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燕云台 The Legend of Xiao Chuo第32話「亀裂」皇子が原因不明の高熱を出した。景宗(ケイソウ)・耶律賢(ヤリツケン)と皇后・燕燕(エンエン)は太平王妃・胡輦(コレン)の勧めで薩満(シャーマン)の祈祷を頼み、皇族の王や王妃も共に祈りを捧げる。宮中には祭壇が設けられ、皇族たちはその夜、用意された天幕で休んだ。罨撒葛は胡輦が熟睡したことを確認、密かに太妃たちの天幕を訪ねた。しかししばらくすると胡輦が目を覚まし、罨撒葛を探しに天幕を出てしまう。その頃、太妃たちの天幕では祈祷師が木彫りの人形を置いて皇子に呪いをかけていた。すると罨撒葛はなぜ皇子がまだ生きているのかいぶかしむ。蕭蒲哥(ショウホカ)は空になった小瓶を見せ、薬に問題があったのではないかとごまかした。そこで罨撒葛は3日のうちに効果が出なければ祈祷師の命をもらうと脅す。「誰だっ!」罨撒葛は気配を感じて天幕を出ると、驚いたことに胡輦がいた。罨撒葛は人目につかないよう咄嗟に胡輦を天幕へ入れた。すると胡輦は罨撒葛が帝位欲しさにこんな卑劣な手段を使ったのかと憤る。しかも2人の太妃まで、何の不満があって恩知らずな真似をするのか。蕭啜里(ショウセツリ)は慌てて釈明しようとしたが取り付く島がなかった。憤慨した胡輦はいきなり祭壇をひっくり返し、燭台を倒して天幕に火をつけてしまう。罨撒葛は慌てて配下に後始末を任せ、胡輦を連れて逃げた。天幕で小火が出た。どうやら太妃が祈祷中に祭壇が倒れて火事になり、啜里太妃が亡くなったという。報告を聞いた燕燕と景宗は翌朝、鎮火した現場へ向かった。そこで景宗は木の人形を発見、さらに燕王・韓匡嗣(カンキョウシ)が空の薬瓶を拾い、すぐ成分を調べに向かう。楚補(ソホ)の話では駆けつけた時に2人の賊が逃げ出し、追跡して1人は捕まえたものの自害していた。太妃たちは賊に刺され啜里太妃が死亡、深手を負った浦哥太妃は昏迷しているという。すると楚補が倒れた燭台を見ながら首を傾げた。火事の原因は火のついたろうそくだが、あの俊敏な賊が燭台にぶつかるとは思えないという。「故意に火をつけたと?…つまり誰かが警告のため火を放ったのね でも口封じなら関わった者を全員、殺すはずよ?…(はっ)」「罨撒葛か」「…大姐ね」景宗と燕燕はすぐに気がついた。そこへ婆児(ハジ)が駆けつけ、皇太叔は王妃の体調が悪くなり、夜半頃に帰ったと伝える。「予想通りね」その頃、太平王府では胡輦が罨撒葛を激しく責めていた。「子を授かったのにあんなことをして…騰里(テングリ)の罰が下るわ! …私の家族には手出ししないと約束したはずよ?! 罨撒葛、あなたは私を裏切り、子孫は傷つけない契丹の伝統に背いた!」「納得がいかないというなら、我が子から父親を奪うのか?罪人の子として生きろと? …腹の子供のためだと思って冷静になって欲しい」罨撒葛は今の家族は自分と胡輦、そして腹の子だと指摘する。しかし胡輦はどうしても罨撒葛を許せず、黙って悲しみをこらえていた。すると罨撒葛は仕方なく寝殿を出てそのまま胡輦を閉じ込めてしまう。燕燕は胡輦が無理やり屋敷へ戻されたと知った。恐らく胡輦は何かを知ったのだろう。焦った燕燕は姉を救出するため、近衛軍と皮室(ヒシツ)軍を出せば罨撒葛に対抗できると考えた。しかし景宗は女里(ジョリ)と高勲(コウクン)が組めば厄介なことになるという。そこで罨撒葛の警戒を解くため、皇子の厄払いに家族の宴を開こうと提案した。燕燕はその間に二姐・烏骨里(ウグリ)の兵を借りることにする。すると宮中に取り残された胡輦の侍女・安熙(アンキ)と福慧(フクケイ)が訪ねて来た。燕燕は2人の侍女に太平王府に戻って胡輦を助け出すよう頼んだ。侍女たちは夫である皇太叔が危害を加えるとは思えなかったが、燕燕は父を殺した黒幕の可能性があると教える。「くれぐれも内密に、お腹の子に障るわ…後のことは任せなさい」罨撒葛は女里と高勲と結託、家族の宴の日に反旗を翻すと決めた。家職・高六(コウリク)には胡輦を見張るよう命じ、2人の侍女にも注意するよう釘を刺す。また内外で呼応するため、寧(ネイ)王妃・安只(アンシ)にも一報を届けていた。一命を取り留めた浦哥はようやく意識を取り戻した。しかしもはや余命いくばくもない。そこで浦哥は最期に景宗と2人だけで話がしたいと嘆願し、これまでの罪を明かした。「私はあなたたち父子に顔向けできない…そうよ、罨撒葛に脅されたの 十数年前も同じ…あの時も罨撒葛に脅されてあなたの薬をこっそりすり替えた…」「つまり、朕が長年、薬を飲み続けても治らなかったのは…あなたのせいか? 罨撒葛に脅されてやっただと?本当か?!」浦哥は命が惜しくて罨撒葛の傀儡となり、次々と過ちを重ねたと泣き崩れた。許してもらえるとは思っていないが、せめて死ぬ前に罪を償いたかったという。すると浦哥は、皇子に飲ませた薬を少し手元に残して厨子(ズシ)の中に隠してあると教えた。「あなたの助けに…な…」浦哥はそこで力尽きてしまう。胡輦は食事も喉を通らず、眠れなかった。すると罨撒葛が現れ、2人の侍女に世話を任せて出て行く。そこで安熙と福慧は逃げる気力を養うためにも食事をするよう勧めた。「高六によると皇太叔は明日、国阿輦(コクアレン)斡魯朶(オルド)の招集に行くそうです 決起なさるおつもりです、だからその前に急いで逃げましょう もし決起が失敗したら、お怒りになって王妃を…」「私と子供は大丈夫、でもここを出たいわ」胡輦たちは罨撒葛の留守を狙い、太平王府を脱出することにした。そこで王妃が病だと嘘をつき、門が開いたところで侍女たちが見張りを角材で殴りつける。こうして3人は裏門から逃げ出し、すでに準備していた馬車に乗り込もうとした。しかし突然、兵士たちが現れ、馬車は取り囲まれてしまう。その時、罨撒葛が姿を現した。「胡輦…私のもとを去るのか?私の側近を買収したくらいで逃げられると?」実は罠にはまったのは胡輦たちだった。安熙は王妃に逃げるよう訴え、自ら皇太叔に向かって行った。すると粘木袞(デンボクコン)が立ちはだかり、安熙の腹をひと突きして殺してしまう。「安熙ィィィ!」ちょうど馬車に乗り込もうしていた胡輦は急いで足場から降りようとした。しかしうっかり踏み外して腹から転落、激しい腹痛を起こしてしまう。胡輦は流産した。罨撒葛は生涯、子供を持てない運命なのかと絶望、胡輦の言葉を思い出して涙に暮れる。「胡輦…全て私のせいなのか…」罨撒葛は胡輦の前では気丈に振舞った。「子供はいなくなったが君が無事でよかった…また…子をなせば良い」しかしその言葉はかえって胡輦を傷つけてしまう。「″よかった″ですって?…あの子は確かに私のお腹の中にいた 大きくなって行くのを感じていたのよ…罨撒葛、ひど過ぎるわ!出て行って!顔も見たくない!」罨撒葛はこらえきれず、胡輦が自分から逃げようとしたせいで子を失ったと非難してしまう。すると胡輦は手段を選ばず帝位を求める罨撒葛に人の心があるのかとなじった。「私は君に皇后の冠をかぶせたいのだ…だが君の心に私がいたことはない」「…汚い手で得た皇后の冠などいらないわ」「胡輦…私は時々、君を殺してしまいたくなる…」罨撒葛と胡輦の絆は子を失ったことでもろくも崩れ始めた。一方、高勲は小妃・喜哥(キカ)から準備ができたと知らせを受けた。「ふっ…この遼が再び変わるのだ」そしていよいよ皇子の厄祓いと称した家族の宴の日を迎えた。安只は参内するため寧王・耶律只没(ヤリツシボツ)を迎えに来た。しかし只没は勅命とは言え家族の宴なら病だと断れという。皇族の一員として堂々と宴に参加したい安只、すると只没は名声が望みなら他の拠り所を探せと言い放った。「どういう意味?! …あなたは一日中こもって経を読むだけ、私のことなどただの俗物だと思っている 何の情もないのね?こんなことならあの時、暗君に殺されてしまえばよかった!」その時、侍女が王妃を呼びに来た。侍女の目配せに気づいた安只は話を合わせ、景宗への贈り物を確認に行くと嘘をつく。「…小善を積まぬ者は聖人になれぬ、小悪を積む者は身を滅ぼす 安只、今日は家族の宴だ、贈り物など必要なかろう」只没の言葉はまるで安只の裏切りを見透かしているようだ。安只は不満そうに出て行くと、只没も重い腰をあげた。胡輦は兵馬の足音に気づいて目を覚ました。すると鎧姿の罨撒葛が現れ、今日で全てを終わらせるという。「この天下は私のもの、すでに手はずは整えた 見込みがなければ上京(ジョウケイ)に戻っては来ない、私が戻ったのは皇太叔になるためだと?」「…あなたは私を殺しに来たのね?」「君を殺すわけがないだろう、君は私の王妃、将来の皇后だ」「いっそ殺してください…ゥッ…」つづく|ω・`)ジョーいない…
2021.09.30
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燕云台 The Legend of Xiao Chuo第31話「連環の計」景宗(ケイソウ)・耶律賢(ヤリツケン)は燕王・韓匡嗣(カンキョウシ)に徳譲(トクジョウ)の婚姻を頼んだ。翌朝、その話を聞いた韓夫人は激怒、かつて息子の恋路を邪魔しておきながら、よくも婚姻を迫れたものだ。しかし母として息子の結婚を望んでいるのも事実だった。そこで韓匡嗣は李思(リシ)はどうかと提案し、夫人から説得して欲しいという。一方、韓徳譲は蕭思温(ショウシオン)暗殺事件の真相を暴くべく調査を続けていた。やがて点と点がつながり、実は耶律罨撒葛(ヤリツエンサーグァ)が上京(ジョウケイ)を離れた瞬間から悪意と策略に満ちた罠を仕掛け、容易に複数の勢力を操っていたと分かる。しかしまだ十分な証拠がなかった。これでは景宗と皇后が勢力を巻き返した罨撒葛に勅命を下すことは難しいだろう。そこで徳譲は腹心の信寧(シンネイ)に罨撒葛を警戒するよう頼んだ。罨撒葛は女里(ジョリ)と高勲(コウクン)を太平王府に呼び出した。女里は指示通り朝堂で皇后に圧力をかけたが失敗、しかし罨撒葛はそれを責めるつもりはないという。確かに景宗に守られた皇后はやすやすと倒せる相手ではなかった。それにしても漢人の臣下たちは、あれほど流言が広まっても韓徳譲のこととなると大騒ぎだ。「ったく、よそ者どもはいるだけで不愉快です!」女里は目の前に漢人の高勲がいるにもかかわらず、うっかり口を滑らせた。「どう言う意味かな?この私まで一緒に始末すると?」「あははは~言葉が足らず失礼を!貴殿は遼で唯一、信頼する漢人だ!」女里が笑ってごまかすと、罨撒葛は目下の急務は騒ぎを広げることだと言った。「陛下が韓徳譲を憎むようにな…」罨撒葛は気づいていた。あの時、景宗が朝堂に現れたのは助け舟を出すためではなく、疑念を抱いたからだろう。流言はすでに静養中の景宗の耳にも届いたのだ。韓徳譲は景宗と皇后に暗殺事件の全容が罨撒葛の″連環の計″だったと報告した。高勲と女里のうぬぼれの強さを知り尽くしていた罨撒葛は、2人が権力を独占する蕭思温を妬み、殺意を持つと容易に想像がついただろう。そこで2人をたきつけるため、上京を任せていた粘木袞(デンボクコン)に告発状を書かせ、蕭思温のもとに届けさせたのだ。これに焦った2人は証拠を消すため、海只(カイシ)と海里(カイリ)を使って蕭思温の殺害を画策する。さらに海只たちと海東青(カイトウセイ)を引き合わせ、同時に長年、従って来た死士たちを分けて上京に送り、海東青を装わせて景宗を襲わせていた。景宗はこれほど複雑に絡み合っていたのかと驚いた。しかし話はそこで終わらない。罨撒葛は事実の露見を恐れ、早い段階で耶律喜隠(ヤリツキイン)に目をつけていた。そこで傲慢な喜隠に高勲と女里の関与を知らせ、2人の告発状を喜隠の密偵が見つけるよう魏(ギ)王府に配したという。予想通り喜隠は2人を脅して結託、一方、罨撒葛は皇后が懐妊したため景宗は動かないと判断し、王妃・胡輦(コレン)に文で帰京と兵権の譲渡を匂わせ、景宗の警戒を解いた。そして摂政の話が出た途端、数々の証拠を放出して喜隠に罪を被せたのだろう。全ては罨撒葛が張り巡らした陰謀だったのだ。その夜、韓夫人は徳譲に婚姻を勧めた。実は景宗が皇后との仲を恐れ、上京を離れるか、妻を娶るか父に迫ったという。韓夫人は景宗の身勝手さに腹を立てていたが、確かに独り身である徳譲が心配だった。「娘(ニャン)…まだ忘れられないのです」←( ;∀;)ジョー…しかし韓夫人はいま乗り越えなければ一生、克服できなくなると訴え、今度ばかりは親を安心させると思って妻を迎えて欲しいという。そんなある日、突然、燕王府に李思が訪ねて来た。「韓四哥、お久しぶり」「李姑娘(グーニャン)、いつ戻って来た?」←Σ(°∀°ノ)ノ えーっ!「数日前よ」実は李思は朝廷でのもめ事を伝え聞いて来たと話し、相手が必要なら見知らぬ娘ではなく自分を娶って欲しいという。徳譲はどうしても踏ん切りがつかず、答えに窮した。すると李思はこれ以上、徳譲を困らせないとあきらめ、帰ってしまう。皇后と韓徳譲の流言は収まるどころか広がっていた。燕燕(エンエン)は誰かの企みだと気づいていたが、流言を収めるのに最も良い手段は徳譲の婚姻だと分かっている。そこで胡輦を呼んで相談した。しかし胡輦は徳譲の心には燕燕しかいないと難色を示す。「投げやりな婚姻は苦しむだけよ…」胡輦は自分の前でだけは辛い気持ちを抑える必要はないと言ったが、燕燕は皇后として心中を漏らすことなどあり得ないと断言した。「今の私が考えるべき問題は遼の天下と民のことだけ、恋心などとうに手放しました…」↓( ;∀;)皇后!付いていきます!…髪型が変だけどw一方、韓徳譲と信寧は悪辣な流言の出所である酒楼に乗り込んだ。信寧はあまりに下劣な噂話に思わず激怒したが、講談師はそれを利用して韓家が民を虐げていると思わせようと企む。徳譲は信寧をなだめて様子を見ていたが、その時、上階から李思が下りて来た。「韓大人は私と結婚します、なぜ嫌がらせするのかしら?」韓徳譲の許嫁の登場に客たちが動揺すると、すかさず講談師が茶々を入れる。「韓大人の許嫁など聞いたことがない、若い娘が軽々しく言うことではないぞ」その時、徳譲はついに決意し、自ら李思との婚約は本当だと認めた。「2度と君に屈辱は受けさせない、私はできる限り努力してよい夫となると誓う 私が上京ですべきことを終えたら、共に幽州へ戻ろう」↓そんなわけでとんとん拍子に話が進み、婚礼となりました( ̄▽ ̄;)韓徳譲は妻と幽州へ戻りたいと奏状を出した。これを見た燕燕はすぐ徳譲を呼び出し、問題が山積する上京から逃げ出すのかと非難する。徳譲はもともと留まるつもりはなかったと釈明したが、燕燕は虚偽の噂から逃げ出せば相手の思う壺だと言った。「そもそも私たちの間に何があると?!なぜ気にする必要が?やましいことはないわ!」|ω・`).oO(それがあったんです@ジョーそこへ景宗がやって来た。景宗は自分から皇后に話そうと言って徳譲を帰し、燕燕にはほとぼりが覚めたら上京に呼び戻せばいいと提案する。「…韓徳譲を追い出したいのは一体、誰かしら?」「言いたいことは分かるが考え過ぎだ」「韓徳譲が去ったら腹黒い者たちの思い通りよ?それでも行かせるの?!」景宗と燕燕は韓徳譲を巡って険悪な雰囲気になり、たまりかねた景宗は急用があると断って書斎へ行ってしまう。一方、罨撒葛に弱みを握られている太妃・蕭蒲哥(ショウホカ)は皇子を害するよう脅されていた。すると侍女・豆蔻(トウコウ)が駆けつけ、ちょうど皇后が崇徳(スウトク)宮を離れ、今なら乳母たちも薬入りの茶で寝ていると報告する。浦哥は腹心だと信じていた侍女までが罨撒葛の配下だったと知り、もはや後戻りできないと覚悟した。燕燕は韓徳譲が上京を発ったと聞いて落胆していた。するとその夜、突然、皇子が高熱を出し、大騒ぎとなる。迪里姑(テキリコ)は風邪の症状なので薬を飲ませたが熱が下がらず、急いで燕王を呼んだ。しかし韓匡嗣の見立ても迪里姑と同じで、なぜ熱が下がらないのか分からないという。翌朝、胡輦は皇子の病が重いと聞いて参内することにした。すると事情を聞いた罨撒葛が薩満(シャーマン)を呼んで祈祷してはどうかと助言する。そこで胡輦は燕燕と景宗に宮中に薩満を呼んで儀式を行うよう勧め、僅かな可能性でも試すべきだと説得した。「それから罨撒葛から提案が… 祈祷をするなら宮中に祭壇を置き、皇族の王や王妃も共に祈るべきだと」景宗は罨撒葛の意見と聞いて疑念を持ったが、とにかく皇子のために何でも試してみようと決めた。つづく( ;∀;)ジョー、結婚まで燕燕のためなんて…それにしても初夜なのに燕燕の鈴が鳴っちゃうとか…え?w
2021.09.29
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第34話「芸初との別れ」その夜、芸初(ウンショ)は約束の場所で長慶(チョウケイ)が来るのを待っていた。ちょうどその時、宦官になりすまして潜入していた呉子墨(ゴシボク)が脱出を試みようとしたが、巡回中の衛兵に見咎められてしまう。「誰か!刺客だ!捕らえろ!」一方、芸初と一緒に逃げることを拒否した長慶はまだ寝所にいた。しかしやはり居ても立ってもいられず、部屋を飛び出したが…。芸初は衛兵に追われている宦官の姿を見た。てっきり長慶だと思い込んだ芸初は慌てて付いて行こうとしたが、衛兵が放った弓矢が背中に命中してしまう。長慶はちょうど芸初が倒れる様子を目撃、慌てて駆け寄り抱きしめたが、芸初はすでに虫の息だった。康熙(コウキ)帝は衛(エイ)答応・琳琅(リンロウ)を手放すと決めた。琳琅は皇帝に別れを告げ、回廊で待っていた納蘭容若(ナランヨウジャク)と一緒に去って行く。しかしその途中、衛兵が容若に急報を伝えた。「大人(ダーレン)!刺客を捕らえました!1人は女官で…」琳琅はその女官が芸初だと気づいた。琳琅たちが庭園に駆けつけると、ちょうど衛兵たちが長慶を芸初から引き離したところだった。意識のない芸初を腕に抱く琳琅、その時、芸初がうっすら目を開ける。「芸初!眠ってはダメ!姐姐が一緒に連れて帰るから…ゥッ…」「姐姐…私はもうダメ…来世でも妹妹にしてね…」「約束する…ゥッ…私たちは来世でも姐妹よ…」すると芸初は安心したのか、そこで息絶えてしまう。長慶は刺客として捕らわれ、拷問を受けていた。一方、琳琅は芸初に死化粧を施し、長慶が贈ったかんざしを髪に挿してやる。すると芸初が暗器を隠し持っていることに気づいた。それは衛兵・阿武(アブ)から盗んだ長慶の三角鏢(ビョウ)だったが、記憶が戻った琳琅は確かに兄が作った暗器だと確信する。「まさか哥哥が?!」そこへ寧(ネイ)貴人・画珠(ガジュ)が血相変えて入って来た。「芸初!なぜ突然こんなことに!この敵は必ず討ってやる!」取り乱した画珠は長慶の仕業だと決めつけ、飛び出して行った。琳琅は芸初のかんざしを改めて良く見てみた。芸初の話ではこのかんざしは長慶が亡くなった妹のために作ったという。思えば芸初は長慶が本当は家族想いの優しい人だと力説していた。…まさかあの長慶が私の哥哥?…康熙帝は汝寧(ジョネイ)府を発ち、駅舎に到着した。琳琅を失い意気消沈する康熙帝、すると容若と去ったはずの琳琅がお茶を献上する。「琳琅?!…留まるのか?私のそばに?!」「はい」康熙帝は愛しい琳琅を抱きしめ、思わず涙した。「昔のことをそなたが忘れられなくても待つつもりだった…ありがとう」「皇上、実は琳琅、お願いがあります、芸初と長慶は刺客ではありません 2人は想い合う仲でした、あの晩、私の勧めで駆け落ちを図ったのです」琳琅は情の深さゆえの過ちだったと訴え、長慶の解放を嘆願した。すると康熙帝は琳琅が留まってくれるならどんな望みも叶えると約束したはずだと快諾する。こうして長慶は思いがけず釈放された。長慶は解放されたが、まるで魂が抜けたようだった。その様子を琳琅は遠くからながめていたが、そこへ容若がやってくる。「なぜ留まった?心配事か?私の目はごまかせないぞ」しかし琳琅は黙って行ってしまう。厨房に来た長慶は食いしん坊だった芸初の姿を思い出し、悲しみに打ちのめされた。改めて失ったものの大きさを実感する長慶、そこへ琳琅が現れる。「あなたの好きなお菓子よ、芸初に聞いたの、あなたの母親の味に似ているって 他にも芸初から聞いた、ご家族は亡くなったそうね、以前は妹さんがいたとか 妹さんが10歳の誕生日に一家全員が亡くなり、あなたは死体の山から這い出して生き延びた これはあなたが好きだった三角鏢ね…小さい頃から聡明で、何でも自分で作ってしまう…」すると長慶は琳琅に素性がばれたと知り、思わず首をつかんで殺そうとした。「ゥッ…良児の誕生日、額娘が作ったお菓子を哥哥が横取りしたわ」驚いた長慶は机を見ると、その菓子は確かに母が作ったあの菓子だった。「阿思海(アシカイ)哥哥…私は良児よ、妹の良児なの…」長慶は琳琅の首から手を離し、呆然となる。あの時、阿思海は兵士に斬られた母と一緒に良児が倒れるのを見たが、そこで意識を失くしていた。実はあの時、母は良児に目を閉じるよう命じ、死んだふりをさせて助けてくれたという。長慶は思いがけず家族と再会を果たし、良児を抱きしめ泣いた。琳琅と長慶は芸初のことで敵対して来たが、実の兄妹だった。長慶はまさか親王府のお嬢様で両親から愛され育った妹が記憶を失い、こんな苦労をしていたのかと嘆く。すると琳琅は全て過ぎたことだと伝え、長慶にも復讐など考えないよう訴えた。しかし長慶は家族と芸初が死んだことで皇帝への恨みがさらに深くなっている。「哥哥、私のためにも皇上を殺さないで…」「好きなのか?…阿瑪と額娘を殺した敵だぞ?!敵を愛するなど許さぬ!」「…忘れるよう努めますから」長慶はとにかく妹を先に皇宮から逃そうと決めたが、琳琅は2度と家族を失いたくないと拒んだ。芸初を犠牲にして脱出した呉子墨は長慶を呼び出した。すると呉子墨は予定通り琳琅を人質にして皇帝を殺そうという。しかし長慶は琳琅に手を出すなと脅して帰って行った。琳琅は皇宮へ戻るのが怖かった。何も知らない康熙帝は琳琅と2人、このまま幸せな日々が続くと信じている。しかしこの数日の夢のような時間はろうそくが燃え尽きる直前の最も明るい時のようで、琳琅は不安を募らせた。その夜、琳琅は康熙帝が眠ったの見計らい、そっと寝台から出た。皇帝が起きないよう安眠香を焚いて回廊に出たが、そこに宦官が現れる。実は長慶が待っているので案内するというのだ。しかし途中で琳琅は怪しいと気づいて足を止める。「待って、あなたは誰?」香が消える頃、康熙帝はふと隣に琳琅がいないことに気づいた。琳琅の姿が見えず、容若たちに捜索を命じたが、裏門付近で琳琅の靴の片方が発見される。一方、寝所で休んでいた長慶も外の騒ぎに気がついた。衛答応がさらわれたらしい>(*´・д・)(・д・`*)<えーw↓正しい″なんてこった!″長慶は呉子墨の仕業だと気づき、いつも落ち合う山で待ち伏せした。すると思った通り呉子墨が琳琅を袋に入れて運んでくる。「女を離せ」「…ふん、力づくて奪い返すんだな」長慶は初めて本気を出し、呉子墨は呆気なく吹き飛ばされた。「よく聞け、琳琅はチャハル親王・博爾済吉特阿布鼐(ボルジギトアフダイ)の娘 そしてこの阿思海の妹・博爾済吉特良児だ…私のたった1人の家族 傷つけたら…殺す!」長慶は呉子墨を追い詰めて蹴り飛ばし、崖から落とした。長慶は琳琅を無事、救出した。しかしそこへ琳琅を探す康熙帝と容若たちの声が聞こえて来る。2人は咄嗟に物陰に身を潜めると、容若が崖っぷちについた血を発見、人が争ったあとがあると驚いて去って行った。長慶はこのまま琳琅を死んだことにして逃がそうと考えた。しかし琳琅はどうしても兄と一緒にいると譲らない。「哥哥が戻らなかったら私はどうなるの?!一緒に行く!」つづく(  ̄꒳ ̄)うむ、悪役は崖から落ちると…?
