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木田元さんの「木田元の最終講義」を買書したら読みやすくて、しかも短かかったので読んでしまいました。「どの存在概念もなんらかの時間的意味をふくんでいる。その時間的意味に目をとめることによって、西洋哲学の隠れた本性をあばき出す。」「<存在=生成><存在=被制作性>といったさまざまな存在概念に、それぞれ特有の時間的意味がふくまれていることを問題にし、いわゆる<存在了解>が現存在(人間)の時間性ー人間がおのれ自身を時間として展開する仕方ーと密接に連関し、時間性が変われば、つまり人間がおのれ自身を時間として展開する仕方が変わり、自分自身の未来や過去とかかわる仕方が変われば、存在了解も変わり、そこから異なった存在概念が形成される。」以上ハイデガーについてです。「古い時代のギリシア人はすべてを自然(フユシス)として見、ものがあるということはおのずから生成し消滅しつつあることだと見ていた、つまり存在=生成と見ていたのだが、プラトンはそれに対して、あるということを作られてあることと見て、つまり存在=被制作性と見て、自然を制作の単なる材料と見るような不自然なものの考え方を持ちこみ、これがその後の西洋哲学の全体を規定し、その哲学を青写真にしておこなわれた西洋の文化形成の総体を規定してきたと考えたようです。」「西洋の文化形成の総体をニヒリズムと断じ、もう一度自然を生きて生成するものと見る自然観を回復してニヒリズムの克服をはかる<力への意志>の哲学を構想します。<力への意志>というのは、おのずから生成する生きた自然のその<生>の構造を言い当てようとする概念なのです。」以上ニーチェについてです。ふむふむ・・・。ところで、この本には「最終講演 哲学と文学」も併録されていますが、こちらは込みあっていて、僕には難しかったのでした。
2008年06月30日
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ラリー・ニーヴン/ジェリー・パーネルの「神の目の小さな塵」を買書つんどく。どうも品切れているみたいですが、たまたま書店で見かけたので買っておきました。「時は三〇一七年。人類は銀河系の隅々にまで支配の手をのばし、統一と戦闘とを繰返していた。帝国宇宙海軍の巡洋艦〈マッカーサー〉号で反乱軍の宇宙船との交戦から帰還したロデリック・ブレイン中佐は提督から艦長への昇進を言い渡され、艦の修理が終わりしだい首都星まで航行する任務に当たることになった。ある日のこと、正体不明の宇宙船が〈マッカーサー〉号の前に現われ、人類に接触を求めてきた。果して彼らの目的は何か……?「おそらくわたしがこれまでに読んだ最高のサイエンス・フィクション」とロバート・ハインラインが激賞し、現代アメリカSF界の話題を独占した超大作。ラリー・ニーヴン&ジェリー・パーネルの合作コンビの記念すべき第一作。」(出版社の内容紹介)
2008年06月29日
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塩見鮮一郎さんの「四谷怪談地誌」を買書つんどく。著者の塩見さんは、江戸期の非人問題に造詣の深い人と思っていたので、怪談とのミスマッチに気がひかれました。鶴屋南北の「四谷怪談」は以前読んだことがありますが、京極夏彦さんの「嗤う伊右衛門」のもととなった「四谷雑談」のほうがプリミティブで興味深かったことを思いました。「お岩はなぜ殺されたのか?怪談の現場を歩く。本邦怪談の最高峰、鶴屋南北「四谷怪談」。その下敷きになった実話を元に、ゆかりの江戸の土地土地を探る。その場所の意味とともに、背景の忠臣蔵の陰画ともなった、伊右衛門ほか苦しい浪士たちの実態を追う。」(「BOOK」データベースより)ちなみに、日本の怪談で怖いものはあまり無いように思うのですが、僕としては円朝の「真景累ケ淵」がいっちゃん怖いのではないかと思っています。
2008年06月29日
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「「聖女の島」は、軍艦島の写真集と、西条八十の「トミノの地獄」と、ピラネージの銅版画「幻想の牢獄」から生まれた作品です。」(「花の旅 夜の旅」あとがきより)というわけで、皆川博子さんの「聖女の島」を読みました。この本の謎の部分は、中ほどで分かるように書かれていますので、皆川さんの意図がトリックに無いことは明らかだと思います。ヒロインのパラノイアックな情念が主題といえるのでしょうが、これが僕にピンとこなかったのは、ひとえに「トミノの地獄」とこの作品の共鳴にまで僕の理解が及ばなかった不幸なのかな?と思いました。しかしまあ、不思議な魅力をもった本です。
2008年06月28日
