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三千鸦杀 Love of Thousand Years第17話「公子斉の正体」鳳眠(ホウミン)山にある公子斉(コウシセイ)の山荘を探りに来た覃川(タンセン)。そこで偶然にも復讐の相手である天原(テンゲン)国太子・靂渊(レキエン)を見かけた。するとなぜかお供に左紫辰(サシシン)がいる。一体、なぜ2人が一緒にいるのだろうか。その時、公子斉こと傅九雲(フキュウウン)は休憩に入り、昼寝しようとしていた。しかし強い妖気を感じ、眠るどころではない。すると書童・三児(サンジ)が慌てて皇太子が来ると伝えにやって来た。「来たのなら会ってやるか…」公子斉は皇太子の来訪を光栄だと喜んだ。靂渊はそれとなく探りを入れたが、公子斉は香取(コウシュ)山に行ったことはないという。実は住まいも持たず風来坊で、絵を描くだけで大した仙術も使えないと言うのだ。そこで靂渊は旧友と良く似ていると話し、公子斉に仮面を取って欲しいと頼む。凄まれた公子斉は仕方なく素顔を見せたが、靂渊は友人と似ても似つかぬ顔に落胆した。しかし仮面を外した途端になぜ髭が生えたのか。すると公子斉は簡単な仙術で変装できると教えた。「間違いないと思ったのだが…詫びの印に皋都(コウト)の広い屋敷に越して来るといい」「それなら明日にでも」靂渊はそこで席を立つと、花創(カソウ)大会にも賓客として招くと約束して引き上げた。思いがけず次の標的と出くわした覃川。そこで竹林の陰から馬車に乗り込もうとする靂渊に狙いを定め、仙弓を引いた。しかし突然、三児が現れ、邪魔されてしまう。「小姐姐?あなたも絵を描いてもらうの?」「違うわ、薬草を採りに来たの」するとその間に靂渊を乗せた馬車が行ってしまう。三児に化けていた九雲は屋敷に入ると元の姿に戻った。九雲の代わりに公子斉に成りすましていた眉山(ビザン)君は皇太子から都に来るよう誘われ、花創大会にも招かれたと報告する。「狙い通りか?分かっているぞ?覃川を探すのが目的だろう?」眉山は靂渊を狙う覃川にとって花創大会こそ絶好の好機、この絵も覃川を引き寄せるためだと承知していた。図星だった九雲だったが、照れ隠しに否定し、覃川がどうなろうと関係ないと強がる。ただ皇太子の妖気は確かに自分の体内の2つの力と同じものだった。まさか妖王は靂渊の背後にいるのだろうか。驚いた眉山は自分の未熟な封印術では効果が一時的だと焦り、用心するよう警告した。靂渊は公子斉が傅九雲でもなければ、自分と戦った相手でもなかったと国師に報告した。また紫辰は自分に従ってはいるが、相変わらず堅物でつまらない男だと鼻で笑う。しかし国師は紫辰が詹事(センジ)になったのは香取山と傅九雲に関係があると疑った。「つまり父親を殺したのが傅九雲だと?」「違う、傅九雲は左相国(サショウコク)に恨みはない、刺客は傅九雲から霊灯を奪った者だ」国師は次に狙われるのは靂渊だと断言、この刺客を利用して傅九雲を誘き出せと指示した。皇太子が秋華(シュウカ)夫人と玄珠(ゲンシュ)のため、李(リ)侍郎の隣に屋敷を準備した。紫辰から話を聞いてすっかり舞い上がる秋華夫人、そんな母を横目に玄珠は靂渊の言いなりになる紫辰を痛烈に非難する。「あなたの学問は太子のために美人を見繕うためのもの?」しかし紫辰は何も答えず、疲れたと言って部屋に帰ってしまう。翌日、紫辰は皇太子に謁見し、花創大会の準備が整ったと報告した。万花楼(バンカロウ)には礼部が選んだ22名の美女が揃い、異国の娘には李管事が天原の礼儀を教えているという。「殿下にお伺いしたいことが…花創大会は他国との国交を結ぶためですか? それとも本当に太子妃をお選びになると?」「太子妃は身分が高く、容貌も美しくなければならぬ…玄珠はどうだ?」「出身も容貌も問題ありませんが、驪国は滅んだので少し不吉かと…」「不吉か…故国に対してずい分と冷静だな」紫辰は詹事として進言したと釈明し、最終的に皇太子妃を選ぶのは皇太子自身だと言った。すると靂渊は紫辰が父の暗殺の件をひと月余りも調べさせておきながら、なぜ手がかりをつかめないのかと訝しむ。驚いた紫辰はひざまずき、知っていたら落ち着いていられるはずがないと訴えた。「私が傲慢で妖神を拝まなかったため、父とは不仲でした ですから父の遺志を継ぎ、殿下のため妖神に忠誠を尽くします! これが父にできる最後の孝行です!」「その心意気に安心した」実は靂渊は左相国を殺した刺客が花創大会で事を起こすことを懸念しているという。しかし紫辰は必ず自分が皇太子を守ると誓った。町中の娘たちの憧れの的、公子斉が都に現れ、大街は大騒ぎになった。燕燕(エンエン)飯店の老板娘と郭(カク)大婶も御多分にもれず、公子斉から署名をもらおうと覃川を道連れに群衆に突撃する。覃川は人混みにもまれながら、この仮面の仙人があの時の公子斉なのかと思うと、署名をもらうことも忘れて見惚れていた。覃川は万花楼へ出前を届けにやって来た。そこで公子斉の山荘で見かけた西域の娘を見つける。覃川は娘の部屋を訪ねると、特別に西域の料理を差し入れした。「絶対に頑張ってね!一番きれいだもの、たくさん食べて私みたいに太ってね!」「え?」「ぁ…その~太子はふくよかな人が好みなの」胡姫(コキ)は思わぬ情報を手に入れ、感謝した。覃川が燕燕飯店に戻ると、老板娘と郭大婶がなぜか得意料理を作れと言い出した。そこで覃川は久しぶりに九雲が好きだった甘酢炒めを作ったが、2人が公子斉に持って行けという。今や町中の娘たちが競って料理を差し入れており、郭大婶もこっそり届けに行ったが、若くないと追い返されていた。公子斉の滞在先である太尉府の前には岡持ちを持った娘たちが集まっていた。すると家職が現れ、銀1銭を納めた者から料理を受け取ると告げる。娘たちはこぞって銭を払おうと家職に群がったが、覃川は呆れてその場を離れた。「老天爺、食べ物を無駄にはしません、公子斉とは縁がないので私が頂きます~ふふふ」覃川は人けのない裏門の石段に腰掛け、自分の料理を頬張った。その時、騒ぎからこっそり抜け出そうとした公子斉が現れる。「いいのか?届けずに盗み食いして…お?甘酢炒めか?!私の好物だ」「…あなたも?」「ふっ、他にもいるのか?」覃川は九雲が美味しそうに甘酢炒めを食べていた姿を思い出し、小さくうなずいた。「それを頂こう、中へ」公子斉は覃川の料理を嬉しそうに食べた。そこへ張(チョウ)太尉が押しかけた娘たちのことでやって来る。しかし覃川に気づき、すでに料理を作る美女がいたのかと笑った。「彼女は…″最愛の侍女″です、長年、仕えているので私の好みを知っています」その言葉で覃川はようやく公子斉が傅九雲だと気づいた。張太尉は賓客の世話をする侍女がいると知って安堵し、帰って行った。事実に気づいた覃川は慌てて帰ろうとしたが、公子斉が引き止める。「…傅九雲」「ふっ、そなたときたら…」九雲は仮面を外すと、最初は白虎に襲わせ、次は眠り薬で置いてきぼりかとこぼした。「驪国で私をからかったのもあなただったのね?」「…そうさ、私の曲を書き換えても許されるのは1人だけ、公主殿下」九雲は覃川が都にいることも、鳳眠山に来たこともすべて知っていた。次は恐らく異色の瞳とかつらで変装し、西域の舞の代わりに驪国の舞でも披露するつもりなのだろう。九雲は覃川の浅知恵をあっさり見抜いたが、ここに来た目的は覃川でも霊灯でもないと否定、自分たちは無関係だと突き放した。「ならなぜ来たの?…ああ~目的は美女ね?」「もちろんそなただ…そなたの力でどんな騒ぎを起こせるのか見てみたい 力尽きて底知れぬ深淵に落ちる時、″九雲大人(ダーレン)助けて″と言うか?」「残念だったわね!たとえ深淵に落ちても自分で生きて行ける!今日の話を覚えておいて」九雲に挑発された覃川は憤慨して帰って行った。復讐に駆られた覃川にはまだ九雲の本音まで見抜く余裕はないのだろう。「傅九雲も公子斉もただの名前だ…前回はそばにいられなかった、今度はそなたを放さない」♪~からの周深メンターの歌wするとその夜、覃川は大切に持っていた紙人形を燃やした。それから3日後、花創大会の当日の朝、身支度を整えた胡姫は片方の耳飾りを失くして探していた。その時、突然、差し入れを届けてくれた娘が現れる。その娘は探していた耳飾りを持っていた。「ありがとう!」胡姫は耳飾りを受け取って予行演習に向かおうとしたが、突然、後ろから手刀で打たれ、卒倒してしまう。陽が暮れるといよいよ花創大会が始まった。皇太子の隣で仕える玄珠を見ながら複雑な心境の紫辰、その時、遅れて第二皇子・亭渊(テイエン)が到着する。紫辰と玄珠は亭渊があの二萌(ジホウ)だと気づいて内心、驚いたが、決して顔には出さなかった。つづく(  ̄꒳ ̄)あの~白公子はどこへ?w
2021.04.30
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三千鸦杀 Love of Thousand Years第16話「復讐の第一歩」朝廷から礼部の李(リ)侍郎が左府にやって来た。今日は紫竹林(シチクリン)で詩人を招いた春の歌会がある。左相国(サショウコク)は李侍郎も是非にと招待していると、ちょうど左紫辰(サシシン)が挨拶に現れた。李侍郎は立派な青年だと褒め、″献天寿令(ケンテンジュレイ)″を書くだけのことはあると感心する。「李大人(ダーレン)、ぜひ息子を国のために使ってください、李大人が頼りです」「妖魔の国のためにですか?…妖魔がいれば私など不要でしょう?」紫辰は自分を勝手に仕官させようとする父を非難したが、左相国は笑ってごまかした。「李大人、息子は仙山から帰ったばかりで、不思議な体験をしたせいか、このような戯言を…」「わははは~面白いことを言う御子息ですな~」李侍郎は問題にしなかったが、憤慨した紫辰は歌会を辞退しようと決めた。しかしそこへ秋華(シュゥカ)夫人が現れる。左相国は李侍郎に驪(リ)国皇后の妹だと紹介、すると秋華夫人は娘が舞の準備をしていると話した。「紫辰の伴奏がなければ娘は1人で踊る羽目になるわ~ふふふ」紫辰は嫌々ながらも玄珠(ゲンシュ)のために歌会で琴を弾いた。李侍郎は美しい玄珠に目を奪われ、左相国に宴の後には″人″も味わいという。しかしそんな2人の話を耳にした紫辰はほとほと嫌気が差し、舞が終わった途端に席を立って出て行ってしまう。その頃、復讐を誓った覃川(タンセン)は人知れず林を駆け抜けていた。桃小令(トウショウレイ)の話では左相国が今日、紫竹林で宴を開いているという。やがて覃川は竹林に響く話し声に気づき、その声を頼りに進んだ。「天原国は屈強な国となった、ここに妖兵をもって敵を殲滅(センメツ)したと宣言する…」宴ではちょうど左相国が杯を手に立ち上がり、乾杯しようとしている。覃川は惨殺された民たちの無念を思いながらゆっくり仙弓を引き、憎き左相国の心臓に狙いを定めた。紫辰は馬を駆けていたが、ふと胸騒ぎがして引き返した。するとすでに招待客たちが逃げ出した宴で息絶えた父の姿を発見する。「父亲(フーチン)…しっかりしてください…父亲っ!」その時、父の身体からふっと霊気が抜け出し、飛んで行ってしまう。やがて左相国の魂は覃川が掲げていた霊灯に吸い込まれて行った。「これで1人目…霊灯は世界の苦難の受け皿、驪国を裏切り、滅した者の償いの場よ…」一方、静養していた傅九雲(フキュウウン)は急にあることに気づいた。覃川がもし復讐を遂げても霊灯をともせるとは限らない。「それを決められるのはつまり?…おいっ!どこへ行く?!九雲!」眉山(ビザン)君は霊力を抑えるなら半年休めと叫んだが、九雲は飛び出して行った。「心配なら一緒に来いよ!」紫辰は父の葬儀を済ませた。左相国の死を目の当たりにした紫辰は父と和解できなかったことを深く後悔し、遺志に従って皇太子に仕えようと決意する。そして事件からひと月、中元節が近くなる頃、紫辰はついに参内した。秋華夫人は中元節の準備のため街へ出かけた。しかし倹約するどころか左府の付けで贅沢ざんまい、玄珠は頭が痛い。すると急に店の外が騒がしくなった。何事かと思えば、久しぶりに都へ戻って来た第二皇子の行列がやって来る。その時、玄珠は偶然、窓から顔を出した第二皇子を見て困惑した。「どこかで会ったことが…」その頃、覃川は料理の腕を活かし、都の燕燕(エンエン)飯店で料理長として働いていた。街では近づく花創(カソウ)大会を前に皇太子の花嫁候補となるべく娘たちが奔走している。その日、覃川は花創大会の会場となる万花楼(マンカロウ)へ出前を届けにやって来た。そこで顔見知りの老板に差し入れを渡して機嫌を取り、こっそり会場を盗み見る。次の標的は皇太子・靂渊(レキエン)だ。紫辰は東宮詹事(センジ)として初日の仕事を片付け、皇太子に謁見した。すると靂渊は香取(コウシュ)山で目を治してもらった紫辰に探りを入れる。「傅九雲を知っているか?…単なる興味だ、どんな容姿でどんな仙人だ?」「…傅九雲は女好きの遊び人ですが、能力は群を抜いていて、山での力は絶大でした 正しい取捨選択のできる人物かと」しかし紫辰は全て聞いた話だと答え、屋敷からあまり出て来ないため、会ったのも一度だけだと嘘をついた。靂渊はどうやって香取山から逃げ延びたのか訝しむと、紫辰は友人が逃がしてくれたと説明する。「驪国諸侯の娘・玄珠です、私に付き添って香取山に…」「玄珠なら知っている、母親の秋華が有名だからな 何でもあらゆる宴に招待もなく出席しているとか、そう言えば…」紫辰は思わず秋華夫人も父の古い友人だと告げ、話を遮った。仕方なく靂渊はそこで切り上げ、明日は紫辰も東苑(トウエン)に同行するよう命じる。「玄珠と母親も連れて来てくれ」紫辰が竹林に戻る頃にはすっかり暗くなっていた。中庭には玄珠がいたが出迎えるわけでもなく、ただ紫辰を冷ややかに見つめている。紫辰もそのまま素通りし、直接、秋華夫人を訪ねた。「明日、殿下が夫人と玄珠も一緒に東苑へと…」「本当に?!玄珠にもすぐ伝えるわ!」秋華夫人は思わぬ好機を喜び、最近の玄珠の態度を許して欲しいと謝った。「いいえ、玄珠が怒る気持ちも良く分かります」玄珠は文人としての誇りを捨て、権力に降った紫辰に怒っていた。その夜、覃川は記憶を頼りに花創大会の会場の見取り図を書いていた。すると老板娘と郭(カク)大婶から話があると呼び出される。何事かと思えば、覃川もそろそろ年頃のため、家族を持ってはどうかと言うのだ。そこで覃川はお金が貯まったら豆豆(トウトウ)哥が迎えに来てくれると嘘をつく。「絵描きなの、世界を旅して感性を磨いているわ」「絵描き?…まさか!イヤイヤイヤ~公子斉(コウシセイ)なわけないか~」(;゚Д゚)<公子斉ーっ?!実は今、街にあの有名な絵描きの仙人・公子斉が滞在しているという。翌日、秋華夫人と玄珠が東苑にやって来た。すると靂渊は玄珠に白河(ハクガ)龍王が死んだのになぜ無事なのか尋ねる。玄珠は弟子を守って亡くなった龍王を恩人だと言ったが、片や香取山主は弟子を見捨てて逃げ延びたと非難した。「私を恐れないとは良い度胸だ、気に入った」皇太子の言葉に期待が膨らむ秋華夫人、そこへ臣下が妃候補の絵姿を持って来た。しかし靂渊は実物より美しく書く絵師の姿絵にへき易、もう不要だとはね付ける。そこで巻物をひとつ紫辰に渡し、代わりに評価しろと命じた。紫辰は早速、巻物を広げて見たが、その出来栄えに目を見張る。「(はっ!)これは…まさか」紫辰の反応に驚いた靂渊は巻物を奪い取り、その美しさに驚いた。「誰が描いた?!」紫辰と玄珠は口をつぐんだが、おしゃべりな秋華夫人が公子斉の絵だと口を滑らせる。「絵と音楽に精通し、色を好む仙人です、噂では女遊びをするので顔を隠しています 毎日、仮面をつけ、琴を弾いて過ごすとか…」「琴だと?」靂渊は公子斉が驪国の皇宮に現れた例の仙人ではないかと疑った。公子斉は鳳眠(ホウミン)山にいた。山荘の庭には公子斉に姿絵を描いてもらおうと、若い娘が列をなしている。一方、覃川は仕事を片付け、休みをもらうことにした。鳳眠山へ行くと聞いた郭大婶は覃川まで皇太子妃になる妄想に取り憑かれ、公子斉に姿絵を描いてもらうつもりだと呆れる。しかし老板娘は珍しくお洒落した覃川を可愛いと褒め、喜んで送り出してくれた。公子斉こと九雲は西域から来た娘・胡姫(コキ)の姿絵を完成させていた。絵を見た胡姫は見事な出来栄えに満足し、妃に選ばれた暁には必ず礼に来ると約束して帰って行く。ちょうどその時、覃川がロバを引いて公子斉の山荘に到着していた。すると屋敷から出て来た胡姫を見かける。覃川は美しい胡姫に目をつけ後を追ったが、その時、前から侍衛たちを引き連れた靂渊と紫辰がやって来た。「なぜ彼らが一緒に?!」ロバの影に隠れてやり過ごしながら、覃川は首をかしげた。つづく✩°。⋆⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝ 折り返し~!
2021.04.29
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三千鸦杀 Love of Thousand Years第15話「血の契り」深傷を負った傅九雲(フキュウウン)を甲斐甲斐しく介抱する覃川(タンセン)。その夜、九雲は覃川が作ってくれた夕食を楽しみながら、このまま出て行かないで欲しいと頼んだ。覃川は黙ってうつむくと、九雲はあの日の告白なら気にするなという。「…本心じゃないことは知っているわ、仙人が人間を愛するわけないもの」「本心だ…小川と食事ができて幸せだよ」「最近のあなたは甘い言葉ばかりね、何か企みがあるの?」「別にいいだろう?見返りなど期待していないさ」すると酔いが回って来たのか、九雲は次第に朦朧として来た。「想像してみろ?大切な人をずっと守り続ける気持ちを…私はそなたの幸せだけを望んでいる 悲しい思いをせずに楽しく生きて欲しい、不安のない人生を…」覃川は照れ隠しに失笑し、自分もできることならそうしたいという。「バカね…」しかし九雲はそこで意識を失った。「ごめんね、眠り薬を飲ませたの、でも良い休養にもなるわ…さようなら」覃川は恩師である師匠の墓へ到着した。そして墓前で九雲から奪った霊灯を取り出し、指先を切って血を吸わせる。…妖魔を封じるためには、まず3人の宿敵の魂が必要です…そして最後に自分の魂を差し出さねばなりません覃川は師匠の言葉を思い出したが、迷いはなかった。「左相国(サショウコク)、靂渊(レキエン)、天原(テンゲン)国皇帝…絶対に逃すものですか…」一方、桃源(トウゲン)鎮の宿では、覃川が見張りを任せた紙人形が侵入者に気づいて起き上がった。眉山(ビザン)君は可愛い人形を見て喜んだが、うっかり噛まれてしまう。翌朝、覃川は師匠の墓の前から仙弓を掘り起こした。すると突然、少女が現れる。少女は師匠が植えた桃の妖精・桃小令(トウショウレイ)だった。本来なら小令は豊(ホウ)城にいるはずだったが、住みかの紫竹林(シチクリン)を左相国に奪われてしまったという。「友だちを置いて来てしまったの、逃げ遅れた桃は無理やり花を咲かさせられる…最悪よ」「安心して、紫竹林は必ず取り返す」そこで覃川は小令に九雲の様子を見に行ってもらうことにした。九雲は三日三晩、眠り続け、ようやく目を覚ました。するとなぜか眉山の山荘にいる。眉山の話から実は覃川が食事に眠り薬を混ぜたのだと分かった。驚いた九雲は乾坤(ケンコン)袋を取り出して調べたが、やはり霊灯がない。「まずいっ!」九雲はすぐ出発しようと立ち上がったが、めまいで動けなかった。「落ち着けよ、あいつの紙人形に伝言を書き残しておいた」しかし九雲は覃川が霊灯と血の契りを結んでことに気づき、このまま霊灯をともせば覃川が死んでしまうと焦る。眉山は霊灯に宿敵の魂を捧げるのは容易ではないとなだめ、何より覃川は心のどこかで九雲を求めているはずだと言った。驪(リ)国人が帝女の復讐にしか興味がない中、九雲だけが覃川を心配し、守ろうとしている。「お前だけが覃川の心をこの世につなぎ止めておける存在だ」九雲は眉山の説得で落ち着いた。すると眉山は近頃この辺りでも妖魔が現れるようになったと教える。九雲は自分が狙いだと教え、実はまた力が暴れ出したと話した。師匠が命と引き換えに九雲の体内に封じ込めた2つの霊力、それが再び活気づいているという。心配した眉山は自分が一旦その力を鎮め、半月ほど休むよう勧めた。「その間に覃川を助ける計画もじっくり考えよう」国師は傅九雲の霊力を見失った。どうやら腕が立つ仙人が仙術で隠しているらしい。靂渊は困惑したが、国師はそれでも傅九雲の焦りが感じ取れると話した。「なぜだ?(はっ!)まさか!…霊灯か!」左紫辰(サシシン)は手元に戻って来た燕燕(エンエン)のかんざしをまた挿すことにした。しかし竹林で別れを告げられたことを思い出し、結局、箱にしまってしまう。その時、父が呼んでいると知らせが来た。紫辰は早速、父を訪ねると、ちょうど王(オウ)管事が左相国(サショウコク)の詩・献天寿令(ケンテンジュレイ)を絶賛している。そこで左相国は息子に添削を頼んだが、巻物を見た紫辰の顔色が一変した。「媚びた詩ですね…九天義和(キュウテンギワ)は妖魔でなく仙人です、天元国にはふさわしくありません どうせなら″閻魔大王、灼(ヤ)き葬るべし″と改めてはどうですか?」左相国は昔のことを引きずらないよう諭したが、紫辰は父が初めて添削してくれた詩を持ち出し、痛烈に批判した。「″丹心溢(アフ)るる″の句を覚えていますか? 父亲(フーチン)は″丹心″から″磁心″へ書き換えた、私にも磁石のような忠誠心を持てと… 磁心のあった時代をもうお忘れになったのですか?父亲?」紫辰はやはり父と和解するのは難しいと実感した。秋華(シュウカ)夫人は煮え切らない紫辰にしびれを切らし、玄珠(ゲンシュ)に駆け引きするよう煽った。そこで玄珠は紫辰に嫉妬させようと、権(ケン)御史の息子と出かけると嘘をつく。紫辰は聞いたことのない名前だと首を傾げたが、ならば馬車を用意させておくと言った。「楽しんでおいで~」玄珠が無関心な紫辰に落胆していると、左相国がやって来た。すると左相国は左家に玄珠に嫁いで欲しいと懐柔し、それとなく燕燕の消息を聞き出そうとする。「大人(ダーレン)…」「おいおい、大人ではなく″叔父″と呼んでくれ」しかし玄珠は紫辰との約束を守り、香取山での出来事も燕燕のことも上手くごまかした。一方、秋華夫人も紫辰に行動を起こさせようと策を講じた。「娘もいい年だから身を固めないとね~王(オウ)少卿(ショウケイ)をご存知かしら?」「ぁ…王御史の御子息ですか?」「え?あ~そうそう、玄珠を気に入っているみたいで~」「ぁ~良縁ですね~」紫辰は適当に話を合わせたが、王少卿が誰なのか分からない。その夜、紫辰は床に入ってからも権御史や王御史が誰なのか考えていたが、ようやく作り話で自分を牽制したのだと気づいた。師匠と過ごした山荘でしみじみ孤独を実感する覃川、すると小令が戻って来た。しかし九雲はすでに宿を出ており、その代わり紙人形に伝言が残っていたという。…天涯海角、至る所に必ず現れる…小令はこれを書いた人が覃川を好きだと分かったが、覃川は照れ隠しに迷惑だと言った。「勝手に現れないで欲しいわっ!…てかどうせ冗談よ!」そんなある日、左府に李(リ)侍郎が訪ねて来た。実は皇太子が才能ある者を招き入れたいと考え、左紫辰に強い関心を持っているという。そこで左相国は息子に非難された詩・献天寿令を紫辰が書いたと嘘をついて謹呈した。李侍郎は紫辰の詩なら1字に千金の価値があり、しかも天原国の皇室に捧げた詩となればなおさらと感激する。そんな事とは知らず、貴賓への挨拶に向かった紫辰だったが…。つづく|ω・`)話が細切れ過ぎるわ~
2021.04.29
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三千鸦杀 Love of Thousand Years第14話「温めてきた想い」その夜、傅九雲(フキュウウン)は首の封印がうごめき、慌てて宿を抜け出した。真夜中の林の中で気を整える九雲、すると黒衣に着替えた覃川(タンセン)が走って行く姿が見える。一方、覃川は九雲が密かに出かけた隙に1人で旅立つことにした。しかし突如、九雲が現れる。「言っただろう?傷が治ったら一緒に探すと…」「口先だけじゃない!」「私のそばにいて欲しいんだ、何の心配もなく平凡な幸せを味わって欲しい」「驪(リ)国の帝女には無理な話よ」覃川は九雲に指図する資格などないと反発した。すると仕方なく九雲は明日の朝、一緒に霊灯を探しに行くと約束する。「だからそんな顔をするな…な?」左相国(サショウコク)は息子たちを連れて豊(ホウ)城の左府に到着した。秋華(シュウカ)夫人は立派な屋敷に目を輝かせたが、あえて長居はしないと遠慮してみせる。すると左相国は息子の世話をしてくれた玄珠(ゲンシュ)への恩返しに、このまま留まるよう勧めた。母娘が偏殿へ向かうと、左相国は前庭にある妖神の像を詩人の像に替えるよう命じた。しかし左紫辰(サシシン)は無用だと止め、居所へ行ってしまう。すると左相国は密偵にしばらく息子から目を離さないよう指示し、どこへ行って誰と会ったか、何を話したか報告するよう命じた。「…玄珠との会話は重要だ」九雲と霊灯探しの旅に出た覃川、しかし何もない高原を永遠と歩かされ、やがて日も暮れる頃、山頂へ到着した。実はここは九雲が最初に修行した場所で、100年間もたった1人だったという。その頃、意識は混沌とし、自分は何者なのか、孤独も喜びも悲しみも何も知らなかったが、一瞬で音もなく落ちて行く星々を見て、どんな偉大なものもいつかは滅ぶと悟った。「じゃあいつ孤独を感じたの?」そこで九雲は近くの岩に腰掛けると、覃川も隣に座った。「師父の絵を見た時だ…師父は人間界を描いた、絵の中の多くの人から様々な感情を学んだ そして生命の意味を悟った」「仙人はこうやって高い場所から簡単に人間の運命を変えるんだ?得意げにね」しかし九雲は仙界と人間界の境界を越えて運命を変えることなどできないと教える。覃川はならば一度も誰かの運命を変えたいと思ったことはないのか聞いた。「…ある」九雲はそれが覃川だと教えなかったが、不思議なほどひどい運命を持っていた人間だと話す。最初はもがいている姿を楽しんでいたが、やがていつ諦めるのかどうしても見たくなった。そして先に待つ苦しみを知らず、その人間がただ運命にあらがう様子を見ている時、初めて孤独を感じたという。「…でもその人間は孤独ではないと思う あなたは全てを見渡せるけれど、その人が味わった思いまでは分からない」「違う、全てが見えるから私には分かる、あらゆるものが最後には無に帰すると… 闘うより今を楽しむほうが良い、今を大切にしていないのはそなただ」「何が言いたいの?」九雲は覃川に平凡な幸せを感じて欲しいと訴え、それが自分の願いだという。まさか九雲が運命を変えたい相手とは自分なのだろうか。覃川は困惑し、思わず立ち上がった。「私は驪国の帝女よ、それに仙人のあなたに私の幸せなんか関係ない、よっぼど暇なの? それとも…私が好きなわけ?」「ふっ、好きなもんか」九雲は覃川と向き合うと、ついに千年の想いを告白する。「…そなたを愛している」しかし激しく動揺した覃川は逃げるように走って行ってしまう。下山した覃川と九雲、しかし夜も更けたことから九雲は明日の朝から探そうと提案した。気がはやる覃川はこのまま霊灯を探すと反対したが、九雲が止める。「小川、やめろ…本当の霊灯はここにある」九雲は覃川に盗まれないよう香取(コウシュ)山で偽物とすり替えておいたと暴露した。「そなたを死なせたくなくてな」驪国滅亡は天命であり、誰にも変えられない。九雲は幸せな道を選び、人生を全うすれば良いと説得した。「私の人生は今しかないの…」九雲が自分の望みを知りながら騙し続けて来たと知った覃川は激情に駆られ、白紙仙術を放った。しかし九雲は迫り来る白虎を避けず、肩を噛まれて倒れてしまう。「小川、忘れなくてもいい…私はただそばにいて、そなたの苦しみを減らしてやりたいだけだ 確かに短くうわべだけの幸せもある…それでもいい…」「何を言ってるの?!私が生きようが死のうがあなたに関係ない…だって… 私はあなたを愛していない!」「構わない…全て私が望んだことだ…霊灯は渡せない…恨むなら私を恨め… 長旅をして探す必要はない、私はここにいる、殺すのは簡単だ 小川には私がついている、どうなろうと一緒にいるよ…ただ霊灯だけは渡せぬ…」すると九雲は意識を失った。覃川は深手を負った九雲を抱きしめながら、その愛情に心が揺れた。霊灯を使えば魂が霧散し、永遠に苦しむことになる。確かに身寄りのない普通の娘である覃川が苦しむ必要はないのだろう。しかし覃川になる前は驪国の帝女だったのも事実、帝女にとっては大きな意味があった。「もう2度と…苦しませない…」九雲は意識を失いながらも涙を流し、うわごとで覃川を心配していた。…九雲、何度も何度も私の命を救ってくれた、小川は恩知らずじゃないわ…霊灯のことは怪我が治るまで待つから一方、左相国は紫辰に思わぬ贈り物を渡していた。「分かっておる、それはお前の大切な物なんだろう?だから取り戻した」木箱には手放したはずの燕燕(エンエン)との思い出、玉のかんざしが入っていた。感激する紫辰だったが、左相国はそれとなく燕燕の消息を聞き出そうとする。「あれから会ったか?元気だったか?」左相国は驪国が滅んだ後に後悔したと吐露し、両国の紛争に幼い公主まで巻き込んでしまったと反省した。しかし父の思惑に気付いた紫辰は黙ってかんざしを箱に戻してしまう。「失明してから公主には会っていません」九雲が目を覚ますと、宿に戻っていた。枕元では覃川が居眠りしている。安堵した九雲はそっと覃川のおでこに口づけしようとしたが、急に覃川が目を覚まして頭を上げた。「(ガツン!)うっ!」「(はっ!)どうしたの?大丈夫?」「小川、どこにも行かないでくれ」「行かないわ、ここで看病する」九雲は涙を拭うと、またいつもの傲慢な仙人に戻った。紫辰は人が変わったように優しくなった父に困惑していた。そこで玄珠に父から燕燕のことを聞かれたが教えなかったと話す。「何か裏があると感じる、玄珠?誰かに聞かれても燕燕や香取山のことを話さないでくれ」しかし2人の話を密偵が聞いていた。九雲は覃川と幸せな時間を過ごした。しかしある夜、気を巡らせていると、再び国師が放った黒煙のせいで封印がうごめきはじめる。九雲は不穏な動きを察知しながら、それでも甲斐甲斐しく尽くしてくれる覃川の姿に目を細めた。そんなある日、沐浴していた九雲は覃川に着替えを頼んだ。「持ってこないなら裸で出て行くぞ?!」「あーもう分かった!メンドクセ〜ブツブツ」すると覃川は偶然、九雲の衣の上にある巾着を見つける。巾着が気になる覃川だったが、結局、中を確認せずに元に戻した。「傅九雲!持って来たわよ?…傅九雲?!」覃川は返事がないので湯殿に入ると、隠れていた九雲が突然、現れ、覃川を抱きしめて口づけした。玄珠は夜食を届けに来たが、紫辰はどこか上の空だった。「燕燕を探したいのね?」「心配なんだ、まだ復讐するつもりなのでは…」紫辰はあの無鉄砲さが気がかりだった。香取山に潜入したのも、何か命懸けのことをするためだったのだろう。しかし玄珠は例え燕燕を見つけ出せたとしても、今の紫辰には何もできないと現実を突きつけた。九雲は覃川の夕食を楽しんでいた。しかしなぜか覃川が口をつけていないと気づく。九雲は何か企んでいると怪しんだが、覃川は料理くらいで九雲が満足するなら、この世も悪くないと思ったと笑った。「ならば出ていかないんだな~」すると覃川は黙ってうつむいてしまう。「あの日の話は気にするな」「…分かってる、私を引き留めたくて心にもない告白をしたのよね? 本心じゃないことは知っているわ、仙人が人間を愛するわけないもの」「本心だ…小川と食事ができて幸せだよ」つづく(  ̄꒳ ̄)気がつくと見入ってる、やっぱり上手いな~ルースー(←そればっかりwそしてまたしても周深、だけど今回はエンディング曲が好き(^ꇴ^)
2021.04.28