2021.09.29
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第33話「明かされた素性」干ばつ被害地を視察している康熙(コウキ)帝一行は汝寧(ジョネイ)府に入った。その夜、康熙帝は火傷した衛(エイ)答応・琳琅(リンロウ)に薬を届けることにしたが、合わせる顔がない。一方、琳琅は寝殿で皇帝からもらった虎の人形を眺めていた。すると戸を叩く音がする。琳琅は戸を開けてみたが誰も見当たらず、あきらめて閉めることにしたが、門の前に薬瓶があった。寧(ネイ)貴人・画珠(ガジュ)は自分が琳琅を嫉妬させるための当て馬だと気づいた。面白くない画珠は琳琅を真似て自分の手の平に虎を描き、皇帝が描いてくれたと琳琅に自慢する。しかしその夜、皇帝に茶を献上した時、康熙帝が画珠の手の平に書いてある虎の絵に気がついた。「誰が書いた?」「私が落書きを…」「すぐ洗え」康熙帝は画珠を下げると、つくづく自分の愚かさを嘆いた。琳琅に嫉妬させようと画珠を側室にしたが、それが却って自分を苦しめる結果になってしまう。翌日、康熙帝は人心を慰めるため、汝寧府の前で住民たちに施しを行った。琳琅も女官たちに混じって住民たちに粥を配っていたが、まさか配給に群がる住民の中に呉子墨(ゴシボク)が紛れているとは誰も気づかない。そんな中、芸初(ウンショ)は長慶(チョウケイ)の姿がないことに気づき、嫌な予感がしていた。一方、町に出た長慶は被災民に扮した呉子墨から密書を受け取り、道端で目を通した。しかし視線を感じて振り返ると芸初がこちらを見ている。長慶はついて来るなと言ったが、芸初は目障りなら殺せと開き直った。康熙帝は施しの様子を見るため外へ出た。すると何やら不満げな子供の一群を見つける。そこで子供たちのもとへ向かい、話を聞いた。実は配給を貰えるのは親だけで、親がいない自分たちはもらえないという。康熙帝は納蘭容若(ナランヨウジャク)や小徳子(ショウトクシ)にすぐ食料を渡すよう指示したが、呉子墨は皇帝の周りから側近が離れた一瞬の隙を見逃さなかった。呉子墨は配下の子供に目くばせし、いきなり巨大煙玉wを投げた。➰💣ドッカーン!突然、爆発音が響き渡り、付近は煙で真っ白になってしまう。長慶は短刀を取り出して準備したが、芸初が駆けつけ止めた。しかし長慶は芸初を殴って気を失わせ、皇帝の元へ突進してしまう。その時、子供たちは怖がるふりをして皇帝に抱きつき、その中の1人が皇帝を刺そうとしていた。康熙帝は子供の手をつかんで阻止したが、そこへ琳琅が現れ、皇帝の背中に抱きつく。すると長慶は誤って琳琅を刺してしまい、慌てて煙の中へ姿を消した。康熙帝は琳琅を自分の寝殿に運び込んだ。「皇上、お願いです…あの子たちをお許しください」そこへ容若が侍医を連れて来た。子供たちはすでに捕らえたという。康熙帝は親を失ったのも自分が政治を誤ったせいだと話し、琳琅の希望通り子供たちを解放した。芸初は長慶が暗殺に失敗したと知って安堵した。そこで画珠の元へ急ぎ、皇帝が刺客に襲われ、かばった琳琅が刺されたと教える。一方、容若は琳琅に薬湯を届けていた。「分かっている、皇上を憎みきれないのだろう? 幼い頃から君は心根が優しかった、人を憎めず愛することしかできない「容若哥哥…買い被らないで」そんな2人の話を偶然、芸初と一緒に見舞いに駆けつけた画珠が聞いてしまう。「愛するとか憎むとか何の話かしら?」「画珠姐姐?何か聞こえたの?」琳琅の傷はかなり深かったものの、命に別状はなかった。康熙帝は命を投げ出して自分を守ってくれた琳琅に感激し、やはり自分への愛があると確信する。しかし見舞いに行っても琳琅は冷たかった。「お願いです、独りにしてください」城門が閉鎖され、呉子墨は逃げ出せなくなった。そこで府内に忍びこみ長慶を頼る。呉子墨は最も危険な場所こそ最も安全だと考えた。琳琅から追い返された康熙帝は中庭の涼亭で物思いにふけっていた。ちょうど通りかかった画珠は容若が琳琅の見舞いに来ていたと吹き込み、2人は幼なじみで兄妹のように仲がいいと教える。一方、芸初は長慶を待ち伏せしていた。バシッ!⊂彡☆))Д´)ァゥ!芸初はいきなり長慶を引っ叩き、琳琅が死にかけたと激怒する。「琳琅姐姐に何の恨みがあるの?!」「あの女が勝手に皇帝をかばったんだ」すると芸初は過去の恨みを全て捨てて一緒に逃げようと説得したが、長慶は拒んだ。琳琅は両親の敵の命を救ってしまったと自責の念に駆られた。…でもどうしても見殺しにできなかった、私はどうしたらいいの?…そこへ康熙帝がやって来る。琳琅は自分の寝殿に帰ることにしたが、その時、康熙帝が容若と幼なじみなのかと聞いた。驚いた琳琅は確かに皇帝をあざむいたと認め、自ら死罪を請う。「できるはずがない」「…ふっ、明日になれば気が変わるのでは?あなたは皇帝、たった一言で人の命を奪える」「そんな風に思っているのか?朕は暗君ではない」「本当に?」すると琳琅はふつふつと怒りが込み上げて来た。「…私の阿瑪はあなたに殺された阿布鼐(アフダイ)親王です!」「なんだ…と…?」「私の10歳の誕生日… 私の愛する阿瑪と額娘、哥哥は皇上の一言で容赦なく殺されました、私の目の前で… 私は母に守られ生き延びたのよ」確かに父はオーバイの残党だったが母や兄は何の罪もないはず、琳琅は罪もない人間が大勢、殺されたと抗議した。「あなたが皆を冷たい死体に変えたのよ! あなたが憎い…私から大事な家族を奪ったあなたを恨むわ!」康熙帝はついに琳琅が心を閉ざした理由を知った。愕然となった康熙帝は琳琅の悲しみを受け止め、自分を殺して両親の敵を討てという。しかし琳琅は何度も殺そうと考えたができなかったと嘆いた。まさか自分の心にいるのが親の敵である皇帝だと死んでも認めることはできない。琳琅はこれ以上の苦しみに耐えられず、皇帝に殺して欲しいと懇願した。「真実を思い出してから苦しくてたまらなかった…家族の元へ行かせてください!」「過去を忘れることはできないのか?やり直そう」「できません、家族の恨みを捨てるなんてできない! …皇上と生涯を共にしたいと願った、でももう叶わぬ夢です 皇上、どうか私を殺して、でなければおそばにはいられません、解放してください」寝殿を飛び出した琳琅は庭園で容若を見つけた。そこで皇帝に全てを明かしたと伝える。「あなたに迷惑がかかるかも…」「いいんだ」すると小徳子が容若を呼びに来た。容若は皇帝に自分を罰して琳琅を許してほしいと嘆願した。自分たちの間に愛はなく、琳琅が愛しているのは皇帝だという。しかし康熙帝はもはや琳琅にあるのは自分への憎しみだと深く失望した。「連れて行け…どこか遠くへ、琳琅を頼む」容若は琳琅を訪ねた。そこで過去を忘れて皇帝とやり直すよう説得してみたが、琳琅は頑なに拒否する。「できないわ」芸初は琳琅の見舞いにやって来た。すると侍女・碧落(ヘキラク)がいつまでも答応に馴れ馴れしい芸初の態度に苦言を呈す。「先日も人前で太監と喧嘩していたんです、手を噛んだのですよ~噂になっていました」初耳だった琳琅は驚いて碧落を下げた。琳琅は芸初が長慶の腕に噛みついたのだとぴんと来た。「皇上を襲った刺客はあの人なのね?」「誤解よ!」「…芸初、このことは私の胸にしまっておく、安心して でも遅かれ早かれ露呈するわ、あの人と一緒に皇宮を出なさい、遠くへ行くの」芸初は琳琅の優しさに涙し、長慶の元へ向かった。芸初は長慶が疑われていると教え、一緒に逃げようと説得した。「今夜ここで待ってる」「断る」「逃げないと捕まるのよ?」しかし長慶は黙って行ってしまう。琳琅は涼亭で夕日を眺めていた。すると皇帝が現れ、隣に立つ。「幼いそなたはどれほど苦しんだろうか」「記憶など戻らなければ幸せだったのに…」「朕が憎いなら留まる必要はない、今日限り会うことはない あの歌ももう聞けぬな…最後に歌ってくれないか」琳琅は2人の思い出がつまった揺り籠の歌を聴かせた。(  ̄꒳ ̄).oO(イヤイヤ…この歌何番まであるの?いつの間にか真っ暗なんですけどwww琳琅の歌が終わった。しかし康熙帝はいざとなると琳琅をあきらめられない。「もし留まってくれるなら望みは何でも叶える…」「…皇上、お元気で」琳琅は別れを告げて拝礼したが、康熙帝は思わず琳琅を抱きしめてしまう。一方、芸初は荷物をまとめて井戸にいた。長慶はなかなか決心できず、寝所で悶々としていたが…。つづく( ̄▽ ̄;)中国古装ドラマの80%は盗み聞きで成り立っていますそして視聴者すべてが知っている…逃げてもまた失敗することをwww
2021.09.28
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上阳赋 The Rebel Princess第8話「豫章王の婚礼」豫章(ヨショウ)王・蕭綦(ショウキ)と上陽(ジョウヨウ)郡主・王儇(オウケン)の婚礼の日。美しく着飾った王儇は先祖に別れの挨拶を告げるため、祠堂に現れた。家族が見守る中、祭壇に香炉を捧げ、位牌に拝礼する王儇、そして父・王藺(オウリン)が先祖に婚姻を報告し、娘に最後の戒めを与える。「阿嫵(アーウォ)、今日からお前は人の妻になる、いつ何時も自分勝手は許され…」しかし阿嫵は父を無視し、母に向き直って別れの挨拶を始めた。晋敏(シンビン)長公主・馬瑾若(バキンジャク)は叩頭する娘を立たせ、結局、守れなかったと悔やむ。「阿嫵、ごめんなさい…」すると阿嫵は父に一瞥もくれず出発した。( ゚д゚)ぽかーん@父豫章王府で蕭綦と上陽郡主の盛大な婚礼の儀が執り行われた。招待客の中には侍中・温宗慎(オンシュウシン)の姿もある。祭壇の前に到着した蕭綦は王儇の腕を取って案内しようとしたが、阿嫵は動かなかった。蕭綦は仕方なく侍女に新婦の介添えを任せ、無事に拝礼の儀を済ませる。しかし阿嫵は最後まで蕭綦と目を合わせることなく寝所へ入った。新婦は寝所で床入りの儀を待っていた。階下では成婚を祝ってにぎやかに酒宴が開かれている。やがて夜も更けた頃、蕭綦は招待客を見送ることにしたが、その時、戦地からの急報が届いた。豫章王はなかなか寝所に現れなかった。蘇錦児(ソキンジ)は郡主を心配し、冠を外して少し休むよう勧める。しかし王府の侍女は夫が冠を外す習わしだと止めた。阿嫵はただ黙って目を閉じていたが、その時、豫章王が戦地へ発つと知らせが舞い込む。憤慨した阿嫵は王府の侍女たちが止めるのも聞かず寝所を出た。するとちょうど寝殿の門の前で豫章王の腹心・宋懐恩(ソウカイオン)と出くわす。「お知らせいたします、忽蘭(クラン)が国に攻め入り、大王は寧朔(ネイサク)に向かわれました 火急のため仕方なくお許しください、代わりに挨拶を告げるよう大王に頼まれました」錦児は郡主の面目を潰した豫章王に激怒したが、その時、黙って聞いていた阿嫵がついに口を開いた。「あなた方の大王は… 度胸のある男だと思っていたけれど、いざという時に逃げ出す臆病者だったのね」焦った懐恩は大局を重んじるよう訴えたが、かえって郡主を怒らせてしまう。「大局?…あなたが言う大局とはどれのことかしら? 婚礼の儀が終わる前に発つこと?私を捨てて皇帝陵に行くこと? それとも愛する人と婚姻する権利を奪うこと?あなたの言う大局はただの士族の権利争いよ」阿嫵は怒りのやり場がなく、懐恩にじりじりと迫った。「私は蛮勇な男と婚姻するため、愛を捨ててまで大局を重んじた そんな私にまだ我慢しろと?!こんな侮辱には耐えられない! あなたたちは大局を考慮しろと求めるけど、大義名分と偽って私を騙しているだけよ 仮面をかぶってとやかく言ってるけれど、素顔は違うわ あなたたちは卑劣で利己的で醜い恥知らずよ!」懐恩たちは慌ててその場にひざまずき、許しを請うた。そこで阿嫵は冠を止めているかんざしを自ら外し、これを大王に届けろと命じる。「″男として責任を果たせ、人任せにせず、自分で有終の美を飾れ″…そう伝えなさい」新郎が婚儀を途中で切り上げ、招待客たちは呆然としていた。その時、上階の露台から豫章王妃が姿を現し、気丈にも豫章王の代わりに拝礼する。すると阿嫵は自分の手で冠を外し、そのまま下へ投げ捨てた。…終わりのない悪夢のようだった…夢の中で私は独り、霧の中を歩いていた…果てしなく広がる暗闇、戻りたくはないけれど先も見えない…いつか夢から覚めることを祈るだけ婚礼から3ヶ月が経った。エェェェッ!!(゚ロ゚ノ)ノ蕭綦は寧朔から王妃に便りと贈り物を届けていたが、王儇から音沙汰はない。一方、三皇子・馬子澹(バシタン)は皇帝陵にいた。父の好きだった将棋をさしながら、幼い頃に阿嫵と2人で教わったことを思い出す。しかし暉州(キシュウ)から阿嫵の知らせはなかった。阿嫵は暉州に居を移していた。毎日、酒を飲んでは眠り、退屈でも穏やかな時間を過ごしている。すると錦児が豫章王の文を届けに来た使いがまだ門の前で返事を待っていると報告した。しかし阿嫵は錦児に返事を書いてくれとそっけない。「郡主…実は三皇子殿下からも便りが…」「燃やして、私はもう豫章王妃よ、子澹哥哥とは無関係だもの」その時、空に灯籠が見えた。阿嫵は子澹との思い出がつまった灯籠を眺めながら、ふと感傷的になる。そこで錦児は明日の灯籠祭りが終わったら皇都に帰ろうと励ました。本来、暉州には灯籠祭りがなかった。しかし暉州刺史・呉謙(ゴケン)の夫人が豫章王妃を喜ばせようと準備してくれる。その夜、祭りに出かけた阿嫵は出迎えてくれた夫人たちにもてなしの感謝を伝えた。「心遣いをありがとう」阿嫵は久しぶりに気分が良かったが、そんな豫章王妃を密かに狙っている曲者がいた。阿嫵が空を埋め尽くす見事な灯籠を眺めていると、突然、何者かに短剣を突きつけられた。人々は灯籠に気を取られ、誰も気がつかない。その時、空から黒い影が現れたかと思うと、豫章王妃を抱えて連れ去ってしまう。豫章王妃が行方不明になった。城門は直ちに封鎖されたが、その時、骸を運び出す馬車が現れる。「天然痘の死者です、暉州から出さねば!家族は山に隔離し1ヶ月ほど様子を見ます」男は通関文書を持っていた。しかし将軍は棺を確認すると言って強引に蓋を開けてしまう。実は棺の底に豫章王妃がいたが、将軍は気づかなかった。皇帝の薬の時間になり、皇后王氏が寝殿にやって来た。しかし皇帝の側仕え・薛道安(セツドウアン)の命で看病している皇太子妃以外の入室はできないという。皇后は我関せず乗り込み、勝手に介抱していた皇太子妃・謝宛如(シャエンジョ)を退かして薬湯を飲ませることにした。すると皇帝は急に皇后の手を振り払い、薬をこぼしてしまう。皇后は乱心した皇帝に呆れてすぐ出て行ったが、宛如はやるせなくなった。やはり看病には真心が必要、そう感じた宛如はこれから頻繁に看病しようと決める。皇太子・馬子隆(バシリュウ)は親孝行な宛如に感謝し、未来の皇后にふさわしいと喜んだ。昭陽殿に戻った皇后も暉州の様子を探っていた。報告では豫章王が暉州に移った王妃に便りを送り続けているようで、王妃を恋しがっているらしい。皇后は蕭綦が兄を牽制するため婚儀を飛び出しことは分かっていた。これはかえって皇太子に好都合かもしれない。しかしそこに急報が舞い込んだ。「豫章王妃がさらわれ行方不明だそうです!」妹が行方不明と知った王夙(オウシュク)は父に暉州へ探しに行きたいと嘆願した。しかし王藺は息子が皇都を出れば馬瑾若に隠し通せなくなると反対する。「弱っているのに娘の失踪を知れば耐えられぬだろう、母親まで命の危険にさらす気か?!」王藺はすでにありったけの兵を暉州に行かせたと教えた。一方、錦児は馬車を飛ばして北の地にある皇帝陵へ向かっていた。郡主を救えるのは三皇子しかいない。その頃、寧朔にも王妃失踪の一報が届いた。伝書鳩がここまで飛んで来るには3日はかかる。胡光烈(ココウレツ)は手遅れになる前にすぐ探しに行くべきだと訴えたが、7日後に閲兵(エッペイ)式が迫っていた。大王が捜索に発てば勅命に背くことになり、唐競(トウケイ)は反対する。すると何やら考え込んでいた蕭綦が立ち上がった。「忽蘭は戦に負け、新王が即位した、内部紛争をなくすことが急務だろう、忽蘭の仕業ではない 大がかりな犯行をしてまで王妃を連れ去ったのだ、何か達成したい目的があるのだろう 王妃を人質にして脅せる相手は丞相か…私だ…」←いや、言わなくても分かるわ( ̄▽ ̄;)つづく( ๑≧ꇴ≦)あの黒いのエンジンついてるの?(笑
2021.09.28
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上阳赋 The Rebel Princess第7話「子澹の裏切り」豫章(ヨショウ)王・蕭綦(ショウキ)との縁談が決まった上陽(ジョウヨウ)郡主・王儇(オウケン)。皇太子妃・謝宛如(シャエンジョ)は複雑な思いを抱えながら、阿嫵(アーウォ)の真意を尋ねに来た。しかし目の前にいる阿嫵にはかつての天真爛漫な郡主の姿はない。「豫章王を尊敬してきたし、私の恩人でもある、英雄に嫁ぐのが夢だったから…」阿嫵はあえて嘘をつき、笑顔を見せた。落胆した宛如はかんざしを手に取り、本来なら三皇子・馬子澹(バシタン)との婚姻祝いに渡すはずだったという。阿嫵は受け取れないと断ったが、宛如は阿嫵の手にかんざしを握らせ、帰って行った。侍女・蘇錦児(ソキンジ)はなぜ真実を明かさなかったのか郡主に尋ねた。すると阿嫵は子澹に自分の裏切りだと思わせたいという。「そうすれば私に腹を立て、忘れてくれる…」貴妃謝氏は自分の命と引き換えに一族の命を守った。しかし子澹は喪が明ければ母の罪を償うため皇帝陵へ流刑、勅命がない限り生涯、帰京を禁じられてしまう。重鎮だった謝淵(シャエン)も流刑となり一族は皇都を追われ、使用人たちは別の屋敷に振り分けられた。子澹は詔獄から釈放され母を弔った。すると弔問に訪れた宛如は、謝氏が落ちぶれた一方、王氏は娘を嫁がせると悔しさを滲ませる。子澹もすでに阿嫵の縁談を知っていたが、これが丞相の企みだと分かっていた。しかし宛如は王儇に痛みも後悔のかけらも見えなかったと教える。「ふっ、あなたが10年以上も守って来た女は、英雄と婚姻すると自ら言ったのよ」「やめろっ!」「やめないわ!あなたに真実を伝えなくては!」宛如は謝貴妃が誰のせいで死んだのか忘れるなと釘を刺した。謝氏は今や宛如と子澹2人だけ、謝貴妃と家門のために敵を討たなねばならない。一方、阿嫵は子澹からもらったかんざしを握りしめ、空を眺めていた。7日後には豫章王に嫁ぐ。阿嫵は子澹が会いに来るはずないと分かっていたが、もしや灯籠が上がるかもしれないと淡い期待を抱いた。そんなある夜、晋敏(シンビン)長公主・馬瑾若(バキンジャク)が謝貴妃の弔問に訪れた。すると馬瑾若は娘の本当の気持ちに気づいていない子澹に落胆し、阿嫵が不びんだと嘆く。「あなたが流刑で済んだ理由を考えてごらんなさい… 阿嫵は自分の婚姻と引き換えにあなたの命を守ったのよ?」「つまり…阿嫵は私のために豫章王と婚姻するのですか?」真実を知った子澹は呆然、あふれ出す涙を止められなかった。「阿嫵に気持ちがあるなら、明日の子の刻、東漁場の橋まで行きなさい 2人のために船を用意させる、皇都を離れるの…永遠に帰って来てはだめよ」「でもまだ復讐が…(꒦ິ⌑꒦ີ)アゥアゥ…」「自分の身も守れないのに敵を討てると思うの?…いい?これが最後の機会よ」一方、二皇子・馬子律(バシリツ)は王儇と豫章王の婚姻を阻止するため、謝淵と近しかった侍中・温宗慎(オンシュウシン)を頼った。そこで温宗慎はその夜、密かに豫章王府を訪ねる。今回の婚姻には国の存亡と皇帝の命と民の生死がかかっているため見過ごせず、民のために自分と共に王氏に逆らう勝負にでないかと訴えた。蕭綦と腹心・宋懐恩(ソウカイオン)は激しい雨の中を帰って行く温宗慎の背中を見つめていた。「王爺?本当に丞相が謀反を企てていると?」「三皇子が刺され、皇帝は毒を飲まされ、謝氏は追われた…帝位の座を巡る血みどろの争いだ 背後にいる王氏は深く関与しているだろう」「逃げるのですか?」「私と王氏のつながりを知らしめるための婚姻だ、逃げざるを得ない」すると懐恩はあの美しい上陽郡主をあきらめられるのかと揶揄する。蕭綦は笑ってごまかしたが、一人になるとあの美しく聡明な郡主の姿に思いを馳せた。皇后王氏は阿嫵が逃げ出さないよう、屋敷に見張りを置いて帰った。すると長公主の腹心・徐(ジョ)女官が生姜茶の差し入れに現れる。雨の中ですっかり身体が冷えていた宮女や宦官たちは感謝して休憩を取ることにした。明日はいよいよ婚儀、すると阿嫵の寝殿に突然、徐女官が現れた。「郡主!何も聞かずにこれに着替えてください!長公主のご命令です」徐女官は阿嫵を連れて寝殿を飛び出した。回廊では生姜茶を飲んだ見張りたちが全員、眠り薬で倒れている。「いいですか?東漁場の岸で小さな船が待っています!さあ」徐女官が門を開けると、裏門の前に母が立っていた。「母亲(ムーチン)!」「阿嫵、子澹と一緒に逃げなさい、幸せになるのよ」馬瑾若は宮印のない金塊を託し、これなら身分が露呈しないと安心させた。愛のない婚姻が地獄でしかないと身を以って知っている馬瑾若、娘に同じ苦しみを味わわせることはできない。「さあ、早く行きなさい!」馬瑾若は娘の背中を押すと、振り返らなかった。それでも阿嫵は母の背中に叩頭し、別れを告げる。徐女官は時間がないと郡主を急かせて引っ張って行くと、馬瑾若はようやく振り返って閉まった門を見つめた。雨はいっそう激しくなった。徐女官は郡主を連れて東漁場の橋までやって来たが、三皇子の姿はない。その頃、子澹はまだ母の位牌の前にいた。…いくら心が通っていても所詮、阿嫵は王氏の娘よ?…阿嫵の婚姻は朝廷にも大きな影響を与えるゆえ、できることなら阿嫵から離れて子澹は生前、母から警告された言葉を思い出し、心が揺れる。一方、阿嫵は必ず子澹が来ると信じてひたすら待っていた。屋敷に戻った王藺は祠堂で祈りを捧げ、儀式である戒めを行おうとしていた。すると馬瑾若が現れ、皇兄に毒を持ったのかと迫る。王藺は仕方なく自分だと認めると、馬瑾若は隠し持っていた短刀を出した。しかし王藺は長公主に人を殺せるはずがないと高を括り、何もしない。「…瑾若?刺せないなら刀を下ろしなさい」思い詰めた馬瑾若は自分の首を斬ろうとしたが、王藺が咄嗟に腕をつかんで短刀を奪い取った。勢い余って床に倒れた馬瑾若は泣き崩れると、そこへ家職・王安(オウアン)が駆けつける。「郡主の姿が見えません!」「郡主がいない?」王藺はすぐ長公主の仕業だと気づいた。一方、蕭綦は王府の荷物を片付けていた。明日は側近の胡光烈(ココウレツ)・胡瑶(コヨウ)兄妹が迎えに来る手はずになっている。城を出たら川沿いに西へ向かい、雲津(ウンヅ)の渡し場に着いたら北へ行く。そこなら王藺の勢力を避けられるだろう。「人の想い人を奪うわけにはいかぬ…」「残念です…あれほど美しい人にはもう出会えないかも」なぜか懐恩は蕭綦より後ろ髪を引かれていた。王藺は直ちに城門を閉めた。やがて雨が上がる頃、徐女官はそろそろ帰ろうと勧める。船頭はもうすぐ夜が明けてしまうと困惑したが、その時、馬車の音が聞こえた。「子澹哥哥?!」すると突然、弓矢が船頭を直撃、馬車から父が降りて来た。「阿嫵、観念しろ!一晩中待っても来なかったのだろう?!子澹は来ない!来るはずない! 来ないのはお前を憎んでいるからだ!目を覚ませ!」父の言葉はもっともだった。子澹は思い直して東漁場へ向かったが、すでに日が昇っていた。阿嫵の姿はどこにも見当たらず、小舟だけが虚しく浮かんでいる。その時、子澹は桟橋に落ちているかんざしを見つけた。真っ二つに割れたかんざしは確かに阿嫵に贈った婚約の印、恐らく阿嫵は自分に裏切られたと思って投げ捨てたのだろう。つづく( ;∀;)あーうぉ〜!
2021.09.27
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第32話「画珠の僥倖(ギョウコウ)」ついに芸初(ウンショ)に素性を明かした長慶(チョウケイ)。皇帝もまさか自分が死体の山からはい出し、生き延びていたなど夢にも思うまい。真実を知った芸初は長慶の想像を絶する悲しみに胸が締め付けられた。「危険なんだ、私のせいで死んで欲しくない、君はこの世で最も心の優しい娘だから…生きろ」すると長慶は芸初の額にそっと口づけし、別れを決めてひとり去ってしまう。一方、康熙(コウキ)帝は衛琳琅(エイリンロウ)の心にいるのが結局、納蘭容若(ナランヨウジャク)ひとりだと誤解、なぜ自分を翻弄したのか憤った。すると琳琅はひざまずき、死を願う。「皇上のおそばにいると辛いのです、愛をお受けできません、私を解放してください」「…朕は大清の皇帝だぞ?自由に近づいたり離れたりできるとでも思っているのか!」康熙帝は激情に駆られ、琳琅の願いに反して側室にしてしまう。「小徳子!勅命だ、衛琳琅に位を与え、答応(トウオウ)とする」勤めに復帰した容若はちょうど回廊に出て来た琳琅を見かけた。「琳琅!」しかし小徳子が琳琅は答応になったと教え、気安く声をかけてはならないと注意する。その頃、芸初は偶然、刺客の捜査中だった衛兵を見かけた。すると衛兵が長慶が落とした暗器を拾う。焦った芸初は先回りして待ち伏せし、衛兵が証拠を届ける前に頭を石で殴りつけた。巡回していた容若は倒れている阿武(アブ)を発見した。阿武はすぐ意識を取り戻し、実は物証を届けるところだったと説明する。それは独特な鏢(ビョウ)だったが、いつの間にかなくなっていた。「後ろから殴られ気絶したのです」芸初は琳琅が側室になったと聞いて駆けつけた。そこで刺客の顔を見ていないか確認してみたが、そこに運悪く容若がやって来る。容若は昨日の襲撃で記憶に残ったことがないか聞いてみると、琳琅は刺客のひとりに噛みついたと教えた。芸初は急いで長慶を訪ねた。すると人目もはばからず長慶に捨てられたとわめき散らし、長慶の腕に思い切り噛みつく。訳がわからない長慶だったが、芸初はひとしきり暴言を吐いて帰って行った。皇帝の命で碧落(ヘキラク)が衛答応の侍女になった。琳琅は同じ女官だと菓子を勧めたが、碧落は遠慮する。すると小徳子が現れ、答応となっても御前勤めに出るようにと皇帝の命を伝えた。容若は腕に歯形がある男を探していた。すると長慶の腕に歯形があるのを見つける。長慶は口をつぐんだが、そこへ芸初が駆けつけた。「納蘭大人、私です」芸初は捨てられた腹いせに自分が噛んだと証言し、私通を犯した罰なら受けるという。しかし長慶は芸初の名節のため、私通など嘘だと否定した。逆上した芸初は長慶を叩き始めると、容若もそれ以上、追求できなくなってしまう。その夜、康熙帝は琳琅の寝殿を訪ねた。しかしけんもほろろに追い返され、仕方なく酒で憂さを晴らす。小徳子は前回の泥酔も琳琅が原因だったことを思い出し、琳琅への執着を捨てるべきだと諫言した。「いいから酒を持って来い!」やがて飲み過ぎた康熙帝はふらふらになって回廊に出た。そこへ偶然にも辛者庫の画珠(ガジュ)が通りかかる。画珠は酩酊状態の皇帝を寝所まで送ったが、康熙帝は画珠を琳琅と間違え、手を握りしめて離さない。皇帝に仕えるのが夢だった画珠は天にも昇る心地になり、そのまま朝まで残ることにした。翌朝、目を覚ました康熙帝は画珠の姿を見て困惑した。深酒したせいで良く覚えていないが、画珠の話では自分が仕えるよう命じたという。実はその時、運悪く琳琅がお茶を献上に来ていた。何も知らず奥殿から出て来た康熙帝は琳琅に画珠と一緒の所を見られてしまう。動揺した康熙帝だったが、咄嗟に昨晩は画珠が夜伽をしたと嘘をついた。しかし琳琅は嫉妬する様子もなく、康熙帝はムキになって画珠を琳琅より上の位である常在に封じてしまう。「おめでとうございます、皇上、おめでとうございます、寧(ネイ)常在」画珠は思わぬ幸運に恵まれたが、康熙帝は全く意に介さない琳琅に怒り心頭だった。寧常在となった画珠は芸初に自分の側仕えにならないかと誘った。芸初はそれより皇帝が画珠を好きになり、琳琅が捨てられてしまったのかと心配する。確かに画珠から見ても琳琅は寵愛を失ったようだった。画珠は責任を感じ、琳琅を訪ねることにする。一方、寝殿を出ようとした琳琅だったが、急に衛兵に止められた。実は皇帝が外出禁止を命じたという。しかしちょうど容若が現れ、衛兵を下げてくれた。「容若、ここから離れたいの」「少し待ってくれ、呉三桂(ゴサンケイ)の一味が皇上を狙っている、今は動いては危険だ」容若は敵を殲滅したら琳琅を安全な場所まで送ると約束した。仕方なく琳琅は容若を信じて待つと決め、寝殿に戻る。その時、ちょうど2人が別れる場面を康熙帝が目撃していた。康熙帝は戸を叩かず、そっと琳琅の寝殿に入った。すると琳琅が鏡台に腰掛け、自分が贈った首飾りを眺めながら物思いにふけっている。「まだ朕を想ってくれるのか?」驚いた琳琅はすぐ立ち上がった。「そなたが辛いと朕とて胸が痛む… 良児、戻ってくれ、前のように睦まじく暮らそう、いいだろう?」しかし琳琅はちょうど返そうと思っていたと話し、皇帝に首飾りを渡す。そこへ偶然、画珠が訪ねて来た。康熙帝は琳琅への当てつけに首飾りを画珠に下賜し、さらに貴人へ昇格させ帰ってしまう。画珠は琳琅の誤解を解きに来ただけだったが、また幸運に恵まれた。そこで実はあの夜、酔った皇帝を介抱しただけだと釈明する。「怒っていないわ、気にしないで」「良かった!皇上を奪い合うつもりはないの、後宮に妃嬪は多いし、1人増えてもいいよね? これからは一緒に皇上に仕えましょう!」画珠は2人で助け合えば後宮でもいじめられないと喜んだ。画珠は皇帝に菓子を献上した。すると康熙帝は画珠の胸元にある指輪飾りに気づき、似合わないので着けるなと命じる。画珠はようやく琳琅に嫉妬させるため自分を利用していると気づき、内心穏やかではなかった。一方、皇帝の書斎を片付けていた琳琅は偶然、自分の絵姿を見つけた。しかしそこへ皇帝が戻って来たため、慌てて絵姿を書物の間に挟んで下がってしまう。康熙帝は琳琅が何を見ていたのか気になって書物を確認したが、奇しくも容若が献上した書だった。小徳子は明日の訪問先が汝寧(ジョネイフ)府のため心配していた。実は被災民が難民と化しているため、皇帝自ら施しを行うのは危険だという。康熙帝はそれでも自分の民である以上、義務を果たさねばならないと話した。「容若を呼んでくれ、段取りが聞きたい」小徳子が出て行くと、入れ違いで画珠が薬湯を献上した。皇帝の歓心を買おうと必死になる画珠は、かつて揺り籠の歌を所望されたことを思い出し、密かに練習を重ねていたという。「お聞きください」「…その歌は許さぬ、聴きたくない」しかしそこへ琳琅が茶を運んできた。すると康熙帝は急に画珠に揺り籠の歌を聞かせるよう命じ、これから毎晩、歌いに来いという。琳琅は歌が終わると下がったが、ちょうど回廊に容若が立っていた。琳琅は大切な思い出を土足で踏みにじられたようで悲しかった。一方、康熙帝も琳琅を傷つけたことを悔やみ、我ながら馬鹿げた振る舞いに頭をかかえる。容若は大切な2人が苦しむ様子を見て胸が痛んだが、どうすることもできなかった。康熙帝一行は汝寧府に到着した。すると琳琅が皇帝に茶を運んでくる。康熙帝は琳琅の目が真っ赤だと気づき、泣き腫らしたのだと分かった。「すまない…朕が悪かった」しかし琳琅はただの寝不足だと否定し、茶碗を置こうと手を伸ばす。康熙帝は思わず琳琅の手を握りしめ、驚いた琳琅の手から茶碗が落ちた。( ゚ロ゚)!!➰🍵ガシャーン!同時にしゃがみ込み、割れた茶碗を挟んでしばし見つめ合う康熙帝と琳琅…。「触るな、私が…」康熙帝は割れた茶碗を拾うと、琳琅は黙って新しいお茶を入れに行ってしまう。その頃、容若は偶然、御前女官の噂話を耳にした。実は新しい女官が貴人になって衛応答が寵愛を失い、まだ御前勤めを続けているという。琳琅は御茶房へ行く途中、偶然、画珠と出くわした。すると画珠は手の平にある虎の絵を自慢し、皇帝が描いてくれたという。琳琅は大事な宝物を奪われたようで深く傷ついた。お湯を沸かしながらぼんやりする琳琅、はたと沸騰していることに気づいたが、慌てて土瓶を倒してしまう。アチィィィ~!!(゚ロ゚ノ)ノそこに容若が駆けつけた。容若は琳琅の代わりに皇帝に茶を献上した。「琳琅は?」「火傷しました…大切にできぬのなら解放しては?」「大切だとも…なぜ心を閉ざしたのか分からぬのだ…突然…なぜだ」しかし容若はこれ以上、琳琅を傷つけるなら死を覚悟で連れて逃げようと心に決めた。つづく( ๑≧ꇴ≦)えー!まさかまた逃げる〜失敗のループ?!それにしても想像とは全く違う展開ですw果たして画珠はプラック化するのか?!