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ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージ(1720-1778)イタリアのヴェネト州モリアーノ生まれ。20才でローマに移る。建築学や考古学の造詣を活かし、都市景観や古代遺跡の版画集、装飾品の単品版画などを多数発表した。代表的版画集「幻想の牢獄」は架空の建築を描いたもの。(kapiさんの「幻想美術館」より)
2008年06月27日
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端島(軍艦島) 長崎港から南西約18.5キロにある南北480メートル、東西160メートル、周囲1.2キロの小島。1890年、三菱が採炭を始めた。1916年に日本初の鉄筋7階建てアパートが建てられるなど高層住宅が林立、島影が軍艦「土佐」に似ていたことから「軍艦島」の異名を持つ。 最盛期の60年には5200人以上が生活していたが、74年の炭鉱閉山で無人となり、廃虚化した。近年、観光客などの関心が高まっているが、建物などが老朽化し危険なため上陸は原則的に禁止されている。(西日本新聞 ワードBOXより)たしか、僕が初めて「軍艦島」のことを知ったのは、「純」という映画の中で「軍艦島」の生活風景の映像が使用されているのを見たからではなかったかと思います。間違えているかも知れませんが、その映像だけは今でも覚えています。
2008年06月27日
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トミノの地獄姉は血を吐く、妹(いもと)は火吐く、可愛いトミノは宝玉(たま)を吐く。ひとり地獄に落ちゆくトミノ、地獄くらやみ花も無き。鞭で叩くはトミノの姉か、鞭の朱総が気にかかる。叩けや叩きやれ叩かずとても、無間地獄はひとつみち。暗い地獄へ案内(あない)をたのむ、金の羊に、鶯に。皮の嚢にやいくらほど入れよ、無間地獄の旅支度。春が来て候林に谿に、暗い地獄谷七曲り。籠にや鶯、車にや羊、可愛いトミノの眼にや涙。啼けよ、鶯、林の雨に妹恋しと声かぎり。啼けば反響(こだま)が地獄にひびき、狐牡丹の花がさく。地獄七山七谿めぐる、可愛いトミノのひとり旅。地獄ござらばもて来てたもれ、針の御山の留針を。赤い留針だてにはささぬ、可愛いトミノのめじるしに。西條八十 詩集「砂金」より
2008年06月26日
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無思慮な人間が、戯れに放った一発の銃弾が恐るべき人喰いを誕生させる。と、いうわけで、戸川幸夫さんの「人喰鉄道」を読みました。読み応えがありました。ただ、戸川さんの取材力の強さのせいもあるのでしょうが、まるで見てきたかのように描かれており、僕は正直いって、ちょっとつくりものめいた印象を拭い去ることが出来ませんでした。しかし、これも考えてみれば、実際にあった事件に基づく話だと承知しているところに違和感があるわけで、はなからフィクションであると思えば、まるでヘンリー・ライダー・ハガードのアラン・クウォーターメンものようなドラマなので、これは気持ちの問題かな?とも思いました。そして、もちろん、テーマは戸川さんらしく、自然と人間であることも見失ってはなりませんのでした。
2008年06月25日
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諸星大二郎さんの「栞と紙魚子の百物語」を買書。「栞と紙魚子」シリーズ最新刊で、「栞と紙魚子の生首事件」(1996年9月)、「栞と紙魚子と青い馬」(1998年5月)、「栞と紙魚子殺戮詩集」(2000年1月)、「栞と紙魚子と夜の魚」(2001年8月)、「栞と紙魚子何かが街にやって来る」(2004年2月)の後、実に4年4ケ月ぶりになります。このシリーズも息の長いシリーズになりましたが、ちょっぴり不気味でユーモラスな持ち味はあい変わらずです。ところで、この頃の諸星さんは、グリム童話のパロディめいた作品を発表したり、小説を書いてみたり、また「海神記」再始動のうわさがあるやらするのですが、ライフワーク「西遊妖猿伝」はどうなっているのでしょうか?諸星さんももう60歳。これはぜひ完結していただきたい!と切に願っています。
2008年06月24日
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コーマック・マッカーシーの「ザ・ロード」を買書つんどく。マッカーシーのつんどくがまた増えてしまった。「ピュリッツァー賞受賞!「すべての美しい馬」「血と暴力の国」著者の最高傑作。空には暗雲がたれこめ気温は下がり続ける。目前には、廃墟と降り積もる灰に覆われた世界が……。父と子はならず者から逃れ、必死に南への道をたどる。世界は本当に終わってしまったのか? 荒れ果てた大陸を漂流する父子の旅路を独自の筆致で描く巨匠渾身の長篇。」(早川書房の紹介)