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三千鸦杀 Love of Thousand Years第13話「逸る気持ち」傅九雲(フキュウウン)が突然、覃川(タンセン)の前に現れた。九雲は覃川を桃源(トウゲン)鎮へ連れて来ると、まるで何事もなかったかのように陽気に振る舞う。「傷は治ったの?痛むなら無理に出歩かなくても…」「無理などしていないさ~」「戦いのあと、一体どこにいたの?」すると九雲はようやく絵の中で傷を癒していたと答えた。実はあの絵は九雲の隠れ家、しかし天原国太子と戦って台無しにしてしまい、今や身を隠す場所もないという。覃川はひとまず宿で部屋を頼むことにした。すると九雲が巨大な真珠を出して貸切にしてしまう。九雲を心配していた覃川はすっかり振り回され、部屋にこもって悶々とした。…元気そうだし傷もなさそう、霊灯を探す様子もないわ、霊灯のことなんて気にもしてない…その時、九雲が酒を持ってやって来た。覃川は戸を開けて九雲だと分かると閉めたが、九雲はいつの間にか仙術で部屋に入ってしまう。「私をからかって楽しいの?今この瞬間にも無辜の驪(リ)国人が殺されているのに!」焦りを隠せない覃川は自分で霊灯を探すことにしたが、九雲は鯪魚(リョウギョ)城にはないと教えた。しかも今は傷を負っている身、霊灯より哀れな自分に同情して欲しいという。確かに覃川も九雲の身体は心配だった。そこで仕方なく万全の状態になったら必ず探しに行くという九雲を信じ、酒に付き合うことにする。一方、鯪州王府では靂渊(レキエン)と亭渊(テイエン)が一見、仲良さそうに囲碁を打っていた。互いに相手の腹を探り合う2人、すると靂渊が亡国の才子・左紫辰(サシシン)を懐柔して仕官させたいと持ちかける。しかし亭渊は興味がなく、それより今年こそ一緒に中元節を祝おうと誘った。「そうだな、忙しくなければ一緒に楽しもう」「いつもそう言って会ってくれませんけどね~」覃川は仙術で自分をからかう九雲に腹を立て、仙術禁止令を出した。すると九雲はならば非力となった自分の世話をして欲しいと条件を出す。「腹が減ったな~甘酢炒めが食べたい」「お断りよ!」「もう私のものではないのだな…私の侍女はどこへ行ってしまったんだ~うわ~ん」九雲は卓にうつぶして大げさに泣きわめいた。一方、豊城(ホウジョウ)へ出発した左紫辰(サシシン)たちは途中で馬車を止め、小休止していた。すると左相国(サショウコク)が息子を誘ってその場を離れる。「秋華(シュウカ)夫人が私と一緒にいるのは娘をお前に嫁がせるためだ だがお前にはその気がないのだな? もう大人だ、お前の考えがあるのだろう、それで構わん 気が向いたら時々、顔を見せに帰って来い」左相国は自分から離れた息子の心を取り戻そうと必死だった。「四海紀を集めたぞ、闌洲(ランシュウ)紀もあと2巻だ、お前が家を出てから2年かけて集めていたんだ 目が治ったらすぐ読めるようにな」左相国は自らを責め続けていたと吐露し、父親として間違っていたと謝罪した。老いた父の弱々しい姿に同情した紫辰は、父の願いを聞いて豊城でしばらくそばにいると約束する。一方、秋華夫人は玄珠(ゲンシュ)を紫辰に嫁がせようと画策していた。今や自分たちは左家の機嫌を損ねれば吹けば飛ぶような存在、娘が嫁げば見捨てられずに済むという。玄珠は下心なく純粋に紫辰を想っていると訴えたが、母はどちらにしても早く紫辰に嫁げと急かした。「玄珠…私の運命はあなたにかかっているのよ?」九雲は覃川と市場へ出かけ、2人の時間を堪能した。お揃いのお面を頭に着けて露店を回り、九雲は次々と目についた物を買ってしまう。「無駄遣いして歩くなんて…本当の人間みたい」「そなたもだろう?」九雲から皇宮育ちを揶揄された覃川は、ならばと自分の好物の露店に案内した。「昔は贅沢三昧の公主だったのに、今は一文の酥油餅(スーヨウビン)が美味しいとはな?」「(もぐもぐ…)はあ~妖魔が襲って来てもこれがあれば幸せだわ」九雲は安上がりだと失笑し、宮中を出た頃も泣かなかったのか聞いた。「(*゚▽゚)*。_。)*゚▽゚)*。_。)ウンウン 泣かなかった、だってね、面白いことがたくさんあったの 買い物で支払いを忘れたり、髪型を失敗して変になったり…そうそう! 身体中にすごくかゆい斑点ができたことがあったわ!それで買った肉をひっくり返しちゃったり! …だからもう慣れた、私にとっては何でもないの」「ではもう帝女の頃に未練はないと?」「フル(・_・ ))(( ・_・)フル 考えたこともないわ、これが現実だもの、それに今はやるべきことがある、だから大丈夫!」「やり遂げてもそなたの父皇も母后も二哥も戻らないぞ?」「分かってるわ、もちろん全て分かってる だけど父皇や母后、それに二哥も、天界で安心してくれるんじゃないかな? 以前は頼りなかった小公主が自分たちのようにたくさんの人を助けるのを見たら…」九雲は健気な覃川の言葉に胸を打たれた。しかし当の本人はけろりとしながら、講談が始まったと言って走って行ってしまう。講談は人間を愛してしまった仙女の話だった。九雲は仙女に自分の姿を重ね、興味深く話を聞く。…恙(ヨウ)王を愛した仙女はついに正体がバレた仙人が人間の子を成せば神々の怒りを買い、10年の干ばつと10年の洪水が襲うそこで仙女は天界へ戻って罰を下さぬよう説得すると決意、恙王に自分が戻るまで他の人を娶らないで欲しいと頼んだ仙女は天界で壮絶な罰を受けたが、恙王との幸せな記憶を支えに耐え続け、やがてそんな仙女を哀れんだ母親が願いを聞き入れてくれる喜んだ仙女は人間界へ戻ると、仙女を心配して待っていた恙王は白髪になっていた仙女は愛する恙王に罰を受けたことを隠し、天界で夫婦になろうと言ったが…講談を聞きながら、覃川は九雲だったら待てるか聞いた。九雲は本気の恋なら千年の時間も一瞬だとさらりと答える。まるで経験者みたいだと笑う覃川、まさか九雲が千年も自分を探していたとは知る由もない。すると覃川は結末の前に恙王は天界へは行かないと言い当てた。「聴衆は幸せな結末を望むけど、恙王は一国の王よ?もし行ってしまったら民が苦しむわ」「だが仙女にも恙王が必要だ、大勢のために1人を諦めることが本当に正しいか?」「もし恙王が天界に行っても心にしこりが残る、美しい日々も彼には地獄だわ 私が恙王でも人間界に残ると思う!たとえ後悔したとしてもね!」覃川は思わず声が大きくなり、聴衆たちから何と冷たいのかと噛みつかれてしまう。2人は幸せな結末を期待する聴衆の怒りを買い、慌てて逃げ出した。そこで物陰に身を潜めてやり過ごしたが、九雲は抱きしめた覃川をなかなか離してくれない。すると覃川の高鳴る動悸が聞こえ、九雲はこの機に乗じて口づけしようと顔を近づけた。「あ…お腹が空いた」九雲は覃川が麺を食べる姿を苦々しい顔で眺めていた。やがて我慢も限界、九雲は霊灯や驪国人のことを考えない日はないのかと責めてしまう。「あるわ…」「いつだ!」「教えないっ!」「はっ!そうか!じゃあ食え!」そこへ物乞いが現れた。覃川は物乞いが驪国人だと知って恵んであげたいが手持ちの銭がない。すると九雲が大きな真珠を渡し、これでちゃんとした生活をしろと送り出した。「あの真珠は返すわ」「いいさ、だが手持ちの2つは宿と彼に渡してしまった 旅に出る金がないから、もう少しここにいるのはどうだ?」「また先延ばしにするつもり?!」「貧しき者を救うためだったんだ~しかもそなたのためにな」「人助けは自分を犠牲にせず行うものよ!」「…できることをして自分を犠牲にしない、その通りだ、なら自分はどうだ?」痛いところを突かれた覃川は反論することができなかった。豊城に戻った靂渊は妖魔を崇める密室へ向かった。すると車椅子の国師が現れる。「殿下、そなたが送った煙書は見た、確かにあの者か?」「間違いない、結界の中で戦ったのは驪国皇宮の上空にいた琴を弾く仙人に間違いない」「前回は驪国の皇宮に現れ、今回は驪国の流民を助けた…ふっ、関係があるに違いない 奴と戦った時に顔は見たのか?」「端正な顔立ちだったが、泣きぼくろはなかった、傅九雲ではないはず」しかし国師が残念がる様子はなく、人を出して調査させると決めた。「傅九雲を見つけて2つの力が手に入れば、もう苦しまなくていい」「…そう願いたい」靂渊はそこで出て行った。九雲は何とか覃川の部屋で一緒に寝ようと食い下がった。しかし覃川に出ていけと拒まれてしまう。すると九雲はがっくり肩を落とし、傷口が悪化しそうだとぼやきながら戸を開けた。「ゆっくり休め」九雲の悲しそうな顔を見た覃川は怪我人に冷た過ぎたのではと思い直した。「…ここにいてもいいわよ」「そうか?」九雲は急に元気になって戻って来た。その夜、国師は傅九雲の居場所を探すため、黒煙を放った。すると九雲は首の封印の異変で目を覚まし、覃川を起こさないようにこっそり外へ出る。その時、寝たふりをしていた覃川が目を覚ました。つづく(๑•́ω•̀๑)ルースー、やっぱり上手いな〜しんみりしちゃったわ
2021.04.27
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三千鸦杀 Love of Thousand Years第12話「霊灯の行方」天原国の第二皇子・亭渊(テイエン)は趙(チョウ)管事の屋敷で霊灯を保管して欲しいと頼んだ。「霊灯はあそこだ」「では私が…」趙管事に成り済ました白(ハク)公子は喜んで取りに行ったが、箱から飛び出した仙鎖に捕まってしまう。『小白よ小白~何をしている?間抜けな奴め…』桃花の絵の中にこもっている傅九雲(フキュウウン)は呆れて鏡を消した。亭渊はすぐ趙管事が偽物だと分かった。城にいる時はいつも趙管事と呼んでいるが、礼儀上、趙管事が一人称を使うはずがないという。「覃川(タンセン)が親切にしてやったのに…裏切り者め!」白公子の言葉に亭渊は目の色を変えた。「覃川はどこにいる?」「教えるもんか!死んでも言わないぞ?!」すると亭渊は剣を取り、殺しはしないが顔を傷をつけると脅す。「分かった!教えるよ~覃川の居場所なら知ってる」しかしその時、皇太子の来訪を知らせる前触れが聞こえた。靂渊(レキエン)がこれほど早く戻るとは予定外だった。しかし亭渊はおくびにも出さずに歓迎する。すると靂渊はしばらく世話になると告げ、付き合いのある術士たちを紹介するよう命じた。玄珠(ゲンシュ)は母と水入らずの時間を過ごした。秋華(シュウカ)夫人は香取(コウシュ)山で苦労した娘を労ったが、良い後ろ盾になると思っていた白河(ハクガ)龍王があっさり死んだと落胆する。そこで今度は玄珠と左紫辰(サシシン)の仲を取り持ち、左相国を寄る辺にしようと考えた。玄珠は母の変わり身の早さに戸惑っていたが、紫辰への想いは変わらない。しかし紫辰は驪(リ)国を裏切った父へのわだかまりから、どこかよそよそしく見える。玄珠は自分のそばにいて欲しいと頼んだが、紫辰は話をそらして答えなかった。覃川はなかなか戻って来ない白公子を心配し、王府へ救出に向かった。そこで屋根から部屋の中を調べていたが、偶然、靂渊の部屋をのぞいてしまう。覃川は師匠の仙鶴で逃げ出した時に目が合った男だと思い出し、激しい憎悪が湧き上がった。すると運悪く酒を飲んでいた靂渊が天井を見上げ、屋根からのぞく覃川に気がつく。覃川は慌てて逃げ出したが、回廊を走っていたところで靂渊が矢を放った。危ないところで矢を避けた覃川、しかし段差に足を取られて倒れそうになる。その時、駆けつけた亭渊が覃川を抱き止め、物陰に隠れた。亭渊は偽の刺客を準備していた。走り去る黒い影に気づいた靂渊が後を追って消えると、その間に亭渊は覃川を隠す。一方、靂渊は刺客を見失っていた。その時、裏庭で剣戟(ケンゲキ)の音が聞こえ、急いで様子を見に行ってみる。するとちょうど亭渊が刺客を倒したところだった。亭渊は刺客の目的は明らかに自分だったと報告、闘鶏で勝ち過ぎて恨みを買ったのかもしれないと取り繕う。しかし靂渊は近頃、驪国の残党があちこちで騒ぎを起こしていることから、驪国人の仕業だと決めつけた。「安心しろ、今度こそ奴らを一掃してみせる…ところでお前の武芸も侮れんな 日を改めて私の稽古にも付き合え(ニヤリ」「とんでもないことです、皇兄には敵いません」亭渊は隠し扉を開け、覃川を密室から出した。覃川は自分の身代わりを心配していたが、亭渊は無事だと安心させる。すると亭渊は覃川が来ると分かっていたと意味ありげに笑い、眠っている白公子の姿を見せた。「シャオバイ!」「彼は無事だ、じきに目を覚ます」そこで覃川は自分から奪った霊灯を返すよう迫り、天原国に滅ぼされた驪国のために必要だと訴える。しかし亭渊はうかつに行動すれば覃川の命が危ないと案じた。「それにしても普通の女子がなぜ霊灯を?」「…あなたには関係ない、でもあなたが何を企んでいるかは知っているわ」「ならば分かるだろう?私は君の敵ではない」亭渊は霊灯をあきらめるよう説得し、兄がいる限り霊灯に近づいてはだめだと警告した。「しばらくは楽師に変装していろ、上手く逃してやる」覃川と白公子は楽師として王府に滞在することになった。白公子は意識が戻ったものの、衝撃のあまり茫然自失としている。ともかく覃川は白公子を連れて稽古場に出たが、驚いたことに舞姫が″東風桃花曲(トウフウトウカキョク)″で踊っていた。聞いてみれば舞姫は驪国人で、公主の踊りを参考にしているという。「戦のあと二皇子にかくまわれて何とか生きて来たわ」舞姫は亭渊だけは他の皇族と違い、無辜の民を殺さないと言った。覃川は白公子を弟だと紹介したため、2人は同じ居所になった。するとようやく白公子が正気を取り戻し、覃川は安堵する。そしてその夜、眠りについた覃川は傅九雲の夢を見ていた。手鏡に戻って枕元で寝ている白公子、九雲は鏡を通して愛しい覃川の寝顔を眺めている。「傅九雲…ムニャムニャ…どこにいるの?」しかし今の九雲にしてやれることは、ずれた布団を直してやることだけだった。いつの間にか眠っていた九雲は再び暴れ出した力で目を覚ました。そこで力を鎮めてから鏡を映し出し、覃川たちの動向をうかがう。その時、覃川と白公子は楽師たちに紛れて王府から抜け出していた。するとちょうど連行される驪国の流民たちを見かける。聞けば皇太子が全員を妖魔に捧げるつもりだという。「どこで?!」「きっと城外にある兵営よ」覃川は怒りに震えて追いかけようとしたが、白公子が咄嗟に制止した。「…今は戦うべき時じゃないわ」「そうさ!」「夜よ…」「はあ?!」覃川は白公子が来なくても1人で行くという。その夜、亭渊は百里堕天(ヒャクリダテン)の2人を連れて皇太子の兵営を偵察していた。すると眼下に天幕の影に隠れている覃川の姿を見つける。覃川は生贄にされる驪国人たちを発見、物陰から思わず飛び出したが、あっという間に妖兵たちに囲まれた。「まずい!」驚いた亭渊は助けに行こうとしたが、百里堕天の2人に止められてしまう。「行ってはなりませぬ!大義のためなのです!」しかし突然、空に白月星雲鏡(ハクゲツセイウンキョウ)が現れ、覃川のそばに降り立った。「来てくれたのね!」「早く!」覃川は妖兵が鏡の光を浴びて倒れているうちに驪国人を開放し、鏡の中へ逃すことに成功する。その時、突如、靂渊が現れ、覃川のか細い首を握った。「うっ…」息が止まり、意識が遠のいていく覃川、すると鏡の中から剣が飛び出して来る。靂渊は咄嗟に覃川から手を離して身をかわすと、鏡の中にいる九雲に気づいて中へ飛び込んだ。しかし不意をついて現れた九雲に背後から掌(ショウ)を受け、谷底へ突き落とされてしまう。九雲が現れると同時に鏡は消えた。「危なかったぞ?」「…傅九雲っ」覃川は自分を見下ろす九雲の姿に唖然となる。「話はあとだ、ここを出よう」九雲は覃川を抱き上げると、仙術で姿を消した。高台に隠れていた亭渊たちが様子を見にやって来た。すると空から黒い煙の玉が落下、中から靂渊が現れ、ばったり倒れてしまう。「殿下、二度とない好機です!」「そうだな」亭渊は霊灯を取り出して空中に放り投げると、霊灯が開いて靂渊から魂を吸い始めた。しかし霊灯の様子がおかしくなり、突然、爆発してしまう。呆然となった亭渊だったが、ひとまず靂渊が死んだのか確認することにした。そっと鼻の下に指を伸ばす亭渊、その時、靂渊が急に目を開ける。「皇兄?!ご無事でしたか!」亭渊は咄嗟に霊灯の破片を隠した。「私が死ぬとでも思ったか?残念だったな」「またそのような冗談を」「で仙人はどこだ?」「仙人?」亭渊は自分が到着した時には仙人などいなかったとごまかした。呆れた靂渊はどちらにしても誰も自分には勝てないと鼻で笑い、天幕へ帰ってしまう。霊灯は偽物だった。困惑する百里堕天の2人、本物は一体どこにあるのか。「恐らくはまだ″彼″の手元にある…」亭渊はふと覃川からもらった香袋を見つめた。つづく|ω・`)9さん、お早いお戻りで…むしろ閉関していた方が面s…ゲフンゲフン
2021.04.27
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三千鸦杀 Love of Thousand Years第11話「手がかりを求めて」覃川(タンセン)は趙(チョウ)管事を探すため、白月星雲鏡(ハクゲツセイウンキョウ)の化身・白公子と一緒に鯪魚(リョウギョ)城へやって来た。そこで趙管事が好物だった瓜の種の露店で聞き込みしてみたが、瓜の種が好きな中年の女性は珍しくない。仕方なく町を散策する覃川と白公子、すると子供に銭袋を盗まれてしまう。覃川たちは急いで子供を追いかけたが、驚いたことに子供が帰ったのは町の片隅で肩を寄せ合って生きている驪(リ)国人の流民の集落だった。聞けば国が滅びて村は天原国の妖魔に焼き払われ、何とか生き延びたが今度は天災、何ヶ月もさまよって鯪魚城にたどり着いたものの、太守から救済金を全て取り上げられてしまったという。稼ぎたくても流民では仕事につけず、身分が低いというだけで暴力を受けることもあった。驚いた覃川は自分の銭袋で食べ物を買うよう勧め、横暴な太守と話をつけることにする。一方、深傷を負った傅九雲(フキュウウン)は桃花の絵の中に閉じこもり、体内にある2つの力を自力で封印しようとしていた。…わしの力で封印できたのは妖王の2つの力のみ…霊灯を守るのだ、お前の命のためにあの時、師匠は霊灯に2つの力を吸い込んだが、その力はなぜか九雲の体内に入っていた。ここは鯪州府署、寝殿に戻った太守は寝台に見慣れない鏡を見つけた。「この鏡は?」太守は手鏡を持って自分の顔を映すと、その隙を突いて背後から覃川が首に短剣を突きつける。「小白(シャオバイ)?誰が見える?」「どこの賊なの?!誰と話しているの?!」「姨娘(イーニャン)?私を忘れた?」実は太守とは雑役院の趙管事だった。驚いた趙管事は逃げようとしたが、咄嗟に人形(ヒトガタ)に戻った白公子に足をつかまれ転んでしまう。覃川は趙管事を縛り上げ、二萌(ジホウ)の正体を聞いた。趙管事は口ごもったが、白公子に足の裏をくすぐられ耐え切れず、ついに白状する。実は二萌は天原国の第二皇子・亭渊(テイエン)だった。そこで2人は鯪州王府の前で露店を開き、二萌が出て来るのを待つ。するとしばらくして正門が開き、第二皇子が侍衛や使用人たちを引き連れて現れた。どこへ行くのかと思えば、亭渊は賭場に入ってしまう。覃川と白公子は見張りの多さから潜入を断念したが、覃川はある妙策を思いついた。その頃、左紫辰(サシシン)は小さな村に立ち寄っていた。白河氷原は一面の銀世界、そこで馬車で待つ玄珠(ゲンシュ)のために暖かい外套を買ってやりたい。しかし毛皮を買うには持ち合わせがなく、紫辰は仕方なく燕燕(エンエン)がくれた玉のかんざしを差し出した。こうして外套を手に入れた紫辰は急いで馬車へ戻ったが、玄珠と一緒に父がいる。「父亲(フーチン)?!」「ここは妖気が強い、早く離れよう」兵営に戻った天原国の皇太子・靂渊(レキエン)は妖王と交信していた。香取(コウシュ)山の生き残りによると傅九雲と山主は白河(ハクガ)龍王を殺した後、行方不明だという。報告を聞いた妖王は冪龍丹(ベキリュウタン)が無駄になったとこぼしたが、少なくとも傅九雲がすぐに姿を現すことはないと言った。「今のうちだ、山主の封印が解ければ力を取り返すのはたやすい…で、弟の様子はどうだ? 病というのは嘘だろう?」「さあな〜妓楼や賭場に入り浸るか、山でくだらん連中と会っている」しかし妖王は知恵が回る亭渊を警戒、なるべくそばにいるよう指示した。気楽な藩主を装う亭渊は賭場で遊んでいると見せかけ、実は地下の密室にいた。密室では江湖の術士たちが第二皇子を出迎え、指示通り凶暴な妖獣を準備したと報告する。実は亭渊はこの妖獣で霊灯の法力を試すつもりだった。そこで早速、霊灯に妖獣から魂を奪い取れと命じると、妖獣はみるみる霊気を吸い取られて干からびてしまう。するとなぜか絵の中にいる九雲の身体にも影響が及んだ。術士たちは霊灯が手に入ったのも天命だと喜び、皇太子陣営を襲撃して一挙に滅ぼそうと鼓舞した。しかし亭渊は霊灯を眺めているうち、ふと覃川のことが頭をよぎって上の空になる。「殿下?…殿下?!」亭渊は我に返ると、まだ時期尚早だとなだめた。「全てが整う時まで待つのだ」馬車に揺られながらいつの間にか眠っていた玄珠。紫辰はそっと外套を肩までかけてやったが、その時、玄珠が目を覚ました。「…紫辰、かんざしは?まさか売ったの?あれは燕燕から」「気にするな、早く休め」玄珠は紫辰が自分のためにかんざしをはずしたと知り、思わず紫辰に身体を預けた。九雲はようやく2つの力が鎮まった。そこで白月星雲鏡を通じて外の様子を見ることにする。すると鏡にいたずらっぽく笑う覃川が映った。一体、何をしているのだろうか。覃川は白公子を趙管事に変身させ、二皇子から霊灯を取り戻そうと考えた。実はちょうどその時、覃川は楽しそうに白公子に化粧していたのだ。「小川…」九雲は愛しい覃川に手を伸ばしたが、触れることは叶わない。一方、左相国は紫辰と玄珠を連れて氷原の洞窟に到着した。そこで玄珠は母と再会を果たす。あの時、白河龍王が驪国の皇宮から秋華(シュウカ)夫人と玄珠を救い出したが、龍王が敗れたと知って左相国が夫人を助け出していた。今や驪国皇室唯一の血族となった玄珠、左相国は2人を守るのは臣下として当然だと笑い、これから豊城(ホウジョウ)に向かうという。こうして和やかに始まった4人の食事、しかし紫辰はまだ父を許せず、1人で出て行った。趙管事に成り済ました白公子は王府へやって来た。すると誰もが趙管事に頭を下げ、白公子は側仕えを追い払って簡単に第二皇子の寝殿へ入ることに成功する。白公子は早速、霊灯を探し始めたが、箱の中をあさっていると亭渊が現れた。「趙君侯(クンコウ)?なぜ声をかけぬ?!」「私はその~どうしても飲みたくなって…お持ちでないかと…あ、瓊花(ケイカ)海の雲峰(ウンボウ)茶を」「香取山の品か~姨娘?香取山が懐かしいのか~」焦った白公子は仕事があると断って退散することにしたが、亭渊が引き止めた。「覚えているか?傅九雲のそばにいたひ弱で芝居がかったナヨナヨした色白の男の名を?」「(ムッ)ああ~白公子ですか?」「そうだ、白公子だ!生きているかな?」「あの~殿下、そろそろ失礼します」「待った!実は姨娘にひとつ頼みがあってな、霊灯のことだ」亭渊は自分の屋敷では人目につきやすいため、趙君侯の屋敷で保管して欲しいという。つづく( ̄▽ ̄;)ぁぁぁ…亭渊の肩パットぉぉぉ…目も当てられない…
2021.04.26
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創造営2021とはWeTVが制作・配信しているオーディション番組今回は中国国内だけでなく日本・タイ・ロシアといった留学生を含む99名が参加しました練習生たちは各グループに分かれてステージで演技を披露、視聴者投票によって選抜され、第10期となる今回がファイナル、最終的に11名に絞られますなおファイナルは応援できる練習生が1名アプリで生放送を視聴すると10分ごとに応援チャンスが1回(VIP会員は2回)手に入るという仕組みまたスポンサーであるヨーグルトドリンクに投票券がついていることから、ファンたちはもちろん、所属事務所がヨーグルトを買い占めたりと、応援合戦は白熱していましたそれでは最終結果発表です!@敬称略(^ꇴ^)ノ第1位 劉宇(リュウユー)第2位 サンタ第3位 リッキー第4位 ミカ第5位 高卿塵(ナイン)第6位 林墨(リンモーくん)第7位 伯远(ボーユェン)第8位 張嘉元(ジャユェン)第9位 尹浩宇(パトリック)第10位 周柯宇(クァユー)第11位 劉彰(AK)日本勢が2位3位4位というのは嬉しい驚きでした皆さん、おめでとうございます!・:*+.\(( °ω° ))/.:+活動期間は2年間、ちなみにR1SE先輩は活動期間を終え、間もなく解散だそうです皆様の今後のご活躍を心からお祈りしています(^ꇴ^)さて今季のメンバーのグループ名はINTO1(イントゥーワン)に決定!最後はデビュー曲のお披露目で創造営2021は幕を閉じました残念ながら選出されなかったメンバーたちが舞台裏で一緒に踊っている姿は涙を誘いましたね〜参加した99人の皆さんがそれぞれの道で成功することを切に祈るばかりです( ˘ω˘ )
2021.04.25
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三千鸦杀 Love of Thousand Years第10話「死闘の末に」白河(ハクガ)龍王が丸薬を飲み込むと巨大な白龍となった。殿内にいた弟子たちは一斉に逃げ出したが、遅れた青青(セイセイ)は龍の尾の一撃で倒れてしまう。一方、傅九雲(フキュウウン)は龍王の弟子たちを容易く退けていた。しかし急に首の封印に異変が現れる。実はその頃、香取(コウシュ)山主は白龍に倒され、小さな蛇に変えられていた。これにより白虎に乗って避難していた左紫辰(サシシン)も山主の術が解け、唐突に燕燕(エンエン)の記憶が蘇って来る。…(はっ!)白紙仙術は驪(リ)国皇室の秘技だ、それを使えるのは…紫辰は覃川の正体が燕燕だと気づいた。山主が負けたと気づいた九雲は覃川を探し回っていた。そこへ白龍が現れる。九雲は白龍の攻撃を何とかこらえると、その時、薬効が解けた白河龍王が人形(ヒトガタ)に戻った。こうして九雲は白河龍王と真っ向勝負となったが、山主の霊力を失ったせいで2つの封印が壊れそうになり、龍王の攻撃に思わず膝をついてしまう。「内情は知らぬが傅九雲よ、お前は賢い男だ、私につかぬか?霊灯を渡せば悪いようにはしない」しかし突然、白河龍王めがけて暗器が飛んで来た。白河龍王は瞬時に反応して暗器を破壊、真紅の衣をまとった娘を見つけた。屋根の上に立つ凛とした覃川の姿を仰ぎ見た九雲は、まさに師匠が残したあの絵の娘そのものだと感慨深い。目が合う覃川と九雲、しかしその一瞬の隙を狙い、龍王が覃川を仙鎖で引きずり下ろした。驚いた九雲は咄嗟に覃川を受け止め助けたが、覃川を庇って背中に龍王の一撃を浴びてしまう。「馬鹿者、誰が…戻って来いと言った?」すると九雲は動揺する覃川に仙術をかけて眠らせてしまう。覃川を傷つけられた九雲は激情に駆られ、ついに封印を解いた。すると九雲の首元から真っ黒な霊気があふれ出し、その凄まじい力で白河龍王を倒すことに成功する。しかしそのせいで九雲は激しい内傷を追って喀血、ばったり倒れた。目線の先には愛しい覃川の姿がある。そこで九雲は最後の力を振り絞って巻物を取り出すと、思い出の桃花の絵の中に消えた。覃川が目を覚ますと九雲が消えていた。ともかくこの混乱に乗じ、裏山の洞窟から霊灯を奪うしかない。しかし覃川が霊灯を持ち上げると陣が動き出し、洞窟が崩れ始めた。覃川は岩の下敷きになるところだったが、思いがけず二萌(ジホウ)が助けてくれる。二萌の話では偶然、覃川の姿を見かけ、様子がおかしかったので後を追って来たという。「あそこで何を?」「何って…九雲大人の手伝いよ?でもあなたが法術を使えるなんて…」「法術?ああ…邱(キュウ)大人に習ったんだ、薪割りに使ってたけど石にも使えるなんてな~ははは」そこで二萌はこのまま逃げようと言ったが、覃川はまだやり残したことがあると拒んだ。覃川は牢に捕われている玄珠の救出に向かった。白河龍王が死んだと聞いた玄珠は情け無用だと覚悟したが、覃川が鎖を解いて解放してくれる。「あなたが待っていると紫辰に言ってしまったの」「…でもあなたの助けはいらない」覃川は仕方なく二萌に目配せすると、二萌は玄珠を殴って卒倒させた。「玄珠…分かってる、あなたは私よりずっと苦しんでいるのね…」覃川と二萌は玄珠を連れて山門を出ると、雑役院で趙(チョウ)管事が待っていた。無事を喜んだ趙管事はとにかく家に入ろうと促したが、その時、紫辰が現れる。「…燕燕」覃川は紫辰の記憶が戻ったと知った。香取山の弟子たちは全滅、宮殿の周りは焼死体だらけだった。趙管事の話では山主と九雲大人が白河龍王と決闘して勝ったものの、山主は姿を消し、九雲大人に至っては龍王に刺し殺されたという。「何でも背中から急所をひと突きされて亡くなったとか…」覃川はあまりの衝撃で立ちくらみを起こした。玄珠を介抱していた紫辰は慌てて燕燕の元へ駆け寄り、部屋まで送るという。しかし覃川は九雲の死に耐えられず、そのまま飛び出して行った。覃川は竹林に逃げ込み、ようやく誰もいない場所で悲しみに暮れた。失って初めて気がつく九雲の深い愛情、まさか本当にあのまま死んでしまったのだろうか。覃川はたがが外れたように声をあげて泣き始めた。すると紫辰が現れ、黙って手巾を差し出す。「大切なんだな…傅九雲のことが」しかし覃川は慌てて涙をぬぐい、何度か助けられただけだと強がった。「燕燕…なぜ阿満(アマン)の姿に?どうして香取山で雑用など…」「もう過ぎたことよ…聞かないで」覃川は自分には使命があり、姿を変えることなど大した代償ではないと言った。「燕燕、私を許してくれるか?」「…ごめんなさい」紫辰はふと同じような竹林で燕燕に叩かれたことがあったと思い出した。これまで色々あったが、あの悲劇から三年が経つ。そこで紫辰はここから近い鯪魚(リョウギョ)城という街へ行ってはどうかと勧めた。他にもカニが美味しい青雲(セイウン)城や北の雲夢澤(ウンボウタク)に行くのもいい。しかし思わぬ紫辰の言葉に覃川は落胆した。かつての紫辰は志が高く、その心には民と国があったはずなのに…。「私の心にあるのは…そなただけだ」「でも私の心は違うの…もう戻れない」すると覃川は逃げるように去って行った。紫辰が雑役院に戻ると、家の前に手巾が置いてあった。すると趙管事が現れ、覃川なら行ってしまったと教える。「行き先は?何か伝言はなかったか?」「″あなたは優しい人、今度は玄珠を大切にして″と…」覃川は害のない二萌を道連れに香取山をあとにした。そこで二萌は道すがら、自分と結婚しないかと聞く。覃川はやり残したことがあると断ったが、二萌のことは好きだと答えた。「さあ、行きましょう!」しかし覃川が前を向いた瞬間、突然、動けなくなってしまう。「そう言ってもらえて嬉しいよ…香袋もずっと身につけている 知っていたか?ひと目、見た時から賢い君が気に入った、だから趙管事に推薦したんだ …まさか君の目的が私と同じだったとはね、こんなやり方ですまない」本当なら覃川と2人で穏やかに過ごせると思っていたが、二萌にとっても予想外の結末だった。すると二萌は覃川の荷物からから霊灯を奪い、姿を消してしまう。一方、玄珠は意識を取り戻し、愛する紫辰との再会を喜んだ。しかし紫辰の記憶が戻り、覃川が燕燕だと気がついたと知る。玄珠は許してもらえるとは思っていなかったが、なぜか紫辰は怒っていないと優しかった。「回復したらここを離れよう、君の母上のところへ…」すでに雑役院は閑散としていたが、なぜか馬車が2人を待っていた。御者の話では覃川の頼みで趙管事が手配しておいたという。その頃、白(ハク)公子が山を降りていた。実は白河龍王の弟子たちが巨大な白月星雲鏡(ハクゲツセイウンキョウ)を運び出すことができず、難を逃れる。しかしたったひとり取り残され、途方に暮れていた。すると偶然、動けなくなった覃川を見つける。覃川は背中に貼られた定身符(テイシンフ)で3刻は動けないはずだったが、その時、突風が吹いて偶然、剥がれ落ちた。「ねえっ!九雲大人は?死んだって本当なの?!」「いや、重傷だがどこかで生きている、九雲が僕を必要としていると感じるんだ …細い息でひとりぼっちだ、きっとはめられたんだよ、すごく弱ってる」そこで覃川は白公子を連れて雑役院に戻った。雑役院にはすでに誰もいなかった。そう言えば趙管事は二萌の叔母、あの2人はぐるだったのだろう。霊灯を取り戻そうにもなす術ない覃川、その時、趙管事がいつも鯪魚城の瓜の種を食べていたことを思い出した。「きっとそこよ!」すると白公子は覃川に付いて行くという。「九雲はお前がどこにいても見つけると言っていた、今日から僕たちは同志だ!」ここは鯪魚城、かつては驪国だった。藩主は療養を理由に3年前、自ら鯪魚城に赴いた第二皇子・亭渊(テイエン)。亭渊はしばらく留守にしていたが、皇帝に干ばつの視察を命じられた皇太子・靂渊(レキエン)の到着には間に合った。「ん?この匂いは何だ?」「ぁ…これでしょう、医者の処方した香です、身体に良いんだとか…」それは龍涎香(リュウバンコウ)の香りだった。すると靂渊は法術に凝っているのかと尋ね、術士との交流があるか探りを入れる。しかし亭渊は闘鶏も競馬も1人ではつまらないので江湖の術士を付き人にしただけだと話し、気ままな藩主を演じた。「…聞けば香取山でお前を見た者がいるとか、何を企んでいる?」「香取山主は言わば隣人です、しかし傲慢でよそ者には心を許しません そんな奴に近づくはずがないでしょう?」亭渊はうまく誤魔化し、香取山が荒れているという噂も知らないと言った。つづく( ๑≧ꇴ≦)二萌~そうだったのか~なるほど青青は復活したのにもう退場かしら?見所が〜(←そこ?wでも今回の竹林の2人のシーン、良かったわ〜( ;∀;)さてここでシーズン1が終わり、いよいよシーズン2へ♪
2021.04.25