2021.09.27
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第31話「悲しい葛藤」衛琳琅(エイリンロウ)は良児(リョウジ)としての記憶を全て取り戻した。その夜、密かに荷物をまとめる琳琅、そこへ康熙(コウキ)帝がやって来る。「帰ってください」「琳琅、話してくれ、力になる」「皇上でも解決できないことなのです、死者は蘇りません、過去を消せるとでも?!なぜ皇帝なの!」琳琅は自分の恨みや心の痛みを皇帝が分かるはずないと突き放した。驚いた康熙帝は事情を話してくれと訴えたが、琳琅は無理だと言い放つ。「何があったのだ?!」すると琳琅は裁縫道具のはさみをつかみ、自分の首に当てた。「近寄ったら死にます!」「待て…琳琅…」「あなたを一生、恨むわ…出て行って…出てってよ!」康熙帝は仕方なく帰って行った。すると夜も更けた頃、容若が琳琅の居所へやって来る。回廊で待っていた琳琅はここを出たいと決意を伝えたが、その話を長慶(チョウケイ)に聞かれていた。( ๑≧ꇴ≦)盛り上がってまいりました~!皇帝への恨みと愛情の板挟みになり心の整理がつかない琳琅。康熙帝はちょうどお茶を入れていた琳琅を見つけ、何があっても琳琅を待つと誓った。しかし琳琅は取り付く島もなく、出て行ってしまう。一方、長慶は呉子墨(ゴシボク)と接触し、早々に好機が到来したと伝えた。実は容若と琳琅が今夜、駆け落ちするという。腕が立つ容若を心配する呉子墨だったが、長慶は自分たちの手勢の方が多いと安心させた。その夜、容若と琳琅は廟で落ち合った。すると物陰に潜んでいた黒衣の刺客たちが現れ、襲われてしまう。しかし偶然にも巡回中に琳琅を見かけ、後をついて来た阿林(アリン)が助太刀に現れた。劣勢を強いられる刺客たち、そこで様子をうかがっていた長慶が隙を見て飛び出し、まず阿林を斬り捨てると、琳琅を人質に取ってしまう。仕方なく容若は降参、いきなり刺客に蹴り飛ばされた。「ろんるぉ!」琳琅は思わず刺客の手に噛みついて容若の元へ駆け寄ったが、そこで刺客から思わぬ取引を持ちかけられる。「皇帝の首と引き換えにこいつを助けるか?」「…容若を助けて」「では殺さずにおこう」覆面の刺客は琳琅に薬を渡し、もし秘密を漏らせば納蘭容若の命はないと言った。すると気を失った容若は刺客たちに連れ去られてしまう。琳琅は仕方なく御前勤めに戻った。何も知らず琳琅を暖かく迎える康熙帝、実はその頃、深手を追いながらも生き延びていた阿林が廟からはい出していた。翌朝、琳琅は皇帝の好物である杏仁酪を作っていた。そこで隠し持っていた薬をそっと出したが、急に小徳子が現れる。「反省したのか?昨夜、皇上は呆然としておられた お前は誰よりも愛されているのだ、つらく当たるな 皇上はお優しく、お前も善人だ、なぜ睦まじくできないんだ?幸せを大切にな…」小徳子が出ていくと、琳琅はついに薬の入った紙を広げた。腹を刺された阿林が駅舎へ戻り、皇帝の元へ運ばれて来た。まさか琳琅が戻っているとは知らず、納蘭大人と琳琅が賊に捕らわれたと報告、そこで倒れてしまう。琳琅は手作りの杏仁酪を献上した。そこで小徳子は自分が毒味をすると申し出たが、康熙帝は琳琅の手作りなら心配ないと口に運んでしまう。実は小徳子は琳琅が薬を持っているのを見ていた。「皇上!」小徳子はどうしても琳琅への疑いを拭えず、咄嗟に器を払い落としてしまう。ガシャーン!「何をする!」「皇上、先ほどのアワ粥との同食は禁忌です!琳琅に言い忘れました!」「私の手落ちです、うっかりしていました」「…残念だ、そなたの心遣いが無駄になった」康熙帝は悲しそうにそう言った。琳琅は結局、皇帝の杏仁酪に薬を混ぜることができなかった。一方、阿林から事情を聞いた康煕帝は容若を救うため、密かに手はずを整える。しかしやはり琳琅の容若への想いに勝てなかったのだと誤解し、落胆していた。その夜、芸初は長慶を待ち伏せした。「待って、行かないで、私のことを想うなら危険なことはやめて」「私に指図する資格があると?」「だって私が作った靴を履いている、私が好きでしょう?だから行かないで こんなことを続けていたら大勢の人が死んでしまう、行かせない、優しい本当の長慶哥哥に戻って」「何も知らぬくせに」すると長慶は芸初を無視して出かけてしまう。居所に戻った琳琅は久しぶりに鴛鴦の刺繍に針を刺した。愛しい皇帝をどうしても殺せなかった琳琅、しかし自分を守り続けてくれた容若をこのまま見捨てることなどできない。その頃、監禁された容若はかつて納蘭府で罰を受けた時のことを思い出していた。『私が受けたおしおきなのに、なぜ君までここに?』『暗くて寒い所におひとりでは気の毒で…でもお腹が空いて来た…』すると窓から梨の木が見えた。容若は急に梨の花餅を作ると言い出し、架空の花餅を完成させて琳琅に振る舞う。『味はどうだ?』『うん、美味しい!…容若哥哥、ありがとう』別れを決意した琳琅は巾着を完成させ、皇帝に贈った。しかし琳琅の心にいるのが容若だと知った以上、康熙帝も喜びようがない。「今になって仕上がるとは皮肉だな…もう休む、下がりなさい」康熙帝は怒りと悲しみをこらえていたが、拒絶された琳琅は思わず背中に抱きついてしまう。「朕の真心を踏みにじり、翻弄するつもりか?…朕の思いは報われなかった」「お会いした時からずっと感じていました、私は大切にされ、守られていた、まるで家族のように… 感謝しています」「ふっ、感謝など欲しくはない…出ていけ」「皇上…」すると琳琅は皇帝に口づけした。≡≡≡ ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ずこーっ!何この展開?w琳琅は愛する皇帝と最後に共寝し、夜が明けるとそっと出て行った。まさか康熙帝が起きていたとも知らず、刺客との約束の場所へ向かう。すると容若が木に縛り付けられていた。「琳琅、私になど構うな、愛する皇上のもとへ戻れ」「容若哥哥、私には大きな借りがあるけど今生では返し切れない 皇上を殺せなかったの、私にできるのはあなたと死ぬことだけ…」「琳琅…梨の花餅が食べたい」「いいわ、来世で必ず作ってあげる…」琳琅は容若に抱きつき、共に死ぬ道を選んだ。しかしその時、衛兵を連れた皇帝が駆けつけ、刺客に襲いかかる。琳琅は急いで容若を解放したが、衛兵と刺客の激しい殺し合いを見ているうち、再びあの時の記憶が蘇った。「やめて…やめて!殺さないで!」急に取り乱した琳琅は戦いの渦中に飛び込んでしまう。驚いた康熙帝は慌てて琳琅の元へ駆けつけたが、琳琅はそのまま卒倒した。‹‹\(´ω` )/››‹‹\( ´)/››‹‹\( ´ω`)/›› 何これ~!一方、長慶は衛兵に追われていた。すると急に芸初が現れ、長慶を連れて逃げることに成功する。実は芸初は長慶が心配でずっと後をつけていた。長慶は芸初まで死ぬところだったと叱ったが、芸初は長慶のためなら死んでもいいという。「私の家族は皆、殺されたのだ、君まで…君まで死ぬ姿を見たくない」長慶は思わず芸初を抱きしめ、涙した。「一緒に遠くへ逃げましょう」しかし長慶は行けないと断った。その頃、皇帝は琳琅を連れ帰り休ませていた。小徳子は今回も呉三桂(ゴサンケイ)の一味で呉子墨が首領だと報告する。ともかく容若が無事だと聞いて安心し、康熙帝は小徳子を下げた。その時、急にうなされていた琳琅が飛び起きる。「容若哥哥!」「そなたが選んだのは容若か…」長慶はもはや嘘をつき通すことができなくなった。そこでついに自分の素性を明かす。「私の阿瑪、額娘、哥哥も妹妹も、一族127名の命があの皇帝によって奪われたんだ 敵を討たねばならない…長慶は仮の名、私はチャハル親王・阿布鼐(アフダイ)の子・阿思海(アシカイ)だ …あの日は妹妹の誕生日だった」↓黒ハットリくん!( ;∀;)康熙帝は琳琅に容若の無事を伝えた。それにしてもこれほど容若を愛していながら、なぜあの時、嫁がなかったのか。「朕を翻弄したのはなぜだ?死をも恐れぬと?」つづく( ๑≧ꇴ≦)えー!ここでまさかの逃げよう~失敗した再び?!さすがに芸初の泣き芸もお腹いっぱいw長慶も突き放す~やっぱり大切~でも突き放す~のループショッカーの皆さんもやっちまいな~からの撤収!のループw
2021.09.27
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第30話「憎き仇の名」崖から転落した康熙(コウキ)帝と衛琳琅(エイリンロウ)、しかし運良く川に落ちて助かっていた。2人は奇しくも8年前と同じように洞窟に避難し、幸せな時間を過ごす。一方、納蘭容若(ナランヨウジャク)たちは一晩中、必死で皇帝と琳琅を捜索していた。( ;∀;)ろんるぉ~可哀そ過ぎるw康熙帝と琳琅は洞窟で一夜を過ごした。|ω・`).oO(まさか!…あ~良かった、服着てるw皇帝の乱れた辮髪を整える琳琅、すると康熙帝がふと振り返る。「ずっとこんな日を夢見ていた…」「(〃ω〃)…前を向いてください」( ๑≧ꇴ≦)えーっ?!そういうこと?って、いやどういうこと?w康熙帝は琳琅を連れて洞窟を出た。しばらく歩いていくと2人を捜索していた容若たちが現れ、無事に駅舎へ到着する。長慶(チョウケイ)は皇帝の無事な姿を見て呆然となり、悔しさを滲ませた。容若は刺客が呉三桂(ゴサンケイ)の配下で、主導したのは養子の呉子墨(ゴシボク)だと突き止めた。報告を聞いた康熙帝は内通者がいると確信し、秘密裏に調査するよう命じる。一方、琳琅は薬湯を作って芸初(ウンショ)に飲ませていた。←薬草どうした?w芸初は自分のせいで皇帝と琳琅を危険な目に遭わせてしまったと責任を感じたが、一方で長慶が関係していると気づいている。「琳琅姐姐、首謀者は捕まったの?」「まだよ、きっとすぐ捕まるわ」ヒィ!(((ʘ ʘ;)))➰🥣 カンカラカン♪驚いた芸初は思わず薬湯を落としてこぼしてしまう。画珠も琳琅も最近、芸初の様子がおかしいと気づいていたが、理由は分からなかった。その頃、長慶は林の中で呉子墨と接触していた。呉子墨は長慶をかいかぶっていたと失敗を咎めたが、長慶は運が悪かっただけで収穫もあったという。「皇帝の弱点は女官の衛琳琅だ、あの女を人質にすればどうにでもなる」すると付近を警戒していた容若たちが林の中にいる2人の姿を捉えた。「何者だ!」驚いた長慶と呉子墨はそれぞれ別の方向へ逃げ出した。容若に追われた長慶は咄嗟に木に登り、やり過ごした。その後、宦官の服に着替えて厨房へ戻った長慶、すると芸初が直した靴を持ってやって来る。長慶は黙って靴を水おけに投げ捨てると、芸初は悪事から手を引くよう説得した。「余計なお世話だ、もう付きまとうな!」「…長慶哥哥、どうして冷たくするの?」深く傷ついた芸初は泣きながら帰って行った。長慶は水に浸かった靴を拾うと、そのまま力なく石段に腰をかける。かつて芸初が自分のために作ってくれた靴、あの時のことを思い出した長慶は何とも虚しくなって涙した。康熙帝は琳琅に詩を贈った。…我が心 永遠不変なり…そこで琳琅はその詩の隣に筆を走らせる。…我が想い 万古長青なり…喜んだ康熙帝は琳琅が握りしめている手巾に気づき、ふいに取り上げた。すると鴛鴦の刺繍が入っている。「まだ途中です…世間では結婚したての新妻が刺繍した巾着を夫に送るのです」「愛しい良児(リョウジ)と白髪になるまで添い遂げたい」その夜、皇帝は寝所に琳琅を召した。「皇祖母にたしなめられた、女に血迷う暗君にはなるなと…朕も心得ている しかしそなたと出会い、女に溺れる帝王たちの気持ちが分かった 琳琅、そなたの望みは何でも叶える、望みは何だ?」「皇上と夫婦の契りを結び、永遠に愛し合うことです…」こうして康熙帝の初恋は実り、2人の夢のような時間が過ぎて行った。( ๑≧ꇴ≦)やだ一緒に寝てるwやっぱり洞窟で?ってか外で?!←そこ?w芸初は長慶の機嫌を直そうと手作りの菓子を差し入れた。しかし長慶は芸初が差し出した器を床に叩き落としてしまう。「どうしてこんなことするの…」芸初は散らばった菓子を見て号泣、すると長慶はやり過ぎたと反省し、菓子を食べるので泣き止んでくれと頼んだ。「(これは!)母の味に似ている…」長慶は思わず良児と食べた母の菓子を思い出し、涙ぐんでしまう。実はその菓子の作り方を芸初に教えたのは琳琅だった。キタ━━ヽ(゚ω゚)ノ━━!!芸初は長慶が菓子を気に入ったことから、これで自分たちの関係も改善すると期待した。しかし長慶は気が済んだなら2度と訪ねて来るなと突き放し、飛び出して行ってしまう。芸初の愛情に応えてやれないもどかしさ、長慶は力の限り林の中を駆けた。そして鬱憤を晴らすように手から血が流れるほど大木を殴り続けてしまう。その様子を長慶を追いかけて来た芸初が見ていた。芸初はどうしても長慶が自分を嫌っているとは信じられなかった。すると琳琅が訪ねて来る。「そのかんざし…」「長慶哥哥が直してくれたの、長慶哥哥は決して悪い人じゃない 亡くなった妹さんのために作った大事なかんざしなの それを私にくれたということは私を想ってくれている証拠だわ あのお菓子を食べて、お母様の味に似ていると言ってた、家族思いの優しい人なのよ」コネ━━━━(。A。)━━━━iiその頃、康熙帝一行が滞在する駅舎に少年が紛れ込んだ。少年は饅頭(マントウ)を盗んで逃げようとしたが、衛兵に囲まれてしまう。ちょうど裏庭を通りかかった琳琅は逃げ惑う少年が衛兵に捕まって投げ飛ばされ、棚にぶつかって倒れるのを目撃した。「危ない!」琳琅は咄嗟に少年に覆い被さり、倒れて来た棚で頭を強打してしまう。康熙帝は小徳子から琳琅が事故にあったと聞いた。慌てて駆けつけた康熙帝は侍医に何としてでも助けるよう命じ、捕まった少年のもとへ行く。「今度からは堂々ともらいにおいで」康熙帝は袋に詰めた饅頭を持たせて帰した。その頃、琳琅は一族が粛清される夢を見ていた。これまでぼんやりとしか見えなかった悪夢、実はそれが幼い頃に経験した一族皆殺しの凄惨な現場だと分かる。「ぎゃああぁぁぁーっ!」中庭にいた康熙帝たちは琳琅の悲鳴を聞いて急いで駆けつけた。「琳琅?!目が覚めたのか?」「触らないで!…あなた誰?」「う…我…葉三(ヨウサン)だ」「うそ、おじさんでしょう?!」「良児?」「やめて!呼ばないで!」琳琅はまるで別人のようになり皇帝を睨みつけ、逃げるように出て行ってしまう。キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!容若は中庭で独りたたずむ琳琅を見つけた。(´゚艸゚)あ!その階段は若曦が転がり落ちたところだ~(←関係ないけどw「目が覚めたのか」「…あなたはバカよ、嘘をつくなんて、なぜ本当のことを言ってくれなかったの?!容若哥哥」「(はっ)全てを思い出したのか?!」そこへ琳琅を探していた康熙帝がやって来た。「琳琅?」「来ないで!」琳琅はなぜかまた逃げて行ってしまう。康熙帝は訳が分からず困惑した。容若は気が動転しているようだとごまかし、琳琅の様子を見に行く。「琳琅…今は2人きりだ、本当のことを話してくれ」「全部、思い出したの」「この日が来ないよう毎日、祈っていた…とうとう思い出してしまったんだね」「私が思い出さなければ一生、隠していたの?」「そうだ、君には平穏な人生を送って欲しかった」「私のためを思ってくれたのね…」「皇上のことはどうするつもりだ?」「殺すっ(๑•̀ㅂ•́)و✧」←ちょwww琳琅www「バカなことを、愛する人を殺せるはずないだろう?」「愛してなどいない!憎んでる!…顔も見たくない!あの人から遠く離れたい」すると容若はやはり琳琅を連れて一緒に逃げるしかないと決断した。康熙帝は琳琅が心配でたまらなかった。すると琳琅がやって来る。←なぜ戻った?意味が分からんw康熙帝は琳琅の手を取ったが、琳琅は反射的に手を離してしまう。「無礼を罰してください」「琳琅?なぜ急によそよそしい態度を?」「私は身分の卑しい下女、皇上とは釣り合いません」「何だと?」すると琳琅は下がってしまう。康熙帝は容若を呼び出し、琳琅に何があったのか聞いた。しかし容若は何も知らないと嘘をついてしまう。つづく(」゚ロ゚)」<記憶戻ったぞー!でも絶対、お兄ちゃんが先だと思ったのに違った~w
2021.09.27
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第29話「刺客襲撃」長慶(チョウケイ)は皇帝暗殺を目論みながら、芸初(ウンショ)の深い愛情にひと時の幸せを感じていた。しかし旅先で思いがけず逆賊たちが葬られた無縁墓があると知る。長慶はついに家族が眠る場所を発見し、改めて復讐を誓った。「私はある娘を愛してしまった…芸初と言う 地獄の日々の中で彼女は唯一の光でした、私にとって家族も同然の存在です ですが私には人を愛する資格がない、彼女のために何もしてあげられません 私はもうすぐ死ぬ…素性が分かれば彼女に迷惑がかかる… だから心を鬼にして彼女から離れることにしました」それ以来、長慶は芸初に辛く当たるようになった。「もう飽きた、うっとおしいんだ、付きまとわないでくれ」芸初は長慶の心変わりに深く傷ついた。しかし長慶には何か自分に言えない秘密があると考え、長慶の身辺を探ることにする。一方、画珠(ガジュ)は琳琅(リンロウ)の一件以来、長慶と会っても無視していた。容若は行く先々で仲睦まじい康熙(コウキ)帝と琳琅の様子を見かけた。そんなある日、容若は偶然、皇帝が琳琅に首飾りを贈っているところを目撃してしまう。「琳琅、そなたは朕の最愛の人だ…」かつて琳琅の胸元には容若が贈った玉の梨の花があったが、今や皇帝の生母の形見である玉扳指が取って代わる。容若は黙って引き返し、もはや琳琅を守ってくれるのは皇帝なのだと思い知った。長慶は人目を避けて林の中へやって来た。そこで鳥の鳴き真似で合図を送り、呉子墨(ゴシボク)を呼び出す。「猫八かっ!近づき過ぎると気づかれて警戒される」「だが待っていても殺しの機会はない」その時、物音が聞こえ、人の気配を感じた呉子墨が様子を見に行った。すると長慶は木陰に隠れていた芸初に気づき、慌てて呉子墨の手から助ける。「お前の女か?」「関係ない人間だ、殺すな!…口は硬い、心配いらん」長慶は芸初に早く逃げろと言った。長慶が駅舎に帰ると芸初が待っていた。「何を隠しているの?教えて?秘密があるのなら話して、誰にも喋らないから…」「…もう聞くな!」長慶は芸初の手を振り払って行ってしまう。芸初は夜になると咳がひどくなった。薬湯を煎じていた琳琅だったが、そろそろ雪見草が足りないと気づく。ともかく画珠と2人で芸初に薬湯を飲ませて寝かせた。すると画珠は恐る恐る自分が琳琅を傷つけることをしたら憎むか聞いてみる。「…もしかしてもうしてしまったの?」「違うわ!」琳琅は失笑し、失敗しても責めたりしないと答えたが、どうせ些細なことだろうと思っていた。芸初は昼間も咳き込むようになった。そこで琳琅はちょうど山中で休憩になった機会に薬草を採りに行くことにする。一方、芸初は一行を離れようとする長慶を引き止めていた。「私、病気なの、もう私のことはどうでもいいの?」しかし長慶は芸初を置いて行ってしまう。康熙帝は容若と行路を確認、出発することにした。すると小徳子(ショウトクシ)が駆けつけ、琳琅が薬草を採りに行くと出かけたきり戻ってこないと報告する。康熙帝はすぐ捜索を命じ、一行総出で琳琅を探し始めた。しかし手分けして探していた小徳子たちが皇帝を見失ってしまう。そんな皇帝のあとを長慶がつけていた。その頃、琳琅は獣用の落とし穴の中にいた。すると皇帝が自分の名を呼ぶ声が聞こえて来る。「皇上!ここです!皇上!穴に落ちたんです!」康熙帝は琳琅の声を頼りについに落とし穴を発見、足を怪我した琳琅を引っ張り上げた。康熙帝はどうしても薬草を持ち帰ると言い張る琳琅をおぶってやった。まさに千載一遇の好機、長慶は照明弾をあげて呉子墨に合図を送る。康熙帝はその音で刺客が来ると察し、何も言わずに琳琅を座らせて少し休むよう告げた。「朕は行かねばならぬ、機会を見計らって逃げよ」すると康熙帝は琳琅からなるべく離れるため走り出した。「皇上?!」呉子墨と長慶率いる黒衣の刺客が皇帝に襲いかかった。ひとり応戦する康熙帝だったが、その時、剣戟の音に気づいた容若が衛兵を引き連れ駆けつける。一方、琳琅も怪我を押して皇帝の元へ歩き始めた。刺客たちは容若たちに気づいて一斉に向かって行った。残った長慶たちは皇帝を取り囲んだが、あと一歩というところで琳琅が現れ、皇帝をかばって腕を斬られてしまう。その頃、容若は呉子墨たちと必死に戦っていた。長慶は容若たちが駆けつけるのも時間の問題だと気づき、琳琅を人質にして逃げ出してしまう。長慶は琳琅を連れて逃げたが、山道の先は崖だった。すると康熙帝が追いつき、腕に自信がないので人質を取ったのかと蔑む。「朕を殺したければかかってこいや!」長慶は一族の敵を前に奮起、戦いを挑んだが劣勢を強いられた。そこで皇帝を見守っていた琳琅を捕まえ、崖から突き落としてしまう。驚いた康熙帝は思わず琳琅を追いかけ腕をつかんだ。何とか片手だけで崖からぶらさがった康熙帝、しかし長慶が手を踏みつけ、ついに2人は真っ逆さまに落ちてしまう。康熙帝と琳琅は運良く川に落下した。康熙帝は気を失って沈んで行く琳琅を捕まえ、口から息を吹き込んで助ける。そして何とか川岸へ上がると、ちょうど近くで見つけた洞窟で休むことにした。すると琳琅が朦朧としながら水が飲みたいと訴える。康熙帝は川に戻ったが水を運ぶ方法がなく、そこで口に含んで琳琅に口移しで飲ませた。(O_O)ェェェェェ…川から水を含んで時間が経ってるのに~ないわ__絶対に嫌(笑康熙帝と琳琅が行方不明になった。捜索していた一行は疲れ果てて休憩していたが、芸初はふと戻って来た長慶に気づく。「長慶哥哥、靴が破れてる、怪しまれるわ」長慶は仕方なく靴を脱いで芸初に渡した。「2人の居所を知っているの?」「知らない…本当だ」←確かに本当だわw(O_O)って、えーっ!破れてるより血でしょ?血?!康熙帝は身分も忘れて献身的に琳琅に尽くした。山菜や果実を集めて琳琅に食べさせ、今度は川で魚を獲るという。しかし結局、魚は1匹も捕まえられず、日が暮れた。「…朕は皇帝だが魚は命令をきかぬな」「ふふ、野菜があれば十分です、お気にさらずに」すると康熙帝は琳琅のため、寝床を整えることにした。琳琅は自分のために藁を敷いている皇帝の姿を眺めながら、その優しさに心が温まる。つづく( ๑≧ꇴ≦)いやどうみても琳琅、背中を斬られたのにwしかも左から斬りかかってたのに右腕から血が出てるwww
2021.09.27
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第28話「太皇太后の教え」太皇太后は皇帝に衛琳琅(エイリンロウ)を貸して欲しいと頼んだ。毎年、春が近くなるとぜんそくがぶり返し、気が利く女官が必要だという。「琳琅、ここで何日か私に仕えてくれぬか?」「太皇太后にお仕えできるなら光栄です」琳琅を手放したくない康熙(コウキ)帝だったが、仕方なく皇祖母が良くなるまで預けることにした。太皇太后は噂に違わず琳琅が亡き端敬(タンケイ)皇后にそっくりだと驚いた。これでは皇太后が忌み嫌うのも分かる。すると太皇太后はちょうど女官がカビてしまったと報告した書物の写生を琳琅に任せることにした。琳琅は太皇太后のぜんそくに障りがないよう拭き掃除をしていた。偶然、通りかかった太皇太后は気遣いに感心したが、自分が早く良くなれば皇帝の元に帰れるからかと揶揄する。「太皇太后がお健やかなら、国も皇上も幸いです」「うむ、賢い答えだ…正直に申せ、皇上が恋しいか?」琳琅は返答に窮したが、太皇太后にはそれが答えだと分かった。「恋しくても想いは忍ばねばならぬ、それが皇帝の女人の本分だ」「…私は忍びたくありません、想いまで忍んだら皇上に何もして差し上げられないからです」「忍ばぬとして…たかが女官の身で何ができると?」「安らぎを感じていただけます」すると太皇太后が思わず咳き込み、琳琅はひざまずいて無礼を謝罪する。そこへ偶然、康熙帝が現れた。康熙帝は琳琅が粗相をしたと誤解し、自分が連れて帰って叱ると申し出た。しかし太皇太后は大したことではないと安心させ、今朝はやけに早い挨拶だと呆れる。「いえ、お身体が心配でしたので…」康熙帝は生薬を献上し、1日も早い快癒を祈った。「はいはい、2人そろって哀家(アイジャー)の回復を願うとは、ずいぶんと気が合うこと…」すると太皇太后は政務に戻れと追い返し、思わず失笑した。太皇太后が就寝すると琳琅は香炉を消した。しかし太皇太后は安眠香を消されると眠れなくなるという。琳琅は煙がかえって咳に良くないと説明し、心安らかに眠れるよう腕をあんました。琳琅は今日も写生を続けていた。すると太皇太后が現れ、実は琳琅に写させた″女戒(ジョカイ)″は端敬皇后の書いたものだったと教える。「端敬皇后の筆跡はとても美しいですね」「うむ、筆跡だけでなく本人もとても美しかった、先帝に誰よりも愛された妃だ あの者だったからこそ先帝は諸大臣の反対を退け、兄弟の妻でありながら妃としたのだ」順治(ジュンチ)帝の愛は端敬皇后だけに向かい、後宮のあらゆる妃たちが捨て置かれた。そればかりか実の息子である康熙帝まで顧みなかったという。確かに皇帝の寵愛を一心に受けるのは女として幸せなことだが、その幸せは他人の不幸と引き換えに得たものに他ならない。「分かるか?」「分かります、太皇太后の教えに感謝いたします」そこへ侍女のスマラが駆けつけた。皇帝が倒れ、侍医が手当てをしているという。太皇太后と琳琅は急いで乾清宮に駆けつけた。しかし皇帝には安静が必要なため、寝所の帳(トバリ)が閉まっている。侍医は珍しい病状のため原因を特定できず、劇薬を準備したと報告した。処方を見た太皇太后は薬効が強すぎると驚き、皇帝が飲んでも耐えられる確証がないという。侍医は病でない者が飲めば命に関わると訴えたが、その時、琳琅が迷わず毒味を申し出た。琳琅は薬湯を飲み干した。するとそこへ何も知らずに元気な皇帝が戻って来る。「皇祖母?どうしてこちらへ?」「琳琅を送り届けに来たのです…琳琅?私の教えを忘れるでないぞ?」太皇太后は琳琅の皇帝への想いが本物だと確信し、琳琅を皇帝に返して帰った。あとは皇帝が先帝と同じ道を歩まないことを祈るばかりだ。一方、琳琅はようやく太皇太后が自分を試したのだと気づいた。小徳子から経緯を聞いた康熙帝は、自分の身に何か起きても絶対に危険は冒すなと釘を刺す。「朕のために死ぬことは許さぬ、いいな?」2人は改めて互いの想いを確認し、固く抱き合った。朝議で皇帝の雨乞いが功を奏し、ほどなくして恵みの雨が降ったと上奏があった。そこで康熙帝はこれを機に干ばつ被害地の視察に行くと決める。すると皇太后が視察のお供に連れて行くよう長慶を寄越した。警戒する小徳子だったが、何も知らない康熙帝は母の心遣いに感謝して帯同を認めてしまう。皇帝一行は行宮で一夜を過ごすことになった。納蘭容若(ナランヨウジャク)は部下たちに警固を指示、そんな中、長慶は買い物を口実に町に出て呉子墨(ゴシボク)と接触する。「そなたか、玉箸(ギョクチョ)の配下にしたあの子供は」「阿布鼐(アフダイ)の子・阿思海(アシカイ)だ」呉子墨は玉箸の死後なぜ接触も試みず鳴りを潜めていたのか怪しみ、義父・呉三桂(ゴサンケイ)と自分が信じられる証しを出せと迫る。そこで長慶は一族皆殺しの時に斬られた背中の大きな傷跡を見せた。すると呉子墨は長慶の皇帝への深い恨みを知り、安心する。「数日で身辺の整理をつけるのだな、動き出したら後ろ髪を引かれてはならんぞ」「分かっているさ」その頃、康熙帝は琳琅と扮装し、お忍びで町に出かけた。中秋の祭りで賑わう町並み、2人は民たちに紛れ、露店で菓子を買って互いに食べさせ合う。そんな2人の様子を密かに容若と阿林(アリン)が警護していた。長慶は約束通り芸初(ウンショ)にサンザシ飴を買ってきた。喜んだ芸初は急に自分の全財産を差し出す。「長慶哥哥、嫁入り道具の代わりよ…お嫁さんになりたいの、ふふ」しかし長慶は黙って銭袋を返した。「バカだな…」容若は仲睦まじい康熙帝と琳琅の様子を目の当たりにし、居たたまれなくなって帰って行った。やがて夜空を美しい花火が彩り、康熙帝と琳琅は唇を重ねる。幸せに包まれる康熙帝と琳琅、一方、行宮でも長慶と芸初が中秋節の花火を眺めていた。「これから毎年一緒に見ましょう、いいでしょう?」「…はお」長慶は芸初へのあふれる想いを抑えきれず、思わず口づけしてしまう。しかし次の旅先で長慶は思いがけず近くに逆賊たちが葬られた無縁墓があると知った。つづく( ̄▽ ̄;)おじさんの小鳥のようなキスと吸い付くような長慶のブチューどちらも微妙に引くわ___w
2021.09.25
