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2008年03月27日
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おおまじめに考えていることだが、文科省の教育目標、

「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできたわが国と郷土を愛し」

っていうなら、今度、小学校からはじめる英語の内容に「各自治体地元の郷土史」や「日本をほめたたえる文」を暗唱させるようにするといい。

比較級「日本の歴史はアメリカ合衆国のそれより長い」
最上級「富士山は世界の中で最も美しい山です」

こういう事実や主観が、堂々と英語で言えれば、いわゆる国際競争力をつけろってことにも役立つと思うんだけどねぇ。

細かい文法の説明なんかいらん。全部まるあんき。
これが現代日本語とか古文・漢文でだったら、むかしの子どもの、歴代天皇とか教育勅語とかと、同じ「危険性」が問題になるだろうけど、英語ならたぶん文句いうひとも少ないよ。
「声に出して読みたい日本語」じゃなく、「声に出して読みたい英語」だ。

外国に対する卑屈な気持ちも消えていく。
「日本語は美しい」
と信じる人も減るね。英語でだって、感動的でウツクシイことがことばで表現できるようになるんだから。
主張ができるようになり、自発的に話せるようになる。
どうだ。いいことづくめだろう。

とか、あおりはともかく。

いまの教科書は知らないけど、四半世紀前の、ヒアリング(リスニングとは言っていなかった)重視になってきたあたりの教科書だと、
「ロンドンのハイドパークにはリスがいます。」
とか
「オーストラリアは日本の20倍の広さです」
とかあるけどさ、これって暗記して繰り返せたところで、日本人がそのまま英語で話す機会は、たぶん一生ない。

ならあるかもしれないけど、外国語だからって主語が相手方の国のものばっかりにする必要はないと思う。


外国語が必要なのにできなくて恥ずかしかったとか悔しかったとか、と世間の多くの人が実感する場面って、旅行外国語の挨拶・買い物(数字・メニュー)のその次のレベルだと、外国人が来たときのことばとかでしょ。
交渉とか、苦情とか、もともと日本語でもやらないことは日本人がやるのは難しい。
でもさ、新参者に何かを親切に教えてやるのって、けっこう好きだよね。日本人も。
しかも、母語でも英語が話せる人は、全員自分よりカッコよくて頭よくて偉いと思っている人だったら、そんな相手に、自分の知っているごく当り前なことを教えてやるってことができたら、とても気分いいことじゃない?


テキストも、架空の地名じゃなくて、実際に実用的なものにすりゃあいいんだよ。

「私たちはXXにXXXXを見ることができる」
とか、東京都23区の学校なら「東京湾」に「三浦半島」が、新潟なら「日本海」に「佐渡島」が、名詞はてきとーに変えて、文法的な重要構文を、ばしばし暗記。
各地のものをランダムに集めると、たとえば以下のようになる。

「米子空港は1958年に開かれました」
「かまぼこは魚から作られます」
「赤べこは布でできています」
「山口生まれの片山東熊は、日本の史上三大建築家と言われています」

全国共通の教科書では習わないレベルの歴史とか地理。
架空のものだと、いまひとつ、ぴんとこない。

「JAカボクセンターは花や野菜を売ります」
「資源化センターは地元ナンバー以外の車を拒否します」
「日本中の食用サボテンのほとんどがこの町で育ちます」
「もし私が猿なら、まるがめ山でタラの芽を食べるでしょう」
「あなたはトンガリ山にのぼらなければならない」
「あなたはサワタリ川に行くべきです」

他地域の人にはまるで通じないような、あまりに地味すぎるような地元の固有名であればあるほど、、応用することもなくそのまま覚えておきさえすれば、いつか使うこともあるかも…と「意味あるもの」として感じられるようになる。
「英語なんかやっても全く役に立たない」と言う人もいなくなる。


わりとどこでも使えそうなネタ。

「市役所ができて60年がたちました」
「市民プールで泳ぐことは楽しいです」
「この市は22の中学を持ちます」

「実をいえば、この町の夏はとても暑いです」
「率直にいえば、私たちの町は新幹線が通る以前は田舎でした」

「少なくない外国人がわが町に住んでいます」
「私の住んでいる町は住めば住むほど良い街です」
「わが故郷が素晴らしい町であることはいうまでもありません」

可能文、受身文、無生物主語文、トリビア交えるとよい。
一文覚えておけば、あとは単語だけとりかえて、いくらでも文が作れるようになる。

内容があまりわからない子どものうちに、故郷礼賛をたたきこむ。
家に帰って、子どもが暗記でこんなことをどんどん言ったら、自分では話せなくても多少は意味がわかる父ちゃんやじいちゃんばあちゃんは涙するね。きっと。
「おまえ、英語がよくできるねぇ」
「本当にいいことばだねぇ。しみじみするねぇ」
とかね。
大人になって思い出すっていうのでもいいね。
そう、やがて大人になる本人と、周囲の大人、おとなに向けてメッセージが働くのだ。

同じことは、学校でも使えるね。
この大学全入時代を乗り切るには、瞬間偏差値じゃなく、定員充足数でなく、愛校心が必要だ。
「この学校が好き」という人の割合が高い学校が勝ちだ。

だから、英語でも第二外国語でも、外国語学部の初歩でも、まずとりあえず
「私たちの学校はXXX年にたてられました」
「一番近い駅はXXXです」
「XX号館からはXXXがみえます」
「学食のカレーライスはXXX円です」
とか、暗記すれば満点がとれるテストをする。

毎年、全学年がやってもいいね。くどいくらい繰り返す。
書く試験じゃなくて、思い出せなかったら、やりなおし。
何年かたって同窓と「カレーライス、いまも同じ値段なのかなー」とか「先輩の代は20円も安いんですね」とかいうネタになるくらいのものにするのだ。
学校に詳しくなる・・・ということは、学校が好きになるのに役に立つ。


ところで文科省の郷土愛。
国といったらマズイから、とりあえず郷土にしとけ、郷土を大切にすれば国も同じことだ、ってこと?
それだけでもないように思う。

・・・なんでそんなことをいうかというと、都会と地方との格差が目立ってきているといわれているから。
実は、格差は昔のほうこそ、もっとひどかったのだが、今はどんどん「そっち側になりたくない」と逃げ出す人が増えたので、それで問題になっているのだろう。

まるで発展が見込めない、未来が明るくない地域・・・というのが日本の各地にあるんだが、これが「故郷はすばらしい」とたたきこまれた子ならば、一度出てもやがて戻ってくるようになるだろう。
そのうえ超優秀な頭のおかげで立派な大学へ進学したひとなら、中央に出て、官僚や一流企業に入ったとしても、合法的に地元に利益誘導するようになり、地域格差が減る一助になる。

・・・とか、腹黒すぎる考えだろうか。

旧帝大を全国あちこちに配置した明治政府はえらかったなー。
いま地方都市として大きく栄えているところは、ぜんぶ帝大があるよ。






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Last updated  2008年04月01日 00時27分04秒


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