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三千鸦杀 Love of Thousand Years第9話「思い出の絵」傅九雲(フキュウウン)は覃川(タンセン)を左紫辰(サシシン)の元に送り、その間に内通者の件に手を打った。そこで九雲は覃川を無事に連れ戻したが、覃川から青青(セイセイ)の死に関わっているのかと追及されてしまう。「私を守るために青青に罪を着せたの?彼女は無実よ!」「だがそなたは無実ではない」「傅九雲、同門を見殺しにして平気なの?」「…ならばそなたを突き出せば良かったのか?」そう言われると覃川はぐうの音も出なかった。その頃、本当の密通者である玄珠(ゲンシュ)は追い詰められていた。実は白河(ハクガ)龍王の密偵から丸薬を渡され、霊灯の中に隠すよう指示されている。『務めを果たせば望み通り母君と再会できるぞ』『必ずやり遂げるわ…』そしていよいよ香取山に白河龍王がやって来た。山主は白河龍王のため、凝碧(ギョウヘキ)殿に自慢の宝物を準備していた。しかし白河龍王は興味を示さず、公子斉(コウシセイ)が描いた自分の扇子には遠く及ばないと自慢する。すると山主は失笑し、公子斉の絵なら何枚もあるが、そのうち一枚を持って来たと言った。そこで早速、巻物を広げると、桃花の花びらが殿内に舞う。覃川は自分がもらった絵だと気づいて懐かしそうに微笑んだが、すぐ現実に引き戻された。白河龍王は山主の絵に嫉妬し、公子斉の絵はその中に身を置いて楽しむものだと言い出した。そこで真贋(シンガン)を確かめるため、自ら絵に入ってしまう。すると山主に目配せされた九雲がすぐ後を追った。「師匠殺しの九雲か」「…これは山主の絵のため、念のため私がお供します」白河龍王は挑発するように桃の木のそばにある琵琶を仙術で引き寄せようとしたが、九雲が邪魔した。「これは山主の物です、手を触れずに目だけでお楽しみください」九雲は燕燕の思い出の琵琶を渡すものかと食い下がり、何とか取り返したものの深傷を負ってしまう。絵から戻った白河龍王は確かに公子斉の絵だったと認めた。しかし自分に挑んだ九雲を分別がないと非難し、激しく糾弾する。山主は白河龍王の手前、無礼を働いた九雲を叱責して下がれと命じた。覃川は傷を負った九雲を心配した。「急に優しくなったな?私は青青を見殺しにした悪人だろう?」「…あなたじゃないわ」覃川は本当の黒幕を知っていたが、口を閉ざした。すると九雲は以前にも言ったように最愛の人を守りたいと訴え、背負わされた重責を忘れて幸せになって欲しいと説得する。「とぼけても構わぬ、だが私の気持ちは知っておいて欲しい」「何度も言わせないで、私は何があっても霊灯を手に入れるわ」そこで九雲は見せたいものがあると告げ、覃川を万宝(バンホウ)閣へ連れて行った。万宝閣に公子斉の桃花の絵が戻っていた。しかし覃川は絵に目もくれず、霊灯がないと落胆する。すると九雲はいきなり覃川の背中を押し、絵の中へ放り込んだ。覃川は絵の中で自分の琵琶を見つけた。早速、琵琶を持ってみると、母の誕生日の宴で踊ったあの日が昨日の事のように思い出される。「この絵を返そう」その声は後を追って来た九雲だった。「そなたの絵だろう?万宝閣は私に一任されている、私が返すと言ったら返す」「謝謝…でもこの絵は以前と何かが違う気がするわ」「絵は昔のままだ、そなたも昔に戻ればいい」九雲はあの時の幸せそうに舞った燕燕のように覃川に笑顔を取り戻して欲しかった。白河龍王の歓迎の宴が始まった。そこで龍王の美しい女弟子たちが見事な舞を披露、宴に花を添える。覃川は給仕のため控えていたが、仲睦まじい紫辰と玄珠の様子に胸が痛んだ。すると山主が次に自分の愛弟子である玄珠を紹介し、舞で龍王をもてなすよう命じる。そこで玄珠は琵琶を片手に登場、驚いたことに燕燕と紫辰との思い出の曲・東風桃花曲(トウフウトウカキョク)の舞を披露した。覃川は唖然としながら紫辰の表情をうかがったが、記憶を消された紫辰は懐かしい曲だと感じながらも思い出すことができない。そうしているうちに玄珠の舞が終わり、山主は下がるよう命じた。覃川は急に腹痛を訴え、翠丫(スイア)に任せて玄珠の後を追った。すると玄珠は裏山にある洞窟の結界を破り、中へ入って行く。実はその洞窟こそ霊灯の隠し場所だった。「…いるのね?あなたが来ることくらい分かっていたわ」玄珠が振り返ると、覃川が現れた。「もう私たちに関わらないで」「あなたに用はないの、霊灯が欲しいだけ」「妖魔を倒しても家族は生き返らないのよ?!」そこで覃川は驪(リ)国の民のために霊灯で妖魔を倒したいと説得した。玄珠も民を救いたいのはやまやまだったが、母を見捨てることはできない。「帝女のあなたと違って私にそんな高尚な志はないわ! …それより紫辰を逃がしてあげて、彼は無関係よ? 分かっていないのね?龍王が香取山を掌握したら、全員が餌食になる 紫辰だけは巻き込みたくないの、あなただって彼への罪を償いたいでしょう?」玄珠は霊灯を奪おうとしたが、覃川が立ちはだかった。玄珠は仕方なく隠し持っていた暗器を覃川めがけて放った。しかし突然、覃川の前に結界が現れ、跳ね返った暗器が玄珠の腹をかすめる。「玄珠大人(ダーレン)の人を陥れる手腕は見事だったわ…」その声は死んだはずの青青だった。玄珠は驚愕したが、青青の仙力では自分の暗器を止められないはずだと驚く。その時、九雲が現れた。「まさか…そんな…」玄珠はようやく自分が罠にはめられたと気づいた。実は山主も九雲も最初から密通者が玄珠だと知っていたという。そこで九雲は仙鎖で玄珠を捕縛し、青青に覃川を連れて行くよう命じた。覃川は後ろ髪を引かれる思いだったが、その時、玄珠が覃川に紫辰だけは助けて欲しいと懇願する。すると覃川は九雲に玄珠を殺さないよう頼んだ。「いいだろう、彼女の無事を約束する」青青は覃川を連れて裏山を出た。「山には戻らないで…あとは私たちに任せて、全て終わったら九雲大人が会いに行くわ」そこで覃川は急いで紫辰を迎えに行った。紫辰は玄珠がいないことを訝しんだが、覃川はすでに山を出て紫辰を待っていると嘘をつく。一方、凝碧殿では山主が白河龍王に手合わせを申し出ていた。こうして師匠と師匠の力比べという仙界でもめったにない対決が始まったが、九雲は龍王の弟子たちが内殿になだれ込んできたことを察知し、凝碧殿を飛び出す。やがて白河龍王はどこかおかしいと気づいた。すると玄珠に化けて座っていた青青が正体を現わす。「龍王よ、負けを認めろ、これからも友として修行に励もうではないか」山主は白河龍王の鼻を明かした気分だった。覃川は紫辰を連れて川まで逃げた。そこで白紙仙術で白虎を招喚する。「この子に乗って逃げてください!早く!…玄珠大人の指示なんです」紫辰は一緒に逃げようと言ったが、覃川は未練を断ち切るように山に残ると伝えた。「猫猫(マオマオ)!行って!」白河龍王がついに倒れた。山主は今、負けを認めれば龍王が忍ばせた弟子の何人かは救えるだろうと笑う。すでに九雲たちが片付けているはずだ。しかし白河龍王が急に高笑いした。「山主も考えが甘いな、私が何も備えていないと?」…いざとなったらこれを飲め、山主と傅九雲を滅ぼして香取山を手に入れろ…霊灯は私に渡せ、お前の苦労も報われるぞ?すると白河龍王は黒い外套を被った男からもらった丸薬を取り出し、飲み込んだ。つづく|ω・`)白河龍王…もうちょっと何とかならなかったのか…
2021.04.24
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三千鸦杀 Love of Thousand Years第8話「内通者の正体」傅九雲(フキュウウン)の命で左紫辰(サシシン)の侍女になった覃川(タンセン)。紫辰は覃川と瓊花(ケイカ)海へ散策に出かけると、ここに来て以来、一番楽しいと喜んだ。「でも玄珠(ゲンシュ)大人とは恋仲では?」「玄珠は恩人だ、感謝している…」すると紫辰は玄珠の話を2度としないで欲しいと頼んだ。ちょうどその頃、傅九雲は綿毛を調べている青青(セイセイ)を見かけた。「青青師妹、どうした?最近、私を避けているようだが…」「まさか、忙しかったものですから」するとこちらに歩いて来る紫辰と覃川が見える。気まずい覃川は紫辰に事情を説明して引き返そうと言ったが、紫辰は2人に挨拶したいと言った。紫辰は覃川を譲ってくれた九雲に感謝した。すると九雲は侍女なら掃いて捨てるほどいるので問題ないと強がってしまう。玄珠が用意してくれた美しい衣をまとった覃川、どうやら大切にされているようだ。しかし覃川は九雲の言葉に傷つき、それ以来、仕事に身が入らず、上の空になる。紫辰はそんな覃川の異変を感じ、本当は自分のそばにいるのが嫌なのだと誤解した。「私は役立たずだ、何もできない…明日の朝、帰るといい 皆、私に気を使うが、本心では蔑んでいる…小川は優しい人だ、ここへ来てくれて、ありがとう」「左公子、私はそんなふうに思っていません」「いいんだ、明日、戻りなさい」覃川は苦悩する紫辰の姿を目の当たりにし、思わず愛する人の頬に触れてしまう。その指先の感触はまさに燕燕(エンエン)そのものだった。驚きのあまりしばし呆然となる紫辰、そこへ運悪く玄珠がやって来る。玄珠は親密そうな2人に動揺し、覃川にすぐ下がれと命じた。気まずい覃川は慌てて出て行こうとしたが、その時、紫辰は思わず叫んでしまう。「目の治療を受ける!視力を取り戻したい!」香取(コウシュ)山主は九雲を呼び、また洞窟にこもるため山を任せると言った。実は左公子がどういうわけか急に目の治療を受けると言い出したという。九雲は覃川のためだと気づいたが、そこへ青青が慌てた様子で入って来た。しかし九雲がいると知るや否や、宴会の件だと嘘をついて出直すことにする。その時、九雲は青青がこっそり覃川の桂花油の瓶を袂に隠すのを見逃さなかった。青青を怪しんだ九雲は、再び山主を訪ねる前に青青を引き留める。「分かっているぞ、何を見つけ、山主に何を言うのか…」青青は玄珠を船遊びに誘った。すると綿毛がなぜか玄珠の回りに飛んで来る。「妹妹が美人だから綿毛も近くに来るのね…ふふ」「姐姐、ご冗談を」「今までここにこんな野草はなかったわ…実は聞きたいことがあるの」青青は左公子が覃川を侍女に迎えたことから、あの娘には秘密があると警告した。恐らく何か目的があるはず、そこでもし何か見つけたら必ず教えて欲しいという。玄珠は青青が覃川を内通者だと疑っていることに気づいた。そこでこの機に紫辰が好意を抱いている覃川を排除しようと思いつく。玄珠は早速、覃川の居所にこっそり綿毛を入れた箱を置いたが、ちょうど覃川が戻って来た。「玄珠?」「公主の名前を呼ぶとは大胆な!」「私が分からない?…無理もないわね、阿満(アマン)の顔だもの、4年ぶりね」「まさか…あなた、燕燕なの?!」燕燕は顔を変えて生きていた。驚愕する玄珠を横目に、覃川はなぜ自分を陥れようとするのか訝しむ。すると玄珠は昔から燕燕が邪魔だったと言い放った。覃川は玄珠が自分のものを何でも欲しがったことを思い出し、ここにきてようやく自分への憎悪の理由に気づく。叔母は父皇に嫁ぎたかったが、周知の通り願いは叶わず、諸侯の妻に甘んじた。結局、皇后になれず、皇族血統の子供も産めず、その嫉妬から自分が憎いのだろう。玄珠は自分たち母子の本音を見抜かれ、動揺した。すると覃川が貸した借りだけは返せと迫る。自分が身を引いたおかげで玄珠は紫辰を手に入れることができたからだ。「玄珠、私の目的はあなたや紫辰じゃないの、だから面倒を起こさないで」「あなたの正体を暴露するわよ?天原国は今も驪(リ)国の帝女を探しているわ」「ふっ…白河(ハクガ)龍王の弟子で香取山の内通者はあなたでしょう?玄珠?」覃川はかつて玄珠が自分に対抗して仙術を学び、師匠を自慢していたことを覚えていた。中山(チュウザン)藩と懇意の仙人を調べたところ、それが白河龍王だと分かったという。「その顔は図星ね?思った通りだった」「あなたの話を誰が信じるものですか!」互いに秘密がある身、玄珠はこうなったらやるかやられるかだと開き直った。そこで覃川は目的を果たせばすぐここを出ると伝え、紫辰を守って欲しいだけだと訴える。「山主は最近、内通者の捜索に躍起だそうね~」玄珠は覃川に脅されたが、結局、何も言わずに出て行った。玄珠は証拠の綿毛を持って山主に密告した。実は新しい侍女・覃川の居所にこの綿毛があったが、それを隠したのは青青だという。山主は青青が自分を裏切るはずないと激怒、玄珠の封印に術をかけて拷問したが、玄珠は耐え切った。そこで山主は念のため青青の居所を捜索させたところ、驚いたことに綿毛が発見される。予想外の結果に驚愕した山主は青青を呼んだ。自分が内通者と疑われていることに気づいた青青は誰かの企みだと訴えたが、その時、綿毛がふわふわと青青の元へ飛んで来る。山主は玄珠の報告が正しかったと確信し、青青に渾身の一撃を与えて封印を消した。すると倒れていた玄珠を起こし、誤解したことを詫びる。「明日、紫辰を連れてまいれ」玄珠の計画は成功した。そしていよいよ紫辰の目の包帯が取れる日がやって来る。玄珠は覃川もその場に呼んでいた。するとゆっくり目を開けた紫辰は眩しい光に思わず目を閉じてしまう。しかし再び開いて見ると、美しい玄珠の顔がはっきり見えた。玄珠の頬に触れながら、これまでの苦労を労う紫辰、そしてついに覃川の顔を確認する。「覃川、本当に世話になったな」紫辰は覃川も美人だと言ってくれたが、これまでと別人のような反応だった。覃川は呆然としながら仕事へ戻ることにした。すると玄珠が追いかけて来る。実は玄珠は紫辰の目の治療の時、山主に燕燕との記憶を一緒に消して欲しいと頼んだことを暴露した。つまり紫辰にとって覃川はもはやただの侍女でしかないという。「あなたの記憶は邪魔なのよ、それにあなたのためでもあるわ」「卑怯なことを…」「紫辰の苦悩はあなたよ?でもそれも終わり、忘れたんだから… 昔の優しさも思い出してくれた、何が問題なの?」「…私は虚構の中に生きるのは嫌」「話は終わりよ、あとは好きにして」玄珠は早速、燕燕が贈ったかんざしを外させることにした。そこで紫辰に新しいかんざしを贈り、早速、つけかえようとする。しかしなぜか紫辰は自然と避けた。「古いが、このまま使うよ」香取山は青青が亡くなった噂で持ちきりだった。すると山主が弟子たちを招集し、青青の代わりに玄珠を女弟子の首席に任命、采配を任せる。玄珠は早速、白河龍王を迎える準備に取り掛かったが、雑用係が運んでいる花に目を付けた。「なぜ瓊花海の花がここにあるの?責任者は誰?」「翠丫(スイア)です、鶴園(カクエン)からここに移動になりました」「…全て凝碧(ギョウヘキ)殿へ運ばせて、1人でやらせてね」覃川は紫辰から自分の記憶が消えたと知って深く傷ついた。その衝撃から寝床で布団にくるまる覃川、すると突然、戸が開いて九雲が現れる。「(ガラッ!)悲しいなら泣けばいいだろう?」「どっどっどうしてここに?!」「私の小川は少し見ないうちに…ずい分と行儀が悪くなったな~」「傅九雲、あなたってこの世で最も嫌な仙人ね!」すると九雲は寝台に腰掛けた。「何だ?豆豆哥と喧嘩でもしたのか?それでそんな態度なのか?」九雲から八つ当たりするなと責められた覃川は、思わず頭からすっぽり布団をかぶってしまう。「まあ良い、泣くな、一緒に帰るぞ?」「どういうこと?…行ったり来たりさせて、ずい分と勝手ね!」「…そなたは″最愛の侍女″だからな、ふっ」( ತ _ತ)チッ!九雲はさっさと覃川の荷物をまとめ、激しい雨の中、出雲閣へ連れて帰った。しかし覃川は中庭でふと立ち止まり、青青の死に関わっているのか尋ねる。つづく(  ̄꒳ ̄)はやり九雲は絵の中の娘に千年も恋してたってことか〜(←今さら?w9だーれんはあまり表情がないので心情がよく分からず、勝手に解釈してますご了承ください
2021.04.23
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三千鸦杀 Love of Thousand Years第7話「暴かれた身元」傅九雲(フキュウウン)は万宝(バンホウ)閣へ忍び込んだ覃川(タンセン)を見逃した。それは覃川が最愛の侍女だからだという。するとこれまで警戒していた覃川が初めて暖かい眼差しで九雲をじっと見つめた。九雲は覃川の潤んだ瞳に吸い込まれそうになったが、ふと我に返って視線を外す。「今まで通り侍女らしく仕えろ、タツノオトシゴと同じ目に遭いたくはないだろう? それならすぐにでも身分を明かしたらどうだ?香取(コウシュ)山に来た目的もな?」いつもの調子でまくし立てながら、九雲は覃川を寝台に座らせた。「ありがとうございました…覃川、今日から九雲大人(ダーレン)のご恩を忘れず、懸命にお仕えします」「…今さら媚びても遅い」素直な覃川に調子が狂ったのか、九雲はぶっきら棒に言って出て行ってしまう。「あの~でも私が差し出せるのはこの身しかないんですけど~!」「薬を忘れずに飲めよ~(バタン)」覃川は不器用な九雲の優しさに思わず頬がゆるんだ。その頃、山主は再び洞窟で霊灯修行を行っていた。しかし霊灯の凄まじい威力を制御することができない。…どうやらこの霊灯の力をみくびっていたようだな…その様子を黒衣の密通者が見ていた。九雲は山主がまた隠れて霊灯修行を行ったと気づき、寝殿を訪ねた。九雲から指摘された山主は千年分の霊力くらい耐えられると笑ったが、九雲の言う通り、欲を出すと身を滅ぼしかねないのも事実だろう。その時、ちょうど玄珠(ゲンシュ)が山主へ差し入れの酒を持ってやって来た。子衿(シキン)と一心(イッシン)は九雲が来ていると伝えたが、玄珠は山主に出来立ての酒を飲ませたいと説明し、他の部屋で待つという。すると子衿と一心はそのまま玄珠を通した。山主は九雲に俗世の野草を見せた。すでに九雲もこの綿毛に気づいていたが、見たことがないと嘘をつく。実はこの山の草木は全て山主の指示で植えたものだった。山主はタツノオトシゴは死んだが、どうやら敵の回し者は他にもいるようだと警戒する。「この綿毛には仙術が仕込まれている、奴らの連絡手段のようだ」すると山主は香取山の守備を任させている九雲にくれぐれも敵の企みに気をつけろと釘を刺した。その時、回廊がきしむ音が聞こえる。「誰だ?」「師父、お酒をお持ちしました」玄珠は2人の会話を立ち聞きしていたが、さもたった今、到着したとように振る舞った。九雲が出雲(シュツウン)閣に戻ると、白(ハク)公子が覃川の部屋を監視していた。白公子は山主が覃川の正体に気づかないほど甘くはないと警告する。呆れた九雲は白公子には関係ないと不快感をあらわにしたが、そこへ突然、左紫辰(サシシン)が剣を片手に現れた。紫辰は覃川を傷つけた九雲への怒りがおさまらず、目は見えなくとも九雲に決闘を申し込む。「死にたいなら葬ってやろう」九雲は必死に止める白公子を鏡に戻して袂にしまった。九雲にとって紫辰など敵ではなかった。すると覃川が駆けつけ、左公子を傷つけないよう頼む。「左公子、私の傷は転んでできたもので九雲大人は何の関係もありません それに傷まで治してくれたんですよ?」紫辰は覃川を疑うわけにもいかず、自分の誤解だったと謝罪して帰って行った。二萌(ジホウ)は覃川が九雲にいじめられていないか心配だった。しかし覃川ははにかみながら、九雲が自分のことを″最愛の侍女″と言ったと教える。「じゃあ川儿を左紫辰に譲る話は?」「デタラメよ!」「ふふ、傅九雲より左紫辰の方がましだ」「?」「でも傅九雲も川儿が大事ならきっと手放さないな」「…さあ、知らないわ」二萌の指摘に覃川はふと不安がよぎった。そんなある日、九雲は覃川を連れて裏山へ向かった。山道には仙人たちが作ったのか、雪だるまが並んでいる。覃川は赤い傘を持ってかんざしを挿した雪だるまが気に入ったが、それは九雲の作品だった。しかしなぜか顔が全くできていない。「時間切れですか?」「彼女は本当の顔を私に見せてくれないんだ、理由は分からない、だから私も放っておくことにした」すると九雲は先を急いだ。九雲は覃川を万宝閣に連れて来た。すると九雲は最愛の侍女に好きなものを贈るという。「またご冗談を…」「私は常に真剣だぞ?…最愛の人を守りたい 背負われた不相応な重荷など忘れ、普通の女子と同じように毎日、笑って過ごして欲しい とぼけても構わぬ、だが私の気持ちだけは知っておいて欲しい」「ふふ、何のことやら」覃川は笑ってやり過ごしながら、ちょうど目の前にあった香が欲しいと頼んだ。「龍涎香(リュウバンコウ)か?」「ええ、とても良い香だわ」九雲は仙術で大きな塊からひとかけら取って授けると、いよいよしびれを切らして聞いた。「目に効く妙薬もあるぞ?そなたの豆豆(トウトウ)哥とは左公子なのだろう? …大驪(リ)の帝女・燕燕(エンエン)よ、なぜ素性を隠すのだ?」「知っていたのね?」九雲は探し物なら別の場所にあると教えたが、それがどこかは言わなかった。「くれぐれも気をつけるんだな、山主は敵の動きを察知したぞ?」「私は内通者じゃないわ、ここの宝にも興味はないの」「だがそなたは霊灯を狙っているのだろう?」「…安心して、自分の身くらい自分で守れる」「なぜあの霊灯にこだわるんだ?」覃川は驪国が滅ぼされてようやく一国の公主としての自覚が芽生えたと話した。天原国は未だ驪国の民を殺して妖魔へ捧げている。妖魔を倒すにはどうしてもあの霊灯が必要なのだ。「止めたいなら私を殺せばいいわ」「霊灯をともせば、どうなるか分かっているのか?」「分かってるわ」「分かっていない!…まあいい、話は終わりだ、怪我も治ったことだし明日から左公子に仕えよ」覃川は二萌に龍涎香を入れた香袋を贈った。(´-ω-`)<龍涎香なんか取るつもりじゃなかったのに…まんまと踊らされたわ(ボソッするとその夜、九雲が聴風(チョウフウ)亭で別れの杯を交わそうと誘った。しかし覃川はどこか九雲に裏切られたようで口をきく気分ではない。結局、そのまま2人は黙って酒を飲んだ。やがて九雲は覃川を手放す寂しさに耐えられず、先に席を立ってしまう。覃川は去って行く九雲の背中を見つめていたが、九雲が振り返ることはなかった。そして後ろを気にしながら歩いていた九雲だったが、覃川が行きたくないと泣いてすがることもない。こうして翌朝、覃川は出雲閣をあとにした。覃川が小さな荷物を背負って竹林の山荘へ到着した。すると待ちきれずに回廊に出ていた紫辰が出迎え、覃川のために茶を入れてくれる。「あ、それは私の仕事です…それから私のことは″覃川″とお呼びください 九雲大人や他の大人は″小川″とお呼びでした」「いや、私は覃川姑娘を侍女とは思っていない、ただ一緒にいたいだけなんだ」眉山(ビザン)君が山荘に戻ると九雲が待っていた。九雲は白河龍王の回し者を探していると話したが、眉山もやはりあの帝女が怪しいという。そこで九雲は俗世から紛れ込んだ綿毛を見せた。眉山は驚いたが、ともかく帝女が仙山に来た理由が分かったのか聞いてみる。「…霊灯が目当てだった」「霊灯?!絶対、渡すなよ?!分かっているだろう?お前の命が懸かってるんだ!」しかし九雲は笑ってごまかした。覃川はありがたく紫辰のお茶を頂いた。すると緊張していたせいか、むせて咳き込んでしまう。紫辰は咄嗟に覃川の背中をポンポンと叩いたが、なぜかふと燕燕のことを思い出した。そこで紫辰は燕燕との思い出がつまった″東風桃花曲(トウフウトウカキョク)″を琴で弾くことにする。一方、居所にこもっていた玄珠(ゲンシュ)は覃川が到着したと報告を受けていた。「分かったわ、見張っていて…」九雲は出雲閣に戻ると、久しぶりに絵を描き始めた。すると白公子が突然、声をかけたせいでうっかり描き損じてしまう。九雲は思わず絵をビリビリに破いて頭を抱えたが、白公子は九雲の不注意だと言い逃れた。「そうだ、趙(チョウ)管事が甥と一緒に訪ねて来たぞ?」覃川は久しぶりに紫辰の琴を聞いて昔を懐かしんだ。紫辰の髪にはあの時、自分が贈った玉のかんざしがある。すると覃川は紫辰との間に訪れた悲劇を思い出し、思わず涙がこぼれた。「小川?どうかしたのか?…これは悲しい曲だ、そなたにも分かるのだな」「…アハッ、私に音楽など分かりません、ただきれいな音だと思って」覃川は話題を変え、なぜ香取山に来ても目の治療をしないのか聞いた。しかし紫辰は目が治っても何の意味もないという。「この曲にはある人との思い出がある…見えなくても彼女を思い出せる 指が東風桃花曲を覚えているんだ」紫辰は今日は天気が良いので散歩をしようと言った。趙管事の用件は覃川のことだった。実は青青(セイセイ)大人から覃川のことを根掘り葉掘り聞かれたという。しかし九雲は覃川には自分がついているの心配無用だと言った。趙管事は安堵し、雑用なら二萌に手伝わせると申し出る。すると九雲は二萌の香袋から龍涎香の匂いがすると気づいた。…小川よ、私からの贈り物には何の価値もないのか…つづく
2021.04.22
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三千鸦杀 Love of Thousand Years第6話「唯一の願い」覃川(タンセン)は左紫辰(サシシン)に仕えたくないときっぱり断った。しかしその頑な態度を見た傅九雲(フキュウウン)は、未だあの娘の心にいるのが紫辰なのだと思い知る。そんな九雲の切ない想いなど知る由もない白(ハク)公子は、絵を描いてくれる約束だと言いに来た。九雲は絵を描けば覃川に公子斉(コウシセイ)だと気づかれてしまうため断ったが、白公子は約束したはずだとしつこい。「描きたくないんだ」「でも…」「言っただろうっ?!」九雲が思わず声を荒げると、白公子はなぜ九雲がそんなに怒るのか分からず、困惑した。一方、香取(コウシュ)山主はお気に入りの弟子・青青(セイセイ)の膝枕で愚痴をこぼしていた。「奴め!ここに宝を奪いに来る気だぞ?!身の程知らずめ!」「師父の万宝(バンホウ)閣を見たら白河(ハクガ)龍王もさぞ羨ましがるでしょうね〜」「この香取山の宝で最も価値のある物は何だと思う?…これだ」山主は寝殿に飾ってある公子斉の絵を指さした。「玄珠(ゲンシュ)が持って来たのだ、愚かな想い人のためにな」その夜、九雲はもう一度、覃川に左公子に仕えても構わないと言った。「左公子は目が見えない、昨夜、そなたに断られたのは気の毒だったな…」覃川は一瞬、顔を曇らせたが、とにかく他には行かないと断った。「彼がそなたを慕っていても?」すると覃川は押し黙ってしまう。九雲はそれが覃川の本音だと気づき、ようやく決断した。「今夜は戻らぬ、だが悪さはするなよ?…侍女なら大勢いる、左公子のためにあちらへ行け」九雲は眉山(ビザン)君を訪ねた。すでに酔い潰れていた眉山は強引に起こされ、結局、九雲に付き合わされて酒を飲む。一方、白公子は覃川が来てから九雲が怒りっぽくなり、自分に冷たくなったと不満だった。しかしついに覃川が左公子の元へ移ると知り、ちょうど荷物をまとめていた覃川を早々に追い出してしまう。覃川は行く当てもなく途方に暮れた。驪(リ)国での紫辰との悲しい結末、まさか今さら紫辰の元へ行くわけにもいかない。…この世のどこかに私の居場所はあるのかな?…覃川が中庭の池を眺めていると、そこへ二萌(ジホウ)が現れた。「眠れなかったし、会いに来たんだよ、川儿?この池は綺麗か?」「二萌、人生って難しいわね…って、なぜあなたにこんな話を(クスッ」すると二萌は自分が香取山に来たのは金稼ぎと妻が欲しかったからだと話した。覃川は単純な二萌がうらやましかったが、二萌は単純な目的こそ成功する秘訣だともっともらしいことを言う。「あれこれ欲しがると一番、欲しいものが分からなくなる」二萌の答えは確かに明快だ。顔を変えてまで香取山に潜り込んだ理由はただひとつ、復讐に他ならない。「欲しいものは1つよ、忘れないわ…」眉山は九雲がなぜ酒で憂さ晴らししたいのか、その理由に気づいていた。「九雲よ、この世界には仙山はいくつもあるだろう? ではあの娘はなぜわざわざ香取山を選んだんだ?…理由はお前だ!」九雲は思わぬ指摘に失笑した。「そりゃ良い話だな~」「笑っている場合か?!お前の運命をも変える一大事なんだぞ?!」「運命ならどうやって逃げろというんだ?」九雲はようやく見つけ出したあの娘を苦しめたくないと吐露した。覃川は香取山へ来た目的を思い出し、再び霊灯を探すことにした。そこで地図を頼りに再び禁地へ足を踏み入れ、ついに万宝閣を発見する。一方、九雲は出雲(シュツウン)閣に帰っていた。しかし覃川の姿がなく、聞いてみれば白公子がすでに追い出したという。九雲はふと自分が決めたことだと思い出したが、その時、侵入者を知らせる石が光った。「まずい…」覃川は万宝閣の石門を開けようとした。しかし目に見えない符文に触れ、万宝閣を守る2体の鎧兜が動き出してしまう。覃川は応戦したものの深傷を負い、鎧兜たちの鉄鎖に捕まった。すると意識が遠のく中、九雲が駆けつけ難を逃れる。「小川よ~とんだ跳ねっ返りだな」その時、運悪く山主と青青の声が聞こえて来た。青青は山主の興味が玄珠(ゲンシュ)に移ったと疑った。そこで山主は嫉妬する青青をなだめるため、万宝閣から好きな物を贈ることにする。「多くの弟子の中でもお前は特別だよ~お前を蔑ろにするはずないだろう~」山主は思わず青青を抱きしめると、青青は偶然、地面に落ちている小瓶に気づいた。万宝閣と名が付くだけあって、洞窟の中には宝物が所狭しと置かれていた。すると青青はたくさん並んだ香袋のひとつから仙気を感じ、手を伸ばす。しかし山主が巾着などつまらない物だと声をかけた。「そうですね、他のものにします」実は九雲は覃川を連れて巾着の中に身を隠していた。九雲はうなされる覃川に耳を近づけた。「父皇…母后…妖魔を倒せません…」「…霊灯か」九雲はついに覃川が香取山に潜入した理由を知る。するとようやく山主と青青が万宝閣を出て行った。九雲は深傷を負った覃川を抱きかかえて出雲閣に戻った。そこで白公子に誰も入れないよう頼んだが、運悪く紫辰と玄珠(ゲンシュ)がやって来る。紫辰は覃川の答えを聞きたいと訴えたが、白公子は都合が悪いと断った。玄珠も出直そうとなだめたが、紫辰はどうしても返事が欲しいと梃子でも動こうとしない。すると九雲が中へ通すよう告げた。医術の心得がある紫辰は覃川を脈診した。「九雲大人、昨夜、姑娘の身に何があったので?」「紫辰、帰りましょう?」玄珠は紫辰の腕をつかんだが、紫辰は急に怒って玄珠の手を振り払った。「重症だぞ!誰がこんなことを…」仕方なく白公子は自分が殴ったとごまかしたが、紫辰にそんな嘘は通用しない。そこで九雲は自分が罰したと嘘を付き、山主の高弟が侍女を罰しても問題ないと言った。「玄珠、これが仙人だよ」これにはさすに玄珠も呆れた。「傅九雲、侍女の意見を尊重する人が体罰を与えたの?!」「その通り、口では忠誠を誓いながら本心では左公子の所へ行きたがっていた」「なぜ分かるの?」「憶測さ…左公子、貴君も名家の息子なら見たことあるだろう?主が奴婢を罰するのを…」「ふっ、なるほど、師父殺しなら侍女を殴ることくらい普通だろうな?」憤慨した紫辰は玄珠にすぐ帰ろうと言った。紫辰が覃川を侍女に欲しがったことで、覃川は注目の的になった。弟子の子衿(シキン)と一心(イッシン)は覃川が九雲と共寝したらしいと噂したが、青青に聞かれて叱られてしまう。あの日、万宝閣で覃川が落とした桂花油を拾った青青、覃川には必ず何か秘密があると疑った。紫辰はこれまで九雲の悪評などただの噂に過ぎないと思っていた。しかしどうやら真実だと失望し、玄珠にすぐにでも山を降りたいと希望する。玄珠は目が治ったら帰ろうと言ったが、紫辰は玄珠が下山できない理由を知っていた。「今朝から玄珠大人と呼ぶ声がする、私の目のために山主の弟子になったのか?」「ええ」玄珠は仕方なく認めると、紫辰はこの香取山にそこまでの価値があるのかと言った。九雲は覃川に付き切りで看病していた。すると記憶が戻った白公子が駆けつけ、覃川は危険なので追い出した方がいいとう。「これを見て」白公子は自分が壊された時の映像を映し出すと、そこには覃川の本当の姿があった。「覃川が私の頭を割った!この侍女は人間の帝女だよ!名前を変えて別人になったんだ!」恨みを募らせた白公子は覃川を起こして拷問しようと頼んだが、九雲は拷問するには早すぎるという。「もっと大きな計画があるが、まだ数日かかる…」青青は玄珠を花見に誘った。紫辰を残しておくのは気が引ける玄珠、しかし紫辰はせっかくの厚意なので行ってくるよう勧める。玄珠は弟子入りの件で気まずいこともあり、確かに紫辰を1人にしておくのも良いと考えた。その頃、覃川はようやく目を覚ました。しかしなぜか自分が出雲閣にいると気づいて困惑する。すると九雲が薬湯を持って来た。「昨夜のことを話そう、そなたは私の命で山に入り、道に迷って崖から落ちたんだ」九雲は覃川に薬湯を飲ませると、ゆっくり休めと行って出かけることにする。「傅九雲?@呼び捨て」「無礼者!」「私は万宝閣で盗みを働こうとした、なぜ助けたの?…本当のことを言って?!」覃川は思わず寝台から飛び出したが、めまいでよろけてしまう。慌てた九雲は覃川の腕をつかんで支えると、2人は気まずい雰囲気になった。「なぜかって…それはそなたが最愛の侍女だからさ」つづく(  ̄꒳ ̄)ちんだーれん、首から色が全然、違ってる時があったわwAIの精度が悪いのか、使いこなせていないのか?
