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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第26話紫狐(シコ)がまだ修行中の狐狸だった頃、ある農園で勝手に葡萄を食べていた。すると農園の持ち主だった無支祁(ブシキ)に捕まり、葡萄園に閉じ込められてしまう。無支祁は金色の毛並みを持つ猿妖、それ以来、狐狸が逃げ出そうとするたびに捕まえるを繰り返し、500年も一緒に過ごすことになった。「いい人だったけど、女好きなのが問題だったわ」やがて狐狸は千年の修行を終えて人形(ヒトガタ)を手に入れ、妖艶な美女となって無支祁の前に現れた。美女を見た無支祁は鼻の下を伸ばしたが、あの狐妖だと知って呆然となる。(^ꇴ^)<美人が好きなんでしょう?( ๑≧ꇴ≦)<がっかりさせるなよ、狐狸!あのふわふわが良かったのに…自然と無支祁に惹かれていった紫狐、しかし無支祁の心を奪えないまま離れ離れとなった。修羅族が天界と戦を始め、無支祁は″元朗(ゲンロウ)″という友人に魔域左使(マイキサシ)を頼まれ出陣してしまう。結局、魔煞(マサツ)星が戦神に殺され妖魔族は敗北、不周山を追われ人間界に散った。無支祁は天界に捕らえられ、定海鉄索(テイカイテッサク)で焚如(フンジョ)城の最下層に監禁されてしまう。あれから千年が過ぎた。「あの時に引き留めれば良かった…だからあの人を救いたいの 愛に迷いなどいらない、あの人のためなら何だってできるわ」褚璇璣(チョセンキ)たちは紫狐の一途な愛を知り、それぞれ愛する人を思いながら共感した。紫狐は亭奴(テイド)の匂いを追って来たが、ある場所で急に匂いが途絶えた。行き詰まる璇璣たち、すると若玉(ジャクギョク)が天眼を持っている柳意歓(リュウイカン)なら見つけられると気づく。そこで禹司鳳(ウシフォン)は第12話で柳大哥からもらった袋を思い出し、紫狐に匂いを覚えさせることにした。(* ゚ェ゚)_<司鳳!これ何?見せて?(; ̄O ̄)<ダメだっ!( ๑≧ꇴ≦)<いいじゃない!見せて!見せて!紫狐は思わず清廉潔白そうな司鳳でも″そういう″書物を見るのかと揶揄した。(*´・д・)<そういうってどういう? ぁ…>(・д・`*)( ゚д゚)<言うなっ!紫狐は柳意歓の居場所を発見、璇璣たちは慶陽(ケイヨウ)の客桟で柳意歓と合流した。そこで亭奴の居場所を調べて欲しいと頼んだが、どこか様子がおかしい。実は2日前に天眼を開いたばかりで、短期間に何度も開けば寿命が縮まってしまうという。「2日ほどここに泊まってくれ、その間に方法を探すよ」柳意歓は娘・玉児(ギョクジ)を人質に取られ、烏童(ウドウ)に脅されていた。娘を救うためには万劫八荒鏡(バンゴウハッコウキョウ)を璇璣に見せて戦神の力を刺激しなくてはならない。『戦神は魔煞星を滅ぼす力がある…ふっ、堂主と戦神、どちらが勝つだろうな』柳意歓は烏童の言葉を思い出しながら、天虚堂の真意が分からず頭を抱えた。…でも記憶を取り戻すだけだ、いずれは思い出すことだしな、すまん、小鳳凰!一方、昊辰(コウシン)は褚磊(チョライ)たちを連れて荒炎戈壁(コウエンカヘキ)に到着していた。「この先に不周山の入り口があります」しかし山では御剣の術が使えず、入り口の開く刻限も決まっていることから、今夜のところは宿で休むことになった。柳意歓は深夜だというのに璇璣たちを呼び出し、亭奴の居場所が分かったと報告した。そこで皆を連れて山へ入ると、妖魔が見張っている山荘を発見する。司鳳は念のため手分けして探ろうと提案、璇璣は司鳳と紫狐と3人で潜入した。すると紫狐が亭奴の霊獣・当康(トウコウ)を見つける。獣語を学んだ経験がある司鳳は当康の言葉を理解し、亭奴が密室に捕らわれていると分かった。その頃、柳意歓は他の仲間と合流、ある部屋に誘導した。そしてわざと仕掛けを踏んで鐘敏言(ショウビンゲン)、小銀花(ショウギンカ)、若玉と共に禁制陣に閉じ込められてしまう。一方、璇璣たちは当康の案内で無事に亭奴を発見していた。しかし気を失って倒れている亭奴の頭上には万劫八荒鏡の破片があり、どうやら亭奴の血を使って陣が張られている。そこで司鳳は万劫八荒鏡に剣を放って陣を壊そうとしたが、罠だった。剣がぶつかった衝撃で司鳳たちは陣に捕まり、璇璣と紫狐が集めた鏡の破片が吸い寄せられ、大きな鏡となる。そして3人は鏡の世界へと吸い込まれていった。天界にある戦神の命柱が光り始めた。驚いた司命(シメイ)は人間界に降りて帝君に報告、褚璇璣が万劫八荒鏡に入ったと知らせる。昊辰は璇璣がわずか数日で鏡に出くわしたことに驚き、何か裏があると疑った。しかし戦神の重要な記憶は封じ込めたはず、司命は鏡に入っても断片的な記憶しか見えないはずだという。「万一、覚醒しても昔のことは思い出さぬかと…」そもそも人間には定めがあり、戦神を救いたくても天命には逆らえない。すると司命は鏡に入れば天機を盗み見ることになり、罰として天雷が落ちるはずだと気づいた。「褚璇璣を見つけ出す手がかりになります、これなら介入ではなく帝君が自分で見つけたことに…」昊辰は司命にすぐ天界へ戻り、命柱に異変があれば全力で動きを封じるよう命じた。「覚醒させてはならぬ、失敗すれば容赦せぬぞ」璇璣と司鳳ははぐれた紫狐を探していた。すると鏡が出現し、そこに璇璣と瓜二つの戦神や騰蛇(トウダ)神君の姿が映し出される。司鳳はそこが天界だと気づき、璇璣の前世が千年前の天魔大戦で妖魔を倒したという伝説の戦神だと気づいた。出陣を命じられた戦神の手には定坤(テイコン)剣がある。「だから君は剣を覚醒できたんだ」司鳳はようやく腑に落ちた。鏡に亭奴が映し出された。璇璣は確かに亭奴が昔、天界の医官で人間界に追放されたと聞いたという。『将軍、傷が癒える前に出陣を?別の者を行かせるよう帝君に頼みましょう』『問題ない、私以外に妖魔軍と戦える者はいない、帝君を煩わせるな』鏡が映し出す前世の映像はなぜか断片的だった。すると今度は戦場で対峙する戦神と修羅王が映し出される。『天帝の言葉は信じられぬ!』『修羅族は大勢を殺した!今日こそ我が剣で始末する!』『お前が魔煞星羅睺計都(ラゴウケイト)を?!ぶあっはははは~!馬鹿げた話だ!』そこで急に霧が深くなり、璇璣と司鳳は鏡を見失ってしまう。璇璣は胸が苦しくなり、しゃがみ込んだ。「戦神の怒りと無念さが伝わってくる…一体どういうこと?」「記憶を封じられた者は鏡が影響を受けると書物にあった、だから君の過去も途切れて見える」すると再び霧の合間から鏡が現れた。『なんと無礼な無支祁め、大胆にも均天策海(キンテンサクカイ)を盗むとは… 戦神よ、無支祁を捕らえるのだ!三界から妖魔界を消し去れ!』戦神と無支祁は激しい攻防戦を繰り広げた。すると無支祁は修羅王から言伝を預かっていると言い残し、姿を消してしまう。『私はお前に殺されたが、わずかに残った魔の気でお前に教えてやろう 柏麟(ハクリン)帝君の神殿には秘密が隠されている!全てはお前の行いが招いたことだ!』戦神は神殿に乗り込み、帝君に詰め寄った。『私を欺き、戦神に仕立て上げた…信頼していたのに!許さない!私を利用したのね! …天帝を呼んで!さもなくば天界を滅ぼす!』戦神は神君たちを一撃で退け、帝君に襲いかかった。『柏麟!全て正直に話すのだ!』しかし帝君の霊力に対抗できるはずもなく、捕縛されてしまう。『お前たちのせいだ!お前たちは私を天界の殺人鬼にした! 殺すべきでない者まで殺させ、残酷で酷い仕打ちを!そしてその罪を私になすりつけた! 許せない!』『お前を騙した私が憎いか?天界に復讐を?』『必ず正義を取り戻す!たとえ追放され地獄に堕ちても!』『天帝!お慈悲を!』『罰として人間界へ下り、修行のため10度、転生せよ、どう導かれるかはお前次第だ…』璇璣は戦神に感情移入し、急に興奮した。「なぜ罰を受けなきゃならないの!私は何も間違っていない!なぜ記憶を封じたの!」驚いた司鳳は璇璣を落ち着かせようとしたが、璇璣は鏡を探して走り出してしまう。すると鏡の破片が立ちはだかり、司鳳だけ足止めされた。司鳳は咄嗟に破片を追い払おうとしたが、破片が集まって鏡となり、再び何かが映し出される。「璇璣…」鏡に映ったのは妓楼で舞を披露する璇璣に瓜二つの妓女だった。すると司鳳は妓女の踊りに合わせて琴を弾いているのが自分だと気づく。…なぜ私まで鏡の中に映っているのだ?これは私の記憶か?…もしや前世でも璇璣と共に修行を?前世でも司鳳は璇璣を愛していた。前世の璇璣の名は攬月(ランゲツ)、攬月は喬(キョウ)公子に身請けされ、これから屋敷へ行くところだ。司鳳は引き止めたが、攬月は出て行ってしまう。「はっ!思い出した!ダメだ…璇璣、行ってはダメだ!」つづく(  ̄꒳ ̄)まさかあの袋がここで出てくるとはねえ…さていよいよ怒涛の転生が来ますよ〜ん
2021.11.30
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第25話禹司鳳(ウシフォン)と褚璇璣(チョセンキ)の絆が再び深まり、小銀花(ショウギンカ)は面白くなかった。しかし司鳳は自分たちを助けてくれた璇璣に礼を言えという。「…感謝する!言ったわよ?!」すると璇璣は買っておいた小銀花の好物を贈った。「小銀花だと知っていたら、もっと早く友だちになれたのにね」小銀花は人情呪のことも知らず、のんきな璇璣に苛立ちを隠せなかった。小銀花がふて腐れながら歩いていると、ちょうど若玉(ジャクギョク)と出くわした。そこで助けてくれたお礼だと言って璇璣からもらった菓子を押し付けて行ってしまう。部屋に戻った若玉はその菓子を見ながら、妹・若雪(ジャクセツ)のことを懐かしんだ。あの時、兄が離沢(リタク)宮の弟子になれると聞いて喜んでくれた若雪、実は副宮主は若雪を人質に取り、若玉を手駒にしていた。緒玲瓏(チョレイロウ)は朦朧としている時間が増えていた。司鳳の話では元神が離れると次第に身体の自由が効かなくなるという。璇璣と鐘敏言(ショウビンゲン)は焦りを隠せず、不周(フシュウ)山へ行こうと決意した。場所は特定できなかったが、司鳳は妖魔が死に際に″西″と言い残したことを思い出す。しかし褚磊(チョライ)が現れ、璇璣たちを止めた。すると偶然にも宮主が駆けつけ、司鳳と若玉にこれ以上、無能な少陽(ショウヨウ)派に巻き込まれないよう釘を刺す。褚磊はこれに憤慨、公正明大な少陽派は蛇を操る門派と距離を置くと言い返した。宮主は司鳳たちを連れて離沢宮の居所へ戻った。褚磊はしみじみ璇璣にはまだ教育が必要だと実感し、娘と昊辰(コウシン)の縁談を進めることにする。実は昊辰は師匠・恒陽(コウヨウ)を浮玉(フギョク)島へ案内していた。恒陽は璇璣と面談し、昊辰はどんな存在か聞いてみる。「師兄?…もちろんとても重要な存在です」「ならば師兄と生涯、共にいたいと思うか?」「昊辰師兄と共に秘境を守る約束をしました」すると昊辰は璇璣を妻として生涯、敬い守ると拝礼した。璇璣はようやく自分の置かれた状況を把握、確かに昊辰と秘境を守るが嫁ぐつもりはないと拒絶する。璇璣の本心を知った恒陽は無理強いはできないとあきらめたが、面目を潰された褚磊は激怒して璇璣に禁足を命じた。一方、宮主は後継者である司鳳が自分の立場を忘れ、璇璣のために愚行を繰り返していると叱った。しかし司鳳は璇璣が命懸けで守ってくれた時から、自分の心は璇璣のものだという。「お前の真の姿を知っても、あの娘が守ってくれると思うか?」「璇璣は私を傷つけません」司鳳の言葉に宮主は深く失望し、ついに追放を言い渡してしまう。その頃、烏童(ウドウ)は玉児(ギョクジ)を利用し、柳意歓(リュウイカン)を捕らえることに成功していた。柳意歓は玉児と一緒に天虚堂の根城へ連行され、堂主から天眼を開くよう迫られる。「天界の戦神が褚璇璣かどうか知りたい」堂主の目的を聞いた烏童は耳を疑った。柳意歓はのらりくらり誤魔化していたが、玉児が玄陰鉄(ゲンインテツ)で首を絞められ、やむ無く天眼を開いてしまう。そこで堂主が璇璣の姿を映すと、天眼は真の姿を示した。…予想通り戦神は褚璇璣だった、ついに見つけたぞ…何とかして早急に覚醒させねばならぬ堂主は烏童に柳意歓の世話を任せ、数日後には連れ出すと言った。手柄を立てた烏童は五大門派をいつ討つのか聞いたが、堂主は何も言わずに消えてしまう。柳意歓は烏童の願いが叶わないと断言した。天眼をもってしても堂主の正体は不明だったが、身体には天界の懲戒の印があったという。「天界の罪人に仕えてもろくな末路はないぞ、天界を欺いた奴が約束を守ると思うか? おまえの目論見は外れる」烏童は動揺を悟られないよう鼻であしらい、柳意歓と娘を別々の牢に収監した。…懲戒の印があるなら堂主は不周山に入れないはずだ…もしや印を隠せる術があるのか?まさか?!飛龍印?!司鳳は霊獣の小銀花を璇璣と鐘敏言の元へ送り、脱出計画を伝えた。そこで敏言は日が暮れる頃、璇璣を見舞う。大師兄・敏行(ビンコウ)は面会を許し、師弟2人に見張りを任せて厠へ行った。部屋の中からは璇璣と敏言が暇つぶしに打拳(ダケン)で遊んでいる声がする。しかし2人の影が今にも口づけしそうなほど近づき、見張りの師弟たちは困惑した。そこへ敏行が戻って来る。話を聞いた敏行は慌てて部屋に乗り込むと、璇璣と敏言の幻影が飛散した。「傀儡(カイライ)符と擬声(ギセイ)符を使ったか…」璇璣と鐘敏言は司鳳と合流した。すると若玉が現れ、自分も一緒に不周山へ行くという。こうして4人は小銀花が見つけた剣網(ケンモウ)の穴から抜け出し、御剣の術で出発した。その時、偶然にも霊匙(レイシ)を求めて浮玉(フギョク)島を目指していた紫狐(シコ)が璇璣たちの姿を見つける。しかし璇璣は追いかけて来た褚磊と昊辰に行く手を阻まれた。父と師兄に挟まれ身動きが取れなくなった璇璣、すると璇璣たちの姿がこつ然と消えてしまう。紫狐は璇璣たちを連れて近くの廃屋に降り立った。すると霊匙はすでに天虚堂に奪われ、璇璣たちも取り返すために不周山を探しているという。…不周山が根城だったとは…あの人のいる焚如(フンジョ)城には不周山から入れるはず…同行すれば霊匙を入手できるし、あの人も救えるわ紫狐は不周山を知っていた。かつて共工(キョウコウ)が不周山にぶつかったあと、天柱が折れて大地が割れ、山は人間界から消えたという。不周山は魔域に出現、その後、修羅族の王が発見して修練場として使われ、やがて魔族の根拠地になった。しかし天界が不周山から魔族を追放して焚如城を移してから山への道は分からなくなったという。「でも亭奴(テイド)なら知っているわ」紫狐はまず亭奴を探す必要があると言った。実はあの時、亭奴を連れて逃げ出したが、ほんの一瞬、目を離した隙に消えてしまったという。争った痕跡があったことから、強大な妖魔が連れ去ったに違いない。「でも天虚堂にはあんな強大な妖魔はいない…きっと人間界に紛れているんだわ」褚磊たちはひとまず少陽山へ戻った。怒りが治らない褚磊だったが、昊辰は恐らく璇璣たちは不周山へ向かったはずだと告げる。実は不周山は人間界とつながっており、中に入ることができた。「かつて不周山から逃れて来た堕仙に聞いたのです…掌門、私は入り口を知っています」安堵した褚磊は璇璣をすぐ連れ戻し、昊辰と縁組させると決めた。堂主は烏童に柳意歓と玉児を連れて来るよう命じたが、現れたのは烏童だけだった。すると烏童は五大門派を滅ぼすと言ったのは自分を手駒にするための方便だと指摘、取り引きを持ちかける。「堂主のために必ず霊匙を手に入れます、その時は五大門派を滅ぼせるよう天虚堂の兵権を私に…」堂主は烏童の言葉など歯牙にも掛けず、邪魔になった烏童を始末しようとした。咄嗟に後ろに下がった烏童は飛龍印を招喚、堂主は正体を隠していた外套や仮面を奪われてしまう。「堂主には天界の懲戒の印があるそうですね?飛龍印で覆わねば不周山に出入りできるはずがない 懲戒の印と金赤鳥(キンセキチョウ)の印、どちらもあるのは魔域右使(マイキユウシ)・元朗(ゲンロウ)だけ…」烏童は天虚堂で妖魔と交流するうち、自ずと魔界の歴史にも精通していた。「烏童!死にたいのか?!」「殺せるものか!…実は堂主の身体に懲戒の印があると聞いて不思議に思った 堂主は飛龍印を入手しているはずだが、離沢宮で紛失したという話は聞いていない それに天虚堂には離沢宮を狙う計画もなかった 恐らく堂主は離沢宮に身を置き、飛龍印を自由に使える者…ふん、やはりな 副宮主の命がなければ離沢宮の警戒は自然と弱まる、堂主に感謝せねば 私は苦労せず飛龍印を入手できた しかも離沢宮の者は副宮主が堂主だとは知らない 知っているなら離沢宮を天虚堂の拠点にしていたはずだ…そうでしょう?副宮主?」( ๑≧ꇴ≦)知ってたーっ!@視聴者元朗は仕方なく烏童と手を組むと了承し、飛龍印を返すよう迫った。しかし烏童は飛龍印と中に封印された霊匙は自分が保管するという。「柳意歓に何をさせるか私にお申し付けを…」一方、璇璣たちは亭奴の行方を探していた。やがてすっかり日も暮れ、その夜は野宿になる。すると紫狐は無支祁(ブシキ)との馴れ初めを話し始めた。「無支祁は束縛を嫌い、誰よりも自由を愛する人よ」つづく(* ゚ェ゚)金赤鳥の印って何?目から出てた赤い煙のこと?…ってムック?!w
2021.11.29
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第24話禹司鳳(ウシフォン)は自ら点睛(テンセイ)谷の神器・打妖鞭(ダヨウベン)で潔白を証明すると決めた。こうして掌門や弟子たちが見守る中、執行台に上がった司鳳は両手を鎖で繋がれてしまう。打妖鞭を操れるのは陽厥功(ヨウケツコウ)の至高の境地に達している者だけ、そこで昊辰(コウシン)がその大役を任された。褚璇璣(チョセンヂー)はやはり静観できず、昊辰の前に立ちはだかった。司鳳が分壇に行ったのは自分のために万刧八荒鏡(バンゴウハッコウキョウ)を手に入れるため、天虚(テンキョ)堂とは無関係だという。しかし楚影紅(ソエイコウ)が妨げになる璇璣を引き離し、昊辰はついに打妖鞭を振り下ろした。「司鳳っ!」璇璣は司鳳のもとへ駆け出そうとしたが、影紅の呪縛で拘束されてしまう。司鳳は激しく喀血して倒れた。しかし決して妖魔だと認めず、昊辰が再び打妖鞭を振り下ろす。司鳳の身体は宙を舞い、地面に激しく叩きつけられた。璇璣は大切な司鳳が目の前でいたぶられる姿に憤り、やがてその怒りが戦神の霊力を目覚めさせてしまう。その時、昊辰がありったけの力を込めて3度目の打妖鞭を振り上げた。「定坤(テイコン)!」璇璣の怒号で定坤剣が飛び出した。すると定坤剣は昊辰が振り下ろした打妖鞭を絡め取り、阻止する。璇璣は凄まじい霊力で呪縛を破り、執行台に降り立った。「司鳳に手出しはさせない!」定坤剣は打妖鞭を粉砕し、璇璣の身体へ戻った。しかし激しく内力を消耗した璇璣は喀血し、膝から崩れ落ちてしまう。…褚璇璣、まさかお前が?離沢(リタク)宮・副宮主は再び璇璣の隠された能力を目の当たりにして息をのんだ。璇璣は手を伸ばし、司鳳がその手を握りしめた。「司鳳を失ったら…私の命なんて助かっても助からなくても…どうでもいい…」璇璣はそこで意識を失い倒れてしまう。神器を壊された容(ヨウ)谷主は璇璣に怒り心頭だったが、その怒りは司鳳へ向かった。「これで終わりだと思うな! 閻羅釘(エンラテイ)で拷問にかけ、1年かかろうと白状するまで痛めつける!」しかし閻羅釘を招喚したところで離沢宮・宮主が飛び込んできた。宮主は他門派が愛弟子を殺すところだったと激怒した。そこで若玉(ジャクギョク)に司鳳を連れて戻るよう命じ、真犯人の妖魔を差し出す。楚影紅は妖魔を確認、確かに暗器の毒と同じだと証言した。すると宮主は司鳳の霊獣が殺したと言う弟子を連れて来る。鐘敏言はあの時に刺された弟子だと認めたが、死んだはずだと困惑した。「確かに刺されて気を失ったが、墓場で目が覚めたんだ」宮主は離沢宮の秘術に奇穴をついて仮死状態にし、死を装う方法があると教えた。「私の弟子はこの術を霊獣に授け、天虚堂からこの者を救ったのだ だがそなたたち長老は愚かにも恩を仇で返し、私の弟子に殺しの罪を着せた!」褚磊(チョライ)は潔く過ちを認めて謝罪したが、宮主の怒りはおさまらなかった。「司鳳を妖魔と断言したのは誰だ!」司鳳を罠にはめたのは東方島主の夫人・清榕(セイヨウ)だった。東方島主は夫人をかばいきれず清榕の尋問を認めたが、宮主は司鳳の敵を討つべく閻羅釘で拷問する。すると激痛に耐えかねた清榕は、天虚堂の総壇が不周(フシュウ)山にあると白状した。「知っているのはそれだけよ…」「答えは夫人が握っていたのに私の弟子を苦しめたのか!能無しどもめ!行くぞ!」宮主は愛想をつかすように引き上げて行った。そこで東方島主は急いで夫人の肩から釘を抜いてやったが、欧陽桐(オウヨウトウ)に裏切られた清榕は絶望し、その釘を胸に刺して自害してしまう。副宮主の居所に宮主が入って来た。すると宮主は副宮主が司鳳の素性を知りながら、他門が虐げるのを黙認したと追及する。「わざと私を追い込もうとしたな?」副宮主は誤解だと訴え、離沢宮に疑いの目が向き、司鳳をかばえばさらに疑われることになったと釈明した。「それに打妖鞭ですよ?打たれても司鳳は妖魔に変わらない…」「警告しておく、司鳳を傷つけたら決して容赦しない」宮主は憤慨して出て行ったが、副宮主の今の関心事は褚璇璣だった。↓今回の見どころはこれに尽きるw鐘敏言は司鳳を見舞った。「あんなに激高した璇璣を見たことがない… 璇璣にとってお前は唯一無二、それをお前も知るべきだと思って伝えに来た」一方、昊辰も璇璣を見舞い、傷が早く治るよう霊器を授けた。「君を傷つけてしまったらどんなに辛いか…分かるか? 赤の他人のために命をかけたりしてはならぬ」しかし璇璣は何も答えなかった。昊辰はひとり河原に出た。すると司命(シメイ)が現れ、天帝から西王母(セイオウボ)の宴に招待されたと報告する。「何とかごまかしました、早く天界に戻りましょう!」「戻れぬ、璇璣の心が俗世に乱され私の話も聞かぬ このままではまた邪気が生じ、璇璣は魔道に堕ちる…璇璣のためにこの悪縁を断たねば」しかし司命は戦神が情に関してことさら頑固だと分かっていた。強く出ればまた面倒を起こすかもしれない。「900年前のことをお忘れで?」あの時、戦神は自分の命柱を砕いた末に大きな過ちを犯していた。昊辰は確かに司命の話にも一理あると気づき、戦神が情にこだわるならこれを利用しようと思いつく。「師父によると無常訣(ムジョウケツ)ではもう秘境は守れないらしい ならば璇璣と共に有情訣を修めようと思う」「( °◊° )おお~それで良縁花(リョウエンカ)を贈ったのですね?契りの品で攻める策ですか?(´゚艸゚)ぁ…」「…司命、私が下界に来た目的はただ1つ、戦神を連れ帰る」旭陽(キョクヨウ)峰で有情訣を修めた先達たちは、いずれも生涯を誓った仲だった。昊辰から話を聞いたは褚磊は喜んで璇璣との婚姻を認める。その頃、回復した璇璣は司鳳に付き添っていた。鐘敏言の話を聞いて自信を取り戻した司鳳は璇璣を引き寄せ、教えたいことがあるという。「それは…私を愛するということ」「それは難しい?」「剣術や呪法と同じだよ…ただ少し時間がかかるかも」「うん!司鳳が先生なら頑張る」司鳳は手始めに帳面に自分の名を書かないように頼んだ。「書かれた名前が多すぎる…私は帳面じゃなく永遠に君の心に残りたいんだ」元神を失った緒玲瓏(チョレイロウ)は目を覚ましているだけで何の反応もなかった。褚磊は玲瓏がいつも妹を心配していたことから、これからは昊辰が璇璣を一生、守ってくれると報告する。一方、天虚堂では降格された烏童(ウドウ)に堂主から任務が与えられた。「天眼の者を急ぎ探せ、名は柳意歓(リュウイカン)だ、ただし長くは待てぬぞ」その頃、花妖は従僕にした少陽派の弟子をいたぶって楽しんでいた。玲瓏が記憶を失ったと誤解した師兄は何とか思い出させようと試みたが、花妖はしつこいと憤慨する。すると妖魔は花妖を怒らせた弟子をあっさり処分した。そこへ烏童がやって来る。花妖は喜んで遊んでもらおうと思ったが、烏童は柳意歓を探さなければならないと教えた。「柳意歓?(はっ)あの妖霊よ、確か父親が柳意歓だと言ってたわ」昊辰は旭陽峰へ戻った。そこで師匠に霊匙が奪われ、秘境に魔煞(マサツ)星の心魂があることも知られたと報告する。羅睺(ラゴウ)星と計都(ケイト)星が近づく中、ますます秘境の結界が弱まり、妖魔は千載一遇の機会を逃さないだろう。恒陽(コウヨウ)は守境大陣(シュキョウダイジン)を張って琉璃盞(ルリサン)を守るしかないと決意したが、昊辰は功力を使い果たして命を落とす可能性があると反対した。しかし恒陽は秘境を守るためなら命も惜しまないと覚悟、昊辰と璇璣に王道である有情訣を修めて意志を継いで欲しいと頼む。一方、璇璣は師兄との縁談が自分の知らないところで進んでいるとも知らず、司鳳と月を見ていた。「これはお月見でもあり授業でもある」「まだ授業が?何を学ぶの?」司鳳は自分を愛しているなら他の男を区別して対処すべきだと教えた。たとえば下心があって近づいて来る男は追い払い、時には殴れという。╭( ・ㅂ・)و ̑̑<殴るのね!「では一番大事な問題だ、他の男が寒いので抱きしめたいと言ったら?」「その時は…抱きしめてあげないと凍え死んじゃうわ」「褚璇璣!追い返して殴るんだ!」司鳳は璇璣を抱きしめることができる男は自分だけだと言った。「ならもし父君が私との付き合いをやめろと言ったらどうする?」「殴る!… (Ŏ艸Ŏ)はっ!だめよね…」「そうだ、答えは1つだけとは限らない」司鳳は褚掌門を私心がない立派な人だと褒め、掌門の言葉には必ず理由があると諭した。「璇璣、私は必ず君の想いに応える…」つづく( ๑≧ꇴ≦)ミッキー宮主が来たわー!