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Chronicle Of Love第27話「晴れた濡れ衣」衛琳琅(エイリンロウ)の潔白を証明しようと奔走する康熙(コウキ)帝と納蘭容若(ナランヨウジャク)。容若は皇帝からある手がかりをもらい、洗濯係の芸初(ウンショ)に協力を頼んだ。芸初は琳琅のためならと快諾、衣服を取りに来た侍女・暁児(ギョウジ)に実は衣服が差し押さえられてしまったと教える。「琳琅姐姐の部屋に服の留め具が落ちていたとか…それで女官全員の服を調べるそうです」しかし芸初はうっかり長慶(チョウケイ)にだけ納蘭大人が罠を仕掛けたと教えた。「どんな罠かはまだ内緒よ、今に分かるわ」驚いた長慶は端(タン)嬪の侍女を探したが、手遅れだった。暁児は自分の衣服を回収したところで容若たちに捕まり、連行されてしまう。暁児は端妃の命令で琳琅を陥れたと認めた。もはや言い逃れできなくなった端嬪は罪を認めたが、あくまで指輪の件だけで呪いの人形は知らないという。すると皇太后は姪である端嬪に寛大な処置を頼んだ。康熙帝は仕方なく端嬪の称号を剥奪、罰として瓊芳(ケイホウ)閣での蟄居(チッキョ)を命じるに留め、暁児には杖責(ジョウセキ)50回のあと追放とする。こうして疑惑を晴らした康熙帝は琳琅を連れて帰ることにした。しかし太皇太后が皇帝を制止する。「指輪はその女官に与えたと申したはず、あれは嘘か?今になって端嬪が盗んだと? まあよかろう、指輪は端嬪が盗んだとして、呪いの人形まで端嬪の仕業なのか?」確かに姪の端嬪に皇太后への恨みなどあるはずもなく、仮に指輪の件で琳琅が無実だとしても皇太后を呪った罪からは逃れらない。「誰か、この娘を投獄せよ」驚いた康熙帝はひざまずいて許しを請うたが、それがかえって太皇太后の心象を悪くした。「一国の君主がたかが女のために己を見失うとは…女に血迷った暗君として非難されたいと?!」その時、琳琅は腹を括った。自分のせいで皇帝の名声を汚してはならない。琳琅は逃げも隠れもしないと訴え、自ら極刑を受け入れた。翌朝、康熙帝は収監された琳琅と面会した。琳琅は虎の人形を皇帝に返し、自分が死んでも悲しまないよう告げる。「そなたと共に過ごせると思っていた…だが皇宮にその場所はない」康熙帝は琳琅をあきらめ、皇宮から逃すと決めた。しかし琳琅が自分を逃せば皇帝の名声が傷つくと拒み、やむなく首を打って気を失わせてしまう。康熙帝は琳琅を容若に託し、金牌を渡して逃した。愛し合いながらも引き裂かれてしまった康熙帝と琳琅、2人を思うと小徳子は涙が止まらない。しかし呆然としていた康熙帝がふと何かを思いつき、急に呪いの人形と献上品の目録を持って来いと命じた。一方、慈寧宮には慎刑司(シンケイシ)の王(オウ)太監が駆けつけた。実は皇帝が牢獄から琳琅を連れ去ったという。琳琅は容若の背中で目を覚ました。宮道を必死に走っていた容若だったが、その時、衛兵を従えた太皇太后の侍女・スマラが道をふさぐ。「太皇太后の命です、衛琳琅は罪人、逃亡を助けるなら納蘭容若も同罪とみなし共に斬り捨てる!」すると容若は黙って剣を抜き、琳琅の手を握りしめた。容若は琳琅をかばいながら必死に応戦した。すると射撃隊まで駆けつけ、容若の肩に矢が命中してしまう。容若は琳琅を託した皇帝の想いを噛みしめ、自分を奮い立たせて衛兵に襲いかかった。しかし多勢に無勢、やがて容若と琳琅は衛兵に拘束されてしまう。「納蘭を取り押さえよ、衛琳琅は処刑!」スマラの号令で衛兵が剣を振り上げた。琳琅は目を閉じたが、その時、康熙帝が駆けつける。「やめよ!」康熙帝は太皇太后と皇太后の前で琳琅の濡れ衣を証明した。実は呪いの人形が着ている服は特別な名品として献上された江南(コウナン)の″妝花綢(ショウカチュウ)″で作られており、太皇太后の慈寧宮と皇太后の慈仁宮に一反ずつ贈った品だという。「乾清宮にはありません、琳琅がこの布で人形を作るのは不可能です」そこで小徳子は太皇太后に証拠となる目録を提出した。太皇太后は確かに献上された綢が2反だと確認、琳琅の冤罪を認めて釈放を命じた。安堵した康熙帝はこれ以上の追及は望まないと言ったが、面目を潰された皇太后は自分が真相を明らかにすると約束する。すると太皇太后は康熙帝だけを引き止め、苦言を呈した。「…玄燁、先帝と同じ轍を踏むでないぞ」しかし慈仁宮で一大事が起こる。皇太后の腹心だった英(エイ)嬷嬷(モーモー)が自害し、そばに妝花綢の切れ端と遺書が見つかった。遺書には皇太后の憂いを取り除くため呪いの人形を思いついたが、琳琅を陥れるどころか皇帝との絆を傷つけるに至り、甚だ申し訳なく命をもって償うとある。「まさか…幼い頃からそばにいてくれたのに…なぜこんなことを…何かの間違いよ」琳琅を陥れた犯人は皇太后の側仕えだった。小徳子から報告を聞いた康熙帝は母の心中いかばかりかと胸を痛め、2度とこの件に触れないようかんこう令を敷く。こうして琳琅は御前勤めに戻った。そこで恩人である容若に感謝を伝えたが、これからは翠雋(スイシュン)を守って欲しいと頼む。「分かった」「あなたには何度も助けられたけど、恩讐はこれで精算しましょう」2人は互いの幸せを祈り、別れた。長慶は目の上のたんこぶだった英嬷嬷を身代わりにして生き延びた。しかし皇太后はどうしても英嬷嬷の仕業とは思えず、長慶に疑惑の目を向ける。一方、康熙帝は気落ちしている母を心配して見舞いに訪れた。そして敬けんな仏教徒である母のために経典を贈り、思い出深い数珠を譲る。「…先帝の形見ですね、私に下さるとは嬉しく思います」皇太后は思わず涙を流して喜んだ。皇太后は皇帝とのわだかまりも解け、ようやく落ち着いた。しかし英嬷嬷を失った寂しさを埋めることはできない。そんなある夜、気晴らしに庭園を散策していた皇太后は偶然、長慶が英嬷嬷を弔う姿を見かけた。長慶は皇太后が来たことに気づき、わざと大きな声で皇太后の回復を祈りながら自分の肉を削いで捧げる。驚いた皇太后は黙って引き返して行ったが、長慶の作戦は上手くいった。翌朝、皇太后は茶を献上した長慶に薬湯を下賜した。「生まれてこの方、誰かに気遣われたことなどありません、このご恩は一生忘れません」長慶は薬湯を飲み干し、拝礼した。すると皇太后は英嬷嬷が死んでから身近に信用できる者がいないと吐露する。「太后娘娘、もし死ねとおっしゃるなら死にます」「もうよい、宦官を殺したとて気は晴れぬ」芸初は事件解決に貢献したと認められ、褒賞をもらった。喜んだ芸初は早速、画珠や長慶に報告、実は本当の犯人がこの2人だと知る由もない。一方、この事件で康熙帝と琳琅の絆はいっそう深まっていた。しかし琳琅が急に慈寧宮へ呼び出されてしまう。心配した康熙帝は自ら琳琅を連れて太皇太后を訪ねると、太皇太后が琳琅を貸して欲しいと頼んだ。つづく(  ̄꒳ ̄)逃げよう〜ダメだった〜のループから殺される〜助かった〜のループへw
2021.09.25
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第26話「指輪と人形」正式な御前女官になれると浮かれていた画珠(ガジュ)。しかし喜びもの束の間、長慶(チョウケイ)に呼び止められ、ある仕事を頼まれてしまう。画珠は居所に戻ったが上の空だった。そこで琳琅(リンロウ)に親しい友人に裏切られたら許せるか聞いてみる。「たとえば…芸初(ウンショ)とか、もしもの話よ?」「もし芸初が裏切っても許すわ」「本当に?それじゃもう1つ…御前勤めを辞めることになったら悲しい?」「…悲しくないわ、他の誰かが皇上を守ってくれるから」画珠は琳琅の答えを聞いて胸を撫で下ろしたが、そこへ恵(ケイ)妃が現れた。恵妃は琳琅の部屋に皇帝からの贈り物を運び入れ、侍女たちを下げた。すると恵妃は琳琅に容若(ヨウジャク)と生涯を共にすると誓いながらどうして裏切ったのか問いただす。結局、皇帝に心変わりして弟を切り捨てたのだろう。琳琅は自分のせいにしたければ構わないと言ったが、激情に駆られた恵妃は思わず手を上げた。バシッ!⊂彡☆))Д´)ァゥ! ←しょっちゅう叩かれる琳琅「皇上は私に″不在の間、琳琅を頼む″と言ったわ…ワナワナ…皇妃である私がなぜ下女の世話を?! この品はお前の面倒を見る見返りにくださった物よ! これも…これも…これも!全部、お前のためよ!」恵妃は思わず化粧箱を琳琅に投げつけ、琳琅は額から血を流してしまう。「動かないで…もしお前が怪我でもしたら私が皇上に叱られてしまう…」恵妃は琳琅の血を手巾で拭き取り、そこで帰って行った。恵妃が帰ってから間もなく、今度は慎刑司(シンケイシ)が乗り込んで来た。王(オウ)太監は全ての部屋を捜索していると説明、すると琳琅の寝台の棚から皇帝の指輪が発見される。琳琅は身に覚えがなく否定したが、そのまま投獄されてしまう。一方、端嬪は慈仁宮を訪ね、皇太后に琳琅が盗みを働いたと報告した。皇太后は端妃の企みだと気づいて火遊びもほどほどにするよう釘を刺したが、端妃が何やら耳打ちすると激怒する。「何て女なの?!許すものですか?!」収監された琳琅は王太監の審問を受けていた。すると突然、皇太后が乗り込んで来る。「尋問など必要ない!明日、死罪にせよ!生かしておくわけにはいかぬ!」その頃、長期休暇が終わった容若が宮中へ戻った。恵妃は容若を呼んで父の具合を尋ねたが、容若はただの風邪だと安心させる。「…姐姐、ひと月、会わぬ間にキツイ顔…否、おやつれになった」そこへ侍女・沈香(ジンコウ)が駆けつけた。琳琅が盗みを働いて捕まり、皇太后が処刑を命じたという。驚いた容若はすぐ助けに行こうとしたが、恵妃が止めた。「もう諦めなさい、目を覚まして!」「一生守ると約束したのです」しかし容若は門を出たところで納蘭逸(ナランイツ)に殴られ、気を失ってしまう。その夜、恵妃は琳琅に面会した。琳琅はこれまでの恩に感謝したが、恵妃はこの期に及んでも殊勝な振りをするのかと憤る。「いかにも純粋で善良なふりをして…皇上も容若も見事にだまされて心を奪われてしまった!」「私は昔から温厚で優しい恵妃娘娘をお慕いしていました」「お黙り!聞きたくない!」バシッ!⊂彡☆))Д´)ァゥ! ←また叩かれる琳琅w「憎まれても当然です、でも私と容若と皇上の運命は神がお定めになったもの… どのみち私は明日までの命です、恨みをお忘れください…お願いです」「芝居が上手ね、でもだまされないわ」「…どうぞお元気で」容若はろうそくの火を使って手首の縄を切ると、様子を見に来た納蘭逸を倒して逃げ出した。そしてそのまま護国寺へ馬を駈け、朝方、ようやく到着する。宮中での騒ぎなど知らず雨乞いの儀式を済ませた康熙帝、すると小徳子が納蘭大人が来ていると報告した。皇太后は皇帝が戻る前に琳琅を処分すると決め、長慶に指示した。そこで長慶は最後に琳琅と面会し、お返しだと言って思い切り琳琅を引っ叩く。バシッ!⊂彡☆))Д´)ァゥ! ←本日3発目( ̄◇ ̄;)「…最低な男ね」←いや兄さんです( ̄▽ ̄;)「今のは妹の代わりにぶったんだ、妹のかんざしを折ったからな」←いや妹です(; ̄ェ ̄)すると長慶は皇太后の命令で直ぐに琳琅を処刑するよう伝えた。容若から報告を聞いた康熙帝は急いで皇宮へ戻った。すでに白綾に首をかけた琳琅、その時、皇帝が現れ救われる。皇帝が琳琅を助けたと聞いた皇太后は呆然となり、急ぎ太皇太后も乾清宮へ呼んだ。康熙帝は指輪なら琳琅に贈ったものだと嘘をついた。「額娘は生前、言っていました、この指輪は大事な人に贈って良いと…」太皇太后は皇帝がこの娘を守ろうとする心意気に感心し、指輪の件は見逃すと決める。皇太后は不満げだったが、実は太皇太后の話はまだ終わらなかった。実は琳琅の居所から皇太后を呪う人形が見つかったという。身に覚えのない琳琅は否認、康熙帝も琳琅を庇うが、証拠がある以上は太皇太后も見過ごせなかった。「大逆非道な行いを許せば後宮の秩序が乱れてしまう、誰か!この者を処刑せよ!」「皇祖母、私を信じられないのですか?琳琅は善良で心の優しい娘です!これは濡れ衣だ」康熙帝はひざまずいて嘆願すると、太皇太后は3日間だけ猶予を与えることにした。画珠と芸初は琳琅との面会を許された。すると琳琅は腕輪をはずして画珠に渡し、薬代の足しにするよう告げる。その夜、画珠は琳琅からもらった腕輪を握りしめ、涙に暮れた。…琳琅、ごめんなさい、仕方なかったの、どうか許して ←(O_O)え___琳琅の寝台の棚に皇太后を呪う人形を隠したのは画珠だった。画珠は長慶を訪ね、琳琅を追い出すだけだと言ったはずだと責め立てる。「どうして死罪なんかに…」「後悔しても遅い、私たちは一連託生だ…怪しまれぬよう当面、私に近づくなよ」琳琅の死罪が決まり、結局、画珠は辛者庫に戻った。これまで御前女官だと大きな顔をしていた画珠は女官頭の格好の標的となり、無理な仕事を押し付けられ、口答えすれば引っ叩かれてしまう。バシッ!⊂彡☆))Д´)ァゥ! ←画珠は…まあ仕方がないwするとそこへ納蘭大人がやって来た。容若は琳琅の世話係だった画珠に琳琅を陥れる人物に心当たりがないか聞いた。焦った画珠は知らないとごまかしたが、容若は琳琅と毎日一緒だったはずだと怪しむ。「そう言えば恵妃娘娘が訪ねて来ました 贈り物を持っておいでになりましたが、琳琅と2人きりで話を… お帰りになった後に部屋に入ってみると、琳琅が泣いていました 物が散らかり、琳琅は額に怪我を…」恵妃は琳琅と過ごした日々を思い出していた。かつて従姉妹として可愛がって来た良児(リョウジ)、記憶を失っても2人は仲が良かった。実は皇帝が好物の杏仁酪(アンニンラク)の作り方を教えてくれたのも琳琅だった。そこへ容若がやって来る。一方、康熙帝は小徳子と琳琅が使っていた部屋を調べていた。すると小徳子はなぜか皇帝が恵妃に届けた贈り物の化粧箱があることに気づく。しかもその化粧箱には血がついていた。容若は姉が琳琅を陥れたと疑い、琳琅を助けて欲しいと懇願した。激怒した恵妃は弟を引っ叩き、自分を捨てた女をなぜ命がけでまもろうとするのかと声を荒げる。バシッ!⊂彡☆))Д´)ァゥ! ←恵妃、引っ叩きすぎwそこへ皇帝が現れた。恵妃は小徳子が持っている化粧箱に気づき、皇帝まで自分を疑っていると気づく。その時、納蘭逸が急にひざまずき、皇帝の明察を訴えた。そもそも恵妃が皇帝の指輪を盗む機会などなかったはずだという。すると康熙帝も確かにあの指輪を盗むのは容易でないと気づいた。皇帝に疑われた恵妃は深く傷ついた。納蘭逸は皇帝も容若も恵妃をよく理解しているため、すぐ誤解は解けると励ます。すると恵妃は耐え切れず、納蘭逸の肩を借りて泣いた。つづく
2021.09.25
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第25話「太陽の慎み」その夜、寂しさのあまり長慶(チョウケイ)の居所を訪ねた芸初(ウンショ)。すると長慶は直しておいたかんざしを芸初の髪に挿し、思わず抱きしめた。「すまない、悪かった」「初めて抱きしめてくれた…私を叩いた後、後悔していたのよね?…許してあげる」芸初は長慶を恨んだが辛かったと訴え、許せば心が軽くなるはずだという。するとわだかまりが解けた芸初は笑顔を見せた。一方、康熙(コウキ)帝は太皇太后の忠告を肝に銘じ、琳琅と距離を取っていた。…太陽は万物にあまねく恵みをもたらす、だが近すぎれば灼熱で人を焼く…康熙帝は琳琅が心配で部屋の前まで来たが、そのまま帰って行った。そうとは知らない画珠(ガジュ)は、せっかく琳琅の世話係になっても皇帝に会えないと落胆する。「てっきり毎日、来ると思ってたのに~これじゃ白粉が無駄になっちゃう 琳琅、皇上はあなたのことが好きなんでしょう?こんな時こそ、そばにいてくれなくちゃ」琳琅も内心、寂しかったが、そうとは言えず言葉を濁した。すると翌朝、画珠に思わぬ幸運が訪れる。琳琅の薬を取りに侍医院を訪ねたところ、偶然にも皇帝がいたのだ。しかしそこに暁児(ギョウジ)が駆けつけ、端(タン)嬪が病だと聞いた皇帝はすぐ出て行ってしまう。端嬪は仮病を使って皇帝を呼び出した。しかし寝台に腰掛けた康熙帝に近づこうと起き上がった時、うっかり隠していた菓子を落としてバレてしまう。(Ŏ艸Ŏ)ぁ… ε-(ー̀ωー́ #)皇帝が琳琅の見舞いに来なくなって4日が経った。寂しさを紛らせようと手の平に虎の絵を描き始めた琳琅、その時、画珠が中庭にいる皇帝を見つける。「琳琅!皇上よ!」「皇上っ!」琳琅が思わず飛び出すと、琳琅の顔を見た康熙帝は戒めを忘れて駆け寄った。琳琅は小徳子のおかげで本当は皇帝が毎日こうして部屋の前まで来ていたと知った。すると画珠がお茶を献上する。康熙帝は投薬中の琳琅にお茶を出したことに憤慨、すぐ帰らせろと命じた。驚いた画珠は咄嗟にお茶を準備したのは琳琅だと嘘をついて許しを請う。仕方なく琳琅は話を合わせると、皇帝は画珠を許して小徳子と一緒に下げた。「会いたかったかい?朕も毎日、寂しかった…」康熙帝は琳琅の手の平に描きかけの虎を見つけ、続きを描いてやった。端嬪は皇太后に皇帝が妃嬪に見向きもせず、琳琅ばかり寵愛していると泣ついた。そこで夕餉に皇帝を呼び、端嬪を同席させることにする。一方、画珠は使いの男から病の母の薬代がないとせっつかれた。仕方なく以前、拾った端嬪のかんざしを渡し、これを売って金にするよう頼む。しかしその様子を長慶に見られていた。「あの翡翠がついたかんざしは端嬪が失くした物じゃ?」焦った画珠は何でも言うことを聞くと訴え、見逃して欲しいと懇願した。康熙帝は皇太后の酒席に招かれた。すると皇太后は宮女たちを下げ、端嬪と3人だけで食卓を囲む。皇太后は琳琅を罰して皇帝の心を傷つけ、さらに母子の情にもヒビが入ってしまったと後悔した。先帝と康熙帝の生母が亡くなり、実の子と思って育てて来たが、太皇太后と比べると情けないという。しかし康熙帝は皇祖母も皇太后も尊敬していると伝え、皇太后に勧められるまま深酒した。端嬪は泥酔した康熙帝を鍾粹(ショウスイ)宮へ連れて帰った。酩酊した康熙帝は琳琅に介抱してもらっていると思ったが、口づけしようと迫って来た端嬪を見て急にしらふに戻ってしまう。すると康熙帝は慌てて帰って行った。(  ̄꒳ ̄).oO(みんな同じ口紅だしね…間違えちゃうよねw端嬪は寝台に落ちている皇帝の玉扳指を見つけた。そこですぐ皇帝の輿を追いかけたが、女官の寝所へ向かっていると気づいてあきらめる。康熙帝は思わず琳琅の寝所に駆けつけ、琳琅を抱きしめた。「一時だけ…」その姿を偶然、寝所に戻って来た画珠が見てしまう。夜も更けた頃、琳琅は画珠のすすり泣きで目が覚めた。聞いてみれば画珠の母親が重い病で、兄は甲斐性がなく画珠の給金だけが頼りだという。それにしても翠雋(スイシュウ)は納蘭(ナラン)大人に嫁ぎ、琳琅は皇帝に寵愛されていた。画珠は自分だけいつまでも下働きのままだと嘆き、これでは母の薬が買えないという。そこで琳琅は特に使い道がないからと自分の給金を差し出した。康熙帝は日照りに苦しむ民を思い、護国寺で3日間、雨乞いの儀式を行うことにした。これを好機とばかりに端嬪は皇帝の指輪を利用して琳琅を罠に嵌めようと企む。一方、康熙帝は自分が皇宮を留守にする間、琳琅を守ってくれる者が必要になった。そこでたくさんの贈り物を携え、承乾宮を訪ねる。恵妃は久しぶりの皇帝の来訪に胸を躍らせたが、その理由を知って愕然となった。しかし皇帝の前では笑顔で琳琅の世話を引き受ける。皇帝は安心して帰って行ったが、恵妃は激しい嫉妬で狂わんばかりだった。康熙帝は自分の代わりとして虎の人形を琳琅に渡し、出かけて行った。一方、皇帝が護国寺に発ったと聞いた端妃は皇帝の指輪を琳琅の部屋に隠しておくよう指示する。そんな中、画珠は乾清宮の女官頭・芳景(ホウケイ)から琳琅の怪我が治ったのなら辛者庫へ戻れと言われていた。そこで画珠は琳琅と離れたくないと情に訴え、御前女官になれるよう琳琅から皇帝へ口利きして欲しいと頼む。琳琅は人事に口を出せないとしながらも、皇帝に聞いてみると約束した。画珠は正式に御前女官になれると早合点し上機嫌だった。しかしそんな画珠の前に長慶が現れる。つづく|ω・`)まっまさか…画珠が宸汐縁で一番好きだった青瑶だったなんて…ガーン
2021.09.25
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第24話「おてんば公主」羊の乳を温めていた琳琅(リンロウ)はその独特の匂いに耐えられず、思わず回廊へ飛び出した。すると偶然、散策から戻った康熙(コウキ)帝たちとかち合ってしまう。康熙帝が女官の様子を心配していることに気づいた端敏(タンビン)公主は、お気に入りと噂の女官が琳琅だと気づいた。端敏公主は庭園にある鞦韆(シュウセン)を見つけ、どうしても乗りたいとせがんだ。本当は琳琅のために作らせたが、康煕帝は仕方なく端敏公主の背中を押してやる。すると端敏公主は通りかかった琳琅が自分たちの様子を見ていることに気づいた。そこで鞦韆から降りようとしてわざと転び、助けてくれた康熙帝に抱きついて見せつける。親密そうな2人の様子を見た琳琅は動揺し、居たたまれなくなって足早に去って行った。琳琅は御前女官たちが端敏公主を新しい妃候補だと噂しているのを聞いた。「幼なじみで気が合うし、皇上は何でも聞いて差し上げているわ」「確かに公主の前だと皇上は人が変わられたようね」部屋に戻った琳琅はなぜか胸が苦しくなった。しかし皇帝を愛せるのはその価値がある人だけ、琳琅は自分では駄目なのだと言い聞かせる。そんなある日、琳琅は康熙帝が所望したいつもの朝露の茶を献上した。端敏公主は毎日、乳茶を入れるよう命じたはずだと憤慨したが、康熙帝は乳茶が苦手になったという。「皇帝哥哥、羊乳の匂いが苦手なあの娘を気遣っているのね?ふふ」その夜、康熙帝と端敏公主は涼亭でお月見をすることになった。そこで琳琅は端敏公主から頼まれた菓子と乳茶を献上したが、仲睦まじい2人の姿を見て深く傷ついてしまう。…愛してはいけない人よ…琳琅は涙をこらえながら下がった。すると琳琅の様子をうかがっていた康熙帝と端敏公主は、物陰で悲しみに暮れる琳琅に声をかけた。「どうかしたのか?」「何でもありません」「皇帝を欺くと罪になるぞ?」「…皇上を欺きました、罰して下さい」「ふふふ♪皇帝哥哥、私が分不相応な恋はするなと命じたの」「なんて奴だ、嫁入り道具を与えぬぞ?」「皇帝哥哥、でもこの子に本心を言わせたのは私のお手柄よ?」実は昨夜、端敏公主は皇帝が琳琅の部屋の前でたたずむ姿を目撃、やはりあの娘が好きなのだと確信した。しかし恋は人を臆病にするもの、距離ができるのが怖くて好きになるほど言い出せなくなる。端敏公主は相手の気持ちが分からないことが障害だと気づき、琳琅を嫉妬させて本当の気持ちを探ろうと提案した。康熙帝は端敏公主を追い返し、思わぬ茶番になったが琳琅の本心が分かったと喜んだ。気恥ずかしい琳琅は慌てて逃げようとしたが、康熙帝が道をふさぐ。「朕の手から2度と飛び出すな」康熙帝と琳琅の仲を取り持ったおてんばな公主は帰って行った。恵(ケイ)妃は納蘭逸(ナランイツ)から皇帝と琳琅が端敏公主を笑顔で見送っていたと聞く。もはや皇帝の琳琅への寵愛を知らぬ者はいなくなった。「皇上には自重して頂かねば…楊貴妃を死に追いやり、玄宗皇帝は悔いたのよ?」( ತ _ತ).oO(にゃんにゃん…花の盛りとなり、康熙帝は琳琅を花見に誘った。「御花園で待っていろ、朝議が済んだらすぐに行く」しかし運悪く皇太后が端(タン)嬪と花見に来ていた。お供していた長慶(チョウケイ)は独りたたずむ琳琅の姿に気づき、わざと牡丹が美しいと誘導する。すると皇太后は琳琅に気づいた。「皇上にお仕えもせず何をしている?まさかお妃気取りで花を楽しみに来たのか」「滅相もございません、私は皇上のご命令で…」「ふん、並み居る妃嬪を差し置いてお前をお供にすると?」皇太后は端敬皇后に似ている琳琅を忌み嫌い、皇帝を誘惑したと難癖をつけ棒叩きを命じた。一方、朝議を終えた康熙帝は着替えを済ませ、喜び勇んで御花園へ向かった。しかし途中で太皇太后の輿と出くわしてしまう。「皇上、そんなに慌ててどこへ行くのです?」( ̄▽ ̄;)<ぁぁ…御花園が花の盛りと聞いて観に行くところです!すると太皇太后は例え泰山(タイザン)が崩れそうになっても顔色を変えないのが皇帝だと諭してから行かせた。「オーバイを討つ時も冷静だった皇上が、なぜあれほど慌てていたのか…」そこで太皇太后は侍女・スマラに皇帝の後をつけるよう命じた。康熙帝が御花園に到着すると琳琅が倒れていた。驚いた康熙帝はすぐ琳琅を連れ帰り侍医を呼んだが、あと数回、打たれていたら死んでいたところだったという。その時、琳琅は夢の中で一族が殺される凄惨な記憶が断片的に甦り、うなされていた。康熙帝は皇太后の御前勤めたちを御陵へ追いやった。皇太后は太皇太后を訪ね、たかが女官1人のことでやり過ぎだと訴える。「悪いのはあの女狐です、端敬皇后に似た子で皇上を誘惑し、母子の仲を裂くなんて…」「勘違いするでない、端敬皇后はもう死んだ、あの女官は皇上が最も愛する女子だ このままでは皇上はそなたを恨む、そうなればもう皇上の心は戻らぬ」これを機に英(エイ)嬷嬷(モーモー)は長慶と距離を取ることにした。私怨を晴らすために主の母子の情にヒビを入れるなどあってはならない。そこで英嬷嬷は長慶にはっきり良からぬ考えを持つ者とは関われないと言って突き放した。昭仁(ショウジン)殿に太皇太后がやって来た。太皇太后は皇帝の琳琅への愛が本物だというなら守ってやるべきだと助言する。「太陽は万物にあまねく恵をもたらす、だが近すぎれば灼熱で人を焼いてしまう その者を思うなら立場を知り、距離を考えるのです 度が過ぎれば後は衰えるのが世の習い、細い流れこそが長く続くと心得なさい」「よく分かりました…感謝します」↓さすが太皇太后、上手いこと言うw康熙帝は琳琅につき切りで看病していたが、太皇太后の戒めを機に我慢することにした。そこで琳琅が寂しくないよう辛者庫の芸初(ウンショ)と画珠(ガジュ)を呼び寄せることにする。琳琅は久しぶりに親友と楽しい時間を過ごしたが、そこへ小徳子が現れた。実は皇帝がどちらか1人が残って琳琅の世話をするよう命じたという。画珠は迷わず自分が残ると手を挙げ、臨時とは言え夢の御前女官となった。太皇太后が散策していると、皇帝が梨の花を見ながら物思いにふけっていた。「そなたの母上は梨の花が何より嫌いだ」「皇祖母…」先帝は生前、端敬皇后1人を寵愛した。歓心を得ようと後宮を梨の木で埋め尽くし、初春になると庭中に梨の花が舞ったという。確かに美しかったが、御花園では他の花の色が見れなくなった。「母上は耐えて来た、その苦しみをそなたも感じ取れるはず…正しい道が分かるよう念じます」長慶は芸初がまた女官頭にいじめられている様子を見かけた。そこで密かに宦官たちに頼んで芸初の代わりに水がめの水を一杯にしてやる。芸初は長慶が助けてくれたと気づき、その夜、誰もいない部屋にこっそり入った。「みんないなくなった…私は独りぼっち」長慶を避けていた芸初だったが、やはり寂しい。その時、ふいに長慶が入って来た。驚いた芸初は帰ろうとしたが、長慶が引き止める。「これは元々、君への贈り物だ」長慶は直しておいたかんざしを芸初の髪に挿すと、思わず抱きしめた。つづく(  ̄꒳ ̄)うむ…なぜ琳琅の気持ちがこれで分かったのか…w
2021.09.23
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第23話「皇太后の逆鱗」ようやく立ち上がれるようになった小徳子(ショウトクシ)。すると衛琳琅(エイリンロウ)が手作りの菓子を持って見舞いにやって来た。小徳子は早速、舌鼓を打ったが、改めて琳琅の優しさに感激する。実は今回、皇太后の不興を買ってお仕置きを受け、取り巻きたちが蜘蛛の子を散らすようにいなくなっていた。慈仁(ジジン)宮に敬事(ケイジ)房の総管から美人画が届いた。しかし美人画を見た皇太后は怒りに震え、この絵を献上した総監太監を打ち据えて放り出せと命じる。長慶(チョウケイ)は何が気に障ったのか分からないまま、裏庭で美人画を燃やしていた。すると皇太后の腹心・英(エイ)嬷嬷(モーモー)が美人画が亡き端敬(タンケイ)皇后に瓜二つだったせいだと教える。端敬皇后と言えば先の順治(ジュンチ)帝が寵愛した側室で皇太后から夫を奪った相手、その時、長慶はこの美人画が別のある娘に似ていると気づいた。小徳子が仕事に戻ったある日、康煕(コウキ)帝は琳琅に気晴らしさせたいと思いつき、何をすれば楽しい気持ちになれるか聞いた。すると小徳子は皆と一緒に外で遊び、疲れたら帰って寝るのが一番だと勧める。そこで康熙帝は乾清(ケンセイ)宮の太監や女官を集め、一緒に羽付きや綱引きなどで遊ぶことにした。一方、長慶は親孝行な皇帝が最近、挨拶に来ないのは乾清宮で下僕たちと遊びに興じているからで、これを企んだのが例の衛琳琅という女官だと吹き込んだ。そこで様子を見に行ってはどうかと進言したが、皇太后は興を削ぎたくないという。「衛琳琅をここへ呼んでは?」「…会う必要などない」長慶は皇太后と琳琅を引き合わせようとしたが失敗した。他に手立はないか考えあぐねていたが、ふと皇帝が皇太后に贈った百鳥図の団扇が目につく。そこで長慶は皇太后に福貴(フクキ)が団扇を破ったと報告した。皇帝からの贈り物を傷つけたとなれば大罪、皇太后は犬の世話もできないのかと叱責したが、長慶は御前女官の衛琳琅なら器用なので団扇の刺繍を直せると訴える。すると皇太后はすぐ手配するよう命じ、もし修復できない時は長慶を罰すると言った。皇帝主催の遊技が終わった。琳琅組と小徳子組は引き分けとなり、康熙帝は詩の暗唱で決着をつけるよう命じる。小徳子は学がないので不利だとぼやいたが、ふと思い出して李白(リハク)の句をひねり出した。「月光欲到長門殿…」しかし琳琅たちは誰も続きが言えない。「月光欲到長門殿 別作深宮一段愁…」康熙帝は自ら正解を教え、よく覚えていたと小徳子を褒めた。「妃嬪のどなたかに聞いた覚えがありまして…へへ」次は琳琅組から出題することになった。そこで女官頭の芳景(ホウケイ)が納蘭容若(ナランヨウジャク)の詩を詠み始めたが、琳琅は無意識に続きの句を詠んでしまう。「琳琅?答えちゃダメよ!皇上、今のはなしです」しかし康熙帝は急に機嫌が悪くなり、散会するよう命じた。困惑した琳琅はそのまま独り居残ったが、皇帝の不機嫌な理由はすぐに分かる。「…容若の詩は忘れないのだな」翌日、琳琅は康熙帝の詩をいくつも暗唱して聞かせた。しかし康熙帝は自分の詩など清国一の才子と言われる容若には敵わないとすねる。「歴代帝王の中で皇上の詩は最高です」「お世辞も上手くなったな~」琳琅はご機嫌取りに失敗、背中を向けてふて腐れたが、うっかり鏡に映ったその顔を皇帝が見ていた。( ̄▽ ̄;)よく映る鏡ですね~オホホ~長慶は琳琅に百鳥図の団扇を直して欲しいと頼んだ。皇太后の依頼では断ることもできず、仕方なく修繕して慈仁宮へ届けることにする。すると女官の顔を見た皇太后は呆然、端敬の生き写しである琳琅に逆上した。「死んでも成仏できずに皇上を惑わしに来たか!私はだまされぬぞ!誰か!この女の顔を切り刻め!」しかし琳琅が慈仁宮に行ったと聞いた康熙帝が駆けつけ、危ないところで琳琅を助けた。康熙帝はどんな経緯があったの分からなかったが、自分の監督不行き届きだと謝罪した。皇太后の手前、罰として琳琅に鐘を持たせると約束して連れ帰ったが、毛頭、罰する気はない。しかし琳琅は自ら両手に鐘を持って広場を往復し、やがて倒れてしまう。遠目から見守っていた康熙帝は慌てて琳琅を抱きかかえて運び、自ら介抱した。「皇帝と言えども勝手はできぬ、だが男として愛する女子も守れぬとは…情けない」「私なら大丈夫です」慈仁宮に皇帝から宝物が届いた。すっかり機嫌が治った皇太后だったが、長慶の報告がまた激怒させてしまう。「伝言も預かりました、衛琳琅は十分に罰し、さらなる処罰は不要と…」「女狐の方が大切なのか!」英嬷嬷は怒りを鎮めるよう訴え、母子の深い情は傷つかないと皇太后をなだめすかした。しかしその夜、長慶がまた火に油を注いでしまう。噂によると皇帝が倒れた琳琅を乾清宮に連れ帰り、自ら薬を飲ませたというのだ。英嬷嬷は皇帝が心からその女官を気に入ったなら任せてはどうかとなだめたが、長慶が禁句を口走ってしまう。「琳琅は顔だけでなく性格も端敬皇后に似ていると評判です、皇上のご寵愛を受けるところまで…」「無礼者!」長安は失言を謝罪し、罰として自ら顔を叩き始めた。すると皇太后は2度とその名を口にするなと命じ、琳琅への恨みを募らせる。英嬷嬷は長慶がわざと皇太后をあおっていることに気づいた。そこで長慶を回廊に呼び、琳琅に個人的な恨みがあるのか尋ねたが、長慶は考え過ぎだという。そんなある日、琳琅は女官頭から西暖(セイダン)閣へ端敏(タンビン)公主の衣服を運ぶよう頼まれた。「お世話が難しい方よ、慎重にね」「ご忠告に感謝します、姑姑」端敏公主は太皇太后の甥の娘だが先帝の養女のため身分が高く、皇帝と幼なじみだった。すると西暖閣に端敏公主が現れる。端敏公主は琳琅に目を止め、皇帝のところへ案内するよう命じた。琳琅が御薬房で茶の準備をしていると小徳子が羊の乳を運んできた。「公主の茶に入れてくれ」琳琅は癖のある乳の匂いに手こずりながら何とか乳茶を入れ、無事に献上する。すると端敏公主は女官を見つめる皇帝の表情に気づき、わざと皇帝に甘えて琳琅に仲の良い姿を見せつけた。「皇帝哥哥!久しぶりに皇宮に来たのよ、案内して!」琳琅は皇帝と端敏公主が散策から戻るまでに乳茶を準備することにした。しかし温めた羊の乳の匂いに耐えられず、思わず回廊へ飛び出してしまう。するとちょうど康熙帝と端敏公主が現れた。ゥッ…(Ŏ艸Ŏ)はっ!つづく( ๑≧ꇴ≦)まさかの玄女登場!