2008年06月23日
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ダイナ・チャヴィアノという人の「ハバナ奇譚」という本を買書つんどく。まったく知らない作家さんですが、ラテン・アメリカの作家さんは、気がつくと買ってしまっているのでした。「彷徨う幽霊屋敷、不思議な老女が語る物語、奇妙な妖精たち……幻想的な世界と交錯する、ひとりの孤独な女性の現実を軸にいくつもの邂逅を経て、中国・スペイン・アフリカからキューバへ、キューバからアメリカへと渡った人々の、愛と絶望の日々を描く。」(ランダムハウス講談社の紹介)ダイナ・チャヴィアノ「キューバのハバナ生まれの作家。1991年よりアメリカ合衆国に在住。ハバナ大学にて英文学修士号を取得。大学在学中に、最初の文学賞を受賞する。キューバに住んでいた時代にはSF・幻想文学の分野で数々の著作を著し、そのジャンルでは同国で史上最高の販売部数を記録する人気作家となった。その後に発表してきたファンタジー小説やSF、純文学の一群も同様の好評を博し、いろいろな文学賞を授与される。作品のテーマは、神話、古代史、社会学、超心理学から政治や魔術の領域に及び、詩的イメージと官能的魅力に富んだ世界が繰り広げられる。代表作には、四篇の小説で構成されるシリーズの“La Habana oculta”(隠れたハバナ)などがある。「ハバナ奇譚」もその一篇にあたる。「ハバナ奇譚」は21ヶ国語に翻訳され、キューバの小説では史上最多言語に翻訳出版された作品となった。」(うぃきぺでぃあ)
2008年06月22日
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レズリー・ポールズ・ハートリーの「ポドロ島」を買書つんどく。「ポドロ島」や「W・S」などが恐怖小説のアンソロジーの中に収録されることはあっても、まさかL・P・ハートリーの短編集として1冊の本が出版されるとは思ってもいませんでした。これは買わねば!の即買いでした。「小説中の登場人物から作者に送られてきた手紙は、作中での描き方をなじり、正当な扱いを要求していた。ばかげた悪戯と作家は一笑に付したが……メタフィクション風の怪異譚「W・S」ほか、新しい心理的恐怖を描く異色短篇集。」(河出書房新社の紹介)ところで、この本の訳者の今本渉さんは、僕の大好きなロバート・エイクマンの「奥の部屋」やジョン・フランクリン・バーディンの「死を呼ぶペルシュロン」などを訳している人で、目を離せない人だと思っています。
2008年06月21日
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マイケル・ドリスの「朝の少女」を読みました。短いので、すぐに読めてしまいますが、これはなかなかの本だと思いました。この物語に描かれている楽園を、無条件で受け入れられるほど無垢で有りえない自分を持て余してしまいますが、この本には間違いなくある種の英知があり、それは貴重なものだと思えるのでした。しかし、最後は楽園(=無垢)への征服者(=神?)の到来であり、大きな衝撃を受けるとともに、歴史の非情にやるせない思いをすることは間違いないでしょう。とびきり大人向けに書かれた子どもの本です。甘くありません。 ↑ 残念ながら品切れになっているようです。
2008年06月20日
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ジュリー・アンドリュースの「偉大なワンドゥードル最後の一匹」を読みました。正直いって、冒頭から300ページくらいまでは、まるでディズニーのアニメを文字で読んでいるみたいな感じで、ちょっとしんどかったです。で、教授と3人の子どもがワンドゥードル城にたどりついて、ワンドゥードルが登場すると!このワンドゥードルがすごく魅力的でまいってしまうのですが、全体としては子どもの時期に読んでおくべき子どもの本だと思いました。娘に勧めてみようかなっと。
2008年06月19日