2021.11.28
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第23話小銀花(ショウギンカ)を犠牲にすることを拒み、掌門たちの拷問に耐え続ける禹司鳳(ウシフォン)。一方、緒玲瓏(チョレイロウ)の人形(ヒトガタ)を手に入れた花妖は恩人の烏童(ウドウ)を慕った。しかしなぜか従順に振る舞うと烏童の怒りを買ってしまう。「玲瓏は人の顔色を見る女子ではない! 気に入らない相手には食ってかかる、少陽(ショウヨウ)山で会った時からな 玲瓏が怒ると私はますます怒らせたくなった、怒った顔が見たい 憎しみのこもった目で睨まれたいんだ!」「少陽って何?…ってかちょっと何言ってるか分からないです( ̄▽ ̄;)」烏童は玲瓏なら自分を罵り全身で拒むはずだと訴え、自分を叩けと迫った。すると困惑した花妖は烏童の頬を思い切り引っ叩いたが、なぜか烏童は笑顔になる。「ふっ…ふふふ、それでこそ玲瓏だ」鐘敏言(ショウビンゲン)は褚璇璣(チョセンヂー)の房間を訪ねた。すると璇璣が師兄に封じられた内力を取り戻そうと暴走している。「よせ!無茶するな!やめないと命を落とすぞ!」「私の好きにさせて…司鳳のためなら私…」「どうかしている?!敏言は璇璣の腕をつかんで制し、実は師匠から司鳳を説得する許しをもらったと教えた。「様子が分かったらまた相談しよう」天虚堂の総壇では堂主が烏童を呼びつけ、いきなり一撃を与えた。敵のかく乱を命じられながら兵を率いて暴れ回った烏童、そのせいで多くの犠牲を払ったという。烏童は納得できなかったが、堂主は霊匙(レイシ)の件を地狼(チロウ)に任せると決め、烏童から軍の指揮権を取り上げた。鐘敏言は司鳳を訪ね、水を差し入れた。しかし拷問で衰弱した司鳳はすでに器を持つ力もない。敏言は司鳳に水を飲ませながら、なぜここまで意地を張るのか分からなかった。そこで再度、小銀花を尋問すれば玲瓏の手がかりがつかめると説得したが、司鳳は他の手を考えてくれと拒む。「そう言うだろうと思ったよ…はお、なら璇璣のことは?お前を命懸けで救おうとしているぞ?」敏言は璇璣の気性では司鳳を救うため牢に侵入しかねないと警告した。すると司鳳は自分なら無事だと伝えて欲しいと頼む。「…今回のことに璇璣は関係ない、首を突っ込まないでくれたら私も気が楽だ」璇璣は居ても立ってもいられず牢にやって来た。するとちょうど司鳳との面会を終えた六師兄が出てくる。鐘敏言は司鳳の伝言を教えたが、璇璣は六師兄の衣服についた血を見て驚いた。「これは?!…司鳳の血でしょう?!怪我をしているのね?!」激情に駆られた璇璣は思わず六師兄の佩刀を抜き、牢へ押し入ろうと走り出す。しかしちょうど昊辰(コウシン)が現れ、璇璣の腕を呪縛して短刀を投げ捨てた。璇璣は昊辰に詰め寄った。「取り調べが終わったのに、なぜまだ司鳳を拘束しているのですか?…司鳳は無実です!」「何を根拠にそんなことを?!長年の友だからか?!」昊辰は情ほどもろいものはないと諭し、島主も結局は愛する夫人に裏切られたと指摘する。司鳳の目的は少陽派掌門の娘を利用すること、思えば璇璣と一緒に秘境に侵入したのも計略だったのだろう。「教えたはずだ、情ではなく理性で判断せよと…よく考えろ!」「…この世に情は要らぬとおっしゃるのですか?私は理性より情を選びます 司鳳は私を騙したりしません!」「(Ⅲ꒪ꇴ꒪)がーん!…彼のために旭陽(キョクヨウ)峰の教えを捨てるのか? 情に流され、また大局を見誤るつもりか?…彼を信じると?」「そうです、信じます!」「信じても無駄だ…」昊辰は意味深な言葉を残して司鳳の牢へ向かった。昊辰は背後からいきなり司鳳に一撃を与え、璇璣に近づいた目的を白状するよう迫った。すると司鳳は友情にも様々な形があるが、どれも目的など必要ないという。昊辰は苛立ちを隠せず、璇璣に六識を取り戻すようそそのかした理由があるはずだと言った。しかし司鳳は六識を求めるのは人として当然だと答え、むしろそれを邪魔する昊辰の目的を知りたいという。昊辰は璇璣を天が決めた守境(シュキョウ)者であり、無心無欲こそ璇璣の天命だと断言した。「そなたは天命を捻じ曲げ、璇璣を煩悩と執念の虜にした、まだ非を認めぬのか?」「私には理解できません、天命とは何ですか?璇璣の人生は璇璣が決めるもの あなたが決める資格も権利もない」司鳳の言葉を聞いた昊辰は戦神の言葉を思い出し、呆然となった。…いつまで私を騙す気だ?…記憶が曖昧で己がどこから来たかも分からず、自分の名前も教えてもらえない…家族も友もいないのは、お前が私の過去を隠したからだ、なぜこんなことを?!すると昊辰は怒りに任せて司鳳に掌を放ってしまう。昊辰は牢を飛び出した。…璇璣が司鳳のため自分に逆らい、まさかこの私が理性を失いかけた…ありえぬ、禹司鳳よ、お前を生かしてはおけぬっ璇璣は司鳳の釈放を父に嘆願した。しかし褚磊(チョライ)は非常時には決断が必要であり、民の安寧が何より優先されると言い聞かせる。璇璣は我慢も限界、これまで何度も司鳳が警告の文を送りながら五大門派は全て無視して来たと反発した。「修仙門派は正道を説きながら証拠もなく司鳳に罪を着せた…これのどこが正道よ!」バシッ!⊂彡☆))Д´) 初めて娘に反抗された褚磊は頭に血が上り、思わず手を挙げてしまう。璇璣は突然のことに驚いたが、それでも自分は間違っていないと言い返した。するとそこへ大師兄が駆けつける。実は東方夫人が捕らえられ、司鳳が天虚堂の密偵だと証言したというのだ。璇璣は慌てて出て行こうとしたが、褚磊は呪文で眠らせてしまう。地下牢に掌門たちが集まった。すると清榕(セイヨウ)は司鳳と結託して霊匙(レイシ)を盗んだとうそぶく。生き延びるために自分の一族を殺した東方清奇(トウホウセイキ)の妻となり、その愛情を利用してまんまと霊匙を手に入れたという。「愚かな…」司鳳が思わず呟くと、清榕が急に興奮し始めた。「お黙り!お前も欧陽桐(オウヨウトウ)と同じよ!」実は清榕は愛する欧陽桐に利用され、霊匙を渡した途端に捨てられたという。「いっそ皆ここで死んでしまえばいい!」司鳳は清榕がこっそり妖屍(ヨウシ)の毒を出すのを目撃、咄嗟に東方夫人の腕をつかんで阻止した。東方島主は興奮気味の清榕を心配し、弟子に部屋へ連れて行くよう指示した。すると鐘敏言が血迷った夫人の証言など信用できないと訴える。しかし昊辰はこれも自分たちを欺く演技かもしれないと疑った。東方島主は愛する夫人を守るため司鳳を再び収監するよう命じたが、敏言はあまりの理不尽さに困惑する。「司鳳は私たちを助けてくれたんですよ?!なぜ罪があると決めつけるのですか?!」「敏言…無駄だ、関わらない方がいい…」司鳳は甘んじて受け入れた。花妖が修仙門派の弟子たちの牢にやって来た。少陽派の弟子は玲瓏が助けてに来てくれたと期待したが、どこか様子がおかしい。「お前に決めたわ、私の従僕にする」「玲瓏?!おまえ…」花妖は師兄に首輪をつけて牢を出ると、別の牢にいた玉児(ギョクジ)が玲瓏に気づいた。「玲瓏!玲瓏!私よ!出世したのね、私を出して!」しかし花妖に玲瓏の記憶はなく、耳を貸さずに行ってしまう。司鳳が拷問でも口を割らず、掌門たちは焦り始めた。すると容(ヨウ)谷主が点睛(テンセイ)谷の祖師から伝わる神器・打妖鞭(ダヨウベン)を招喚、これで3度打つと妖魔が姿を現すと説明する。ただしこの神器には純粋な陽の功力が必要なため、陽厥功(ヨウケツコウ)の至高の境地に達した者だけが許された。翌朝、目を覚ました璇璣が部屋を飛び出すと六師兄と出くわした。実は鐘敏言は璇璣を部屋から出さないよう命じられたという。「六師兄、これ以上は耐えられない!司鳳が捕まったのを見た時、私、私、胸がすごく痛かった 小さい時に母上の花瓶を割ったことがある、それが私にとって一番つらい記憶よ? 今回も同じなの、司鳳に無事に戻って来て欲しい、誰が止めても司鳳を助ける!」するとそこへ若玉(ジャクギョク)が血相を変えて走って来た。「大変だ!容谷主が打妖鞭を使って司鳳が妖魔かどうか調べるって!」その頃、小銀花は必死に自分を出してくれと訴え続けていた。司鳳は霊獣を見殺しにできないと拒み、決心は変わらないという。一方、璇璣たちは浮玉島の弟子に成り済まし、牢に乗り込んだ。「手分けしましょう」すると璇璣は水牢ではりつけにされた司鳳を発見する。璇璣は司鳳の痛ましい姿を目の当たりにして愕然となった。そこですぐ助けようとしたが、司鳳は咄嗟に結界を張って阻止する。「君が私を助けたら騒ぎになる、君の父上も立場がなくなる…」しかし璇璣は司鳳の結界を破って駆け寄った。「あなたを信じてる、天虚堂の妖魔なはずないわ」「実は小銀花を天虚堂へ行かせたのは万刧八荒鏡(バンゴウハッコウキョウ)のためだった… だが話せば君の秘密が漏れてしまう…あの制御不能な力を見れば怪物扱いされてしまうだろう だから言えなかったんだ…」璇璣は司鳳が自分を守るため、こんな不当な扱いを受け入れていると知った。「私にそんな価値はないわ」「価値の有無は関係ない…己が望むか否かだ…」璇璣たちは司鳳を連れて埠頭へ逃げた。しかしそこで掌門たちに見つかってしまう。褚磊は父と師兄に剣を向けつもりかと激怒したが、璇璣は自分の首に剣を当てた。「司鳳の代わりに私の命を取ればいいわ!…価値の有無は関係ない、これは私が望むことよ!」璇璣の言葉を聞いた司鳳はもはや恐れるものなどなくなった。そこで打妖鞭を受けて潔白を証明すると決める。「君を残して死んだりしない…」こうして司鳳は自ら再び収監された。「軒轅(ケンエン)派は妖薬、浮玉島は密偵、離沢宮は妖魔の弟子、少陽派は牢破り… まったくどうなっていることやら」容谷主は開いた口が塞がらなかった。つづく(・Д・)<私は一時金より情を選びます!ってなんてタイムリーw(´-ω-`)うむ…これは判定が難しい水を飲んだ後ってどう?念のため+1…ってもはや視聴目的が違うw
2021.11.27
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上阳赋 The Rebel Princess第26話「勝者決定」王儇(オウケン)は宋懐恩(ソウカイオン)に虎符と皇帝の密詔を託し、西門で別れた。こうして懐恩は西の軍営へ、王儇は魏(ギ)夫人の馬車に同乗させてもらい一路、慈安寺を目指す。夜が明けるまであと1刻、何もなければ間に合うはずだったが、その時、追っ手が現れた。「夫人!追っ手が来ています!」「急いで!もっと急いで!」御者は必死に馬を駆けて慈安寺へ到着した。門で待っていた晋敏(シンビン)長公主・馬瑾若(バキンジャク)は阿嫵(アーウォ)と魏夫人をかくまって門を閉めたが、城内巡使・張棟(チョウトウ)たちが門を破って強引に乗り込んで来る。「待て!止まれ!」すると振り返ったのは長公主と魏将軍の母だった。張棟は無礼を謝罪し、疾走する馬車の報告を受けて罪人の脱走を疑ったと釈明した。そこで馬瑾若は馬車に乗っていたのは魏夫人だと教えたが、張棟は夜間通行禁止につき、どんな用件かと訝しむ。魏夫人は機転を利かせ、娘が出産を控えており、長公主から慈安寺が霊験あらたかだと聞いて駆けつけたと言った。「夜明け前に出発したので誤解されても仕方がない」「これ以上、遅れたら朝の香をあげられず、夫人の願いが叶わぬ 魏将軍は孝行息子で有名だとか…今日のことを知ったらどう思うかしら?」ネー(*´・д・)(・д・`*)ネーすると驚いた張棟は許しを請い、急いで帰って行った。王儇は危ないところで石垣の裏に隠れ、難を逃れた。「むーちん、私も行かなくては、体に気をつけて…魏夫人、あなたも保重!」一方、皇帝は阿嫵の帰りを待ちながら不安な夜を過ごしていた。しかし阿嫵が戻らないまま朝が来てしまう。するとついに二皇子・馬子律(バシリツ)が式乾(シキケン)殿にやって来た。皇帝は寝たふりをして誤魔化すことにしたが、寝所の戸が開いたところで侍従が二皇子を呼び止める。実は昨日、外に吊るした2人の太傅が死んでいた。これに憤慨した大臣たちが太極殿で騒いでいるという。子律は仕方なく引き返し、皇帝は首の皮一枚でつながった。子律は太極殿に向かうことにしたが、道すがら侍従がもうひとつ報告があると言った。「実は宮殿の外で豫章(ヨショウ)王妃を目撃したという報告が…」驚いた子律は慌てて式乾殿へ駆けつけたが、そこには皇帝に付き添う阿嫵の姿がある。しかし皇帝は阿嫵の上着の裾に泥が付いていると気づき、咄嗟に戻って休むよう命じた。子律は2人の様子に違和感を感じながら、実は宮外で阿嫵の目撃情報があったと教える。「そうなの?もしそうならここには戻らないわ」「…警告する、下手なまねをするなよ」王儇が鳳池(ホウチ)宮へ戻ると、三皇子・馬子澹(バシタン)が出迎えた。しかし心配で眠れなかった子澹とは対照的に王儇の態度は冷たい。子澹は阿嫵のためなら死も覚悟していると訴えたが、王儇は独り善がりだと呆れた。「本当に私が心配なら宮殿に来たりしなかったわ 子律を食い止める策も練らずに自ら罠にかかるなんて…へそで茶を沸かすわ!←とは言ってないw 自分の命も守れないくせに…ちっ!←舌打ちもしてないw 子澹…あなたは私情しかない、でも私は違う」すると王儇はいつの間にか洗濯が終わった上着をひるがえし、寝所に入った。一方、鬼霧(キム)谷ではいよいよ謇寧(ケンネイ)王が出陣した。すると合図の狼煙(ノロシ)が上がる。恐らく敵軍の飲み水に毒を入れたのが功を奏し、桓公(カンコウ)が陣営を制したのだ。勝利を確信した謇寧王は鬼霧谷の奥へと攻め込んだが、蕭綦(ショウキ)が兼ねてから準備していた巨大戦車が立ちはだかった。寧朔軍は巨大戦車で身を守りながら弩(ド)砲を放った。反乱軍の先陣は全滅、すると謇寧王は長い槍が接近戦に向かないことから、重甲兵に援護させて弩砲を打ち破ると決める。寧朔軍は重甲隊も長槍で倒したが、次から次へと新たな兵士が盾を持って迫って来た。「大王!敵軍が射程距離を越えました!」「投石機を用意!」すると寧朔軍の火弾が炸裂、谷に白い煙が充満した。その時、煙の切れ間から桓公が吊り下げられる姿が見える。謇寧王は自分たちの計画が失敗したと知り慌てて撤退を命じた。その頃、床についた王儇は自分の決断が正しかったのか悩んでいた。…蕭綦、あなたが信頼する宋将軍に虎符を預けたわ、国の運命を宋将軍の手に託したの…この選択が正しいのかは分からない、でも悩む暇も選択の余地もなかった一方、宋懐恩は無事に西の軍営に到着していた。そこで将軍に虎符を示し、皇都の危機を救って欲しいと嘆願する。しかし将軍は密詔を確認すると、いきなり懐恩たちを捕らえろと命じた。子律は父が余命幾ばくもないと知り、庭園の涼亭に連れ出した。「覚えています、ここで陛下の姿をよく見かけた…向こうから独りで座る陛下を見ていたんです 陛下は皇帝でありながら自分と同じように寂しいのだと思いました 太子には皇后が、子澹には謝貴妃がいて、陛下が後宮を訪ねれば彼らは父親に会えた しかし母のいない私は… あなたに褒められたくて夜を徹して勉学に励み、毎月の試験も1番でしたが、無駄でした…」子律は皇帝が王氏の機嫌を取るため桓宓(カンヒツ)を王夙(オウシュク)に差し出した日から、恨むようになったという。すると皇帝は初めから子律が謇寧王の息子だと知っていたら、生まれた瞬間に殺していたと言った。謇寧王は急いで引き返したが遅かった。「大王!やられました!唐競(トウケイ)が数万の軍を率いて我々を包囲しました! しかも六鎮(リクチン)が敵の手に落ち、彭沢(ホウタク)の太守が討たれました!」謇寧王は寧朔軍が援軍を呼んだと知り呆然となった。桓公と内外で呼応し寧朔軍を挟み撃ちにする作戦だったが、蕭綦に裏をかかれ、気がつけば自分たちが谷に追い込まれてしまう。そこへついに追撃して来た蕭綦が現れた。逃げ場を失った反乱軍は士気を失った。謇寧王は自棄になって馬車のまま蕭綦に突撃するも、蕭綦の大長矛で横転してしまう。生け捕りとなった謇寧王、しかしどうしても腑に落ちないことがあるという。「なぜ桓公との内通が分かった?…どうやって援軍を?」実は桓公が部下に命じて飲み水に毒を盛らせたことが発覚していた。蕭綦は桓公の裏切りに気づき、あの夜、包囲網を突破すると信じさせて偽の情報を謇寧王へ流したという。また退路をふさいだのは援軍だと思っていたが、胡瑶(コヨウ)が見つけた抜け道を使って奇襲した寧朔軍だった。蕭綦は降伏するか尋ねた。しかし謇寧王は皇帝と同じ空の下では生きられないと拒否する。そこで蕭綦は黙って自分の剣を投げ渡し、背を向けた。すると謇寧王は剣を拾い、自ら首をかっ切って自害してしまう。牢獄に侍従が食事を届けにやって来た。侍従はまず温宗慎(オンシュウシン)に料理を渡し、次に王藺の牢へ入る。「丞相、何日も食べておられませんね、お召し上がりください」侍従が差し出した皿を見た王藺はその意味を悟り、それとなく汁のついた箸で机に字を書いた。…王妃…すると侍従が監禁されている青雲(セイウン)道士のもとに将棋盤を差し入れた。青雲は密かに薬剤と密書を手に入れ、確認した密書は燃やして処分してしまう。その頃、宋懐恩は虎符を盗んで密詔を偽装した罪で拷問されていた。「宮殿に内通者がいるのか?豫章王は知っているのか?」「…虎符も密詔も皇帝から預かった…皇帝が内通者だと?!」しかし将軍はすべて豫章王が仕向けたと疑った。つづく( ๑≧ꇴ≦)かいおーん!拷問されてもハスキーボイスなんだぜ
2021.11.26
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上阳赋 The Rebel Princess第25話「託された使命」窮地に追い込まれた大成皇帝・馬曜(バヨウ)は王儇(オウケン)に助けを求めた。実は宮殿には秘密の地下道があり、その存在は代々、皇帝だけに引き継がれているという。「徳宣(トクセン)太后の墓がどこにあるか知っておるか?」「皇帝陵に葬られているのでしょう?」実は徳宣太后は息子たちが皇位を争い、粛宗(シュクソウ)が兄の高宗(コウソウ)を殺めたことに憤慨して慈安寺に身を寄せていた。それを機に粛宗は慈安寺を皇室の寺に指定、母の遺言通り極秘で慈安寺の地下に墓を造ったという。墓には2つの出入り口があり、ひとつは慈安寺、もうひとつは式乾(シキケン)殿にあった。二皇子・馬子律(バシリツ)が式乾殿に戻ると、ちょうど王儇が出て来た。そこで衛兵に王儇を鳳池(ホウチ)宮へ送るよう命じ、いよいよ皇帝に勅書を書かせることにする。しかし皇帝はあと3日だけ時間が欲しいと訴えた。もし詔書を書けば自分は用済みになり殺されるのを待つだけとなる。最後に3日間だけも阿嫵(アーウォ)と将棋を指したり、散策したり、穏やかな時間を過ごしたかった。「…頼む」熱り立っていた子律だったが、まさか天子が自分に頼み事をするとは予想外だった。「…陛下?私が同じように懇願すれば許してくれますか?」「許すとも…今の状況はどうであれ、お前は20年以上、息子だった」その言葉を聞いた子律は今にも涙があふれそうになり、慌てて背を向けた。「3日やろう」牢獄に子律が現れた。二皇子の姿に気づいた王藺(オウリン)は素直に自分が出し抜かれたと認める。「大したものだ、子澹(シタン)に刺客を送り皇太子を疑わせ、王氏と謝氏の争いを煽り、 豫章(ヨショウ)王を皇都から遠ざけ、謇寧(ケンネイ)王と手を組み、暉(キ)州の変を起こすとは…」しかし子律は王藺が犯した最も大きな失敗は息子と桓宓(カンヒツ)を婚姻させたことだと言った。「宓児?…子律!宓児がどうした?!」向かいの牢にいた王夙(オウシュク)は驚いて柵に駆け寄った。すると子律は王夙の首をつかみ、激しい嫉妬から息の根を止めようとする。「…貴様に宓児と呼ぶ資格などない!宓児は私の女だ!」焦った王藺は子律の恋慕を知りながら息子と桓宓を婚姻させたのは自分だと挑発した。子律はようやく王夙から手を離して冷静さを取り戻すと、急かさずとも数日後に開く宴に招待するという。「その時、死んだ方がましだと思わせてやる」その夜、王夙が冷たい寝床で恨みを募らせている頃、桓宓は様変わりした昭陽殿で愛する子律と枕を共にしていた。すると子律のもとに皇帝の具合が悪いと報告が来る。侍従は直ちに子律に報告、太医が薬を用意しても毒を敬遠し、豫章王妃が出した薬でなければ飲まないと拒んでいるという。子律は仕方なく阿嫵に看病を任せると決め、その代わり2人を式乾殿から出さないよう厳命した。皇帝は病を装い王儇を呼び出すことに成功した。そこで王儇に密詔を託し、仕掛け扉を開けて密道から外へ逃がすことにする。「必ず朝までに戻って来い…よいか?虎符(コフ)は仏像の足下、獣の頭の中だ」王儇はろうそくの小さな灯りを頼りに密道を進んだ。やがて徳宣太后の墓に到着、無事に虎符を手に入れる。そして慈安寺へ脱出し、母に助けを求めた。世俗を離れた晋敏(シンビン)長公主・馬瑾若(バキンジャク)はようやく子律が謀反を起こしたと知り驚愕、娘をかくまおうとしたが、王儇は皇帝からの重責を負っているという。「皆の命が私にかかっているの」知らせを受けた宋懐恩(ソウカイオン)は慈安寺に駆けつけ豫章王妃と合流した。龐癸(ホウキ)の情報から世子妃と二皇子が恋仲だったと分かり、桓公も謇寧王と結託していたという。王儇は腑に落ちた様子で、急いで西の軍営に向かうと伝えた。城門を出るためには西門を守る魏(ギ)将軍を説得する必要があった。そこで宋懐恩が魏将軍の母を拉致、王儇は無礼を謝罪して協力を頼む。西門に到着した王儇は馬車の窓から魏夫人のかんざしを差し出し、門衛に魏将軍の妹だと嘘をついた。魏将軍に妹などいなかったが、母のかんざしを見た将軍はひとまず馬車へ向かう。すると窓から豫章王妃が顔を出した。魏将軍は部下たちに気づかれぬよう妹だと偽ったまま王妃と宋将軍を部屋へ通した。すると王妃が虎符を示して皇帝の密書を差し出す。密書には″宮殿へ向かい反逆者を処罰せよ″と書かれていた。「数日で状況が変わったの、陛下は二皇子殿下を利用して私の父を抑えようとしたわ まさか二皇子殿下が謇寧王と結託し、皇位を脅かすとは思わずにね …魏将軍、お願いよ、私を西の軍営に行かせて」一方、桓公は守りに徹した蕭綦(ショウキ)に手を焼いていた。そこで大事な王妃の危機を知れば蕭綦が焦ると考え、寧朔(ネイサク)の軍営に駆けつける。確かに宋懐恩からの報告が途絶え、蕭綦たちも皇都で何か起こったと気づいていた。するとついに蕭綦が決断する。「最も霧が深いのは日の出の頃、辰の3刻だ」蕭綦は出撃を命じたが、そこへ慌てた様子で胡瑶(コヨウ)が駆け込んで来た。「大王ーっ!多くの兵が次々と倒れています!」実は謇寧王は寧朔軍が飲み水に使っている川の上流から毒を流すよう命じていた。魏将軍は皇都を掌握しているのが二皇子だと知った。しかしにわかに信じがたく、判断に迷う。そこで王儇は魏夫人を呼んだ。魏将軍は母を拉致した豫章王妃を非難したが、魏夫人は豫章王妃のように知恵と勇気を兼ね備えた人に会えたと喜んでいる。実は王儇が暉州を守ったように、魏夫人は将軍が襄陽(ジョウヨウ)に駐屯した際、女子供を率いて防御壁を作ったという武勇伝があった。「息子よ、王妃を信じるわね?…柱国将軍になった日、私が贈った言葉を覚えている?」「別れ道が来たら大義を優先しろと…」王儇は魏将軍の偏見を払拭するため、豫章王も自分も父と一線を画しており、王氏のためではなく国の大義のために動いていると訴えた。魏将軍は覚悟を決め、西門を開けることにした。往復で2刻、朝には呉(ゴ)将軍の部隊と交代しなければならない。しかも12部隊のうち6部隊が二皇子の指揮下にあり、魏将軍ひとりの力では限界があった。「私に考えがあるの…」王儇は密道の存在を明かすことはできなかった。そこで宋懐恩に虎符と密詔を託すことにする。懐恩は自分に軍を動かせる力はなく、計画が水の泡になれば取り返しがつかないと困惑した。しかし王妃は時間がないと虎符と密詔を手渡す。「城を出たら大王に伝えてちょうだい、桓公に警戒しろと… 懐恩、全ての人と大成の運命を任せたわ」すると懐恩は腹を括ってひざまずいた。「必ずや遂行するとお約束します!虎符と密詔と生死を共にする覚悟です!」つづく(  ̄꒳ ̄)不思議なダンジョンには宝箱が欲しいよね~
2021.11.25
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第22話少陽派掌門・褚磊(チョライ)は璇璣(センヂー)が無謀なことをしないよう居所に閉じ込めた。そんな璇璣のため禹司鳳(ウシフォン)は密かに牢へ侵入、天虚堂(テンキョドウ)の配下から手がかりを得ようと試みる。司鳳が示した魔族の指輪に配下は安堵し、北壇主の烏童(ウドウ)なら総壇に戻ったと教えた。しかし男は入壇して日が浅く、総壇の場所まで分からないという。「人間界ではなくて、確か西…」その時、どこからともなく暗器が飛んで来た。司鳳は咄嗟に避けられたが、配下の男は首を刺されて死んでしまう。璇璣は緒玲瓏(チョレイロウ)の元神を取り戻そうと焦るあまり、定坤(テイコン)剣で父の結界を破った。しかし部屋を飛び出したところで昊辰(コウシン)に見つかってしまう。…定坤剣の力を封じたのにもう破られたか…「私には玲瓏が必要です!絶対に助ける!」「何も分かっていない、大きな罪を犯すことになるぞ」「師兄、人には情があります、私に何の罪があると?」その言葉を聞いた昊辰はかつて天界で捕らわれの身となった戦神の姿を思い出す。…私に何の罪がっ?!…昊辰は璇璣が情に支配されていると焦り、すぐ少陽山に戻って禁足しろと命じた。「魔煞(マサツ)星の心魂の件を妖魔に知られた、危機が迫っている、弟子として務めを果たせ!」「嫌よ!姐姐を助ける!秘境は師父や師兄が守ればいいわ!」「ふぁんすー!」昊辰は口答えした璇璣に激怒、呪縛で捕らえてしまう。そこへちょうど璇璣を訪ねて司鳳がやって来た。司鳳は璇璣から自由を奪った昊辰を非難し、解放するよう迫った。激情に駆られた昊辰は司鳳の腕次第だと挑発、そのまま2人の手合せが始まる。「傷を負った身で強がるな…」司鳳は昊辰の一撃を受けながらも必死にこらえた。すると主の危機を救うため、陸嫣然(リクエンゼン)こと小銀花(ショウギンカ)が人形(ヒトガタ)に戻って昊辰に毒を放ってしまう。「嫣然!やめろ!」昊辰は咄嗟に避けて無事だったが、そこへ楚影紅(ソエイコウ)がやって来た。意識が戻らなかった鐘敏言(ショウビンゲン)がようやく目を覚ましたという。昊辰は仕方なく璇璣を解放して司鳳と行かせたが、このまま陸嫣然を見逃すことはできなかった。鐘敏言は真っ先に玲瓏のもとへ駆けつけた。しかし玲瓏は烏童に元神を奪われ、魂だけでわずかに生きながらえているだけだと知る。敏言は玲瓏を守れなかった自分を責め、すぐにでも元神を取り戻しに行くと決めた。璇璣と司鳳も同行することにしたが、門の前で褚磊に阻止されれてしまう。すると昊辰が嫣然を連行して来た。昊辰は点睛(テンセイ)谷の弟子が毒を使ったことを訝しみ、容谷主に確認したいという。その時、敏言が剣を招喚し、嫣然に向けた。「違う!天虚堂の間者だ、この目で見た!烏童の命に従って修仙門派の弟子を殺したんだ!」「誤解よ!私は殺してない!」しかも知らせを受けた容谷主が現れ、本物の陸嫣然はすでに修行を終えて点睛谷に戻っていると証言した。司鳳は小銀花を招喚して隠し、実は自分の霊獣で天虚堂に潜入させたと説明した。実は小銀花は誤って天果を食べて人の姿になれただけで、人の血を吸って人形に化けている妖魔とは違うという。「誤解されないよう身分を偽らせていました 霊獣は主と共鳴するもの、人を殺せば分かります、誓って小銀花は人を殺めていません」すると小銀花に思いを寄せる若玉(ジャクギョク)も人を殺すことは絶対にないとかばった。そこで鐘敏言たちは小銀花を外へ出して尋問したいと言ったが、司鳳は拒否する。不穏な空気が流れる中庭、すると今度は牢で天虚堂の配下が死んだと報告が来た。天虚堂の配下は毒針により黒い水と化し、口封じに殺されていた。すると昊辰が偶然、司鳳の袖口が毒で汚れていると気づく。掌門たちは司鳳を捕らえるよう命じたが、咄嗟に璇璣が立ちはだかった。「司鳳、早く釈明して!」司鳳は確かに牢へ来たと認めた。烏童の居場所を聞き出すためだったが、背後からふいに毒針が飛んで来たという。恐らく避けた時、暗器に触れて袖が汚れたのだろう。司鳳は刺客を追いかけたが逃げられ、その後、昊辰とのいざこざがあり報告する暇がなかった。そこで無実を証明する機会が欲しいと嘆願したが、昊辰はさらに追い詰める。「霊獣で分壇の場所を突き止めていたのに、なぜ黙っていた?全て偽りなのだろう? 霊獣は天虚堂の妖魔に違いない、取り繕っても穴だらけだな」すると容谷主は霊獣をかばう司鳳こそ天虚堂の妖魔ではないかと怪しんだ。鐘敏言は潔白を証明するためにも司鳳に霊獣を出すよう説得したが、司鳳は呼べば殺されていまうと拒絶する。呆れた敏言は司鳳の腕をつかんで強引に引っ張り、驚いた璇璣が咄嗟に2人の腕を引き離した。その時、運悪く司鳳の袖から天虚堂の指輪が落ちてしまう。「…これは小銀花が盗んだものです」司鳳は釈明したが無駄だった。離沢(リタク)宮・副宮主は弟子の司鳳を反徒と断罪、掌門たちに尋問を任せた。璇璣は収監された司鳳を助けようと奔走するが、誰も取り合ってくれない。一方、若玉は司鳳をかばったことで副宮主から折檻されていた。「私はただ離沢宮のことを思って…」「ならば奴は妖魔と結託したことにしておけばいい!離沢宮とは無関係だ 目をかけてやったのに…罰を受けたいのか?妹を助けたいのだろう?」すると副宮主は何をすべきで何をすべきでないのか、ひざまずいて考えろと命じた。その頃、総壇に戻った烏童は玲瓏の身代わりを探していた。するとちょうど最後の修行で人形に変わる寸前の美人蕉(ビジンショウ)を見つける。そこで烏童は怯える美人蕉を天雷から守ってやった。無事に修行を終えた美人蕉は助けてくれた烏童に感謝し、恩返ししたいという。「私の望み通りの姿になれるか?」「お安いご用よ~ちょっと頭の中を見させてもらうわ」美人蕉は烏童の記憶をもとに玲瓏と瓜二つの人形になった。しかし姿は似ていても、あの勝気な性格までは真似ができない。烏童は引魂鈴(インコンリン)を招喚して美人蕉から元神を奪い取ると、花妖であることと自分のことだけ記憶に残した。そこへ玲瓏の元神を入れることにしたが、どうしても全て入れることができない。「頑固な女だ…まあ半分でもいい」こうして烏童は性格も玲瓏によく似た偽物を作ることに成功した。「お前の名は決めてある、玲瓏だ」一方、璇璣は浮玉島で妖魔を探し回っていた。鐘敏言は師匠から璇璣の見張りを任され、密かに見守っている。しかし璇璣が弟子たちの修練までのぞき始め、慌ててやめさせた。他門派が稽古を盗み見るのは禁忌だという。「目を覚ませ、妖魔は牢の中だ、あの妖蛇だよ、司鳳が妖蛇を渡せば済むことだ」司鳳を尋問することは不本意だが、唯一の手がかりは小銀花しかいない。璇璣は拷問が始まると聞いて愕然となり、牢へ急いだ。その頃、地下牢では東方島主が怒りに任せて司鳳に苦痛を与えていた。司鳳は理路整然としていたが、それがかえって東方島主を苛立たせている。すると司鳳から愛する妻に騙されたことで疑心暗鬼になっていると指摘され、図星だった東方島主は一撃を与えようと構えた。しかしそこへ褚磊と容谷主が現れる。「おや?尋問は3人で行うはず…もしや私怨を晴らそうとしているのでは?」東方島主は咄嗟に手を降ろし、誤解だとごまかした。褚磊は無実の場合を考え、拷問には難色を示した。しかし容谷主は口を割らせるためには痛めつけるしかないと言って閻羅釘(エンラテイ)を招喚する。「骨を砕かれるような苦痛を味わい続けることになるぞ?釘を刺す前にもう一度だけで機会をやる」「信じていただけないなら…何も言うことはありません」ちょうどその頃、璇璣と鐘敏言が牢へ駆けつけたが、門衛に追い返されていた。司鳳は両肩に閻羅釘を打ち込まれた。見兼ねた褚磊は霊獣を放つことが何よりの証明だと説得したが、司鳳は鼻であしらう。「証明?…五大門派は己の保身にしか興味がなく、天虚堂を侮っていた… ゆえに隙を狙われ、霊匙を奪われたに過ぎない… ようは誰かに濡れ衣を着せて責任逃れしたいだけだ…そんなことのために霊獣を犠牲にはしない!」つづく(  ̄꒳ ̄)武侠あるあるだけど、正派の方がだいたい…ゴニョゴニョw