2021.09.23
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丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman第39話「望郷」敏(ビン)夫人は嬴政(エイセイ)の猜疑心の強さを利用した。そこで麗姫(レイキ)がかつて失踪した時、師兄と一夜を過ごしたと指摘、お腹の子が大王の子だとは信じられないという。麗姫は天に誓って良心に恥じることはないと言い返したが、敏夫人はならば天明(テンメイ)が大王の子だと誓えるのか迫った。思わず返事に窮する麗姫、すると嬴政は清児(セイジ)に麗夫人を連れて帰れと命じた。嬴政は麗姫が出て行ったところで敏代(ビンダイ)を脅した。「やはり今は生かしておく、自分の目で邯鄲(カンタン)の末路を見よ、それがそなたへの罰だ」大王が帰っていくと、敏夫人はそのまま泣き崩れた。一方、趙にいる呂不韋(リョフイ)は嬴政が総大将に王翦(オウセン)を任じて再び趙を討つと聞いた。嘉(カ)公子はすぐ手を打たねば自分が即位する前に趙が滅びてしまうと焦る。頼みの綱は名将・李牧(リボク)だったが、王太后や郭開(カクカイ)は趙遷(チョウセン)の立太子に反対した李牧を快く思っていなかった。郭開と言えば頓弱(トンジャク)という食客を迎え、何やら謀議を行っているらしい。すると呂不韋は最近、敏夫人から文が途絶えていることに気づいた。嘉公子の話では軟禁を命じられたと知らせがあったという。「もしや内通が明るみに…」麗姫は嬴政が敏夫人の嘘に動揺する姿を見て深く失望した。「清児…私が間違ってた、大王を愛したことは間違いだった 私と大王は他人の嘘で壊れてしまうようなもろい関係でしかないのね…それが悲しいの …清児、下がって、少し休みたいわ」清児は仕方なく外で控えていると伝えて出て行った。翌日は朝から雨になった。嬴政は敏夫人の告発でまだ心が乱れている。すると李仲(リチュウ)は麗夫人が大王を裏切る真似をするはずないと訴えた。「そうだな、余も同感だ 麗夫人が例の師兄とよりを戻したとしたら、余の子を身ごもったと喜んで報告するわけがない」しかし他の男と一夜を過ごしたという事実に、嬴政は王としてではなく1人の男としてやるせない思いになると吐露した。( ̄▽ ̄;)まだそんなこと言ってるのか___楚(ソ)良人が珍しく麗姫の見舞いにやって来た。差し入れを届け、素直にこれまでひどいことをしたと謝罪する楚良人、大方、大王に夫人の位に戻すよう取り成して欲しいのだろう。「さすがは妹妹、何もかもお見通しね~妹妹から口添えしてもらえたら姐姐、嬉しいわ~」調子の良い楚良人だったが、そこへ慌てて尚儀(ショウギ)が飛び込んできた。「大変です!祖太后がご逝去されました!祖太后がお亡くなりに…」楚良人は驚愕のあまりすぐには立てなかった。「何の恩返しもできぬままでした…不幸者をお許し下さい… 独り残された私はどうすればいいのでしょうか、これから誰を頼れば…」慌てて華陽殿へ向かうおうと歩き出した楚良人、しかし途中で崩れ落ちるように座り込んでしまう。麗姫は体調が戻ると南宮に太后・趙姫(チョウキ)を訪ねた。すると病床の太后は死期を悟り、邯鄲(カンタン)で死にたいと懇願する。麗姫は胸を痛め、嬴政に太后を連れて趙へ行きたいと嘆願した。「大王、太后の病は重く、正気を失うことも多い、お身体も衰弱なさっているわ 長くはもたないかも…」「そういうことか」しかし韓を滅ぼした今、魏(ギ)との併合も時間の問題となり、近々、趙を攻めることになっていた。嬴政は戦場と化す趙に2人を行かせることはできないと反対したが、麗姫は太后ならもう十分な仕打ちを受けたはずだと同情する。「趙では正体を知られないよう万全を期すわ…大王」「…はお、そこまで言われて承諾しなければ不孝のそしりを免れるな」嬴政は2人に護衛をつけて送り出した。そしていよいよ蒙武(モウブ)と出征することになった嬴政は、敏夫人を訪ねて出陣を知らせる。「余と一緒に行こう、愛する男の元へな…近々、趙を討つ 美しく着飾るが良い、趙王は再会を楽しみにしておろうからな」呂不韋は司空馬(シクウバ)から間もなく邯鄲に嬴政が来ると聞いた。太后が出発して3日後に秦軍が出陣、間もなく屯留の地に到着するという。「待ち望んだ時機の到来だな…」呂不韋の志は覇王になり得る者を天下統一に導くことだったが、結局、その器を有するものは嬴政の他に見つからなかった。そこで嘉公子にばれずに嬴政と接触するため、趙姫に会うと決める。「趙姫を懐柔する、政児が趙姫に会いに来た時こそが我々の好機だ」その夜、麗姫が太后の様子を見に来た。すると見慣れない宮女が控えていることに気づいて足を留める。麗姫は男が宮女に扮していると気づき、すぐ衛兵を呼んだ。拘束された曲者は太后に文を届けるよう命じられたと証言、懐に文があると訴えた。麗姫は文を確認したが、なぜか自害したはずの呂不韋からだと知る。…太后、邯鄲の尋茵閣(ジンインカク)で会いたい、呂不韋…そこで麗姫は確認のため太后に呂不韋からの文を見せた。「確かに呂不韋の筆跡だわ…間違いない!尋茵閣は私たちが出会った酒楼よ!」太后は呂不韋にどうしても会いたいと懇願し、止めるならここで死ぬと騒ぎ出してしまう。麗姫は仕方なく陣営に大王を訪ねた。しかし嬴政は王翦と行軍経路の下見に出かけ、戻るのは5日後になるという。麗姫は李仲に太后の調子が悪いと報告し、行軍に迷惑をかけないよう先に邯鄲へ行くと伝えた。現在、邯鄲は厳戒態勢、李仲は危険だと反対したが、麗姫は太后に趙の訛りがあることから身分をごまかせると安心させる。李仲も麗夫人の武術の腕を知っているため納得し、精鋭の護衛をつけると決めて幕舎を後にした。そこへ敏夫人が現れる。実は大王が敏夫人の目の前で趙を滅ぼすことが何よりの報復だと考え、敏夫人を同行させていた。「敏夫人、あなたの愚行で姉妹同然の絆は断たれてしまった…道を誤らないで」すると麗姫は急いで帰ってしまう。↓mg(`ω´ )絆など初めからないわっ!みたいな一方、郭開は宴席に嘉公子を招待した。嘉公子は頓弱を紹介して欲しいと頼んだが、郭開はとても偏屈で他人と打ち解けない男のため紹介できないと説明する。「親しくしているのは正体を探るためです…秦の密偵ではないかと」郭開はこの宴席を利用して内通の証拠をつかんでみせると自信を見せた。すると使用人が泥酔した頓弱を部屋まで送り届け、こっそり文を盗み出すことに成功する。使用人たちは直ちに出て行ったが、そこで酔ったふりをしていた頓弱は目を開けた。麗姫は太后を連れて邯鄲の尋茵閣に到着した。するとすでに呂不韋が待っている。つづく|ω・`)幸せだった大王と麗姫にも綻びが…幼なじみの敏夫人の方が大王の本質を見抜いていたんでしょうか?
2021.09.22
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丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman第38話「死士」顔が広い秦舞陽(シンブヨウ)は勝手に多くの客人を屋敷に招いた。蓋蘭(コウラン)は変な輩を呼ぶなとたしなめたが、秦舞陽は名声を得てこそ剣客、そうでなければ鵠落(コクラク)剣法を究めた意味がないという。すると秦舞陽は客人にこの屋敷も丹(タン)太子から賜ったと自慢し、案内することにした。一方、南陽を落とした秦(シン)王・嬴政(エイセイ)は非業の死を遂げた韓非(カンピ)を祖国の土に返し、弔った。「余は未熟な王だが、いつか覇業を成し、必ずやそなたの才知を世に知らしめよう」丹太子は近頃、各地で勇士を募り、手厚く迎えていた。そんなある日、丹太子が大街で公開試合を開くことになり、荊軻たちを招待する。すると田光(デンコウ)はこれから魏(ギ)の無相(ムショウ)という剛の者が到着すると教えた。実は無相が丹太子の死士として燕に仕えたいと願状を送って来たため、その腕前を見るという。荊軻は何やら考え込んでいる様子だったが、田光はそんな荊軻を気にしていた。大王が帰還すると、李斯(リシ)は早速、朝議で逃亡した樊於期(ハンオキ)が燕に寝返ったと上奏した。しかし嬴政は丹太子逃亡後、実はすぐ密偵を差し向けていたと教える。樊於期とのやり取りを含め丹太子の行動は全て筒抜け、燕を滅ぼす日は遠くないが、ひとまず既に虫の息となった韓を下すと決めた。すると嬴政は李仲(リチュウ)に決して韓討伐を麗姫(レイキ)の耳に入らぬよう厳命する。「血の道を歩まねば天下統一は果たせぬ 麗夫人は多くを知らずとも最後に余と太平の世を迎えれば良い」翌朝、韓申(カンシン)は王宮に天明(テンメイ)を送り届け、麗姫と秦王に別れを告げた。「俺の役目は終わりだ、もう行くよ」すっかり韓申に懐いた天明は釣りに行く約束や技を教えてくれる約束があると訴えたが、韓申の決意が変わることはない。「ごめんな、これでお別れだ…師妹、行くよ」すると嬴政は麗姫に見送るよう勧めた。麗姫は城楼で韓申を呼び止めた。「今までありがとう、大師兄がいなければ私の命はなかったわ でももう大師兄を引き止めてはいけない、これからは外の世界で自由に生きてね」「…今まで君を守るためならどんな危険もいとわなかった、だが君にはもう嬴政がいる だから俺が王宮に残る必要はない」「大師兄に受けた恩は来世で必ず返すと約束するわ」「返さなくていい、今世で君の師兄になれただけで十分だ… だがいいか?いつか嬴政が君を守りきれぬ時や傷つけた時は、いつでも俺を頼れ」すると韓申は麗姫への想いを振り切るように走って行った。…大師兄、ありがとう、謝謝、今まで私を守ってくれて( ;∀;)大師兄…でも横顔きれいw一方、燕の太子府では無相が寝殿で刺客に襲われ殺されていた。翌朝、知らせを聞いた荊軻と樊於期が駆けつけると、丹太子は明らかに自分への脅しだという。狙いは自分ではなく、自分に仕える者は死あるのみと天下に分からせるためだ。すると荊軻は死士など必要なく、自分が秦王を暗殺すると申し出た。樊於期は暗殺と聞いて驚き、そのために丹太子が死士を募っていたと知る。「丹太子を助けた私はすでに嬴政に狙われる身、秦王暗殺に私以上の適任はいません」麗姫が宮中に戻るとは予想外だった。敏(ビン)夫人の計画は頓挫、侍女・小梨(ショウリ)も先の一件で追及されるかもしれないと怯える。そこへついに麗夫人が現れた。「大王はもう理解しています、なぜあなたが趙遷(チョウセン)の妃にならず秦に嫁いだのか… あなたは自分を捨てた趙遷に報復するため嘉(カ)公子と組んだ でも嘉公子が廃嫡され無能な趙遷が王となった今、趙は崩壊の一途を辿っている 大王は趙を滅し、敏夫人に祖国の滅亡を見せるため生かすことにしたのよ」すると敏夫人はなりふり構わず、せめて趙を滅ぼす前に嘉公子を王にするよう陳情してくれと訴えた。趙遷を王座から引きずり下ろせば趙人は皆、秦に感謝するだろう。麗姫もかつて六国は自治を行うべきだと思っていた。天下統一の名の下、蛮行を重ねる秦に憤っていたが、その実、民を顧みる王などどこにもいなかったという。敏夫人は麗姫にすがりつき、嘉公子なら必ずや名君となり趙を復興させると悪あがきした。しかし麗姫は成蟜(セイキョウ)をそそのかし、大王と反目させて兄弟を引き裂いた嘉公子を嬴政が許すとは思えないという。「大師兄が持ち帰った長安君の文に書いてあったわ ″嘉公子は敏夫人と通じ秦の動向を探っている″と…姐姐、趙に帰って、大王の最後の温情よ」「いいえ…まだ終わりじゃないわ…絶対、趙になど帰らない…帰らないわ!」その時、急に麗姫は気分が悪くなり、ともかく良く考えるよう勧めて帰ることにした。荊軻は秦王の暗殺計画に気づいていた。丹太子が樊於期をかくまうと聞いた時、秦を敵に回した以上、いずれ秦が攻め入ると気づく。燕の兵力はわずか20万足らず、投降を望まぬなら残る道は暗殺しかなかった。田光は荊軻の見識に感心し、実は自分も最初から荊軻しかいないと考えていたという。しかし唯一心配なのは公孫(コウソン)麗のことだった。「私情を挟むなら引き受けるべきではない」「俺はこの鵠落剣法を天下を救うために使いたい…麗児のことは関係ありません」荊軻は揺るぎない信念があると自信を見せた。その夜、嬴政は麗姫が倒れたと聞いて急いで駆けつけた。すると麗姫は号泣しており、太医は力およばず麗夫人が流産したと報告する。実は宮女が大王の命で太医府から薬湯を届けていた。清児(セイジ)は疑うことなく麗夫人に飲ませたが、その直後に麗夫人は激しい腹痛に襲われ、急いで太医を呼んだものの手遅れだったという。しかし太医はここで初めて麗夫人の懐妊を知ったため、薬湯を届けるはずはないと否定した。嬴政は激怒し、王宮の門を閉じて直ちに薬湯を運んだ女官を捜索することにした。「この敵は必ず取る」麗姫は大王を引き止めたが、嬴政は急いで出て行ってしまう。「…犯人は分かっているわ、私の懐妊を知っている者よ…」すると麗姫は清児が止めるのも聞かず、祖父の形見の短剣を手に敏夫人の寝宮に乗り込んだ。麗姫は敏夫人の首に短剣を突きつけた。しかし敏夫人は失うものなどないと開き直り、全て麗姫が悪いという。「大王の覇業を助け、共に天下統一を成すつもり?…ふふふ、おめでたいこと! 大王がどんな人間か教えてあげる…お前を騙しているのよ!」「口を閉じろ!」そこへ嬴政が現れた。敏夫人は麗夫人の流産が自分の仕業だと認めた。しかし子供を殺したのは秦のためだと訴え、麗姫のお腹子は大王の子ではないと指摘する。麗姫は天に誓って良心に恥じることはないと言い返したが、敏夫人はならば誓えるのかと迫った。「天明は大王の子だと誓えるの?!」 つづく(((;゚Д゚)))ぁぁぁ…ついに師兄…
2021.09.21
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第22話「福佑寺の花火」慈仁(ジジン)宮を訪ねた康熙(コウキ)帝は、皇太后から妃嬪たちの寝宮を訪れていないと指摘された。焦った康熙帝は狩りの間に溜まった政務で忙しいとごまかし、この後も保和(ホウワ)殿に用があると断って早々に退散してしまう。皇帝の本心が聞けず落胆する皇太后、すると長慶(チョウケイ)は身近な者に尋ねてはどうかと吹き込んだ。芸初(ウンショ)は長慶の様子を見ようとこっそり慈仁宮をのぞいていた。その時、芸初に気づいた皇太后の愛犬・福貴(フクキ)が回廊を突っ走って来る。驚いた芸初は慌てて裏門から飛び出したが、運悪く皇太后の一行が通りかかった。英(エイ)嬷嬷(モーモー)は皇太后の一行を止めた不届き者に激怒、長慶に顔を叩けと命じる。しかし長慶はその女官が芸初だと気づき驚愕した。「(コソッ)長慶哥哥…太監だろうと関係ないと伝えたくて…」芸初は咄嗟に自分の気持ちを話したが、長慶は皇太后や英嬷嬷の手前、仕方なく手を上げてしまう。さらに芸初は英嬷嬷にまで酷く叩かれ、深く傷つき逃げるように去って行った。慈仁宮に小徳子(ショウトクシ)がやって来た。皇帝から百鳥図を刺繍した団扇の贈り物だという。そこで皇太后は側仕えの小徳子に皇帝がなぜ妃嬪の寝宮を訪ねないのか聞いた。小徳子は分からないとごまかしたが、長慶に揚げ足を取られてしまう。「常におそばにいるのに皇上の日々の行動をご存知ないとはありえません まるで皇上から口止めされているようですね~」すると皇太后は小徳子の怠慢として棒叩きの罰を命じた。康熙帝は小徳子が転んで怪我をしたと知り、自ら見舞いに行った。「侍医を呼んでやろう、早く治して戻って来い」しかし乾清(ケンセイ)宮へ戻ってみると皇太后が待っていた。実は小徳子が自分に逆らったため、勝手に罰を与えたという。康熙帝は小徳子があえて嘘をついたと知ったが、皇太后を責めるわけにもいかなかった。すると皇太后は長慶を紹介し、小徳子の代わりにそばで仕えさせるよう命じて帰ってしまう。心機一転、御前女官として務めに励む衛琳琅(エイリンロウ)、するとなぜか乾清宮から長慶が現れた。「太后娘娘の推薦で御前勤めの任を賜った、同僚としてよろしく頼む」しかし琳琅は自分には関係ないと冷たかった。琳琅は小徳子に薬を差し入れた。すると小徳子は長慶を信用できないと訴え、何か裏があると疑う。実は皇太后から罰を受けたのも長慶の差し金だった。「皇上をお守りしてくれ、そばを離れるな、気を抜くなよ?」「分かりました、誓います」「信頼できるのはお前だけなんだ」( ๑≧ꇴ≦)押すなよ押すなよ、絶対、押すなよ~みたいなw琳琅は小徳子との約束を守り、常に皇帝のそばに控えて長慶を牽制した。しかしそのせいで皇帝の寝支度を手伝うことになってしまう。恥ずかしそうに沐浴の世話をする琳琅、すると皇帝の腕に傷があると気づいた。実はその傷は康熙帝が幼い頃、″ある娘″を悪党から救った時につけられた傷だという。「痛かったですか?」「もちろんだ…だが仕方がない」小徳子の絶対押すなよ~からの皇帝の熱湯風呂「安心してください、履いてますよ!」芸初は長慶の居所を訪ねた。しかし長慶は合わせる顔がなく、思わず物陰に隠れてしまう。「長慶哥哥?…長慶哥哥、ずっと信じていた、あなたは宮中の誰より優しい人だって でも間違っていた、姐姐たちは絶対、私をぶったりしないもの…なのに… どうしてなの?今までの親切は偽りだったの?」すると芸初は寂しそうに帰って行った。琳琅は不慣れながらも皇帝の寝支度を済ませた。すると床に入った康熙帝は眠るまで見守るのが規則だと言って琳琅を引き止める。「びくびくするな、2人だけの時は葉三(ヨウサン)だと思ってくれ」「無理です」「どうしてだ?草原では朕に洗濯させたり、ウサギを追わせたり叩いたり…」「あの時は皇上だと存じませんでした!…あ」「だが…あの頃は今よりずっと楽しかった」康熙帝は押さえ込んでいた恋心があふれそうになり、慌てて背を向けて寝てしまう。そこで琳琅は皇帝が好きな揺り籠の歌を歌い始めると、康熙帝は幸せそうに目をつぶった。長慶は琳琅のせいで康熙帝に接近できずにいた。すると皇帝から人手なら足りているので慈仁宮へ戻るよう命じられてしまう。そこで慈仁宮に戻ると、皇太后に皇帝が御前女官に惑わされていると告げ口した。自分を追い出したのも衛琳琅にそそのかされたせいだという。実は皇帝はその御前女官に好意を寄せており、それが妃嬪の寝宮を訪ねない理由だった。しかし長慶の当てが外れ、皇太后は皇帝が気に入ったのなら良いことだという。長慶は修理したかんざしを持って辛者庫に芸初を訪ねた。すると居所から琳琅が現れ、いきなり引っ叩かれてしまう。「芸初に手を上げるなんて許せない!2度とあの子に近づかないで!」「ふん、どうかな」仕方なく引き返した長慶、2人は本当の兄妹だと知らぬまま、ますます険悪な関係になった。ある日、康熙帝は琳琅を連れ出し、お忍びで福佑寺を訪ねた。ここは幼い頃に流行り病を避けるため、たった独りで身を寄せていた寺で、両親も遊び相手もおらず寂しかったという。すると康熙帝はせめて2人だけの時は葉三として扱って欲しいと頼み、宮中でもかしこまらず楽にして欲しいと言った。しかし琳琅は出過ぎた態度は嫌われると困惑する。「琳琅、何も恐れる必要はない、朕が必ず守る」そこで康熙帝はかつて寺に隠しておいた虎の人形を見つけた。「あった!…そなたの手に描いたのはこの虎だ」康熙帝は8年前、ここで良児(リョウジ)を待っていた。当時、良児がなかなか現れず、苛立つ自分を小徳子がもう少し待てば来るとなだめてくれたという。必ず来ると自分に言い聞かせ、どうか日が暮れないように祈ったあの日、康熙帝は良児との思い出を懐かしんだが、琳琅もふと容若(ヨウジャク)の言葉を思い出した。『誰かを待っていたような気がするんです』『君が待っていた相手は私だよ』しかし今となっては皇帝とすれ違いになったのも縁がなかったからだろう。すると康熙帝はそれでも今、琳琅が自分の隣にいるだけで十分だと言った。「琳琅、そなたは皇宮に残る道を選んだ、神は朕に味方したのだ」康熙帝と琳琅は寺で簡素な夕食をとった。やがて日が暮れると、皇帝は琳琅へ贈り物があると言って外へ出る。すると夜空に無数の花火が上がった。「良児、お誕生日おめでとう! 辛い過去はもう忘れろ、どんな時も花火のように明るい心でいて欲しい」( ๑≧ꇴ≦)いや山火事?一方、長慶は密かに庭園で家族を弔っていた。…阿瑪、額娘、大哥、良児、今日は皆の命日だ、この日を忘れることはない…必ず皇帝を殺し仇を討つ、邪魔する者は皆、死ぬがいい琳琅は小徳子の見舞いに行った。そこで危険な長慶を追い出したと安心させ、干菓子を差し入れる。つづく
2021.09.20
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第21話「手放した凧」翠雋(スイシュン)は納蘭(ナラン)家に嫁いだものの、容若(ヨウジャク)と本当の夫婦になれずにいた。そんなある夜、翠雋は容若が弾く琴の音を耳にし、聞き覚えのある曲だと気づく。それは嫁ぐ前夜に辛者庫で聞いた琳琅(リンロウ)の簫(ショウ)と同じ調べだった。一方、康熙(コウキ)帝は傷心の琳琅を心配し、居所まで帰る琳琅をこっそり見守っていた。すると御花園の帰り道がいやに暗いことに気づく。小徳子(ショウトクシ)は女官が使う道は明かりを節約していると説明、そこで康熙帝は自ら明かりを組み立て、琳琅の帰り道の途中に設置した。そんなある日、容若が涼亭で琴を弾いていると翠雋が現れた。「一曲、教えていただけませんか?」その手には琳琅に贈った思い出の玉の簫がある。「その簫は?!」「琳琅にもらいました」「…私にくれないか?」「もちろん」すると容若は嬉しそうに玉の簫を受け取り、代わりに琴を教えると言った。翠雋は参内する容若に琳琅へ渡して欲しいと夫婦人形を託した。「私たちが幸せだと伝えてもらえませんか?」しかし容若はせっかく琳琅と出くわしながら人形を渡すことができなかった。一方、納蘭家の小間使いたちは未だに公子が一度も夫人の部屋に入ったことがないと噂していた。「小夫人の身分が低いから気にしているのかしら?」「そんなはずないわ、前の人だって…(あ)それは言わない約束よね~ふふふ」その話を偶然、翠雋が聞いていた。翠雋は小間使いを呼び、容若の書斎にある姿絵は誰か聞いた。小間使いは知らないと答えたが、いきなり引っ叩かれてしまう。「私はこの屋敷の小夫人よ?嘘をつくのは許さないわ…この絵が誰か言いなさい」康熙帝はなぜか御前女官の琳琅に料理の毒味を命じた。「皇上、終わりました、問題ありません」「安心できぬ、もう一度たのむ」琳琅は仕方なくまた食べ始めると、皇帝も一緒に料理をつまみ始めた。その様子を見た小徳子は微笑ましい光景に思わず目を細め、宮殿を出てから皇帝が琳琅を気遣って食べさせたとばらしてしまう。容若は琳琅に渡せなかった人形を書斎の寝台に隠した。まさかそれを翠雋に見られたとも知らず、黙って着替えを任せる。すると翠雋は容若の腰に琳琅が肌身離さず下げていた首飾りがあることに気づいた。そこでこの玉佩が欲しいと頼んだが、容若は新しい物を作るという。「どうやら大切な物のようですね…」翠雋は琳琅の簫と玉佩が対だと気づき、容若が言う″一生一世の縁″だろうと指摘する。驚いた容若は仕方なく玉佩を翠雋に譲ると、喜んだ翠雋はそろそろ皇帝に婚姻の挨拶に行こうと提案した。参内した翠雋は皇帝に琳琅と2人で話がしたいと懇願した。康熙帝が許可すると、2人は琳琅の居所へ向かう。すると今度は容若が1ヶ月の休暇が欲しいと嘆願し、康熙帝はこれも許してくれる。そこで久しぶりに容若と手合わせしたいと言った。翠雋は琳琅と2人きりになった途端、急に態度が変わった。「何か隠していることがあるでしょう? 衛琳琅!納蘭容若と恋仲だったことをなぜ言ってくれなかったの?!」何も知らなかった翠雋は大切な友から好きな人を奪った罪人になってしまったと泣いた。確かに今は自分の夫になったが、容若は一度も自分の部屋に来たことがないという。「彼は毎日あなたを思って詩を書き、琴を弾いているの」すると翠雋は梨の花の首飾りを出し、容若は今でも琳琅を思い続けていると教えた。しかし神様の導きで嫁いだのは自分、どうか夫を忘れて欲しいと懇願する。琳琅は翠雋がこれほど思い悩んでいたと知り、彼を忘れると誓った。「ごめんね、ごめんねごめんね…だって彼を愛しているの」翠雋は琳琅に抱きつき、ひとしきり泣いた。その頃、康熙帝と容若は久しぶりに手合わせに興じていた。剣術の腕は互角と思われたが、容若の剣先がポロリと落ちる。すると康熙帝は以前、結婚祝いに下賜すると約束していたこの棠溪剣(トウケイケン)を容若に授けた。琳琅と翠雋が部屋を出ると容若が中庭で待っていた。すると翠雋は別れ際、夫婦人形を琳琅に贈る。「この対の人形のように私たちが幸せになれるよう祈ってね…それじゃあ行くわ」容若は寝台に隠したはずの人形を見て驚いたが、もはや何も言えず翠雋と帰って行った。翠雋の来訪で琳琅も区切りがついた。そこでずっとしまっておいた凧を取り出し、部屋を出る。するとちょうど琳琅の様子を見に来た康熙帝と出くわした。「凧をあげるのか?…朕も行こう」琳琅はしばらく空高く舞い上がった凧を見上げていた。すると自ら糸を切り、凧を自由にする。康熙帝は驚いたが、琳琅がこれで容若との愛や一緒に過ごした美しい思い出を手放したと知った。「今日から新しい人生を歩みます」一方、翠雋は容若の書斎を模様替えし、琳琅の絵を片付けて別の掛け軸に変えていた。初めこそ同様した容若だったが、確かにこれで良いのだと自分に言い聞かせる。こうして琳琅と容若の初恋は終わりを迎えた。ある夜、琳琅は居所への帰り道で康熙帝が灯籠を直しているところに出くわした。「私のために皇上が明かりを?」「そうだ、そなたが転んだら誰が朕の世話をする?」「感謝します」寂しそうな琳琅を陰ながら見守ってきた康煕帝、すると琳琅は皇帝の汚れた顔をきれいに拭いた。その頃、慈仁(ジジン)宮に移動した長慶(チョウケイ)は地道に皇太后や腹心の英(エイ)嬷嬷(モーモー)の信頼を得ていた。そんなある日、長慶はついに皇太后を訪ねてきた皇帝と出くわす。すると皇太后は端(タン)妃から聞いた話として、皇帝が狩りから戻って以来、妃嬪の寝宮を訪ねていないのかと聞いた。つづく(  ̄꒳ ̄)あれ?翠雋はブラック化するのかと思いきや、あっさり琳琅と方を付けちゃいましたね何だか拍子抜け?wそして盛り上がらないまま折り返し〜(笑
2021.09.19
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第20話「初恋の終わる日」衛琳琅(エイリンロウ)は自分の命にかえても翠雋(スイシュン)を救おうとしていた。その姿に胸を痛めた納蘭容若(ナランヨウジャク)は琳琅のため翠雋を助けようと決意、皇帝に翠雋との縁談を願い出る。その頃、翠雋は死罪を覚悟して画珠(ガジュ)と芸初(ウンショ)に別れを告げていた。「来世でも私たちは友だちよ…うわ~ん」しかしそこへ慶事房の太監が現れ、皇帝から容若との縁談が下賜される。狐につままれたような顔で聖旨を受け取る翠雋、そこへ琳琅が現れた。「あなたを失うのかと思うと怖かったわ…」「ありがとう、琳琅…」翠雋は辛者庫に戻り、嫁入り支度を始めた。自分が助かったのは琳琅の嘆願のおかげだと思っていたが、実は容若が結婚を願い出てくれたと知る。一方、端(タン)妃と安(アン)妃は承乾宮を訪ね、恵(ケイ)妃に祝いの品を贈った。「さすが納蘭大人、体面など意に介さない 王侯貴族からの数々の縁談を断り、辛者庫の女官をお見初めになるとは~ふふ」「それも皇上直々のお許し、何と晴れがましいこと~ふふ」2人は日頃、恵妃に頭が上がらない鬱憤を晴らすように、嫌味を言って帰って行った。恵妃は面目丸潰れだった。しかも弟から結婚を申し出たとあっては私通を認めたも同然となる。「家の名折れです…琳琅のせいで容若は破滅よ!」一方、納蘭家では明珠(メイジュ)と容若が縁談の聖旨を受け取っていた。明珠は皇帝が息子の不始末を片付けてくれたと感謝し、心の整理をつけるよう容若を諭す。複雑な面持ちの容若、しかし明珠は少なくともこれで息子と琳琅の関係が清算できたと安堵した。幼い頃から長い年月をかけて愛を育んできた琳琅と容若、しかし予想もしない形で終わりを迎えることになった。とは言え簡単に心が割り切れるはずもなく、2人は人知れず苦しむ。そして翠雋が嫁ぐ前の晩、宮中に簫の音が響き渡った。康熙(コウキ)帝と翠雋は琳琅が吹いていると気づき、感慨深げに耳を傾ける。こうして夜が明け、いよいよ翠雋が宮中を出る日となった。琳琅は婚姻祝いを届けに辛者庫を訪ねた。「何もないからせめてもの手作りよ」翠雋は美しい刺繍に感激したが、琳琅が大事にしていた玉の簫はさすがに受け取れないという。しかし琳琅はこれは″翠雋の物″だと言った。「ありがとう…琳琅」翠雋はこの日を迎えられたのも全て琳琅のおかげだと感謝し、その場で叩頭した。驚いた琳琅は慌てて翠雋を立たせ、新郎の元へ連れて行く。「泣かせたりしないでください、共に白髪の生えるまで末長くお幸せに…」容若は複雑な思いを隠し、花嫁を連れて納蘭家に出発した。だーれん、こっこの帽子は…(・・;)幸せいっぱいの翠雋をよそに容若は琳琅との思い出を引きずりながら拝礼の儀を済ませた。しかしその夜、容若は飲み過ぎたと断り、床入りの儀を拒んでしまう。同じ頃、芸初は長慶(チョウケイ)と2人で灯籠をあげていた。芸初は長慶に嫁ぎたいと告白したが、長慶は宦官であることが障害となり勇気が出ない。一方、やけ酒を飲んだ琳琅は酔い覚ましに御花園に出た。偶然、康熙帝が通りかかったが、酔った琳琅は皇帝を容若と錯覚して抱きついてしまう。すると琳琅はふと間違いに気づいて呆然となり、逃げるように帰って行った。端妃に取り入ろうとして失敗した長慶が次に目をつけたのは皇太后だった。皇太后は元気がない愛犬を庭園で遊ばせていたが、ふと長慶が現れ、愛犬を抱いてあやしている。「福貴(フクキ)はお前が気に入ったようだ」こうして長慶は福貴の世話係として皇太后の慈仁(ジジン)宮に移ることになった。芸初は翠雋の次は長慶まで辛者庫から出て行ってしまうと悲しみ、思わず長慶に嫁ぎたいと抱きついてしまう。驚いた長慶は太監では家族が持てないと拒んだが、幼い芸初には何がいけないのか分からなかった。長慶は愛する女子と結婚もできず、皇帝への恨みを募らせた。一方、画珠(ガジュ)は泣きじゃくる芸初に手を焼き、困惑していた。聞いてみれば長慶とどうして結婚できないの分からないという。「当然でしょう?だって太監よ…( ・ノェ・)コショッ」「本当にそれが理由なの?…そんなの平気だって言って来る!」「もう!分からない子ね!」画珠は呆れて出て行ってしまう。婚礼の翌朝、翠雋は夫人らしく容若の身支度を手伝おうとしたが、容若は無意識に拒否した。仕方なく夫を見送る翠雋、しかしその時、容若の書斎に飾られた美人画に目を止める。「これは誰?」「それは(はっ!)あ、存じません」務めを終えて屋敷に戻った容若だったが、書斎にこもって琳琅を思っていた。すると翠雋がそろそろ休むよう声をかける。しかし容若は仕事があるので先に寝てくれとつれない。翠雋は仕方なく戻ることにしたが、その時、また掛け軸の絵に目を留めた。「誰かに似ている気が…」「気の向くまま描いただけだ…」翠雋は今夜もひとり寝することになり、若夫人としての立場がなかった。すると容若が奏でる琴の音が聞こえて来る。「聞き覚えのある曲だわ…」つづく(  ̄꒳ ̄)うむ…翠雋はどちらに転ぶのかな?琳琅を逆恨みするのかな?