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マーゴ・ラナガンという人の「ブラックジュース」という本を買書つんどく。河出の「奇想コレクション」の最新刊です。どういう作家さんなのか、まったく知りませんが、「奇想コレクション」にはふさわしそうです。「夫殺しの罪でタール池に生きたまま沈められる姉さんの死を、僕たちは歌いながら最後まで見届ける―世界幻想文学大賞受賞の残酷譚「沈んでいく姉さんを送る歌」、道化師を執拗に狙う殺し屋を描く「赤鼻の日」、象の一人称で語られる逃走劇「愛しいピピット」、奇形の天使との遭遇を描くファンタジー「俗世の働き手」、大気が汚染されつくした近未来、祖母の葬儀へ向かう孫が幼い日の記憶をたどる「無窮の光」、凶暴な怪物の襲来に怯える異世界を舞台にした、少女の苦い初恋物語「ヨウリンイン」ほか、全10篇。」(「BOOK」データベースより)マーゴ・ラナガン「1960年、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州生まれ。ロンドンやパリでの海外生活を経て、大学で歴史を専攻。その後、百科事典のセールス、調理師、フリーランスの編集者として働きながら、91年にWildgameで本格デビューを果たし、YA小説を中心に発表を続ける。2000年、初の短篇集White Timeが国内で好評を博す。続く『ブラックジュース』で世界幻想文学大賞、ディトマー賞などの名だたる賞を受け、ニューヨークタイムズのベストセラーリストに載るなど、一躍世界的に脚光を浴びる。現在はシドニー在住。ふたりの息子の母親でもある。」(「BOOK」データベースより)
2008年06月18日
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中沢新一さんの「古代から来た未来人 折口信夫」を買書つんどく。僕のレベルにぴったりな「ちくまプリマー新書」シリーズの1冊です。「古代を実感することを通して、日本人の心の奥底を開示した稀有な思想家折口信夫。若い頃から彼の文章に惹かれてきた著者が、その未来的な思想を鮮やかに描き出す。」「序文 奇跡のような学問/第1章 「古代人」の心を知る/第2章 「まれびと」の発見/第3章 芸能史という宝物庫/第4章 未来で待つ人/第5章 大いなる転回/第6章 心の未来のための設計図」(「BOOK」データベースより)う~ん、いつ読めるだろうか?それほど間をあけないで読める気もするし・・・。
2008年06月17日
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「戸川幸夫動物文学セレクション」の「人喰鉄道」を買書。戸川さんが、アフリカを訪れたおりに現地で実際にあった事件のことを知り、それに基づいて書かれたもので、発売を待っていました。「一八九七年、東アフリカの鉄道建設地に最悪の事件が起こった。人喰ライオンの群が労働者たちを襲ったのだ。繰り返される惨劇、コレラとの闘い、現地住民との摩擦…。開発と自然保護は両立するのか?開拓時代のアフリカを舞台に、ライオンの苦悩と人間の奮闘を克明に描いた傑作長編。」(「BOOK」データベースより)
2008年06月16日
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辻村深月さんの「ぼくのメジャースプーン」を読みました。ひどいショックでこころを閉じてしまった「ふみちゃん」。「ふみちゃん」を助けようと、特殊な「力」を使って「ふみちゃん」を傷つけた犯人に罰を与えようとする「ぼく」。罰とはなにか、「ふみちゃん」を助けるとはどういうことか、「先生」と「ぼく」のやりとりが延々と続けられます。ほんとうに悪人の改心は可能なのか?「ふみちゃん」は戻ってくるのか?そして、最後に「ぼく」が犯人に課した罰とは?いろいろ考えさせられることはありますが、それよりも、いじらしいというか、けなげなというか、なんとも可愛らしい本でした。ところで、「ふみちゃん」には「ぼく」や「先生」の「力」が通じないというのは、どういうことなのか?面白いことだと思ったのでした。
2008年06月15日
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あれれ?なにか変だな・・・。と思っていたら、小学館から発売された「偉大なワンドゥードル最後の一匹」の表紙に2種類あって、上が復刊ドットコムで復刊予告のもの。で、下がこの度、発売されたものです。実際の出版時に差し替えられたのでしょうが、なにかあったのでしょうか?タイトルも、「偉大なる」、「偉大な」とビミョーに違ってますが、出版社として同じ小学館の文字が入ってますから、絶版になったTBSブリタニカのものではなさそうです。おまけに、幻となった上の表紙には「田口智子=絵」という文字があり、僕なんかこっちの絵のほうが気に入っていたりします。
2008年06月14日
