武蔵野航海記

武蔵野航海記

2009年05月21日
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「やはり仏教というのは、僕が思っていた通りのものだな」というのが、今の僕の印象です。

仏教というのは、「こねくりまわしている」ものです。

仏教というのは伝統的に、魂の存在を認めないのです。

ところが輪廻転生は認めるのです。

普通に考えたら、輪廻転生するのは魂です。

こういう単純な問題を仏教の教えは素直に説明できないのです。

また、我々はいろいろとものを考えますが、考えるのは「私」のはずです。

かのデカルト先生も「我考える。 故に我あり」と悟ったのです。

「私」というものがなければ、誰がものを考えるというのでしょう。

こういう単純にして明解な疑問になんとか答えようと、学僧たちは二千年以上にわたって考え続けてきました。

なんとか回答を得ようと色々努力した結果、仏教の教義が非常に「こねくりまわした」ものになってしまったのです。

私は最近、「お釈迦様は、魂が無いなどとはいわなかったのではないか」と思いはじめました。

私が大学院で仏教を研究し始めたのは、「どういう経緯で仏教の教義がこんなにこねくりまわしたものになってしまったのか」、「どうすればシンプルなものにできるのか」を知るためです。

これだけであれば、「仏教オタク」というだけのことです。

しかし、私はこの「こねくりまわした仏教の教理」というのが、今の日本人の精神構造に重大な影響を与えていると確信しています。

その影響というのは、決して良いものだけではないのです。

悪い影響も与えています。





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最終更新日  2009年05月21日 06時54分45秒
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Re:ちょっと仏教について(05/21)  
おはようございます
読ませていただきながらそうなんだ、、と納得する部分と正直言って反論もしている私です
でも頭もよくなくそんなに勉強したわけではなですがやっぱり「違う」、、と思うんですね
仏教といってもご存知のとおり色々とありますし
又現在に至っては随分と都合よくかえられてきているのが今の仏教だと思います
特に日本では「神仏」が一緒になった?なされた時代などもあって混合され削られ都合よく利用されていると思っています
仏教は本来の「生死」と「心」の問題を忘れ去られてきた仏教が多い、、と思っています
今の日本人にとって仏教は死んだ時と先祖を供養する時だけの仏教になってしまっています
葬式仏教といわれる由縁だと思います
本当の「仏教」は、、仏の御心はもっと違うと思っています
私には上手く説明できませんしわかりません
失礼と思いますが今学ばれている事はほんの一部でしかないじゃ無いでしょうか?
それにしても日本人さえ忘れた「仏教」をわかりたいと勉強されているのには感心と共にと尊敬をします
又勉強されて感じた事など教えてください
私なりの勉強をさせていただくつもりで聞かせていただきます (2009年05月25日 08時32分48秒)

Re[1]:ちょっと仏教について(05/21)  
はあちゃん0408さん
仏教っていう宗教がどんなものかというのは、誰も分からなくなっています。
お釈迦様が始めたわけではなく、前からあった仏教をお釈迦様が少し変えただけだという説もあります。
お釈迦様が本当はなんと言ったかというのも、誰もわからないのです。
先日も、禅宗のお坊様とお話をしていたのですが、私が「そういう禅宗の教えはお釈迦様の言ったことと反する」といったのです。
そうしたら、その坊様は「確かに禅宗のこの教えはお釈迦様の教えとは違う。しかしお釈迦様がこの場に現れて私の話を聞けば、納得するはずだ」というのです。
まあ、仏教ってこんな感じです。 (2009年05月25日 20時26分36秒)

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