2021.09.19
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第19話「翠雋の愛」その夜、なかなか寝付けない康熙(コウキ)帝は小徳子(ショウトクシ)を呼んだ。すると夜番を交代した琳琅(リンロウ)が現れ、世話を始める。どこかぎこちない琳琅と康熙帝、その時、小徳子が慌てた様子で現れた。「皇上!大変です!慎刑司(シンケイシ)から納蘭(ナラン)大人が女官と私通していると報告が!」驚いた康熙帝は外衣も羽織らず飛び出して行った。康熙帝たちは侍衛所の容若(ヨウジャク)の部屋に乗り込んだ。すると寝台に酔い潰れた容若とあられもない姿の翠雋(スイシュン)が横たわっている。2人はすぐ引っ立てられると、その隙に長慶(チョウケイ)は薬を入れた酒を回収しておいた。康熙帝は自ら容若を審問した。「琳琅が嫁入りを拒んだのはこれが原因か?」「皇上…私がそんな男だと?」容若は誰かに薬を盛られたと訴えたが、相手の女官がなぜ部屋に来たのかは分からないという。一方、恵(ケイ)妃も納蘭逸(ナランイツ)から一報を聞いた。しかし相手の女官が琳琅ではないと知り、誰かにはめられたと気づく。その頃、端(タン)嬪はしくじった長慶に激高していた。「この役立たず!どこに目をつけているの?!」長慶はまだ策があると訴えたが、追い返されてしまう。容若と翠雋は収監された。侍衛と女官の私通は死罪、琳琅は皇帝に冤罪を訴えたが、かえって機嫌を損ねてしまう。仕方なく下がった琳琅は、ちょうど皇帝に嘆願に来た恵妃と出くわした。すると恵妃はいきなり琳琅を引っ叩き、結婚を断られて酒で憂さを晴らすようになった容若をさらに追い詰めたと激怒する。「容若に何かあったら、絶対に許しません!」しかし恵妃が弟の濡れ衣を晴らして欲しいと懇願しても、康熙帝は首を縦に振らなかった。長慶はしくじった長禄(チョウロク)を思い切り叩いた。「お前のせいで台無しだ!」「琳琅の部屋から出て来たのでてっきり本人だとばかり…ゥッ」長慶は長禄を慎刑司に突き出すことにしたが、必死にすがる長禄を見捨てることができなかった。「顔は見られたか?」「いいえ、用心していましたから…」容若が薬を盛られたと訴えたことから、翠雋に嫌疑がかかった。翠雋は潔白を訴え、太監から″納蘭大人が呼んでいる″と伝言を聞いたと訴える。しかし肝心の太監の顔が暗くてよく見えず、誰なのか分からなかった。すると翠雋の居所で容若の書が見つかり、証人として辛者庫の姑姑が現れる。「辛者庫では有名な話です、この娘はずっと納蘭大人に片想いしていました」琳琅は獄吏に賄賂を渡し、翠雋と面会した。拷問で傷だらけの翠雋は誰も自分の話を信じてくれないと涙し、納蘭大人とは何もなかったと訴える。実は容若は翠雋を琳琅だと思い込んで寝台に押し倒したが、翠雋に引っ叩かれ、我に返っていた。そこで容若は咄嗟に翠雋に枕を渡し、これで自分を殴れと頼む。翠雋は思い切って頭を叩くと、そこで容若は気を失って倒れた。『だーれん!大丈夫ですか?!』ちょうどその時、皇帝や琳琅たちが部屋に入って来たという。琳琅は公平な皇帝のこと、必ず2人の潔白を証明してくれると安心させた。恵妃は弟を助ける方法を考えあぐねていた。すると納蘭逸の調べで相手の女官が容若を慕っていたと知る。そこで恵妃は牢に翠雋を訪ね、容若を助けられるのは翠雋だけだと説得した。「お前が薬を入れたと証言し、誘惑したことにすれば容若は助かる 弟のために罪を着てくれたら、納蘭一族はその恩を決して忘れません」一方、端妃は長慶を呼び出し、自首するよう迫っていた。皇帝が詳細を調査し、このままでは恵妃も黙っていないだろう。しかし長慶は自分に失うものなどないと開き直り、むしろ困るのは端妃の方だと脅した。長慶が自分を道連れにするつもりだと焦る端妃、そこへ侍女・暁児(ギョウジ)が現れる。実は翠雋が罪を認めたというのだ。端妃は恵妃が女官に言わせたと分かったが好都合、これで長慶も命拾いした。容若は釈放された。康熙帝は奸計による被害だったとして情状酌量し、飲酒ゆえの過失として棒叩き30回および三等侍衛に降格処分とする。驚いた琳琅は翠雋の無実を訴え再調査を嘆願したが、康熙帝は認めなかった。その頃、芸初(ウンショ)は長慶に翠雋が死罪になってしまうと泣きついていた。すると芸初ははたと気づき、翠雋を陥れた者に絶対、復讐するという。「翠雋姐姐を陥れた奴を見つけて殺してやるわ!」芸初は目の前にその敵がいるとも知らず、包丁を握った。琳琅は嘆願を続けた。すると康熙帝が琳琅と翠雋の友情に免じて最期の面会を認めてくれる。琳琅は急いで牢へ駆けつけると、翠雋はちょうど割れた茶碗の欠片で手首を切ろうとしていた。「翠雋!だめよ!絶対に助けるから!…思い詰めてはだめ、私に時間をちょうだい」琳琅は翠雋を救いたい一心で康熙帝に我が身を差し出すことにした。しかし康熙帝は急に服を脱ぎ始めた琳琅に激怒、書物を投げつける。「衛琳琅!何の真似だ!そこまで朕が嫌いか!朕を侮辱しおって!」「お願いです、私が命を差し出します、翠雋をお助けください」「…服を整えろ、出ていけ」万策尽きた琳琅は乾清(ケンセイ)宮の前で嘆願を続けることにした。やがて外は激しい雷雨となる。容若は心配して様子を見に来たが、琳琅は頑として動こうとしなかった。一方、画珠(ガジュ)と芸初は差し入れを持って翠雋と面会していた。「琳琅はなぜ来ないの?」「ずっと乾清宮の前でひざまずいているの」「…ばかね、身体が弱いのに…連れて来て、最期にひと目、会いたい」号泣する3人、実はその時、びしょ濡れになった琳琅がついに倒れていた。琳琅を見守っていた容若は慌てて駆け寄り、このままでは死んでしまうと説得する。「私に構わないで!」すると容若は嫌がる琳琅を抱き上げ、回廊まで運んだ。「君の大切な友なら私が助けよう」容若は皇帝に謁見した。翠雋は確かに薬を使って自分を罠にはめたが、実は自分も翠雋に惹かれているという。「私めに翠雋を賜りたくお願い申し上げます」つづく(O_O)琳琅、何かと引っ叩かれて辛いわ…
2021.09.19
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丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman第37話「南陽」秦(シン)王・嬴政(エイセイ)が韓(カン)領で消息不明となった。李仲(リチュウ)は急いで陣営に駆けつけたが、風林火山が探して4日、未だ大王は見つからないという。さらに大王失踪が韓軍に勘づかれ蒙武(モウブ)は焦った。その時、天幕に麗姫(レイキ)が現れる。「麗夫人!」「一刻の猶予もないわ、大王が失踪した状況と場所を教えて」嬴政は山中で敵兵を片付けながら予定通り南下していた。しかし再び敵兵が現れ、囲まれてしまう。満身創痍だった嬴政は腹を刺されながらも抵抗したが、もはや戦う体力は残っていなかった。その時、背後から矢が飛んできたかと思うと、次々と韓兵を倒す。「だーわん!」「麗児…そなたなのか」嬴政は夢でも見ているのかと思ったが、本当に麗姫が助けに来てくれた。「そなたに会えたなら今ここで死んでもいい…」麗姫は深手を負った嬴政を支え、ちょうど隠れ家になりそうな洞窟に逃げ込んだ。そこで嬴政を休め、怪我の手当てをする。「麗児…もう会えないと思っていた」「そのつもりだったわ、でも李仲大人から行方知れずだと聞いたの」すると嬴政は王宮にいれば麗姫を思い出してしまうため、それに耐えられず気晴らしに戦に出たと明かした。秦王として天下統一を果たさねばならないが、同時に麗姫と一緒にいたいとも思う。しかし嬴政はそれが叶わない願いだと分かっていた。「そなたは自由に生きよ、余は咸陽(カンヨウ)そして秦を守るために生きる…ふっ ところでなぜここだと分かった?」「かつて韓へ同行したでしょう? あの時、韓と魏(ギ)を攻めることがあれば山越えの後、南陽を落とすと言っていたわ だからこの一帯にいると思って…」嬴政は麗姫が自分の話を覚えていたと知って感激した。一方、田光(デンコウ)は秦王が自ら兵を率いて韓に出陣したと知り、丹(タン)太子を訪ねた。韓の次は丹太子の逃亡を理由に燕を討つかもしれない。また樊於期(ハンオキ)をかくまっていることも秦には格好の口実となるだろう。丹太子は粷武(キクブ)からも同じことを忠告されたが、樊於期を見殺しにできないと断ったと話した。確かに樊於期を追放したところで、秦はいくらでも理由をつけて侵攻してくるだろう。しかし燕が限られた時間で富国強兵を果たすことは至難の業、そこで田光は秦王暗殺を提案した。「燕が生き残る唯一の方法かと…」麗姫は嬴政の戦術を聞いて秦軍の勝利を確信した。しかし蒙武は大王の身を案じて南陽への行軍どころではない様子だったという。「移動していないのか?!余の命令に逆らうとは!厳しく罰しなければ!」急に怒りだした嬴政に麗姫は呆れた。蒙武は大王が心配で夜も眠れず、失踪が表に漏れないよう秘密裏に捜索し、韓と魏の両軍を牽制している。そんな忠臣を罰するのかと嘆いたが、嬴政は軍令は絶対、何があろうと遂行しなければならないと言った。「はあ~困った人ね、それなら伝書鳩で知らせましょう」そこで麗姫は蒙武と李仲を罰しないよう説得し、あの2人を失うことは両腕を切られるに等しいと諌めた。( ̄㉨ ̄)<ふっ、今でも余のことが心配なのだな?꒰⌯͒*ತ _ತ)<だから何よ?秦の陣営に伝書鳩が戻って来た。「(はっ!)麗夫人からだ!大王を発見、南陽で落ち合おうと…」李仲と蒙武は喜び、直ちに全軍を南陽へ移動させることにした。|ω・`).oO(ってかいつの間に伝書鳩?!まさか野生?折りたたみ式?麗姫と嬴政は平民の服に着替えて南陽の町に溶け込んだ。そこで麗姫は餅菓子を売る露店の老婦人に宿屋がないか聞いてみる。「どこから来たんだい?よそ者が珍しくてね」「あ…大虎(ダイコ)と一緒に親戚の家に行くところです」「(大虎って誰?余のことか?)あ…楚に従兄がいるので、その道中でして…」しかし南陽は小さな町のため宿屋はないという。すると親切な老婦人が自分のうちに泊めてくれると言った。麗姫は手際良く料理を作った。驚いた嬴政は麗姫の手料理を食べられなかったと残念がったが、急に麗姫の気分が悪くなる。「どうしたんだ?病ならそう言えばいいのに…暮らし向きが悪いのか?」「…いや病じゃなくて」「(はっ!)もしや…余の子が?!」「…牢の中で気が付いたの」嬴政は思わず麗姫を抱きしめ、幸せを噛みしめた。「お腹の子は男だろうか?女だろうか?ここ南陽にちなんで男なら陽児と名付けよう 女なら月児だ、そなたは満月が好きだからな」「…生まれてから決めましょう」「戻って来てくれるのか!」麗姫ははぐらかしたが、嬴政は思わずくちづけした。「麗児…丹太子の件は余が間違っていた、余のためだと思い至らず嫉妬に駆られた 韓申、丹太子、そなたの周りの男すべてに…あのようなことは二度とせぬ 戻って来てくれて礼を言う」←( ̄▽ ̄;)いやまだ言ってないその夜、麗姫と嬴政は老婦人と3人で夕食を囲んだ。麗姫は何気なしに独り暮らしなのか聞いたが、実は老婦人の家族は皆、秦軍に殺されたと知る。しかも息子の嫁は臨月にも関わらず、容赦なく殺されたというのだ。麗姫と嬴政は言葉を失い、思わず箸を止めた。「襲われた町の者は皆殺しだよ…暴虐の限りを尽くして根絶やしにする、それが秦軍のやり方さ」まさか目の前に敵がいるとは知らず、老婦人は秦王に会うことがあればこの手で復讐したいと訴えた。翌朝、秦軍が南陽を襲った。秦兵は民に襲いかかり、老婦人の屋敷にも略奪にやって来る。すると秦兵は美しい麗姫を見て連れ去ろうとした。悲鳴を聞いた嬴政が慌てて飛び出したが、秦兵はまさか目の前にいるのが大王だと知らず、剣を振り上げてしまう。そこへ蒙武が駆けつけ秦王に拝礼した。老婦人は自分が家に泊めた若者が実は秦王だったと知り呆然となった。蒙武は無礼を働いた秦兵を連れ出し、即刻、処分するよう命じる。すると嬴政は親切にしてくれた老婦人に感謝し、欲しい物があれば何なりと言ってくれと聞いた。「欲しい物?…私が欲しいのはお前の命だ!」老婦人は落ちていた剣を拾って秦王に襲いかかろうとしたが、後ろにいた蒙武が咄嗟に老婦人を刺してしまう。麗姫は老婦人を腕に抱き、涙に暮れた。老婦人は麗姫に暴君と一緒にいてはならないと訴え、絶命してしまう。「…別れるのよ」それが老婦人の最後の言葉となった。麗児は恩人の死に耐えられず、天下統一とは虐殺することかと嬴政に噛みついてしまう。確かに乱世を終結させるべきだが、弱き民たちが犠牲になることに耐えられなかった。「天明(テンメイ)やお腹の子には平和な世で育って欲しい!」すると嬴政は改めて天下統一なくして平和はないと訴え、ただし軍紀を正して決して民に危害を加えないと約束した。ある日、町に出た荊軻(ケイカ)と蓋蘭(コウラン)は借金取りに虐げられている露店の母子を見かけた。蘭児は助けに向かおうとしたが、咄嗟に荊軻が止める。その時、ある男が颯爽と現れ、見事な武功で母子を助けた。S ゚ェ゚).oO(あの技は…すると憤慨した借金取りが一斉に男に襲いかかろうとした。そこで荊軻は道の石ころを蹴飛ばし、借金取りたちを転ばせて去って行く。男は加勢してくれた荊軻に気づき、不思議そうな顔で見ていた。荊軻と蘭児が屋敷に帰ると、なぜか大勢の客が来ていた。すると秦舞陽(シンブヨウ)が現れ、ちょうど帰宅した荊軻を客人に紹介する。「こちらが天下に名高いあの荊軻少侠だ」客人の中には借金取りから母子を守った衛荘(エイソウ)もいた。つづく(* >ω
2021.09.18
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丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman第36話「諦め」麗姫(レイキ)と面会するため客桟を訪ねた嬴政(エイセイ)。しかし韓申(カンシン)から決闘を申し込まれ、敵わないと分かっていながら応じてしまう。韓申はしばらく手加減していたが、ついに剣を振り上げた。「お前に麗児は渡さぬ!」「やめて!」その時、麗姫が駆けつけ大師兄を止めた。嬴政は麗姫と再会した。「そなたの心も知らず、信じようともせず、ただ苦しめた…すまない 分かっている、余は許しを請える立場ではないと…ただ会って話したかったのだ 今はもうそなたを幸せにする自信がない、余のそばに置けば結局、不幸になるだろう かつての韓非(カンピ)のように…」すると嬴政は麗姫が秦(シン)を出ても追わないと誓い、明日には天明(テンメイ)を連れて来ると約束した。嬴政は潔く麗姫をあきらめ、客桟を出た。呆然と立ちすくんでいた麗姫だったが、はたと気づいて慌てて後を追う。しかし嬴政を引き止めることもできず、ただ目の前を通り過ぎていく馬車を見送ることしかできない。一方、傷心の嬴政は馬車に揺られながら必死に麗姫との思い出を振り切ろうとしていた。窓の外には毎日を懸命に生きる民たちの姿がある。…立ち止まる暇はない、余は秦の王だ、志を果たさねば…麗児は余の手の届かぬ女子、もう忘れよう、夢だと思えばいい( ;∀;)だったら初めから自由にしといて~でも王の覚悟はイイ!太傅・鞠武(キクブ)は無事に燕に帰国、太子殿で燕丹(エンタン)と再会を果たした。そこで粷武はこうして生きて帰れたのは麗夫人の嘆願のおかげだったと説明する。その話をちょうど太子殿を訪ねて来た荊軻(ケイカ)が回廊で耳にした。しかし麗児が丹太子の脱走を助けた罪で自身も永巷(エイコウ)に収監されてしまったと知る。恩人を救えないもどかしさに苛立つ丹太子、すると粷武はほとぼりが冷めれば釈放されるだろうとなだめ、心配なら密偵に調査させると言った。実は粷武が訪ねたのは樊於期(ハンオキ)の処遇についてだった。秦の罪人である樊於期をかくまっていると分かれば、これを理由に侵攻を受けても仕方がない。そこで適当な官職を与えて辺境防衛の名で匈奴(キョウド)の地にでもやり、燕の国境より外へ出すよう提案する。しかし丹太子は長年の友人である樊於期を見捨てることはできないと反対した。丹太子が粷武を見送りに出ると、回廊に荊軻が立っていた。荊軻は樊於期を守る丹太子の義侠心に敬服すると、丹太子はそれより今は麗夫人の無事が気になるという。「…師妹は強運の持ち主です、きっと乗り越えられるでしょう、ではこれで」丹太子は荊軻が麗夫人の話になるとなぜか様子がおかしいと気づいた。翌朝、李仲(リチュウ)は天明公子を客桟へ送り届けた。久しぶりに我が子を抱きしめ喜ぶ麗姫、そこで李仲に感謝を伝えると、実は大王が来る予定だったが、今朝、韓に出陣したという。一方、宮中では李斯(リシ)が嬉しそうに敏(ビン)夫人に大王の出征を報告していた。「大王は私の意見を認めて韓討伐を決意されました」しかし敏夫人は大王が李斯の進言を聞き入れたわけではないと分かっていた。真の目的は王宮を離れて戦に参じ、麗姫を失った心痛を紛らわすことだろう。確かに大王は麗夫人が王宮を出るのを認め、天明公子も手放したが、それは2人を守る他ならない。「恐らくこのことで麗姫への情は深まる一方ね…」すると敏夫人は趙の国益さえ損なわなければ、李斯が出世のために何をしようと構わないと認めた。燕に滞在する荊軻と蓋蘭(コウラン)は次第にわだかまりも解けていた。2人は街の散策に出かけたが、荊軻はどことなく蘭児と一定の距離を保つようにしている。蘭児は思わず一緒に寝たことをまだ気にしているのか聞いた。「蘭児…」しかし荊軻が何か言おうとした時、田光(デンコウ)が現れた。丹太子は慣れない王宮暮らしを心配し、荊軻たちのため町に邸宅を用意していた。田光は豪華な屋敷に2人を案内したが、荊軻は雨風をしのげるだけの小さな家で十分だと遠慮する。「そうはいかぬ」そこへ丹太子が現れた。丹太子は恩人を小さな家には住まわせられないと話したが、そこへ秦舞陽(シンブヨウ)も合流する。「男は強いだけでは役に立たない、俺のように金が稼げる男の方が安心できるぞ?」( ತ _ತ)<何しに来たの?蘭児はお調子者の秦舞陽を無視してどこかへ行ってしまう。一方、麗姫は早速、韓申に天明の稽古を頼んだ。「…韓叔叔、母妃は厳しすぎる」「天明、ここは宮外だ、これからは″母妃″ではなく″娘″と呼んだほうがいい」「なんで?」麗姫はどちらでもいいと笑ったが、韓申は麗姫が嬴政の元へ戻る気なのかと心配した。そこへ突然、李仲が兵を率いて現れる。「麗夫人にお話が…」麗姫は大王に何かあったのだと分かった。李仲は麗夫人を手放してから大王は食事も喉を通らなくなったと教えた。出陣の意思を通したのは王宮を離れ、苦しみを紛らわせるためだという。しかし今日、訪ねたのは火急の用件だった。「戦地から知らせがあり、敵の急襲で大王がはぐれてしまったとか 今も消息不明です、韓領で失踪したため大規模な捜索はできません」実は知っているのは数名の将軍のみ、軍の士気が下がらぬよう兵士たちには大王が病だと偽っているという。李仲は麗夫人がかつて大王や蒙武(モウブ)と共に韓へ出陣したことを思い出し、秘密裏に捜索するなら麗夫人が適任だと考えたのだ。秦の陣営、蒙武は風林火山の疾風剣(シップウケン)と蠎鞭林(モウベンリン)に大王の捜索を頼んでいた。しかし2人の手練れでも大王の消息はつかめない。武術の技量と人探しは別問題、韓の地形に疎いうえ混乱した戦場で大王を探すのは困難だった。その話を密かに天幕の外で密偵が聞いている。2人は師弟が南に捜索へ向かったため数日で見つかると言ったが、魏(ギ)韓の連合軍が迫る中、そんな余裕はなかった。麗姫は天明を大師兄に託し、大王を探しに行くと決めた。荊軻は嬴政の仕打ちを忘れたのかと辛辣だったが、麗姫は一国の王として仕方がなかったとかばう。「大王も苦しんでいる、本当は誰も傷つけたくなかったの、秦のために決断が必要だっただけ」「…どうやら嬴政を深く愛しているのだな」「ええ、愛してる、このまま見殺しにはできない」韓申は麗姫の本心を知り、天明と一緒に帰りを待つことにした。「麗児、君を行かせるが嬴政のことを許すつもりはない、俺の師妹を苦しめたのだから…」( ˙꒳˙ )天明、行ってくるね〜あれほど麗姫と韓申を目の敵にしていた楚(ソ)夫人だったが、いざ2人がいなくなると心にぽっかり穴が空いたようだった。今でも韓申が麗姫を守るため大王に刃向かった姿がどうしても頭から離れない。楚の公主として何不自由なく育ったが、自分のために命を投げ出してくれる男などいなかった。楚夫人は本当は麗姫がうらやましくて仕方がないと本音を明かす。「本当は悪い女子じゃないのかも…」しかし今は自分の今後の身の振り方を考えなければならなかった。( ๑≧ꇴ≦)楚夫人、やっぱ好きだわwその頃、李仲は秦軍の陣営に到着していた。風林火山が4日も探しているがまだ大王は見つからず、さらに韓軍が出動したと報告が来る。「向かっているのは我が陣営ではありません!山を包囲し何かを探しているようです!」蒙武はついに韓軍に勘づかれたと焦った。一方、山中では嬴政がふらふらになりながら南下していた。しかしそこに敵兵が現れ、囲まれてしまう。つづく( ;∀;)あ~大師兄…短い幸せだったわでも天明ってどちらかというと大師兄似…(´゚艸゚)ゲフンゲフン
2021.09.18
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燕云台 The Legend of Xiao Chuo第30話「流言飛語」耶律罨撒葛(ヤリツエンサーグァ)は蒲哥(ホカ)太妃の弱みを握っていた。そこで景宗(ケイソウ)・耶律賢(ヤリツケン)に皇子が誕生したものの、生まれつき身体が弱いかもしれないとほのめかす。「冷宮で年老いて生涯を終えるか、後宮の主として留まるか…考える必要があるか?」浦哥は恐ろしさのあまりへたり込み、罨撒葛からは逃れられないと知って泣き崩れた。耶律喜隠(ヤリツキイン)の流刑が決まり、憤慨した烏骨里(ウグリ)は直談判に向かった。「蕭燕燕(ショウエンエン)!私の人生をぶち壊すつもり?!」「流刑になった理由を知らないの?…私のことはまだいい、父上の真相は?」烏骨里はそこで初めて喜隠が父の暗殺の黒幕だと知り、泣きながら飛び出して行った。烏骨里と入れ違いで胡輦(コレン)がやって来た。胡輦も喜隠が黒幕とは信じられなかったが、事実なら燕燕の決断を支持するという。「ずっと一心同体だと誓ったけれど、私はもう誓いに背いてしまった… 二姐にも父上にも母上にも申し訳ないわ」「いいえ、そんなことはない、あなたは遼の皇后よ 大局を重んじる責任があると烏骨里も理解するわ」←さすが大姐( ˘ω˘ )屋敷に戻った烏骨里は喜隠に父を殺したのかと迫った。すると喜隠は泥酔しながらも、騰里(テングリ)に誓って義父を殺していないと訴える。「死んでもそんなことはせぬ!」烏骨里は夫の無実を信じ、妻として必ず濡れ衣を晴らして見せると約束した。燕燕も景宗も烏骨里には会ってくれなかった。追い詰められた烏骨里は韓徳譲を訪ね、恩情は求めないが喜隠にもう一度だけ会って訴えを聞いて欲しいと頼む。韓徳譲は了承し趙王府を訪ねたが、喜隠は自暴自棄になっていきなり宝剣を抜いた。「とっとと消えろ!」しかし烏骨里が興奮する喜隠をなだめ、今の上京(ジョウケイ)で助けてくれるのは徳譲だけだと説得した。喜隠は射鬼箭(シャキセン)での企みと皇子の儀式に刺客を送り込んだ件は認めた。ただし閭(リョ)山での景宗暗殺未遂については一切、関わっていないと否定する。「私が明扆(メイイ)を殺せば罨撒葛がそれを口実に私を殺し、息子は皇帝になれぬ 息子の前途を断つほど愚かではない!」←( ゚д゚)え?しかし徳譲は刺客の中に喜隠の配下もいたと教えた。喜隠はもし自分が黒幕で配下を送り込むなら証拠など残さないという。「女里(ジョリ)と高勲(コウクン)と組んだことは?!」「蕭宰相殺害の黒幕だと知って2人を脅しただけだよ!って(´゚艸゚)あ…」烏骨里は喜隠が父を殺した黒幕を見つけながら隠していたと知った。墓穴を掘った喜隠はそのままへたり込み、自分はうまくはめられたと嘆く。すると徳譲は本当に潔白を証明したければ力を尽くすと約束した。「趙王妃と留礼寿(リュウレイジュ)の暮らしも守りましょう」耶律喜隠は祖州へ連行された。烏骨里は息子を立派に育てると約束して送り出し、高勲と女里を絶対に許さないと恨みを募らせる。その頃、韓徳譲は信寧(シンネイ)から喜隠の側近・撒懶(サツラン)の供述書を受け取っていた。撒懶の話では当時、魏(ギ)王府に密偵を潜ませ、蕭思温を長らく監視、告発状の件や高勲の来訪を伝えて来たが、海只(カイシ)と海里(カイリ)の背後にいる者をどう知ったのかは謎だという。その密偵は趙王府に戻っていたが、喜隠が捕らえられると行方知れずになっていた。かなり慌てて逃げ出しのか、居室は物が散乱し、敗れた文が見つかったという。復元を試みても内容は分からなかったが、ただ″粘木袞(デンボクコン)″という名前は判明した。「やはり奴の罠だったか…」徳譲はこれほど巧みな罠は罨撒葛にしか仕掛けられないと確信した。そんなある朝、胡輦は罨撒葛の身支度を整えながら、急に吐き気に襲われた。罨撒葛は胡輦が身ごもったと気づき、すぐ侍医を呼ぶよう命じて胡輦を部屋で休ませる。すると粘木袞が密偵の件を韓徳譲が突き止めたと報告した。しかし罨撒葛はいずれ露見すると分かっていたと問題にしない。それより今は父親になれると喜びに湧き、直ちに動かねばならないと言った。景宗と燕燕は閭山の襲撃事件がすでに解決したものと思っていた。すると再び韓徳譲が参内、実はまだ隠された事実があったと報告し、自分の無能さを謝罪する。徳譲が調べたところ喜隠は罨撒葛に誘導されており、証拠は全て罨撒葛が手を回したものだった。喜隠は自分が駒であると気づきもしなかったのだろう。しかし景宗はすでに罨撒葛を呼び戻してしまった以上、処罰するには相当の理由が必要になると困惑した。徳譲は必ず真相を明かすと約束したが、景宗はなぜか複雑な心境になってしまう。都で皇后と韓徳譲のあらぬ噂が瞬く間に広がった。燕燕と徳譲と言えばかつて恋仲で駆け落ちまでしたことは周知の事実、そこで耶律休哥(ヤリツキュウカ)と蕭達凛(ショウタツリン)は燕王府を訪ね、静観せず噂を止めようと徳譲を説得する。徳譲は自分が弁解すればかえって騒ぎが大きくなると懸念したが、2人の協力に感謝した。一方、燕燕はやましいことなど一切ないと毅然な態度を貫いた。しかし侍女たちは宮中にまで噂が広がっていると憤る。そこで燕燕は双古(ソウコ)に命じ、流言を広めるものは掟に従い処罰するよう命じた。双古は早速、女官たちを集め、誰から噂を聞いたのか追及していた。その中にやけに落ち着きのない女官がいる。一方、小妃・喜哥(キカ)も景宗に謁見し、皇后の悪口を吹き込んだ。「妻となったら疑いを避けるべきです 皇后は賢いのにその辺は疎くて、陛下と皇子に恥をかかせています 至る所に噂が広まり、陛下まで…」すると景宗は茶碗を投げ割り、激高した。「皇后を批判するとは…再び申せばその舌を引き抜くぞ!」|ω・`)あれ?喜哥って幽閉じゃなかった???女里と高勲は皇后と韓徳譲の噂を流したのが皇太叔だと分かっていた。「皇后を引きずり下ろすおつもりで?」「喜隠が敗走すれば次の標的は私だ、ゆえに先手を打つ」高勲は確かに流言で徳譲を排除できれば皇后は右腕を失い、残った病弱な景宗など警戒する必要がなくなると合点がいく。これは明日の朝堂が楽しみだ。女里は世間で皇后と韓徳譲が恋仲だという流言が飛び交っていると上奏した。もし根拠なき噂だというなら調べてはどうかと提案する。「関わりがある以上、当然、韓大人から調べよう」すると韓徳譲は女里に賛成し、徹底的に調べるべきだと賛同した。「ですがこれは女里大人の職務ではない、休哥惕隠(テキイン)なら公正に判断するでしょう ″根本″までたどった結果、女里大人が納得せぬなら、私自身が調べます」徳譲は遠回しに女里を脅すと、焦った女里は皇族の名を汚した徳譲を流刑にすべきと声を荒げた。皇后が潔白なら徳譲をかばう必要はないという。再び紛糾する朝堂、しかし急に景宗が現れ、女里たちはそれ以上、皇后を追及できなくなった。燕燕はあのまま女里が軌道を逸し、怒りを爆発させたところで捕らえようと考えていた。景宗のせいで目論みが外れ不機嫌な燕燕、すると景宗が失笑し、朝廷はそんなに単純ではないという。女里が朝堂で居丈高に振る舞えるのは背後に罨撒葛がいるからだ。もし朝堂で女里を捕らえれば罨撒葛がかばうことは目に見えている。まさか些細なことで厳罰に処すこともできず女里を解放すれば、ますます気炎を上げ噛みつき流言は真実だと主張するだろう。「でたらめだわ」「分かっている、だが朝堂では過程は論じられず結果だけ見られる」あのまま景宗が現れず女里を捕らえていたら、燕燕は罨撒葛の罠にはまって引きずり下ろされていただろう。燕燕は罨撒葛が元凶と知りながら何もできないのかと苛立ったが、景宗は恐らくすぐにぼろを出すはずだと安心させた。罨撒葛が慌ただしく動き始めた理由は王妃の懐妊だった。燕燕の前では笑顔で振る舞っていた景宗だったが、本当は憤懣(フンマン)やる方ない。そこで迪里姑(テキリコ)に太平王妃の脈診に行くよう命じ、すぐ韓匡嗣(カンキョウシ)を呼ぶよう頼んだ。韓匡嗣は朝廷の騒ぎを治めるため、息子に捜査の幕引きを命じた。皇帝と皇后の安全のため、まだ去れないと訴えた徳譲だったが、独りになるとふと燕燕を思い出してしまう。…韓徳譲よ韓徳譲、これまでさんざん″君主のために尽くす″と言ったな…誠にそうか?すると目に前に花嫁衣装をまとった燕燕が現れ、幸せそうに笑っている。徳譲は思わず微笑んだが、すぐ現実に引き戻された。( ;∀;)ジョー、妄想だよジョー翌朝、夫から話を聞いた韓夫人は思わず興奮して声を荒げた。「徳譲と燕燕を引き裂いたのはあの方ですよ! 今度は聖人ぶって何を言うかと思えば、息子に婚姻を迫るなんて!」つづく( ๑≧ꇴ≦)ママン!分かるわ~ケンって時々、本当にイライラするw
2021.09.17