2021.11.25
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第21話少陽派の掌門・緒磊(チョライ)は元神を失った緒玲瓏(チョレイロウ)の様子を見ながら悲しみに暮れた。すると柱石(チュウセキ)が現れ、救ってくれた恩に報いたいと軒轅(ケンエン)派の霊匙(レイシ)と引き換えに玲瓏の元神を取り戻すことを提案する。褚磊は柱石の気遣いに心から感謝したが、霊匙は天下の安危に関わる物ゆえ、まずは五大門派で話し合いたいと頼んだ。掌門たちは正道を貫く褚磊の姿に感服し、霊匙も玲瓏も守る方法を考えることにした。すると離沢(リタク)宮の副宮主は軒轅派の天機珠(テンキシュ)が精巧で封印が解きにくいため、偽の霊匙を入れて妖魔に渡し、バレる前に元神を取り戻してはどうかと提案する。柱石に成り済ました欧陽桐(オウヨウトウ)は驚き、咄嗟に天虚(テンキョ)堂との一戦で内力が回復しておらず、封印を解けることができないとごまかした。そこで奇門遁甲(キモントンコウ)に精通する点睛(テンセイ)谷・容(ヨウ)谷主が代わりに開けると申し出る。褚磊は他門派の恩情に心から感謝したが、副宮主が言葉だけでは信用できないと言った。副宮主は4派が霊匙の存在を公にしているが、少陽だけが秘境に何があるのか隠していると指摘した。そこで褚磊は誠意を示すため、少陽の秘密を明かすことにする。実は魔煞星(マサツセイ)は完全に消滅していなかった。少陽の禁地である秘境には魔煞星の心魂を封印した琉璃盞(ルリサン)が隠されているという。しかし燭龍(ショクリュウ)が琉璃盞を守っているため、霊匙がある限り天虚堂につけ入る隙はなかった。天機珠の封印を解くには原料である隕鉄(インテツ)の霊気が必要だった。すると東方島主が浮玉島にある姻縁石(インエンセキ)に隕鉄の霊気が備わっていると思い出す。そこで容谷主は木火土金水(モッカドゴンスイ)に属する弟子を1名ずつ集めて陣を構えることにした。少陽派からは璇璣と昊辰(コウシン)が参加する。伝説によれば姻縁石は天が夫婦と定めた2人を霊光で照らすというが、実はまだ前例はなかった。5人の弟子たちが陣を敷き、容谷主が隕鉄の霊気を取り出すことに成功した。その時、姻縁石が輝き、赤い光が璇璣と昊辰を包み込む。「伝説は本当だった、褚掌門、おめでとうございます」璇璣と昊辰は天が定めた運命の相手だった。動揺した璇璣は師兄に嫁ぐ気はないと反発、思わずこの石はデタラメだと暴言を吐いてしまう。昊辰はこの場を収めるため密かに術を放って霊光を消すと、自分たちは無情訣(ムジョウケツ)を修行する身ゆえ期待には応えられないと辞退した。翌朝、昊辰は司命(シメイ)を呼び出した。姻縁石は司命が作った駄物のはず、昊辰は自分をからかったのかと激怒する。しかし司命は帝君が術を施したせいで霊力が反応したのだろうと言い訳し、姻縁石はただ規則に従って2人を照らしたに過ぎないと言った。「…当時、戦神は帝君との婚姻を願った 帝君はその願いを叶えるために戦神の修行を助けているのでは…」「戦神は情を持たぬ、情を抱き心に魔を生じさせたら天界に戻れなくなるのだぞ?」昊辰は2度と自分を煩わせるなと憤慨し帰っていった。「はあ~…帝君は戦神が情を持たぬと仰せだが、ご自分の情も分かっておらん」東方島主は柱石の勧めで破門した弟子を呼び戻し、島を警護させることにした。そしてついに容谷主が天機珠の封印を解くことに成功する。一方、少陽派の居所では璇璣が玲瓏を救うために、すぐにでも出発しよう気が急いていた。昊辰は弟子たちの到着を待つようなだめたが、2人の様子を見た敏覚(ビンカク)たちから姻縁石の件でからかわれてしまう。ちょうど璇璣を訪ねて来た司鳳は璇璣の運命の相手が昊辰だと知り愕然となった。「はっ!司鳳!」璇璣は逃げるように去って行く司鳳に気づき、慌てて後を追った。璇璣は河原にいた司鳳に追いつき、必死に釈明した。「あの石には問題がある、天の定めでも私は昊辰師兄に嫁ぐ気はないわ!「釈明など必要ない、私には関係ない」そんな2人の話を璇璣を追いかけて来た昊辰が物陰で立ち聞きしていた。「分かってもらえるまで説明する! 皆は私が誰とでも婚姻できると思っている、でもそうじゃない、本当に違うの 私が責任を取れるのは司鳳だけ、他の人や師兄ではだめなの…あっ!」その時、璇璣は強い妖気を感じた。容谷主は天機珠から霊匙を取り出し、東方島主に渡した。この機会に霊匙を奪おうと企む欧陽桐、その時、弟子が妖魔の群れが現れたと報告する。そのため東方島主が直ちに霊匙を宝物庫へ保管することになり、欧陽桐は格好の機会を失った。弟子たちを乗せて戻った翩翩(ヘンヘン)の船が妖魔に襲われた。翩翩は埠頭で待っていた玉寧(ギョクネイ)に剣網を張って島を守れと叫ぶ。これで大方の妖魔は防げたと思ったが、妖獣は雷火弾(ライカダン)で陣眼を爆破しようとしていた。副宮主は浮玉島の一大事を遠目から涼しい顔で眺めていた。一方、東方島主は陣眼を守るため埠頭へ向かったが、道すがら夫人・清榕(セイヨウ)が現れる。清榕は死ぬ時も一緒だと訴え、深い愛情を示した。すると東方島主は令牌を託し、自分に何があっても島主になれば誰にも蔑まれることはないという。そこで玉寧に夫人を裏山へ避難させるよう頼み、陣眼に駆けつけた。妖獣たちは火を吹いて陣眼を攻撃していた。東方島主は弟子たちと必死に守ったが、ついに剣網に穴が開いて吹き飛ばされてしまう。しかしそこに司鳳が駆けつけ、妖獣が入らないよう防いだ。妖獣の雷火弾と司鳳の霊力の攻防、さすがに司鳳の力も限界が近づく中、璇璣が駆けつける。「司鳳ががが(ギギギギ…)その雷火弾であの世へ送ってやるわ」司鳳の危機を目の当たりにした璇璣は戦神の力が蘇り、定坤(テイコン)剣と共に剣網から飛び出した。璇璣は定坤剣の力で妖獣を焼き尽くした。驚いた妖獣たちは慌てて逃げ帰ると、璇璣は意識を失って落下してしまう。司鳳は無我夢中で飛び出し、璇璣を受け止めた。「璇璣?!璇璣?!」「(はっ)私を心配してくれたの? だって姻縁石の件があったから関わりたくないのかと…本当にあれは違うのよ?!」その時、埠頭へ皆が集まって来た。褚磊は無謀にも璇璣が妖獣に立ち向かったと知って困惑する。「さっきの爆発がまさかお前の仕業だったとはな…」思いがけず璇璣に助けられた浮玉島、しかしその場に柱石の姿はなかった。すると璇璣がまだ妖魔がいると気づく。「さっきよりもはっきりと妖気を感じるわ!」司鳳は璇璣の予感が外れたことはないと言った。「向こうです!」「宝物庫か?!」東方島主たちは急いで裏山へ向かった。その頃、玉寧を眠らせた清榕は宝物庫で欧陽桐と合流していた。欧陽桐は清榕が手に入れた島主の令牌を使って天機珠の霊匙を手に入れることに成功、蛟月刃(コウゲツジン)を持っている清榕と急いで逃げることにする。しかし埠頭へ向かう2人の前に東方島主が立ちはだかった。東方島主は欧陽桐が妖魔だと知り、清榕が愛しているのは自分ではなく欧陽桐だと知る。「お腹の子も彼の子よ、あなたに尽くされても虫唾が走るだけだわ~ふん」激怒した東方島主は地狼(チロウ)に戦いを挑んだが、激しい妖気に吹き飛ばされた。しかし危ないところで褚磊が現れ、急死に一生を得る。褚磊は地狼と互角に渡り合ったが、やがて怒涛の攻撃から毒掌(ドクショウ)を食らって喀血した。その時、司鳳と璇璣が現れ、2人の剣気で地狼を挟み撃ちにする。すると地狼も神剣である定乾剣の一撃には耐えられず、ついに倒れた。東方島主はここぞとばかりに留めを刺そうとしたが、清榕がかばう。その隙に立ち上がった地狼は清榕を連れて姿を消した。「妖魔は天界と一戦を交える…人間が手を出せば辛酸をなめることになるぞ…」憤まんやる方がない東方島主は弟子が生け捕りにした天虚堂の配下を拷問した。すると配下の証言から天虚堂が魔域左使(マイキサシ)・無支祁(ブシキ)を救うため霊匙を探していると分かる。無支祁は神器・均天策海(キンテンサクカイ)を持っていた。均天策海とは千年前の仙魔対戦で戦神が魔煞星から奪った物で、その力を借りて琉璃盞を解き、魔煞星を復活させるつもりだという。副宮主はなぜか出まかせではないかと疑ったが、褚磊は警戒を強めた。掌門たちは地狼が柱石に化けていたことに衝撃を受けた。血を用いた変わり身の術は習得が困難と言われていたが、妖族は着々と力をつけているらしい。何より天虚堂がすでに魔煞星の心魂の在りかまで知っていることに衝撃が走った。残る霊匙はあと2つ、とにかく離沢宮と点睛谷は警備をいっそう強化して霊匙を守るしかない。一方、地狼は功力をめぐらせ、傷を癒していた。…痛手は負ったが、褚掌門の精血が手に入った、思わぬ収穫だった…つづく( ̄▽ ̄;)東方島主…何だかちょっと…あれじゃない?弱いし…
2021.11.23
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第20話天虚(テンキョ)堂の分壇に到着した禹司鳳(ウシフォン)は陸嫣然(リクエンゼン)こと小銀花(ショウギンカ)を救出、霊獣の姿に戻して引き取り、褚璇璣(チョセンキ)の元へ急いだ。司鳳が駆けつけると璇璣が鐘敏言(ショウビンゲン)たちと合流し、敵に応戦していた。どうやらまだ緒玲瓏(チョレイロウ)の居場所は分からないらしい。すると烏童(ウドウ)が現れ、配下に巨大な角笛を吹くよう命じた。耳をつんざく音に苦しみ始める璇璣たち、しかし璇璣を追って来た昊辰(コウシン)が現れ、剣で角笛を破壊してくれる。( ゚ロ゚)!!<昊辰師兄?!なぜここに?( ー̀ωー́ )<あとでしっかり罰を与えるぞ!烏童は昊辰の功力に手も足も出ず、配下に任せて姿を消した。しかし道に迷った玉児(ギョクジ)が現れ、昊辰が放った剣気に巻き込まれてしまう。「妖霊か?」「玉児?!」玉児は慌てて引き返すと、司鳳と璇璣はあとを追った。( ๑≧ꇴ≦)ししょん! ←言いたいだけwその頃、鐘敏言は意識のない玲瓏を連れている烏童を見つけた。無謀にも玲瓏を取り戻そうとした敏言、しかし烏童の掌(ショウ)をまともに食らい、吹き飛ばされてしまう。そこへ璇璣と司鳳が駆けつけた。2人に気を取られた烏童は背後から陳敏覚(チンビンカク)が近づいていることに気づかず、いきなり背中から刺されてしまう。驚いた烏童は敏覚を蹴り飛ばしたが、その隙をついて司鳳が飛び出し玲瓏を救出することに成功した。しかし人質を失った烏童が咄嗟に敏覚を連れて姿を消してしまう。司鳳と璇璣は烏童を追いかけたが逃げられた。そこへ昊辰が駆けつける。昊辰は司鳳が掌門たちにも知らせず璇璣を連れて乗り込んだと非難、しかもあの妖霊と関わりがあるのかと訝しんだ。咄嗟に司鳳は何も知らないと否定したが、昊辰を騙せるはずもない。「璇璣、敏言のように誠実な友なら問題ない、だがかように不誠実な男は遠ざけねば」「師兄、司鳳はそんな人じゃ…」その時、洞窟が崩れ始めた。烏童は総壇に戻ると決め、配下に敏覚を託して先に行かせた。すると突然、烏童たちを追って脱出した玉児が現れる。玉児は自分が妖霊だと訴え、天虚堂の仲間に入りたいと懇願した。しかし烏童に怪しまれ、収監されてしまう。玲瓏は無事に浮玉(フギョク)島へ戻った。しかし烏童の五毒(ゴドク)掌に当たった鐘敏言がついに倒れてしまう。楚影紅(ソエイコウ)はまず毒を特定して5種類の薬草で解毒薬を作ることにしたが、それまで敏言の身体が持ちこたえられるか分からなかった。楚影紅が薬を完成させた。しかし特殊な毒草が含まれており、実際に飲んでみないと陽に傾くか、陰に傾くか分からないという。陽に傾けば他の4種と合わさって毒が解けるが、もし陰に傾けばかえって体内の毒を強めて死を早めることになる。すると璇璣は自分が試すと手を挙げた。褚磊(チョライ)は誰も犠牲にできないと苦渋の決断を迫られたが、その時、いきなり司鳳が解毒薬を飲んでしまう。「親友を救う機会は逃せません…」冷や汗をかきながら必死に耐える司鳳、璇璣は心配そうに見守っていたが、影紅の脈診で陽に傾いたと分かった。璇璣は司鳳を寝殿まで送り届けた。しかし司鳳は璇璣がいるとかえって落ち着かないと訴え、鐘敏言の様子を見に行くよう促す。仕方なく璇璣はすぐ帰ったが、しばらくして若玉(ジャクギョク)が様子を見に来た。司鳳はすでに回復、小銀花も無事だという。すると若玉は薬を飲んでも鐘敏言に毒気が残ってしまい、病に効くという凛氷(リンヒョウ)池に送られたと教えた。昊辰の話では璇璣が食事もせず、付き添っているという。凛氷池はその名に違わぬ寒さだった。司鳳は璇璣の身を心配し、様子を見に行くことにする。六識が欠けて寒さを感じないとは言え、冷気は身体にこたえるはずだ。昊辰は凛氷池に向かう司鳳を見かけた。そこで池に先回りしたが、ちょうど鐘敏言が愛しい玲瓏が烏童に襲われる夢を見てうなされている。昊辰は密かに術をかけて敏言をさらに混乱させると、敏言は池で溺れそうになった。驚いた璇璣は思わず池に飛び込んで六師兄を助けたが、敏言は璇璣を玲瓏だと誤解、奪われまいと抱きしめてしまう。「君を誰にも渡さない…」「(ア~ハイハイ)小六子?玲瓏よ、ここにいるわ~良くなったら結婚しましょう」璇璣は六師兄を励まそうと玲瓏の振りをしたが、運悪く司鳳がその様子を見ていた。…禹司鳳よ、身の程も知らず璇璣に近づくから思い知らせてやったまでだ…昊辰は落胆した司鳳が引き返すと、敏言の術を解いた。司鳳は深く傷つき、寝殿に戻るなり激しい発作に襲われた。副宮主の言っていた通り、まさに地獄のような苦しみが司鳳を襲う。すると主の異変に気づいた小銀花が人形(ヒトガタ)に戻った。「司鳳!しっかりして!」小銀花は痙攣を起こして倒れている司鳳に駆け寄り、腕のあざを確認した。3枚あった羽根のあざがすでに2枚しかない。そこで司鳳の襟元をはだけてみると、赤い羽根が浮き出ていた。「情人呪(ジョウジンジュ)の発作なのね!」小銀花は自分の霊力を送って助けようとしたが、呪いに跳ね返されてしまう。「ぐはっ!」「司鳳!どうしたらいいの!司鳳!」激しく吐血する司鳳を前に小銀花はなす術なく泣いていた。その頃、璇璣たちは治療が終わった鐘敏言を連れて戻っていた。小銀花は司鳳を苦しめる璇璣に激怒、ちょうど回廊に出た璇璣を殺そうとしたが、危ないところで司鳳が駆けつけ連れ戻す。すると璇璣がふと振り返って司鳳に気づいた。 司鳳は逃げるように居所へ戻り、結界で戸を閉めてしまう。「コンコンコン!司鳳?どうしたの?まだ具合が悪いの?」「大丈夫だ」「司鳳?私たちを助けてくれてありがとう、司鳳、六師兄に汁物を作るの、あなたにも届けるわね」「いらない…休みたいんだ」「じゃあ明日ね、司鳳!」璇璣が帰ると小銀花が現れた。そこで司鳳は璇璣を傷つけたら主従の縁を切ると釘を刺す。「私が勝手に璇璣を好きなだけだ…想いが報われないからと相手を殺すのか? そんな人間は愛される資格も愛する資格もない、人でなしだ 私の霊獣もそんなことをしてはならない」「でも命を落とすのよ?…璇璣を殺すしかない!」司鳳は仕方なく袂を分かつと決め、血の契りを断とうとした。驚いた小銀花は慌てて司鳳の腕をつかんで止め、璇璣に手を出さないと誓う。「はお、今の言葉を忘れるな…もう行け、独りになりたい…」司鳳は小銀花が出て行くと再び激しく喀血して倒れた。翌朝、司鳳が目を覚ますと発作は落ち着いていた。そこへ璇璣が薬を持ってやって来る。司鳳は必要ないと断り、決して戸を開けようとしなかった。「司鳳?何だか不機嫌よね?…人の顔色なんて探れないけれど、司鳳の機嫌なら分かるの」すると司鳳はようやく戸を開けた。「不機嫌じゃないよ…ただ玲瓏と敏言は危機を脱したし、離沢(リタク)宮に帰る」「でも戻ったら罰を受けるでしょう?…それにずっと一緒だと言ったわよね?」璇璣は自分の気持ちを何と表現したら良いのか分からず、思わず司鳳に抱きついた。「司鳳!行かないで!」驚いた司鳳は璇璣を突き放したが、璇璣はどうしても離れたくないと口づけしてしまう。「あなたが喜ぶなら何でもするわ!だから行かないで…いいでしょう?」「何でもすると?」(*゚▽゚)*。_。)*゚▽゚)*。_。)ウンウン司鳳は璇璣を抱き上げて寝台に連れて行った。「婚姻だの一生一緒だのと簡単に言うが、その先は何をするか知っているか?」「司鳳…教えてもらってないわ」しかし璇璣は無邪気に司鳳の首に腕を回した。「こう言う時は口づけするのよね?」すると司鳳は急に怒り出し、まるで心がないと怒鳴ってしまう。そこへ何も知らず玉寧(ギョクネイ)がやって来た。「花を持って来たの、部屋に飾るのにちょうどいいと思って…」玉寧が花を活け始めると、司鳳は璇璣を追い出してしまう。司鳳に冷たくされた璇璣は、このもやもやした気持ちが何か分からなかった。そこで昏迷している玲瓏の元へ戻り、早く目を覚まして相談に乗って欲しいと訴える。するとふいに玲瓏が目を覚ましたが、どこか様子がおかしかった。知らせを聞いた褚磊たちが集まり、玲瓏を調べた。実は玲瓏は元神を抜き取られ、魂の一部が残っているだけだと分かる。今は生きているが1ヶ月以内に元神を戻さなければもたないだろう。その時、影紅は玲瓏がなぜか拳を握っていると気づいた。そこで手を開いてやると、いきなり伝令が飛び出す。✋シュッ!➰″霊匙と元神″烏童は親の情につけ込み、霊匙を要求してきた。玲瓏の危機はまだ去っていなかった。一度は帰ると決めた司鳳だったが、やはり璇璣のため残ることにする。つづく
2021.11.21
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燕云台 The Legend of Xiao Chuo最終話「国土と結ばれた運命」聖宗(セイソウ)・耶律隆緒(ヤリツリュウショ)が祝勝の席で皇太妃・蕭胡輦(ショウコレン)から兵権を奪おうとした。散会後、皇太后・蕭燕燕(ショウエンエン)は大姐の面目を潰した息子に腹を立てたが、韓徳譲(カントクジョウ)は聖宗の立場に理解を示す。すでに各部族の兵権は集約され軍が再編されたが、国阿輦(コクアレン)斡魯朶(オルド)だけが返上されず、批判の的になっていた。しかしこうなってしまった以上は仕方がない。燕燕はこの件を自分に任せて欲しいと言った。(  ̄꒳ ̄)いや~朕に任せたからこのザマなんですけど~翌朝、胡輦が荷物をまとめていると燕燕がやって来た。「ちょうど良かったわ、別れの挨拶に行こうと思っていたの」胡輦は姉妹の情で上京に戻ったが、妹は権謀術数に長けた皇太后になっていたと嫌味を言う。「罨撒葛(エンサーグァ)も烏骨里(ウグリ)もあなたを警戒しろと言っていた それでも妹を信じようとした私にこんな仕打ちを? …罨撒葛は国阿輦を最後の切り札だと言い残したわ、決して渡してはならぬとね…」胡輦は国阿輦を連れて北方へ戻ると言った。しかしそこへ血相を変えた高六(コウリク)が駆けつける。実は燕燕に反発した撻覧阿鉢(タツランアハツ)が数人の兵と一緒に聖宗を襲い、投獄されていた。(  ̄꒳ ̄)え___「俺たちが君主になろう」って本気だったのね___聖宗は負傷したが命に別状はなかった。しかし侍医の話では聖宗がかわしていなければ命も危うかったという。胡輦はひざまついて撻覧阿鉢をかばい、命だけは助けて欲しいと嘆願した。「国阿輦を返上し、私が罰を受けます」これには燕燕も聖宗も開いた口が塞がらない。「大姐、命乞いをするなんてどうかしている!陛下の命も蕭家も顧みないというの?」「…全てを差し出しても救いたいのです」「何を申すか!」聖宗は憤慨し、皇太妃を追い返した。(  ̄꒳ ̄)だーじぇぇぇぇマジかぁぁぁ___撻覧阿鉢は激しい拷問の末、聖宗を襲った罪で斬首を言い渡された。すると胡輦が配下たちと天牢を襲撃、楚補(ソホ)を殺害して撻覧阿鉢の救出に成功する。その頃、韓徳譲も知らせを聞いて聖宗を見舞った。聖宗は軽症なので心配ないと母を安心させたが、韓徳譲は母にとって息子の怪我は重大事だと笑う。しかし思わぬ急報が舞い込んだ。皇太妃が牢を破り、撻覧阿鉢を連れ去って上京を脱出したという。「…大姐を失ってしまう」燕燕はこのままでは姉を守れなくなると胸が痛んだ。胡輦たちは一路、可敦(カトン)城へ戻った。「帰って来たわ、もう大丈夫よ」深手を負った撻覧阿鉢を自分の寝宮へ運び入れ軍医を呼んだ胡輦、すると高六が駆けつける。「蕭継先(ショウケイセン)が城に迫り、勅命を伝えました、″降伏すれば殺さぬ″と」「そう言って皆殺しにするのよ…国阿輦を招集し、応戦せよ!」(  ̄꒳ ̄)大姐暴走~胡輦は城楼から朝廷の大軍を見下ろした。そこには幼い頃から手塩にかけて後継者に育てた蕭継先の姿が見える。すると継先は手を振り下ろし、ついに兵を動かした。大軍は容赦なく攻め込み、高六は皇太妃を逃がして城楼で絶命してしまう。(  ̄꒳ ̄)まさか___ラスボスが大姐___南朝とは何だったのか?胡輦は福慧(フクケイ)と南宮へ戻った。そこで撻覧阿鉢を連れて避難することにしたが、朝廷軍に包囲されてしまう。「太后の命により皇太妃を連れ戻す!」「…俺が全て悪いんだ、俺だけ行く」「ダメよ!決して離れないわ」すると撻覧阿鉢は胡輦を守るため反撃に出た。しかし多勢に無勢、結局、その場で刺し殺されてしまう。(  ̄꒳ ̄)ぁぁぁ____若い燕ががががが___胡輦は上京に連れ戻された。するとその夜、燕燕がやって来る。「大姐…」「…私は臣下です、姐だとは思わないでください」燕燕は昔に戻ろうと言ったが、胡輦は戻りたくても燕燕はもはや昔の妹ではないという。「私にはもう妹妹などいない、あなたを愛し、何事も譲った…これがその報いなの? 罨撒葛も烏骨里もあなたのせいで死んだ…そして撻覧阿鉢まで奪うなんて…」「謀反を起こしたのよ?私の咎だと?」「己の過ちにまだ気づかない?」(  ̄꒳ ̄)気づかないわ___「家族の情を捨て、天下のことしか頭にない、それで心が休まる?」(  ̄꒳ ̄)ってか姉さんたちが男のことしか頭にないからじゃ___胡輦に責められた燕燕は困惑した。皇太妃を断罪する奏状が山積みになる中、何とか大姐を救おうと必死で闘っている。すると胡輦は燕燕に国阿輦の兵符を突き返した。「奪えばいい!これが欲しかったのでしょう?!」「まさか…私にとってこの兵符が大姐より大切だと思っているの?」「私に会いに来たのは兵符のため、自分でも分かっているはずよ 今のあなたはすでに私の妹ではない…私のために悩まなくて結構!」コケコッコ〜🐔「私にはもう大姐しかいない…何があっても三姉妹は一心同体だと言ったでしょう? 私がいる限り誰にも大姐を傷つけさせない」「私を傷つけているのはあなたよ、いっそ殺してちょうだい!これ以上、顔も見たくない」(O_O)え___だぁぁじぇぇぇぇ___どうしちゃったの___韓徳譲は政務から戻らない燕燕を心配して様子を見に来た。すると燕燕が疲れ切って居眠りしている。机にはたくさんの奏状があった。徳譲は燕燕に自分の上着を掛けて奏状を確認していると、ふと燕燕が目を覚ます。「皆が大姐を殺せと言うの…」「天下の声に応え、我々は何らかの決断を下さねばならぬ」「…命を下す、皇太妃・蕭胡輦は独立を企て、謀反の大罪を犯した しかし過去の功績を鑑みて死罪は免じ、身柄を懐(カイ)州に留めて幽閉、永久に解放せぬこと」統和27年、皇太后・蕭燕燕は聖宗に政の実権を渡し、摂政の座を退いた。そんなある日、病にむしばまれていた燕燕がついに倒れてしまう。「大姐…大姐……」「燕燕?」韓徳譲がうなされる燕燕に声をかけると、ようやく燕燕が目を覚ました。寝所には知らせを聞いた聖宗と皇后・蕭菩薩哥(ショウボサツカ)、耶律観音女(ヤリツカンノンジョ)、耶律隆祐(ヤリツリュウユウ)が揃っている。「私は大丈夫、誰もがいつかこの日を迎える、恐れはしない…ただ…」燕燕は徳譲にひとつだけ気がかりがあると訴えた。(  ̄꒳ ̄)そう言えば別腹の皇子がもう1人…ってまさかぁぁぁ___あ、只没と出家?違うかその頃、幽閉された胡輦は雪の舞う中、剣の稽古に没頭していた。すると懐かしい旧友が現れる。「何年ぶりかしら?…韓大人が急に来るなんて、太后に何かあったのね? ふっ、己の死期を悟り、隆緒では私を抑えきれぬからあなたを寄越したの?そうでしょう?」「燕燕は遼を揺るがすことを望まぬ、私も同じだ」「ふふふ、まさかそこまで私を脅威に感じているなんてね」胡輦と韓徳譲は幼なじみだった。ふと思い出す徳譲への淡い初恋、あれからずい分と遠くに来てしまったようだ。「燕燕が羨ましくなる、愛した人に誠実に尽くされて、老いるまで共に歩んだ そんな幸せは滅多にない…特に私には…」徳譲はそんな胡輦の無念の思いを全て自分が受け止めると言った。すると胡輦は初めて自分の本心を赤裸々に告白する。「燕燕が後宮に入る前、父に訴えたの、燕燕のため私が代わりに嫁ぐと… 妹の幸せを願ったからよ、でも思い返してみるとそんな理由じゃなかった」胡輦は自分にも燕燕に負けないくらい野心があったと言った。人前ではおくびにも出さず品行方正に振る舞いながら、自分自身でさえその存在を認めていなかったという。しかし長公主を母に持ち、后族の宰相の娘、皇子に嫁ぐと定められ、国母としての振る舞いを自分に強いて来た。「ふっ、この変化と結末を誰が予想したかしら?」権力とは恐ろしい。まるで全ての者をのみ込み、逃れられない渦のようだ。↓ちょっと何言ってるか分からないですぅ___胡輦はもし罨撒葛が先に黒山に到着して自分が権力を握っていたら、烏骨里は死ななかったと言った。しかし徳譲は罨撒葛が皇帝になったら漢制改革が進まず、遼の民政と軍政は全く違うものになり、″澶淵(センエン)の盟″もなし得なかったと断言する。「遼の行く末は分からないわ、この世は変幻無常だから…私たちのようにね 燕燕より先に出会い、年齢も近い私ではなく、あなたは燕燕を愛した」「…我々は共に考えを隠し、人に動かされ、大局を前に用心し過ぎるきらいがある しかし燕燕は己が求めるものも、最も大事なことも一貫して明確だ」胡輦は父から感情で動くなと言われて納得できなかったことを思い出した。心任せに動く燕燕とは違い自分は大局を見てきたつもりだったが、なぜ父の評価は正反対なのかと。「やはり見抜いていたのね… 生涯、慎重に過ごした私はたった一度、己の心に従い、引き返せなくなった でも生涯、我を通した燕燕は自由に生きる権力を得たわ …気心の知れたあなたが私を見届けてくれるなら、円満な解決ね?」すると徳譲は大きなため息をついた。「胡輦、考えすぎだ… 燕燕は君に伝えたかっただけだ、今生、君と姉妹でいられてとても幸せだったと…」(  ̄꒳ ̄)ここってもしやポンポンの家?アーボーつながり?考えすぎ?燕燕と韓徳譲は幽州に立ち寄り、燕雲台に立った。( ๑≧ꇴ≦)<って燕燕、生きてたんかーい!「18歳のあの年、大姐は私を燕雲台から連れ戻した あの時から私の運命はこの国土と固く結ばれている 帝王とは孤独なもの、愛する人たちは次々と離れていったわ 今そばにいるのは徳譲、あなただけ」「君と南へ向かったあの年、目にしたのは貧困にあえぐ民の姿だった しかし今は平和な光景が広がっている…私たちは生涯、遼のために生きたのだ」すると徳譲は燕燕の手を取った。「君と共に末永い功績を残せた…この人生に悔いはない」↓(  ̄꒳ ̄)まあ2人にはないよね___…統和27年12月、蕭綽(ショウシャク)は捺鉢(ナバ)への道中、病により逝去した息子・隆緒が贈った尊号は″睿徳神略応運啓化承天(エイトクシンリャクオウウンケイカショウテン)皇太后″であるそして蕭綽の逝去の15ヶ月後、韓徳譲も病で世を去り、蕭綽が眠る乾陵の隣に埋葬された…完…そして今も燕雲台の板石の下には二人の髪の毛が挟まっている…ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノって オカルトかっwそんなわけで(ってどんなわけ?)だーじぇの恨み節で終わりました何だか思ってたんと違うw
