いている」泣き疲れて仰向けにひっくり返る気力もないくせに、必死で清苑を見上げてきた。覇王・せん華の時代、清苑公子を待ち受ける陰謀とは・・・。 「彩雲国物語」シリーズは、貧乏だけれど名門のお嬢様である主人公・紅秀麗が国を良くしようと官吏として出世を目指すストーリーです。しかし、彩雲国では女性は官吏になる事が出来ません。さらに王族・貴族たちの思惑が渦巻く朝廷では綺麗事が全く通じず、まともに仕事をするのではなく様々な陰謀に打ち勝つことができる「力」ある者だけが出世して生き残ることができるのです。そんな中、秀麗は常識を覆して女性官吏となり、陰謀によってライバルたちを蹴落とし出世していくのではなく、国のいち官吏として人々を助け、そうして助けた人々に支えられて朝廷の中でのし上がろうと奮闘することになっていきます。ところが朝廷は国王である紫劉輝の力が弱く、そのことが原因で国を揺るがす事態が次から次へと起きることになっていくのです。 紅家の家人として秀麗の守り役として秀麗を支え、劉輝の兄として武官として王である劉輝を助ける静蘭(清苑公子)。一途に秀麗を思い秀麗が助けを必要としている時にはどんな状況でも駆けつける文武を兼ね備えた伊達男・浪燕青。秀麗をいつも見守り続ける秀麗の父・邵可。今回の外伝短編集は、ヒロイン・秀麗を守り活躍する三人の男たちを中心としたストーリーになります。静蘭・燕青・邵可それぞれがどのような気持ちでこれまで生きてきて、官吏の道を一生懸命歩み続ける秀麗をどんな気持ちで支えているのか?三人それぞれの強くて熱い思いが鮮やかに伝わってくるエピソードで大変面白かったです。それにしても静蘭も燕青も邵可も格好良かったです。秀麗の周りには、良い男たちが揃っている気がしました。 ジャンルは、中華風陰謀アクション・ラブストーリー・ファンタジー。アクションやラブストーリーや陰謀ストーリーが好きな人にお薦めです。<終>彩雲国物語 短編集・外伝シリーズ本編シリーズ(本編は15冊出てます)コミックやDVDもあります
2010年03月06日
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