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燕云台 The Legend of Xiao Chuo第29話「摂政の座」景宗(ケイソウ)・耶律賢(ヤリツケン)が倒れた。皇后・燕燕(エンエン)はなぜこれほど悪化する前に知らせなかったのかと憤ったが、ともかく急ぎ室昉(シツホウ)、耶律休哥(ヤリツキュウカ)、耶律賢適(ヤリツケンテキ)、そして韓徳譲(カントクジョウ)と蕭達凛(ショウタツリン)を招集する。すると楚補(ソホ)が皇太叔夫妻と耶律敵烈(ヤリツテキレツ)一家が見舞いに来たと知らせた。燕燕は罨撒葛(エンサーグァ)を警戒し、燕王・韓匡嗣(カンキョウシ)の見立てを理由に面会を断った。仕方なく引き下がることにした罨撒葛だったが、太平王妃・胡輦(コレン)は頑なに拒否した燕燕の様子に困惑する。一方、耶律喜隠(ヤリツキイン)は趙(チョウ)王妃・烏骨里(ウグリ)に自分を摂政にするよう皇后に口添えを頼んでいた。しかし燕燕は″射鬼箭(シャキセン)″の一件が喜隠の仕業と知りながら姉妹の情で見逃してくれたばかり、烏骨里は調子に乗るなと呆れる。すると喜隠は燕燕が許してくれたのは情ではなく、今の状況下では自分を頼るしかないからだと吹き込んだ。病の景宗を支えるには誰かの助けが必要だが、兄弟は姉2人、かと言って罨撒葛に頼めば地位が危うくなり、自分と手を組んで対抗するしかないという。「私は燕燕を助けたいんだよ~」「分かった、頼んでみるわ」その夜、燕燕は腹心を集めて明日の朝議について話し合った。明日は自分ひとり、罨撒葛と喜隠を同時に対処することは難しい。そこで燕燕はまず喜隠を抑えると決め、休哥には景宗と皇子の警固を命じた。また経験豊富な室昉と賢適には朝議で自分の支えとなるよう頼み、達凛は郎君(ロウクン)軍を率いて大殿の外で待機、万一の時は臨機応変に動くことを認める。燕燕はそこで散会したが、徳譲だけ残した。粘木袞(デンボクコン)は皇太叔に皇后が腹心を集めて朝政の相談をしたと報告した。景宗が倒れて大慌ての皇后、罨撒葛は愚かな喜隠ならこの機にすぐさま動くと分かる。そこで女里(ジョリ)と高勲(コウクン)に明日の朝議で喜隠と皇后の対立を煽るよう指示した。燕燕は何か言いたそうだった韓徳譲を引き止め、策があるのか聞いた。すると徳譲は喜隠が尊大で傲慢な男だと指摘、抑えるより逆の手段を取るよう提案する。実権のないうわべの職を与えれば喜隠は必ず居丈高(イタケダカ)に振る舞うはず、周囲の者も自然と離れて行くだろう。翌朝、皇后が初めて独りで執り仕切る朝議が始まった。予想通り喜隠が真っ先に御前に立ち、景宗が療養する間、朝政をどうするつもりか尋ねる。燕燕は景宗の指示により自分が代行して秦(シン)王・高勲が補佐し、女里・賢適・室昉が宰相と協力して事務を取り仕切ると答えた。そこで高勲は真っ先に拝命したが、喜隠は異論を唱える。皇后なら景宗のそばで尽くし回復を助け、摂政は太祖の子孫が行うべきだという。すると罨撒葛の指示通り高勲は皇后をかばい、わざと喜隠と対立した。女里も高勲に追従し、趙王は二心ありと疑う。ザワザワ… ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ ザワザワ…朝議は紛糾した。「騒ぐでない!」その時、驚いたことに皇后が確かに自分では景宗の代行として力不足だと認めた。燕燕は今の状況では確かに趙王の方が朝政を担うのに適切だと言った。予想外の展開に顔がこわばる罨撒葛、すると韓徳譲も趙王が摂政となることが民の望みだと賛同する。ただし景宗の聖旨に背くことになるため、今日のところは保留にして景宗の決断を待ってはどうかと上奏した。喜隠は徳譲のまさかの援護に鼻高、異論はないという。「ならばそうしよう、この件は朕と陛下で相談する」景宗は病床で燕燕から朝議の報告を聞いた。「釣りには餌が必要だもの」「ふっ…事を荒立てずに喜隠を始末するわけか?妙策だな」正直なところ燕燕独りで朝議に出すことを案じていた景宗だったが、驚いたことにわずかな計略を用いてたやすく事態を収めた。「つまり朕は苦い薬を飲まずともゆっくり養生できる」「…もし飲まないなら燕王に頼んでもっと苦い薬を出してもらうわよ?」景宗は仕方なく薬を飲んだ。すると燕燕は実はこの妙策が韓徳譲の発案だと教える。旅から戻った徳譲は以前より着実で周到になっていた。「徳譲哥は朝政についても深い見識を持っている、あなたも回復したら意見を聞くといいわ」高勲と女里は皇后の判断に動揺し、太平王府を訪ねた。罨撒葛も皇后があえて喜隠を摂政にしたことに違和感があり、静観していたという。思えば皇后の腹心が1人も擁護しなかったのは話がついていたからだ。あれは見せかけの譲歩に違いない。「蕭燕燕を侮っていたな、思ったより手強い…」しかし高勲は手強いのは皇后に裏で献策している韓徳譲だと指摘した。すると罨撒葛は自分に策があると安心させる。「大した敵ではない、だがまず喜隠を片付けなければ…」本来ならまだ動く気はなかったが、罨撒葛は情勢が変わったため打って出ることにした。女里から奏状が届いた。皇子の儀式に紛れ込んだ刺客・玉宛(ギョクエン)は趙王の配下だったという。その証拠として趙王が命じた文が居室で見つかっていた。しかし喜隠に逃げ道を与えないよう、燕燕はまだ追及しないことにする。一方、韓徳譲の右腕・信寧(シンネイ)はついに刺客の靴の中敷をつきとめた。中敷を作ったのはやはり喜隠に仕えている梁(リョウ)州の者だったという。梁州では棕櫚(シュロ)の生産が盛んだが、上京(ジョウケイ)では売られていなかった。上京でこの中敷を作れるのはこの男だけ、しかし男はなぜ自分が捕まったのか分からず困惑している。そこで徳譲は正直に話せば悪いようにしないと安心させた。男の話では自分が作った物は全て喜隠大王の屋敷へ納めており、靴の中敷を作る前には足の寸法を測っていたという。すると徳譲は人相書きを見せて知っている顔を教えるよう命じた。「あ…見た顔です!頬に刀傷があったので覚えています、この方は喜隠大王の配下でした」景宗は気分転換に散歩がてら皇后の様子を見に来た。しかし韓徳譲から報告を聞いていた燕燕はやけに沈んだ顔をしている。実は閭(リョ)山で景宗と蕭思温(ショウシオン)を襲わせた真犯人が喜隠だと分かった。ただ奇妙なことに一晩のうちに証拠が出て来たという。燕燕は自分たちの策が奏功し、誰かが喜隠の摂政を阻止するため隠し持っていた証拠を出したのだと気づいた。すると徳譲は別の目的も考えられると指摘、ともかく兵馬を持っている喜隠の身柄を押さえようと提案する。景宗はすぐ許可したが、燕燕は姉と甥を傷つけないで欲しいと頼んだ。その夜、喜隠はすっかり舞い上がり、ひとり祝宴をあげていた。まさかその時、屋敷の周りをすでに郎君軍が包囲しているとは夢にも思うまい。すると韓徳譲たちが乗り込んできた。蕭達凛は王府を封鎖するよう命じ、韓徳譲が聖旨を告げる。「お許しがあるまで趙王は禁足だ」すでに摂政気分だった喜隠は泥酔して悪態をつくと、徳譲と達凛はその姿に呆れて引き上げて行った。翌朝、宮中でも趙王の禁足が知れ渡った。証拠があるため皇族からも不満はなく、燕燕もこれでひと段落ついたと安堵する。実は高勲と女里が喜隠の件を調べたいと申し出たため、これを認めていた。「喜隠と近かった2人が手の平を返すように反撃に出たのね… 韓大人、血を流さず喜隠を捕らえられたのはあなたのおかげよ、心から感謝します 父上の件はこれで片づいたわ…やはり去るの?」すると韓徳譲は黙って拝礼した。( ;∀;)ジョー高勲と女里は喜隠が以前より簒奪を企てていたと報告、厳罰を求めた。しかし罨撒葛は遼が皇子を得た今、徳を積むべきだと進言し、王妃と屋敷の者は免罪とし、喜隠は軟禁してはどうかという。すると燕燕は皇太叔に従い趙王は祖(ソ)州へ流し、祖陵を守らせると決めた。そんなある日、罨撒葛は冷宮の蒲哥(ホカ)太妃を訪ねた。「あのことを誰かに話したの?!」罨撒葛は浦哥の弱みを握っていた。つづく(  ̄꒳ ̄)え___ジョーの献策ってバレバレじゃ…でもジョーしか見所ないから許すw
2021.09.17
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上阳赋 The Rebel Princess第6話「謝貴妃の自死」皇后王(オウ)氏は臣下を招集した。そこで静養が必要な皇帝に代わりに今日から皇太子・子隆(シリュウ)が監国に、丞相が摂政を努めると告げる。一方、叔母が投獄されたと知った皇太子妃・謝宛如(シャエンジョ)は皇太子に泣きつき、一族を助けて欲しいと懇願した。しかし皇太子は自分もこの目で見たという。確かにここ数年は皇帝の愛情が謝貴妃と三皇子・子澹(シタン)に偏り、不満を募らせた母と叔父がこの機についに追いやったのだろう。「謝氏は皆、投獄されたのだぞ?罪に問われないだけ幸いだと思え」皇太子は宛如だけは守ると誓ったが、もし謝淵と謝貴妃を救えるとすれば父皇だけだと言った。王藺(オウリン)は弟の王栩(オウク)に侍中・温宗慎(オンシュウシン)と謝氏に近しかった臣下らを見張るよう命じた。すると王栩はなぜ皇帝の息の根を止めないのか訝しむ。王藺は皇帝が虫の息でいてくれた方が好都合だと話し、領地を持つ諸王たちも迂かつに行動できないと教えた。「弔問を口実に兵を連れて上京されたら禁衛軍も歯が立たぬ 太刀打ちできるのは20万の兵を抱える寧朔軍だけだ」「なるほど…で謝一族と三皇子はどうなさいますか?」王藺は皇后に協力を頼んだ。皇后も動き出したからには後戻りはできないと了承したが、ただ皇帝の座を懸けた争いに巻き込まないことが条件だという。「子隆に何かあれば私は生きていけません…今度、何かが起これば別の道を歩みます」しかし王藺は駒になるのは子隆だけではないと言った。家門を守るため、王氏全員が駒とならねばならない。「蕭綦と阿嫵を婚姻させれば王氏の家門は安泰だ」一方、屋敷に連れ戻された阿嫵は父の思惑など知らず、子澹との幸せな思い出に浸りながら独り涙していた。王藺は朝議で謝氏が皇帝に毒を盛ったと断定、寝宮からも毒が見つかったと報告した。そこで処罰について意見を求めたが、謝淵と近しい温侍中は皇帝が目覚めて真相を究明してからにすべきと上奏する。「この事件は怪しく証拠も乏しい、毒酒1つで100年の歴史を持つ士族を滅ぼすと?」すると皇后は万一、謝貴妃が己と謝一族の犯行と認めたらどうするつもりか聞いた。温時中は待つのが賢明だと答え、天下の民に公平な裁きをと嘆願した。皇后が牢獄にやって来た。収監された謝一族たちの罵声が飛び交う中、皇后はやがて謝淵の牢の前を通りかかる。すると謝淵はもし運良くここを出られたら王氏に対価を払わせ、この恨みを必ず晴らすと言った。皇后は謝貴妃に食事を差し入れ、自ら酒を注いで杯を交わした。すると皇后は阿嫵が苦しむ姿を見るに耐えず、謝貴妃を説得に来たという。そこで子澹に生きる道を残す代わりに命を差し出せと要求した。謝貴妃はそもそも子澹は無関係だと訴えたが、結局、誰が犯人かは重要ではないと知る。子澹と謝一族を守るためには自分の罪を認め、謝罪文を書くしかなかった。「1つ約束を…約束を破り、子澹と家族に害を及ぼせば怨霊になっても許すことはありません」謝貴妃が手を出すと、皇后は手の平を打って誓いを立てた。皇后は白綾を置いて帰って行った。「陛下、私も一緒に参ります…来世では平凡な夫婦として出会いましょう」こうして謝貴妃は自ら命を絶った。謝貴妃の謝罪文を見た臣下たちは言葉を失い、それ以上、誰も王藺に異論を唱える者はいなくなる。一方、二皇子はこれで謝一族が斬首となり、子澹も同罪だろうと安堵した。しかし宮中ではすでに上陽郡主と豫章王の婚姻の噂が広まっている。二皇子は宛如と蕭綦の縁談を防いだように、今度も2人の婚姻を阻止すると意気込んだ。その夜、阿嫵は門で兄の帰りを待っていた。するとようやく王夙(オウシュク)が宮中から戻ってくる。「哥哥!どうなったの?!」「父上はいなかった、皇后娘娘が子澹を助けたければ蕭綦と婚姻しろと…」驚愕した阿嫵は思わず兄が降りた馬にまたがり、宮中へ駆けて行った。阿嫵は衛兵が止めるのも無視して皇帝の寝所に入った。「舅舅…起きてください、舅舅、子澹哥哥を助けてください、お願いです」皇帝の枕元で泣き崩れる阿嫵、そこへ皇后がやって来た。「子澹を助けられるのはそなただけ…子澹を助けたくば豫章王と婚姻しなさい」皇后は16歳で皇帝に嫁いだ。婚姻前は阿嫵と同じように悲しみなど知らず、蝶よ花よと育てられたという。しかし自分を愛していない皇帝に嫁ぎ、この世の美しい出来事など幻想に過ぎないと少しずつ悟った。そして妹も兵力を得るために20も上の慶陽(ケイヨウ)王と婚姻したという。「慶陽王も名声を失った、今の王氏にはより強い力が必要なの、拒むなら子澹は明日…」「…約束します」阿嫵は涙をふくと、寝宮をあとにした。皇太子は監国として豫章王に上陽郡主との成婚を特賜した。阿嫵は呆然と歩きながら、実はこれが本当の成人の儀なのだと気づく。…少女の幼い夢は残酷な現実に打ち砕かれた私の身体には重臣の家系の血が流れている私は王氏から永遠に逃れられない、宛如姐姐は正しかった姑姑も宛如姐姐も逃れられなかったように私も逃れることはできない世間知らずで無邪気だった阿嫵は今この瞬間に死んだのよ姑姑の言う通り子澹哥哥を助けられるのは私しかいない…阿嫵が屋敷へ戻ると、父と母が自分の婚姻の件で争っていた。晋敏(シンビン)長公主・馬瑾若(バキンジャク)は娘を使って兵を手に入れるのかと非難、皇兄が眠ったままなら自分も娘も必要ないのかと言い放つ。しかし王藺は阿嫵だけでなく妹たちも家門の名声をとどろかせるため犠牲になったと訴えた。今は士族の勢力が弱り、この国も昔のように平穏ではない。立派な家門の栄華などとっくに消え去り、顧氏や謝氏のように圧倒的な力を持つ皇族の一員でさえ呆気なく没落してしまう。「権力を持つ将軍との婚姻のみが長公主と王氏の栄光を維持する道なのだ」「丞相、その栄光のためにあなたは渋々、長公主と婚姻し、その愛を本物だと欺いて来たのですね それなのに娘を卑しい寒門に嫁がせるというの?」「卑しい寒門?その寒門の蕭綦が命を懸けて敵を退けたからこそ国は安泰なのだ!」そこへ王夙が乗り込んだ。「娘の婚姻を利用するのはよくありません!お許しくださるなら私が入隊します!」「まずは子を持て、王氏はその子に継がせ、辺境を守りに行け! あとは生きるも死ぬもお前の命だ!すぐに孫の顔を見せろ!だが手遅れだな… お前がそうしていれば阿嫵は蕭綦に嫁がずに済んだのだ!出ていけ!」長公主は娘を守るため死んで抗議すると決意した。しかしそこへ阿嫵がやって来る。阿嫵は両親の前にひざまずき、自ら蕭綦の妻になると告げた。「英雄の元に嫁ぎます」一方、蕭綦は婚姻を賜り困惑していた。宋懐恩(ソウカイオン)もこの縁談は陰謀めいていると怪しむ。丞相はわざわざ豫章王が娘を抱き留めたと触れ回っていた。しかも皇帝の毒殺未遂騒ぎの直後だというのに娘を嫁がせるとはおかしな話だ。「お前だったらどうする?」「…婚姻はしても丞相には手を貸しません!」長公主は皇后を訪ねた。そこで夫の野心の果てが皇帝の座だと教え、皇太子の政権を王氏に奪われてもいいのかと迫る。皇后は阿嫵の婚姻に反対だからと言って兄に反逆の罪を着せるのかと呆れたが、長公主は夫の密談を聞いてしまったと言った。「実の娘さえ兵力のために犠牲にできる人です、当然、甥にも同じことができるでしょう」しかし必死の訴えも虚しく、皇后に追い返されてしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)皇后のぬこーっ!←そこっ?!wどうやらパパも望まぬ結婚?…何だこれ( ̄▽ ̄;)
2021.09.16
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上阳赋 The Rebel Princess第5話「引き裂かれた恋」上陽(ジョウヨウ)郡主・王儇(オウケン)は父から謝宛如(シャエンジョ)が皇太子妃になると聞いて困惑した。侍女・蘇錦児(ソキンジ)はこれで郡主が三皇子・馬子澹(バシタン)と婚姻しやすくなったと励ましたが、王儇は宛如の幸せと引き換えにはできないという。一方、子澹は父皇に謁見し、阿嫵(アーウォ)との婚姻を嘆願していた。皇太子・子隆(シリュウ)の件で愛しい阿嫵が苦しむ姿を見るに絶えず、婚姻してそばで守りたいという。すると皇帝・馬曜(バヨウ)は馬一族が先祖代々王家の女を妻とし、王氏の娘と婚姻することは天下を得ることだと言った。しかし子澹は否定し、阿嫵こそが自分の天下だと答える。「そこまで言うなら来月の誕生日に命を下そう、その覚悟を後悔するでないぞ」同じ頃、丞相・王藺(オウリン)は豫章(ヨショウ)王・蕭綦(ショウキ)を訪ねていた。そこで娘を助けてくれた感謝を伝え、蕭綦と同盟を結ぶために″掌中の珠″を差し出すという。蕭綦は関門出身の自分では不釣り合いだと卑下し、そもそも上陽郡主には相手がいると訝しんだ。しかし王藺は蕭綦が娘を抱き留めたことは周知の事実、昔から女子の貞操は重要だという。困惑した蕭綦は今はまだ妻を迎えるつもりはないと固辞したが、王藺はまた来ると言ってその場は引き下がった。この世に対価なしで手に入る物などない。蕭綦は丞相が帰るとすぐ寧朔(ネイサク)の戦いで命を落とした兵士の名簿が入った大きな箱を引っ張り出した。「懐恩(カイオン)、丞相からもらった品を家族に分けてやれ、頼むぞ?」阿嫵は宛如が心配で結局、自分から会いに行った。すると宛如はすでに涙も枯れ果て、結局、豫章王と皇太子どちらに嫁いでも同じだと気づいたという。どうせなら身分が低い関門出身の豫章王より、将来は皇帝になる皇太子を選んだ方がましだ。「阿嫵、死ぬほど苦しんだ末にやっと悟ったわ、これが士族の女子の宿命なのよ あなたも決して逃れられない…」その夜、錦児は灯籠を見つけ、急いで郡主を中庭に引っ張り出した。「子澹哥哥だわ!」阿嫵は喜んで裏庭に向かったが、父が木を切ってしまったため塀にはもう登れない。すると子澹の声が聞こえた。「阿嫵?父皇が婚姻を許可された、来月の誕生日に命を下される」しかし阿嫵は急に怖くなった。「宛如姐姐に言われたの、士族の娘は宿命に逆らえないって… 子澹哥哥、私たちの未来はどうなるの?」「阿嫵、婚姻したらそなたは王氏ではなく、私も皇子ではなくなるんだ さすらいながら自由に生きよう、阿嫵は今まで笑顔で生きて来た、今も笑っているか?」子澹は自分が生涯そばにいるので恐れるなと言った。…宛如姐姐の話は悪夢のように頭から消えなかった私は自分に言い聞かせた私は姐姐とは違う、子澹哥哥も皇太子ではない、皇帝が許された婚姻に心配事などないと10日ほど経てば黄道吉日を迎える宛如姐姐と太子の婚礼準備が急がれた誰が想像しただろうかその短い平静は嵐の前の静けさに過ぎず、まさかこんな大事件が起きることになろうとは…皇太子と宛如の婚礼の日、祝宴を終えた皇太子は床入りの儀に向かった。しかし寝所で待つ宛如に合わせる顔がない。「今夜は便殿で眠ろう…私の過ちは消えぬ、私を憎みさえしなければ十分だ」皇太子は宛如の怒りが鎮まるのを待つことにしたが、宛如は宿命を受け入れ、過去は忘れると言った。「この先あなたは私の夫であり、私の全てです」感激した皇太子は今夜から生涯をかけて宛如に尽くすと誓った。…私は宛如姐姐に顔向けできず、婚礼式に参加しなかった盛大な楽器の音も歓声も姐姐には苦痛だっただろう姐姐は変わってしまった、何もかも…その頃、二皇子・馬子律(バシリツ)は人里離れた隠れ家で桓(カン)公と密談していた。桓公と言えば王家の世子妃・桓宓(カンヒツ)の父である。「子澹が襲われ、顧庸(コヨウ)が死に、王氏と謝氏は対立し、太子と王儇の婚姻も水泡に帰した 全ての黒幕が二皇子殿下だとは思わんでしょうな」恐らく王藺もこのまま黙ってはいないだろう。しかし二皇子は高みの見物を決め込むことにした。王栩(オウク)は宗廟にいた兄に準備が終わったと報告した。そこで王藺は宮中へ入り、密かに皇帝に丹薬を献上していた道士と接触する。「薬は準備できました」「耳と口が不自由なふり、ご苦労だったな…褒美をつかわす」皇帝は道士が耳も口も不自由だと信じ、誰にも言えない胸内を明かしていた。王藺は次に皇太子を呼び出し、皇帝の信頼を取り戻す方法を授けた。皇太子の前に置かれたのは玉璽(ギョクジ)、実は皇祖が長江を南へ渡った際に失くして以来、歴代の皇帝も探し出すことが叶わなかった代物である。「なっなぜここに?!」「王氏には王氏の方法がある、これがあれば皇帝はお前を見直すはずだ」皇太子は叔父が自分に手柄を譲ってくれると知り、素直に感謝した。王藺は皇太子にわざと今夜中に玉璽を届けるよう指示した。そこで早速、皇太子は謝貴妃の寝宮まで押しかけ、父皇に玉璽を献上する。「数年かけて見つけました、先ほど臣下より受け取り、すぐお持ちしたのです!」皇帝は100年ぶりに戻って来た玉璽に歓喜、大きな功を立てた皇太子に褒美を授けると言った。「貴妃!酒を頼む!」その時、王藺は謝貴妃の寝宮を遠目から眺めていた。すると謝貴妃の悲痛な叫び声がもれ聞こえてくる。「陛下ぁぁぁ!誰かっ!太医を!急いで!」太医令は昭陽殿に参上し、皇后と丞相に皇帝が烏頭(ウズ)の毒を盛られたと報告した。幸い解毒が功を奏し一命を取り留めたが、丹薬を常用していたせいで血の流れが滞り気味だという。そのため慎重に解毒する必要があり、太医令も皇帝がいつ目覚めるか断言できなかった。すると太医令は恐る恐る酒からは毒が検出されず、玉璽から匂っていたと伝える。しかし王藺から本当に酒ではないのかと迫られ、恐れおののいた太医令は失言だったと謝罪した。「謝貴妃の酒には…透明で味もない…無味無臭の毒が盛られていました… 陛下から出た毒と同じ物です」太医令が下がると、皇后は兄の仕業かと確認した。しかし王藺は玉璽を届けたのが子隆だと言い逃れする。「やめてください!子隆のはずがないわ」すると王藺はもはや選択肢は2つだと迫った。自分が毒を盛ったと告発し、王氏一族が皆殺しにされるか、もしくは謝貴妃に罪をかぶせて謝一族を投獄するか。「謝一族を打首にすれば、のちに虎符(コフ)を手に入れられる そうなれば豫章王を呼び入れ、兵力を王氏に集中できる 皇帝が崩御されれば太子もすんなりと即位できるだろう…皇后、ご決断を」阿嫵は皇帝危篤の知らせを聞いて寝宮に駆けつけた。「舅舅!舅舅!一体どういうことなの?!」すると父が現れ、謝貴妃が酒に毒を盛ったという。寝耳に水だった謝貴妃は呆然、自分ではないと否定し、子澹も父皇を愛する母が毒を盛るはずないと抗議した。しかし王藺は皇后に証拠となる酒を示し、処罰を決めるよう求める。皇后は謝貴妃の投獄を命じ、王藺は即刻、謝氏の母子を引きずり出せと指示した。慌てた阿嫵は咄嗟に父の前にひざまずき、子澹は関係ないと訴える。ちょうど皇帝が三皇子との婚姻に承諾してくれたばかり、毒を盛るなどあり得ない。「姑姑、撤回してください…姑姑!どうかお慈悲を…うわ~ん」阿嫵は涙ながらに嘆願し、証拠となる毒酒を自ら飲んで潔白を証明しようとした。驚いた王藺は酒瓶に伸ばした阿嫵の腕をつかみ、娘を屋敷に連れ帰るよう命じる。「嫌よ!」「阿嫵!」阿嫵と子澹は手を取り合い抵抗したが、衛兵たちに引き離され、ついにその手が離れてしまう。皇帝が倒れたと聞いた蕭綦が懐恩を伴って寝宮に現れた。「陛下に一体、何が?」そこで子澹は昨夜、皇帝に仕えたのは誰かと聞いた。「私です、でも何も知りません 宮殿に来られてすぐの出来事でしたし、何を食べ、何を飲まれたのかすら… 入宮されたのは深夜で、お酒を2杯、飲まれただけです」「そうです、私が造った酒を飲まれました」謝貴妃はかなり前に造った酒だと話し、皇帝が今までに何度も飲んでいたと訴えた。すると子澹は丞相が真実を明かす前に急いで謝氏を牢に閉じ込めようとしている本意は何かと訝しむ。皇太子も確かに今は父の身体を考えるべきだと訴えたが、叔父に睨まれて口をつぐんだ。王藺は蕭綦が鎧をまとっていることに気づき、まさか兵を連れて来たのかと聞いた。しかし蕭綦は謁見に来ただけで兵など連れていないという。「宮中は危険なところですね、20万の寧朔の兵が陛下をお守りします」すると王藺はここで判断を下すのは自分だと牽制した。「…もちろんです」「よし、三皇子と謝貴妃を投獄せよ」王栩が謝一族を連行、事実上、謝淵(シャエン)の安明侯府は閉鎖された。二皇子は何食わぬ顔で朝議に現れ、侍中・温宗慎(オンシュウシン)に謝貴妃が父に毒を盛ったと思うか探りを入れる。そこへ鎧姿の豫章王と丞相が入って来た。つづく( ๑≧ꇴ≦)まさかの二皇子でした!しかも阿嫵の義姐の父とつながっているとはねえ〜
2021.09.16
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丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman第35話「献身」楚(ソ)良人を呼び出し、敏(ビン)夫人の謀略を吹き込んだ麗姫(レイキ)。一方、趙高(チョウコウ)は敏夫人に嘉(カ)公子から届いた情報を伝えていた。邯鄲(カンタン)で頓弱(トンジャク)という商人の行動が目立つとのこと、秦(シン)人と自称しているが来歴は不明だという。実はその頓弱こそ嬴政に離間を献策したあの尉繚(ウツリョウ)だった。鋭い敏夫人は秦王の密偵かもしれないと警戒するよう指示し、この機に趙遷(チョウセン)を王位から引きずり下ろそうと決める。「それで…麗夫人についてはどうなさいますか?」「再び寵姫に返り咲くのは難しいでしょうね…」麗姫は敵でも味方でもないが、楚良人のように処罰を言い募れば陥れる意図があると疑われる可能性がある。そこで敏夫人はあえて酌量を求め、大王の信用を得ようと考えた。楚良人は早速、大王に謁見し、韓非(カンピ)殺害は自分ではなく敏夫人の仕業だと告発した。証拠の瑠璃珠(ルリジュ)はかつて自分が敏夫人に贈った物だという。「敏夫人は廃嫡された嘉公子と手を組んで秦の覇業を阻む気です! 韓非先生は敏夫人の謀略の犠牲になったのです!」趙高は突然の暴露に顔を引きつらせたが、大王は信用していないのか、考えておくとあしらう。落胆する楚夫人と思わずほくそ笑む趙高、その時、韓申(カンシン)が戻ったと注進が聞こえた。韓申は麗夫人から依頼された件で成果を得たと報告した。そこで説明は大王と麗夫人が揃ってからと上奏したが、なぜか嬴政は黙り込んでしまう。一方、永巷(エイコウ)では麗姫が再び李斯(リシ)の拷問を受けようとしていた。嬴政は麗姫が燕(エン)の丹(タン)太子の逃亡に関与したとして投獄したと教えた。すると韓申は憤慨し、拝礼もせず出て行ってしまう。永巷では李斯が刃物を手に麗姫に罪を認めるよう迫っていた。しかしいきなり現れた韓申に蹴り飛ばされてしまう。「指一本でも触れたら殺す!うせろ!」 ←( ๑≧ꇴ≦)大師兄!韓申は急いで張り付けにされた麗姫を解放したが、傷だらけの姿を見て呆然となった。その時、大王の来訪を伝える声が聞こえる。韓申は麗姫を牢に閉じ込め、一人で飛び出して行った。韓申は剣を抜いて大王の前に現れた。「大王、もはや師妹をお前のそばに置いておけぬ!麗児を傷つけるやつは許さない!」李仲(リチュウ)は不敬だと断罪、韓申を捕らえるよう命じた。しかし江湖を生きて来た韓申にとって軍人など敵ではない。韓申は衛兵たちをあっさり退け、李仲の首に剣を突きつけた。「麗児はお前のためを思って俺に長安(チョウアン)君を探しに行かせたのだぞ!」驚いた嬴政は詳しく話せと命じたが、韓申は麗姫を釈放するのが先だと言った。一方、邯鄲では意識を失っていた田光(デンコウ)がようやく回復し、丹太子一行はいよいよ燕に発つことになった。荊軻(ケイカ)と蘭児(ランジ)はどこか気まずかったが、調子の良い秦舞陽(シンブヨウ)のおかげで互いに笑顔を交わす。その様子を遠目から高漸離(コウゼンリ)が見ていた。荊軻は気がついたが、結局、言葉は交わさず行ってしまう。|ω・`)鶴大侠、物陰に立っても隠せない顔の…ゲフンゲフン嬴政は麗姫と清児(セイジ)を釈放、書斎で韓申から話を聞くことにした。そこで韓申は趙から連れ帰った幼い子供を呼び、嬴政に紹介する。「大王、こちらが長安君嬴成蟜(エイセイキョウ)の子、あなたの王甥だ」するとその子供は小嬰(ショウエイ)と名乗った。韓申の話では成蟜は趙で妻子と共に民として静かに暮らしていたという。成蟜はあの時、趙の嘉公子にそそのかされ謀反を起こした経緯を記し、韓申に託した。…筆跡を見れば私だと分かるはずだ成蟜は重罪人の自分は帰国できないが、息子は王族の血を引いているため秦で堂々と生きて欲しいと言ったという。しかし趙高が慌てて横槍を入れた。「大王、長安君の居所も不明のまま、来歴も分からぬ子をお認めになっては…」「黙れ!…″小嬰″は成蟜の幼名だ、余と先王、成蟜の生母だけが知っている名だ」韓申は成蟜からの文を嬴政に渡した。実は成蟜の消息が分かったのは丹太子が麗姫への恩返しに教えてくれたおかげだという。麗姫は成蟜が大王との関係修復を望んでいるなら何とか叶えたいと奔走していた。詳細を伏せたのは成蟜にもしまだ恨みがあれば嬴政を悲しませると考えたからだ。「麗児はいつも″大王のため″と言っていた、だがお前はどうだ?!」嬴政は韓申に罵倒されても言い返す言葉が見つからない。そこで麗姫に改めて敏夫人を刺したのか聞いた。「大王と過ごして何年にもなります 私の人となりやどんな時に剣を抜くのか、一番ご存知なのは大王のはず」韓申は苛立ちを隠せなかった。麗姫が丹太子を逃亡させたのもそもそも嬴政のため、内心では丹太子を帰国させくても秦王という立場でできないからだ。「それを見抜いて丹太子を逃亡させたのだ、丹太子がお前を恨まぬように… それなのにお前は麗児に何をした?!」しかしそこまで言っても嬴政は自分のためではなく、荊軻と密会するためでないかと疑う。呆れた韓申は丹太子の逃亡に麗児が関わっていることなど荊軻は知らなかったと言い返したが、麗姫が止めた。「…大師兄、もういいわ」するとそこで麗姫は卒倒してしまう。韓申は嬴政に夫の資格はないと非難し、傷だらけの麗姫を抱きかかえて王宮を出ることにした。驚いた李仲は衛兵に止めるよう命じたが、嬴政はそのまま見逃してしまう。…麗児よ、余のそばに置いていてはそなたを傷つけるだけだ( ๑≧ꇴ≦)大師兄!韓申はひとまず客桟で麗児を女医に見せた。傷口がふさがればあとは自然に治るが、しばらくは安静が必要だという。「…傷痕が残るかもしれません、尋常じゃない傷です ところでお二人はご夫婦ですか?」「いいえ、兄妹弟子です」「では目覚めてからご本人に伝えましょう、数日間は高熱が出ますが心配ありません」同じ頃、荊軻たちは丹太子を無事、薊(ケイ)の燕王宮へ送り届けていた。燕王は一行を歓待、丹太子は早速、秦への策略や国の将来について相談したいと訴えたが、父から慌てる必要はないとあしらわれてしまう。数日後、麗姫はようやく起き上がれるようになった。天明(テンメイ)が心配ですぐにでも王宮へ帰りたいが、韓申は暴君のそばには置けないと止める。「君と天明を一生守ると約束する、3人で一緒に暮らそう」その時、客桟にお忍びで大王一行がやって来た。李仲は店にいた客たちを追い払い、大王を案内した。すると2階から韓申が現れる。「麗児に会いたい」「だめだ、会わせるわけにいかない」「余の妃だ、お前の許可など必要ない」「ふん、また拷問か?」韓申は麗姫が満身創痍で何日も高熱が続き、医者から傷痕が残ると言われたと教えた。「お前がこんな目に遭わせたのだ」「余のためだとは知らなかった…知っていたらこんなことには…」「黙れ、見苦しいぞ、お前の猜疑心が原因だ」韓申は2度と麗児に近づくなと警告した。しかし嬴政は韓申に守れるのかと挑発、結局、麗姫を師妹としてではなく一人の女として愛していると指摘する。そんな2人の話を麗姫が階段で聞いていた。韓申はもはや麗姫への想いを隠そうとしなかった。そこで麗姫と話したいなら決闘しろという。嬴政は麗姫の姿に気づき、それでけりがつくなら受けて立つと答えた。「いいだろう、俺に勝てたら麗児と話せば良い、しかし負けたら天明を返してもらう」「はお」すると嬴政は護衛たちを全て外に出し、剣を抜いた。つづく( ๑≧ꇴ≦)大師兄!ようやく告白!絶対、大師兄一択のはずなのに、でも報われないのよね〜きっと(´・_・)、