2021.11.21
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燕云台 The Legend of Xiao Chuo第47話「太后の悲願」祝宴に現れた撻覧阿鉢(タツランアハツ)は無骨な男だった。皇太后・蕭燕燕(ショウエンエン)は不信感を募らせたが、皇太妃・蕭胡輦(ショウコレン)が寵愛している男では見逃すしかない。「ところで大姐…南方の国境で戦が絶えず、近々、軍を送るつもりで各地から兵馬を招集しているの 北方が落ち着いているなら大姐の兵馬を貸してもらえないかしら?」そこで胡輦は撻覧阿鉢に率いさせてはどうかと提案した。しかし燕燕は大事な一戦、自分が信じられるのは大姐だけだという。すると胡輦は各部族を従わせたばかりで、どちらにしても多くの兵馬を出すことはできないと暗に断った。祝宴は散会した。すると撻覧阿鉢は胡輦に南方行きは嫌だと訴える。胡輦は撻覧阿鉢が侮られないよう将軍に封じたが、敬われるためには軍功が必要になると説得した。「南方で功を立てて欲しい、そうすればあなた自身と私を守る力が得られるの」撻覧阿鉢は胡輦のためならと了承したが、明らかに燕燕に嫌われているようだとこぼした。しかし胡輦は嫌いなのではなく、知らないだけだという。実は胡輦も燕燕と会うのは久しぶりで、かつての仲良し姉妹ではないと吐露した。燕燕は大姐が一介の馬丁に兵を率いらせると言い出したことに失望していた。しかし韓徳譲(カントクジョウ)は胡輦が長年、寡婦だった上、罨撒葛(エンサーグァ)との婚姻も幸せではなかったと同情する。ようやく心から愛せる相手に出会えたのなら、少しくらいの厚遇は仕方がないだろう。あの暴れ馬のような撻覧阿鉢が胡輦のために様々な束縛に耐えているのも、胡輦を愛しているからだ。「こたびは長年のわだかまりを解きに来たのだろう?撻覧阿鉢ごときで目的を失うな」燕燕はともかく大姐に上京(ジョウケイ)へ戻るよう説得することにした。翌朝、燕燕は大姐の寝宮を訪ねた。胡輦の居所は昔と変わらず余計なものがなく、すっきりしている。すると燕燕は人払いし、昔のように大姐の寝台に腰掛け、足をぶらぶらさせた。「ふふ、いくつになったの?高貴な太后が子供みたいね」無邪気な燕燕の姿はかつての無鉄砲な幼い妹に見える。そこで燕燕は胡輦を隣に座らせた。父も二姐も亡くなり家族で残ったのは2人だけ、近くに住んで姉妹で助け合いたいという。「撻覧阿鉢と離れたくないんでしょう?ふふ… 大姐に愛する人ができたのを見て安心したし、嬉しく思ったわ かつて大姐は私たちのためにやむを得ず罨撒葛に嫁いだ」「…罨撒葛は私に優しかったわ」「大姐、私を恨んでいるのね」「何を言うの?私たちは家族よ?あなたは永遠に妹なの」胡輦は姉妹の情を思い出し、軍務を片付けたら上京へ戻ると約束した。 胡輦は撻覧阿鉢に上京へ一緒に行こうと誘った。すると撻覧阿鉢は皇太妃として上京へ行けと命令すればいいという。しかし胡輦は草原で自由気ままに生きて来た撻覧阿鉢にとって上京の城壁は高すぎると分かっていた。「あなたを動かせるのはあなたの心だけ」胡輦は撻覧阿鉢を解放することにした。上京に戻った燕燕は早速、朝議で国阿輦(コクアレン)の半数を呼んだと伝えた。韓徳譲も各部族の兵馬が揃い、あとは皇太后の命を待つのみだという。すると聖宗(セイソウ)・耶律隆緒(ヤリツリュウショ)が今回は親征すると表明した。「はお…近日、全軍を挙げて陛下と南方へ!」燕燕は出征前に病床にある大于越(ダイウエツ)・耶律休哥(ヤリツキュウカ)を見舞った。そこで南征の目的は瀛(エイ)州と莫(バク)州の奪還と、和議を促して天下を太平にすることだと伝える。休哥は南朝を討つことが目的ではないと知って安堵し、皇太后の深い狙いに感銘を受けた。胡輦が上京へ発つ日、撻覧阿鉢が馬を駆けてやって来た。「見送りに来てくれたの?」「そうじゃない、一緒に上京に行くよ」「無理しないで、草原の馬に上京は似合わないわ」「いや、俺は自分の心に従う、俺の心は君の元にあるんだ」遼軍は破竹の勢いで澶(セン)州城を目前にしていた。しかし軍営に思わぬ急報が届く。蕭達凛(ショウタツリン)が澶州の地形を偵察中、敵の弩(イシユミ)に射られて亡くなったという。あまりの衝撃に立ちくらみを起こす燕燕、すると達凛の死によって士気も下がり、澶州城を落とせないまま1ヶ月が経った。そんな中、今度は療養していた耶律休哥が亡くなったと知らせが届く。立て続けに親しい友を失った燕燕は人生のはかなさを知りながらも、やはり胸が傷んだ。そこで韓徳譲はそろそろ手を引いた方が良いと切り出す。燕燕は本来なら州と郡をいくつか得てから和睦の交渉を持ちかけるつもりだったが、南朝の新たな君主は予想外に知勇を備えていた。徳譲はようやく最近の猛攻が和議の主導権を得るためだったと気づく。「安心したよ、達凛の死で気落ちしているかと…」「君主に私情は禁物よ、大局を忘れてはならない」燕燕は自分の命があるうちに遼と南朝の対立を解決するため、徳譲と手を取り合い動き出した。燕燕は戸部侍郎・王継忠(オウケイチュウ)を呼んだ。王継忠は南朝の君主が親王だった時の配下だったが、傷を負って捕虜となり、遼に帰服している。皇太后に忠誠を誓って皇族との婚姻を賜り、数年経っていた。そこで燕燕はかつて両国の和議を願っていた王継忠を使者にしたいという。実は王継忠を生かして厚遇して来たのはこの日のためだった。…統和22年、25年間にわたる戦の末に遼と宋は澶(セン)州にて盟約を結んだ両国は兄弟国となり、白溝(ハクコウ)河を国境とする澶州は宋で″澶淵(センエン)″と呼ばれていたため、この盟約を″澶淵の盟″と呼んだこれにより両国の往来が始まり、120年にわたる平和の時代が幕を開けたのである…聖宗は母の南征の狙いが最初から講和と諸王たちの兵権を奪うことだったと知った。「忘れないで、力のある者だけが戦を終わらせ平和を得られると…それが真の勝者よ」「肝に銘じます」悲願を叶え、大姐との再会を待つだけとなった燕燕、そこで今後の朝政については聖宗の考えに任せると決めた。皇太后と聖宗が上京に戻った。すでに帰京していた胡輦は宮中でも撻覧阿鉢の自由にさせていたが、今夜の開皇(カイコウ)殿での祝宴には一緒に行こうという。実は皇太妃が馬丁だった男と宮中に住むことを批判する者が少なからずいた。胡輦は宴に同席させることで皇太后と聖宗が撻覧阿鉢を認めていると知らしめたいという。こうして和やかに始まった祝宴、しかし聖宗の発言で状況が一変した。「皇太妃、国阿輦の戦術は見事だったゆえ、将兵たちを各軍に分けて手本にしたいと思う 国境を守り続けた皇太妃にこれ以上、苦労はさせられぬ 北方の政務を降りて残りの兵も引き上げ、上京でゆっくりと…」驚いた燕燕は咄嗟に息子の言葉を遮り、これはあくまで孝心からのいたわりだと取り繕う。胡輦は事を荒立てまいとこらえたが、撻覧阿鉢が黙っていなかった。「蕭燕燕!胡輦は長年国境を守り、兵まで貸したのだぞ?そして大勢が死んだ 国阿輦の力を借りながら、褒美を与えるどころか兵を奪うとは…抜け目のないやつだ! 呼び戻したのは罠だったのか!」燕燕はカッとなって机を叩き、撻覧阿鉢を捕らえて鞭で打てと命じた。焦った胡輦は抵抗する撻覧阿鉢を引っ叩いて黙らせ、自ら罰を与えたいと申し出る。大臣たちも無礼な撻覧阿鉢に猛反発したが、燕燕は大姐に任せることにした。胡輦は手加減せず撻覧阿鉢に鞭を振り下ろした。撻覧阿鉢の背中には痛々しい傷が残り、寝宮に連れ帰った胡輦は目を潤ませながら手当てする。「私を恨んでいる?」「君は俺を救った、憎いのは燕燕だ」撻覧阿鉢は燕燕が姉妹の情に訴え胡輦を呼び戻したが、全て陰謀だったと憤る。すると胡輦もようやく燕燕の策だったと気づき、やはり北方へ戻ると決意した。一方、燕燕は何の相談もなく皇太妃の兵権を奪おうとした隆緒に怒り心頭だった。しかし聖宗は北方で天子より皇太妃が敬われていることを懸念し、何より皇太妃は馬丁に惑わされているという。「奴を甘やかし、宮中に住まわせているのですよ?朝廷では非難囂々です!」つづく(  ̄꒳ ̄)あ〜大姐、どうしちゃったの?あーぼーは連れて来ちゃダメだって〜
2021.11.20
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上阳赋 The Rebel Princess第24話「伯父との和解」命の危険も顧みず自ら宮中にやって来た三皇子・馬子澹(バシタン)。すると二皇子・馬子律(バシリツ)は冥土の土産に昔の情に免じて阿嫵(アーウォ)に会わせてやることにした。王儇(オウケン)は子澹の姿に驚いた。「どうして帰って来たの?」「後悔していない…ふっ、幼い頃を覚えているかい?」鳳池(ホウチ)宮は王儇が皇太后から賜った寝宮だった。まだ幼い頃、阿嫵の姿が見えなくなって宮女たちが大騒ぎになったことがある。子澹は枝の揺れに気づいて木の上にいる阿嫵を発見、阿嫵は小鳥を追いかけてどんどん登って行った。そして小鳥を捕えようとした瞬間、枝が折れて阿嫵が落下してしまう。結局、阿嫵は無事だったが、受け止めた子澹は骨折した。「おてんばだったけれどいつも助けてくれたわね、でも今回は…宮殿中の全員が子律の配下よ?」「信じなくてもいいが、ここ一年で今が一番、楽しいよ」子澹はたとえ明日、死ぬことになっても悔いはないという。しかし王儇は死よりも大切なことがあると言った。その夜、桓公(カンコウ)の軍営に林(リン)将軍と黄(コウ)将軍が送り返された。二人は計画通り酔った振りで偵察していたが、豫章(ヨショウ)王に見つかって100回の杖(ジョウ)罰を受けたという。一方、謇寧(ケンネイ)王は機先を制して鬼霧(キム)谷の周りを包囲しながら、なぜか動く様子はなかった。胡光烈(ココウレツ)は明日になっても攻めて来なければ正面突破も辞さないと言ったが、蕭綦(ショウキ)は首を縦に振らない。一緒に入隊した仲間で生存しているのは今や自分と胡光烈2人だけだった。当時はまだお互い若く、勝つためならどんな代償でも払ったが、今は兵の遺族を面倒見る立場にいる。蕭綦は両親や家族の悲しみが痛いほど分かると訴え、最小限の犠牲で勝つための方法を考えることが自分の役目だと言った。その時、伝令兵が慌ててやって来る。実は桓公が規律を破って送り返された2人を見せしめに処刑し、寧朔軍へ首を届けていた。翌朝、太極殿に監禁された大臣たちは解放を求めて騒いでいた。そこへ子律がやって来る。大臣たちは朝廷が滞っては皇都が秩序を失うと訴え、そもそも何の罪も犯していない自分たちがなぜ閉じ込められているのかと迫った。すると子律は自分に楯突いたとして2人の重臣を外に吊り下げてしまう。「いつ降ろしますか?」「降ろす?…ふん、死んでからだ」窓からその様子を見た大臣たちは憤り、三代に渡り忠誠を尽くした太傅への仕打ちを嘆いた。子律は衛兵を従え、式乾(シキケン)殿の皇帝を訪ねた。皇帝が虎符を持っていないと知った子律はもはや孝行のふりなどできないと伝え、本当の父親は謇寧王だと暴露する。実は謇寧王が反旗をひるがしたのも息子である自分のためだというのだ。皇帝はあまりの衝撃に激しく咳き込んでしまう。すると子律は最愛の息子である子澹まで逃げる機会を棒に振り、自ら死ぬために宮殿へ来たと教えた。「誰のためだと思いますか? 残念ながらあなたがかけた愛情も、王儇の存在には及ばなかったのです」焦った皇帝は自分が兄を殺さなかったように子澹を見逃すよう訴え、何が望みか聞いた。「皇位継承の詔勅です」子律は正当に皇位を継いだという大義名分が欲しかった。一方、鬼霧谷では寧朔軍と謇寧王の軍が対峙したままこう着状態にあった。すると豫章王の密命で動いていた胡瑶(コヨウ)が戻って来る。「大王!大王!…裏山の洞窟が山の下までつながっていました! 少人数であれば十分、通れます!謇寧王の兵もいません!」実は蕭綦が鬼霧谷まで進んだ理由はこれだった。その頃、俗世を離れた晋敏(シンビン)長公主・馬瑾若(バキンジャク)は針仕事に勤しんでいた。徐(ジョ)女官は少し休むよう諌めたが、長公主は娘が婚姻して初めての誕生日のため、自分の手で縫い取りしたいという。すると馬瑾若はお茶を頼んだ。徐女官が茶瓶を手に外へ出ると、ちょうど宋懐恩(ソウカイオン)と出くわした。懐恩の話では皇都が物騒なため、王妃の命令で寺の外を兵が守っているという。「万が一の時には豫章王府に報告が来るはず、長公主には安心して欲しいとお伝えを」「分かりました、よろしくお願いします」子律が鳳池宮を訪ねると、子澹がひとりで中庭にいた。「お前を哀れに思うぞ、阿嫵のためにいくら努力しても報われないのだからな」「ふん、あなたに私と阿嫵のことなど分かってたまるか」子律は子澹の傲慢な態度に激怒し、皇帝に溺愛される弟への嫌悪感をあらわにする。しかし権力を失えば愛する人を守ることもできず、子律はしょせん虚勢だと鼻で笑った。子澹は幼い頃に病弱な二兄をいつもかばってきた自分と阿嫵への仕打ちに憤ったが、そこへ王儇が現れる。「どこへ行くの?」「皇帝に会いたいのだろう?実はあの老ぼれもお前に会いたいそうだ」「父皇に向かって何と失敬な!」「ふん、お前の父親だ、私は違う」王儇が式乾殿に現れた。皇帝は喜んだが、王儇は押し黙って借りて来た猫のように立っている。すると要求通り阿嫵と会わせた子律は約束を守れと迫った。しかし皇帝は阿嫵と2人きりで話したいという。「話しが済んだら詔書と遺言書を渡してやる」「…まさか皇位のために父子の縁まで切るつもりなの?」「阿嫵妹妹、舅舅に私の父親が誰か聞くといい」その時、太極殿でまた大臣たちが騒いでいると知らせが舞い込む。仕方なく子律は式乾殿を出ると、門衛に誰も入れないよう命じた。一方、謇寧王は二皇子が天下を取ったと報告を受け、明後日の晩に桓公と内外から攻撃すると決めた。しかし密書を受け取った桓公は困惑する。確かに策略を考えるだけなら簡単だが、あの豫章王を相手に実行するのは難しい。すると桓公は豫章王もさすがに大事な王妃が危機に陥ったとなれば心が乱れるはずだと気づいた。皇帝は阿嫵が自分を恨んでいることは重々、承知していた。すると王儇は目の前にいるのが皇帝なのか舅舅なのか分からなくなったという。皇帝はこの座を守るため争いの苦痛に耐えてきたが、その結果、孤独になったとこぼした。「許してくれとは言えない、信じてくれと言うつもりもない 余はお前に大きな借りを作った、そして余はこの国を憂いておる 阿嫵、すまなかった…もう残酷な皇帝ではない、これからは永遠にお前を愛する舅舅でいよう」その言葉を聞いた王儇はふと幼い頃の阿嫵に戻り、弱々しくなった皇帝を抱きしめた。一方、桓公は病を装い、豫章王を呼び出すことに成功した。そこでこのまま長期戦になれば軍の士気が落ちないかと心配してみせる。「我々両軍が力を合わせて包囲を突破し、やつらの不意を突いては?」「…急ぎません、桓公の回復を待ち、また話しましょう」見舞いに来た蕭綦があっさり帰ってしまい、桓公は地団駄踏んで悔しがった。皇帝と王儇は久しぶりに将棋を指した。思えば最後に勝負したのは婚姻の自由を許してもらった時、あれから何もかもが変わってしまった。「ポチッ…舅舅の負けです」「余は負けを認めぬ」「この状況では負けが明らかです」「まだ手が残っているとしたら?…信用できるのは阿嫵、お前だけだ」実は宮殿には皇帝だけが知る密道があった。「徳宣(トクセン)太后の墓を知っているか?」つづく(  ̄꒳ ̄)何もかも変わってしまった…ってまだ1年w
2021.11.19
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上阳赋 The Rebel Princess第23話「反乱」二皇子・馬子律(バシリツ)の隠れ家に何者かが侵入、桓公(カンコウ)との密書を盗まれた。配下の報告では侵入者の身なりから王氏の護衛兵ではないかという。一方、王儇(オウケン)は宋懐恩(ソウカイオン)に頼んで龐癸(ホウキ)を捜索していたが、なかなか見つからなかった。「…桓宓(カンヒツ)を見張って、関係があるはずよ」皇太子・馬子隆(バシリュウ)は伯父である丞相・王藺(オウリン)の指示に従い、大臣たちを招集した。実は摂政として国を安定させている王藺に敬意を表して九錫(キュウシャク)を授けて欲しいという奏書が各地から届いており、意見を聞きたいという。これを知った皇帝は欲を出した王藺に憤慨した。「王藺のやつめ、やつには夢から覚めてもらおう」すると子律はすでに皇帝の令牌を使って兵を待機させてあると報告した。その頃、謇寧(ケンネイ)王を追撃している寧朔(ネイサク)軍は陣営の場所を決め兼ねていた。豫章(ヨショウ)王・蕭綦(ショウキ)は本来、崤風(コウフウ)山の入り口に陣を張る予定だったが、桓公の使者としてそのまま留まっている2人の将軍が鬼霧(キム)谷に陣を張るよう提案する。胡光烈(ココウレツ)と唐競(トウケイ)は大王の指示通りにすると譲らなかったが、蕭綦は急きょ、鬼霧谷に変更した。「桓公は戦の経験が豊富、熟考した上だろう、我々が従うべきだ、明日の日没までに鬼霧谷を目指す」寧朔軍は鬼霧谷の東へ到着、陣を張って兵の配置が完了した。確かに鬼霧谷は地形が険阻で、攻撃が難しく守備し易い。しかしもし谷への入り口を塞がれたら寧朔軍は終わりだろう。胡瑶(コヨウ)もここにいると知られたら陣形を組む前に奇襲されると気づいたが、その不安が的中した。「大王!謇寧王の大軍がいます!」寧朔軍はすでに謇寧王の大軍に取り囲まれていた。どうやら内通者がいるらしい。そこで蕭綦は唐競に桓公への報告を指示すると、胡瑶を呼んで密命を耳打ちした。皇帝と子律がついに王氏排除に動き出した。宮城を出ようとしていた王栩(オウク)は侍従から皇后が呼んでいると足止めされ、仕方なく配下に巡回を指示して昭陽殿へ向かう。その背中を密かに射撃兵が狙っていた。宮中に太極殿の鐘の音が響き渡った。皇太子や大臣たちは皇帝の身に何かあったと驚き、慌てて朝堂へ集まる。すると玉座に皇帝が座っていた。「父皇?!」困惑する皇太子、そこへ遅れて王藺がやって来た。王藺は皇帝をしげしげと見つめていたが、その時、子律が現れる。「丞相?陛下にお目通りする際の礼儀も忘れたのか?」「二皇子殿下…陛下を無理に座らせた意図は何でしょう?」一方、鐘の音を聞いた皇后王氏は式乾(シキケン)殿にいた。しかし殿内は散乱、側仕えたちが全員、倒れている。皇后は唖然となりながら寝所を見回してみたが、皇帝の姿はなかった。子律は大臣たちに王藺の反逆をどう断罪すべきか問うた。その時、皇帝がついに口を開く。「丞相、余が健康で失望したようだな?」子律は王藺が手下の太医を使って皇帝に毒を盛っていたと暴露した。薛道安(セツドウアン)が発見しなければ今頃、皇帝は本当に乱心していただろう。寝耳に水だった子隆は言葉を失い立ちすくんでいたが、そこへ皇后が到着した。役者が揃ったところで子律は兵士を呼び、朝堂を掌握した。「王藺は皇帝に幾度も毒を飲ませ、皇后は謝(シャ)貴妃を毒殺した!許せぬ罪だ! 王氏一族をひっ捕らえよ!」「ふん、二皇子殿下、この程度の兵力で全てを手にしたとお思いか? 皇城のすべてとその周りを軍が包囲しておる」皇后は兄の言葉を聞いてほっと胸を撫で下ろしたが、その時、一人の兵士が現れ、王栩の首を投げた。「王栩は処刑いたしました、皇都を守る命をお下しください!」勝負がついた。子律は王藺と皇后、皇太子を投獄するよう命じ、他の王氏一族は太極殿で監禁すると決める。すると王藺は捨て置かれた王栩の首を抱え、思わず失笑した。「子律、喜ぶのはまだ早い、最後に笑う者が勝者だ お前の目論見など私も、もちろんお前の父皇も分かっている はお、天牢から見届けてやろう、貴様ら親子の今後の成り行きをな…」豫章王府に宮中から王妃の迎えがやって来た。押し寄せた禁衛軍に宋懐恩は激怒、勅書がないなら王妃を渡せないと拒む。しかし王儇は王宮で何かあったと勘づき、おとなしく指示に従うと決めた。そこで懐恩に急ぎ蕭綦に文を送り、病み上がりの玉秀(ギョクシュウ)の世話を頼んだが、懐恩は思わず王妃の腕をつかんで引き止めてしまう。王儇はそっと懐恩の手を外すと、懐恩は仕方なく拝命して王妃を送り出すしかなかった。子律は父皇を式乾殿に送り届けた。そこで王氏を完全に排除するためには虎符が必要だと訴える。しかし皇帝は朝堂での子律の態度で本当の目的を知り、咄嗟に虎符は玉璽と共に行方知れずだと嘘をついた。するとそれまで下手に出ていた子律は態度を豹変させ、黙って出て行ってしまう。その夜、外出していた王夙(オウシュク)と桓宓(カンヒツ)の馬車が鎮国公府に戻った。すると屋敷にいた禁軍が現れ、連行されてしまう。一方、皇太子妃・謝宛如(シャエンジョ)も投獄され、皇后と皇太子がいる牢へ入った。豫章王府に深手を負った龐癸が戻って来た。宋懐恩は軍医を呼ぶよう命じ、それまで応急手当てをしておく。すると龐癸は懐から密書を差し出し、息も絶え絶えに二皇子が謀反を起こすと教えた。さらに二皇子と桓公が共謀し、謇寧王と結託して豫章王を討つ計画だという。蘇錦児(ソキンジ)は三皇子の屋敷へ急いだ。すでに王府は兵士に包囲されていたが、どうやら子澹(シタン)は留守だったため捕まっていないらしい。その頃、子澹はひとり母が好きだった一歩軒で簫を吹いていた。すると錦児が駆けつけ宮殿で有事があったと報告、王妃も捕まったと伝える。「殿下、手遅れになる前にすぐ逃げてください」「…2度と阿嫵(アーウォ)を手放せぬ!」子澹は錦児の手を振り切って飛び出して行ってしまう。鬼霧谷では蕭綦が立ち入り禁止区域で何かを作っていた。そこで桓公の密偵である林将軍と黄将軍は酒甕を抱え、酔ったふりをして乗り込もうと計画する。しかし門衛に絡んでいるところで運悪く豫章王がやって来た。胡光烈は2人が戦時に酒を飲んで軍紀を乱し、警備の兵士に乱暴を働いたと断罪、剣に手をかける。驚いた2人はその場で平伏し、寧朔軍の規律を知らなかったと謝罪した。すると蕭綦は桓公に免じて死罪を免じたものの、100回の杖罰を命じる。実は蕭綦はここで巨大な戦車を作らせていた。天牢に捕らわれていた温宗慎(オンシュウシン)は同じ立場になった王藺の姿を見て大笑いしていた。その頃、王儇は懐かしい鳳池(ホウチ)宮に案内され、子律と対面する。「阿嫵妹妹、案ずるな、全て順調だ、父皇なら式乾殿で療養している」「…帝位を奪うつもりなの?」しかし子律は父皇に代わって王藺の反乱を平定すると訴え、すでに王氏一族を投獄したと教えた。王儇はまるで人が変わったような子律に驚きながら、たとえ宮殿と皇都を掌握しても豫章王がいる限り勝手はさせないと反発する。実は阿嫵を歓待したのはそのためだった。万が一、豫章王が謇寧王を破っても王儇を人質にすれば投降せざるを得ない。すると王儇は足かせになるくらいなら自死すると言った。雨は次第に強くなっていた。子律は桓宓のため昭陽殿の装飾を全て入れ替えるよう命じていたが、その時、三皇子が自ら参内したと報告が届く。つづく( ̄▽ ̄;)慌ただしい…第1話では子律がこれほど大活躍するとは夢にも思いませんでしたねw
2021.11.18