2021.04.21
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三千鸦杀 Love of Thousand Years第5話「仙人の侍女」傅九雲(フキュウウン)は青青(センセン)らに目を付けられた覃川(タンセン)を守るという口実で自分付きの侍女にすると決めた。「安心しろ、秘密は黙っておいてやる」「…何のことやらさっぱり」覃川はまさか自分の正体がバレているとも知らず涼しい顔、すると九雲が急に覃川を後ろから抱きしめた。「よいか、もっと慎重に動け」しかし覃川は九雲の腕の中からするりと逃げてしまう。「ふっ、ずっと見張っているぞ?…さっ、支度して私の屋敷へ」その頃、翠丫(スイア)は収監された覃川を心配して涙に暮れていた。すると日も暮れる頃になって覃川がひょっこり戻って来る。翠丫は喜んだが、その時、中庭で九雲の伝令が響き渡った。雑用係たちは何事かと集まり出し、実は覃川が九雲に見染められたと知る。しかし中には九雲に仕えるなど気の毒だと同情する声もあった。( ・ノェ・)<だって自分の師父を死に追いやった悪人よ?コソッ覃川は思わず聞き耳を立てたが、九雲を慕う翠丫がだだの妬みだと一蹴した。実は香取(コウシュ)山の決まりで、四大弟子に仕える者は自身も弟子の一員となり、仙人にも成り上がれるという。九雲は仙山のしきたりに従い、覃川のために真紅の籠を迎えに出した。これなら青青たちも簡単に手は出せないだろう。やがて覃川が籠に乗って無事、出雲(シュツウン)閣に到着した。「小川(シャオチュァン)、今日からそなたは私のものだ まずは夜食を作ってくれ、それから夜のお供も頼む」「夜のお供?」「身も心も尽くしてお供しろ」九雲はこれでもう逃げられまいとほくそ笑んだ。九雲は寝床の準備をするよう命じ、自分を警戒する覃川にわざと先に入れと指示した。九雲が好色で軽薄だと信じて疑わない覃川は侍女にも尊厳があると抗議、身を許そうと心は許さないという。(  ̄꒳ ̄)<構わんさ…( ̄◇ ̄)ノ″<じゃ心の方で!(  ̄꒳ ̄)<ならば私だけを愛すると約束するか?(*゚▽゚)*。_。)*゚▽゚)*。_。)ウンウン(  ̄꒳ ̄)<豆豆哥は?( ತ _ತ )<それは別です!九雲はさっき誓ったばかりなのに、もう別の男を思い出したと呆れた。すると九雲は布団を温めるのも侍女の立派な仕事だと教える。(; ̄▽ ̄)<え?温めるだけ?九雲は恋にうつつを抜かしているせいで誤解をするのだと戒め、仕方なく冷たい寝床に入った。「今晩はここの床で寝ても良いぞ?」覃川はまだ自分の部屋がなく、仕方なく九雲の寝台の下からもう1つの寝台を引っ張り出して寝ることにした。初日から振り回されて疲れたのか、覃川はすぐ眠り込んでしまう。すると優しい母の夢を見た…『私はお嫁に行かない、ずっと母后に守ってもらう』『そう言われても母后だっていつかは死ぬのよ?』『じゃあ~その時は一緒に死ぬわ』…九雲は覃川のすすり泣きでふと目を覚ました。覃川の頬を伝う涙を見た九雲は頬に手を伸ばしたが、急に覃川に手をつかまれてしまう。「豆豆哥~待って~!うわ~ん!」「こいつめっ!」九雲はいつの間にか寝たふりをしていた覃川の頬をつねり、また休んだ。翌朝、寝殿をこっそり抜け出した覃川は、見知らぬ仙人と出くわした。「お前が例の新入りか?」白(ハク)公子と名乗る仙人は覃川をみすぼらしい娘だと蔑み、新しい衣に着替えるよう命じる。「香取山は仙人が集う高貴な場所だ、もっと身なりに気を配れ」そこで覃川は言われた通り早速、着替えたが、白公子が急に頭が痛いと苦しみ出した。頭痛はすぐ治ったが、白公子は覃川のことを覚えておらず、再びみすぼらしい格好だという。「香取山は仙人が集う高貴な場所だ、もっと身なりに気を配れ」すると白公子はまた頭が痛いと訴え、結局、すぐに治った。「あの~私はみすぼらしい小娘です、思い出してください ここ香取山は高貴な場所で、もっと身なりに気を配れ!でしょ?」「よく言いたいことが分かったな?あ、新しい侍女か!思い出した!早く働け!」九雲と白公子は2人で外出すことになった。そこで覃川に山のような洗濯を頼んで出かけてしまう。しかし帰ってみると、中庭に無惨にも破れた洗濯物が干してあった。「うわっ!」「上着が!」「破れている!」「はかまも!」「台なしだ!」するとちょうど聴風(チョウフウ)亭の掃除をしていた覃川が現れる。「お帰りなさいませ~♪」すると覃川は拝礼に気を取られて抱えていた高価な花瓶を落とし、割った。ガッシャーン!覃川は呆気に取られている九雲の前にひざまずき、涙ながらに謝罪した。すると怒った白公子が出ていけと怒鳴りつける。覃川は願ったり叶ったり、早速、出て行くことにしたが、九雲に止められた。「一日中、洗濯して疲れただろう?…初めは皆、失敗するものだ」九雲は自分が手取り足取りしつけてやると言った。覃川は九雲が追い出すよう仕向けたが失敗した。仕方なく水汲みに出かけたが、すれ違った雑用係たちの失笑を買う。どうやら九雲大人(ダーレン)は本当に雑用係が必要だったらしい。覃川はふて腐れながら戻ると、九雲がなぜか白公子を丁重に扱うよう命じた。「湯船は程よい温かさにするように」「分かりました…( ತ _ತ)チッ」覃川は白公子のため湯を運んだ。しかし白公子の姿はなく、湯船にはなぜか鏡が浸かっている。覃川はともかく桶の湯を置いて外で待つことにしたが、しばらくして殿内から白公子が出て来た。「え?いつの間に中へ?」「?始終いたぞ?」すると白公子はどこかへ出かけて行った。…まさかこの人、白月星雲鏡(ハクゲツセイウンキョウ)の化身なんじゃ…覃川は白公子が鏡に映った自分の正体を思い出す前に手を打とうと考えた。そこで白公子が寝静まった頃、金槌を持って寝所に潜入する。しかし結局、覃川は無邪気な顔で眠っている白公子を割ることができなかった。そんな中、突然、出雲閣に左紫辰(サシシン)と玄珠(ゲンシュ)がやって来た。紫辰は覃川と縁を感じ、九雲に譲って欲しいと頼む。すると九雲は文人である紫辰を称賛し、人の作品に筆を加えるのも得意なようだと遠回しに嫌味を言った。しかし紫辰があの曲を作ったのは九雲だと知る由もなく、その意味は伝わらない。「侍女1人くらいいつでも差し出すさ~この屋敷内にあるものは何でも謹呈しよう ただ本人の意思も尊重しなくてはな…」「嫌です!」覃川は間髪入れず断り、九雲がやすやすと自分を手放すとは辱めを受けた気分だと不快感を表す。驚いた紫辰は無礼を詫びたが、九雲はわがままを言うなと叱責した。「そなたは左公子を慕っていると思ったのだが…考え直さなくていいのか?」九雲は覃川の反応を見たが、気まずい雰囲気を察した玄珠が改めて出直そうと提案した。翌日、九雲を訪ねた眉山(ビザン)君は、花畑にいる侍女があの娘だと気づいた。そこで名前を聞いてみると″覃川″だという。「覃川か?…あの人らしい命名だ」「え?」「いや、亡き師兄を思い出してな…」すると眉山はしみじみ自分にも覃川のような妹弟子が欲しいと漏らし、酒を渡した。「湯せんしたら白玉の器に入れて持って来い」しかしやはり思い直して自分でやるという。覃川は酒を温めるくらいできると言ったが、眉山は酒になぞらえて警告した。「九雲はいちずでな、千年間も同じ酒しか飲まぬ だが美酒というのは人を狂わすものだ、内側からじわじわとな…」「…飲み過ぎには注意しないと」「分かってないな~この酒は心に巣くうんだ 杯の中では静かにとどまっているのに、一口飲めばたちまち感情をかき乱す 九雲は哀れな男だ…いずれ身を滅ぼすかもな?」「…大人、でもお酒はお酒でしょう?九雲大人も命まで落とすことはないのでは?」「っ!この酒というのはつまり…」眉山は覃川に何か言おうとしたが、九雲が現れた。「小川、すぐ酒を温めて来い」眉山は瓊花(ケイカ)海の涼亭で覃川が温めてくれた酒を飲み始めた。九雲は覃川に余計なことを吹き込むなと頼んだが、眉山は悩みを酒でごまかす九雲が心配だという。すると丸薬を取り出し、白河(ハクガ)龍王は必ず災いをもたらすと警告した。「この帰元護心丹(キゲンゴシンタン)を食しておけば、深傷を負っても霊力を失うことはない」九雲は必要ないと断ったが、眉山はそれでも強引に渡す。「お前の体内に宿るものを甘くみるなよ?」仕方なく九雲は丸薬を飲み込んだが、万始山の頂上に封じてあったという仙薬はかなりまずい。そこで眉山は酒で流し込めと勧めた。「ん?においが変だぞ?」「酒が分かっていないな~」眉山はそこで酔い潰れてしまう。「ふっ、小川を敵に回すと大変だぞ?」実は覃川は道すがら尿瓶を運んでいた二萌(ジホウ)と出くわし、酒に混ぜていた。つづく(  ̄꒳ ̄)あれ?9だーれんは何?燕燕を千年も好きだったってこと?てっきり師父が残した絵の謎を解きたい→次第に好きになるだと思ってた…
2021.04.20
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創造営2021とはWeTVが制作・配信しているオーディション番組今回は中国国内だけでなく日本・タイ・ロシアといった留学生を含む99名が参加しました練習生たちは各グループに分かれてステージで演技を披露、視聴者投票によって最終的に11名が選出され、めでたくデビューとなります5週目では第1回の順位発表が行われ99名→55名に、7週目の第2回ではさらに33名に絞られましたそして今週はいよいよセミファイナルとなる3回目の順位発表、25名が選ばれます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ まずは8期の第三公演の感想から今回は各チームにゲストが参加しての演技実はいつもここで管理人の方が脱落してしまいます( ̄▽ ̄;)オホホ~↓ココノコボ的ベストパフォーマンスチームはこちら!力丸老師のグループは毎回、全員が上手く見える不思議…(笑今回は″鴻門宴″を題材としたパフォーマンスで、丁重に拱手しながら意味ありげに首をくねらせる振り付けが印象的です↓ベストパフォーマンスはウーハイ君!ウーハイは花がありますね〜グループのセンターは絶大な財産を…違ったw絶大な人気を誇る劉宇でしたが、やはりヒップホップとなるとパワー不足、しかも今回はゲストが全て持っていっちゃった感じが( ̄▽ ̄;)そう言えばウーハイはかつて日本にアイドル留学していて、その時のダンスの先生がなんとリッキーだったそうですその後、中国に戻ったウーハイからダンスを習っていたのがボーユェンとリンモー「リッキーの孫弟子がいるなんて感慨深いわ〜@意訳」とメンターが驚いていましたね↓そしてもうひとりココノコボ的特別賞はゲストの劉些宁彼女はメンターのneneさんと同様、創造営2020(girls版)で選出されたメンバーのひとりだそうです武道もこなすせいか体幹が素晴らしく、扇子を持つ立ち姿もサマになっていました何よりややもすると練習生を食ってしまいがちなゲスト公演、しかし控えめな演出が高評価!⸜( * ॑꒳ ॑* )⸝ そしていよいよ第9期の順位発表!前夜は練習生たちのパジャマパーティー開催、そこで家族たちの応援メッセージとプレゼント交換が行われました涙あり笑いあり、心温まるシーンばかりでしたね~オスカーが似合わないと分かっていてもファンからもらった熊を抱っこしていたりAKのママが美人過ぎたり山持ってるとか、劉宇の苦労人エピは何だったのかと小一時間wボーユェンママは彼女いない歴が長すぎると息子を心配ガンちゃんは本当にポンコツだった!w↓サンタ妹妹もやはりダンス上手っ~からの愛犬ボンちゃんオチアムくんの妹が大人気で、練習生たちから義兄扱いミカママ、息子が10kgも痩せたと知って心配しながらのカラオケ披露とかどんだけ〜他にも書き切れないほど色々なエピがありましたが、これで最後になる練習生がいると思うと胸に迫るものがありました( ;∀;)イイハナシダナーそれではお待たせしました〜TOP11の発表です@敬称略(^ꇴ^)ノ第1位 劉宇第2位 賛多(サンタ)WARPs-UPメンバー第3位 ミカ Intersectionメンバー第4位 力丸(リッキー)WARPs-UPメンバー第5位 尹浩宇(パトリック)タイ出身第6位 ケーレン Intersectionメンバー第7位 高卿塵(ナイン)タイ出身第8位 周柯宇(zhou keyu)第9位 林墨(リンモーくん)第10位 利路修(リルーシュ)第11位 張嘉元(zhang jiayuan)ここからはファイナルに向けてランクアップを狙う25位まで第12位 伯远(ボーユェン)第13位 劉彰(AK)第14位 井汲大翔(イクミン)第15位 甘望星(ガンちゃん)第16位 張星特(Zhang Xingte)第17位 奥斯卡(オスカー)第18位 薛八一(バーイー)第19位 吴宇恒(ユーヘン)第20位 張欣尧(Zhang Xinyao)第21位 付思超(Fu Sichao)第22位 任胤蓬(レンくん)第23位 兪更寅(Yu Gengyin)第24位 羽生田挙武(アム)元ジャ●ーズ第25位 胡燁韜(タピオカくん)↓ババーン!ファイナルに向けて25名の紹介動画です!お気に入りの練習生を見つけてね( ˙꒳˙ )総評です!オスカーの予想外のランクダウン、驚きましたね~ラップが分からない管理人でも今回のオスカーはすごく良かったのに発表の時は本人も冷静に受け止めていましたが、インタビューでは思わず涙をこらえる場面がありました詳しくは分かりませんが、オスカーファンがディスられているとか何とか?「何かあるなら僕に言って欲しい」…って(ヾノ・∀・`)イヤイヤイヤ~何これ?たおたおも色々と叩かれたと言っていたし、他にもファンたちが推しの応援のためお金を徴収して問題になったという話もありましたZ世代よ、あまりに殺伐とし過ぎてやしないかwって、Zと言えばかつてはマジn…(´゚艸゚)ゲフンゲフン正直なところ8期の演技は物足りませんでした個人的にかろうじて及第点をあげられるのはリッキー率いる「璧」だけかも…ボーカルチームの路線は相変わらず純●風味でちょっと理解に苦しむ…|ω・`)ゴメンでもメンターでゲストだったneneさんが歌ウマなのは分かった~想像と違って( ๑≧ꇴ≦)スマソ今回はどのチームも守りに入ったか?という印象でしたそこでイメージをガラッと変えて来たサンタに期待が高まっていたんですね~サンタはインタでも掲げていた通り、本番も″皆で楽しく″を表現できていましたただそれがかえってサンタが周りに合わせてレベルを下げちゃった~と取られても確かに仕方がなかったか?むしろ視聴者はyummy組のような難易度を求めてたわね( ̄▽ ̄;)最後はリルーシュ問題wリルーシュは辞退を決めているみたいだけど、もしTOP11に入ったら繰り上げになるの?それはそれで微妙〜(´・_・`)、さていよいよ次回は最終公演、今回はセンターなしって言っていたような?チーム分けはすでに終わっていますしかしここまで上位陣が固まり過ぎてるのってどうなの?唯一の楽しみはやっとミカが純●から脱出できそうなことかな?(笑こうなると俄然ボーユェンのチームを応援したくなります╭( ・ㅂ・)و ̑̑ではまた来週~!
2021.04.19
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三千鸦杀 Love of Thousand Years第4話「愛する人との再会」梯子から落下して顔に切り傷を負った覃川(タンセン)。少しは良心があるのか、傅九雲(フキュウウン)は″芝草玉露膏(シソウギョクロコウ)″を置いて行った。しかし仙術を施した妙薬のため、患部に軟膏で護符を書く必要があるという。その護符とは亀の絵だった。覃川は嫌がらせだと憤慨しながらも渋々、黒い軟膏で顔に亀の絵を描く。鏡をのぞき込んだ二萌(ジホウ)は吹き出したが、驚いたことに覃川の顔の傷がみるみるキレイに消えた。その夜、修行を終えた香取(コウシュ)山主が洞窟を出た。弟子たち総出で出迎える中、山主は真っ先に九雲をそばに呼んで釘を刺しておく。一見、平穏に見える香取山、しかしタツノオトシゴの一件の通り、裏では不穏な動きがあると警戒していた。「例のことは霊力に関わる重大事だ、分かっているな?白河龍王だけではない 他の仙人や当山の弟子にも、もし知られたらどうなるか?」山主は九雲の腕をつかむ手に力を込め、無言の圧力を与えた。翌日、香取山に2人の賓客が到着した。瓊花(ケイカ)海で仕事中だった覃川たち雑用係も沿道にひざまずいて出迎えたが、翠丫(スイア)の話では驪(リ)国の公主だった絶世の美女が山主に弟子入りするらしいという。驚いた覃川はちょうど前を通り過ぎる賓客の顔をのぞき見ると、信じられないことに従姉妹の玄珠(ゲンシュ)が左紫辰(サシシン)を連れていた。玄珠と紫辰は静かな山荘に落ち着いた。紫辰の目を治すため半月ほど滞在する予定だが、何も知らずに香取山に案内された紫辰は機嫌が悪い。玄珠は左相国(サショウコク)の指示だと取り繕ったが、紫辰は失笑した。実はかつて香取山での修行の話が流れたことがある。度量の小さい仙人たちが離脱した門徒のような自分を治療するはずがない。玄珠は当時と事情が違うとなだめたが、紫辰は山主に頼りたくないと拒んだ。「香取山の山主は欲深いと有名だ、治療の見返りに何を渡したんだ?!」「なぜそんなに頑固なの?」「私の目だ!…私が決める」ちょうどその頃、覃川は玄珠たちの食事を届けに竹林へやって来た。しかしあの時の約束を思い出し、足がすくんでしまう。…燕燕(エンエン)は顔を変える前、最後に紫辰に会うことにしたそこで紫辰の部屋を訪ねたが、偶然、紫辰と玄珠の話を聞いてしまう実は紫辰は反乱のことを何も知らなかった紫辰は燕燕に誤解されて目を斬り付けられながら、それでも父の異変に早く気づけなかった自分を責めている真実を知った燕燕は紫辰に合わせる顔がなく、慌てて引き返したすると物音に気づいた玄珠が現れる『従姉妹のよしみで見逃すから、迷惑をかけないで、紫辰にしたことが正しかったと思うの?』『…たとえ目を失おうと父親の罪は償えない』燕燕は精一杯の強がりを見せたが、玄珠には見抜かれていた『彼を愛しているなら、もう構わないで』玄珠は燕燕が紫辰の謝罪を受け入れて元の鞘におさまることを恐れたしかし燕燕は否定する『違うの…紫辰を恨まなくても永遠に忘れられない、驪国の滅亡は全て左家が招いたことよ? 最後にひと目、会いたかっただけ…ありがとう、真相を聞かせてくれて これからはもう紫辰と関わらない、2度と会わないわ』『分かった、今の話を忘れないでよね これから紫辰の人生は私の人生よ、あなたのことを忘れさせてみせる』玄珠と紫辰の食事は結局、翠丫が運んでくれた。一方、九雲は偶然、俗世界の野草を発見、なぜ仙山に紛れ込んだのか訝しむ。そしてその夜、玄珠は山主を訪ね、かつて燕燕が公子斉(コウシセイ)からもらった絵を献上した。山主は絵を気に入って紫辰の目の治療を快諾、さらに美しい玄珠を自分の弟子に迎えたいという。「私は自分の直弟子のためにのみ仙術を使いたいのでな…」これも紫辰のため、玄珠はすぐさま弟子入りの叩頭を済ませると、山主は玄珠の額に弟子の証となる封印を残した。青青(セイセイ)は師妹となった玄珠を迎えるため、雑用係に凝碧(ギョウヘキ)殿を掃除させていた。そこへ玄珠が紫辰を連れてやって来る。「ここは宴会で使う場所よ、琴もあるからあとで届けさせるわね」「必要ない、気が乗らぬ…」すると青青は驪国の符文がある琵琶があると教えた。青青と玄珠は琵琶の話に花を咲かせたが、そんな2人をよそに、紫辰はふと懐かしい匂いに気づいて覃川の方へ歩き始める。焦った覃川は咄嗟に腰巾着から桂花油を出して髪の毛に塗りたくった。そのせいで紫辰は急にくしゃみが止まらなくなってしまう。玄珠は慌てて紫辰を気遣うと、青青は雑用係の匂いだと気づいて全員を下げた。覃川が中庭の掃除をしていると九雲が現れた。九雲は珍しく殊勝な覃川に銅鏡を返してやると言ったが、なぜか覃川は気に入ったのなら譲るという。「構わん、だが聞きたいことがある」実はその銅鏡の裏には驪国皇室の紋様・瑞燕麒麟(ズイエンキリン)があった。九雲は覃川が皇室の血筋とは驚きだと含みを持たせたが、覃川は意地でも正体を明かさない。「んなバカな~ダーレンったら見る目がないんですね~」「ならば娘(ニャン)から偽物をもらったと?」「そうです、貧しい家でしたから」すると覃川は仕事があると断り、銅鏡を受け取って逃げるように去って行った。覃川は九雲の追求を逃れ、花畑の仕事に戻ることにした。すると道すがら、橋の途中でたたずむ紫辰と出くわす。覃川は早歩きで通り過ぎようとしたが、足音に気づいた紫辰が急に声をかけた。「誰だ?」驚いた覃川はうっかり玉瓶を落とし、割ってしまう。「瓊花(ケイカ)海の水やり係です、お騒がせして申し訳ありません」「雑用係か…こちらへ」しかし紫辰に関わりたくない覃川は無視して歩き出した。紫辰は慌てて引き止めようとしたが割れた玉瓶を踏んで膝をつき、うっかり破片に手をついてしまう。紫辰は手のひらを切っていた。「姑娘(グゥニャン)、ただ瓊花海への行き方を聞きたかっただけなんだ…」覃川は急いで引き返し、紫辰の手に手巾を巻いて応急手当てする。「公子(ゴンズー)、天上池に沿って東へ向かえば瓊花海です」しかし紫辰は怪我をしたので散歩をやめると伝え、山荘へ送って欲しいと頼んだ。「そなたの名は?」「…覃川です」「覃川姑娘…今、割れたのは玉瓶だろう?私の部屋にも同じものがある それを持っていけば叱られないだろう」紫辰は昔の家と同じ場所に琴を置いていた。「旧友の贈り物なんだ…これを残すのは過去にあった全てのことを忘れないためだ」実は紫辰は覃川の語調で驪国人だと分かったという。「とても良い声だ、旧友と似ている…私たちは以前にも会ったことが?なぜか懐かしく感じる」「ご冗談を~ただの使用人が高い身分の方と会えるわけがありません」「…なぜだろう、そなたと話していると心が落ち着くよ」動揺した覃川は紫辰の手当を終わらせると、早々に下がることにした。すると紫辰が覃川の顔が知りたいと言い出し、手を伸ばして覃川の頬に触れる。「覃川、君は美しいね」その時、玄珠が青青を連れて入って来た。青青は覃川が賓客を誘惑したと激怒した。しかし紫辰は自分が覃川を連れて来たとかばい、むしろ居所に青青を入れた玄珠に不快感を示す。玄珠は仕方なく紫辰に言われたとおり覃川に玉瓶を渡して見逃したが、青青は怒りが治らなかった。そこで弟子たちを引き連れ、覃川の居所を捜索する。ちょうど仕事から戻って来た覃川は何事かと聞いたが、その場で取り押さえられた。「私が何をしたと言うんです?!」「牢に入って考えなさい、連れて行って!」その夜、玄珠は中庭でたたずむ紫辰を見つけ、外套を持って行った。「玄珠、すまない、嫌な思いをさせて…この数年、苦労をかけたね」玄珠は紫辰の優しい言葉に胸がいっぱいになり、思わず紫辰の耳元でささやいた。「月が美しいわ」一方、収監された覃川は天原国に滅ぼされた驪国の無念を思い出していた。…覃川、何度も言って来たわね?阿満、父皇、母后、そして驪国人の敵を討つと…牢の中にいてはこれまでの苦労が水の泡になる…でもどうすれば妖魔を倒し、民を救えるの?すると思いがけず二萌が九雲を連れて面会にやって来た。「こう思っているのだろう?″私は何をしているのか、大事なことが進んでいないのに″と…ふっ」九雲の鋭い指摘に覃川は動揺を隠せない。しかし二萌が確かに自分たちの大事なことが進んでいないと笑った。|ω・`)<私は無実なんです!あぁ~目の前の九雲大人が本当の菩薩様に見えるわ~(.. ゚ェ゚)<川儿?九雲大人は元から神仙だ|ꇴ≦`)<そうだった!そこで九雲は助けても良いが見返りは何かと聞いた。|ω・`)<今後の給料全て…?(うーん)この身を捧げます( ๑≧ꇴ≦)<そこにいろ!|ω・`)<そんな~覃川は仕方なく助けてくれるなら何でも言われた通りにすると泣きついた。すると九雲は覃川をあっさり解放し、見返りとして自分の侍女になるよう命じる。つづく↓今日のチンダーレン左の遠目の映像はそのまま?でも右のアップは雑すぎるw
2021.04.19
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三千鸦杀 Love of Thousand Years第3話「霊灯の在りか」妖魔を封印することができる法器・霊灯(レイトウ)は香取(コウシュ)山にあった。山主は洞窟にこもって灯火修行をしていたが、その夜、ふらりと傅九雲(フキュウウン)が現れる。「九雲、次の灯火修行の時は外で守っていなくてもよい、霊力の吸収は節度を守っている お前の師父のように行き過ぎることはない」「だが今は慎重になったほうが良い…まもなく白河(ハクガ)龍王が訪ねて来る」霊灯のお陰で霊力が増した山主は白河龍王など歯牙にも掛けていなかったが、確かに来訪する真の目的によっては厄介なことになる。ともかく山主は九雲の身体に霊力を注いでやった。すると九雲の首の後ろにある印が反応する。「九雲よ、お前の霊灯は素晴らしい 私が霊灯の霊力を吸収するのは、お前の体内の2つのものを封印するためだ」「山主は仙界でも屈指の封印大師、山主の封印がなければ私はとうに死んでいる」その時、山主は誰かが結界を破ったと分かった。九雲は恐らくあの覃川(タンセン)だと気づき、すぐ飛び出して行く。まさか向こうから飛び込んで来るとは好都合だ。覃川の正体は驪(リ)国の帝女・燕燕(エンエン)だった。あの夜、亡国の恨みを晴らすと決意した燕燕は師匠から法術を授かり、霊灯の在りかを記した香取山の地図を受け取る。しかし香取山で本当の姿を見せてはならなかった。すると師匠が燕燕を座らせ、髪を梳きながら新しい名を授けてくれる。実は今年が燕燕の笄礼(ケイレイ)の年、驪国の女子はかんざしを挿す年に年長者から本当の名前をもらうしきたりだ。『これからあなたの名前は″覃川″です』老先生は最後にかんざしを挿すと、燕燕の顔を阿満(アマン)に変えた。こうして新しく生まれ変わった覃川はついに雑用係として香取山へ潜り込むことに成功、早速、地図を頼りに岩山へやって来た。しかし結界に阻まれ、入ることができない。そこで覃川は白紙術で白虎を招喚、無事に岩山へ入った。↓猫猫(マオマオ)洞窟を抜けた覃川、すると九雲がいきなり背後から覃川を抱きしめ、口づけしたいとささやいた。身の危険を感じた覃川はこっそり腰巾着から針を取り出すと、振り向きざまに九雲の肩に突き刺してしまう。「そなたがどこにいても…見つけてみせ…る…ゥッ」九雲はそこでばったり倒れた。翌日から覃川の行く先々に九雲が現れるようになった。九雲に翻弄されながらも機転を利かせてあしらう覃川、すると偶然、桂花が仙人たちの嫌いな匂いだと知る。そこでその朝、覃川はわざと髪に桂花油を塗りたくり、仕事へ出かけた。仕事場の花畑で九雲が待っていた。しかし九雲は桂花油に全く反応を見せず、涼しい顔で覃川の髪に花を挿す。覃川は軽薄な九雲を牽制するため、実は愛する幼なじみがいると言った。香取山の雑用係になったのも、16歳の時に仙人になる修行に出たまま行方知れずになった幼なじみを探すためだという。(^ꇴ^)b<彼は…姓は豆(トウ)、名も豆(トウ)、豆豆哥です( ತ _ತ)<幼なじみ?で、何だって?( 」゚ロ゚)」<だから~″どーどーぐぁー″です!「私の名は豆豆じゃないぞーっ!」その声は覃川の許嫁・二萌(ジホウ)だった。二萌は覃川が自分の名前を間違えたと気づいて走って来た。しかし動揺した覃川が帰れと命じると、素直に仕事に戻ってくれる。まさか九雲が自分の正体を知っているとは思わず、覃川は本当に愛する人は豆豆だけだと言い張った。するとさすがに痺れを切らした九雲が覃川に刺された針を返す。驚いた覃川は咄嗟にその場にひざまずき、命乞いした。実は父から武術を少し学んでおり、針と針に塗った麻酔薬は護身用だという。「やむを得ず使ったのです、九雲大人(ダーレン)を痴漢と勘違いして…これも純潔を守るためです! それに大人は身体がお強いでしょう?あの麻酔は普通の人なら耐えられないけど~ お元気そうで~オホホホ~」「なら本当に豆豆哥のためのようだな? …立ちなさい、小川よ、桂花油を塗りたくっても美女にはなれないぞ?ん?」すると九雲は小賢しい覃川のほおをつねって帰って行った。覃川は九雲から解放され、再び霊灯探しに戻った。すると偶然、弟子たちが九雲の指示で裏山の結界を増やしていると小耳に挟む。覃川は弟子たちに見つからないよう気をつけたが、知らず知らずのうちに禁地に入っていた。覃川は山の奥で巨大な鏡を発見した。そこへ偶然、見知らぬ侍女が通りかかり、気まずい2人は互いに道に迷ったと取り繕う。しかし鏡に2人の正体、燕燕とタツノオトシゴが映し出された。2人は互いの正体に気づいて対峙したが、侵入者に気づいたツルが2人に襲いかかる。すると覃川はタツノオトシゴなら白河龍王の間者だと気づき、自分も龍王の弟子だと嘘をついた。「とにかくこの鏡を割らないと!」侍女は咄嗟に短剣を投げて鏡にヒビを入れたが、その隙に覃川が腕をつかみ、侍女を思い切り鏡に投げ飛ばしてしまう。裏山の騒ぎに気付いて弟子たちが集まって来た。覃川は道に迷い、侍女を見かけて道を聞こうとしたところ、鏡に真の姿が映ったと涙ながらに訴える。確かに覃川のそばにはタツノオトシゴが倒れていた。弟子たちは白河龍王の間者だと警戒したが、そこへ九雲がやって来る。すると九雲は山主が閉関しているため自分に任せるよう伝え、弟子たちを解散させた。そこで覃川もどさくさに紛れて帰ろうとしたが、九雲に止められてしまう。|ω・`)oO(oops!ヤバい…(  ̄꒳ ̄)<何がヤバいんだ?覃川は何も知らないと訴え、タツノオトシゴがひとりで鏡を割ったと嘘をついた。しかしどちらか1人の力でこの鏡陣を破れるはずもなく、九雲は侍女と協力して鏡を壊した後、覃川が背後から侍女を襲ったのだと気づく。そこで不意を突いて覃川を抱き寄せ、全て見透かすように耳元でささやいた。「嘘つきめ、言い訳はできぬぞ…このツルは万宝(バンホウ)閣に侵入する者に絡みつく」九雲は短刀で切り落とされたツルから桂花油の匂いがすると確認し、かすめ取った折り紙を見せた。「白紙仙術だな?これで何をするつもりだ?…自分で出すか?それとも私が探そうか?」追い詰められた覃川は仕方なく外衣を脱ぐと、懐に隠していた折り紙が転がり落ちた。「折り紙もしてはいけないんですか?!うさぎは娘(ニャン)からもらったんです!」九雲は知らぬ存ぜぬを貫く覃川に実力行使、万宝閣に入れず残念だろうと言いながら覃川の頬に手を伸ばした。驚いた覃川は咄嗟に短剣を自分の首に突きつけ、想い人がいると抵抗する。「そなたの話は嘘ばかりだな、この山に豆豆などいない」「罪を着せられ、貞操も守れないなら死にます!」しかし嘘だと知っている九雲は止めてくれない。覃川は何度も腹を刺そうとしたが、無駄だった。「私への嫌がらせなのか?その三文芝居は…」すると九雲は急に馬鹿馬鹿しくなって帰って行った。九雲は居所に戻ると湯殿を準備した。「お前はついてなかったな…」九雲は湯殿に″白月星雲鏡(ハクゲツセイウンキョウ)″の破片を浸けると、しばらくして鏡は人形(ヒトガタ)になった。すると鏡はきれいな娘を見たという。翌朝、覃川が天上池で水をくんでいると、偶然、青青(セイセイ)と九雲が通りかかった。すると青青が昨日の裏山の娘だと気づき、わざわざ声をかけて覃川の証言など信じていないと迫る。九雲は自分の調べで問題はなかったと助け船を出したが、青青いわくこれは戒めだという。「使用人の身で勝手なまねをしたら、3日間、死体をさらしてやるわよ」青青はどうやら禁地に入った覃川を警戒しているようだった。覃川は梯子に登り、中庭の大木の葉を選別していた。すると後ろの涼亭に陣取った九雲が急に声をかける。「言ってみろ?ここに来た目的を…」「目的なんてありませんよ~もう勘弁してください」「狼少年(小騙子)?もはや疑っているのは私だけではないぞ?」「なら放っておいてください、どうせ死体をさらされるだけですから…」「ふん、目的を聞き出すまで手を引かないぞ?」|ω-`)oO(チッ!狗屁(クソ)仙人め…妖魔の退治もせず山に隠れてるだけで崇められちゃって、世間では隠者なんて言われてるけど、鏡でその顔を良く見てみろっつーのすると覃川はイライラして木の葉に八つ当たりした。「切ってやる!(チョキン!)こっちも!」九雲が急に静かになった。そこで覃川は振り返って後ろの涼亭を確認したが、九雲の姿はない。その時、うっかり腰巾着から銅鏡を落とし、ちょうど梯子の真下にいた九雲が拾った。「この銅鏡は?」「はっ!私のーっ!」不意打ちされた覃川は下をのぞき込んだ拍子に足を踏み外し、落下してしまう。しかし九雲が見事に覃川を抱き留め、難を逃れた。「九雲大人は人を抱くのが本当に好きですね(棒)」すると九雲は急に手を離し、覃川はそのまま地面に落ちてしまう。「顔に擦り傷があるぞ?ほら?」九雲は銅鏡で頬の傷を見せると、鏡が気に入ったので助けた礼にもらうと言った。驚いた覃川は母からもらったので返してくれと頼んだが、九雲はまた母かと呆れる。「なぜかこの銅鏡は…まるで…」そこへ二萌が現れ、話は途中で終わった。「ご亭主が来たなら私は失礼しよう」九雲は覃川の手に薬瓶を握らせて帰って行った。九雲がくれた薬は″芝草玉露膏(シソウギョクロコウ)″だった。小瓶に巻きついていた紙片には、4刻のうちに塗れば傷が消えるとある。ただし注意書きがあった。実は仙術を施した妙薬のため、下記の護符を患部に書かねばならないという。それは…。つづく