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ついに、というか待望のというか、ジュリー・アンドリュース「偉大なワンドゥードル最後の一匹」が復刊されましたので買書。30年前、うら若き僕はこの本を書店で見て、女優さんが書いた本なんて買う気も読む気もなかったのでした。大学生だったし、生意気だったし、お金なかったし。そしてその後、大人になってから、僕はこの本をぜひ読みたいと思ったのですが、もう手に入らなくなっていたのでした。古書は高値で取引されていたし。「「サウンド・オブ・ミュージック」で有名な女優ジュリー・アンドリュースが作り出した名作ファンタジーが、新訳で復刊!! 夢みる人しか見えない、ふしぎな生きもの「ワンドゥードル」を探しに冒険の旅に出た、博士と3人の兄妹たちの愉快で痛快なものがたり。」(小学館の紹介)
2008年06月14日
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辻村深月さんの「ぼくのメジャースプーン」を買書。「忌まわしいあの事件が起きたのは、今から三ヵ月前。「ぼく」の小学校で飼っていたうさぎが、何者かによって殺された…。大好きだったうさぎたちの無残な死体を目撃してしまった「ぼく」の幼なじみ・ふみちゃんは、ショックのあまりに全ての感情を封じ込めたまま、今もなお登校拒否を続けている。笑わないあの子を助け出したい「ぼく」は、自分と同じ力を持つ「先生」のもとへと通い、うさぎ殺しの犯人に与える罰の重さを計り始める。「ぼく」が最後に選んだ答え、そして正義の行方とは。」(「BOOK」データベースより) さっそく読み始めましたが、これは一体、どういう本なのでしょうか?
2008年06月13日
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川上弘美さんの「神様」を読みました。「生まれて始めて活字になった小説」とのことですが、書かれたのは「椰子・椰子」のほうが古いみたいです。さて、この本のあとがきで、「でも、書きながら、「書くことって楽しいことであるよなあ」としみじみ思ったのだ。「めんどくさいけれど、楽しいものだよなあ、ほんとにまあ」と思ったのだ。」と書かれていますが、「ほんとにまあ」という気持ちがよく現れている小説だな、と思いました。「離さない」だけがちょっとホラーっぽくて異色ですが、全体的にほわほわしてちょっぴり悲しかったりしますが、僕としては「花野」と「春立つ」がよかったです。こういうのを読むと最近の川上さんは、ずいぶん生臭くなっているような気がします。
2008年06月12日
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クリストファー・プリーストの「限りなき夏」を買書つんどく。プリーストといえば、「魔法」も「奇術師」も、正直いってよく分かりませんでした。だから、というわけではなく「双生児」がつんだままになってますが、いずれ読みます。「ふたりの若い恋人たちが囚われの身になった夏の日は、長く伸ばされた一瞬となった―過去と未来を彷徨する人間たちの愛と焦燥をロマンティックかつ技巧的に綴る2篇のマスターピース「限りなき夏」「青ざめた逍遥」、狂騒にみちた終末のビジョンを描くデビュー作「逃走」、混乱するアイデンティティをめぐる初期の代表作「リアルタイム・ワールド」、そして数千年にわたって戦争状態がつづく世界“夢幻群島(ドリーム・アーキペラゴ)”を舞台にした美とエロスと眩惑と恐怖にみちた物語4篇(「赤道の時」「火葬」「奇跡の石塚」「ディスチャージ」)。“物語の魔術師”プリーストの洗練された流麗な語りが堪能できる全8篇+書き下ろし序文を収録。」(「BOOK」データベースより)
2008年06月11日
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紺野キリフキさんの「キリハラキリコ」の読後感想で、「なかなか面白いですが、読まなくてもどうないと思いました。」なんどと書きましたが、これがなかなか印象が薄れないので、「どうしちゃったんだろうか?」と思うきょうこの頃です。いっぽう「ツクツク図書館」の印象は薄れてしまいました。
2008年06月10日
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2回挫折して、3回目のチャレンジで、やっと川上弘美さんの「真鶴」を読みました。「礼、遠いいつか、あなたとも、会えるのね。真鶴の夜の海の、さざなみのたつおもてに、燃えさかる船はしずんでいった。何もないところから来て、何もないところへ戻ってゆく。百のやわらかな声が遠くでひびき、公園いっぱいに光が満ちた。」「真鶴」のラストです。ここにあるのは、救済であり、くっきりした輪郭をもつ日常の再生なのかも知れませんが、僕にとって「真鶴」はなによりも文体でした。僕が、これが川上さんだと感ずるところが、あまりに凝縮されていて匂いたつようで、息苦しいほどでした。
2008年06月10日