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第19話褚璇璣(チョセンヂー)は師兄から禹司鳳(ウシフォン)と距離を取らねば大ごとになると脅かされた。その夜、床に入った璇璣は口づけの感触を思い出して心ときめかせたが、自分を律して目を閉じる。一方、司鳳は璇璣の真意が分からず困惑していた。そこへ陸嫣然(リクエンゼン)こと小銀花(ショウギンカ)から連絡が来る。『司鳳、天虚(テンキョ)堂に入ったわ』『用心しろ、危険を感じたらすぐ逃げるんだ』『らじゃー』司鳳は腕にある緑の羽根のあざを確認しながら、何とも恨めしくなった。翌朝、璇璣は中庭でばったり司鳳と会った。師兄の言葉を真に受けた璇璣は距離を取ろうと必死だったが、司鳳には意味が分からない。「つまり…その…鼓動が止まったらまた話しましょう?」「鼓動が止まったら死んでしまう、死ぬまで会わないのか?」しかし昊辰(コウシン)が現れ、璇璣を修練に行かせてしまう。「話は聞いた、璇璣に無礼なことをしたとか…今後は璇璣に近づかないでくれ」「璇璣の意思でしょうか?他人が口を出すべきことではないのでは? 確かに璇璣は普通の人とは違う、でも心も情もあります、自ら判断できます」すると昊辰は人の情など大海の一滴、空疎な情に費やす暇など璇璣にはないという。司鳳は思わず空疎かどうかいずれ分かると言い返したが、昊辰はあの心灯なら司鳳のためではないと断言した。「心と情があっても璇璣の気持ちはそなたにはない…」↓悪意あるあるな切り抜き?w浮玉(フギョク)島の島主・東方清奇(トウホウセイキ)が軒轅(ケンエン)派の結界を破る方法を見つけた。そこで少陽(ショウヨウ)派掌門・褚磊(チョライ)、離沢(リタク)宮・副宮主と共に軒轅派へ急ぐ。しかしすでに軒轅派は天虚堂に襲撃され廃墟と化していた。するとかろうじて結界の中で生き延びた掌門・柱石(チュウセキ)を発見する。東方たちはともかく柱石を連れて浮玉島へ戻ると、ちょうど点睛(テンセイ)谷の容(ヨウ)谷主も到着、掌門たちの功力で柱石を癒した。柱石の話では天虚堂は弟子たちを惨殺したが霊匙を発見できず、拷問のため自分を蔵宝閣に監禁したという。運良く蔵宝閣の仕掛けを使って助かった柱石は神剣を使い、結界の邪気から身を守っていた。そこで軒轅派復興のために天機珠(テンキシュ)を返して欲しいという。しかし東方清奇は霊匙を独りで守り切ることは難しいと拒み、まず傷を癒すよう勧めた。柱石は霊匙を渡さないつもりかと憤慨、どこかへ行ってしまう。一方、璇璣は回廊で再び司鳳と出くわしていた。璇璣は咄嗟に引き返そうとしたが、司鳳に止められてしまう。「璇璣、逃げないでくれ…大丈夫、君に何かを無理強いしたりしない」それより今は緒玲瓏(チョレイロウ)と鐘敏言(ショウビンゲン)の安否を確かめることが先決、司鳳は柱石掌門から話を聞こうと誘う。そこへ偶然、柱石が現れた。2人は仲間が行方知れずになり、天虚堂に関する手がかりを教えて欲しいと懇願する。しかし天虚堂が修仙門派の弟子をさらっているのは事実だが、柱石はそれ以上のことは分からないと答えた。柱石に化けていたのは欧陽桐(オウヨウトウ)だった。司鳳と璇璣に足止めされて危うく術の効果が切れるところだったが、何とか裏山へ逃げ込む。そこへ東方夫人・清榕(セイヨウ)がやって来た。「変わり身の術は保つのが難しいの?ふふ」すると欧陽桐は島主が霊匙を返さなかったと呆れた。清榕は貴重な霊匙を渡さないのは当然、そのため蠱毒(コドク)を使って操ろうと考えたという。「大丈夫よ、安心して」「そなたの献身を決して無下にはせぬ…私も別の手を打つ、天虚堂にいる褚磊の娘を使おう」司鳳と璇璣は占いに長けている玉寧(ギョクネイ)を頼った。玉寧は簡単な占術で吉凶を占うことしかできないと断り、占いたい相手が触れた物が必要だという。そこで璇璣は以前、六師兄からもらった花飾りを出した。すると思いがけず大凶と出てしまい、玉寧は慌てて取り繕う。「正式な術じゃないの、間に受けないで…」しかし司鳳は占いの結果より、璇璣が敏言からの贈り物を肌身離さず持っていたことに動揺していた。崖から転落した鐘敏言は運良く狩りに来ていた村人に助けられていた。無事に意識を取り戻した敏言は何日も寝ていたと聞いて驚愕、重い身体をひきずりながら再び玲瓏を探しに向かう。するとちょうど妖魔を捕まえた大師兄と二師兄に出くわした。師兄たちが捕らえたのは柳意歓(リュウイカン)の娘・玉児(ギョクジ)だった。玉児は鐘敏言に助けを求め、解放してくれるなら玲瓏の居場所を教えるという。実は父の元から逃げ出した後、玉児は高氏山で人質の玲瓏を見かけていた。そこで助けを呼びに行こうとしたが、師兄たちに捕まったという。「恩があるから協力するけど、これで貸し借りなしよ?」すると敏行(ビンコウ)は報告のため島へ戻ると決め、敏覚(ビンカク)と敏言に目印を残して様子を探るよう指示した。その頃、小銀花は天虚堂の弟子を襲って令牌代わりの指輪を手に入れ、根城に潜入していた。すると弟子たちの話から壇主が美女と鏡を持って帰ったと知り、ついに烏童(ウドウ)の部屋で鎖に繋がれた玲瓏を発見する。「嫣然!どうしてここに?!」「術はどうしたの?」「効かないの、外せないのよ」確かに小銀花が術を使っても手錠の鎖が切れず、仕方なく短刀を渡して先に鏡を探すことにした。玲瓏は鎖を壊しながら、ふと烏童が良く絵を動かしていたことを思い出す。そこで小銀花が掛け軸を外してみると、確かに隠し扉があった。しかし烏童が戻って来てしまう。烏童は掛け軸を外して隠し扉から鏡の破片を取り出した。その時、靴から落ちた泥を見つけ、誰かが来たと気づく。烏童は部屋の中を探し始めたが、玲瓏が起点を利かせ、急にあばれて気を引いた。驚いた烏童はすぐ引き返し、玲瓏の腕をつかむ。「何をしても許されると思うなよ!…ふっ、まあいい、待っていろ」烏童は大事な用があるため、そこで出て行った。物影に隠れていた小銀花が出て来た。そこで玲瓏に今のうちに短刀で鎖を切っておくよう告げ、烏童の後をつける。すると烏童は堂主と面会、鏡の破片を渡していた。しかし堂主は霊匙を入手できなかったことに憤慨、烏童に一撃を喰らわせる。実は堂主は烏童の行動を全て把握しており、当然、緒玲瓏を捕らえたことも知っていた。そこで玲瓏の腕を斬り落とし、届けるよう命じる。「娘は霊匙と引き換えだと褚掌門に伝えろ…地狼(チロウ)が敵の内部から協力する …再び″想定外″のことがあれば壇主から降ろす」堂主は烏童が情にほだされることのないよう釘を刺しておいた。堂主は煙となって洞窟から出て行った。小銀花は堂主の正体を見ようと追いかけたが、あっという間に消えてしまう。一方、玲瓏は壁に繋がった鎖を切ることに成功し、今のうち逃げ出そうとした。その時、運悪く烏童が戻って来てしまう。玲瓏は一か八か短刀を振り上げて襲いかかったが、烏童に捕まった。すると烏童は玲瓏を寝台に押し倒し、突然、自分の胸をはだけて生々しい傷跡を見せた。「この4年間、何度も地獄の淵から這い上がって来たんだ…」そして玲瓏の手を握り、自分の太腿に触らせる。「分かるか?義足だ…ご立派な門派のおかげでな」烏童は生き延びたからには必ず復讐し、玲瓏の父も妹も想い人も決して逃がさないと脅した。「お前は手元に置いて好きにする…」一方、昊辰は柱石だけ助かったことを訝しんでいた。そこで柱石を訪ね、回復の助けになると丹薬を勧める。「妖丹を飲まれたゆえ毒が残っているのでは?…解毒薬を持って来ました この場でお飲みください、万一、薬が合わない時は私が気を整えましょう」すると柱石は薬を飲んだ。妖魔ならすぐに正体を現すはずだったが、柱石に変化はない。昊辰は思い過ごしだったとあきらめ帰った。しかし戸を閉めた欧陽桐は喀血しながら琥珀を吐き出してしまう。「堂主に感謝せねば、元神をとどめる琥珀を飲んでいて正解だったな」烏童は玲瓏を連行、弟子たちの前で腕を斬り落とすと伝えた。覚悟を決めて目を閉じる玲瓏、しかし烏童は侍女の腕を切り落とし、その腕に玲瓏から外した腕輪をはめて偽装する。すると烏童は引魂鈴(インコンリン)を招喚した。「お前の元神を取り出して魂だけ残す…身体が私に従うようになったら元神を戻そう」「…死んでも傀儡にはならないから…早く殺してよ!」小銀花は烏童の部屋に戻ったが、もぬけの殻だった。すると壇主が呼んでいると号令がかかり、弟子たちが急いで走って行く。小銀花は何事かと駆けつけたが、そこで気を失った玲瓏が運ばれて行くのを見た。「誰の刀だ?」烏童の手には小銀花が玲瓏に渡した短刀がある。「この2ヶ月で加わった新入りを集めろ!…以前は問題なかった、密偵は新入りの中にいる」小銀花はうつむいてやり過ごそうとしたが甘かった。「お前も来い」司鳳が若玉(ジャクギョク)と歩いていると、伝音鈴(デンオンレイ)から小銀花の声が聞こえて来た。…司鳳!玲瓏を見つけたけど烏童にバレたわ!助けて!…出入り口がふさがれ、調べが始まって逃げられないの!そこへ慌てて璇璣が駆けつけた。「司鳳!大師兄が戻って来た!玲瓏に何かあったのかも?!」「玲瓏が危ない、私も今、知ったところだ」鐘敏言と二師兄は玉児の案内で天虚堂の根城に潜入した。しかし洞窟があまりに広いため、二師兄と手分けして探すことにする。その頃、小銀花はいよいよ追い詰められていた。烏童はさらった修仙門派の弟子を連行、潔白を証明したければ殺せと迫る。小銀花は以前、司鳳が左の肋骨の2寸下を刺すと出血で重傷に見えるが致命傷にならないと言っていたことを思い出した。そこへちょうど敏言が到着、小銀花が弟子を刺すところを目撃し、思わず物音を立ててしまう。烏童は物音に気づいて剣を投げた。すると咄嗟に避けた鐘敏言が姿を現す。敏言は無謀にも独りで立ち向かったが、運良く敏覚が到着、術で煙に巻いた。「急げ、逃げるぞ!」小銀花は敏言たちを逃がすため烏童に襲いかかったが、捕ってしまう。「密偵め!どこかで見た顔だな…」絶体絶命の小銀花、しかしその時、司鳳が駆けつけた。いきなり司鳳の一撃を受けた烏童は喀血し、たまり兼ねて姿を消す。つづく( ゚д゚)ポカーン…欧陽桐が地狼🐺だったのね
2021.11.17
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第18話捕らわれの身となった緒玲瓏(チョレイロウ)は飲まず食わずで憔悴し意識を失った。やがて目を覚ますと洞窟の一室に移動し、両手は手錠でつながれている。すると烏童(ウドウ)が現れ、わざと玲瓏の好物である少陽の叫花(キョウカ)鶏の丸焼きを見せびらかした。空腹に耐えかねた玲瓏はついに鶏にかぶりつくと、その惨めな姿を見て烏童はあざ笑う。しかし急に鶏を取り上げ、投げ捨てた。「その飢えた姿に昔の自分を思い出す、五大門派に追われ、草も生えぬ荒野に身を潜めていた頃を…」玲瓏は不意をついて手錠の鎖で烏童の首を絞めようとしたが、烏童にあっさり反撃された。「無駄な抵抗だ、お前に私は殺せぬ」もはやなす術なく涙に暮れる玲瓏、烏童はそんな哀れな玲瓏を眺めて優越感に浸っていた。褚璇璣(チョセンヂー)は再び戦神の功力を発揮して意識を失い、少陽の居所で休んでいた。そこで昊辰(コウシン)は璇璣から命剣となった定坤(テイコン)剣を招喚する。かつて帝君は自分が生み出した戦神に天界に貯蔵された名剣から好きな剣を選べと命じた。すると定坤剣が戦神に引き寄せられるように自ら飛び出して来る。司命(シメイ)は邪気が宿っている凶剣だと反対したが、戦神はこれに決めたと言った。昊辰は定坤剣と璇璣の絆を断とうとしたが、激しい邪気に跳ね返された。すると司命が現れ、ふらつく帝君を支える。「大丈夫ですか?!戦神の命柱が光ったので何事かと?」実は定坤剣の邪気が強まると戦神の記憶が回復するため、戦神の力が覚醒する可能性があった。昊辰は仕方なくひとまず呪文で剣を封じたが、人間界では限界がある。「長くは封じてはおけぬ、命柱に術を施し、戦神の過去を封じ込めよ 定坤剣以外の神器にも璇璣の記憶を刺激させてはならぬ」天界に戻った司命は戦神の命柱を封じた。すると騰蛇(トウダ)が駆けつけ、戦神の居場所を教えて欲しいという。実は監視していた定坤剣が行方不明になり、帝君に気づかれる前に取り戻したいと言うのだ。司命は定坤剣の剣も戦神の居場所も知っていたが噯にも出さず、重要な機密ゆえ自分にも分からないとごまかした。昊辰が回廊で物思いにふけっていると、ようやく璇璣が部屋から出てきた。すると璇璣は開口一番、禹司鳳(ウシフォン)が無事かどうか尋ねる。昊辰は禹司鳳なら心配ないと安心させたが、仮面を外したという理由で安易に婚姻の約束したことをとがめた。「仕方ない、離沢(リタク)宮へ行き釈明しよう、勢いで約束してしまったと…」「ダメです!もう約束したし、司鳳を放ってはおけません」「私に逆らうのか?」「めいよー」「めいよー?ならば聞くが高氏(コウシ)山へ何しに行った?」璇璣は仕方なく万刧八荒鏡(バンゴウハッコウキョウ)を探しに行ったと認め、やはり六識を取り戻したいと訴えた。「私だって自分の六識で物事を感じてみたい! 心は何かを思うため、目は物を見るため、鼻は匂いを嗅ぐため、口は食べるためにある 諦めたら生きる意味がありません!」思いがけず璇璣に反抗され、昊辰は深く失望した。そこで玲瓏と鐘敏言(ショウビンゲン)の捜索は敏行(ビンコウ)たちに任せ、璇璣の修行は切り上げさせることにする。「騒動が解決したら私と戻るのだ、二度と下山せず守境(シュキョウ)者となれ、早く部屋に戻れ!」璇璣はおとなしく部屋に入ったものの、横暴な師兄に腹を立てて力任せに戸を閉めた。バタン!昊辰は密かに璇璣が割った仮面の破片を拾っていた。「崑崙(コンロン)樹の皮?情人呪(ジョウジンジュ)仮面だ…仮面は割れたが呪いは解けずか」昊辰は司鳳が璇璣の愛を得ようと必死になるはずだと警戒した。日が暮れる頃、璇璣は師兄の姿がないことを確認して部屋を抜け出した。すると突然、離沢宮の副宮主が現れる。「決着はついていない、ここで続きを…」「私が勝てば司鳳を自由にしてください」副宮主は璇璣を挑発して手合わせしたが、今度は全く相手にならなかった。あっけなく副宮主の扇の一振りで吹き飛ばされてしまう璇璣、しかし運良く司鳳が現れ、受け止める。( ー̀ωー́ ).oO(この剣の主ではないのか?そこで副宮主は璇璣の司鳳への真心を試すため、心灯を差し出した。心灯とは心に想い人がいる者が土に埋めて真気を浴びせると2日以内に発芽して心灯が実るという。その心灯を愛する者の手に載せた時、輝きを失わなければ、その愛は真実だと証明できた。「試してみるか?」「もちろんです、植えるわ」しかし司鳳は不安を拭えなかった。男女の情愛を理解できない璇璣が心灯を実らせることができるだろうか。璇璣は寝食を惜しんで心灯に真気を浴びせ続けた。やがて疲れて気を失うと、そこへ昊辰がやって来る。情を持たない璇璣に実らせろとはしょせん無理な話、昊辰は罪作りな禹司鳳を罰しようと考えたが、その時、驚いたことに心灯が実った。…まさか数ヶ月、会わぬ間に情愛の念を知ったと?…情は修行の邪魔となり、天界へ戻ることを妨げるすると昊辰は璇璣の心灯を摘み取って握り潰し、代わりに仮面の破片を入れて術をかけた。翌朝、司鳳が姿を現すと離沢宮の弟子たちは辛辣だった。「やはり掌門の娘に好かれる男は違うな~離沢宮の誇りだ」「何を言う早見優~離沢宮は笑い物だ、弟子が掟を蔑ろにしているってな」悔しそうに拳に力を込める司鳳、そんな中でも若玉(ジャクギョク)だけは変わらず接してくれる。しかし司鳳は若玉の顔に傷があることに気づいた。「仮面を取った罰だ…私は天虚(テンキョ)堂と戦ったことがあるゆえ副宮主を補佐することになった 解決後に十三戒の刑を受ける」「てっきり掟が緩くなったのかと思ったが…思い過ごしだったか」昊辰は璇璣が嬉しそうに心灯を持って回廊を走って行く姿を見た。そこですぐ追いかけようとしたが、突然、司命(シメイ)が現れる。「帝君!…オット(´゚艸゚)コソッ…帝君、帝君がすり替えた心灯も見事に実りましたね~ でも帝君は無常訣(ムジョウケツ)を修行したはず、なぜ心灯を実らせられたので? しかも大きかったな~それに褚璇璣の手に載っても輝きを失っていないとは!実に興味深い!」「これは禹司鳳を諦めさせる策に過ぎぬ、司命…ワナワナ…司命殿を追放されたいか?! 忘川河(ボウセンガ)に投げ込み、渡厄橋(トヤクキョウ)を渡らせるぞ!」帝君を怒らせた司命は慌てて口をつぐみ、そのまま見送った。璇璣が心灯を持って走って来た。すると弟子たちが見守る中、美しい心灯を司鳳の手に乗せる。司鳳は璇璣の心灯を見て感激しきりだったが、その時、心灯があっけなく消散してしまう。「どうして…私が実らせたのに…」「司鳳を救いたいという思いは真実だろう」その声は昊辰だった。「司鳳が罰を受けるのが忍びないゆえ婚姻に応じたのであろう?」「はい、でも助けたいと思うのは間違いでしょうか?」すると昊辰は璇璣が同情心で人助けをしようとしたに過ぎず、婚姻の件は誤解だったと言った。司鳳のわずかな望みはあっけなく消え去った。「璇璣、もういいんだ、あとは自分で何とかする」「司鳳…私、失敗したの?」すると副宮主は司鳳を罪には問わないと約束し安心させた。璇璣は仕方なく師兄と戻ることにしたが、後ろ髪を引かれる思いで何度も何度も振り返ってしまう。実は副宮主はあえて司鳳を罰する必要がなかった。「情人呪が解けなくて残念だったな~残りたければ残れ 情人呪の発作は死にたいと思うほど苦しいぞ」その夜、璇璣は裏山で師兄に命じられた通り静心呪(セイシンジュ)の修練を始めた。しかし別れ際の司鳳の悲しそうな顔が頭から離れず、心配で動揺してしまう。その時、急に天雷が落ちて来た。「どうしよう!真気が乱れたんだわ!」すると司鳳が現れ、天雷を止めてくれる。「危ないだろう?」「それが…あなたのことで頭がいっぱいになって真気が乱れたの」璇璣の思いがけない言葉に司鳳はどうしても璇璣の真意が知りたくなった。「本当に正義感と同情だけで婚姻を約束したのかい?他に私への特別な思いはないか?」「他に?どんな思いなの?」司鳳は説明しても璇璣に伝わらないと気づき、実力行使に出た。司鳳は璇璣を抱き寄せ、口づけした。すると璇璣は心臓が飛び出しそうになり、苦しくなって司鳳を突き放してしまう。司鳳は動揺する璇璣の手を握りしめ、父が母に贈った愛の誓いである形見のかんざしを渡した。「君が好きだ…誰よりも何よりも君が大切だ…君を独り占めしたい 永遠に私だけのものであって欲しい」しかし璇璣は六師兄から匕首を受け取って大騒動になったことを思い出し、かんざしをつき返してしまう。「司鳳、仮面を取ったらまるで別人だわ、こんなことになるなら仮面を取らなかったのに…」璇璣は逃げるように帰ってしまう。( ゚д゚)ぽかーん@司鳳玉寧(ギョクネイ)は璇璣の部屋を訪ねた。すると璇璣が震えながら冷水に浸かっている。「どうしたの?!」「わっ私…熱くて苦しいの…」「何があったの?」「玉寧…私どうかしちゃったの?司鳳のことで頭がいっぱいなの…」玉寧はクスッと笑い、それは″恋″という名の仙術だと言った。実は玉寧も翩翩(ヘンヘン)の姿を見るだけで兎がいるように心臓が飛び跳ねるという。偶然、2人の話を立ち聞きした昊辰は呆然となり、急いで引き返した。璇璣は″恋″をすると誰もが同じようになると知った。しかし誰かを愛すると修行の妨げになるという。「だったら好ましくないわね…」「人それぞれよ、良いか悪いかは自分で決めればいいの」六識を持たない璇璣に情が芽生えたことで昊辰は焦った。そこで再び修練に戻った璇璣に術をかけ、動悸を早める。璇璣は驚いてまた冷水を浴びに行こうとしたが、師兄と出くわした。症状を聞いた昊辰は術をかけて脈を落ち着かせると、静心呪の基本ができていないせいだと嘘をつく。「心を惑わされることで症状が現れる、心当たりは?」「それは…司鳳と話した時に同じことが…」昊辰は修行が足りないせいだと吹き込み、司鳳と距離を置くよう諭した。「己と他者を傷つけてしまうぞ」「そんな大事に?」つづく( ๑≧ꇴ≦)イケメン師兄!化粧は濃くなるのか?! ←そこ?w
2021.11.15
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燕云台 The Legend of Xiao Chuo第46話「果たされた誓い」聖宗(セイソウ)・耶律隆緒(ヤリツリュウショ)も立后する年頃になった。隆緒は后族の血を引く蕭菩薩哥(ショウボサツカ)を見初め、蕭燕燕(ショウエンエン)も菩薩哥を娶ることを許す。報告を聞いた韓徳譲(カントクジョウ)は燕燕の息子と自分の姪の良縁を喜び、しみじみ時が経つのは早いと実感した。すると燕燕は自分たちも長い年月を無駄にしたと漏らす。「…私はこれ以上、待ちたくない」聖宗は菩薩哥を妃に迎え、皇后に封じると聖旨を出した。しかし韓徳譲を目の敵にする耶律虎古(ヤリツココ)は不満を募らせる。皇太后が蕭家の後継である蕭継先(ショウケイセン)の娘ではなく蕭隗因(ショウカイイン)の娘を選んだのは徳譲の妹の娘だからだろう。「太后の身内が皇后になるのではない、韓徳譲の姪が皇后になるのだ」そこで虎古は皇族たちを引き込み、朝議で突然、皇太后の隠居を上奏した。「太后は先帝の遺命で陛下を補佐して来ましたが、陛下はすでに成人されました 太后は朝堂から退き、陛下に実権をお渡しすべきです、我ら老臣が全力で陛下をもり立てます」太后はお退きください!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<我らが全力で陛下をもり立てます!燕燕は激怒し、年若い聖宗を傀儡にするつもりかと反発した。すると虎古はこれまでの鬱憤が爆発、皇太后が契丹人を蔑ろにして親戚や漢人を重用していると非難し、韓徳譲に皇族の私兵である斡魯朶(オルド)を与えたことを揶揄する。「なぜ韓徳譲を特別扱いするのです?…韓徳譲よ、もしやお前の後ろ盾が先祖を敬わぬ太后ゆえか?」「ふぁんすー!耶律虎古、口を慎め!」「お前こそ口を慎め!漢人の分際で契丹のことに口を出すな!」大于越(ダイウエツ)・耶律休哥(ヤリツキュウカ)は相父である韓徳譲を侮辱しないようたしなめた。しかし磨魯古(マロコ)が父に加勢、思わぬ暴言を吐いてしまう。「太后には徳がなく国の災いとなる!韓徳譲との関係は周知の事実だ! 先帝と陛下の面目を保つためにも太后を廃位すべきだ!」磨魯古の不敬に朝堂は紛糾、休哥は法にのっとり直ぐさま磨魯古を捕らえるよう命じた。そこで燕燕は虎古が私欲から臣下と結託したと追及し、聖宗に処分を委ねる。聖宗は虎古が老臣であることから穏便に済ませると見逃したが、ただし太后と相父が自分を補佐しているのは先帝の遺命であると釘を刺した。「遼と同じく朕にもまだ太后の庇護が必要だ、太后の隠居は二度と求めぬように…」事態を重く見た燕燕はいずれ聖宗に新政させるにしても、礎を築くまでは決して退かないと断言した。燕燕は聖宗の采配に従って耶律虎古を不問とした。しかし憤まんやる方がない虎古は夜のうちに準備を整え、ついに翌朝の朝議で謀反を起こす。「お前たちこそ逆賊だ!遼の古くからの法を変えようとした!かような事態を見過ごせるものか!」朝堂で皮室軍と反乱軍の激しい戦いが始まった。やがて虎古が隙を見て燕燕を襲撃したが、韓徳譲が身を挺して守る。徳譲は背中を斬られながら力を振り絞って虎古を退け、その場で成敗した。謀反は失敗し、反逆した皇族たちは降伏した。実は昨夜、町を警戒していた耶律斜軫(ヤリツシャシン)は不穏な動きを察知、そこで燕燕は先回りして逆賊たちの家族を保護しておいたという。「お前たちは老臣であり遼への忠誠心もある、死罪は免じよう 各自に草原の一部を与える、勅命なくば帰京は許さず、家族に会ってはならぬ 子孫3代、要職に用いることはない」燕燕は自分をかばって怪我をした韓徳譲を自ら手当てした。「私が危機に陥るたび、あなたが守ってくれる…」すると徳譲は涙ぐむ燕燕の手を握りしめ、こうして燕燕を守ることができるだけで満足だという。「怖かったわ…あたなを失うのではないかと…」「我らはかつて燕雲台で縁を断たれた、だが君への想いは一度も変わっていない 二度と君から離れず、永遠に見守り続けるよ、何も心配するな」「…あなたと夫婦になりたい、この蕭綽(ショウシャク)、先帝や民に恥じることは何一つない 自分のために生きるわ、もう二度とあなたを裏切らない」燕燕はどうせ何をしても否定されるなら、いっそのこと一緒になって堂々と並んで立ちたいという。そんな燕燕を徳譲は黙って抱きしめた。大丞相府に皇太后が文武百官を引き連れてやって来た。韓徳譲が出迎えると、燕燕はかつて韓家に嫁ぐためあつらえた漢式の婚礼衣装を身にまとっている。すると宮女たちが新郎の婚礼服を差し出した。「…なぜ私に相談しないで決めた?」「話をしたけどすぐ答えてくれなかったでしょう?」「はお、君に従うよ」大丞相府で燕燕と韓徳譲の祝宴が始まった。突然のことに面食らう臣下たちだったが、皇太后の聖旨の内容を聞いて驚愕する。燕燕は玉田(ギョクデン)韓氏一族を脱籍させ徳譲に耶律姓を下賜、季父房(キフホウ)に加えるとした。これにより徳譲の地位は親王の上となり、今後は朝堂でも拝跪の必要はないという。ザワザワ…>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<ザワザワ…祝宴は騒然となったが、そこへ聖宗(セイソウ)・耶律隆緒(ヤリツリュウショ)が妹と弟を連れてやって来た。「隆緒、相父は皇族に名を連ねた、これからはおじ上と呼びなさい」聖宗は祝辞を述べ、臣下たちをなだめるために列席した大臣には銀千両を与え、爵位を1等級あげるとし、民の税を1年ほど免じて大赦を行うと伝えた。燕雲台で愛を誓い合った燕燕と徳譲がついに結ばれ、それから数年が経った。南朝では出征の経験もない三皇子が新帝に即位し、老臣はこれが遼にとって反撃の好機だと進言する。すると聖宗が強大な軍隊である皇太妃の国阿輦(コクアレン)斡魯朶を加勢させてはどうかと提案した。確かに胡輦は阻卜(ソボク)を平定し、女真(ジョシン)を破り、遼の情勢を安定させている。その時、思わぬ上奏があった。噂によると皇太妃が寵愛する馬丁を将軍にして近衛を率いさせたため、諸将の不満を招いたという。燕燕は皇太妃には自由に将軍を選ぶ権利があるとかばったが、噂の出どころが聖宗だと怪しんだ。燕燕は聖宗が北方の様子を探らせていると知っていた。もちろん北の国境は重要だが、聖宗は色恋沙汰を理由に大姐の兵権を奪うつもりだろう。燕燕は不満げだったが、韓徳譲が聖宗の考えにも一理あると援護した。色恋沙汰はさておき、これで国阿輦の兵権を没収できれば好都合だという。「…太后としては兵権をよそ者に渡せぬ、しかし妹妹としては大姐を傷つけたくない」しかし燕燕は重い腰を上げ、自ら北方へ足を運ぶと決めた。…当初、皇族たちは皇太妃の軍隊保持を口実にして兵権の返上を拒んでいたこのことが最大の脅威と見なされてしまう燕燕はたとえ遼の平和のために大姐の兵権を没収しても、大姐を守れると思っていたそれがまさか…燕燕は大姐が一から築き上げた可敦(カトン)城に入った。長い年月が姉妹の溝を埋めていたが、胡輦は決して君臣の垣根を越えることはない。燕燕はそろそろ上京に戻って欲しいと頼んだが、その時、噂の将軍・撻覧阿鉢(タツランアハツ)が宴の席に現れた。「小胡輦!今日の獲物は何だと思う?」「ふふ、先に太后に挨拶して」「君が燕燕か、話は聞いている、私は撻覧阿鉢だ」礼儀を知らない撻覧阿鉢の態度に宴席は凍りつき、高六(コウリク)が慌ててたしなめる。「撻覧阿鉢将軍!お慎みください」しかし胡輦が皇太后なら何も言っていないと撻覧阿鉢をかばった。皇太叔の死後、ずっと皇太妃を支えて来た高六は何ともやるせない。そこで韓徳譲が間に入り、撻覧阿鉢将軍は噂通り非凡な人だと褒めて収めた。つづく( ๑≧ꇴ≦)何これ~こんなやりたい放題でいいの?wってか聖宗が急に老けちゃった!胡輦はロマンス詐欺に引っかかってるし…ってえ?違うか?ε≡( 「ε:)ノいよいよ来週は最終回、大姐の運命やいかに!お楽しみに〜(^ꇴ^)
2021.11.14
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燕云台 The Legend of Xiao Chuo第45話「本当の自分」蕭燕燕(ショウエンエン)は三姉妹を離間させた黒幕である蜀(ショク)王・耶律道隠(ヤリツドウイン)に毒酒を賜った。さらに韓徳譲(カントクジョウ)と幽州へ赴き、二姐をそそのかした冀(ギ)王妃・夷蘭(イラン)を捕らえる。「しくじった以上は言い訳しないわ、蕭燕燕、知っている?お前の命を狙う部族がどれほどあるか ふっ、夫と子の敵である韓徳譲を殺せなかったのが唯一の心残りだわ…」すると夷蘭はあの世で待っていると言い残し、皇太后の前で毒酒を飲んだ。烏骨里(ウグリ)が亡くなって3年が経った。燕燕は皇太妃・蕭胡輦(ショウコレン)と文を交わしていたが内容は政務のことだけ、大姐は今でも自分を恨んでいるのだろう。しかしそんな燕燕のそばにはいつも韓徳譲がいた。燕燕の書斎には今も筆がけに鈴がぶら下がり、また徳譲の腰にも対の鈴が下がっている。今や燕燕の苦しみを知るのは徳譲だけとなった。共に苦難を乗り越え絆が深まって行く2人、そんな中、再び虎や狼が隙を狙い始める。実は皇太后が下した兵権集約の命に皇族内で不満の声が高まり、耶律虎古(ココ)たちが命を拒んでいた。強行すれば国を揺るがすことになるのは必至、それでも燕燕は徳譲に任せるという。そこで相父(ショウホ)としての礼遇を受けさせるべく、徳譲の誕生日に宮中で祝宴を開くと決めた。「身分を笠に来て好き放題の老臣たちに君臣の礼を教えねばならない 遼の主はあやつらではないと思い知らせる…(๑•̀ㅂ•́)و✧」一方、北方を守る胡輦は狩り場で自由奔放なたくましい青年と出会った。ひとりで湖畔にいた胡輦は急に暴れ出した馬から振り落とされたが、馬丁の青年に助けられる。「大丈夫かい?」「どうしてここに?ここは皇太妃の狩り場だと知っているの?」すると青年は撻覧阿鉢(タツランアハツ)と名乗り、皇太妃の馬の世話をしていると言い訳した。「君は?」「…胡輦よ」「小胡輦か」「何ですって?」胡輦は懐かしい響きに思わず亡き夫の声を思い出した。「私がここの狩り場の主よ」「狩場の主か…(はっ)君が皇太妃なのか」そこで胡輦は自分を助けた褒美は何がいいか聞いてみる。阿鉢はならば向こうの集落へ来て欲しいと頼んだ。「小胡輦、明日、待っているよ」耶律虎古は朝廷での漢人の台頭に焦り、聖宗(セイソウ)・耶律隆緒(ヤリツリュウショ)を担ぎ上げようと考えた。そこで花嫁候補の絵姿を献上した上で、成人した聖宗こそ君主であり、皇太后と韓徳譲は補佐に過ぎないと訴える。実は韓徳譲が始めた科挙のせいで漢人ばかり仕官し、契丹人の官員はもはや2割にも満たなかった。今や室昉(シツホウ)が北府宰相に成り上がる始末、このままでは遼の天下が漢人のものになってしまう。しかし聖宗はまだ母や丞相から学ばねばならないことがあると諭した。「感情に任せて敵視するな、さらに国には法がある」聖宗は皇太后や重臣を誹(ソシ)れば罰せられると釘を刺し、今回だけは見逃すという。仕方なく虎古は引き下がったが、屋敷に戻ると韓徳譲への恨みを募らせた。「韓徳譲を上京から離さねば…」胡輦は約束通りひとりで青年の集落を訪ねた。撻覧阿鉢の集落は北方で最も貧しかったが、部族が集まって楽しそうに踊っている。すると阿鉢は胡輦に気づき、出迎えた。親しげに手を取る阿鉢に困惑する胡輦、しかし阿鉢はひとりなら皇太妃ではなく小胡輦だと笑う。「さあ行こう!」草原で集落の男たちが馬を駆け、帯の取り合いを始めた。撻覧阿鉢の話では自分の帯を取られたら負け、一番多く奪い取った男が勇士となり、意中の女子を得られるという。「彼女がうちの集落で皆が憧れている阿曼(アマン)だ」すると阿鉢も想い人のために参加すると伝え、飛び出していった。撻覧阿鉢は見事に皆の帯を奪い取り、勇士となった。そこで阿曼に帯を差し出すと、喜んだ阿曼はお返しに花の冠を渡す。すると阿鉢はその花の冠を胡輦の頭に乗せた。「なぜ私に?」「俺の心を奪っていったからだ」燕燕は宮中で内輪の宴を開き、韓徳譲の誕生日を祝った。耶律虎古ら皇族たちは参加したものの、あからさまに機嫌が悪い。しかし燕燕は臆することなく聖宗に祝辞を述べさせ、さらに贈り物と称して斡魯朶(オルド)の兵符を渡した。これに虎古は猛反発、兵符は元来、皇族が管理してきたと訴え、掟に反すると諫言する。「陛下のために申し上げているのです!よそ者に斡魯朶を渡してはなりませぬ!」「よそ者?韓相は陛下の相父である、虎古大人は2人を対立させようと言うのか?」母と重臣の板挟みになる聖宗、そこで徳譲は自分に兵を率いる手腕がないため辞退すると申し出た。すると燕燕は掟も何も先帝が徳譲に兵権を与えていたと虎古を黙らせ、誇示する必要はないという。こうして兵符は無事に徳譲の手に渡ったが、祝宴は不穏な空気に包まれた。聖宗はその場を和ませるため、渤海(ボッカイ)部から献上された舞姫を呼んだ。すると招待席に座る美しい娘に一目惚れする。実はその娘は韓徳譲の妹と国舅(コッキュウ)・蕭隗因(ショウカイイン)の子・菩薩哥(ボサツカ)だった。聖宗の婚姻は国の根本に関わる重大な問題だった。大于越(ダイウエツ)・耶律休哥(ヤリツキュウカ)はすでに后族から年頃の娘の名簿を献上している。確かに皇后にふさわしい娘はたくさんいたが、聖宗は母に任せると言った。すると燕燕は聖宗が心から好きな相手を選んで欲しいという。「私は…私は菩薩哥がいいと思います」「見る目があるわね」そこへ渤海部の菓子が届いた。聖宗は宮中の菓子とは違うので味見して欲しいと勧める。早速、食した燕燕は美味しいと喜び、思わず韓徳譲にも届けるよう頼んだ。そんな母の姿を見た聖宗は自分から背中を押すことにする。「母后は常に私と国のことを考えておられます、でもご自分のことはいつも後回しですね 父皇は母后に″思うように生きよ″と言い残された…当時、幼い私は解せませんでした でも大人になり、想い人ができて、やっと父皇のお心が理解できたのです 父皇の願いは母后が新たな人生を歩むことです」聖宗は相手が相父なら反対しないと言った。「…朕は遼の太后です、国と民の安泰こそが望み、他の想いはないわ」「ご自分のことはお分かりにならないのですね?韓相は独り身を貫き母上に仕えています 父皇のご遺志だけが理由とは思えません、母后も韓相に想いを抱いているはず 機を逃すと生涯、悔やむことになります、堂々たる太后が何を恐れることがあるのです?」聖宗は誰が反対しても自分だけは永遠に母の味方だと言った。( ;∀;)良い息子に育ったわね~それにくら…ゲフンゲフン(´゚艸゚) 胡輦は亡き夫のように自分を少女として扱う撻覧阿鉢に惹かれていった。「小胡輦、君はいつも本当の自分を隠し、人にも自分にも気づかせない 本当の自分でいるべきだ」「…私は三姉妹の大姐だったの 母が亡くなってから我が家の女主人となり、父の世話をして、妹たちの面倒を見て来た 家族のために生きてきたわ」阿鉢はそんな胡輦とは正反対、幼い頃から独りで自由に生きて来たという。「いつになったら自分のために生きられる?」「…私、自分のために生きるわ、だから一緒に来て、私の将軍になってちょうだい! ずっと一緒にいられるわ!」「本当に俺を連れて行くのか?小胡輦、地位なんて欲しくないけど…君が好きだから行くよ」って行くんかーい!⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ズコッ!つづく( ̄▽ ̄;)いや~ここまで来て何を見せられているのでしょうかw