2021.04.18
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三千鸦杀 Love of Thousand Years第2話「亡国の恨み」病を理由に朝廷を休んでいた左相国(サショウコク)は妖魔に寝返っていた。左相国は天原国の襲撃を手助けすべく妖兵と共に屋敷を出たが、その様子を偶然、驪(リ)国の帝女・燕燕(エンエン)に見られてしまう。その時、上仙・傅九雲(フキュウウン)は眉山(ビザン)君と別れ、屋根の上から高見の見物を決め込んでいた。すると妖兵に追われた燕燕が転倒し、今まさに殺されようとしている。…天に逆らい再び関わるならば、あなたも災難を避けられませんぞ?…「″天に逆らう″か?…それもよい」九雲は老先生の戒めに逆らい、結局、仙術で燕燕を助けてしまう。すでに城門には天原国の大軍が迫っていた。しかしこの時までなぜ狼煙が1つも上がらなかったのか。朝廷を招集した宝安(ホウアン)帝は左相国に問いただそうとしたが、この危機的状況にも関わらず左相国は参内していないという。皇帝は愕然となり、この時、ようやく相国の裏切りに気づいた。一方、父の使いで寺に向かっていた左紫辰(サシシン)は胸騒ぎを覚え、馬車を止めるよう命じた。しかし従者が左相国の命令で寺までは止まれないと断る。「寺に着けば守って頂けます!」紫辰は政変に気づき、今すぐ引き返さねば自害すると脅した。九雲は仙術で竜巻をおこし、天原軍の侵攻を阻んだ。しかし天原国の皇太子・靂渊(レキエン)が九雲の姿に気づいて矢をつがえる。「仙人が邪魔をしおって…」九雲は靂渊の矢をあっさり払い避けたが、それ以上、天原軍を阻止することはできなかった。左相国は城門を開き、天原国の皇太子を招き入れた。こうして天原軍は難なく城内へなだれ込み、人々をなぎ倒して行く。襲撃された驪軍はなす術なく、両親を守るべく宮門を守っていた二皇子は靂渊の剣に突き刺され絶命した。その頃、慌てて皇宮に戻った燕燕は宮道を埋め尽くする兵士たちの亡骸に呆然としていた。しかし亡骸の下敷きになって奇跡に助かった貼身侍女・阿満(アマン)と再会を果たす。すると突如、息を吹き返した妖兵が2人に襲いかかった。阿満は咄嗟に公主をかばい、背中を斬られて卒倒してしまう。驚いた燕燕は落ちていた剣を拾うも絶体絶命、その時、駆けつけた紫辰が妖兵を刺し殺してくれた。燕燕は愛しい紫辰が助けに来てくれたと安堵した。しかし左府の配下の言葉で全てを悟る。「公子!なりません!相国が城内の者は皆殺しにせよと…」紫辰は配下を怒鳴りつけ、自分が燕燕を守ると誓った。一瞬、頭が真っ白になった燕燕だったが、ふつふつと怒りと悲しみが湧き上がって来る。「天原国と左家は通じていたのね…」燕燕は紫辰に裏切られたと誤解、激情に駆られて思わず剣を振った。すると紫辰の両目から激しい血飛沫が飛び散り、驚いた配下たちが熱り立つ。しかし紫辰は両目を押さえながら配下を制し、燕燕を逃がそうとした。その時、仙鶴に乗った師匠が現れる。仙鶴が巻き起こす激しい風に左府の配下たちは身動きが取れず、燕燕はその隙に阿満を抱えて師匠の手を取った。こうして無事に脱出した燕燕、すると皇宮を埋め尽くす亡骸の中に惨殺された両親の姿を見つける。「父皇!母后!」眼下には自分たちを睨みつける靂渊の姿があったが、今の燕燕は逃げるしか方法はなかった。燕燕は意識を取り戻した阿満を連れ、師匠と共に郊外まで逃げ延びた。しかし運悪く妖兵と出くわし、師匠が仙術で応戦したものの、阿満が刺し殺されてしまう。阿満は幼い頃から公主の側に仕え、身分は違えど燕燕にとって姉妹同然の存在だった。…阿満が死んだ、これで身近な人は皆、いなくなったわ…この世にはもう父上も母上も兄上もいない燕燕は絶望し、阿満を埋葬しながら自分もすぐ行くと覚悟する。すると老先生が諦めるのはまだ早いと励ました。実は霊灯(レイトウ)という法器があれば妖魔を封印することができるという。「それを灯せば全ての妖魔の霊力を封じられるのです、しかし… 灯をともすには霊灯と血の契りを結ばねばならず、灯に捧げた魂は最後には消えてしまう」「…霊灯を探すわ」燕燕は驪国の敵を討つと奮起、自分の魂を犠牲にしても天原国の妖魔を討ち、全世界の妖魔を滅ぼすと決意した。ただし霊灯を取りに行くには身分を忘れ、名を隠して生きなければならないという。この世から亡国の帝女が消え3年が経った。ここは仙人たちが住む雪深い香取(コウシュ)山、下働きの人間たちが暮らす雑役院とは境界線となる符文(フモン)を彫った高い壁があった。実は来月、この香取山に白河(ハクガ)龍王がやって来る。趙(チョウ)管事は仙人たちの住む内殿で働く雑用係を選ぶことになったが、ある娘に目をつけていた。趙管事が目をつけたのは阿満に瓜二つの娘・覃川(タンセン)だった。覃川は黙々と仕事をこなす一方で、同僚の仕事を請け負いながら小銭を稼いでいる。そんなある日、内殿で働きたい翠丫(スイア)が賢い覃川を頼った。( ・ノェ・)コショッ<これは趙管事が一日中、食べている鯪魚(リョウギョ)城の瓜の種なの趙管事は覃川を居所に呼び、甥の二萌(ジホウ)を紹介した。まだ香取山に来たばかり、20歳で独り身だという。「白河龍王の訪問のことは知っているでしょう?私が雑用係を選んでいるの」すると趙管事は急に馴れ馴れしくなり、二萌は頭が鈍いが両親を亡くして不びんだと訴えた。そこで内殿で働かせるつもりだが、今回の白河龍王の訪問で何かあるかもしれないという。実は香取山主と白河龍王の良好な関係は表向き、互いに腹を探り合っているため、内殿はぴりぴりしていた。趙管事は覃川を二萌へ嫁がせ、内殿でへまをしないよう面倒を見て欲しいという。(^ꇴ^)<はい!(; ゚ェ゚)<え?いいの?(^ꇴ^)<いいですよ!覃川は即決して趙管事を驚かせたが、二萌が急に怒って出て行ってしまう。「顔は醜いし、肌も汚い!青青(セイセイ)姑娘(グゥニャン)の足元にも及ばないよ!」驚いた趙管事は甥に悪気はないと取り繕った。覃川はむしろ率直で男らしいと褒め、これでめでたく婚約となる。そこで翠丫から預かった瓜の種を渡し、一緒に内殿の雑用係に選んでもらうことにした。翌朝、内殿の雑用係に選ばれた覃川たちは荷物をまとめて塀の前に集合した。趙管事は香取山に入ったら掟に従うよう命じ、いよいよ洞窟へ入る。そして山を登ること二刻、ようやく長い洞窟を抜けると、美しい花畑が広がっていた。趙管事は許されていないことはしないよう釘を刺し、特に裏山は立ち入り禁止だと警告する。「もし入ったら、跡形もなく消えるわよ!」やがて花畑を抜けると、巨大な鏡が現れた。驚いたことに鏡の中が凝碧(ギョウヘキ)殿だという。覃川は皆が次々と鏡に吸い込まれるのを見ながら、最後まで入るのをためらった。そこで恐る恐る片足を突っ込んでは戻し、今度は片手を入れてみては戻す。すると趙管事がいきなり覃川の腕をつかみ、中へ引っ張り込んだ。「何してるの?!まったく〜早くして!」覃川が急いで仲間たちの列に加わると、ちょうど青青が現れた。「青青大人(ダーレン)、新しい雑用係です」「ん…子衿(シキン)、一心(イッシン)、仕事を割り振って」九雲が笛を吹いていると、ちょうど眼下を歩く一行を見かけた。子衿と一心は九雲大人に気づいて足を止め、白河龍王が来訪するため新しい雑用係が来たと説明する。翠丫は九雲の美しい容姿に目が釘付け、うっかり手に持っていた腕輪を落とした。すると九雲が瞬時に飛び降りて拾ってくれる。「独山玉(ドクサンギョク)の逸品だな」「母の形見です」九雲はこれ見よがしに翠丫の手を握りしめて腕輪を返し、隣にいる覃川の様子をうかがう。…今どきの仙人って軽薄ね…覃川は思わず目をそらしたが、そんな覃川を翻弄するように九雲は翠丫に口づけしてもいいかと耳打ちした。…恥知らず…呆れる覃川だったが、その時、舞い上がった翠丫が気を失ってしまう。雑用係の男たちは翠丫を近くの林の中まで運んだ。覃川は心配で付き添っていたが、そこで男たちの噂話を聞く。<容貌に惑わされたのか?今の仙界では全ての仙人が九雲大人を避けてるって言うのに〜<ああ~だから滅多に見かけないのか、評判が悪いんじゃ面目ないもんな眉山が涼亭で酒を飲んでいると、九雲がやって来た。「あの娘が来た…」「まさか!師兄が皇宮から救い出し、お前に見えぬよう結界を張ったんだぞ? 自ら出向いて来るとは…恩返しでもするつもりか?!」「恩返し?」「仙人と人間と妖魔、3つの世界は千年以上も互いに干渉せずにやって来た、3年前まではな あの娘のために古来の掟を破ったんだぞ?!感謝して当然だ!」しかし九雲の興味はあの娘が香取山に何をしに来たのかだという。眉山は情が湧くのは縁かもしれないが、災いかもしれないと釘を刺した。「…しばらく見ないうちにあの娘は小賢しくなった、構わぬ、時間はたっぷりあるさ」不敵な笑みを浮かべる九雲、眉山は得意のお遊びかと揶揄したが、九雲は遊びではないと言った。覃川は雑用係として花畑を任された。しかし渡されたのは小さな玉の瓶ひとつ、何でも瓊花(ニカ)海の花は全て仙花のため天上池の水を与えればいいという。するとその夜、翠丫が文句を言いながら居所に戻って来た。「仙鶴に噛まれた~何が仙境よ~動物にまでバカにされるなんて」覃川はふて腐れながら寝台に倒れ込んだ翠丫を励ましたが、すでに翠丫は眠っていた。つづく( ๑≧ꇴ≦)青青だーれん!どこか違和感あるけどまだ普通ですwそれにしても結構な惨劇映像でしたね…
2021.04.16
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三千鸦杀 Love of Thousand Years第1話「天原国の動き」『なぜまたあの絵の中に?』『少し酔ったかな…』傅九雲(フキュウウン)は人間界の戦の絵を眺めながら盟友・眉山(ビザン)君にそう答えた絵の中では深紅の衣をまとった娘が激しい雪の中、満身創痍で巨大な陣太鼓を打っているすでに多くの兵士の亡骸が野を覆い、流れ出した血は川となったそしてその恨みが積もり積もって山河に満ちて行く実はこれは九雲の亡き師匠が残した絵だった九雲は師匠の絵を千年も眺めて来たが、いまだにその意味を理解できないという結局、娘は斬り殺されてしまうが、眉山は人間の殺し合いなど日常茶飯事だと無関心だったしかし九雲は人間界でこの娘を見たという『千年かけてやっと見つけた…』九雲が見つけた絵の娘は驪(リ)国の帝女・燕燕(エンエン)だった。燕燕は皇室だけに伝わる秘術・白紙(ハクシ)仙術の修行中だったが、老先生は口達者な公主に手を焼いている。「仙鶴(センカク)を10羽、呼び出すまで外出禁止です!」すると燕燕は早速、白い紙を放ったが、飛び出したのは鶴ではなく、蛙だった。もうすぐ母の誕生日、祝宴には燕燕の天敵である従姉も招かれていた。すると二皇子が不機嫌そうな妹を見つけ、声をかける。「良いものを見せてやろう、この絵は金千両を出しても買えないぞ?」その巻物は確かに素敵な梅の絵だったが、さすがに千両は言い過ぎだ。しかし燕燕はすぐその絵の価値が分かる。ふいに絵の中から雪が舞い上がったかと思うと、燕燕は白銀の世界で凛とした寒梅を観賞できた。燕燕は幻影を映し出す不思議な絵に魅了された。二皇子の話ではこの絵は博文(ハクブン)館に現れた並外れた容姿を持つ絵の達人・公子斉(セイ)が書いたものだという。公子斉は絵に驚くような仙術を施し、見る者を夢中にさせていた。本人いわく一番得意なのは音楽で、二番目は色ごと、三番目が絵、四番目が仙術だとか…。噂を聞いた二皇子も公子斉の絵を手に入れようと群がる人々の波に揉まれていたが、ふと気がつくと手の中にこの巻物があったという。それにしても自分に惚れない女はこの世にいないとまで公言するとは思い上がり過ぎではないか。燕燕はそんな軽薄な人間が描いた絵とは思えなかったが、色ごとより得意と言うなら音楽の腕前はかなりのものだろう。すると二皇子は確か″東風桃花曲(トウフウトウカキョク)″という作品があったが未完成だと教えた。実は前半を作ったあと、天下にこの曲を舞える者はいないと感じて後半を作らなかったという。「なんて高慢な!公子斉に曲を完成させるように言って、踊り手ならここにいるわ!」「よし、阿哥に任せろ、ただし…ひとつ約束してくれ」兄の条件は反りが合わない叔母たちと仲良くして皇室の対面を守ることだった。仕方なく兄と2人で叔母・秋華(シュウカ)夫人と従姉・玄珠(ゲンシュ)に挨拶に行った燕燕、すると叔母が燕燕を見てすっかり美しくなったと歯の浮くようなお世辞を言う。そこで燕燕は玄珠にはとても敵わないと卑下し、さすが″中山(チュウザン)藩一の美女″と言い返した。夫人は顔を引きつらせながら、諸侯の娘など驪国の帝女とは比べ物にならないと笑う。妹の一撃に二皇子は頭を抱えたが、燕燕が話を変えた。「姐姐(ジェジェ)?最近、凄腕の仙人に師事されているとか?何か仙術を見せて欲しいわ」「修行は心身を正しくし、慎ましくあることが大切よ?学び終えるまでは見せたりしないわ~フン」燕燕は仙術の授業があると断り、兄に2人を任せて帰ることにした。すると母から見送るよう命じられた玄珠が仕方なく一緒に回廊へ出る。面白くない燕燕は咄嗟に手巾を取り出し、これで汗を拭いたらどうかと言った。玄珠は手巾に″辰″の刺繍があることに気づいて思わずつかんだが、燕燕は離さない。「私のものは何でも欲しいのね?」そこへ偶然にも燕燕に手巾を贈った相手・左紫辰(サシシン)が現れた。驚いた燕燕は玄珠が到着してすぐ来るほど気になるのかと嫉妬したが、紫辰は病の父から命じられただけだと釈明する。安心した燕燕は笑顔で紫辰を見送ると、玄珠は想い人に挨拶する間もなく不満げだった。そんな中、天原(テンゲン)国がまたしても周辺国を併合した。天原国と言えば勢力を広げながら軍力を増強し、しかも妖魔を崇めて妖術を使っている。報告を聞いた宝安(ホウアン)帝はいよいよ驪国も狙われると危惧し、国境の兵士たちを心配した。驪后は左相国(サショウコク)に相談するよう進言したが、なぜか昨日になって突然、辞官したいと奏状が届いたという。そこで皇帝は自ら左府を訪ねて説得することにした。まさか病を理由に屋敷にこもっている左相国が密かに妖魔を崇めているとも知らず…。翌日、皇帝と二皇子はお忍びで左府を訪ねることになった。燕燕は男装で身分を隠し同行したが、馬車の中で兄から″東風桃花曲″の完全版の楽譜を手に入れる。すると二皇子は妹がこの曲を踊れたら最高の絵を描いてもらえる約束を取り付けたと教えた。燕燕が突然、紫辰の部屋に現れた。「燕燕?!どうしてここに?」「父皇がお忍びで来ているの」すると燕燕は六芸すべてに秀でている紫辰に楽譜を渡した。紫辰はその複雑な旋律を見るなり達人の作だと気づき、仙人か皇室しか持つことができない名作だと絶賛する。「ここが分からないの、どうやって琵琶を奏でるのかしら?」「並外れた切れ者だな…でもあの奏法を使えば難しくはないだろう、背で弾くのだ」紫辰はあっさり難題を解決したが、なぜか華やかで勢いのある曲に強い殺気があると分かった。特に後半は死の気配があふれているため、紫辰は慶事にふさわしくなるよう編曲する。喜んだ燕燕は紫辰に玉のかんざしを贈った。「父皇の宮殿で見つけた上等の玉を使って国で一番の職人に作らせたの」燕燕は自ら紫辰の髪にかんざしを挿し、そっと紫辰の頬に触れた。紫辰は思わず燕燕の手を握りしめ、2人はしばし見つめ合う。「嬉しいよ…」皇帝たちが帰ると、紫辰の部屋に父がやって来た。すると父から皇后の祝宴に代わりに行くよう命じられる。紫辰は朝廷が乱れて外敵が迫る今、辞官するのはどうかと諌めたが、父は息子の進言を許さなかった。その夜、燕燕の寝所に公子斉が現れた。公子斉が仙術で燕燕の手元に文を残すと、燕燕はふと目を覚ます。…女人の男装は見苦しいことよ、歌舞の約束を忘れるなかれ…文を読んだ燕燕は驚いて寝台から飛び出したが、すでに公子斉の姿はなかった。「公子斉ね!私が勝つから!」皇后の誕生日、祝宴に集った朝臣たちの噂の主はもっぱら左相国だった。すでにひと月余りも姿を見せない相国、果たして今日は現れるだろうか。何でも皇帝がお忍びで訪ねて慰留したものの、病が重く立つことも難しかったとか。しかし噂では病は嘘で、皇帝が相国の権勢に不満だと知って辞官を申し出たという。すると宴席に父の名代で紫辰が現れ、朝臣たちは口をつぐんだ。都が祝賀に湧いている頃、天原国の皇子・靂渊(レキエン)は密かに左相国から驪国の防衛図を受け取っていた。今なら驪国の砦は隙だらけ、この機に乗じ、一気に都まで侵攻して平定を目指す。一方、九雲と眉山は宴へ向かっていた朝臣を拘束、しれっと2人に成り済まして祝宴に紛れ込んだ。するといよいよ燕燕の出番がやって来る。燕燕は仙術を駆使して見事な舞を披露し、誰もがその美しさに目を奪われた。あの難解な章も燕燕は琵琶を背に回し、難なく弾きこなしてみせる。「どうやら賭けは負けだな?」眉山は思わず九雲を見たが、九雲は悔しがるどころか嬉しそうに見えた。しかしそんな九雲が急に杯を置き、憤慨する。「書き換えたな?!私の作品だぞ!」九雲は燕燕の舞が終わると早々に席を立った。仕方なく会食を諦めた眉山は、たかが小娘のために万年の修行で得た悟りの心を乱す必要はないとなだめる。「私はただ…酒がまずいだけだ」九雲はそう言ってごまかしたが、その時、2人の前に燕燕の師匠が現れた。「師兄?!」兄弟子の姿に驚きを隠せない眉山、すると老先生は上仙が俗世間に関わるべきではないと苦言を呈す。「公子斉先生、帝女はまだ年若い、ここまでで良いでしょう?」「…嫌だと言ったら?」「彼女の天命は定められている、手出しはご無用です」老先生は悪縁を結ばぬよう釘を刺し、天に逆らって関われば公子斉自身も災難を避けられなくなると警告した。すると九雲は納得し、巻物を招喚して託すことにする。「ではこれを渡してください、今後は近づきません」しかしその夜、ついに天原国が驪国に侵攻した。翌朝、燕燕が目を覚ますと、机の上に巻物と文があった。貼身侍女・阿満(アマン)の話では朝、門の前に置いてあったという。…負けを認める、公子斉…燕燕は早速、巻物を広げると、部屋の中に桃の花が舞い上がった。「公主!公主!見てください!」思わず歓声を上げる阿満、すると燕燕はひとりで宮殿を抜け出したいと頼む。阿満は難色を示したが、燕燕は紫辰に公子斉の絵を見せたいと訴えた。左相国は朝から紫辰を寺へ送り出した。紫辰は父に頼まれて札を取りに向かったが、どうも父の様子がおかしい。一方、無事に息子を都から遠ざけた左相国は門を固く閉じ、すぐに密室へ向かった。燕燕は巻物片手に歩いて左府までやって来た。しかし紫辰を驚かせるため門を叩かず、塀を登ってこっそり侵入することにする。そんな燕燕の様子を九雲と眉山が物陰から見ていた。「九雲?本当にあの娘が絵の中の女なのか?…師兄に言われたろう?俗世に関わるなと」しかし九雲は眉山こそ人間界に相思相愛の相手がいたはずだと揶揄した。「私のことより自分はどうだ?その傷は辛湄(シンビ)の男にやられたんだろう?」「仙人が俗人を相手にするわけにはいかんからな、公平に戦ったのだ、仙術は使わん」「なるほど」眉山は左目の周りがあざになっていた。するとその時、塀をよじ登った燕燕が思わぬ危険に巻き込まれる。燕燕は運悪く左相国が妖術で招喚した兵士たちと共に屋敷から出て来る様子を目撃していた。つづく※原題「三千鴉殺」でお気づきの皆さんも多いと思いますが…まさしくその通り「三千世界の鴉を殺し、主と朝寝してみたい」でおなじみ、高杉晋作の都々逸から取ったそうですと言うか恐らく「三千世界の鴉を殺し」の漫画からでしょうねでも本国の人は意味不明では?しかも邦題になったら「三千鴉の恋歌」って訳わからなくなってるし( ̄▽ ̄;)( ๑≧ꇴ≦)そんなわけで青青大人待ちですw
2021.04.15
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梦回 dreaming back to the qing dynasty最終話「時を超えた想い」時空の歪みから300年前の清朝にタイムスリップした徐薔薇(ジョショウビ)。そこで現代につながる因縁を解き明かし、雅拉爾塔(ヤラルタ)茗薇(メイビ)としての生を終えてついに現代に戻った。現代では薔薇のプロジェクトを引き継いだ蒋茗蕙(ショウメイケイ)が窮地に追い込まれていた。茗蕙が任されてからと言うもの問題が山積、貝(バイ)先生はいよいよ行き詰まったプロジェクトの中止を決める。「君が解決できないならあきらめるしかないな」プロジェクトのテーマは″古代建築様式の再現と現代建築技術の融合″、鉄筋コンクリートでは古風な雰囲気を損なってしまうという。そこへ突然、欠勤していた薔薇が現れた。発案者だった薔薇は現代の建築資材は使うつもりはなかったと説明し、木組みの木造建築を提案する。茗蕙は木組みでは耐荷重に限界があると呆れたが、薔薇には奇策があった。木組みの弱点は継ぎ目の強度、そこでつなぎ目だけに金属を使って補強すれば、外見だけは伝統的な木造の木組みになるという。「伝統だけにこだわっていては挑戦できません、伝統的な建築は新たな資材でも可能です」「なるほど、小薇の発想は柔軟だ」貝先生は薔薇の案を承認し、茗蕙にプロジェクトを進めるよう命じた。薔薇と茗蕙は社長室を出た。すると茗蕙はなぜ立場を追われた薔薇が自分に助け船を出したのか訝しむ。しかし薔薇はあくまで自分のためだと笑って去って行った。カフェのテラス、小秋(ショウシュウ)は新しい恋人を紹介しようと薔薇をデートの待ち合わせ場所に呼んでいた。「ええーっ?!あの意地悪な女を助けたの?!」「でも助言したら何だか心が軽くなったわ」「お人好しの小薇っ!」すると突然、カフェの店員や客たちによるフラッシュモブが始まった。困惑する薔薇と小秋を横目に次々に人が集まりダンス、そこへ第二皇子・胤礽(インジョウ)によく似た恋人が登場する。実は恋人が小秋へのサプライズプロポーズを計画していたのだ。薔薇は婚約指輪を受け取った小秋の幸せそうな笑顔を眺めながら、清朝で結ばれなかった皇太子と小春(ショウシュン)の悲恋が現代で叶った奇跡に感激する。…胤祥(インショウ)、私たちもまた会える?…薔薇は胤祥が恋しくなり、その足で紫禁城にやって来た。…全てここから始まった、答えが見つかるかもしれない…そこで老婦人と出会った寝殿を訪ねてみたが、部屋はすっかり寂れ、暗闇の中にほこりを被った灯籠が放置されている。…何もかも終わったのね、もう戻れない、あなたも現れない…薔薇は心機一転、翌朝からオフィスに出勤した。「ただいま!」休暇から元気に戻った小薇を暖かく迎える同僚たち、その中には小魚と瓜二つの同僚・小冰(ショウヒョウ)もいる。そこへ茗蕙が現れた。茗蕙は皆に仕事に戻るよう命じたが、これまでと違って険がない。「小薇、あなたも仕事に戻って、しっかりね」「はいっ!」薔薇が過去の怨讐を解決したお陰なのか、茗蕙とのわだかまりは不思議と消えていた。するとちょうど茗蕙のスマホに来客の連絡が入り、嬉しそうに出かけて行ってしまう。薔薇は初めて見る茗蕙の表情に驚いていると、小冰がその理由を教えてくれた。「また″あの人″が来たのよ」「あの人って?」そこで小冰は薔薇を連れて受付を見に行った。「(ほらあの人…)少し前、ある会社とトラブルがあったの 問題は解決したんだけど、あの2人はいまだにもめてる…」薔薇は男性の背中しか見えず、目を凝らした。確かに2人は口喧嘩していながら、なぜか楽しそうに見える。すると茗蕙と男性が下のカフェに移動することになり、ふいに男性が席を立った。薔薇はようやく男性の顔を確認したが、驚いたことに十四皇子とそっくりだと知る。…縁は偶然が生む最大の恵みなのかも…薔薇は前世から続く不思議な縁を目の当たりにし、再び紫禁城に足を運んだ。…果てしない空の下で行き交う人の波間は、さまざまな謎と神秘に満ちている…あの出来事で私は真心の大切さを知ったしかし城楼から美しい夕日を眺めていると、ふいに感傷的になってしまう。…だけど胤祥、元気でいるかしら?…あなたに会いたい薔薇は世界建築設計賞の建築設計部門で金賞を受賞した。授賞式には茗蕙が代理で登場、するとスピーチで急に薔薇が嫌いだったと発言する。会場は騒然となったが、茗蕙は素直に薔薇の才能に嫉妬していたと続けた。「そのせいで過ちを犯しました 小薇が言うには誰もが己の人生の設計士、どう生きるかは自分次第なのだと… 数々の経験からやっと私も悟りました、ここで今まで傷つけた人たちにお詫びしたいと思います そして小薇には感謝を…」薔薇の受賞作は故宮の伝統と平行する時空に着目、薔薇いわく、いつの時代も人が生きる道は無数にあり、勇気を出して扉を開けば必ず前に進める、そして途中でさまざまな出会いを経て、人は幸福に辿り着くのだという。その頃、薔薇は胤祥の面影を求め、故宮の杏の木をながめていた。あの時、胤祥の協力で完成した設計図が実際に建築となり賞までもらえるとは感慨深い。…この受賞作はあなたへの贈り物よ…薔薇はふと十三皇子が″自分の望みは愛する人と生涯を共にすることだ″と言っていたことを思い出した。『いつか私がいなくなったらどうする?』『君を離さない』『どうにもならないこともあるのよ?だから…』『ならどこまでも探しに行って君を見つけ出すよ』その時、急に冷たい風が吹き抜け、激しい雨になった。観光客たちは慌てて走って行ったが、薔薇は運良く携帯していた折り畳み傘を広げる。すると雨で木の根元の土が流れ、その下に埋まっていた小瓶が現れた。薔薇は思わず勝手に掘り出してみると、瓶の中から手紙を発見する。