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「ケーキ屋で、百のうなじがにおった。甘いにおいだった。育ってゆくことは、うとましい。育っている百がうとましいのではなく、育つということじたいが。よけいなものを、たくさんまき散らす。本人にはどうしようもない。だからかわいそうになる。幼くて、知らなくて。ふえゆくことが、うとましいのだろうか。からだや、きもちや。子供を生もうとしている女も、そういえば、うとましい。もてあました。百を生もうとしていた自分を。」(川上弘美さん「真鶴」より)うとましい。匂ってくる・・・。
2008年06月09日
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「ことわる言葉だったけれど、母はうたうように言った。母が近い、と思った。こうやって、うたいながら、笑いながら、知らぬものについてこられながら、三人の女たちの肉体がこの家の中にある。」(川上弘美さん「真鶴」より)ついてくる。にじんでゆく・・・。
2008年06月08日
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紺野キリフキさんの「ツクツク図書館」を読みました。すぐに読めてしまいましたが、読まなくてもどうないと思いました。ただ、クセにならないように祈っています。
2008年06月08日
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「真鶴、と口にしてみてしばらく、崖下を見やり、ほんの少し欲情した。」(川上弘美さん「真鶴」より)
2008年06月07日
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ついに、というか、待望のというか、アンナ・カヴァンの「氷」が復刊されましたので、買書つんどく。以前、サンリオSF文庫で刊行されたものの、入手困難になってしまっていました。「異常な寒波のなか、夜道に迷いながら、私は少女の家へと車を走らせた。核兵器の使用がもたらした地球規模の気象変動により、極地から漂い出した氷が全世界を覆いつくそうとしていた。やがて姿を消した少女を追って、北欧の軍事独裁国家に潜入した私は、要塞のような高い館で、絶対的な力で少女を支配する 長官と対峙するが……。刻々と迫り来る氷の壁、地上に蔓延する抗争と殺戮、絶望的な逃避行。恐ろしくも美しい世界終末のヴィジョンで読者を魅了し、冷たい熱狂を引き起したアンナ・カヴァンの伝説的名作。「「氷」は唯一無二の作品だ」 というブライアン・W・オールディスは、SF史「十億年の宴」の最後を本書への熱烈な賛辞で締めくくっている。」
2008年06月07日
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と、いいながらも紺野キリフキさんの「ツクツク図書館」を買書。なにしろ気になったもので・・・。「つまらない本しか置いてない、ツクツク図書館。職員も建物もへんてこぞろい。弱気な館長、運び屋、語学屋、戻し屋ちゃん…そこにある秋、ひとりの着ぶくれ女がやってきた。女は働かないで、わがまま放題。だけど、図書館にある“伝説の本”の話を聞いて…?奇妙でかわいくってクセになる。キリフキワールド、いざ、開幕。」(「BOOK」データベースより)ほんとに、クセにならないとよいけれど・・・。ハハ・・・。
2008年06月06日
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紺野キリフキさんの「キリハラキリコ」を読みました。「どしたのさ、ロボ太郎」「キリコちゃん、おいら、もうロボットやめたい」「え?」「だってさ、おいら、自分がロボットである意味がわかんないんだよ」ロボ太郎はなにやらむつかしいことを言い出した。「別に悪の親玉と戦えるわけじゃないし。ていうか、悪の親玉なんて町にいないもん」「うん」「それにおいら、一日三食サラダ油とらないと普通にへばるし。一日八時間寝ないと次の日がきついし。これじゃあさ、ロボットとしての存在価値がないんだよ」といった一風変わっていて笑えるショート・ストーリーが無造作につながっているといった感じです。(ただ、無造作と書きましたが、冒頭と末尾をつなぐ胸を衝くおはなしもあります。)一服の清涼剤(毒?)として、どんどん読めてなかなか面白いですが、読まなくてもどうないと思いました。
2008年06月06日
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というわけで、五木寛之さんの「青年は荒野をめざす」を読みました。青年は荒野をめざすのだそうで、30年くらい前に読んどきたかったな、とノスタルジックな感慨にふけってしまいました。ならば、人生変わっていたろうか?それでも、いっしょだったろうか?いや、それともここは荒野なのか?