2021.11.13
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上阳赋 The Rebel Princess第22話「偽りの支援」皇帝・馬曜(バヨウ)は二皇子・馬子律(バシリツ)が帝位を狙っているとも知らず、王氏の排除を命じた。一方、王栩(オウク)は謝淵(シャエン)の件に温宗慎(オンシュウシン)が関与していた証拠を手に入れ、王藺(オウリン)に今こそ適期だと伝える。「九錫(キュウシャク)大礼の件は私が手配する」※九錫:功臣に下賜された9種の恩賞「長らく待っていた時がようやく訪れますね」しかし王藺は妹の皇后が未だ温宗慎を案じているのが気がかりだった。その夜、数日ぶりに昭陽殿を訪ねた王藺は、なぜ温宗慎に面会したのか尋ねた。皇后は国政のためだと答え、朝廷で慕われる侍中の後押しがあれば息子の皇位継承へ大きな力になるという。「ならば良い、過去を引きずらないで欲しい、あやつの心にお前はいない」温宗慎にとって自分たちは裏切り者に過ぎず、王氏の破滅を今か今かと待っていたのだ。しかし皇后はつい感情的になり、同意できないと言い返してしまう。「あの人は旧交を重んじます、ですから…」「お前の希望だろう?太子のためか、それとも自分の未練のためか、胸に手を当てて考えてみよ」すると皇后は息子を思ってのことで異心はないと断言した。皇后は兄を見送ると、宮女に後をつけるよう命じた。やがて宮女が戻ったが、やはり兄は屋敷ではなく牢へ向かったという。その頃、妹の本心を計り兼ねた王藺は差し入れを持って温宗慎を訪ねた。「温宗慎、私は惜しいのだ、優秀なそなたを失いたくない、それを伝えたくて来ただけだ」温宗慎は毒酒だと疑っていながら覚悟を決めて杯を取った。「王藺、これで死しても悪には従わぬ、あの世で貴様の末路を見届けてやろう!」その時、突然、皇后が現れ、温宗慎を止めた。「飲まないで!…哥哥、この人を殺してはなりません」これで皇后の真意は明らかになった。すると王藺は自ら酒を飲んで毒酒ではないことを証明する。「温宗慎、恐れ入った、牢にいながら当代の皇后である妹を意のままに操るとは…見事だ」温宗慎はまるで狐につままれたようだった。王儇(オウケン)は瀕死の重傷を負った玉秀(ギョクシュウ)に付き添っていた。すると玉秀がうわ言で王妃に逃げるよう訴えている。玉秀の忠誠心は家族に裏切られた王儇の心を大きく揺さぶった。皇権や富貴のために騙し合うためではなく、こうして純粋に寄り添ってくれる人がいる。玉秀は自分の身をもって真の忠誠と庇護を王儇に教えてくれたのだ。…私はあなたを決して見捨てない徹夜で玉秀の看病を続ける王儇、するとついに玉秀の意識が戻った。「これからあなたは侍女ではなく私の妹よ…」食糧が底をつき、初めての撤退を決めた寧朔(ネイサク)軍、しかし桓(カン)公から食糧支援が届いた。すると使者は伝言があるので豫章(ヨショウ)王と2人で話したいという。実は食糧支援は丞相の指示によるもので、桓公の軍も出陣の準備が整っていた。皇帝の勅書でないことを訝しむ蕭綦(ショウキ)だったが、使者の話では病の皇帝に変わって皇太子が政を仕切り、丞相が摂政を行っているという。食糧が充足した寧朔軍は兵士たちの士気も上がり、腹心たちも出兵を今か今かと待っていた。しかし蕭綦は地図を見ながら首を傾げる。西側にいるのが謇寧(ケンネイ)王の軍、そこへ東側から桓公の軍が韓孟(カンモウ)関まで迫っていた。見方を変えれば両軍の中央にいる寧朔軍は挟み撃ちの様相になる。「私と桓公には親交がない、我々を助ける目的ではないのなら逃げ道がなくなる…」すると腹心たちは桓公の娘が王氏の世子妃であり、裏切るはずがないと訴えた。「…命を下す、80里ほど前進し、崤風(コウフウ)山の入り口で謇寧王と対陣する」そこで蕭綦は唐競(トウケイ)に朝廷への報告を命じ、王妃への文を託した。桓公の期待通り蕭綦がしびれを切らし、西側へ前進した。食糧を届けた使者もそのまま寧朔軍に留まり、命令通り内部に潜んでいる。「やつらを打ち負かし首をはねてやろう~ふっ」その夜、桓宓(カンヒツ)のもとに二皇子から菓子が届いた。そこへ突然、王夙(オウシュク)が現れる。滅多に来訪しない夫の出現に桓宓は困惑し、侍女・若秋(ジャクシュウ)にそれとなく菓子を託した。若秋は急いで菓子を持って下がろうとしたが、王夙に止められてしまう。「よこせ、私に食わせるのはもったいないと?」「あ!だめです、あんず入りです、酸味のある物は苦手でしょう?」「覚えていたのか?…しかし人の嗜好は変わる」王夙は菓子を一口かじると、桓宓はそれ以上、食べさせまいと用件を尋ねた。すると王夙はもうすぐ阿嫵(アーウォ)の誕生日のため、母を呼び戻して父と和解する契機にしたいと説明、祝宴の準備を頼みたいという。「それから…私と食事をしないか?」「ぁ…食欲がないので…」「もうよい」王夙は自分から桓宓に歩み寄ったが拒否され、結局、離れの側女のもとへ行ってしまう。…あの日もこうして王夙は落胆しながら寝殿を出た想い人の桓宓を娶り幸せの絶頂にいた王夙しかし上機嫌で床入りの儀に向かうと、桓宓が涙に暮れている『婚姻が嫌ならばなぜ承諾した?!』王夙は無理強いすることもできず、そのまま寝殿を出て行った…夫が出て行くと桓宓はその場にへたり込んだ。実は菓子の真ん中には二皇子からの密書が隠されている。…明日の誕生日は必ず会おう…その朝、王儇は昭陽殿で静養していた玉秀を迎えに行った。するとその帰り道、王儇は馬車の窓から偶然、店から出て来た桓宓の姿を見かける。「嫂嫂?…うちの輿(コシ)じゃないわ」王儇は咄嗟に馬車を止め、龐癸(ホウキ)を呼んだ。「パングゥェイ、前の輿に乗った人をつけてちょうだい」豫章王府では蘇錦児(ソキンジ)が王妃を出迎えた。玉秀と錦児が戻り一安心する王儇、すると宋懐恩(ソウカイオン)が王妃に大王から届いた文を渡す。そこで王儇は懐恩に時々は玉秀に顔を見せてやって欲しいと頼んだ。王儇は内向きのことを錦児に一任し、寝殿に戻った。独りになった王儇はようやく蕭綦の文を広げる。すると文にはただ自分の幼名だけが書き連ねられていた。一方、馬車を追跡した龐癸は世子妃の秘密を突き止めていた。実は桓宓は郊外の隠れ家で二皇子と密会、さらに屋敷の中には密室があり、そこで二皇子が桓宓の誕生日を祝っている。「皇后殿下の誕生の日をお祝いいたします」すると子律は侍女から冠を受け取って愛しい桓宓の頭に乗せた。「宓児、数日後には全てが叶う、この冠はそなたへの祝いだ、そなたは正々堂々と私の横に立てる」子律は自分たちに敗北はないと自信を見せた。今頃、桓公は王藺と豫章王を相手に同盟を結ぶふりをして近づき、決戦の時に寧朔軍を仕留める計画だという。二皇子と世子妃が移動すると、梁に隠れていた龐癸は密室を調べ始めた。やがて箱の中から驚くべき証拠を発見したが、敵に見つかってしまう。その頃、王儇はなかなか戻らない龐癸を心配していた。宋懐恩に事情を説明したが、懐恩は自分より腕が立つ龐癸なら安心だという。しかし王儇は胸騒ぎがした。つづく( ๑≧ꇴ≦)パンダーっ! ←違うw
2021.11.12
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上阳赋 The Rebel Princess第21話「伯父か皇帝か」皇后王氏は投獄された侍中・温宗慎(オンシュウシン)と面会、息子の皇太子・馬子隆(バシリュウ)を帝位につけてくれるなら復職させると持ちかけた。しかし若かりし頃に恋仲だった皇后の頼みでも、温宗慎は皇帝を裏切ることはできないと突っぱねる。皇后は落胆し帰ることにした。「子隆を皇位に就かせるためなら、たとえ相手があなたでも容赦はせぬ」入宮した王儇(オウケン)は伯父である皇帝の見舞いに向かった。すると側仕えの金全(キンゼン)が嫌がる皇帝に無理やり薬を飲ませようとしている。王儇は無礼な金全に激怒して追い出すと、伯父の哀れな姿を目の当たりにして胸が痛んだ。「舅舅、すっかり変わってしまわれて…ごめんなさい、そばにいるべきでした 私がいたらこんな目に遭わせなかったわ」伯父の手を握りしめ涙に暮れる王儇、しかし乱心していると聞いていた皇帝の表情が一変、実は病ではないと告白した。皇帝は生き延びるため病を演じていた。「だがお前は騙せぬ…阿嫵(アーウォ)、お前に話がある 謝淵(シャエン)と徐授(ジョジュ)そして杜盟(トメイ)…糸を引いていたのは余だ」阿嫵の父である王藺(オウリン)は丞相で軍の指揮権を持ち、皇位すらも脅かす存在だった。皇帝なら排除しようとして当然、不本意であってもやらねばならないことがあるという。「許してくれ…」しかし王儇はあまりの衝撃に言葉を失い、黙って寝殿を出て行った。玉秀(ギョクシュウ)は式乾(シキケン)殿を出てから意気消沈している王妃を心配した。しかし王儇は皇帝の病がこんなに深刻だと思わなかったと嘘をつく。すると昭陽殿へ向かう途中で薛道安(セツドウアン)が待っていた。「小郡主、私をお助けください…皇后に会えば全て分かります」皇帝の側仕えだった薛道安は粗末な衣で目の周りにあざを作り、かつての面影はない。そんな2人の様子を金全が見ていた。金全は慌てて昭陽殿に駆けつけ、皇后に報告した。「豫章(ヨショウ)王妃がお見えですが何だかご様子が…」しかし喜んだ皇后は金全の話を遮り、愛しい姪を出迎えに行く。すると王儇が玉秀と薛道安を連れて現れ、丁重に拝礼した。「阿嫵、会いたかったわ!長いこと来てくれなかったわね」「姑姑…私も姑姑が恋しかったです」言葉とは裏腹にどこかよそよそしい王儇、その時、薛道安が隠し持っていた短刀を振りかざした。薛道安は皇后へ復讐するため、弟子を使って上陽郡主を入宮させた。郡主が一緒なら厳しい警備をすり抜け、堂々と昭陽殿に乗り込むことができる。しかし王儇が咄嗟に薛道安の腕をつかみ、さらに廖(リョウ)女官長が体当たりして薛道安を倒した。その間に阿嫵は皇后を連れて奥の間へ逃げたが、廖女官長を刺し殺した薛道安が皇后を成敗すると叫んで追いかけて来る。戸を閉めて必死に押さえる王儇、そこへ玉秀が駆けつけ薛道安にしがみついたが、背中を刺されてしまう。するとついに薛道安が戸を突き破って踏み込んだ。王儇は身を挺して皇后を守ったが絶体絶命、その時、禁軍の長矛が薛道安をめった刺しにした。玉秀の背中の傷は心臓近くまで達するほど深かった。申(シン)太医は非常に危険な状態だと報告したが、全力を尽くすと約束してくれる。一方、皇后は腹心である廖女官長の死を嘆き悲しんでいた。その一方で自分を置き去りにして逃げ出した宮女たちに激怒し、追い出してしまう。王儇は皇后の怒号を聞いて慌てて駆けつけた。側仕えの話では皇后は頻繁に情緒不安定になり、太医も道士もお手上げだという。「謝妃のたたりだと言われています…」「たわ言を!…早く姑姑の薬を持ってきて!」王儇は皇后を寝かしつけながら、複雑な心境になった。果たして目の前で眠っているのは自分にとって皇后なのか叔母なのか。しかしあの時、確かに何の迷いもなく立ちはだかり、叔母を守っていた。すると王儇は叔母の冷や汗に気づき、ちょうど枕元にある手巾で拭う。その手巾には刺繍があった。…琴瑟(キンシツ)かたわらに在り 安らかなる幸せ 温郎(オンロウ)と宸汐(シンセキ)…叔母も苦しんで来たと知る王儇、そこへ事件の知らせを聞いた王藺が皇太子と一緒にやって来た。王藺は阿嫵の無事な姿を見て安堵した。父との再会に戸惑う王儇だったが、皇太子の手前、素直に父の腕の中へ飛び込む。皇太子は薛道安の仕業だと知り、母が尽善司に追いやったことを恨んでの犯行だと考えた。実は薛道安が皇帝の薬をすり替えていたことが発覚、長年の功を考慮し労役としたが、つまらぬ慈悲だったと後悔する。すると皇后が目を覚まし、子隆は枕元へ急いだ。王儇は父に皇后が衝撃を受けて以来、意識がもうろうとなってうわ言を繰り返していると教えた。驚いた王藺は人づてに聞いたのか確認したが、王儇はこの耳で聞いたという。「はっきりと聞き取れなかったけれど…」「苦労ばかりしてきた上に怖い目に遭ったのだ、心配するな」王藺が式乾殿を訪ねると、ちょうど二皇子・馬子律(バシリツ)が皇帝の将棋の相手をしていた。しかし皇帝は二皇子を子澹(シタン)と思い込んでいるらしい。王藺は昭陽殿に刺客が押し入り、皇后と豫章王妃が狙われたと報告した。2人は無事だったが、刺客は先日まで皇帝に仕えていた薛道安だという。結局、薛道安はその場で殺され、遺体は城外に捨てられた。「次は余の番か…お前の番か…」将棋になぞらえ思わず嫌味を言う皇帝、そこへ金全が皇帝の薬を運んで来る。皇帝は王藺の手前、仕方なく薬を飲んだが、急に激しい腹痛を訴えた。王儇が豫章王府に到着すると門前で子澹が待っていた。「そなたが心配で待っていたのだ。怪我は?!」子澹は思わず阿嫵の腕をつかんで引き留めたが、王儇は夫の留守に招くことはできないと冷たく追い返した。子律は皇帝の厠(カワヤ)に付き添い、金全を先に帰した。すると厠に入った皇帝が口から薬を吐き出し、香炉に入れて燃やしているのを目撃する。「…父皇?」「ひざまずけ…早くひざまずかぬか!」ほうけていた皇帝の様子が一変、子律は唖然となった。「子澹に刺客を送ったのはお前だな? 顧庸(コヨウ)の死も、迷香を嗅いだ子隆が謝宛如(シャエンジョ)を凌辱したのも、黒幕はお前だ」皇帝は全て知っていた。謝淵が最後に密告しなければ、今も欺かれたままだったという。驚いた子律はその場で平伏し、これも王氏に対抗するためだったと訴えた。「…でなければ許されぬ、立て 薛道安は余に30年以上も仕えた忠臣だったがむごい最期を迎えた、王氏には血の償いをさせる」そこで子律は機が熟すのを待ち、王藺の不意をついて必ずや父の大権を取り戻すと懐柔した。宋懐恩(ソウカイオン)は屋敷に戻った王妃を出迎えた。すると宮殿で事件があり、玉秀が王妃を守って深傷を負い、生死をさまよっていると知る。懐恩は玉秀なら必ず耐え抜くと励ましたが、王儇が部屋に落ち着いたのも束の間、玉秀が危篤との知らせが届いた。皇帝は子律がこれほど頭が切れるとは意外だった。「余がお前を苦しめた…己の身体はよく分かっている ひどく弱っているが、最後の力を振り絞って王氏を倒したかった しかし悔しいことに謝氏が滅び、温宗慎は投獄され、今や朝廷は王藺の意のままとなった その上、勇敢な軍を率いる婿までいる…馬氏の天下は終わる」「いいえ、父皇!諦めてはなりません! 父皇が逆賊を討てと密詔を下さるなら、江南の各地に送るようにいたします」王儇は急いで昭陽殿の偏殿に駆けつけた。申太医の話では玉秀の高熱が一向に下がらず、今夜が峠となるため王妃に知らせたという。最後の手段は石針での治療だったが、弱った身体で耐えられるか分からなかった。しかし王儇は玉秀の生命力に賭けることにする。「それ以外に救う方法はないのね?…お願い」「王妃、これで2日以内に熱が下がらなければ、どんな名医でも救うことはできません」つづく(  ̄꒳ ̄)あ…懐恩の普段着? ←そこ?!w
2021.11.11
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第17話浮玉(フギョク)島にやって来た褚璇璣(チョセンヂー)と禹司鳳(ウシフォン)。歓迎の宴が終わって司鳳が部屋に戻ると、東方家の家宰・欧陽桐(オウヨウトウ)が訪ねて来た。「夫人がお呼びです、重要な用事があるそうです」清榕(セイヨウ)は寝殿に司鳳を招き入れ、美貌を武器に接近してきた。すると司鳳は夫人から子桐(シトウ)山の邪教の亀蛇香(キダコウ)の香りがすると気づく。「どこで入手を?」思いがけない司鳳の指摘に動揺する清榕、するとちょうど島主・東方清奇(トウホウセイキ)の姿が見えた。そこで清榕は咄嗟に中庭へ飛び出し、夫に助けを求める。「酒の作り方を尋ねたら私に手を出して来たの!」島主は妻を辱められたと激怒、いきなり司鳳に襲いかかったが、璇璣が現れ止めた。実は島主は夫人に礼を欠いたとして弟子を大勢、追放していた。司鳳は今まで公正だった島主がなぜ夫人の言葉を鵜呑みにするのかいぶかしみ、冷静に考えるよう諫める。すると清榕はへそを曲げて逃げ出し、島主も愛妻を追いかけて行った。璇璣は司鳳の傷を手当てしながら、危うく濡れ衣を着せられるところだったと憤った。「何も見ていないのに無実だと信じるのか?」「当然よ!司鳳の人柄は知っている もし美しい東方夫人に…うーんと…愛慕の情?を抱いたとしても 人から奪うような悪いことはしないわ」すると司鳳は璇璣の手を握りしめ、他の女子が美しいかどうかなど自分にとっては無意味だと言った。「なぜか分かるかい?」「離沢宮では一生、妻を娶れないから?」「…君が外してくれたおかげで仮面は一切つける必要はない 私は掟を破り、離沢宮に背いたのだ、だから妻を娶ることもできる」「もう離沢宮に戻れないの?じゃあ少陽(ショウヨウ)へ来る?!」「はあ~的外れなことを…なら私はどんな身分で少陽へ行くんだ?」「友だちよ!父上は友だちには誠心誠意を尽くせと言ってたから!「…そうじゃないだろう?」「じゃあ~修仙者仲間は?!」「違うだろう~( ̄▽ ̄;)」司鳳は困惑した。男女の情が分からない璇璣がなぜ情人呪仮面を外すことができたのだろうか。「まあいい…」司鳳は緒玲瓏(チョレイロウ)たちを探す前に問題を解決しようと提案した。離沢宮の秘薬の酒を飲んだ島主は腕に赤い斑点が現れ、かきむしっていた。司鳳はやはり蠱毒(コドク)に冒されていると確信し、夫人を疑う。実は蠱毒にあたると怒りっぽくなり、最後は錯乱して傀儡と化すのだ。璇璣は島主と家族ぐるみの付き合いがあり、夫人との馴れ初めを知っていた。かつて子桐山の邪教が丹薬を作るため少女を誘拐していた時、退治に向かった清奇が生存していた唯一の少女を連れ帰り、妻にしたのが清榕だという。司鳳は少女が1人だけ生存できたことに違和感を覚え、蠱毒が清榕の仕業だと確信した。夫人は次の満月である明後日、島主にとどめを刺すつもりだろう。今月も満月の夜になると清榕が清奇を訪ねて来た。そして薬を混ぜた酒を飲ませ、琴を弾きたい気分だと言って一曲、披露する。すると琴の音に操られた蠱虫が現れ、背後から清奇に忍び寄った。清奇の首を刺そうとする蠱虫、しかしその時、清奇が虫を握り潰してしまう。そこへ島主を心配した璇璣と司鳳が弟子の翩翩(ヘンヘン)と玉寧(ギョクネイ)を連れて駆けつけた。司鳳は夫人が邪教の犠牲者ではなく教祖だと暴露した。実は清奇も真相を知りながら清榕を手放せず、慈しんで来たという。しかし清榕にとって自分は邪教を滅ぼした敵でしかないと知った。島主は裏切られても愛する夫人を害することができず、自由にするという。すると清榕は行く当てなどないと短剣を取り出し、自害しようとした。清奇は慌てて制止すると、清榕が急に殊勝になる。「信じて、最初から解毒薬を飲ませるつもりだったの…」清榕は清奇に薬を飲ませると、実はお腹に子供がいると告げる。喜んだ清奇は夫人を抱きしめ、結局、夫人を許した。島主は夫人を休ませてから璇璣たちのもとへ戻った。問題は解決したが、もし夫人の悪ふざけが漏れたら面目が潰れるため口外しないで欲しいという。司鳳と璇璣は了承して居所に戻ることにしたが、男女の情愛が分からない璇璣は腑に落ちない。すると司鳳は2人の間の感情は他人に分からないと言った。誰かを愛すると周囲が見えず、時に甘く、時に苦く、態度がコロコロ変わるという。「たとえ悪人でも愛おしくて仕方ない場合もあるんだ」「ふ~ん…情って修行よりずっと難しいのね、そんな面倒ごと、私はごめんだな」その時、司鳳は急に思い立ち、せっかく美しい満月の夜、島主の蔵にある極上の百花清流露酒を飲みに行こうと誘った。計画が失敗した清榕は欧陽桐と一緒にいた。まさか司鳳が自分の美貌に見向きもせず、抽髄蠱(チュウズイコ)のことまで見抜くとは予想外だ。実は清榕のお腹の子供は欧陽桐の子供だった。島主の酒蔵には酒に使う百花の花びらがあった。璇璣は貯蔵された花びらに大喜び、その間に司鳳は酒甕を1つ選んで術をかけ、海を眺めながら飲もうと決める。しかし運悪く翩翩と玉寧が現れ、一緒に飲もうと誘った。司鳳は断ろうとしたが璇璣が了承してしまい、思いがけず司鳳が細工した酒を4人で飲むことになってしまう。そこで司鳳は普通に飲んでもつまらないため、飲むのは手勢で勝った者にしようと提案した。最初に勝ったのは司鳳だった。司鳳はいきなり酒甕の半分を空けるとそのまま一人勝ち、いよいよ最後の一口になってしまう。「つぎは璇璣と勝負だ」じゃんけん( ˙꒳˙ )✋″ ″✊( ̄꒳ ̄)ぽん「やった~勝ったわ!」司鳳はわざと負けてやったが、その時、一口も飲めなかった玉寧が先に酒甕を取ってしまう。すると甕の底に金の文字が見えた。…君を慕う、この心を君は知らず…玉寧はようやく司鳳の企みを知り、誰かの想いがこもっていると意味ありげに笑う。そこで翩翩も甕の中をのぞき込み、驚いて璇璣に渡した。(* ゚ェ゚)<ん?…何も見えないわ?なぜかしら?ようやく璇璣の手に渡った酒甕、しかし司鳳の努力も虚しく、そこで文字は消えてしまう。責任を感じた翩翩と玉寧は慌てて退散したが、璇璣にはさっぱり意味が分からなかった。司鳳はこのまま引き下がるわけにもいかず、酔った勢いで璇璣に自分と同じ気持ちか聞いた。「私の想いを理解して答えて欲しい…」司鳳は璇璣の手を自分の胸に当てると、璇璣は司鳳の動悸の早さに驚いて病気だと誤解する。「うわっ!医官に診せなくちゃ!」璇璣は司鳳の腕を引っ張って天窓から飛んで行こうとした。その時、司鳳が急に引き止めたため、二人は花びらの槽の中に落ちてしまう。美しい花びらの絨毯に横たわった2人、すると司鳳は璇璣を見つめてしばしうっとりした。「…せんぢー、君には私の仮面を外した責任がある」「当然、その責任は取るわ」「本当に?」司鳳は愛しい璇璣に口づけしようとしたが、璇璣はまた花の香りでくしゃみが止まらなくなった。ホレッ!(੭*ˊ꒳ˋ*)੭ ➰🌸 (*´ω`*)やめろって~璇璣は泥酔した司鳳に肩を貸して蔵を出た。すると居所へ向かう途中、回廊から大きな庭石が見える。「璇璣、あれが何か知っているか?あれは数百年まえに天界から浮玉島に落下した婚縁石(コンエンセキ)だ 書によると運命で結ばれた2人は婚縁石の霊光によって照らされるらしい」「私たちと何の関係があるの?」そこで司鳳は石に向かって術を放ったが、一向に光る様子はない。「ぼろ石め!壊してやる!」驚いた璇璣は慌てて司鳳を止め、引っ張って行った。翌朝、璇璣は司鳳に酔い覚ましを届けた。すると来客を告げる鳥の鳴き声が聞こえる。璇璣は玲瓏たちだと喜び司鳳と海岸へ迎えに出たが、そこにいたのは離沢宮・副宮主の一行だった。そこには仮面を壊して罰を受けるために戻った若玉(ジャクギョク)の姿もある。「私が案じた通りだ、宮主の大きな期待を裏切り仮面を外すとは…よく外す方法が分かったな? …どうやらそのお嬢さんに外してもらったのか」璇璣は確かに自分が外したと認め、罰を請うた。掟で他門の弟子を罰することはできないが、副宮主は無事に仮面を外せたのは司鳳が初めてだと感心する。これで司鳳は自由の身になった。副宮主は情人呪仮面を返すよう命じたが、司鳳は思わず高氏(コウシ)山で紫狐(シコ)と争っている最中に深い沼に落としたとごまかす。しかし副宮主が仮面を招喚した。「泣き顔ゆえ呪いは解けておらぬな、残念ながら離沢宮に戻って自ら宮主に説明するんだな」司鳳は玲瓏たちを探しに行くことができなくなった。しかし璇璣は司鳳の手を握りしめ、心配なので一緒に行くという。その言葉を聞いた司鳳は感激し、思わずその場で璇璣を抱きしめた。「…璇璣、人生は困難だが君のためなら喜んで立ち向かうよ」すると璇璣は副宮主に向かって数日後には司鳳を迎えに行くと啖呵を切った。「それまで司鳳を傷つけないと約束してください、約束できないなら司鳳は渡さないわ!」「ふん、そなたにそんな資格が? …仮面を外した意味が分かっているのか?外した者は嫁ぐのだ、そなたにできるか?」「(私の責任って婚姻のことだったのね?それで司鳳は悩んでいたんだわ)←ちょっと違うw 嫁ぎます!そうすれば司鳳は罰を免れますね?」しかし璇璣が嫁ぐと決めても仮面は笑顔にならない。なぜなら男女の情が分からない璇璣が心から望んでいないからだった。司鳳は猶予が欲しいと嘆願したが、痺れを切らした副宮主は配下に連れ戻せと命じた。弟子たちは一斉に剣に手をかけると、憤慨した璇璣も命剣を招喚する。「許さないわ!仮面ひとつで人の人生を操るなんて…ワナワナ…私がその仮面を壊す!」すると驚いたことに崑崙樹の皮で作られたこの世で最も硬い仮面が真っ二つに割れた。…あれは定坤(テイコン)剣、なぜこの女子が?副宮主は呆然となった。璇璣は司鳳を渡さないと反発、副宮主に剣を向けた。すると激情に駆られた璇璣の目が怪しく光り、副宮主に戦いを挑む。そこへちょうど昊辰(コウシン)が弟子たちを連れて浮玉島へ到着した。2人の空中戦を見た昊辰は驚き、ただちに静心呪(セイシンジュ)を放って璇璣の全ての怒りを鎮める。急に意識を失った璇璣を抱き止める司鳳、一方、副宮主はその威力に驚きを隠せなかった。浮玉島に少陽派の掌門・褚磊(チョライ)も到着した。実は島主が軒轅(ケンエン)派に送った弟子が戻らず、璇璣たちから聞いた話を検討したいという。あとは点睛(テンセイ)谷の容(ヨウ)谷主が到着するのを待つだけだ。つづく
2021.11.09