…小薇、元の世界に戻ったかい?離れ離れになっても私との約束を忘れるな…2人で旅をして美しい景色を見る、この約束が君への贈り物だ、必ずまた会おう茗薇が去った清朝…胤祥は茗薇との再会を信じ、杏の木の下に手紙を埋めた…小薇、ここが2人の出発点だ、次の場所で待ってる一方、死罪を免れた茗蕙は人里離れた山の中でひっそりと暮らしていたするとまだ幼い息子が小鳥を捕まえて戻って来る『春児(シュンジ)、小鳥にも娘亲がいて、私と同じようにこの子の帰りを待っているのよ?』『でも…つつかれて痛かったんだ、許せないよ』茗蕙は自分が恨みにとらわれ、多くの過ちを犯してきたことを思い出した『春児、万物には魂があるの、思いやりを忘れないで、何があろうと相手を憎んではダメよ 許すことを覚えてね…』そこで茗蕙は息子と一緒に小鳥を放してやった『額娘、これで小鳥も娘亲のところへ帰れるね…あ!阿瑪(アーマー)!お帰り!』十四皇子は駆けて来た我が子を抱き上げ、道すがら摘んだ花を妻に贈った十三皇子は皇兄に朝廷から身を引いて旅に出たいと申し出た雍正(ヨウセイ)帝は腹心である十三弟と離れがたかったが、引き止めることができない『お前の気持ちもわかる…熟慮の末なら止めはしない』『謝謝…四哥』すると皇帝は去って行く十三弟に思わず声をかけた『四哥はここで待っているぞ』薔薇は思いがけず胤祥からの手紙を受け取り、思い出の場所を巡る旅に出た。今日は馬を引いて湖へ、するとあの時と同じように鷹が青空を旋回している。薔薇は思わず指笛を鳴らして合図すると、すぐそばで指笛を吹く胤祥の姿が目に浮かんだ。「胤祥、美しい景色をありがとう」こうして懐かしい場所を訪れては記念に写真を残す。すると次の手紙にはいよいよ最終目的地が書いてあった。…川西(センセイ)高原の夕陽の下で君を待っているよ…薔薇は高原へ向かう途中、ふもとの観光地を訪ねた。するとある店で偶然、思い出の灯籠を見かける。驚いた薔薇は店に入ってみると、ちょうど店主が灯籠を作っていた。聞いてみれば店主の家に伝わる工芸品で300年もの歴史があるという。店主の祖父の話では清朝の皇族が旅の途中に初代に作り方を教え、それが代々伝わっていた。「清朝の皇族?…誰ですか?!」「名は告げずに立ち去ったそうです、幸せな日々を灯籠に描き、いつまでも消えぬ思い出にと…」それは間違いなく胤祥だった。茗薇は高原に到着し、眼下に広がる美しい景色に息をのんだ。そして大きな岩に腰を下ろし、最後の手紙を取り出してみる。…小薇、ついに来たんだね?夕映が美しいだろう?…君と一緒に美しい山河や朝陽、夕陽を眺める…時空に隔てられていても、運命の出会いに感謝するよ…だが君との旅もここまでだ…草原の星空や川西の灯籠、すべて私からの贈り物だ…これが最後の文になるかもしれないが、私たちの遊びはまだ終わらない…胤祥しかし薔薇は日付を見て愕然となり、涙があふれ出した。「雍正…8年…5月4日…胤祥が亡くなった日だわ…あまりにも早すぎる…」…馬鹿だな、泣くな…時空の歪みのおかげで君と出会えた、これこそ最高の贈り物だ…私はずっと君のそばにいる…だから私と約束してくれ、しっかり生きると…きっといつかまた会える…待っていてくれ薔薇はふとすぐそばに胤祥の存在を感じた。「胤祥?…胤祥?!」しかしどんなに探しても胤祥の姿はない…。薔薇はひとしきり泣いた後、高原をあとにした。ふもとまで続く曲がりくねった坂道には人影もなく、行き交う車もない。するとしばらくして薔薇はヒッチハイカーに気づき、車を止めた。「寒かった!雨が降りそうだ!」ヒッチハイカーの男はやけに馴れ馴れしく車に乗り込んだ。「君も1人?」「うん」「1人でこの道は危険だろ?…俺が付き合うよ!」男はサングラスを外してそう言った。それまでうつむき加減だった薔薇はふと顔を上げて男を見ると、急に笑顔になる。実はヒッチハイカーは胤祥とうり二つだった。「さあ!行こう!」すると彼がはめていた腕輪の紅玉がキラリと光った。完・:*+.\(( °ω° ))/.:+ 反省会場はこちらで〜すwww敗因は九皇奪嫡という有名な史実を盛大な姉妹喧嘩にすり替えたせいか?はたまた衣装や所作をこなせないキャストを選んだせいなのか?結局「宮廷の茗薇」と言うより「黒幕の茗蕙」でしたねそれでも終わり良ければすべて良し有り得ないと分かっていても、300年前の手紙を見つけながら思い出の旅なんてロマンチック♡でもじぇじぇが心を入れ替えられたのって、茗薇が急死したからだよね?(←水差すなw
2021.04.14
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第39話「さよなら、胤祥」寝所で茗薇(メイビ)が急に飛び起きた。隣で寝ていた十三皇子はふと目を覚まし、悪夢でも見たのかとなだめる。「夢の中で茗蕙(メイケイ)が私に死ねと言うの…」「すべては終わった、茗蕙は罰される、もう案ずるな」十三皇子は皇兄の政務の補佐で忙しく、茗薇を放っておいたことを反省した。茗薇に無理がたたっているのも宮中の生活が原因だろう。十三皇子は新帝の朝政が落ち着いたら都を離れるつもりだと言ったが、茗薇は茗蕙との恩讐がまだ終わっていない気がしていた。翌日、茗薇は茗蕙に面会し、自分への憎悪の理由を聞いた。すると茗蕙は長女でも庶出である自分と正室の子である茗薇とでは扱いに雲泥の差があったという。嫡子というだけでお姫様のように誰からも愛され、大切にされて育った茗薇、一方で茗蕙はまるで存在しないように差別されていた。「あなたがこの世にいる限り、私は何者でもない…」しかし茗薇は何の落ち度もなく殺された人がいると追求する。茗蕙は元青(ゲンセイ)のことだと気づき、駆け落ちを土壇場で断った薄情な男など死ぬべきだと言い放った。「あなたの阿娘は我が子ばかり大事にして、私は雑草以下の卑しい存在だった! あの人が憎くて仕方がなかったの!」「私と親しい人たちも陥れたわ!」「私が陥れた?笑わせないで…皆あなたのせいでとばっちりを受けたのよ 十三爺、趙鳳初(チョウホウショ)、七香(シチキョウ)、四福晋(フジン)もそうよ あなたを助ける者は死ねば良い!元凶はあなたよっ!」茗薇は勝手な言い分にカッとなり、思わず茗蕙の首に手をかけてかんざしを抜いてしまう。すると茗蕙は自分を殺せと迫り、茗薇の腕をつかんでかんざしを自分に刺そうとした。急に恐ろしくなった茗薇は慌てて手を離すと、茗蕙が急にえずき始める。茗薇は茗蕙が身ごもっていると気づき、このまま十四皇子にも知らせず、子供まで道連れにするつもりかと驚愕した。しかし茗蕙は自分を裏切った十四皇子とは無関係だと開き直り、子供に自分と同じ悲劇的な人生を歩ませたくないという。「だから私とこの子を一緒に殺して!…憐れみはいらない!」親となっても憎しみを手放せない茗蕙、茗薇はさすがに愛想を尽かし、そこで帰ることにした。その時、茗蕙が悔し紛れに暴言を浴びせる。「あなたは命を狙われている、どうせ私が死んでも命の危険は続くわ!」茗薇がしょんぼり御花園を歩いていると、偶然、納蘭(ノーラン)蓉月(ヨウゲツ)と出くわした。そこで蓉月は茗薇をお茶に誘う。実は先帝の崩御で子のない妃嬪たちは本来、尼寺に送られるが、皇太后の厚情により叔母と一緒に残れることになったという。「良かったわね」「私、前はあなたに意地悪したのに…」「でも私を助けてくれた、あなたが幸せなら嬉しいわ」すると茗薇は茗蕙と面会したと話した。「悪人だけど可哀想な人なの、復讐にとらわれ、情に目もくれず、恨みで自分を縛っていた」蓉月はお人好し過ぎると痛い目に遭うと警告したが、茗薇は後宮では誰もが茗蕙と同じように自分を見失ってしまうと指摘する。耳が痛い蓉月だったが、ふと思い出して叔母からもらった茶を勧めた。「安神(アンシン)茶よ、飲むと落ち着くの…」茗薇は蓉月と別れ、皇太后へ挨拶にやって来た。すると皇太后は全て茗蕙の仕業だとも知らず、茗薇を非難して来たと過ちを認める。しかし茗薇は皇太后も先帝と同じように兄弟の反目を恐れていたと察し、君主と国母が親である前に天下や民を思うのは当然だと理解を示した。皇太后は道理をわきまえた茗薇に安堵し、自ら香炉に小さな袋を入れる。「白檀よ、皇上がお嫌いゆえ、哀家(アイジィァ)もずっと使っていなかったの…」茗薇はふと宮女だった頃、四皇子が白檀の香りで咳き込んだことを思い出した。「魚寧(ユーニン)…哀家を恨まないでね」慈寧(ジネイ)宮をあとにした徐薔薇(ジョショウビ)は、道すがら自分がなぜ紫禁城を好きなのか気づいた。現代にいた頃は建築が理由だと思っていたが、今なら分かる。それはここで生きた人たちだ。四皇子は茗薇を殺そうとしたこともあったが、十三弟のために茗薇を諦めて礼節を守った。無情に見えても本当は天下と兄弟を思う情け深い皇帝…。そして十三皇子は帝王の資質と風格を持ち合わせながら、四兄を支える道を選んだ。きっとその方が自由に生きられるからだろう。十四皇子は尊大で四兄や十三兄と張り合う実力があったが、他人の物は欲しくないという理由で御膳立てされた皇位をつかまなかった。薔薇は自分のこの目で見て来た彼らこそ、数百年語り継がれて来た紫禁城の伝説であり、魂なのだと実感する。…私はその中に身を置き、歴史を変えず、1人の観客として見て来た…彼らの生き様を感じ、歴史の匂いを嗅いだわ…ここにも生があり死があり、涙と笑いがあった、そして悲劇と夢も…それこそが時代や王朝が変わっても、変わらぬ人の情なのね茗蕙の処刑の日となった。すると刑場に皇帝ではなく十四皇子が現れる。茗蕙は皇位を譲っただけでなく、妻殺しの汚名まで着るのかと驚き、皇帝が十四皇子を破滅させるつもりだと憤った。そこで十四皇子は皇帝が執行を任せた意図は別にあると教えたが、茗蕙は皇帝の見事な計略だと冷笑する。十四皇子は茗蕙の頭の中にあるのは結局、蔑まれた日々への恨みつらみしかないと確信し、執行の札を握りしめた。実は雍正(ヨウセイ)帝は十四皇子を呼び、茗蕙を救う機会を与えていた。同腹の兄弟ながら馬が合わなかった十四弟、しかし謀反の日に争っていたら、今ここに座っているのは十四弟だったろう。『十四弟、茗蕙を愛し始めていたのだろう?茗蕙もお前に尽くしていた、死罪だが酌量の余地はある あの者を殺すべきかどうか、お前に決定を委ねよう』十四皇子は皇帝の情けを無下にした茗蕙を見限り、ついに執行の札を投げた。無常にも転がり落ちる札に茗蕙は覚悟を決める。しかし処刑人が刀を振り上げたまさにその時、突然、皇帝が十三皇子と茗薇を連れて現れた。茗薇は茗蕙が身ごもっていると教え、助命を嘆願した。しかし茗蕙は否定し、茗薇からの同情に耐えられず死を望む。寝耳に水だった十四皇子は本当かと聞いたが、茗蕙は黙ったままだった。「少しは私に情があると思ったが、どうやら…」「あるわ、あるけど… 私が先帝を殺したと思っているんでしょう?だったら私の子など要らないのよね?!」「聞きもしないで、なぜ要らぬと分かるんだ?!」すると皇帝は茗蕙に陥れられた茗薇が命乞いするのも何とも不思議な話だと漏らした。茗薇は憎しみにとらわれた人間は目が曇って苦痛と怒りから抜け出せなくなると話し、茗蕙を許すことで自分も解放されるという。そこで皇帝は十四皇子に再度、茗蕙を生かすか殺すか決めるよう命じたが、十四皇子は判断に迷った。茗薇は子供のために過去を捨て真っ当に生きてほしいと願ったが、その言葉はかえって茗蕙を惨めにし、頑なにしてしまう。「なぜ来たのっ?!そう、私をあざ笑うためよね?!茗薇…全部あなたのせいよ! 全てがあなたのせいなのよーっ!私の一生がお笑い種だと言いたいのーっ?!」茗薇に八つ当たりして泣きじゃくる茗蕙、その時、茗薇が突然、倒れてしまう。徳妃は太貴妃の尼寺行きを見逃す代わりにある条件を出していた。そこで太貴妃は茗薇との関係が良好な蓉月に安神茶を渡し、悩みの絶えない十三福晋に差し入れるよう勧める。蓉月は何も知らず茗薇と一緒に安神茶を飲んだが、なぜか無事だった。茗薇はすぐ帥府園(スイフエン)に運ばれ、太医の診察を受けた。太医によると十三福晋は猛毒に犯されており、すでに手の施しようがないという。実は安神茶だけなら毒性はなかったが、徳妃が焚いた白檀の香と合わせることで猛毒になるよう仕組まれていた。皇帝は茗蕙の仕業だと思い込み激怒、即刻、死罪だと息巻いたが、茗薇が止める。「皇上…どうか茗蕙を殺さないでください…因縁が残ってしまう… 茗蕙を許してこそ…この恩讐が終わるのです…それが正しい決断です」すると茗薇は疲れたと言って十三皇子の胸の中で眠り始めた。その夜、胤祥(インショウ)は茗薇を腕に抱き、最後の時間を思い出の杏の木の下で過ごした。「今生だけじゃない、君と私は来世でも来来世でも永遠に一緒なんだ」「…私に会いに来てね」すると茗薇の死期を悟ったように、書斎に飾った灯籠が自然と灯って回り始めた。「小薇…行かないでくれ」茗薇は胤祥の涙をぬぐい、泣いてはだめだという。「泣き顔は見たくない… 全力で頑張るあなたの姿が一番、好きよ…だから約束して…しっかり生きていくと…」「分かったよ、約束する、必ず君の望み通りにする…」そこで茗薇は胤祥の口元を抑え、笑顔を作った。「クスッ、その笑顔でいて…安心して…だって私は…私は家に帰るだけだもの… でも信じてる…あなたは必ず私を見つけてくれるって…待ってる、会えるまでずっと…」「会いに行くよ、必ず君を見つける」「胤祥…あなたが植えた杏の花…いい香りがする…」それが茗薇の最後の言葉となった。薔薇はふと目を覚ました。…ここはどこ?(はっ)私の部屋だわ…驚いた薔薇はベッドを飛び出し、ロフトから駆け降りたが、あの灯籠は消えていた。「胤祥!胤祥?!」愛する胤祥と過ごした日々は夢だったのか。胤祥の顔も声もすぐそばに感じていたのに、気がつけば愛する人の姿はどこにもなかった。薔薇は久しぶりに紫禁城へ出かけた。史実は何も変わっておらず、愛新覚羅(アイシンギョロ)胤祥は十三皇子で和碩怡(ワセキイ)王、正福晋は兆佳(ジョーギャ)氏で尚書・馬爾漢(マルハン)の娘となっている。しかし茗薇はまるで存在していなかったかのように痕跡が残っていなかった。…でもこれが一番いい結果のはずね…一方、茗薇を失った十三皇子は宮中を去ることに決めた。順児(ジュンジ)は新帝の即位後すぐに旅に出るのはどうかと心配したが、十三皇子は自分がいなくても皇帝は大丈夫だという。「小薇が待ってる…」薔薇は紫禁城の広場を懐かしそうに歩いた。…胤祥、そっちで元気にしている?…2人は時空を越え、ちょうど同じ石畳ですれ違う…。つづく( ;∀;)うわっ、片尾曲ってこの場面を歌っていたのねまさかここにきてホロリと来ちゃうなんて…でも茗薇がじぇじぇを許しても、じぇじぇの怨讐は解けてないよね?wいや〜ここに来てこんな深い話?( ̄▽ ̄;)
2021.04.12
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第38話「雍正帝」茗薇(メイビ)を拉致したのは十四皇子だった。困惑する茗薇だったが、これも茗蕙(メイケイ)の刺客から茗薇を守るためだという。十四皇子は茗薇を騙したことを後悔し、信頼を取り戻したいと訴えた。「ここを動くな、何が起きても決して出てはならぬ」すると十四皇子は全て終わらせると言い残し、出て行った。驚いた茗薇は慌てて追いかけたが、目の前で戸は固く閉ざされてしまう。その頃、四皇子は十三皇子と乾清(ケンセイ)宮の前で反乱軍を待ち構えていた。戦が始まれば十四弟との兄弟の絆も、母との縁も切れることになるだろう。それでも父との約束や人としての道理は守らねばならない。四皇子の決意は固かったが、自分に勝ち目がないことも分かっていた。「十三弟、お前がいてくれるだけで十分だ」ガシッ!(๑•̀ㅂ•́)و✧<譲れない戦いがある!紫禁城に八皇子たち率いる反乱軍が雪崩れ込んだ。反乱軍は禁衛軍をなぎ倒しながら、ついに四皇子と十三皇子を乾清宮へ追い詰める。「四哥、抵抗はあきらめて降参せよ!」八皇子たちは十三皇子を巻き込むべきではないと説得したが、十三皇子は四兄と生死と進退を共にすると退かなかった。「はお、ならば手加減せぬが恨むでないぞ」しかし四皇子が急に剣を納め、どうやら八皇子の仕組んだ策も潰えるようだという。そこに現れたのは遅れて到着した十四皇子だった。十四皇子は兵に剣を下ろすよう号令した。「八哥、皇位争いよりも大事なことがあるのです…どうかお許しを」すると十四皇子は四兄の前に出た。「私、胤禵(インテイ)は皇阿瑪の遺詔にのっとり、四哥を新帝に奉じます」十四皇子は八皇子たちが呆然とする中、兵符を返還してしまう。「十三哥…私との約束を忘れるなよ」実は前夜、十四皇子は軍営に十三皇子を呼び出していた…『小薇が訪ねて来た』『知っている、兄弟で争わせたくないそうだ』十四皇子はなぜ2人がそこまで四兄を信じ切れるのか理解できなかったしかし十三皇子は雪の日に四兄が助けてくれた時から、人の良心を信じているという『良心か…』十四皇子は実は全て茗蕙の策だと気づいていながら認めたくなかったと明かした確かに皇位は欲しいが父が自分を選ばなかったのは事実、嘘で手に入れても自己満足に過ぎない十四皇子は他人の物を横取りしたところで無意味なだけだと気づいた『ふっ、どうしたんだ?私の知っている十四弟とは思えぬ台詞だな』『十三哥…お前は本当の私など知らぬのでは?』『そうだな、知ろうともしなかった、では明日の戦は…』『戦うべきだ、戦ってこそ四哥は正当に即位できる』そこで十四皇子は皇位をあきらめる条件として、八皇子たちを見逃して欲しいと頼んだ…こうして戦いは終わった。李(リ)太監は先帝の遺詔を公表、四皇子雍正(ヨウセイ)王胤禛(インシン)が世継ぎであると宣言する。一方、監禁された茗薇は外の状況が分からず悶々としていた。しかし突然、戸が開いて眩しい光と共に十三皇子が現れる。「帰ろう、終わったよ、全て終わったんだ、行こう!」茗薇は十三皇子の無事な姿に安堵し、思わず抱きついた。その夜、茗蕙は着飾って十四皇子の帰りを待っていた。すると家職が主を出迎える声が聞こえる。茗蕙は喜び勇んで飛び出したが、寝殿に入って来た十四皇子はなぜか申し訳なさそうに茗蕙を抱きしめた。「…勝敗の結果は?」「小薇に放った刺客からまだ報告がないんだろう?気がかりではないのか?」「私はただ勝敗が知りたいだけよ、教えて」「…君の心には勝ち負けしかないのか?」十四皇子は愛想を尽かし、他人の物など欲しくないと言い放った。その言葉で茗蕙は十四皇子が負けを喫し、自らあきらめたのだと気づく。なんと滑稽なのか。これまで十四皇子を即位させるべく尽力してきたが、2人で一緒に描いた夢がただの笑い話に終わるとは…。「君はまだ分からないのか?」「いいえ、あなたこそ分かっていない!」茗薇と十三皇子が十四皇子府に到着した。十四皇子は茗蕙を逃がすことにしたが、茗蕙は十四皇子の手を振り払う。「私は全てを失った…十四爺、私にどこへ行けというの?」すると茗蕙は覚悟を決めて跪拝した。「爺…保重」外は冷たい雪になった。寝殿を出た茗蕙は回廊の途中でちょうど茗薇たちと出くわす。「まさか最後に会うのがあなただったなんて…」十四皇子は茗蕙の背中を呆然と眺めながら、込み上げる涙を必死にこらえていた。先帝の27日間の服喪が終わり、新帝の即位が布告された。雍正帝はまず先帝崩御の真相を究明するため、茗蕙を自ら審問すると決める。こうして収監されていた茗蕙は乾清宮へ連行され、茗薇と十三皇子、十四皇子が立ち会った。しかし茗蕙は遺詔の改ざんだけは認めたものの、先帝を殺めてはいないと否定する。もはや皇帝も十四皇子も信じてはくれなかったが、その時、茗薇が重い口を開いた。「じゃあ話して、あの日、寝殿で何が起きたの?」「ふっ、まさかあなただけが耳を傾けてくれるなんてね…」茗蕙は先帝が自分を呼び出したのは毒薬を賜るためだったと語った。…あの夜、茗蕙は康熙(コウキ)帝の命で密かに寝殿に入ったすると皇帝は初めから茗蕙の悪事を全て知っていたという皇太子と妃嬪の密通を知り、これを利用して皇太子を陥れたこと十四皇子を惑わせ、皇太子を呪った罪を十三皇子に着せたことさらに巧言を弄して自分を娶るよう十四皇子を追い込んだこと貝勒(ベイレ)が自害するよう仕向け、百官の怒りをあおったことそして十三皇子の怪我も四皇子と茗薇の醜聞も、全て茗蕙が仕組んだことだと知っていた『朕が気づいておらぬと思ったか?そちより優れた者は誰もおらぬと?』実は十三皇子から進言があり、皇帝は茗薇を巡る皇子たちの争いが起きる前から茗蕙に着目していた当初は貴妃たちの争いをあおるだけだったため、後宮のことゆえ口出ししなかったというしかし八皇子をそそのかし、十四皇子を利用し、兄弟を対立させて争わせたことが皇帝の逆鱗に触れた『もはや許しておくことはできぬ』すると茗蕙は反省するどころか、審理もせずに罰したと知れば十四皇子がどう思うかと脅した皇帝はこの期に及んで取引きを仕掛けて来た茗蕙に呆れ、さすが八皇子の軍師だけあると冷笑する確かに兵権は十四皇子の手中にあり、福晋の身に何かが起きれば自分に刃を向ける可能性もある『だがどうだ?今日、そちをここへ呼んだことを知る者はおらぬ 己の妻の死に様を胤禵(インテイ)が知ることは永遠になかろうな』驚いた茗蕙は十四皇子が茗薇に執着するため排除したかったと訴え、何もかも十四皇子の心を得るためだったと泣きついた『どうかお命だけはお助けを…』『ゴホゴホッ…嫉妬深いだけなら許してやってもよい、だがそちの犯した罪は万死に値する』皇帝は毒薬を用意してあるため、直ちに受け取れと命じた茗蕙は皇帝から死を賜り、不満だったそこで以前、皇帝が茗薇を排除しようとしたことを思い出し、自分も皇帝の手伝いをしたに過ぎないと屁理屈を言うそもそも後継者争いに呪詛や簒奪など無関係、帝位は有能な者が継ぐべきだ『胤禵の邪魔者を取り除けるのは私しかいないのです!その私を殺すとおっしゃるの?! そんなの老ぼれのたわ言よっ!』茗蕙の不遜な態度に皇帝は憤怒し、そのせいで激しく喀血した驚いた茗蕙は慌てて薬を飲ませようとしたが、皇帝は咳き込んで吐き出してしまうそこでひとまず皇帝を寝かせて侍医を呼びに行こうとしたが、その時、皇帝の息がないことに気づいた茗蕙は皇帝の崩御を確認し、呆然となったしかし思わぬ事態に動揺しながらも、遺詔を確認しようと思い立つ実はそこで立ち上がる時、茗蕙は先帝の血が着いた手で寝台を触っていた遺詔には四皇子が世継ぎとあったその時、寝殿に近づいて来る足音が聞こえる茗蕙は咄嗟に遺詔にある″四皇子″の上の文字に血を垂らし、慌てて逃げた…「私は先帝を殺めてなどいない!人心を操っただけよ!」しかしもはや誰も言い分を信じてくれず、皇帝は茗蕙に死罪を言い渡した。さらに十四福晋の位を廃され、皇族系譜より除名されてしまう。茗蕙は納得できなかったが、何より十四皇子に憤った。「あなたが私を裏切った時から死は覚悟していた 徳妃は皇上と十三皇子の絆を見誤ったけど、私はあなたの茗薇への情を見誤ったのね…」「…私が欲しいのは自分で手に入れた物だけだ」「だから…私に死ねというの?!」すると茗蕙はふと納得したように小さく頷いた。結局、この婚姻もただの同盟関係に過ぎなかったのだろう。十四皇子は牢獄の茗蕙を訪ねた。「まだ私を疑っているの?」「どうやって君を信じろと?」するとやけになった茗蕙は先帝を殺めたのは自分だと認めた。十四皇子は反省するどころか開き直った茗蕙に落胆し、紫禁城の恐ろしさが分かっていないと叱る。茗蕙は人を操っているつもりで深みにはまり、実は政権争いの生贄に過ぎず、ただ利用されただけなのだ。「私は欲望に呑み込まれそうな君を守ろうとして来た しかし君は気にも留めず、悔い改めることもせぬ…」「あなたを買いかぶっていた、私と一緒に死力を尽くして皇位を奪ってくれると思っていたのに… それが小薇の一言であなたは裏切った」十四皇子は首を横に振ると、茗蕙の隣に座って手を握った。「なぜ君を娶り、許し続けたと思う?なぜ救い続けたと?…私の想いがまだ分からぬのか?」「まさか…あなたは本気で…本気で私を?!」すると十四皇子はいきなり手を振り払った。「もう遅い、全て手遅れだ…父を殺めた者を許すことはできない」十四皇子は茗蕙を見限って帰って行った。復讐にとらわれた茗蕙はようやく目が覚めたが、大切な物を失ったと気づく。一方、雍正帝は長春(チョウシュン)宮に母を訪ねていた。そこで父の崩御と遺詔について調べが終わり、全て十四福晋の仕業だったと報告する。皇太后に異論はなかったが、今後は自ら足を運ばずに使いを寄越してくれと冷たかった。「太后に伺いたいことが…先帝は崩御される前に何か言い残したことが? 十三福晋に殺意を抱くような出来事でもありましたか?」皇帝は真相が解明された今、茗薇を見逃してやって欲しいと頼んだ。すると皇太后は天下を得た帝王が愛する女を諦められるだろうかと訝しむ。「諦められます」「皇帝の口から出た言葉は2度と覆せないいのよ? お前は四阿哥ではない、天下に君臨する皇帝なのだから…」「太后、ご安心ください、口に出した言葉を覆しはしません」つづく∩(´・ω・`)つ―*’``*:.。. .。.:*・゜゚・* もうどうにでもな~れ ♪
2021.04.09