2008年06月05日
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「だが、その答えの一つはたしかにあの行進のラッパや太鼓にあると思うね。足並みをそろえて歩く。吹く。叩く。皆でそろって進む。そして、行進を眺めて熱狂する人々。後を追いかけて走る子供。そして犬。お祭りだ。皆がそろって楽しみ、進む。どこへ進むのか知らないが、そこにはーえーとなんといえばいいのか、交流とか連帯とかいった感覚が生まれてくる。個人の孤独の壁が破れる時がある。その時人間は何ものかになる。もっと自由な、もっと強い何物かに。行進のブラスバンドはそのための合図だ。わかるかい、私の言いたいことが。あの行列と一緒に歩くとき、私たちは子供になるんだ。そこに何かかあると思えるのだよ。だから君はブラスバンドでペットを吹くことを、いやがってはいけない。あれは良いジャズの勉強になるはずだ」(「青年は荒野をめざす」本文より)
2008年06月04日
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紺野キリフキさんの「キリハラキリコ」を買書。なにか気になったので買ってみました。「その学校には、2年7組という教室がふたつあった。新学期、誰もいない教室に迷い込んだキリコは、日記をつけ始める。季節停電、暦屋、裏保健室、蕎麦シャワー、敗北が似合う男ミスター水村。キリコのまわりでは不思議なことばかりが起きる。町に2カ月も続く大停電が訪れ、キリコの日記に最後のページが記される。携帯公式サイト『The News』で1日平均6万アクセスを記録した人気作。異色の才能が自由な発想で描くシュールで不条理でユーモラスな小説空間。」(「BOOK」データベースより)
2008年06月03日
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五木寛之さんの「青年は荒野をめざす」を買書。正直言って、五木さんの作品に興味があるというわけではなかったのですが、桜庭さんの「荒野」の中に頻繁に出てくるなぁ~と思っていたところ、タイミングよく新装版が発売され、書店につんでありましたので買ってしまいました。めぐり合わせも大切かな、と思ったもので・・・。
2008年06月02日
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桜庭一樹さんの「荒野」を読みました。僕としては、小説の中にあって欲しくない表現がしばしば見受けられるというか、そもそも僕くらいの年齢の読者をターゲットにしてないというか、要するに僕には感想を述べる資格がないということで・・・。最後はちょっと感動したりしましたが、やっぱり次作を期待したいと思いました。また、なぜあえてこの作品を「直木賞受賞後第一作」として出版したのか、疑問が消えませんでした。
2008年06月02日
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矢川さんの「兎とよばれた女」の表紙、「ハルムスの小さな船」のイラストから、西岡千晶さんを知り、西岡兄妹の「西岡兄妹自選作品集 地獄」と「子供の遊び」を買ってみました。西岡兄妹とは、兄の西岡智と妹の西岡千晶による合同ペンネームで、「兄が文と構成を作り、妹が絵を描いているのだという。インタビューの中で、西岡妹は「骨格は(兄に)作ってもらってそれに肉付けしていく感じです」と答えている(「アックス15号」)。」のだそうです。(大下さなえさんの地獄解説より)どちらも不条理な夢みたいなものを描いていることは共通していますが、「地獄」は初期の作品集で悪夢のようであり、「子供の遊び」は最新の作品集で、絵が少し軽やかにイラストふうになっているためなのかどうか分かりませんが、「地獄」のような重苦しさは軽減されています。どちらも面白く読むことができましたが、僕にとっては「子供の遊び」のほうが向いていると思いました。で、「地獄」の中では「船」、「子供の遊び」の中では「2月の幽霊」「悪魔」「愚者の船」が気に入りました。
2008年06月01日
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