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燕云台 The Legend of Xiao Chuo第44話「代償を支払う時」冀(キ)王妃・夷蘭(イラン)は幽州に戻る前、蕭烏骨里(ショウウグリ)に贈り物を届けた。それは″鴛鴦壺(エンオウコ)″と呼ばれる酒壺で南朝の宮中の品だという。壺の底には仕掛けがあり、それを動かせば美酒を注ぐか毒酒を注ぐか選ぶことができた。「あ~はっはは!心から感謝するわ、冀王妃!」すると回廊に控えていた桔梗(キキョウ)は王妃がなぜ笑っているのか気になった。そこで冀王妃の侍女・紫蘇(シソ)に贈り物は何か聞いてみる。紫蘇の話では大総管が漢人から手に入れた王妃秘蔵の酒壺で、確か鴛鴦壺という名前だという。しかし瑰引(カイイン)が主人の詮索をやめるよう叱り、桔梗はそれ以上、聞き出せなかった。烏骨里は喜隠(キイン)と留礼寿(リュウレイジュ)の霊前に立った。明日の祝宴が終われば2人のそばへ行ける。「これで私たち家族は2度と離れ離れにならない…」そして幼い頃から自分に仕えてくれた瑰引に鴛鴦壺を渡した。「明日はこれを持って私のそばに立っていればいい、そして太后に酒をつぐだけ」しかしその夜、間者の桔梗が人知れず趙王府を出ていた。一方、病を装って趙王妃の動向をうかがっていた蜀(ショク)王・耶律道隠(ヤリツドウイン)は密かに私兵を集めていた。「明日、太后に何かあれば趙王府に突入後、王妃を殺し太后の敵を討つ 何事もなくば誰にも気づかれぬよう動くな」趙王妃の誕生日、家族の宴に招待された皇太后が趙王府に到着した。烏骨里は笑顔を見せ燕燕(エンエン)と手を取り合い、宴席に案内する。久しぶりに顔を揃えた蕭家の三姉妹、胡輦(コレン)は母の誕生日も近いことから、3人で供養したいと提案した。「何年経ってもこうして三姉妹で集えるなんて嬉しいわ」しかし烏骨里だけはどこか上の空だった。宴もたけなわ、いよいよ烏骨里は瑰引に酒を注ぐよう命じた。瑰引はまず趙王妃の杯に注いだが、皇太后の番になると手が震えてうまく注ぐことができない。「不器用ね!」烏骨里は瑰引から酒壺を奪い取り、自ら仕掛けを動かして注いだ。「では燕燕と大姐にもう一献…」燕燕は何の疑いもなく口をつけようとした。すると突然、韓徳譲(カントクジョウ)が皮室軍を率いて乗り込んでくる。「待たれよ!それは毒酒です、飲まないように」烏骨里は無礼な韓徳譲に激怒した。そこで同じ酒壺から注いだ酒を飲み干して見せたが、徳譲は酒壺を持ち上げ、仕掛けを見せる。烏骨里はもはや言い逃れできなくなった。その時、酒壺の秘密を知るのは瑰引しかいないと気づく。烏骨李は激情に駆られ小刀で瑰引を刺し殺し、次に燕燕に襲いかかった。しかし咄嗟に徳譲が腕をつかんで阻止、謀反を起こした趙王妃を捕らえろと命じる。胡輦は烏骨里の暴挙に呆然としながら、すがるようなまなざしで燕燕を見つめた。「燕燕…」「待って!全員、下がって!…徳譲、あなたもよ」徳譲は仕方なく烏骨里を解放すると、皮室軍は瑰引の亡骸を運び出した。烏骨里の心は夫と息子を失った悲しみに捕らわれ、燕燕を逆恨みした。「こんなことなら喜隠が罠を仕掛けた時、あなたを助けるんじゃなかった… 台から落ちて死ぬ姿を見届けるべきだった!」「やはり知っていたのね…気づかぬふりをしてあげたのに、悔い改めるどころか後悔しているの? 姉と慕う私の死をずっと願っていたのね?」「そうよ、早く死んで欲しかった!私は喜隠と留礼寿に再会したい!あなたとはこれまでよ!」胡輦は混乱する烏骨里を慌てて連れ出そうとしたが、烏骨里の覚悟は決まっていた。「生きる気などとうにないわ!だからこの女に私を殺させてやる!」「そう、なら暗殺失敗の結果を受け止めるのね!」「燕燕、あなたの二姉なのよ!」「いいえ!この者は逆賊・喜隠の妻で私を妹とも思っていない、姉などではない」「燕燕!烏骨里は興奮して口走っただけ、血のつながった三姉妹じゃないの?!」「あっははは~!大姐!目を覚まして!」烏骨里は罨撒葛(エンサーグァ)を殺したのは燕燕が放った矢だったと暴露、燕燕が何年もその事実を隠して来たと笑った。しかしそれでも胡輦はひざまずき、姉を殺してはならないと皇太后に懇願する。その時、烏骨里が突然、酒壺の毒酒を自らあおった。「蕭燕燕…偽姉妹の絆でこれ以上だませると思う?…アハッハッハッハッハッハハッ~グハッ!」烏骨里は激しく血を吐き、その場で崩れ落ちるようにへたり込んだ。「烏骨里!しっかりして!」「だ…じぇ…喜隠のもとへ行くわ…大姐…保重…あの女を信じてはだめ…」「烏骨里…アァァァァ…烏骨里ィィィィ…」胡輦は涙に暮れたが、燕燕はただ呆然と立ちすくんでいた。燕燕は政務に戻ったが、姉妹の絆を失った傷は深く、鬱々としていた。そこへ韓徳譲が参内、烏骨里は冀王妃と同じように心の魔に支配され、恨みの中で己を見失ったと慰める。「…もう分からなくなった、誰を信じたらいいの?決して変わらぬものとは?」「私がいる」←( ๑≧ꇴ≦)もうジョーったらwうつむいていた燕燕がようやく顔を上げると、徳譲は今回の黒幕は蜀王の可能性があると報告した。確かにあの臆病な男は何かする時には誰かを表に立たせ、風向きが変わると病を装い閉じこもる。徳譲はすでに幽州へ戻った冀王妃を捕らえることができないため、蜀王を領地に帰さず、今後の動きを封じるよう進言した。胡輦は皇太后の弔問を拒み、燕燕は霊前の烏骨里との対面も果たせずにいた。そこで韓徳譲は静観する燕燕の代わりに趙王府へ弔問にやって来る。胡輦は徳譲と燕燕が烏骨里を追い詰めたと責めたが、徳譲は弁解しないと言った。「燕燕を害する者は誰であれ私が容赦しない ←( ๑≧ꇴ≦)キャアー!ジョーったらw 胡輦、忘れないでくれ、燕燕も君の妹だ 烏骨里が成功していたら、あの日、燕燕が死んでいた」「でも死んだのは烏骨里よ!過ちを犯しても私たちは姉妹だわ!なぜ生きる道を奪ったの?!」「…胡輦、恨むなら私を恨んでくれ、三姉妹がこうなったのは燕燕のせいではない」すると胡輦は自分のふがいなさを嘆いた。烏骨里の様子の変化に気付きながら、改心させたいと願って北方へ連れて行く決心もつかなかったという。胡輦はこれ以上、権力争いを見たくないと告げ、上京を離れる決意を伝えた。燕燕は北方へ戻りたいという胡輦の奏状を読んだ。せめて幸せを感じられるようになるまで太平王府に留まって欲しいと願ったが、もはや大姐にとっても自分は妹ではないと実感する。奏状には″家族を失い、孤独な身となり…″とあった。燕燕は皇太妃の北方行きを認め、郊外に先回りして大姐を見送ることにした。皇太后に気づいた胡輦は君臣として拝礼、しかしどこか燕燕を見る目は冷たい。それでも燕燕は大姐の手を取って無事を祈った。燕燕は耶律道隠が仮病だと知りながら侍医を遣わし、養生するよう命じて逃さなかった。そんなある日、蜀王府に皇太后が見舞いにやって来る。燕燕は蜀王妃を下げ、ある報告書を見せた。「先帝崩御から今まで義叔父上は趙王妃を6度、冀王妃を8度、裏から出入りさせている 病の身でなぜ頻繁に会っていた? 趙王妃死亡の前日は領地の兵を都に入れたな?一体、何のためだ? …穆宗(ボクソウ)の世を生きたなら、天子の怒りがもたらす結果を知るはず」道隠は皇太后が何を言いたいか分かっていたが、最後まで白を切り通そうとした。「…朕は安易に人を殺さぬが、殺せぬのではない…先帝も穏やかな方だったが人を殺せる」「無理でしょう、私を殺せば皇族に言い訳が立たない…」「罨撒葛は李胡を殺した!」すると燕燕は道隠の子供たちを盾に脅した。「ご自分の力量はご存知だろう?命に背くには相応の力が要る 力もなく余計な手を出し、事を起こしたなら代償を支払わなくては…」驚いた道隠は一族を守るため、慌ててひざまずき許しを請うた。しかし三姉妹の絆を絶たれた燕燕の怒りは収まらない。「投獄や連座は避けたいが見過ごすことはできぬ、姉の死は命で償ってもらおう 義叔父上、人は年老いたら子や孫のことを第一に考えるべきでは?」ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ<おっしゃる通りでございます燕燕は席を立った。すると侍従の双古(ソウコ)が薬瓶を置いて出て行く。道隠はその意味を悟って泣き笑いし、空(クウ)を仰いだ。つづく(  ̄꒳ ̄)うーん?ちょっとこれどうなの?まあ最後まで待ちましょうかね、総括になっちゃうのででも烏骨里の演技は良かったです
2021.11.07
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燕云台 The Legend of Xiao Chuo第43話「武運尽きる時」趙(チョウ)王妃・烏骨里(ウグリ)は皇太后を祖廟に案内した。そこには今も太祖と述律(ジュツリツ)太后の肖像が掲げられ李胡(リコ)の位牌があったが、喜隠(キイン)と留礼寿(リュウレイジュ)の位牌はない。燕燕は焼香して拝礼、その様子を見ていた烏骨里は思わず目を背けた。掟では末子の李胡は家督継承者であり、述律太后も遼を託すと約束していたという。すると燕燕は述律太后に代わり、自分が悲願を叶えると言った。燕燕は耶律李胡が謀反の濡れ衣で無念の死を遂げたとし、欽順(キンジュン)皇帝に追封した。思いも寄らない計らいに戸惑う烏骨里、すると燕燕はこれで権力闘争を終わらせるべきだという。太祖の崩御後、述律太后の私心が3人の息子を追い詰め、やがて果てなき闘争へ突き進み、これまで多くの犠牲者を出してきた。「これで亡くなった人々を慰め、生きている者の無念な思いを鎮めたい」「あなたは太后よ、どう決めようと許される…喜隠と義父上は喜んでいると思うわ」しかし皇太后が帰ると烏骨里は怒りを爆発させた。「追封の聖旨で李胡一族の恨みを払拭できると?…夢を見ないで」一方、韓徳譲(カントクジョウ)に反発する耶律虎古(ヤリツココ)は新政の実施を阻止していた。そこで徳譲は六院(リクイン)部の長を別の者に任せてはどうかと上奏する。実は遼の建国に尽力した曷魯(カツロ)大于越(ダイウエツ)が亡くなった時、孫の斜軫(シャシン)がまだ幼かったことから、当時、屋質(オクシツ)大王の提言で虎古が長となっていた。燕燕は本来なら斜軫が一族をまとめるはずだったと気づき、斜軫をじっくり育てて将来の長に据えようと決める。「ところで李胡を欽順皇帝に追封した、これで烏骨里の執念が消えるといいが …私たちは一緒に育った姉妹、わだかまりは消えると信じてるわ」しかし徳譲は大きなため息をついただけだった。韓徳譲は念のため腹心の信寧(シンネイ)に趙王妃を見張るよう命じた。その頃、烏骨里は名ばかりの帝位のために夫と息子が死んだと憤り、さらに自分を追い詰めて行く。「…地中は冷えるでしょう?待っていて、偽善者への復讐を果たしたら私もそばに行くわ」耶律斜軫は虎古を訪ね、なぜ皇太后に盾突くのかと諌めた。すると虎古は韓徳譲を逆恨みし、韓家を放っておけば自分たちを支配しかねないと警戒する。しかし斜軫は能力があるなら懲らしめればいいだけ、ないなら相手と上手く付き合うべきだと牽制して帰った。そんなある日、上京(ジョウケイ)に軍の急報が届いた。南朝軍の勢いは凄まじく、このままでは燕雲(エンウン)十六州を守れそうにないという。諸王たちは戦を避けるため燕雲十六州の返還も一手だと進言し、例え手放しても高齢の南朝皇帝が逝去すれば後継者争いが勃発した折に取り返せると訴えた。しかし韓徳譲は戦わずして退くなど世の笑い物だと反発、すると呉王(ゴオウ)は思わず耶律の奴婢が口を出すなと罵ってしまう。激怒した燕燕は奏状を投げつけ、太宗が心血を注いだ燕雲十六州を手放せと言う者は今後、許さないと厳命した。出兵の準備を始めた燕燕、すると党項(タングート)の李継遷(リケイセン)が遼に帰服したと急報が舞い込んだ。韓徳譲は北漢が滅びて南朝との間に盾を失った遼にとって党項が緩衝地になると期待する。しかし燕燕は李継遷にそこまでの価値があるのか半信半疑だった。すると室昉(シツホウ)が李継遷は幼い頃から馬上で育ち、気骨にあふれていると太鼓判を押す。燕燕は皆の称賛を聞いて李継遷に興味を持ち、会ってみようと決めた。「誠に優れていれば皇族から誰か嫁がせても良い、遼の娘婿となれば見捨てるわけにいかぬ」そこで顔が広い耶律休暇(ヤリツキュウカ)に貴族からふさわしい娘を推薦してもらうことにした。耶律斜軫の想い人・蕭海瀾(ショウカイラン)も花嫁候補に入った。すると皇太后とのお茶会の日、海瀾は顔馴染みの耶律汀(ヤリツテイ)を見つける。海瀾は本当の目的が花嫁選びだと教えたが、阿汀はそのおかげで皇太后と謁見できる機会をもらえたと言った。「でもなぜあなたまで?太后のお気に入りだし、何より斜軫大王に思われているものね~ふふ」「誰があんな人!…いい加減な人よ?幽州で妓楼を探していたんだから」「(´゚艸゚)∴ブッ!そう言うことだったの~実はある皇族が妓女を身請けしたと風聴してね それが斜軫大王の耳に入り、すぐ捕らえられて罰を受けたと聞いたわ 今や斜軫大王の前で妓楼の話をする者はいないそうよ?…知らなかったの?」思いがけず斜軫への誤解が溶けた海瀾、それにしても阿汀こそ本当に党項人に嫁ぐ気なのか心配になった。しかし阿汀は自分の運命なら自分で選びたいという。実は継母が阿汀の母が残してくれた財産を奪おうと、阿汀を自分の甥に嫁がせようとしていた。お茶会が開かれる庭園の涼亭から変な匂いが漂ってきた。どうやら宮女が持ち場を離れている隙に温めていた乳茶が煮詰まってしまったらしい。すると阿汀が駆けつけ、まだ何とかなると言って手際良く対処した。ちょうど蕭胡輦(ショウコレン)とお茶会に向かっていた燕燕は回廊からその様子をながめ、どこの娘なのか聞く。「王子帳節度使・耶律襄(ヤリツジョウ)の長女で名は汀です」良哥(リョウカ)の報告を聞いた胡輦は亡き正室が残した一人娘だと思い出した。しかし後妻が息子たちを産んだため、顧みられなくなったという。「どうりで宮女がいなくても慌てず対処できるのね…」燕燕と胡輦は機転が効く耶律汀を気に入った。耶律汀は皇太后に叱られると思い、乳茶に手を加えた経緯を説明して謝罪した。しかし燕燕は特別な味わいがあると喜ぶ。史書を一通り読んでいた阿汀は吐蕃(トバン)に嫁いで乳茶を広めた文成(ブンセイ)公主が塩や松の実、炒り米を加えたという記述を思い出して試したと話した。すると胡輦も美味しいと絶賛し、阿汀は宮中に留まるよう命じられる。喜んだ海瀾は友と一緒に過ごしたいと懇願、皇太后から許しをもらった。その夜、耶律斜軫は海瀾を嫁がせまいと皇太后へ直談判にやって来た。「太后!海瀾は私に嫁がせてください!挙兵の令状を下し、南朝を滅ぼすと誓います!」燕燕は安易に令状を下すなどもってのほかだと叱り、娶りたければ本人に言えという。その時、ちょうど皇太后を訪ねて来た海瀾が飛び込んで来た。「聞く必要はありません!…崇徳(スウトク)宮へ押しかけるなんて無礼よ」「海瀾の言う通りだ、南院大王ともあろう者が私用で押しかけるとは…誰か!捕らえよ!」燕燕は海瀾に本心を言わせるため、わざと斜軫に杖(ジョウ)刑80回を命じた。すると思った通り海瀾が慌てて斜軫をかばう。「ダメです!」「おう?なぜだ?皇宮に押し入り妄言を吐き、そなたの名声を損ねた」「ダメです!どうかご容赦ください、名声は損ねていません!」「では斜軫の求婚を受け入れるのか?」「(うんうん)」こうして斜軫と海瀾の縁談がまとまり、後日、李継遷は定難軍節度使および夏(カ)王に封じられ、義成(ギセイ)公主・耶律汀との婚姻を賜った。南朝皇帝は幼い聖宗(セイソウ)と摂政太后をみくびっていた。実は今回の北伐に将軍たちは反対していたが、威信回復を急いだ南朝皇帝が強行したという。勢いだけでまとまりのない敵軍、その勢いさえ避ければ一撃で分散させ潰せるはずだ。燕燕は幽州の軍営で指示を出し、見事に敵軍を退ける。しかし曹彬(ソウヒン)や藩美(ハンビ)という当世の英雄が兵を制御できなくなったことにいささか困惑していた。韓徳譲は勝つために君命に背くことも必要だが、今や兵は統制が利かず、兵法も解せない者がはるか彼方で操っているという。「もし南朝皇帝がこたびの敗戦で己の過ちを悔い改めなければ、その武運も尽きることでしょう」戦が終わり耶律斜軫と蕭海瀾は結婚した。そんな中、燕燕の元に烏骨里から招待状が届く。燕燕はようやく二姐が立ち直り始めたと喜び、もうすぐ二姐の誕生日だと思い出した。「必ず行くと伝えてちょうだい」一方、蜀(ショク)王府では耶律道隠(ヤリツドウイン)がまた病と偽り、引きこもった。「子や孫たちのためだ…それに王妃2人がどう出るか見ものでもある」烏骨里の誕生日の前日、冀(キ)王妃・夷蘭(イラン)が趙王府にやって来た。実は幽州へ戻る前に誕生日祝いの贈り物を持って来たという。つづく( ̄▽ ̄;)ちょっと留礼寿の肖像画が美化し過ぎじゃ…
2021.11.06
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上阳赋 The Rebel Princess第20話「忘れ去られた過去」皇都に戻った王儇(オウケン)は父と再会するも、わだかまりが解けないまま豫章(ヨショウ)王府へ帰った。すると軍営のように殺風景だった屋敷がすっかり洗礼されている。そこへ兄・王夙(オウシュク)が現れた。「哥哥っ!」王儇は少女のように兄に抱きつき、ようやく家族の暖かを実感する。「皇都の美酒を取り揃えたぞ」この簡素な屋敷を設てくれたのは風流な王夙だった。王夙は阿嫵(アーウォ)と蕭綦(ショウキ)が相思相愛という噂を耳にし、安堵していた。母のことは話したがらなかったが、王儇に問い詰められ、重い口を開く。「夫と皇帝の板挟みでつらいに決まっている」「王氏は天下を支配したわ、これ以上、何を望むの?…母亲が心配だわ」二皇子・馬子律(バシリツ)は配下が呉謙(ゴケン)の始末に失敗したと知った。しかも王栩(オウク)の手に落ちたと聞いて激怒、あの王栩なら自白させるため残酷な拷問も辞さないだろう。焦った子律は呉謙が口を割ることを恐れ、直ちに殺すよう配下に迫った。その夜、王儇はなかなか寝付けずにいた。…平穏に見える皇都に嵐が訪れようとしている…私も姑姑や母亲のように1人で立ち向かわねば…これが私の運命なのだから同じ頃、昭陽殿では今夜も皇后王氏が悪夢にうなされ、飛び起きていた。一方、病床の皇帝は薛道安(セツドウアン)を呼び続け、夜番の侍従が手に負えず金全(キンゼン)に報告する。そこで金全は薛道安なら病で仕えることができなくなったと説明し、皇帝をなだめすかして休ませた。翌朝、王儇は慈安(ジアン)寺に母を訪ねた。出迎えに出た徐(ジョ)女官は晋敏(シンビン)長公主・馬瑾若(バキンジャク)の健康に問題はないと安心させたが、王儇が嫁いでから丞相との溝が深まったという。「広い皇都にも九重の宮殿にも母亲の居場所はない…安らぎが手に入る場所はここだけなのね」王儇は母と再会した。「一緒に帰りましょう、この寺は寒くて湿気も多いわ、ここにいて欲しくない」「私には帰る家などないの、阿嫵、あなたが無事なら私はそれだけでいい」馬瑾若は誇り高い丞相の唯一の後悔が自分との婚姻だと教えた。しかし王儇は両親の夫婦の情は深いように見えたと首を傾げる。「韓(カン)氏を覚えている?」「韓氏?…聞いたことがあるわ、確か父亲の唯一の側女で、私が生まれる前に病死したとか」「いいえ、病死じゃないの」あの日、皇太后は娘の婿に愛妾がいると知り、激怒した。王藺は自分の過ちだと謝罪したが、皇太后は王藺の目の前で韓氏に毒酒を飲ませてしまう。馬瑾若は罪悪感に苛まれた。それ以来、自由奔放だった長公主の姿は影を潜め、悲劇の記憶もいつしか薄れて行ったという。しかし長子・王夙が婚期を迎えた頃だった。馬瑾若は皇族から嫁を迎えたかったが、丞相が激しく反対したという。結局、王夙が桓宓(カンヒツ)に好意を持っていたことから、2人の縁談が決まった。王儇はまだ12歳、詳しい経緯は知らなかったが、兄が自分で義姉を選んだと聞いて困惑する。それにしては兄夫婦が幸せに見えなかったからだ。実は王夙は当時、桓宓が二皇子の正室に冊立されるとは知らなかった。そこで馬瑾若は丞相に2人の縁談を反対したが、王藺が承諾してしまったという。あの日、馬瑾若は初めて丞相の本音を知った。『勝手に決めてしまっては皇家の面目が丸潰れです』『ふっ、皇家が私の顔を立てたことがあったか?…韓氏を生き返らせてくれるのなら考えを変えよう』馬瑾若は丞相が今でも皇家を恨んでいると知った。間もなく王儇が蕭綦に嫁いで1年、馬瑾若は阿嫵の誕生日を祝った後に出家すると伝えた。「止めないで、もう決めたの…さあ、帰りなさい」阿嫵は母の決意を知り、悶々としながら寺をあとにする。しかしどこかに母の出家を止めて家に帰るよう説得できる人がいるはずだとわずかな期待を抱いた。一方、桓公は蕭綦を仕留めるため、寧朔軍に食糧を届けたいと申し出た。そこで皇都を発つ前に二皇子と接触、即位の際に身にまとう上着を贈る。「地方は藩王らに蕭綦の軍を牽制させておき、皇帝の虎符と密詔さえ手に入れれば、 我々は天下を手中に収められます」呉謙が食事を届けに来た刺客に殺された。謝淵(シャエン)と徐授(ジョジュ)の件ならすでに解決済み、王藺はやはり背後に黒幕がいると気づく。王栩(オウク)は侍中・温宗慎(オンシュウシン)を疑ったが、王藺は自分が処理すると言った。「ただちに桓公と協力して食糧を調達しろ、どうも心がざわつく」尽善司に追いやられた薛道安は苦役ですっかり身体が弱っていた。すると弟子の侍従が内緒で肉の粥を差し入れに来る。そこで薛道安は玉を渡し、ひと仕事頼んだ。「ここへは戻るな…」王栩は朝廷を招集、罪人を告発した。「徐授が忽蘭(クラン)と結託し豫章王夫妻の殺害を企てました 徐授は寧朔で死して当然の罪ですが、朝廷に共謀者がまだ残っています 徐授と外敵の内通を密かに調査したところ、徐授の屋敷で1通の文を発見しました」その文の筆跡は温宗慎だった。皇太子・馬子隆(バシリュウ)は証拠の文を受け取り確認すると、まぎれもなく侍中の筆跡だと分かる。実は温侍中の墨痕には癖があり、誰かが模写しようとしても似せることは不可能だった。そこで王藺は温侍中を何日が投獄し、嫌疑なしと証明されれば王栩に謝罪させると提案する。温宗慎は思わず玉座の皇帝に視線を送ったが、皇帝はほうけたふりをして黙ったままだった。玉秀(ギョクシュウ)が王妃の身支度を整えていると、蘇錦児(ソキンジ)を呼び戻すよう命じられた。「王妃、実はお話が…」「玉秀?あなたは私と生死を共にし、錦児とは一緒に育った、考え過ぎないで、いいわね?」「…分かりました」王儇は錦児が戻ることで玉秀が自分の立場を心配しているだけだと誤解した。 皇后の使いが豫章王妃を訪ねて来た。「王妃にはあさってご入宮くださいますように…では失礼します」「待って、見かけない顔ね?」「あ、″尽善司″から昭陽殿に転属しましたので…」皇后は温侍中が収監されたと知り、牢獄を訪ねた。「私を恨んでいる?」確かに朝廷の件では丞相と皇后に不満があると認めた温宗慎だったが、過去のことなら心配いらないという。あの頃、2人は最も美しく幸せだったが、悲惨な結末を迎えた。お互い士族に生まれていなければ、今もあの幸せな日々は続いていただろうか。すると温宗慎は死ぬ前に皇后の顔を見られたのがせめてもの慰めだと言った。「悔いはありません、お引き取りを…」「いいえ、あなたを救いに来たの」その夜、皇太子妃・謝宛如(シャエンジョ)は人知れず怡慶(イケイ)酒館に錦児を呼び出した。バシッ!⊂彡☆))Д´)ァゥッ!「この役立たずめ…ギギギ…2度と子澹(シタン)の前に現れるな!」毒薬だと知らない錦児は確かに上陽(ジョウヨウ)郡主が飲んだのを見たと訴え、三皇子もなぜか郡主を忘れていないという。「薬が足りなかったのでは?もう一度だけ機会をください」宛如もまさか王儇を殺すつもりだったとは言えず、仕方なく三皇子のためだと言い聞かせて利用することにした。「豫章王府に戻り、王儇に仕えなさい」温宗慎は皇后が自分を助けると聞いてにわかに信じられなかった。かつて丞相のひと言で自分を捨てた皇后、今や決して近づくことのできない距離がある。「私を責めたいでしょうね、でも今度こそ背を向けぬ 何があろうと哥哥にあなたを傷つけさせないわ 太子につくならあなたは命拾いできる、私があなたを復職させましょう」つづく( ๑≧ꇴ≦)突然のオスマン帝国外伝w
2021.11.05
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上阳赋 The Rebel Princess第19話「父との確執」蘇錦児(ソキンジ)は猛毒とは知らず、上陽(ジョウヨウ)郡主・王儇(オウケン)のお茶に薬を混ぜた。すると厨房に玉秀(ギョクシュウ)が現れ、自分が茶菓子と一緒に運ぶと気を使う。錦児は動揺を悟られまいと玉秀に後を任せ、先に王妃の元へ戻った。錦児は王妃に三皇子・馬子澹(バシタン)の屋敷で世話になっていたと報告した。皇帝の病が悪化しているが、王妃もさぞや心配だろう。「そうね…」王儇は叔父の仕打ちを考えると、何とも答えようがなかった。そこへ玉秀が戻って来る。錦児は王妃にお茶を差し出すと、王儇は何の疑いもなく口をつけた。すると錦児は三皇子に仕える者がいないと心配する。「そうね、子澹哥哥のところへ行って…私たちが帰京したら帰って来てね」「はい、では失礼いたします…王妃、お茶をごゆっくり」そこで玉秀も王妃にそろそろ休むよう勧めて部屋を出たが、錦児の様子はどこかおかしかった。回廊を歩いていた錦児の前に突然、黒装束の刺客が現れた。「騒ぐなっ!皇太子妃の使いだ、王妃に飲ませたか?」「茶に入れ、口にするのをこの目で確認したわ…」しかし王儇は無事だった。あの時、錦児が出て行った後、玉秀はうっかり茶碗を落とし、茶をぶちまけてしまう。実は王儇が飲んだお茶は玉秀が入れ直したお茶だった。その夜、刺客は皇太子妃の命に従い、王妃を暗殺すべく寝所に潜入した。すると侍女に扮した護衛が駆けつけ失敗、慌てて逃げ出したが、宋懐恩(ソウカイオン)に阻まれ捕縛されてしまう。懐恩は刺客の覆面を取って確認したが、男は毒を飲んで自害した。「暉(キ)州は平定した、一体、誰が王妃の命を?」翌朝、王儇は帰京することになった。暉州のことは牟連(ホウレン)と夫人に任せ、すっかり元気になった恵心(ケイシン)には喪が開けたら皇都の屋敷へ来るよう告げる。すると門前には王妃を見送るため多くの民が集まり、別れを惜しんだ。皇都では王藺(オウリン)が寧朔(ネイサク)軍に潜入させた間者から音沙汰がないことをいぶかしんでいた。すると弟の王栩(オウク)が駆けつけ、どうやら間者だと勘づかれたらしいと報告する。王藺は阿嫵(アーウォ)が帰京するため新たな間者を送ることを断念、今は呉謙(ゴケン)の護送が最優先だと言った。「早急に黒幕を吐かせろ、先延ばしにすると危険だ」「お申し付けの通り徐授(ジョジュ)の屋敷を調べたところ、温宗慎(オンシュウシン)の文を発見しました」文には蕭綦(ショウキ)暗殺についての記述はなかったが、温氏と皇帝、謝淵(シャエン)が絡んでいたのは明白だった。謇寧(ケンネイ)王を追撃する寧朔軍は足止めされていた。実は北方では皇帝の病を良いことに丞相が朝廷を掌握、軍の指揮権は皇后一族にあると噂されている。謇寧王の出兵は奸臣を排除するためであり、丞相の婿である豫章(ヨショウ)王も一味だと疑われていた。そのせいで康平(コウヘイ)王たちは城門を開こうとしなかったが、靖安(セイアン)侯は通行を認めてくれたという。蕭綦は頭を悩ませた。「前には謇寧王、周辺に江南の皇族たちがいる…手を組まれたら強大な力になるな」王儇の一行は宋懐恩が先導、王妃の馬車を龐癸(ホウキ)が警護し、無事に城門へ到着した。すると子澹たちはそこで列を離れる。玉秀は初めて見る皇都の賑やかな様子に心を躍らせたが、王妃はどこか沈んでいるようだった。「母が心配なの…まずは実家に行って母に会うわ」しかし出迎えてくれたのは父だけだった。王藺は前庭に現れた阿嫵の元気な姿に安堵した。思わず両手を広げ、娘を抱きしめようとする王藺、しかしわだかまりが解けない王儇は父と距離を取り、丁重に拝礼する。すると屋敷の中にも母と兄の姿はなかった。王藺は母なら阿嫵を心配して床に伏せていたが回復し、今は慈安(ジアン)寺で静養中だと説明する。驚いた王儇はすぐ慈安寺に行こうとしたが、王藺は明日の朝にするよう命じ、せめて食事に付き合って欲しいと引き留めた。王儇は一旦はおとなしく座ったものの、結局、料理に手もつけず早々に帰ってしまう。皇宮では薛道安(セツドウアン)が皇后の薬を密かにすり替え、皇帝に飲ませていた。しかし皇后の間者である侍従・金全(キンゼン)に勘づかれ、皇后の耳に入ってしまう。激怒した皇后は薛道安が皇帝に薬を飲ませていなかったと断罪、すると驚いた皇太子・馬子隆(バシリュウ)が父の忠臣だとかばった。皇后は皇太子に免じて命だけは助けたが、尽善司に移動させてしまう。「金全、今日からお前が陛下にお仕えしなさい、薬を忘れるでないぞ、毎日飲ませるのだ」こうして皇帝は再び青雲(セイウン)道士の怪しい毒を飲まされてしまう。王儇が門を出ようとしていると、王安(オウアン)が慌てて追いかけてきた。実は王藺が季節外れの金木犀を温室で育て、娘の好物である桂花の菓子を作らせたという。「どうかお持ちになって下さい」玉秀は黙っている王妃の代わりに重箱を受け取ろうとしたが、その時、王儇が自ら手を伸ばした。王儇は帰りの馬車の中で重箱を開けた。好物の桂花の菓子をながめながら、幼い頃、父と一緒に食べた日を懐かしむ。しかし蕭綦から聞いた真実が頭をよぎり、父からの愛情を素直に受け取ることができなかった。一方、暉州で阻止された謇寧王はわざと百里ほど後退し、寧朔軍の食料を消耗させていた。また藩王の多くが蕭綦を煙たがって城門を開かず、通行できない寧朔軍は苦戦を強いられている。もはや食糧も残りわずか、蕭綦はあと3日で食糧を確保できねば撤退すると決めた。天幕を出た側近たちは寧朔軍に撤退などありえないと憤った。すると胡瑶(コヨウ)は思わず王妃と結婚したせいだと口を滑らせる。胡光烈(ココウレツ)は妹を叱責、王妃の暉州での功績を称え、例え事実でも大王の女人だと釘を刺した。豫章王府に王儇が戻った。屋敷の準備に追われていた使用人たちだったが、手を止めて整列し、主人を迎える。玉秀は皇都の屋敷を見回しながら、寧朔より千倍も立派だと感激した。すると王儇はふと上階を見上げ、婚礼の夜を思い出す。あの時、置き去りにされた腹いせに露台から冠を投げ捨てたことが遠い昔のことのようだ。つづく