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第37話「証拠探し」徳(トク)妃は四皇子を呼び出し、皇位を十四皇子に譲るよう命じた。すると四皇子は最後にもう一度だけ自分を信じてくれないのか聞いてみる。徳妃が即答できず黙っていると、四皇子はやはり母も父を殺したのが自分だと思っていると確信した。「皇位は譲りません」「譲らぬのなら兄弟の間で戦になるのよ?額娘に骨肉の争いを見せるつもり?!」「母を同じくする弟、私を産んだ母、血を分けた親兄弟から皇位簒奪を謀ったと疑われたのです 今さら肉親の情に訴えても無駄です!」四皇子は父の遺詔により大清の国土も皇位も自分のもだと主張し、茗薇(メイビ)も殺さないと拒否して帰って行った。徳妃は息子同士の対立に苦しみ、寝宮で仏壇に手を合わせていた。すると茗蕙(メイケイ)がやって来る。茗蕙の工作もあと一押し、そこで四皇子の簒奪も茗薇のためだったと吹き込み、兄弟の争いを避けるためには茗薇を排除するしかないと進言した。しかしここに来て徳妃から思わぬ逆襲に遭う。「どうしても茗薇を災いの元凶にしたいようね…知っているのよ? あなたが企んだ陰謀について問いただす気はないわ、でも貴妃との結託を私が知らないとでも?」驚いた茗蕙はその場にひざまずき、これも胤禵(インテイ)のためだと訴えた。遺詔が偽物だと公表すれば胤禵が正当な後継者になれるが、徳妃が発表すれば四皇子との関係に亀裂が入ると心配になって貴妃に頼んだという。徳妃は胤禵を想うがゆえの行動だったと納得したが、今後は勝手な真似をするなと釘を刺した。「でもあなたの言葉ももっともね、古来より女は災いの種とか…小薇が災いならやはり排除せねば」すると茗蕙は自分が手伝うと申し出た。その夜、十三皇子が書斎へ向かうと茗薇がいた。「小薇、なぜ誓いの品を眺めている?」「偶然、手に入れた灯籠が時空を越えるきっかけになったの でも四哥の即位は史実なのに、私のせいで紆余曲折が生じてしまった 私がいなければ話は簡単に進んだのかも…」茗薇は責任を感じ、十四皇子と話したいと頼んだ。十三皇子は当然、反対したが、茗薇は十四皇子が茗蕙の策略に惑わされているという。「胤祥(インショウ)、これは皇位争いだけでなく、私と茗蕙の争いでもあるのっ(๑•̀ㅂ•́)و✧ガシッ!」翌朝、茗薇は十四皇子の軍営を訪ねた。十四皇子は茗薇まで敵視することはなかったが、やはり四兄が父を殺して皇位を奪ったと信じ込んでいる。そこで茗薇は、不自然なほどお膳立てが揃い過ぎていると指摘した。「四哥が乾清(ケンセイ)宮を封鎖、直後に皇阿瑪が崩御して遺詔には血痕が… そこへあなたが兵と帰還なんて、何もかも出来すぎていると思わない? 忘れないで、ここは紫禁城よ? 皇位を狙う者は大勢いるのに、なぜかあなたに有利な状況が揃っている」「つまり茗蕙の陰謀だと言いたいのか?」茗薇は先帝と最後に面会したのは自分ではない可能性を示唆し、何より四皇子の逝去を悲しむ様子は演技に見えなかったという。しかし十四皇子は茗薇の主観に過ぎないと否定し、証拠がなければただの憶測だとはね付けた。茗薇はもはや証拠を探し出すしか方法がないと悟り、説得をあきらめて幕舎をあとにする。十四皇子も黙って茗薇の背中を見送っていたが、ふと茗薇が立ち止まって言った。「十四弟…知り合ってから私があなたに嘘をついたことがあった?」茗蕙は茗薇が十四皇子の軍営を訪ねたと知って動揺した。これまでも十四皇子は肝心なところで茗薇の味方をしている。しかし十四皇子は案ずるなと言った。「四哥には皇位を渡さぬ」茗薇は自ら先帝の寝殿に忍び込み、十三皇子が見つけた証拠を手に入れた。すると帰りの道すがら、順児は自分か七香(シチキョウ)に用命してくれれば、福晋(フジン)の手を煩わせずに済むという。「指紋の採取には現代科学の知識が必要なのよ?大事な証拠なのに失敗したら大変でしょう?」「でも福晋、現代とか科学とかって…何です?」その時、偶然、納蘭(ノーラン)蓉月(ヨウゲツ)が前から歩いて来た。蓉月は気まずそうに通り過ぎようとしたが、茗薇から声をかける。「解毒薬をありがとう、助かったわ」「いいのよ、力になりたくて…叔母も本気ではなかったはずよ」「分かってる、宮中で私に悪意を持つ人は多い、でも味方がいることも分かったわ」こうして茗薇と蓉月の長い諍いは雪解けを迎えた。その夜、四皇子は十四皇子との対戦を前に十三皇子を呼んだ。兵権を持っているのは十四皇子、しかも大軍には辺境で戦い抜いた精鋭が揃っている。四皇子は禁衛軍では太刀打ちできないと考え、自分が負けた時は茗薇と逃げるよう命じた。驚いた十三皇子は四兄と生死を共にする覚悟だと訴えたが、できれば戦わずに済ませたいと願う。そこで真相を知らせて誤解を説けば、十四皇子も矛を治めると考えた。十三皇子は配下を従え、十四皇子の幕営に忍び込んだ。そこで天幕でちょうど3人だけになった将軍を急襲、拘束することに成功する。十三皇子は噂を信じて挙兵すれば謀反だと戒めたが、将軍たちは四皇子を信用できなかった。「十三爺、あなたは信頼できる、懐が広く心も清らかで皇位を奪う下心もない、だが四爺は違う」将軍たちの決意を聞いた十三皇子はもはや戦いは避けられないと知る。すると運悪く十四皇子が現れた。十三皇子はどうしても戦うのかと聞いたが、十四皇子は自分ではなく四兄を説得すべきだという。「噂はどうであれ、皇阿瑪は四哥を継承者にした、皇位簒奪はお前だぞ?」「…腹をくくれ、今度こそ決着だ」幼い頃から好敵手だった十三皇子と十四皇子、この皇位争いで2人の決着もつくことになる。「手加減しないぞ?」「十三哥…あとで私を恨むなよ」一方、先帝の死に茗蕙が関わっていると疑う茗薇は、茗蕙の指紋を血の指紋と照合しようと考えた。そこで十四皇府へ行くことにしたが、十三皇子がなかなか帰ってこない。このままでは間に合わないと判断した茗薇は順児が止めるのも聞かず、正門を開けた。するとなぜか四福晋が側福晋年(ネン)氏と妾室の夙敏(シュクビン)を従えて現れる。どうやらおしゃべりな順児が四皇子の太監・全児(ゼンジ)に茗薇の計画を話し、筒抜けになっていたらしい。「妹妹、1人で行くのは危険よ、証拠を探し出すにも時間がかかるわ、皆で協力しましょう」福晋たちは自分たちも四皇子の無実を証明する手伝いがしたいと申し出た。四福晋と夙敏が急に茗蕙を訪ねて来た。当然、茗蕙は対立する四皇子の福晋たちの訪問を訝しんだが、四福晋は騒動の原因が十三福晋にあると切り出す。茗薇の名前が出たことで警戒が解ける茗蕙、実はその頃、茗薇と年氏は茗蕙の居所に忍びこみ、指紋が残っていそうな物を探していた。茗薇と年氏は無事に脱出した。しかし回廊で年氏が盗んだ荷物を落とし、その音で侍衛に見つかってしまう。客間にいた茗蕙も中庭の騒ぎに気づき、やはり四福晋たちが何か企んでいると分かった。茗薇と年氏は侍衛たちに囲まれた。そこへ茗蕙と四福晋たちが駆けつける。「我が屋敷で盗みを働くとは…お前たち、捕まえて!」すると茗薇がいざという時のために持っていた目潰しをばら撒き、その間に福晋たちと逃げ出そうとした。茗蕙は思わず短刀を抜いて茗薇に襲いかかったが、過って四福晋の背中を刺してしまう。その場は騒然となり、茗蕙も驚いて短刀を落とした。年氏はどさくさに紛れて短刀を拾うと、早く四福晋を手当てしようと金切り声で騒ぎ立てる。さすがに動揺した茗蕙は追求できず、茗薇を見逃すしかなかった。↓(´◔_◔)これって…@年氏四福晋は幸いにも命に別状はなかった。茗薇は恩人である四福晋に感謝したが、あの混乱の中で結局、指紋の採取は絶望的になる。すると年氏が手巾に包んだ短刀を出した。「これは?落ちた時に拾ったの、指紋が必要なんでしょう?」血の指紋と茗蕙の指紋が一致した。しかし証拠を手に入れても茗薇の気分は晴れず、むしろ不安が募る。「胤祥、私はずっと正義を信じて来た 今でも300年後の未来でも同じ、恐れることなく危険なところへ飛び込んだりもしたわ でも今はとても怖い… 四福晋まで傷を負うなんて、協力を断れば良かった、私は間違っていたのかも」「君はとても勇敢だ、この紫禁城で欲望や権威に負けることなく、自分の本心に従っている 君は間違っていない」「でもそのせいで周りの人に危害が…それでも正しいと?」「天は生き方にふさわしい報酬を与える、君は善良で人に対しても誠実だ ♪信じることさ~必ず最後に正義が勝つ~って言うだろう?」その頃、四皇子は福晋に付き添い、献身的に介抱していた。福晋は自分で薬を飲むと遠慮したが、四皇子は怪我人の福晋を世話したいという。思いがけず四皇子の優しさに触れた福晋はこれまでの苦労が報われ、ふと頬を涙が伝った。一方、決戦を前に十四皇子は屋敷の涼亭でひとり天子剣(テンシケン)を手入れしていた。先帝は出征前の十四皇子にこの宝剣を授け、兄弟で力を合わせて大清の国土を守って欲しいと頼む。十四皇子は当時の父の言葉をかみしめていた。「…皇阿瑪、儿臣はご期待を裏切るやもしれません」そんな十四皇子の様子を茗蕙が遠目から見ていた。…明日になれば全て私の望み通り、残るはあの女だけね…翌朝、茗蕙は武運を祈って十四皇子を送り出すと、密偵を呼んだ。「決して誰にも見つからないようにね…」「はい」しかし2人の話を宦官が立ち聞きしていた。茗薇は戦いを目前にした十三皇子に自ら煎じた薬湯を届けようとしていた。すると突然、黒装束の賊が現れ、連れ去られてしまう。やがて意識が戻った茗薇、そこに現れたのは十四皇子だった。つづく|ω・`)♪もしかしてだけど~もしかしてだけど~茗薇と十三皇子は記憶が戻ったんじゃないの?絶対そうだろ?!(知らんけど…w
2021.04.08
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第36話「遺詔の血痕」四皇子は御書房で十四皇子と話し合うことにした。しかし十四皇子は父の崩御を知らせてもくれず、城門を封鎖して入れてくれなかった四兄を端から疑っている。四皇子は無断で大軍を率いて帰還し、しかも都を包囲させたとなれば謀反と取られても仕方がないと説いたが、立場が違えば見方が変わるもの、2人の話し合いは平行線を辿った。「城外の大軍は敵を殺し、国を平定するためにいます 宙に浮いた皇位を奪おうと企む悪者がおらぬとも限りませんから そんなことが起きれば私は兵と入城して皇権を守り、逆賊を殺す!」「そんな言い分は通らぬ!兵と入城すれば謀反だ!」「遺詔は疑わしい、私を批判する資格があると?!」「…礼節を無視し、兄弟の情も顧みぬというのか」一触即発の四皇子と十四皇子、そこへ徳(トク)妃の使いが現れた。徳妃は兄弟の争いを危惧し、四皇子を長春(チョウシュン)宮に呼びつけた。もしこうして呼びに行かなかったら、四皇子は十四皇子を軟禁するつもりだったのだろう。「先帝を殺めるという大罪を犯したのはお前よ!」「額娘!八弟たちならまだしも、あなた様まで私をお疑いに?!」徳妃は感情的になって口を滑らせたが、疑いではなく証拠があると言った。実は遺詔にある″四皇子″の文字の上に血痕がついていたという。四皇子は愕然となった。まさか母まで宮中の噂を信じ、自分が遺詔の″十四皇子″の″十″の文字を消して改ざんしたと決めつけるとは…。しかし徳妃は先帝と遺詔に近づけたのは皇宮を仕切っていた四皇子だけだという。四皇子は居たたまれなくなって帰ることにしたが、徳妃は思わずその背中に言った。「胤禛(インシン)!もう何も言わないわ、でも遺詔を本物にしたいなら先帝のご遺志を叶えなさい ならば額娘も隠し通しましょう」徳妃は改めて十三福晋の殺害を迫った。その夜、四皇子は帥府園(スイフエン)に十三皇子を訪ねた。十三皇子は四兄と杯を傾けながら、幼い頃は父が勉強を見てくれたり、狩りにも連れて行ってくれたと懐かしむ。「兄弟で狩りをしたことを今でも夢に見ます」「…皇阿瑪が崩御され、兄弟の皆とはもう、あの頃には戻れぬ 十四弟のため老八は皇位を奪おうと躍起になり、十四弟の兵は虎視眈々と機をうかがっている 私は朝廷を仕切っているが大義名分がない そればかりか皇阿瑪殺しと皇位簒奪の疑いまでかけられている…どうすればいいのか…」四皇子は追い詰められていた。即位まで十四弟を拘束しようと考えていたが、そうすれば完全に兄弟の情を断ち切ることになってしまう。かと言ってこのままでは簒奪という汚名を一生そそぐことができなくなるだろう。その時、四皇子の脳裏に徳妃の言葉がよぎった。…十三福晋を殺しなさい…やがて四皇子は泥酔し、父を失望させないためには他の者を失望させて傷つけるしかないと吐露した。結局は取捨選択し、犠牲が必要となる。「十三弟、すまない…四哥が過ちを犯しても許してくれるか?」「酔ったのですね?」「質問に答えてくれ、許してくれるか?」「はいはい、絶対に許します」「だが私は己を許せぬ…」十三皇子はてっきり四兄が十四弟の話をしていると思っていた。翌朝、七香(シチキョウ)が茗薇(メイビ)へ2通の招待状を届けた。「四哥と徳妃娘娘から?」十三皇子は公務で出かけていたが、茗薇は自分宛の招待状のため、まず長春宮を訪ねることにした。すると徳妃はそれとなく四皇子の即位には茗薇が障害だと伝える。茗薇は災いの種なら自分ではなく他の者だと訴えたが、ちょうどそこへ納蘭(ノーラン)貴妃が現れた。2人の顔色を見た貴妃は何やら問題があると察しながら、2人にお茶を差し入れる。茗薇はありがたく頂戴したが、なぜか貴妃は緊張しているように見えた。その頃、父の死因を調べていた十三皇子は郊外で密偵と接触していた。密偵は例の宦官を見つけていたが、実はすでに死んでいたという。「やはり何かの策略か…」十三皇子はその足で暢春(チョウシュン)閣を訪ね、改めて父の寝所を捜索した。すると父の寝台に血の指紋を発見する。そこへ突然、茗蕙(メイケイ)が入って来た。「なぜ十四福晋がここへ?」「通りかかっただけですわ~何かお探しで?」「崩御に怪しい点があり、四哥が疑われている、だから真相と本件の黒幕を突き止めたくてね」十三皇子は必ず痕跡が残っているはず、ごまかそうとしても悪事は必ず露見すると牽制した。しかし茗蕙は言葉だけでは効力がないと意味ありげに笑う。「証拠を見つけることですわ、でも忠告しておきます、この件より福晋を気にかけては? あら?四哥と十三哥は何でも話す仲だとばかり…」十三皇子はふと四皇子の様子がおかしかったことを思い出し、慌てて飛び出して行った。長春宮を出た茗薇は四皇子府を訪ねた。すると四皇子は中庭に酒席を用意し、なぜか昔の話を蒸し返す。「…そなたは私を選ぶと思っていた」「誤解だったのです、私がずっと探していたのは胤祥(インショウ)でした 私と胤祥は時と空間を超えて会っていたのです」「そうだったな、だがそなたとの思い出は永遠に消えぬ…」茗薇は四皇子が切々と語る自分への想いに困惑し、過ぎたことだと遮った。しかし四皇子は自分のしたことで後めたいことはないが、唯一、気が咎めるなら茗薇のことだという。「いくら気が進まずとも、国を背負う責任は何より重いのだ…優先せねばならぬ ゆえに決断した、そなたと十三弟には申し訳ない」茗薇にはその意味が分からなかったが、四皇子が注いでくれた杯を取った。「これを飲んでもう過去の話はおやめください 胤祥が最も敬愛する四哥を私たち夫婦は全力でお支えします」そこで茗薇は四皇子と乾杯したが、急に四皇子が飲むなと止めた。「小薇!」その時、駆けつけた十三皇子が咄嗟に酒を捨てたが、茗薇はなぜか意識を失ってしまう。十三皇子はようやく父の密旨が茗薇の死だと知った。確かに四兄のためなら何を捨てても構わない十三皇子だったが、茗薇だけはだめだと警告しておく。しかし茗薇が盛られた毒はわずかだったため、命に別状はなかった。茗薇は恐らく誰かが四皇子に罪を着せようと画策したのだと気づく。すると十三皇子は四兄の酒にも毒が入っていたのは事実だと教えた。驚いた茗薇だったが、何にせよ四兄と分裂しては敵の思う壺だとなだめる。そこで十三皇子は父の寝台を調べたところ、血の指紋を見つけたと報告した。茗薇に毒を持ったのは納蘭貴妃だった。「誇り高く生きて来た本宮がこんな手を使うとは…」しかし茗蕙はこの世は弱肉強食だという。そんな2人の悪巧みを偶然、叔母を訪ねて来た蓉月(ヨウゲツ)が聞いていた。茗蕙は機が熟せば四皇子が遺詔を改ざんしたと公表し、嘘が誠になって四皇子が人心を失うという。「その時、胤禵(インテイ)と連携して皇位を奪います、そして娘娘には後宮の最高位を…」驚いた蓉月はそっと引き返すと、茗薇のために帥府園へ解毒薬を送った。茗蕙の工作は順調に進んでいた。そして次に徳妃を訪ね、このまま四兄が即位すれば冷酷なやり口で十四皇子に何をするか分からないと脅かす。「四兄が非道なやり方で皇位に就くなら、胤禵はどうすればいいのです?」一方、十四皇子は八皇子たちから詳しい話を聞いていた。何でも崩御の前は四兄が暢春園を警備し、他の皇子たちは誰も近づけなかったという。しかも八皇子の密偵の報告で遺詔は徳妃が持っていると分かった。未だ公表しないところを見ると、何か問題があるのだろう。八皇子は父の崩御後から四兄が権力を握っており、自分たちには介入させないつもりだと訴えた。十四皇子は長春宮を訪ね、母に遺詔をこの目で見たいと頼んだ。徳妃は兄弟の争いを見たくなかったが、国のためだと説得されて渡してしまう。すると十四皇子は改ざんがないとしても四兄が父を殺したと確信し、血痕がその証拠だと言った。驚いた徳妃は否定したが、本心では兄を疑っているはずだと十四皇子に見透かされてしまう。「皇阿瑪の仇を打ち、国を守る!」「あなたの四哥なのよ!」「もはや私の四哥ではない!」そこで徳妃は自分が皇位を放棄するよう説得すると提案したが、十四皇子は納得しなかった。「命で償わせます」「先帝が亡くなってすぐ兄弟で殺し合いをするつもり?!額娘に皇阿瑪のあとを追えというの?!」母の悲痛な叫びを聞いた十四皇子は譲歩するしかなかった。「…ただし拒んだ時は10万の大軍で攻めるまでです」つづく( ̄▽ ̄;)茗薇、早く先帝の遺言、教えればいいのに…それにしてもいつの間にか皆が茗薇を未来から来た人だって受け入れてますけど…
2021.04.07
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第35話「運命の日」死期が近いことを悟った康熙(コウキ)帝は四皇子に乾清(ケンセイ)宮を封鎖させ、例え皇子でも中に入れないよう命じた。そして運命の日…。四皇子は李(リ)太監から知らせを受け、その夜、皇帝の寝殿である暢春(チョウシュン)閣を訪ねた。その頃、十三皇子と茗薇(メイビ)も皇帝を見舞うため参内していた。しかし衛兵から寝殿は立ち入り禁止だと止められてしまう。その時、暢春閣から四皇子が現れ、呆然としながら歩いて来た。「皇阿瑪が…崩御された」訃報を聞いた皇子や家族たちが宮中へ駆けつけた。すると八皇子は物陰から自分を見つめる茗蕙(メイケイ)の姿に気づく。「こんな所で何をしている?」黒い外套をまとった茗蕙は暗闇に紛れるように隠れていた。「兵を率いてすぐ戻るよう爺に伝えてください、宮中で変事が起きます」康熙61年11月13日、突然の皇帝崩御の知らせに紫禁城は悲しみに包まれた。徐薔薇(ジョショウビ)は十三皇子の福晋としてひざまずきながら、史実でしか知らなかった歴史的瞬間に立ち会っていると実感する。…教科書や小説で何度もこの日の記述を読んだわ…崩御前後の逸話も知っているけど、渦中に身を置いてようやく分かった…もう冷静な傍観者ではいられない葬儀の準備で皇子や妃嬪たちはひとまず解散した。すると李太監が寝宮へ戻る徳(トク)妃に接触、皇帝の遺詔があると伝える。「徳妃娘娘にお渡しするよう私がお預りしています…貴妃娘娘はご存知ありません」徳妃は李太監が見守る中、聖旨を確認したが、そこには皇位を四皇子に継がせるとあった。十三皇子は悲しみに暮れた。四皇子の話では李太監から父の密旨で亥の刻に来るようにと指示があったが、訪ねた時にはすでに亡くなっていたという。十三皇子は父が皇位継承のことで呼んだと気づいたが、その時、徳妃の使いが四皇子を迎えにやって来た。四皇子は皇帝の遺詔を託されたのが母だと知った。人払いした徳妃は皇帝の遺詔を箱から取り出し、聖旨に記されていた世継ぎは四皇子だったと教える。四皇子はその場にひざまずいて拝命しようとしたが、徳妃はなぜか聖旨を渡さなかった。「まずは先帝が残された願いを叶えましょう、お前の即位を阻む最大の障害を取り除くの お前が事を果たしたのち、私から天下に告げるわ」すると徳妃は四皇子の手で十三福晋を殺せと命じた。翌朝、八皇子たちは父の供養に来た四皇子の入殿を阻んだ。「皇阿瑪の死はあまりに突然すぎる、立ち会ったのは四哥だけです 昨夜、何があったのか皆の前で話してもらいたい」しかし四皇子が寝殿に着いた時に父はすでに亡くなっていたと話しても弟たちが納得するはずもない。「皇阿瑪の死に四哥は無関係だと?!皇阿瑪の命に従い封鎖したの言うのも本当か分からぬ! 聖旨を受けたと偽り、皇阿瑪を軟禁したのでは?!」十皇子は怒りに任せて拳を振り上げると、駆けつけた十三皇子が止めた。「皇阿瑪の棺の前で出まかせを並べ、手まで出すとは!皇阿瑪を安らかに眠らせぬ気ですか!」九皇子は皆が心に抱く疑いを口にしたに過ぎないと十弟をかばった。すると呆れた茗薇が証拠はあるのかと反発する。「ただの憶測を口に出せば災いを招くだけです 何より李太監が先帝が四哥に乾清宮を警備させたと証言しています それとも十哥は四哥があらゆる人々を欺いたとおっしゃるの?」茗薇の指摘にぐうの音も出ない九皇子、すると四皇子がそこで遮った。「もうよい、皇阿瑪の崩御について疑わしい点は調べ上げ、天下に対し明らかにしよう」そんな皇子たちの争いを見ながら、茗蕙はどこか落ち着かない様子だった。慌ただしい後宮では誰もが徳妃に指示を仰いでいた。茗蕙は納蘭(ノーラン)貴妃の嫉妬心を煽ろうと、実は徳妃が遺詔を預かっておきながら明らかにしていないと報告する。「何か困り事があるように思いますが…」しかし貴妃はどちらにせよ徳妃の息子だと興味を示さなかった。するとふと四皇子が簒奪(サンダツ)したという噂を思い出す。「あれは誠か?」「何もかも流言です、真偽などどうでもいい、肝心なのは皆が信じるかどうかです」「…つまり皆に信じ込ませろと?」「四爺は冷酷ゆえ敵が多いですが十四は違います…娘娘の恩を私は忘れません」十三皇子と茗薇は八皇子たちが四皇子の即位を阻止するため、悪質なデマを流すつもりだと分かった。そこで流言が世間に広まる前に止めるべきだと四皇子を説得、このままでは遺詔があっても反故にされてしまうと心配する。十三皇子は早く遺詔を公表すべきだと訴えたが、四皇子は密旨の内容を話すことができなかった。仕方なく十三弟と茗薇を宮中から遠ざけようとしたが、2人は四皇子の力になりたいという。屋敷へ戻ったものの十三皇子は一睡もできなかった。父が茗薇を呼んだのが日没前だったので酉の刻の頃、だとすれば四皇子を呼んだ亥の刻までかなりの時間がある。その間、父がずっとひとりだったというのも妙だ。話を聞いた茗薇はその間に密かに先帝に会った人物がいると仮定してみたのの、やはりあの厳重な警備の中ではあり得ないと気づく。しかし十三皇子はどんな可能性も排除せず、調べることにした。それにしても徳妃や四皇子の様子がおかしい。遺詔はすぐさま天下に公表するべきだが、何を隠しているのだろうか。すると茗薇は冷静に絡み合った糸をほどいて行けば、いずれ真実を手繰り寄せることができると励ました。十三皇子は郊外で密偵と接触した。密偵の報告ではあの日、十三福晋が去った後は宮中で特に何も起きていないという。ただ侍衛の1人から、ある宦官が外套をかぶった人物を案内していたという証言を得た。しかしその宦官がどこへ案内したのか、誰なのかはまだ調査中だという。徳妃は後宮の切り盛りで忙しい中、偶然、宮女たちの噂話を耳にした。今や噂に尾ひれが付き、四皇子が遺詔を改ざんして十四皇子と対立していると広まっている。徳妃は口を慎むよう宮女を叱ったが、間違いなく誰かの策略だと分かった。納蘭貴妃の寝宮に珍しく徳妃がやって来た。貴妃は後宮を取り仕切る徳妃を労いながら、貴妃の自分さえ口を挟む隙もないと嫌みを言う。徳妃は滅相もないとあしらい、人の噂とは恐ろしいものだと切り出した。すると貴妃は確かにその通りだと認め、宮中の者なら口止めできても外の者は難しいという。「噂によると遺詔には″十四皇子″とあったのに″四皇子″と書き換えられたとか… 実にもっともらしい話ではないか」「おほほ~誰が上手いこと言えとw」「そなたも難儀だな~2人とも己が産んだ子なのだから」「姐姐、確固たる証拠もないただの憶測を口にするのはいかがなものかと…」「妹妹、新帝が即位するまで後宮の最高位にあるのは本宮、そなたの指図は受けぬ」そこで徳妃は先帝の意に背いて国を乱すようなことがあれば我が子と言えど許さないと断言した。貴妃は先帝が遺詔を徳妃に託した以上、見るつもりはないと安心させたが、戻った十四皇子がどう思うかは分からないと牽制する。「人の噂は恐ろしいと申しておったが、実子同士の争いも見たくなかろう? 十四皇子が戻るのを待ってから遺詔を公表した方がよいぞ?」茗蕙は八皇子たちと協力して誰もが遺詔の信憑性を疑うよう画策、簒奪の噂を広めた。突然の崩御には謎が残るもの、四皇子が死に関わったかどうかはともかく、最も疑わしいのは警護していた四皇子に違いない。茗蕙は流言を利用して皇位争いの余地を残し、十四皇子が戻るまでの時間稼ぎに奔走した。八皇子と九皇子の軍営に何やら動きがあった。さらに十四皇子も兵を率いてまもなく都へ到着するという。報告を聞いた四皇子は十四皇子が勅命もなければ報告もせず、密かに回京したことに憤慨し、直ちに城門を封鎖するよう命じた。…やはり反撃に出るのだな…十四皇子はやっとの思いで帰還したが、城門は封鎖されていた。門衛は四皇子の命だと訴えたものの、まさか力づくで十四皇子を阻止することもできない。結局、十四皇子は衛兵たちを無視して父の元へ駆けつけ、位牌の前で涙ながらに四皇子の仕打ちを嘆いた。「夜を徹し戻った私を…四哥は締め出そうとしました…まさか本当に皇阿瑪は害されたのですか?」四皇子は報告を受けて乾清宮へ駆けつけた。すると前庭には十四皇子を援護する八皇子たちが兵を従え待ち構えている。「八弟、十四弟と共に兵を率いて来るとは何の魂胆だ」「十四弟は訃報を受けて帰還した、四哥、城門を封鎖してそれを阻むとは何の魂胆が?」一方、十四皇子は無念を晴らすため、父の位牌に誓っていた。「皇阿瑪、ご安心を、決して大清の天下を逆賊には渡しませぬ…」固い決意を胸に外へ出た十四皇子、すると四皇子と八皇子たちが一触即発の様相となっていた。そこで十四皇子は八皇子たちに四兄と2人だけで決着をつけたいと頼む。「あとは私にお任せを…」すると四皇子も自分の兵を下げた。つづく(  ̄꒳ ̄)即位の条件が茗薇の殺害って…黒幕がバレバレ?w
2021.04.06
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第34話「憎悪の生まれた場所」徳(トク)妃は辺境での戦に国力を集中させるため、後宮が手本になろうと炭の支給を減らした。後宮で権勢を振るう徳妃、有名無実の納蘭(ノーラン)貴妃はこのまま大人しく凋落を待つしかない。そんなある夜、茗蕙(メイケイ)がやって来た。茗蕙は後宮で最高位である貴妃に後ろ盾になって欲しいと懇願した。今や世継ぎの座は四皇子か十四皇子と噂されていたが、徳妃は四皇子の母でもある。茗蕙は後宮で信頼できるのは貴妃だけだと訴えた。「私も娘娘(ニャンニャン)のお力に…私をお助けくださるなら、十四爺が皇位を継いだ時、娘娘に特権を… 徳妃が太后となっても、それに劣らぬ待遇をお約束します」茗蕙の申し出は息子のいない貴妃にとって渡りに船だった。茗薇(メイビ)は十三皇子たちと一緒に実家へ戻った。しかし中庭に入ってみると実家はすっかり寂れ、ここへ来た時の面影はない。実はちょうどその時、茗蕙が病の床にある嫡母に薬を飲ませようとしていた。文(ブン)氏は茗蕙の薬など怖くて飲めず、憤慨して器をひっくり返してしまう。(  ̄꒳ ̄)<…ふっ、こうなると思って予備を用意しています(はい次♪)茗蕙は平然と小薇の死を見届けさせるため、まだ死なれては困ると言い放った。すると茗蕙が来ていると知った茗薇たちが急いで駆けつける。茗蕙は嫡母の見舞いに来ただけだと親孝行な娘を装ったが、十三皇子は身内の前で芝居は無用だと追い払った。文氏は茗蕙が茗薇の腹違いの姉とは言え、生まれは卑しいと蔑んだ。一度は妾と茗蕙を郊外の村へ追い払ったが、母親が亡くなって不本意ながら茗蕙を引き取ることになったという。すると文氏は姉妹がまだ幼かった頃、茗蕙が自分で花瓶を割りながら茗薇のせいにしたことがあったと話した。その時、茗蕙は打たれても罪を認めず、激怒した文氏が薪部屋に監禁したという。嫡母から理不尽に虐げられても我慢して来た茗蕙、実はこの薪部屋での恐怖の体験が復讐への引き金となっていた。結局、茗蕙は無実の罪を認め、深く反省したという。父の英禄(エイロク)は改心したと喜んでいたが、文氏はどこか不自然に見えたと語った。茗薇と十三皇子は茗蕙が閉じ込められたという薪部屋を見に行った。あれ以来、文氏は薪部屋が不吉ゆえ誰も近づけさせなかったという。すると部屋の中はまだ当時のまま残っていた。「とても薄気味悪いところだわ…ここに閉じ込められたらさぞ怖かっでしょうね」壁には茗蕙が残したと思われる小さな手形があり、裏側から見た扉の窓紗には血の跡が残っている。十三皇子は茗蕙の凄まじい怨念を感じ、茗薇を連れて早々に引き揚げることにした。七香(シチキョウ)と順児(ジュンジ)は茗蕙が差し入れた薬を調べたが、滋養の薬湯で毒ではなかった。十三皇子もさすがに親を殺すほど茗蕙も愚かではないと安心したが、茗薇が標的なのは明らかだと警戒する。しかし嫡母に不当に扱われて妹を恨んだのだとしたら、茗薇は一方的に茗蕙を責められない気がした。その時、ふとこの屋敷へ来た時、茗蕙が自分を見るなり必死に謝罪して来たことを思い出す。「確か自分が駆け落ちを勧め、危険な目に遭わせたと言って許しを求めてた 茗薇が崖下で倒れていたなら相手の元青(ゲンセイ)はどこ?…彼の失踪には何か裏があるのかも」すると七香は兄の仇討ちの代わりに自分が調べたいと申し出た。七香は失踪した元青を探すため、まず質店で情報を集めることにした。「この家の品に見覚えがない?」裕祥(ユウショウ)質店の店主はかんざしに″英″と刻まれていることに気づき、以前にある木こりが同じ字を刻んだ品を持って来たと思い出した。「これは英禄府の品だ、きっと訳ありのお宝を手に入れたんだよ」そこで七香は木こりの家に押し入り、短剣を突きつけた。木こりは七香に脅され、山で拾ったお宝を見せた。袋の中には衣や銀子、装飾品が入っていたが、七香はその中から″蕙″と掘られた玉牌を発見する。木こりは谷を歩いている時、崖の突端の真下で偶然、この包みを見つけていた。しかも玉牌はすぐ近くで死んでいた男が握っていたという。七香は動かぬ証拠を持って帥府園(スイフエン)へ戻った。崖の下にはすでに白骨化した遺体も残っていたという。しかし茗薇は玉牌だけでは茗蕙ならいくらでも言い逃れできると言った。「死人に口なしよ…茗蕙は自分とつながる証拠を残さない」「哥哥を死に追いやり、福晋の表哥(従兄)まで…一体、何人の犠牲者がいるんでしょうか」すると薔薇(ショウビ)はふと茗薇の最期の言葉を思い出した。『誰がこんなことを!?』『私の一番…身近な人が…信じていたのに… でも責めないで…あの人を恨んでいない…血を分けた人だもの… あなたは私に似ている…どうかあなたの身に同じ悲劇が起こりませんように…』恐らく茗薇は茗蕙に殺されたのだ。「茗蕙の本性を暴いて罰を受けさせなきゃ!これ以上の悪事は許さないわ!」その夜、茗蕙が庭園を歩いていると、突然、茗薇が現れた。「姐姐、ずっと待っていたのよ?」すると茗薇が茗蕙が失くした玉牌を見せる。「姐姐、これを覚えている?」「なぜあなたがこれを?!」驚いた茗蕙は玉牌を取り戻そうとしたが、茗薇は渡さなかった。「これが欲しい?確かに特別な品だものね?」「それをどこで?」「忘れた?郊外の崖の下よ?」「それで脅しているつもり?」茗蕙は平静を装って居所に戻ったが、その夜、悪夢を見てうなされることになった。あの時、茗蕙は入宮を嫌がる茗薇をそそのかし、従兄の元青と駆け落ちさせた。しかしいざ茗薇が待ち合わせ場所へ行ってみると、元青は茗薇の荷物だけ奪って逃げようとする。実は元青の夢は科挙に合格して官僚になることだった。茗薇と駆け落ちして父親の怒りを買えば一生を棒に振ってしまうという。「この銀子は借りておく、将来、出世したら返すよ、君は家に帰った方がいい」衝撃のあまり呆然と立ちすくむ茗薇、すると物陰から2人の様子を見ていた茗蕙が現れた。「待って!」茗蕙は元青を引き止め、何が何でも妹を連れて行けと食い下がった。苦労して2人の仲を取り持ち、やっとこの日が来たと言うのに、妹を置き去りにされては困る。『…私が入宮できない』『じぇじぇ?』『お前が邪魔なの!』元青は茗蕙が妹を追い出すために自分を利用したと気づき、呆れて断った。すると激情に駆られた茗蕙は怒りに任せて元青を崖から突き落としてしまう。実はこの時、元青は咄嗟に茗蕙の腰牌をつかみ、落下していた。茗薇は恐怖に怯えながら、元青が自分で飛び降りたことにして帰ろうと言った。しかし茗蕙はここで引き返すわけにいかない。『まだ分からないの?私が消したかったのはお前よ…子供の頃から私の邪魔ばかりして… 私はいつだってお前の影なのよ!…今すぐ消えてちょうだい、邪魔よっ!』茗蕙はじりじり茗薇に迫り、ついに崖から突き落としてしまう。…じぇじぇ、なぜ私を殺したの?どうして?どうして私を殺したの?…「うわあーっ!」茗蕙はあまりの恐怖で飛び起きた。どうやら悪夢だったと気づいたが、急に後悔の念が湧いて涙があふれ出す。「ごめんなさい、殺すなんて考えてなかったのに…」しかしこれも全て自分を追い詰めた茗薇のせいだと責任転嫁した。…私じゃない、あなたたちのせい、あなたたちの自業自得よ…薔薇(ショウビ)は全ての始まりが茗蕙だと分かった。茗蕙が2人を殺害していなければ自分が皇宮に来ることもなかっただろう。薔薇は十三皇子に茗蕙との恩讐が最近のことではなかったと伝え、茗薇の死の真相を徹底的に調べるべきだと訴えた。「君が来たのが誰のためであろうと、君に出会えて幸せだ」「胤祥(インショウ)、何が起こってもずっと一緒にいましょう、2人で乗り越えるの」すると順児が宮中からの使いが来たと知らせた。何でも2人で参内して欲しいという。「(はっ)もしや今日は11日?胤祥、心の準備を…皇阿瑪が…」康熙(コウキ)帝は城楼で十三皇子を待っていた。実は大清を任せることができるのは、やはり私欲のない十三皇子だという考えに至ったという。「帝王たるには度胸も度量も必要不可欠だ、だがそちは清らかな心を持っている 帝王として最も得難い資質だ、そちが即位すれば民にとって幸いであろう」皇帝は最後にもう一度だけ、十三皇子の気持ちを確認したいという。「そちに大清の民を託すことはできぬだろうか?」すると十三皇子はひざまずき、改めて辞退した。「皇阿瑪、大清の安泰のため全力を尽くす所存ですが、ご期待には沿えません 私は無才ゆえ、せめて明君の補佐をしたいと…」「…ばーら、ちーらいば」皇帝は十三皇子の望みを尊重し、その代わり十三皇子が信頼する者に天下を託すと決めた。康熙帝はそのまま病床にふせた。四皇子は皇帝の指示通り乾清(ケンセイ)宮を封鎖、例え皇子でも中に入れないよう命じる。すると皇帝は人払し、十三福晋を呼ぶよう頼んだ。皇帝は茗薇の勇気には目を見張るものがあると称賛した。しかしそれゆえ排除しようと考えたこともあったと笑う。すると胤祥だけでなく胤禛(インシン)のことも茗薇に任せたいと言った。2人が茗薇を巡り衝突したことは知っているが、一方で2人をつなぐ絆であることも事実だという。「そちを殺さなかったのは2人を見守らせるためだ」「お言葉を胸に刻み、2人の信頼が深まるよう尽力いたします」康熙帝は8歳で即位し、14歳から親政を行った。大清の天下を強固にするため心を砕いて来たが、いよいよこの座を手放す時が来たと悟る。すると皇帝は急に激しく咳き込んだ。そこで水を所望し、手元にあった薬を飲んで横になることにする。「…朕の願いはひとつ、目の黒いうちに世を太平にし、繁栄した国を子孫に残してやることだ まだやり残したことがたくさんある…やり残したことが…」「もう十分です、皇上は希代の明君で、慈愛に満ちた父亲(フーチン)です」「それがまことなら努力の甲斐はあった…」康熙帝は静かに目を閉じた。史実を知る茗薇は皇帝の治世が間もなく終わりを迎えるのだと実感する。康熙帝は幼くして即位、数十年の在位中に鰲拝(オボイ)を排除し三藩を平定した。清のために働かぬ日はなかったのだろう。しかし死期を目前とした今、皇帝が本当に心配なのは皇子たちのことに違いない、茗薇はそう思った。つづく( ๑≧ꇴ≦)気がつけばもう佳境に…ってえーっ?!てっきり茗薇が幽霊のコスプレで茗蕙を怖がらせるのかと思ったら違ったw
2021.04.05
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創造営2021とはWeTVが制作・配信しているオーディション番組90人の練習生が参加し、5期では視聴者による投票で55名が選出されましたそして投票はリセットされ、再び練習生による公演→投票、今週の7期ではさらに33名まで絞られます↓まずは6期の第二公演から、最高演技チームのステージ↓そしてMVPは同票で2人、劉彰とナインでした~( ๑≧ꇴ≦)ナインおめっ!↓ココノコボ的ベストパフォーマンスはこちら!創作ダンスチームによる″ジョーカー″↓そして管理人的MVPはウーハイくんです✩°。⋆⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝ドキドキの第二回結果発表!今回のランキングは練習生たちがルームメイトごとに呼ばれての告知でした仲良しメンバーの中で1人だけ脱落とかえげつない気もしますがエンタメですからね~では上位11位(新A班)の発表です@敬称略(^ꇴ^)ノ第1位 周柯宇(zhou keyu)第2位 賛多(サンタ)WARPs-UPメンバー第3位 力丸(リッキー)WARPs-UPメンバー( °◊° )おおお~!メガネ男子の周くんが来ましたね~まさに好青年という印象が勝因でしょうか?1人1票制ではないため、後半に向かって組織票が大きく左右すると聞きましたサンタ&リッキーにはここで踏ん張って欲しいところ第4位 劉宇(リュウユー)第5位 奥斯卡(オスカー)第6位 ミカ Intersectionメンバー第7位 尹浩宇(パトリック)タイ出身第8位 林墨(リンモーくん) 第9位 伯远(ボーユェン)第10位 張嘉元(zhang jiayuan)第11位 甘望星(ガンちゃん)ガンちゃん入った~!‹‹\(´ω` )/››‹‹\( ´)/››‹‹\( ´ω`)/›› オメ~!そしてリュウユーくんが陥落、しかも1位からいきなり4位ってどうした?!オスカーはジャンプアップ、代わりにミカ、リンモー、ボーユェンが下がってしまいました(  ̄꒳ ̄)うむ…ここからはTOP11に入れなかったものの、まだまだ頑張って欲しい練習生をピックアップ!第12位 井汲大翔(イクミン)第13位 ケーレン Intersectionメンバー第14位 高卿塵(ナイン)タイ出身第16位 吴宇恒(ユーヘン)第17位 任胤蓬(レンくん)ケーレンはステージが良かっただけに圏外落ちは残念ナインもMVPに選ばれイレブン入り確実だと思っていましたが停滞中です(皆ダイエット待ち?w)ユーヘンはガンちゃんと同じヴォーカルチーム、普段のゆるキャラ系とはまた違った一面が出ていて良かった!なぜか落ちていくレンくん…( ;∀;) 金髪が裏目に出たのか?!(違うw)実はレンくんは自らジョーカー組を選び、メンターたちが心配していましたわざわざ″本当にこのチームで大丈夫か″と確認したって言ってましたね〜もちろんダンススキルは敵わないけど、頑張った!こうしてトライしている人は応援したい!そしてイクミンがジャンプアップ!あと一歩!頑張って~!第21位 利路修(リルーシュ)第24位 羽生田挙武(アム)元ジャ●ーズ第28位 吴海(ウーハイ)第29位 薛八一(バーイー)第32位 胡燁韜(タピオカくん)リルーシュ…日本で言うところの晒し上げ状態に( ̄▽ ̄;)どうやらすっかりネタにされ、視聴していない人がリルーシュに投票しているという噂ですwアムくんは今回のステージ、アイドルスキルが発揮され良かったですねそしてそしてウーハイくん!キターッ!‹‹\(´ω` )/››‹‹\( ´)/››‹‹\( ´ω`)/›› ″joker″でサンタやリッキーに挟まれながらも存在感がありました!でもこんなに小柄だったとは気づかなかった~若干動揺w日本では人気が高いバーイーくんとタピオカ君ことタオタオは伸び悩んでいます(  ̄꒳ ̄)うむ*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*おめでとう!リアリティ番組の難しいところはスポーツと同じでジャッジメントに共感できなくなって来ると興味を失ってしまうところですアメアイやSYTYCD、デザイナーバトルやモデルオーディションまで色々と試しましたが、必ず後半になると飽きてしまう(」゚ロ゚)」<なんでじゃあぁぁぁ~!みたいになってw思えば肖戦を輩出したオーディション番組が奇跡的に楽しかっただけなのかも( ̄▽ ̄;)さて今回も涙涙のお別れシーンにもらい泣きでした…と言いたいところですがヨーグルトドリンクのCMがどうしても頭から離れない!( ๑≧ꇴ≦)ちょっと何これ~!使い方は間違っていないけど…(´゚艸゚)↓mikaエルフwではまた来週~(^ꇴ^)
2021.04.04
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第33話「未練との決別」宮中でまことしやかに囁かれる四皇子と十三福晋(フジン)の醜聞。徳(トク)妃は福晋たちの間に亀裂が入ることを危惧し、長春(チョウシュン)宮に集めて結束を訴えた。後ろ暗いことがない茗薇(メイビ)は茶会が終わると四福晋たちと花見に出かけたが、未だ怒りが治まらない年(ネン)氏はひとり回廊で悶々としている。そんな年氏を茗蕙(メイケイ)が見逃すはずがなかった。茗蕙は年氏に声をかけ、実は十四皇子も茗薇に誘惑されたと吹き込んだ。しかし和を重んじる徳妃が茗薇を追求しないため、このままでは増長させるだけだと警告する。「姐姐、どうやって止めればいいのでしょうか?…教訓を与えるべきです」「はお、私がやるわ」年氏は同じ境遇の茗蕙にたき付けられ、ある策を思いついた。急に雨が降り出し、茗薇は花見を切り上げて帰ることにした。すると回廊で納蘭(ノーラン)蓉月(ヨウゲツ)に引き止められる。「今、見たの、十四福晋と年氏が何やら親密に話していたわ」蓉月は茗蕙が自分の手を汚さず人を操ると身をもって知っていた。そこで罪滅ぼしのつもりで警鐘を鳴らしたものの、茗薇は心配無用だとあしらって帰ってしまう。四皇子の妾室・夙敏(シュクビン)が刺繍をしていると、年氏が何やら嬉しそうにやって来た。どうやらわだかまりを捨てて機嫌が直ったと安堵したが、意外な理由に驚く。実は年氏は茗薇を懲らしめようと毒入りの菓子を届けていた。(  ̄ノ꒳ ̄)<クスッ、文句を言って来るかどうか見ものね~一方、茗薇は今日も何やら難しい顔をしていた。七香(シチキョウ)と順児(ジュンジ)はいい加減に四皇子府と和解するよう勧め、福晋たちの差し入れを渡す。しかし茗薇は考えていたのは別のことだと言った。「2人はなぜここへ?…つまりなぜこの時代のこの場所に来たのかなって…」へっ?§´・д・)(・д・`*)ハイッ?意味が分からない七香と順児はとにかく菓子とお茶を勧めてみたが、茗薇は食指が動かない。そこで2人に菓子を与えると、突然、四皇子の妾室が現れた。「だめっ!毒入りよ!」七香はすぐ菓子を吐き出して無事だったが、順児はすでに一口飲み込んでいた。しかし太医の話では命に関わる毒ではなく、吐き気がしてぐったりする程度だという。茗薇は安堵したが悪質な年氏を許せず、妾室が止めるのも聞かず四皇子府へ乗り込んだ。茗薇が突然、怒鳴り込んできた。年氏は元気そうな茗薇の姿に落胆し、代わりに宦官が毒にあたったと知る。「猛毒じゃなかったことに感謝して欲しいわね~警告を与えただけよ」開き直った年氏は″魚寧″が誰なのか暗黙の了解だと指摘、十三福晋になっても四皇子を惑わせていると非難した。「一体、どんな手を使っているの?…冷淡な爺があなただけを特別扱いするなんて…ワナワナ あなたがいる限り問題が起こり続けるのよ!」するとそこへ騒ぎを聞いた四福晋が駆けつけた。福晋は徳妃の訓示を忘れたのかと年氏を叱り、処遇は徳妃に委ねると決める。しかし結局、徳妃は年氏に謹慎処分を下しただけだった。朝議から戻った十三皇子は毒菓子騒ぎを知り、直接、四兄と話をつけると決めた。茗薇は四皇子には関係ないと止めたが、十三皇子はあるという。「全て君への未練のせいだ、水に流すつもりだったが、毒を盛られたとなれば話は別だ」一方、四皇子も茗薇に毒を盛った年氏を叱責していた。激情のあまり離縁まで持ち出す四皇子、しかし年氏は許しを請うどころか、これまでの鬱憤をぶちまけてしまう。「どの福晋より魚寧が大事なのですね?!福晋は私たちではなく魚寧ですか?」その話をちょうど十三皇子が聞いていた。四皇子は十三皇子を連れて書斎に移動した。そこで私事は自分で片付けると冷静に話したが、十三皇子は四兄の気持ちが全ての根源だと指摘する。「小薇が牢に入れられ、私は救うのに必死で何も言わなかった、まさか今も諦めていなかったとは…」思えば四兄は茗薇が蘇生したことを隠していた。小薇が逃げ出さねば一生、何も言わずに隠し通す気だったのだろう。十三皇子は思わず食ってかかると、四皇子はついに本心を明かした。「そうだ!お前より私情を優先した!そのまま小薇をそばに置きたかった!」激怒した十三皇子は四兄を投げ飛ばし、倒れた四兄の胸ぐらをつかんで殴りつけてしまう。しかし四皇子は茗薇が十三弟のもとへ戻って見守るだけになっても、礼節に反することはしていないと開き直った。「それでも責めるなら好きなだけ殴れ!やれよ!」すると十三皇子は四兄を解放し、黙って帰ってしまう。年氏が騒ぎを起こしてくれたところで、茗蕙は次に徳妃を利用することにした。そこで事の発端は四皇子がまだ魚寧を好きなことだと吹き込み、不安を煽る。「誰かを思う気持ちは簡単に捨てられません、2人が間違いを犯さなければ問題ないかと… 人は抑えつけられるとより抵抗するものです、四哥が反発して予想外の行動に出たら大変です 先帝が寵愛した皇貴妃娘娘の件をご存知かと?それでどれだけ朝廷が混乱したか…」徳妃は乾清宮に皇帝を訪ねたするとすでに皇帝の耳にも後宮の騒ぎが伝わっている。徳妃はこの機に乗じ、もし次期皇帝が情に流されて国に悪影響を与えたら、大清の不幸だとほのめかした。その意味を悟った皇帝はすぐ魚寧を参内させる。茗薇は後宮の騒ぎの件だと気づき、不本意ながらも自分のせいだと認めた。今回も全ての責任を1人で引き受ける茗薇、しかし皇帝は追求するわけでもなく、ただ正直に質問に答えるよう命じる。「そちと胤祥に婚姻を与えてやったが、選択の機会は与えなかったな もし今、選ばせてやると言ったら、胤禛(インシン)を選ぶか?」茗薇はなぜ決まり切った答えを尋ねられたのか困惑したが、もちろん心にいるのは十三皇子ひとりだと断言した。「刀を突きつけられてもか?」「私が死より後悔を恐れるとご存知のはずです、嘘をつけば一生、後悔し、生きる意味もない …胤祥と皇上が危機に陥れば胤祥を助けます、それが人の情です」「人の情か…」皇帝は茗薇の深い愛情を知って納得し、下がるよう命じた。皇帝は茗薇が出ていくと四皇子を呼んだ。茗薇の話を聞いていた四皇子は自分の過ちに気づき、今後は国のため一心に尽くすと誓う。一方、帥府園(スイフエン)に戻った茗薇は十三皇子に皇帝との話を報告していた。「まるで誰かに聞かせるために2度も確認されたわ」すると十三皇子は父も答えを知りたかったが、恐らく本当に″誰か″に聞かせていたのだという。それにしても愛する人を探すため清朝へ来たと思っていたが、こうして嫁いでもなぜ問題ばかり起こるのだろうか。茗薇はふと実は何かを完全にするため来たのかもしれないと気づいた。「″九王奪嫡″に巻き込まれて以来、私めがけて色々な事件が降りかかって来る 何かを解決しないと渦中から抜け出せないのよ」「何が目的でも構わないよ…何が起ころうと君のそばにいる、いつも一緒だ」茗蕙の計略通り、皇帝が魚寧を審問した。八皇子たちはようやく茗蕙が醜聞を広めた真の目的に気づき、これで皇帝の四兄と十三弟への信頼が揺らいだと喜ぶ。あとは吉報を待つだけ、すると茗蕙の期待通り待ちに待った戦報が届いた。十四皇子率いる平定軍は反乱軍の本営を撃破、反乱軍が敗走したと急報が届いた。しばらく朝議を休んでいた皇帝だったが直ぐさま朝廷を招集、十四皇子を大将軍王に封じて天子剣(テンシケン)を授けると命じる。これで十四皇子が有利になったとほくそ笑む八皇子たち、一方で四皇子は落胆を隠せなかった。皇帝は涼亭で内輪だけの祝宴を開いた。茗蕙や八皇子たちが舞い上がる中、四皇子は十三弟に目配せし、宴席を抜け出す。十三皇子はてっきり四兄が十四弟に嫉妬しているのかと思ったが、四皇子の話は茗薇のことだった。「…こたびは本当に手放した」実は四皇子は茗薇から直接、気持ちを聞いていた…『四爺、謝りに来ました、あなたの愛は受け入れられない』四皇子は気持ちに整理をつけるため、茗薇の肖像画を燃やした『夕日が好きなそなたに見せたい景色があった 氷が張る時期にここへ連れて来て改めて気持ちを聞き、それでも十三弟を選べば諦めるつもりだった だが、その日は結局、来なかったな』四皇子はひとり美しい夕日を眺めながら、ようやく茗薇への未練を断ち切った…「玉の指輪を返した時にあきらめるべきだったのに、今頃になってしまった すべて水に流してくれるか?」「私は心が広いんでしょう?クスッ」一方、茗薇は散開して誰もいなくなった宴席でひとり考えを巡らせていた。気がつくといつも自分が嵐の中心にいるのは何故なのか。すると茗薇はここに来て以来、自分に起こる事件が全て茗蕙につながることに気づいた。…まさか私は彼女のためにここへ来た?そうよ、それ以外にない…でもどうすれば彼女との因縁を解きほぐせるの?そこへ十三皇子が迎えにやって来た。「小薇、どうしたんだ?」「ここへ来た理由が分かったの」茗薇は未来にも茗蕙にそっくりな人がいたが、やはりそりが合わず対立していたと話した。ここでも茗蕙との間には問題や怨恨ばかり、自分が未来で彼女を嫌ったせいなのか、もしくは今の敵意が未来につながったのか。どちらにしても茗蕙との恩讐を解くためにここへ来たのは確実だった。しかし薔薇(ショウビ)には茗薇として生きた記憶が一切なく、なぜ茗蕙に恨まれているのか分からない。すると十三皇子は実家へ行ってみようと提案した。「2人で問題を解決しよう」つづく( ゚д゚)え?急に未来から来た話って…えーっ?!残りもわずかだというのに盛大に見落としていることが判明か?!( ๑≧ꇴ≦)それにしても四皇子が打ち上げられた魚のように倒れている映像がwww演出ちょっとwww
2021.04.03
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梦回 dreaming back to the qing dynasty第32話「密通の醜聞」茗薇(メイビ)の献身的な介抱のおかげで、十三皇子は後遺症が残るものの、すっかり元気になった。そんなある日、皇帝が自分の見舞いに行きたくても皇宮を離れられないと聞いた十三皇子は、父を安心させるため参内すると決める。こうして2人だけの穏やかな生活が終わり、十三皇子と茗薇は再び陰謀渦巻く紫禁城へ舞い戻ることになった。十三皇子と茗薇が参内すると、早速、皇子たちが揃って出迎えた。杖をついているとは言え1人で歩いてくる十三皇子、八皇子たちは目を丸くし、その回復ぶりに言葉を失う。すると茗蕙(メイケイ)が無神経にも足は元通りになったのかと聞いた。茗薇は今は羽を伸ばしているが、悪巧みに巻き込まれないので気楽だとチクリ。「どうぞご心配なく」十三皇子と茗薇は微笑み合い、皆に2人の絆が強いところを見せつけた。康熙(コウキ)帝は十三皇子と城楼を歩いた。十三皇子の元気な様子に安堵した皇帝は、いずれ全快すれば再び活躍できると喜ぶ。皇帝は実は老いを実感していると吐露し、紫禁城を眺めながら永遠に大清の安泰が続くことを願った。「この天下を朕の子や孫に受け継いでもらいたい…」十三皇子は父の治世がまだまだ続くと励ましたが、皇帝はそれが叶わないと分かっていた。十四皇子の出征の日が近づいていた。徳(トク)妃は十四皇子に戦果を上げるよう励まし、皇子同士の争いに巻き込まれないよう釘を刺す。今回の遠征は皇帝からの下命、手柄を立てて凱旋しさえすれば、おのずと天子の位は十四皇子のものになるだろう。十四皇子はこの遠征が父から課された試練だと気づき、必ず期待に応えてみせると誓った。十四皇子は茗薇の留守を狙って十三皇子を見舞った。そこで間もなくジュンガルを討つため出征すると報告する。「早く治して共に戦場に赴き、敵を殲滅しよう」←よく言うわ( ̄▽ ̄;)十三皇子は恨み言も言わず、天下を担う重職に就いた十四弟を励まし、戦場に出たらひるむなと助言した。「安心して待っていろ、敵を一掃して戻ると約束する」2人はがっちり手を組み、権力争いを離れて共に大清の勝利を願った。一方、朝廷では戦の長期化で国庫がひっ迫していた。戸部尚書は各地から税を徴収しても官吏が多く、俸禄だけで使い果たしてしまうと上奏する。実は名ばかりの官職が増え過ぎたことで国庫を圧迫していたのだ。そこで皇帝は問題が表面化したこの機会に膿を出し切ると決める。しかし八皇子たちは何かと理由をつけて辞退、結局、四皇子が再び名乗りをあげた。早速、官吏の粛正に着手した四皇子、するとある官吏を連行しようとした時、まだ幼い娘が涙ながらに嘆願した。「王爺(ワンイェ)!爹(ディエ)は毎月、数両の俸禄で家族を養っています 汚職官吏は互いに罪を隠し合っているのに、爹のような清廉な官吏が免職されるなんて!」そこで潔白なら公正な処断を下すと英断、四皇子は群衆から称賛されたが、屋敷に戻ると頭を抱えた。官吏の削減が始まると、汚職役人たちは結託して私欲のない官吏を陥れ始めた。とは言え古(イニシエ)より忠臣と奸臣を見分けるのは難しいもの、すると行き詰まった四皇子のもとに十三皇子が訪ねてくる。十三皇子は四兄がひとりで汚職官吏を見つけ出して免職し、わずか数日で官界を改革するなど無理だと言った。「官吏の善悪は当地の民が知っています、そこで民に役人を推挙させるのです」汚職が横行する地域で民に支持された官吏には俸禄を減らさず褒賞を与え、逆に汚職官吏には厳罰を与えて戒めとすればいいという。「なるほど、民意を使うのか」←え?なるほどなのか?( ̄▽ ̄;)乾納蘭(ノーラン)貴妃が乾清(ケンセイ)宮を訪ねると、皇帝が上機嫌だった。恐らく官界の改革が成功し、国庫が潤ったからだろう。すると皇帝は四皇子が悩みを解決してくれたと喜んだ。「軍師を得て幸運だったとも言えるな〜」「軍師?」「朕が遣わしてやった、皇位に就かずとも大局を左右する男だ あやつが背後で策を巡らしさえすれば、どんな困難も乗り越えられよう」四皇子は改革成功を祝って十三弟夫婦を食事に招いた。十三皇子と茗薇は四福晋の手料理に舌鼓を打ち、相変わらず痴話げんかしながらも仲睦まじい。四福晋はそんな弟夫婦に目を細めたが、四皇子のやるせない気持ちを思うと胸が痛んだ。茗蕙は出征する十四皇子を見送りに出た。すると十四皇子は茗蕙の額に口づけし、馬にまたがる。「戻りを待て」茗蕙は無事を祈りながら、愛しい十四皇子の背中をいつまでも見ていた。茗蕙は納蘭貴妃のご機嫌伺いに立ち寄った。すると貴妃は四皇子と十三皇子が官界の改革で見事な成果を上げた今、出征した十四皇子はむしろ不利になると警告する。茗蕙は所詮一時の栄光だと問題にしなかったが、貴妃は長く仕えて来たからこそ皇帝の心が分かると言った。「2人が力を合わせれば十四阿哥に勝る、どうやら皇上のお気持ちが固まる日も近そうよ?」しかし茗蕙は皇位に着くのは十四皇子だと断言した。「邪魔をする者はどんな手を使ってでも排除します」四皇子の書斎に側福晋の年(ネン)氏が差し入れを持って来た。「置いておけ」「…顔も見てくださらないなんて、毎日、何をそんなに…」年氏は手持ち無沙汰で軸物を手に取って広げたが、驚いたことにそれは茗薇の肖像画だった。「触るな!」激怒した四皇子は年氏に2度と書斎に入るなと命じ、追い出してしまう。年氏は気晴らしに宮中へ出かけた。すると偶然、庭園で十四福晋と出くわす。年氏は茗蕙が茗薇の姉だと思い出し、恥知らずな妹を持つと大変だろうと嫌みを言った。そこで茗蕙は四皇子と茗薇の間に何かあったのかと揺さぶりをかける。年氏は2人の関係を知っていたのかと驚き、四皇子はまるで茗薇に取り憑かれたようだと嘆いた。「姐姐、そんなことでずっとお悩みに?…ふっ、なぜお分かりにならないのですか? 邪魔者がいたら除けばいいのです(ニヤリ」十三皇子の診察を終えた陳(チン)太医は、実は右足を完治させる方法がひとつあると言った。″接骨草(セッコツソウ)″というとても珍しい薬草があり、今のような冷え込む時期にだけ山林の奥深くで採れるという。茗薇は絶対に見つけて十三皇子の足を治すと奮起、順児(ジュンジ)と山へ入った。茗薇と順児は薬草を探しているうちにはぐれた。無我夢中で探していた茗薇は林の奥へ迷い込んだが、ふと誰かにつけられていると気づく。恐る恐る後退りする茗薇、その時、曲者が仕掛けた罠にかかり、木から吊り下げられてしまう。順児は急いで屋敷に戻り、福晋が山で行方不明になったと知らせた。ちょうど見舞いに来ていた四皇子は十三皇子の代わりに捜索に向かったが、なかなか見つからない。その時、林の中を走って行く茗薇に似た娘を見つけ、後を追いかけた。するとその娘が川に身を投げてしまう。四皇子は慌てて飛び込み茗薇を探したが、結局、見つからなかった。実はその頃、茗薇に成りすました娘は川を泳いで岸に上がっていた。するとそこで茗蕙が待ち構えている。「行って、このことは秘密よ?もし漏れたら…」「分かっています」日が暮れた頃、曲者は縄を切って茗薇を解放した。茗薇は足をひきずりながら歩いていると、やがて山小屋で暖をとっている四皇子を見つける。「四哥…」「小薇…」( ゚д゚)<どうしてここに?>(・Д・)川に潜った四皇子はびしょ濡れになった外衣を脱いで乾かしていた。茗薇の話では突然、誰かに吊り上げられ、夜になったら縄が切れたという。すると四皇子は大きなため息を漏らした。「私は林の中でそなたに似た女子を見かけた…どうやら誰かが我々をここに誘き寄せたようだ…」そこへちょうど茗薇を探していた順児と七香たちがやって来る。「四爺、どうして…」順児は思わず口を滑らせたが、確かに誰が見ても誤解を受けるような姿だった。四皇子と茗薇の醜聞が宮中を賑わせた。報告を聞いた徳妃はかんこう令を敷いていたが、人の口には戸が立てられない。茗薇はなぜ自分と十三皇子の仲を引き裂こうとするのか、何が狙いなのか分からず悶々とした。「気にするな、2人の絆で乗り越えれば良い」十三皇子ははなから噂など信じていなかったが、茗薇はふと不安になった。「…これはまだ始まりに過ぎないのかも」年氏は四皇子と茗薇の噂に怒り心頭だった。しかし福晋も妾室も冷静に振る舞い、本分を守っている。これが余計に年氏を苛立たせた。「情の薄い方だとは思っていたけど、まさか他の女子に思いを寄せていたなんて…」年氏は四皇子の魚寧への態度が自分たちとは大違いだと不満を募らせ、思わず茶碗を投げつけた。ガッシャーン!その時、ちょうど運悪く四皇子がやって来る。「何事だっ!」年氏は噂を耳にして腹に据えかねたと訴え、真相を知りたいと頼んだ。すると四皇子は福晋を睨みつけ、そのまま書斎へ行ってしまう。茗薇への切ない思いを封印したはずの四皇子、しかしどうしても未練を捨てられずにいた。茗薇は徳妃に呼ばれて長春(チョウシュン)宮を訪ねた。すると先に来ていた茗蕙と顔を合わせる。茗蕙はなぜ関わりのない自分まで呼ばれたのかと嫌みを言ったが、茗薇はいずれ誰が噂を広めたのか表沙汰になると牽制した。「私は姐姐だから妹妹の潔白を信じているわ~でも誰もが分かってくれるとは限らないのよ~ 人の評判は瑠璃のようなもの、一度、壊れたら戻らないの」「潔白な者は語らなくても潔白よ?」「何が潔白よ!」その声は年氏だった。四福晋は長春宮で騒がないよう間に入ると、茗薇は必ず黒幕を見つけて潔白を証明すると訴える。そこへ徳妃が現れた。徳妃は噂の張本人である茗薇だけでなく、息子の福晋たちを呼んでいた。すでに噂を広めた者に厳罰を与えたが、福晋たちにも言葉や行いには気をつけて欲しいという。「私の言いたいことが分かるわね」つづく( ๑≧ꇴ≦)とばっちりを受ける四福晋が切ない
2021.04.02
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※日本放送決定!3月30日から配信スタートラバちゃんの長歌行が来るまで見てみようかな~とお試し感覚でしたが、ハマっています(」゚ロ゚)」<どうしてダーレンってカッコいいんだぁぁぁ~!時は大宋、男主は啓封府の神捕頭・展顏(ヂャンイェン)譎怪(ケッカイ)な事件を追ううち、女主の細花流門主・端木翠(ドゥァンムーツイ)と出会います展顏は事件現場に残った証拠が端木門主につながるため、啓封府へ連行することになりますが…それもそのはず、端木翠も事件を追って現場に来ていたんですね~実は端木翠は上仙、天命を受けて人間界へ下り、悪さする幽族を退治していたのです↓こちらはお久しぶりハンドン演じる星君で女主の兄@特別出演?↓紅鸞は細花流に身を寄せますが…どうせ悪役だろうな〜というw↓女主と一緒に人間界にいる温孤上仙現在4話まで視聴済み、ちょうど男主と女主が最初の事件を解決したところです実は寝落ちしながら見ていたのであらすじを書けるほど理解してないのですが、何しろ官鴻(グァンホン)のダーレンが好き過ぎて…あ、安心してください!表情筋は動いています(笑しかもダーレンと猫というサービス映像まで〜全32話なんてあっと言う間だわ〜すでに寂しい( ;∀;)ちなみにあの陳情令の監督さんだそうで、私のツボは押さえているはず(←何だそれ?wなぜかネズミーに出てきそうなカップの妖精が出てきたり、色々とツッコミどころ満載ではありますが、すでに伏線が敷かれていますその鍵を握るのが紅鸞のようですが、果たして過去に何があったのでしょうか?!それにしてもドラマがないな〜思っていると怒涛の配信という中国あるある…これで皓衣行まで来たら倒れそう(  ̄꒳ ̄)
2021.04.01
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