2021.11.04
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第16話褚璇璣(チョセンキ)は自分が外した禹司鳳(ウシフォン)の仮面を見つけた。すると仮面は笑顔ではなく、泣き顔だと分かる。司鳳は慌てて腕を確認すると、確かにまだ青い羽根の印があった。情人呪(ジョウジンジュ)がまだ解けていないと知り動揺を隠せない司鳳、しかし璇璣に悟られまいと平静を装う。「心配するな、仮面が外せたのは事実だ、表情は重要じゃない、今はここを出る方法を考えよう」2人は璇璣が雷に襲われた大木のある場所に戻った。「司鳳、あの棒に触ったら雷が襲って来たのよ」そこで司鳳は情人呪仮面の霊力を利用し、棒に向かって剣を放つ。すると天地が雷動した。どうやら洞窟は先天八卦(センテンハッカ)に基づく結界が張られ、あの棒が陣眼らしい。司鳳は結界を破るため棒を壊そうとしたが、急に暗雲が立ち込め、天雷が司鳳に襲いかかった。司鳳は天雷に捕らわれ、動けなくなった。驚いた璇璣は司鳳を救うため、無我夢中で棒を引き抜こうとする。すると激しい天雷と凄まじい功力が璇璣を包み込み、ついに棒が抜けた。そのおかげで司鳳は深傷を負いながらも天雷から解放されたが、璇璣の様子がおかしい。『まだ改めぬ気か』『私に何の罪が?!罪はお前たちにある!定坤(テイコン)剣んんんんん!』璇璣は天界で捕らわれの身となった将軍の夢を見ていた。璇璣の身体に将軍が宿った。すると璇璣は棒を岩肌に投げつけ、ひび割れた棒に仙術を放つ。「定坤剣っ!」その時、壊れ始めた棒の中から定坤剣が現れ、暗雲を切り裂き、天雷を鎮め、再び洞窟に戻った。一方、若玉(ジャクギョク)と小銀花(ショウギンカ)も爆発音を聞いていた。恐らくそこに司鳳たちがいるに違いない。その時、天界ではついに騰蛇(トウダ)が持っている令牌が光を放っていた。「結界が破られたのか?…戦神、ついに顔が拝めるぞ」騰蛇はこれ見よがしに光り輝く令牌を門衛たちに見せつけ、ついに寝殿を出た。司鳳は意識を失った璇璣を抱き留めた。「璇璣?璇璣?!」「(はっ!)私に何が起こったの?」「まさに驚天動地だった、あの棒は神剣だったんだ」「鏡の中で将軍が剣の名を呼んでいたわ、名前は…定坤」すると定坤剣は璇璣を主人だと認識し、璇璣の命剣となった。司鳳は洞窟の結界が定坤剣を封印していたと気づいた。あの威力から見て恐らく人間界のものではない。すると璇璣は万劫八荒鏡(バンゴウハッコウキョウ)の破片を見るたびに、ある将軍の姿を見ると話した。「実はさっき剣を握った時、将軍の顔が見えたの…私と瓜二つだった」璇璣は剣を握った時の感触を手が覚えていると訴え、まるで自分が将軍になったようだったと怯える。しかし司鳳は璇璣の肩を抱きしめ、何があろうと褚璇璣であることに変わりないと安心させた。万劫八荒鏡は万物の来歴を映す神鏡、その将軍は璇璣の前世なのだろう。そこへ若玉と小銀花がやって来た。小銀花は仮面が外れた司鳳の姿に驚きを隠せないが、若玉はめでたいと喜ぶ。何も知らない璇璣は仮面が取れたことがめでたいなら、若玉にもお祝いを言うと笑った。洞窟を出た司鳳は璇璣に妖気がないか偵察して来るよう頼んだ。璇璣がその場を離れると、仮面を破損した若玉は戒律を破った罰を受けるため離沢(リタク)宮へ帰って行く。すると司鳳は小銀花に天虚(テンキョ)堂へ潜入し、万劫八荒鏡の在りかを探るよう命じた。小銀花は璇璣のためなら行かないとふてくされたが、実はまだ司鳳の腕に羽根の印があると気づいて驚愕する。「璇璣があなたを好きなら印は消えるはずよ?!」「私にも分からないが、発作は起きていない 心配するな、璇璣の六識とあの鏡には関係があるはずだ、鏡を取り戻すのは私のためでもある」「あなたを救えるのが璇璣だけなんて…チッ、分かった、行くわ」司命(シメイ)星君が人間界に降り立った。「司命が柏麟(ハクリン)帝君に拝礼いたします」「勝手に押しかけてくるとは、天界で何かあったのか?」密かに人間界に渡刧した柏麟帝君とは璇璣の師兄・昊辰(コウシン)だった。「私の著作″三界恩怨(サンカイオンエン)録″ですが、本日ついに動きがあったのです!」「動きだと?」「人間界では神力が使えないのでしたね~(´゚艸゚)おっと あの方がまたもや帝君の目を逃れ、定坤剣の封印を破りました」昊辰は司命と洞窟へ移動した。すると本当に封印が破られ、定坤剣が抜かれている。「戦神が天界でひとかどの人物になれたのも帝君の導きがあればこそ お二人が結ばれることを願っておりましたが、冷静なお二人は疎遠のまま そこで私は心を決めました、帝君と戦神を主役に″三界恩怨(サンカイオンエン)録″を書こうと ところが筆を執る前に戦神は人間界へ…」昊辰はふと千年前に思いを馳せた。劣勢を強いられた帝君は妖魔軍を迎え撃たせるため戦神を生み出し、そして戦に勝利する。その時、司命が急に昊辰を連れて姿を消した。洞窟に騰蛇が現れた。「戦神?…キョロキョロ…どこだ?遅かったか~定坤剣を見張り続け千年も待ったのに…逃げ足の速い奴め」すると天敵の青龍(セイリュウ)神君が現れ、天界に連れ戻されてしまう。騰蛇の気性を見越して禁足を命じた帝君だったが、やはり止められなかった。そしてこれまでの努力も虚しく戦神は定坤剣と再び巡り合ってしまったらしい。定坤は太古の凶剣、数々の妖魔を殺して邪気に満ちていた。…戦神の渡劫はこれが10回目だった9回も人間界での修行に失敗、今回も失敗すれば天界には戻れないだろう『修行はことごとく失敗か…なぜ乗り越えられぬのか』戦神が転生する日、帝君は妖族が戦神を探して躍起になっていると知り、このまま戦神を放置すれば魔道に落ちてしまうと危惧したそこで自ら人間界へ降りると決める司命はここまで戦神を気づかう帝君の想いに感銘を受けたが、帝君はあくまで三界のためだと言った『戦神が無事に修行を終えれば三界も安定する、私は戦神を登仙させ天界に連れ戻す』しかし天界は人間界に干渉できないため、天帝に気づかれぬよう渡厄道(トヤクドウ)を使わず落仙台から落ちなければならない司命は恐らく天地の法に阻まれ耐え難い苦痛を味わうと警告し、神力まで失えば身を守れないと反対したそれでも帝君の決意は変わらない『心に決めたことは必ず成し遂げる』…その思いは昊辰となった今でも変わっていなかった。( ๑≧ꇴ≦)イケメン師兄の正体は帝君でした!青龍は騰蛇を捕まえて天界に戻った。すると司命が何やら嬉しそうにこそこそ書き物をしている。青龍は不意を突いて取り上げると″三界恩怨録″とあった。「何が書いてあるんだ?…″騰蛇神君、雀の玲傾(レイケイ)を寵愛す? 血気盛んな騰蛇は天界でケンカ負けなしの神君、だがある出会いがその鉄の心を溶かした 青龍は風流洒脱な天界の神君、だがある時から愛と友情の板挟みに陥った 全ては朱雀族・玲傾のまなざしから始まる、その姿は清らかで麗しいこと限りなく…″」騰蛇と青龍はいぶかしんだ。玲傾とは玄火星君の弟子、朱雀君の親戚で天賦の才があり、最初の転生で翼宿(ヨクシュク)に登仙しているが、南方星殿にこもって滅多に外出しない。焦った司命は騰蛇神君が昔、助けた小雀が玲傾で、玲傾は騰蛇神君を慕っているが、青龍神君も玲傾を想っていると説明した。「2人が何かにつけてもめる理由は恋敵だからなのです!」「待った!つまり私は片想いに終わり、騰蛇に負けたと?!」喜んだ騰蛇は青龍から″三界恩怨録″を奪い返し司命に返した。「悪くない筋書きだ~どんどん書け!わははは~」ピュー!ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(´ ◔౪◔)┘その頃、司鳳と璇璣は浮玉島へ向かうため船着場にいた。すると浮玉島から追放された弟子たちの姿を見かける。司鳳と璇璣は弟子たちを見送りに来ていた2人の弟子に挨拶し、島主に会いたいと頼んだ。「浮玉島の翩翩(ヘンヘン)と玉寧(ギョクネイ)だ、島へは私たちが案内しよう」昊辰は久しぶりに届いた璇璣からの伝音符を読んだ。φ(。_。*)カキカキ…司鳳と仲直りしました、ヤッター!これからは一緒に修行します司鳳は腕が立つし、知識も豊富なので何度も助けられました、もう心配はいりませんあ、玲瓏と六師兄も仲直りしました、2人は愛し合っていたんです、私ったら鈍感で~でも司鳳のおかげで気がつくことができました、司鳳は優秀だし頼りになりますここから本題です、軒轅(ケンエン)派が天虚堂の手に落ち天機珠(テンキシュ)を預かりました私たちも襲われ皆、離れ離れになり、私と司鳳は浮玉島に来ています…浮玉島に到着した司鳳と璇璣は早速、島主・東方清奇(トウホウセイキ)に事情を説明した。そこで璇璣は島主に天機珠を預け、天虚堂が霊匙(レイシ)を奪って魔煞(マサツ)星を復活させるつもりだと警告する。しかし島主は天虚堂など敵ではないと大口を叩き、返り討ちにしてやると息巻いた。「すぐ剣網(ケンモウ)を張れ!」驚いた璇璣は玲瓏たちを探しに行きたいと訴えたが、島主は急に怒り出し取り付く島もない。かと思えば急に優しくなり、島主は疲れていると言い訳して2人を下げた。玉寧は璇璣と司鳳を居所に案内した。しかし師父が弟子たちを追放してしまい、部屋はほとんど空いている。「好きな部屋を使っていいわ、師父はいつもはあんな人じゃないのよ」司鳳は島主に何か変わったことがあったか聞いた。すると玉寧は師父なら半年間も島を離れたことがないと答え、修練以外は夫人と草木の手入れをしているという。「夫人は子桐(シトウ)山の出身で、師父が…(はっ!)剣網だわ」玉寧は島を出るときは必ず師匠に許可を取らないと危険だと教え、帰って行った。璇璣は島主の様子が確かにおかしかったと首を傾げた。すると司鳳は島主に蠱毒(コドク)と良く似た症状が出ていたと教える。「腕に赤い発疹があり、身体から甘い香りがしていた…今夜の宴で確かめてみよう」その夜、東方は倚玉(イギョク)堂に璇璣と司鳳を招き、百花清露酒(ヒャッカセイロシュ)を振る舞った。司鳳はお返しに離沢宮の酒を献上、喜んだ東方は早速、味見してみたが、水のようで味がしないと言いながら腕をかきむしり始める。そこへ遅れて東方夫人・清榕(セイヨウ)がやって来た。清榕は東方から離沢宮の酒を勧められ、一口飲んでみる。「淡麗だけど香りが別格ね~」つづく
2021.11.03
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第15話褚璇璣(チョセンヂー)たちは霊石(レイセキ)を連れて浮玉(フギョク)島へ向かうことにした。すると千年狐妖・紫狐(シコ)が璇璣が持っている天機珠(テンキシュ)を自分に渡せと迫る。璇璣は当然、拒んだが、禹司鳳(ウシフォン)は霊匙を渡してもいいと言い出した。ただし鐘離(ショウリ)山にある万劫八荒鏡(バンゴウハッコウキョウ)と引き換えだという。紫狐は鏡など聞いたこともないとしらばくれたが、そこへ緒玲瓏(チョレイロウ)と小銀花(ショウギンカ)が現れた。「嘘つき!迷宮陣で鏡を見たわよ!」「だから何よ!霊匙も鏡も必要なのよ!」しかしそこに天虚堂(テンキョドウ)が現れ、璇璣たちを襲撃した。紫狐は璇璣に今こそ三昧真火(サンマイシンカ)で反撃しろと叫んだ。しかし璇璣はもう使えないという。「なまかじりなの?チッ!」その時、万劫八荒鏡をくわえた瞿如鳥(クジョウチョウ)が空を飛んで行くのが見えた。急いで追いかけた紫狐は術を放って鏡を割り、破片を手にする。すると後を追って来た璇璣も落ちて来た破片を手に入れ、今度は色覚が戻った。霊匙を奪うため皆の大嫌いな烏童(ウドウ)が配下と合流した。死んだと思っていた烏童の姿に霊石も玲瓏も呆然、しかも魔族に身を落とすとは情けない。しかし烏童は妖魔だけが安息の地をくれたと言い返した。「この烏童、やられたら必ず千倍にして返す男だ!軒轅(ケンエン)派の轍を踏みたくなくば霊匙を渡せ!」軒轅派と聞いた霊石は驚愕し烏童に迫った。「烏童、まさか軒轅派を全員…」「見届けられなくて残念だったな、弟子たちには丹薬と引き換えに掌門を1回斬れと言ったよ 弟子たちは薬ほしさに全力で斬りつけたぞ?ふん」すると烏童は必ず修仙門派への恨みを晴らすと宣戦布告、配下に1人残らず捕らえろと命じた。再び激しい戦いが始まった。すると軒轅派の凋落を知った霊石が急に璇璣たちに逃げるよう告げる。「霊匙を守ってくれ!」霊石は全ての功力を集めて自爆、天虚堂を道連れにした。紫狐は咄嗟に亭奴(テイド)を連れて仙術で姿を消したが、璇璣と司鳳は凄まじい力に弾き飛ばされ崖から転落、湖へ落ちてしまう。意識を失い湖底へ沈んでいく璇璣、その時、またあの将軍の夢を見た。夢の中の将軍は捕らわれの身となり、必死に定坤(テイコン)剣を呼んでいる。すると璇璣の身体にまた将軍の力が宿った。璇璣と司鳳は見知らぬ洞窟に打ち上げられた。意識が戻った璇璣は司鳳を見つけたが、仮面から流れる血を見て動揺し、また司鳳の仮面を外してしまう。璇璣はちょうど休める場所を見つけ、司鳳を何とか移動させた。焚き火で暖をとりながら介抱する璇璣、すると司鳳が目を覚まし、ちょうど胸の傷に薬を塗ろうとしている璇璣に気づいて困惑する。「璇璣…傷の他に何か見なかったか?」司鳳は羽根の印を見られたかもしれないと焦ったが、どうやら璇璣は気づいていなかった。安堵した司鳳はむやみに男の衣服をはぐなと叱り、娘なら慎めという。「助けは要らぬ、自分でやるよ」しかし急にめまいを起こして立ち上がれず、司鳳は思わず頭を抱えた。(Ŏ艸Ŏ)はっ!かっ仮面が…な…い?!「仮面はどこに?!」「あなたの顔から血が流れていて…大怪我だと思って外しちゃって…」「君が…外した?」「アイヤー!私ったら離沢(リタク)宮の掟を忘れてた!」璇璣は慌てて仮面を取りに戻ろうとしたが、突然、司鳳が抱きしめた。司鳳は璇璣が仮面を外したと知り、涙が出るほど感激した。まさかこの日がこんなに早く来ようとは…。璇璣には訳が分からなかったが、司鳳の話では仮面を外せるのは相手を心から想う者だけだという。「外せば仮面は笑顔になる、外せなければ泣き顔になって…いや、やめよう 確かなことは君が外したってこと…つまり、私と君の想いは一緒なんだ ここを出たら離沢(リタク)宮に行こう、師父に事の次第を詳しく話すよ」「でも師父はまたあなたに罰を与えないかしら?」「どうあろうとありのまま話す、それでこそ君の想いに報いることができるんだ そうしたら永遠に一緒だ」「司鳳と永遠に一緒なのね」司鳳は璇璣の言葉に感極まり、口づけしようと顔を近づけた。すると璇璣がその前に司鳳の頬に口づけしてしまう。「司鳳?…顔が赤くなったわ?!ふふふっ」「やめろよ~って(はっ!)璇璣!色が分かるのか?!」「(*゚▽゚)*。_。)ウン!」( ๑≧ꇴ≦)しふぉんwwwこっちまで何だかニヤニヤしちゃうわwww一方、一緒に吹き飛ばされた若玉(ジャクギョク)と小銀花もようやく目を覚ました。若玉も衝撃で仮面が外れ、そのせいで仮面が真っ二つに割れてしまう。その頃、天虚堂に追われた玲瓏と鐘敏言(ショウビンゲン)は狐妖の宮殿に逃げ込んでいた。玲瓏は伝音鈴ではぐれた璇璣を探すと、璇璣から応答がある。「司鳳と水に流されてどこだか分からないの、私たちに構わず下山して」すると司鳳もむやみに探すとかえって危険だと話し、先に浮玉島へ行くよう頼んだ。しかし玲瓏と鐘敏言の前に烏童たちが現れる。伝音鈴での会話を盗み聞きしていた烏童は霊匙を持っているのが璇璣だと分かった。「山じゅう探しても見つからず山頂にいると踏んだが、思った通りだ、捕らえろ!」玲瓏と鐘敏言は2人だけで天虚堂に挑んだ。すると烏童が隙を見て玲瓏を捕らえ、姿を消してしまう。鐘敏言は慌てて宮殿を飛び出したが2人を見失い、後を追って来た天虚堂に包囲された。追い詰められた鐘敏言は応戦するも多勢に無勢、深傷を負って崖から転落してしまう。その頃、璇璣は食料を求めて洞窟の中を散策していた。やがて木の実を見つけて術を放ったが、結界があるのか仙術が使えず、外へも出られない。仕方なく自分の手で木の実を取ろうとするも届かず、ちょうど大木のすぐ近くに刺さっている棒を使おうと考えた。しかし璇璣がその棒をつかんだ途端、天雷がとどろき、棒に直撃する。ちょうど同じ頃、天界では四聖獣(シセイジュウ)が各界の近況報告のため帝君を訪ねていた。すると司命(シメイ)星君が対応に現れ、柏麟(ハクリン)帝君が不在のため自分が預かっておくという。「ん?なんだ?」「…また騰蛇(トウダ)か、相変わらずだな」その音は騰蛇神君の寝殿から聞こえた。帝君は騰蛇が勝手に下界へ降りないよう寝殿に閉じ込めていた。しかし令牌が光を放つのを見た騰蛇は居ても立ってもいられず、結界に挑んでは跳ね返されてしまう。「戦神が定坤剣を人間界に落とし、剣の気を鎮めるため帝君がこの令牌に封印して私に授けたのだ! 令牌が光ったのだ!行って確かめねばなら…あれ?」騰蛇は門衛に交渉してみたが、令牌の光はもう消えていた。「ヤレヤレ…青龍(セイリュウ)神君を呼びますよ?」「青龍なんか恐くないんだからなっ!…まあ~今日はこの辺で許してやる」門衛にあしらわれあきらめた騰蛇、すると再び令牌が光ったが、一瞬で消えてしまう。璇璣は雷の衝撃で落下した果実を集め、慌てて戻った。「雷が襲って来たの」「雷はなぜ君を標的に?」「分からないけど、ここは結界の中なのかも?鳥も入れないし私たちも出られない」すると司鳳は湖底から押し出されたのなら、逆にさかのぼってみようと安心させた。その夜、司鳳は居眠りしている璇璣に上掛けをかけ、隣に座った。すると璇璣は司鳳の肩に頭を乗せ、寝ぼけながら司鳳を上掛けの中に入れる。「君は四六時中、私を試す、私も聖人ではないのだぞ? ←( ๑≧ꇴ≦)しふぉんw 君が仮面を外してくれてどんなに嬉しいか…これ以上は耐えられない」「分かってるわ…ムニャムニャ…」←何も分かってないw一方、捕らわれの身となった玲瓏は烏童に伝音鈴を奪われた。「お前はこれで璇璣に連絡を?…使い方は?璇璣に霊匙を渡せと言え」玲瓏はおとなしく鈴を受け取ったが、いきなり地面に叩きつけた。激怒した烏童は玲瓏の首をつかみ、玲瓏に頼らずとも霊匙を手に入れることなどできると迫る。「遊んでやっているだけだ、逆らう姿が面白い」その頃、崖から落ちた鐘敏言は偶然、山にいた猟師に発見されていた。翌朝、璇璣と司鳳は出口を探すことにした。そこで洞窟に到達した場所から脱出しようとしたが、もはや湖まで結界が敷かれ水に入れなくなっている。すると司鳳は霊気がこもっている仮面が結界を破る助けになると気づいた。璇璣はすぐ仮面を見つけたが…。つづく※洞窟の司鳳の口に血がついていたので吐血した?w
2021.11.02
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第14話民が拝んでいた高仙姑(コウセンコ)とは千年狐妖(コヨウ)の紫狐(シコ)だった。紫狐は禹司鳳(ウシフォン)たちに妖術を放って動きを封じたが、六識が欠けている褚璇璣(チョセンヂー)だけは難を逃れる。そこで璇璣は不意をついて千離傘(センリガサ)で攻撃した。しかし狐妖は紫の煙と化して回避、逆に反撃された璇璣は男装した女だと見抜かれ、寝殿から追い出されてしまう。一方、緒玲瓏(チョレイロウ)と陸嫣然(リクエンゼン)こと小銀花(ショウギンカ)は高仙姑の屋敷を見つけられずにいた。そこで玲瓏は璇璣からもらった伝令鈴を鳴らしてみる。「(リンリン〜)璇璣?」「玲瓏!司鳳たちが捕まった!高仙姑は千年狐妖だったの、人の精気を吸って生きてる 今は司鳳たちと引き離されたけど安心して、必ず助ける!…居場所? どこか分からない、狐妖の宮殿は2つの山の間にあるみたい、近くに小川が流れてた!」玲瓏たちは小川を発見、すぐに行くと伝えて先を急いだ。締め出された璇璣は他に入り口がないか探していた。するとなぜか鎖に縛られた猿の石像を見つける。そこで鎖を切ってみると、隠し扉が開いた。一方、動きを封じられた司鳳たちは寝台に寝かされ、紫狐のなすがままになってしまう。「あら、まさかこれ情人呪仮面?」さすがは千年も生きているだけあって紫狐は物知りらしい。「千歳の老妖のくせに乙女を装うとは厚かましい…」司鳳に挑発された紫狐は憤慨し、3人に想い人の幻覚を見せる。すると狐妖の姿が司鳳には璇璣、鐘敏言(ショウビンゲン)には玲瓏、若玉(ジャクギョク)には小銀花に見えた。璇璣は隠し扉の中へ入った。すると洞窟の奥に泉があり、そこで思いがけず鮫人(コウジン)の亭奴(テイド)と再会する。璇璣は狐妖が亭奴の精気も吸おうとしていると心配したが、亭奴は否定した。実は紫狐は千年前の天界の出来事を調べているという。亭奴はかつて天界の医官だったが訳あって下界に落とされていた。「紫狐は天界にいた私から事情を聞き出そうとした、だが身分の低い私に内情など分からない しかし紫狐は私を疑って閉じ込めたんだ」「あなた、神仙だったのね」亭奴の話では今の紫狐の姿は実体ではないという。そこで2人で一緒に探しに行くことになった。亭奴たち鮫人は攻撃ができないため紫狐の張った結界を敗れなかったが、璇璣がいれば洞窟から脱出できるという。璇璣は車椅子に亭奴を乗せ、回廊へ出た。そこで亭奴が小さな貝を吹くと、ふいに狐の石像がせり上がり、その下から狐が現れる。亭奴は鮫人一族の霊術で紫狐と璇璣をつなげると説明し、まず仲間たちの身の安全を約束させるよう勧めた。紫狐はちょうど司鳳に璇璣の幻覚を見せて誘惑していた。その時、突然、璇璣の声が聞こえる。「誰だ?!私の実体を誰が?…(はっ!)こしゃくな娘め!」紫狐は慌てて煙となって消えた。狐妖がいなくなると司鳳たちの妖術も解けた。3人は狐妖に迫られたことは秘密にしようと約束、部屋から逃げ出す。しかし出口は見つからず、同じ場所をぐるぐる回っているだけだった。どうやら狐妖の幻術に惑わされているらしい。司鳳は狐妖の肖像画が陣の要である陣眼だと気づき、術をかけて出口を見つけた。亭奴は璇璣が紫狐と交渉できなかったと知り、すぐ逃げるよう促した。「千年狐妖に凡庸な仙術では勝てない!手遅れになるぞ!」「だめよ!司鳳たちを助けるためにどちらかが死ぬまで戦う!」「璇璣?殺さねば気が済まぬのか?!…紫狐は誰も殺していない、命まで奪う必要ないだろう?!」その時、実体に戻った紫狐が姿を現した。「あははは~あなたが敵を討つとでも?そうよ、あの仮面をつけた男も殺してやったわ 最後まであなたの名を呼んでいたわよ~あ、そうそう、あの男の精気は吸い尽くしたわ」すると紫狐は璇璣に非業の死を遂げる3人の幻影を見せた。「ふん、無力な小娘のくせに~命が惜しくば出てお行き!」「…はお、死ぬがいい」激情に駆られた璇璣は我を失い、再び凄まじい力を発揮してしまう。紫狐は変貌した璇璣に驚き、慌てて逃げ出した。しかし璇璣の三昧真火(サンマイシンカ)が直撃、倒れてしまう。璇璣は止めを刺すべく近づいたが、その時、駆けつけた司鳳が璇璣の腕をつかんだ。「璇璣!この術は危険だ」すると司鳳の声で璇璣はふと我に返った。一方、玲瓏と小銀花はまだ山の中をさまよっていた。すると2人は洞窟から逃げ出す狐たちを見つける。「高仙姑は狐妖だからきっと弟子たちだわ」司鳳たちは亭奴を見て4年前の鮫人だと分かった。亭奴の話では紫狐は確かに血を吸っていたが、新郎たちの命に危険が及ぶことはしていないという。実は紫狐は想い人の無支祁(ブシキ)を救って神器・均天策海(キンテンサクカイ)を守るため、やむなく精気と血を吸っていたというのだ。「あの人が捕まってもう千年になるわ…でも無実なの! 騙されて魔域左使(マイキサシ)となり、巻き添えで捕らえられたのよ」紫狐はこの山で天界から谷底へつながる巨大な定海鉄索(テイカイテッサク)を見張っていた。定海鉄索は4つの山の気で作られた4本の鎖のことで、この鎖も無支祁がいる焚奴城の最下層へ伸びているという。鎖はどんな鋭利な武器でも断ち切ることができず、ある鍵で固定されていた。実はその鍵こそ人間界の四大門派が持っている霊匙(レイシ)だという。数千年前、天界は各修仙門派に″霊匙を神器に保管し守れ″と命じていた。紫狐は点睛(テンセイ)谷の七星盤(シチセイバン)、軒轅(ケンエン)派の天機珠(テンキシュ)、浮玉(フギョク)島の蛟月刃(コウゲツジン)、離沢(リタク)宮の飛龍印(ヒリュウイン)、4つを集めて鎖を解き、愛しい人を解放したいという。「でも私だけじゃなく、天虚堂(テンキョドウ)も霊匙を狙っているわ」すると璇璣は亭奴も4年前に天虚堂に追われていたことを思い出した。亭奴は当時、定海鉄索を解く方法を詰問され、やむなく霊匙の存在を漏らしてしまったという。その話を聞いた司鳳は軒轅派へ行った時のことを思い出し、ふと璇璣の腕輪を見た。天虚堂も無支祁を解放するため霊匙を探していた。紫狐の話では無支祁に魔煞(マサツ)星の復活を手伝わせるつもりだという。魔煞星とは修羅(シュラ)族最強の者で天地をも覆す力を持っていた。千年前の大戦では妖魔軍の大将を務め、天界の大軍を破って神々を天門まで追い詰めたという。結局、魔煞星は戦神に倒され妖魔界は没落したが、未だ魔煞星の心魂は滅んでいないと噂されていた。何でも魔煞星の元神もすでに転生しているらしい。そのため不満を抱く妖族が天虚堂に集結し、魔煞星の復活と三界転覆を企んでいた。司鳳は五大門派が予想する以上に危険な状態だと知った。驚いた璇璣はすぐ父に警告しようと決めたが、紫狐は手遅れだという。「天虚堂の手先は各門派に潜入済みよ?今さら見つけても遅いわ、先手を打たれたのよ」一方、玲瓏と小銀花はついに狐妖の宮殿を見つけた。しかし狐妖の陣に惑わされ、同じ場所をぐるぐる回ってしまう。やがて2人は狐妖の肖像画を見つけた。危うく小銀花が絵の中に吸い込まれそうになったが、玲瓏が何とか引っ張り出して難を逃れる。すると玲瓏が肖像画の前に座布団があるのは拝跪させるためだと気づいた。そこで無理やり小銀花をひざまずかせてみると、絵の中に鏡の破片が現れる。「万刧…八荒…あ!これは璇璣が探している鏡ね?!」玲瓏は早速、取り出そうとしたが、鏡ははずれなかった。行方不明になった奉仕役の新郎たちは皆、天極(テンキョク)閣にいた。すると紫狐の姿を見つけた新郎たちは修練を中断し、仙女が来たと嬉しそうに走って来る。璇璣は新郎たちに鐘離(ショウリ)城に帰れると言ったが、新郎たちはここに残りたいと訴えた。仕方なく紫狐は修行を終えて天界に戻ることになったと嘘をつき、新郎たちを解放することにする。「また縁が合ったら会いましょう」璇璣たちは自分たちが思っているほど紫狐が悪者ではないと知った。その時、新郎が霊石(レイセキ)を連行して来る。「仙女様!逃げようとしていました!」司鳳は霊石を軒轅派に引き渡すと決めた。しかし紫狐は霊匙の在りかを聞き出すため、どうしても渡せないと邪魔する。その時、霊石が璇璣の腕輪に気づき、なぜ天機珠を持っているのかと驚いた。司鳳の話では掌門が贈り物を託すと言って密かに璇璣に渡したという。霊石は霊匙を守れたと知って胸を撫でおろし、過去の威風を取り戻そうとして妖魔の罠にはまってしまったと白状した。天虚堂から手に入れた功力を増す坤陰丹(コンインタン)は飲み続けなければ死ぬ毒薬だった。霊石は丹薬と引き換えに霊匙を渡せと迫られ、やむなく密かに坤陰丹の錬成方法を探し始めたという。やがて祝余(シュクヨ)草と血果があれば坤陰丹を作れると分かり、妖霊を使って血果を作っていた。「それでは妖魔と同じだわ、道を外れた行いよ」璇璣は無辜の民を犠牲にした霊石を非難した。憤慨した霊石は次は他の門派の番だと開き直ったが、急に激しく血を吐いてしまう。司鳳はともかく一刻も早く浮玉島へ向かおうと決めた。そして軒轅派の危機を知らせ、各門派に救援を頼むしかない。「間に合うと良いが…」つづく
2021.11.01
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