2021.09.15
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第18話「交わらぬ心」康熙(コウキ)帝は琳琅(リンロウ)に孤独な胸の内を明かした。確かに妃嬪は多いが政略結婚のため、自分で妻を選ぶ自由はないという。しかし琳琅と出会って人を好きになる喜びを知り、初めて幸せを実感していた。「感謝しておる、美しい思い出を朕に与えてくれたことを… 再会はまるで奇跡だった、贅沢だが退屈だった皇宮での暮らしにそながた光を与えてくれた 他の女子の前では皇帝の面をかぶっているが、そなたの前では自分に戻れる、1人の恋する男に 残念ながら片思いだがな…」すると琳琅は申し訳なくなって御前にひざまずいた。「記憶を失っていなかったら朕を愛したか?」「…皇上、″もし″はありません、過去はひとつです」琳琅は思わず胸に手を当てたが、もう玉の梨の花はない。そこで康熙帝は容若を呼んだ。小徳子(ショウトクシ)が杯をひとつだけ運んできた。すると容若は皇帝の信頼を裏切った罪を命で償うと訴え、迷わず毒酒を飲み干す。「毒だと思ったのか?死をも恐れぬと?」康熙帝は2人の固い絆を目の当たりにし、ついに決断した。「衛琳琅…納蘭容若の妻となることを認める、後日、祝言を」しかし琳琅は自分を騙し続けて来た容若をもはや受け入れられず、思わず断ってしまう。「いけません!皇上!死んでも納蘭大人には嫁ぎません!」←Σ(°∀° ノ)ノ えっ?!琳琅の予想外の反応に驚いた康熙帝はこれが最後の機会だと迫った。「容若に嫁いで生涯、添い遂げると誓うか、さもなくば朕に一生、仕えよ」「宮中で生涯を終えることになろうと納蘭大人に嫁ぐことはありません」琳琅の選択をちょうど2人が御前に呼ばれたと聞いて駆けつけた恵(ケイ)妃も聞いていた。琳琅の思わぬ決断に恵妃は激しく動揺した。納蘭逸(ノウランイツ)はそんな恵妃の様子に心を痛め、琳琅を殺す許可が欲しいと嘆願する。しかし恵妃は琳琅が皇帝に愛されるほど死を願う者は増えると言った。琳琅は再び御前女官として仕えることになった。琳琅のことが気になる康熙帝だが、互いにどう接したら良いのか分からずよそよそしくなってしまう。そんなある日、御膳房で慎刑司(シンケイシ)の王(オウ)太監の捜索が始まった。聞けば端(タン)嬪が紛失した首飾りを探しているという。結局、何も見つからず帰って行ったが、長慶(チョウケイ)は咄嗟に粉の中にかんざしを隠していた。翌日は芸初の誕生日だった。そこで長慶は本当なら妹に渡すはずだったかんざしを芸初に贈る。しかしそこへ琳琅が現れ、かんざしを奪い取った。「これは何?出所の分からない物を贈らないで」琳琅はかんざしを投げ捨て、芸初を連れて出て行ってしまう。割れたかんざしを見て呆然となる長慶、まさか目の前にかんざしを渡すはずだった妹が立っていたとは知る由もない。「私の大事な物を全て壊すつもりか…ワナワナ…」琳琅は芸初に手作りの香り袋を贈った。すると芸初はあのかんざしなら盗品ではなく、長慶が子供の頃に死んだ妹のために作ったものだと教える。しかし琳琅は長慶に近づかないよう警告した。恵妃は自分の手を汚さずに済むよう、端嬪に皇帝の心には御前女官の琳琅がいると吹き込んだ。案の定、端妃は琳琅に嫌がらせするため、皇帝に差し入れを届けにやって来る。「皇上のために汁物を作ったの、お前が両手で器を捧げ持ち運びなさい」端嬪は琳琅に熱い器を直接、手で持たせ、わざと長話してから汁物を献上した。端嬪が自慢げに安(アン)嬪に琳琅を懲らしめた話をしていると、小徳子が皇帝からの言付けを伝えにやって来た。「これより半年の間、毎日、太后と太皇太后に汁物を届けるように 自ら煮て、その手で運べ、そうでなければ朕は安心できぬ」端嬪が琳琅に意地悪し、逆に皇帝からお仕置きされたという噂はあっという間に広まった。そんな中、長慶は納蘭大人に大量の酒を差し入れに行く宦官を見かける。実は琳琅との一件以来、容若は酒浸りになっていた。長慶は琳琅へ復讐するため、端嬪に接触した。そこで実は琳琅と御前侍衛の納蘭大人が私通していると吹き込み、妙策があると持ちかける。「良い手立てをご用意しています」「いいわ、上手くいったら褒美を授けます」今や琳琅は容若と目も合わせてくれなくなった。容若は休憩時間に侍衛所の部屋に戻ると、また酒を飲んで寂しさを紛らすしかない。その夜、翠雋(スイシュン)は久しぶりに琳琅を訪ねた。翠雋は実は容若を見かけたと話し、沈んだ顔で酒を飲んでいたが、もしや想い人でもいるのかと気になる。一方、長慶は容若が留守の間に部屋の酒に薬を混ぜておいた。翠雋が琳琅の部屋を出ると、回廊で誰かに呼び止められた。「姑娘、納蘭大人がお呼びだ」すると宦官はあっという間に暗闇の中へ消えてしまう。翠雋は半信半疑ながら、愛しい納蘭大人に会いたくて侍衛所を訪ねた。すると容若は琳琅が訪ねて来たと誤解し、翠雋を抱きしめてしまう。一方、琳琅は小徳子と当直を代わり、皇帝のそばにいた。そうとは知らず、長慶は端嬪に容若と琳琅の私通を報告したが…。つづく(  ̄꒳ ̄)うんうん、確かに″皇帝の恋″だわもしやこのまま皇帝の恋だけで終わったりして〜
2021.09.14
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丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman第34話「未練」敏(ビン)夫人は李斯(リシ)に左丞相・昌平君(ショウヘイクン)を規範とするよう助言した。実は昌平君は大王の気性をよく理解し、孤独を装っていれば安心だと知っているという。「たとえ同じ楚人でも大王が敬遠している祖太后とは距離を置いているでしょう?」敏夫人は大王の心の奥を理解しなければ勝機はないと教えた。一方、解放された燕(エン)の丹(タン)太子はこれも荊軻(ケイカ)のおかげだと心から感謝した。また協力してくれた侠客が秦舞陽(シンブヨウ)だと知り、さすが燕の将軍・秦開(シンカイ)の孫だと称賛する。その時、荊軻は高漸離(コウゼンリ)がひとり出ていく姿に気づいたが、引き止めるきっかけを失った。すると秦舞陽がふと思い出し、実は樊於期(ハンオキ)の逃亡で今になって突然、秦王が一族皆殺しにしたという。実は賭場で秦から来た商人から聞いた話だったが、丹太子の救出のどたばたで話す暇がなかった。寝耳に水だった樊於期は憤怒、あまりの衝撃で失神してしまう。秦舞陽は樊於期を部屋へ送って行った。話を聞いた韓申(カンシン)は急に秦王宮に残して来た麗姫(レイキ)が心配になり、すぐ任務に戻ることにする。すると丹太子は成蟜(セイキョウ)の居場所なら知っていると言った。「しかしなぜ麗夫人が成蟜を探している?」「麗夫人は先日、大王から弟を流刑にした後悔を聞き、兄弟を再会させようと考えたのです それで私が文を届けに… 大王には事情を伝えていません、帰国を拒まれても大王は知らぬままです」丹太子は麗姫の心遣いに感心し、自分を助けてくれた恩返しに協力することにした。麗児の話を聞いた荊軻は動揺し、その夜、久しぶりに酒をあおった。すると高漸離が現れ、付き合ってくれる。そんな2人の様子を荊軻を追いかけて来た蓋蘭(コウラン)が見ていた。嬴政は麗姫が心配で永巷(エイコウ)にやって来た。すると麗児と侍女・清児(セイジ)の会話が聞こえ、そのまま物陰に立ち止まって耳を傾ける。「夫人、なぜ危険を冒してまで丹太子を助けたのですか?」「″弱き者の味方であれ″と爺爺に言われてきたの…」そこで麗姫は幼い頃に出会った少年の話を始めた。…昔、麗姫と荊軻は近くの山の頂に登ればとても大きな美しい満月が見られると知ったそこで山を登り始めたが、その道中、追われる少年に出くわす麗姫と荊軻は迷わずその少年を助け、危機を逃れた3人は山頂へ登った空には大きな美しい満月が輝いていたという3人は月に願いをかけ、そして誓ったこの夜を忘れず、ずっと友として助け合おうと…結局、3人は別々の道を歩むことになった。麗姫はまさかあの少年が嬴政とは知らず、少年がその夜を覚えているかどうか今はもう知る由もないという。「でも3人は大切なものを手に入れた…義の心よ」すると麗姫は義心から丹太子を帰国させようと思ったという。「清児に愚かだと思われても後悔していない」「愚かだなんて思いません、ただその傷が痛々しくて…」「大王の心の傷に比べれば大したことないわ…大王の信頼を私は裏切った」投獄されてもなお嬴政を気遣う麗姫、嬴政は合わせる顔がなく、そのまま引き返した。気がつくと嬴政は南宮の母を訪ねていた。すると太后は枕を幼児代わりに抱いてあやしている。「麗児はどこなの?」「麗児は罪を犯した、永巷にいる…余を欺いたのだ、余は嘘が最も嫌いだ」しかし太后は麗児が嘘をつくのは愛している証拠だと言った。「あんなに良い子が嘘をついたのよ?あなたより苦しんだはず… あなたを想うゆえの嘘よ、私も同じ…愛していなければ嘘をついたりしない 真実なんて本当は知らなくても構わない、どうせ月日は流れて行くもの 大王、この世は黒と白だけで分けられない、是非を決めればそれで幸せだと?」|ω・`)太后!どした!蘭児は泥酔した荊軻を部屋へ送り届けた。しかし荊軻はここにいるはずのない麗児の姿に困惑し、夢だと誤解して本音をぶちまけてしまう。「もう完全に吹っ切れたと思ってた…これで蘭児の気持ちに応えてやれると… なのに俺の前髪は…ゥッ…まだどうしてもまとまらない!情けない前髪だ!」荊軻は未だ麗児を忘れられない自分に気づき、深く失望した。「情けない男だろ?…俺はバカだ!どうしよもない大バカだ!」「ばかじゃないわ…本当にバカなのはこの私よ…」蘭児は号泣する荊軻を抱きしめ、優しくなぐさめた。麗姫が寵愛を失い、華陽(カヨウ)太后はようやく楚良人の謁見を許した。後宮は女の戦場、誰が勝つかは最後まで分からない。これまで辛抱してきた祖太后は今度こそ麗姫を容赦しないと決めた。翌朝、荊軻が目を覚ますと隣で蘭児が寝ていた。「ごめん、いや本当に申し訳ない…」「謝らないで、私たち何もしてないわ」「だが軽率なことをして…」荊軻は泥酔していたとはいえ、蘭児の名節を傷つけることになったと激しく落ち込んだ。しかしその様子を見た蘭児はかえって落胆し、逃げるように出て行ってしまう。「私が嫌いならもう会わない…」「そうじゃないんだ…あ」高漸離が荊軻を訪ねようとした時、突然、部屋から蘭児が飛び出してきた。すると後を追うように荊軻が顔を出す。「蘭児が来ていたのか?…隠すことはない、蘭児と…」「高大哥…蘭児とはそんな関係じゃない」「…無粋なことを言って悪かった」すると高漸離は話があると言った。皇太后は麗姫の処遇を朝議で話し合うことにした。本来なら妃の罪は後宮の問題だが麗夫人の罪は謀反、後宮に置くわけにいかないという。すると嬴政は趙高(チョウコウ)に耳打ちしてどこかへ行かせ、この件はひとまず保留にしたいと言って李斯を御前に呼んだ。「麗夫人に二心ありと申したな?どう処分すべきか答えよ」「ぁ…後宮の事件ですので意見は控えたく存じます」李斯は同じ過ちを繰り返すまいと慎重だったが、急に態度を変えたせいで結局、嬴政の不興を買ってしまう。「どうした?麗夫人を拷問して疲れたのか?!なぜ何も言わぬ!」その時、突然、天明(テンメイ)が大殿に入って来た。「父皇!父皇!どこにいるの?」嬴政は父と母に会いに来たという天明を抱き上げ、居心地の悪い朝議を引き上げてしまう。高漸離は荊軻に丹太子に関わらないよう忠告した。長年、秦の人質として策を巡らしながら生きて来たのだ。丹太子は実はしたたかで油断できない男、恐らく荊軻に礼を尽くすのは利用するためだという。「いつも豪放で心の広いあなたが…なぜ丹太子に偏見を?らしくない」「…とにかく付き合わぬ方が身のためだ…いいか、燕にも行くな」しかし荊軻は命の恩人である田光(デンコウ)との約束を反故にできないと言った。高漸離は仕方なく燕に行って何が起きようと師の期待に背くことはするなと釘を刺しておく。「天下の民に恥じぬ生き方をしろ」嬴政は天明を趙高に預け、李仲の報告を聞いた。「手はずは整いました、咸陽(カンヨウ)の郊外に屋敷を用意しています いつでも麗夫人はお移りになれます」嬴政は麗姫を自分のそばに置けば皆に傷つけられるだけだと考え、束縛しないと決めた。一方、韓申は丹太子から聞いた成蟜の屋敷にたどり着いた。そこで早速、訪ねてみると、実は成蟜に妻子がいると分かる。麗夫人の処分が決まらず悶々としていた楚夫人、すると見知らぬ侍女が現れ、麗姫が呼んでいると伝言した。そこで麗姫の落ちぶれた姿を見るのも一興だと出かけてみたが、思いがけず麗姫から驚くべき真実を知る。「ある公子は庶子の生まれで、高官の娘と愛し合い将来を約束したの 自分が太子になれば太子妃にするとね その後、公子の母が大王に寵愛され、元の太子は廃されて公子が継承者に… 公子は太子になると途端に多くの美女を集め、娘との約束など忘れてしまった 娘は復讐を誓い、廃嫡された元太子と手を組むことにしたの 作戦の手始めは大国に嫁ぎ、王の妃となることよ」「大国って…秦のことね」楚夫人はようやくその娘が敏夫人だと気づいた。つづく(  ̄꒳ ̄)迫り来る危機…じわじわ来るわ~
2021.09.14
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第17話「蘭の悲しみ」容若(ヨウジャク)と琳琅(リンロウ)の関係は納蘭明珠(ナランメイジュ)の知るところとなった。容若は琳琅のために参内すると言い張ったが、明珠はならば同行して阿布鼐(アフダイ)の娘をかくまったと上奏し、自分1人の命で納蘭家を救うしかないという。すると容若はようやく自分の過ちが納蘭一族を巻き込むことに気づき、力なく腰を下ろした。そこで明珠は息子が病だと偽り、しばらく暇をもらうことにする。「部屋に閉じ込め、一歩も出すな!」しかし容若は見張りを騙して出て行ってしまう。その頃、康熙(コウキ)帝は生死をさまよう琳琅を抱きしめ、必死に励ましていた。すると急に琳琅がうなされ始める。康熙帝は琳琅が誰かを必死に呼んでいると気づき、琳琅が命懸けで愛した人が一体、誰なのか気になった。「一生一世の縁を信じて…ムニャムニャ…」琳琅のうわ言を聞いた康熙帝は、容若も第2話の温泉で同じ言葉を言ったと思い出す。「容若…」その時、小徳子(ショウトクシ)が駆けつけ、納蘭侍衛が来たと伝えた。康熙帝は容若に会おうとしなかった。やがて目を覚ました琳琅は皇帝の寝台にいることに気づき、慌てて床に降りてひざまずく。「皇上、お助けいただき感謝します、私は辛者庫へ…」「そなたの想い人は一体、誰だ?」「もう別れました、ご放念ください」「″一生一世の縁なれど二つに裂かるる悲しみよ″…この詩の作者なのだな?分かった、もう良い」そこで康熙帝は外で嘆願を続けている容若を呼んだ。容若は皇帝に謁見がかない、富喜と引き換えに衛琳琅が欲しいと懇願した。「無礼者め…なぜやらねばならぬ!」康熙帝は思わず容若の胸ぐらをつかんで突き飛ばすと、容若が修理して持っていた梨の花の首飾りが落ちた。「ひとりは信頼する兄弟、ひとりは最愛の女子、まさかその二人が朕を騙すとは!」激怒した康熙帝は思わず宝剣を抜いた。すると琳琅と容若は共に死ぬ覚悟を決める。そんな2人の姿に康熙帝は激しく嫉妬し、2人で死ぬことも許せなくなった。琳琅は再び御前女官に、また容若は正三品(ホン)に昇進した。事情を知らなければ慶事だと思うだろう。しかし恵妃だけはこれが2人を苦しめる罰なのだと分かった。皇帝はどうしても琳琅を忘れられないのだろう。「入内した日から自分なりに覚悟を決めていた…」恵妃はたとえ皇帝が誰を愛そうが初心を忘れまいと自分に言い聞かせた。一方、納蘭明珠は容若が部屋を抜け出して参内したと気づき、戦々恐々としていた。するついにと宮中から皇帝の聖旨が届く。明珠は腹をくくって拝命したが、なぜか息子は昇進していた。皇帝に茶を献上した琳琅、すると康熙帝がよそ見をしたまま手を伸ばしたため茶碗が倒れた。琳琅はその場にひざまずいて謝罪したが、康熙帝は黙って手巾を取り出し、濡れた衣を拭き始める。しかしその手巾は旅先の梨の木の下で拾った琳琅の手巾だった。手巾には″鴛鴦″と″想いはあなたと同じ″という刺繍がある。「朕の勘違いだったのだな…」←というか勝手な思い込み( ̄◇ ̄;)康熙帝は急に虚しくなり、容若を連れて出て行った。康熙帝は久しぶりに修練場にやって来た。ここはかつて容若たちと一緒にオーバイを倒した場所、そこで康熙帝は本気の喧嘩で決着をつけようという。激しく取っ組み合う2人、すると康熙帝は当時、容若には生き残って必ず清国の繁栄を見届けて欲しいと言ったことを思い出し、ふと手を止めた。恵妃は明日の誕生日を前に皇帝を訪ねることにした。するとちょうど修練場から出てくる皇帝を見かけて後を追う。しかし皇帝が黙って琳琅を眺めている姿を目の当たりにし、声もかけずに引き返して行った。辛者庫では琳琅の無事を知った翠雋(スイシュン)たちが喜んでいた。一方、出世を目論む長慶(チョウケイ)は偶然、皇太后が輿の上から落とした手巾を拾う好機に恵まれる。そこで長慶は枝を折って手巾を引っ掛け、いっさい手を触れずに皇太后に届けた。「気遣いができる太監ね…」恵妃の誕生日、承乾宮では酒席を準備していたが、皇帝はすっかり忘れているようだった。しかしその時、皇帝の来訪を告げる声が聞こえる。喜んで出迎えに出た恵妃、実は今日が恵妃の誕生日だと伝えたのは小徳子(ショウトクシ)だった。康熙帝は容若と琳琅を連れていた。すると酒席に着いた皇帝に侍女・沈香(ジンコウ)が余興として遊びをしてはどうかと提案する。「鼓を打って花を回す遊びはいかがですか?負けた者が質問に答えるのです 答えられない時は罰として酒を3杯…」恵妃は侍女を叱ったが、康熙帝は沈香に太鼓を打つよう命じ、大勢の方が楽しいと琳琅や納蘭逸(ナランイツ)も座らせた。沈香は目隠しをして太鼓を叩き始めた。すると皇帝が花が持ったところで太鼓が止まる。「あ…朕が答えるのだな、では恵妃よ、質問は誕生日のそなたが…」「では簡単な質問を…」恵妃は自分の生まれた年を聞いた。しかし康熙帝はど忘れしたのか、自ら罰杯を飲む。そこで恵妃は次に自分が入内した季節を聞いたが、康熙帝は思い出せなかった。「(グビグビグビ…)よし、最後の質問だ」「皇上、私の大好きな花をご存知ですか?」( ̄꒳ ̄)ん…(; ̄꒳ ̄)んん…(; ̄꒳ ̄;)<小徳子…結局、康熙帝は1つも質問に答えられず、罰杯だけで酔いが回ってしまう。気を取り直して2回目、すると今度は容若が花を持った。そこで康熙帝は自分が質問するという。「いつ知り合った?」「…罰を受けます(グビグビグビ)」「答えよ、いつから琳琅を愛したのだ?」「…グビグビグビ」すると康熙帝は酔いにまかせ、琳琅にからんでしまう。「なぜ朕を愛せない?朕が怖いのか?」琳琅は困惑してうつむくと、康熙帝はいたたまれなくなって席を立った。恵妃は皇帝が何1つ答えられなかったことに衝撃を受けた。そんな恵妃を納蘭逸がただ黙って見守っている。「皇上、私はあなたよりひとつ年下、庚子の生まれです、入内したのは秋、大好きな花は蘭…」康熙帝は恵妃が入内した時、蘭の花を下賜していた。その時、恵妃は皇帝から″幽谷の蘭のようになれ″と言われたという。「桃李と艶を争わず、霜雪で色を変えぬ ″蘭は幽谷に咲き 秋 来たりて花 婉婉 我と時を共にし 空山は遠くへ帰らんと欲す″…」これまで決して寵を争わず孤高を貫いて来た恵妃、しかし皇帝にとって何の意味もなかったと知り悲しみに暮れた。都察院(トサツイン)・郭四海(カクシカイ)が陳斌(チンビン)を告発した。陳斌は直隷(チョクレイ)省で起きた干ばつの救済に赴いたが、被災民を少なく報告したため食糧が足りず、民が飢えているという。そこで康熙帝は自分を欺いた罪で厳罰に処すと決めた。すると下がった郭四海と入れ違いに小徳子が現れ、琳琅に皇帝からの薬湯を差し出す。容若は告発された陳斌のこともあり、すっかり毒湯だと誤解した。「皇上、私が代わりに飲みます!」「そちは関係ない」琳琅は迷わず飲み干すと、小徳子が咳が続く琳琅のために皇帝が用意した咳止めだと教えた。翠雋は辛者庫に顔を見せない琳琅を心配し、様子をうかがいがてら小徳子に琳琅の荷物を託した。「琳琅はつつがなくお勤めしていますか?」「あまり…何も聞くな、問題が解決するかは本人次第だろう」小徳子は琳琅の荷物の中に簫(ショウ)を見つけ、皇帝に報告した。「ふっ…そうだったのか」康熙帝はあの時、容若がなぜ自信ありげに簫を吹いているのが女子だと断言したのか分かった。康熙帝は琳琅を隣に座らせ、酒の相手をするよう命じた。「朕は8歳で即位し、10歳の時に実母を亡くした 厳しい皇祖母のもと、朕は名君になろうと努めてきたのだ 14歳で親政を始め、16歳でオーバイを捕らえた… 妃嬪は多いがいずれも政略結婚、朕には妻を選ぶ自由はない」|ω・`).oO(知らんがな@琳琅 つづく(  ̄꒳ ̄)あれ?″一生一世の〜″って翠雋も知ってたよね・・・
2021.09.13
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丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman第33話「愛憎」敏(ビン)夫人は祖国の趙(チョウ)を守るため、それとなく小国の韓と魏(ギ)を先に下して兵力を蓄えてはどうかと進言した。すると嬴政(エイセイ)は確かに趙から兵を引けば内心うれしいだろうと牽制する。しかし敏夫人はすでに秦(シン)に嫁いだ身、心にあるのは秦の利益のみだと釈明した。尚儀(ショウギ)は狩りの一行で事件があったと知り、大急ぎで楚(ソ)良人に報告した。今や麗姫(レイキ)は囚人となり、大王も拷問を黙認しているという。永港(エイコウ)と言えば李斯(リシ)の管轄、楚良人はこれまでの仕返しをする絶好の機会だと喜んだ。楚良人は看守に賄賂を渡し、麗姫と清児(セイジ)の牢に乗り込んだ。そこで2人の髪を切ることにしたが、突然、趙高(チョウコウ)が現れ、邪魔されてしまう。尚儀は李斯の管轄のため見逃してくれと頼んだが、趙高は敏夫人の命令で来たと教えた。「敏夫人のご意向には従われた方が賢明です」すると楚夫人はひとまず引き下がることにしたが、また会いに来ると麗姫を脅して出て行った。趙高は敏夫人の望みは趙の存続、これを阻む者が許せないだけだと説明した。決して卑劣な方法で麗夫人を苦しめるつもりはないという。しかし麗姫は韓非(カンピ)を毒殺し、自分に刺されたと嘘をついた敏夫人を十分に卑劣だと非難した。趙高は協力するなら敏夫人が大王に酌量を求めると持ちかけたが、正義感の強い麗姫を懐柔することに失敗する。「強情を張っているといつか後悔することになりますよ…」その頃、荊軻(ケイカ)と韓申(カンシン)は丹(タン)太子の行方を探していた。樊於期(ハンオキ)は相変わらず韓申の関与を疑っていたが、荊軻は丹太子をさらったのが丹頂門(タンチョウモン)だと気づく。「麗児を救出した時、同じ技を受けた、俺は用心していたからかわせたが…」田光(デンコウ)が外傷もないのにずっと意識が戻らないのは明らかに夏侯央(カコウオウ)の技だ。しかし丹頂門の仕業だと分かっても居場所が分からない。すると韓申がかつて師匠が助けた秦舞陽(シンブヨウ)という男を思い出した。「ああ…会ったことがある、消息通の男か…でも居所が…」「博打好きの男だ、すぐ見つかるさ」一方、麗姫は見回りの看守を呼び止め、李仲(リチュウ)に会いたいと頼んだ。しかし李斯から面会を禁じられているという。麗姫は楚良人が来たことを思い出して規則を破ったのかと脅し、ただ燕太子府の人たちを助けたいだけだと訴えた。「あなたの家族が投獄されたら、何としてでも助けたいでしょう?」すると看守は文ならどうにかして届けると約束した。麗姫は衣服の裾をやぶり、血書をしたためることにした。しかし大王に許しを請うわけではなく、逃亡を知らなかった燕太子府の関係者を釈放して欲しいと嘆願するという。清児はこんな時でも人助けをする麗夫人に驚きながら、大王はなぜ麗夫人の心が分からないのかと嘆いた。「今は天下統一に向けて大切な時、政務や軍務でご多忙なの 秦のためには時に冷酷な決断も必要よ、大王が私を恨む気持ちはわかる でも無実の人は救わなくては…」嬴政は狩り場で李仲から麗姫の血書を受け取った。…私を恨み、罰しても異論はありません…ですが丹太子に仕えていた太傅をはじめ従者、侍女は皆、無実です、どうか放免を「李仲、投獄したのは丹太子を逃亡させたことが理由ではない 師兄のために余を裏切ったからだ…余は心の友と愛する妃に欺かれた」しかし李仲は麗夫人が誰にでも優しく、義に厚いからこそ寵愛しているのではないかと聞いた。実は誰より丹太子の捕縛を望んでいないのは大王だろう。「まだ許せませんか?」「そうではない…余は…何を信じれば良いのか」麗姫を助けたのは韓申だと思っていたが、実際は荊軻だった。嬴政は事実を隠されると不信感が募るという。その時、李仲はようやく荊軻こそ天明(テンメイ)公子の本当の父だと気づいた。「…大王、心中お察しいたします」「分かっている、きっと牢で苦しんでいることだろう…しかし余とて苦しいのだ」一方、韓申と荊軻は予想通り賭場で秦舞陽を見つけた。すると偶然にも秦舞陽と勝負しているのが高漸離(コウゼンリ)だと気づく。荊軻は高漸離との再会を喜び、大師兄を紹介してから秦舞陽の力を借りたいと頼んだ。麗姫の嘆願のおかげで燕太子府の太傅たちは釈放された。太傅たちは是非とも帰国前に麗夫人に挨拶したいと懇願、李仲が永港へ案内する。すると太傅たちは恩人である麗夫人に心から感謝し、その場でひざまずき叩頭した。荊軻と韓申は高漸離と秦舞陽を連れて隠れ家に戻った。そこで経緯を説明し、秦舞陽に丹頂門の行方を知らないか聞いてみる。しかし秦舞陽は損得を考え、ただでは教えられないと言った。「皆は武術の達人だろう?秘中の剣技の1つでも教えてくれよ~」その時、荊軻が目にも止まらぬ速さで秦舞陽の髪を切ってみせる。秦舞陽は一体、何が起こったのか分からなかった。まさに幻の鵠落(コクラク)剣法、高漸離はついに荊軻が体得したと知る。「気に入った…取引成立だ!夏侯央の行方と交換する」「ただしこれは門外不出の剣法、教えられるのは1つだけだ」すると秦舞陽は実のところ丹頂門の根城は邯鄲(カンタン)ではないと話し始めた。李斯は大王に謁見し、麗夫人を収監したのなら丹太子も連れ戻すべきと進言した。実は自分の手先がすでに趙で丹太子の身柄を確保したという。すると嬴政の顔色が一変、密かに私兵を養って他国へ向かわせるとは何事かと激高した。「丹太子の身に何かあれば許さぬぞ!」嬴政の手には麗姫の短剣があった。丹頂門一行は丹太子を連れて秦に向かっていた。すると荊軻たちが現れ、行く手を阻む。鵠落剣法の真髄は暗殺術、荊軻はその俊敏な動きで見事に丹太子を救出した。(๑•̀ㅂ•́)و✧<荊軻めっ!これで済むと思うな!パタパタパタパタ~!🕊)))) ←伝書鳩📄.oO(計画変更、丹太子を釈放せよえーっ!(゚ロ゚ノ)ノ…(๑•̀ㅂ•́)و✧<荊軻、今日はこのくらいで許してやろう!ピューッ!ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘あれ?>(´・ω・)´・ω)(ω・`(・ω・` )<突然、引き上げたぞ?李斯は敏夫人に報告した。大王はかつて丹太子を燕に帰すことはないと断言したが、捕縛したと知るや激怒したという。(  ̄꒳ ̄)<また余計なことをして大王の信頼を失ったのね~敏夫人は手下を使って丹太子を捕縛するなど愚行の極みだと呆れた。猜疑心の強い嬴政は臣下の徒党を最も嫌い、全ての者を支配下に置いておかねば安心できないという。李斯は敏夫人に指摘され、ようやく大王が麗夫人を収監した理由が分かった。すると敏夫人は大王が左丞相・昌平君を忠臣と認めているのは、臣下から嫌われて私党を組む心配がないからだと教える。もちろん本当に権力に無関心なはずがない。昌平君は大王の気性をよく理解し、孤独を装っていれば安心だと知っているのだ。つづく( ๑≧ꇴ≦)夏掌門、楚夫人、樊於期、李斯…後半に入って続々とコント化している不思議w
2021.09.12
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丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman第32話「謀略」敏(ビン)夫人は麗姫(レイキ)が邪魔になり、李斯(リシ)を懐柔した。すると趙高(チョウコウ)は明日の春の狩りが好機になるという。そして翌朝、身支度をしていた麗姫は祖父の形見の短剣がないことに気づいた。「枕元に置いて寝たのに見当たらない、盗まれたのかも…」しかし侍女・清児(セイジ)は麗夫人の短剣を盗む恐れ知らずなどいないと笑い、狩りから戻ったら探すと言った。麗姫は敏夫人と同じ馬車に乗った。そこで道中、二人きりの時を利用し、麗姫は敏夫人に九眼瑠璃珠(キュウガンルリジュ)を見せる。実はこれは楚(ソ)良人が韓(カン)長使に贈った瑠璃珠だった。「敏姐姐も入内した頃、楚良人からもらったはずよ? それに韓長使の袖から白檀の香りがした、白檀を好むのは敏姐姐ね」あの時、麗姫は韓長使が楚夫人の言いなりに見えて本当は敏夫人に追従していると気づいた。確かに楚良人は韓長使に嘘の告発をさせて韓非を陥れ、李斯はその見返りに刺客を雇って自分の殺害を企てたのだろう。しかし李斯も同門の韓非を殺害するほど残忍ではないはずだ。「真犯人は敏夫人、あなたよ」敏夫人は政事に興味のないふりをしながら、裏では誰よりも深く関与していた。恐らく自分を捨てた趙王に復讐するため、嘉(カ)公子に趙の王位を奪わせたいのだろう。敏夫人は麗姫に真相を見抜かれ、動揺を隠せなかった。「太后に聞いたわ、でもこの件を大王に話すつもりはない、力になりたいの」その時、敏夫人が隠し持っていた短剣を出し、麗姫の首に当てた。「おとなしくしていれば友人でいられたものを…お節介が過ぎたわね、消えてもらうわ」すると馬車の中から突然、敏夫人の叫び声が聞こえた。嬴政(エイセイ)は馬を降りて急いで馬車に駆けつけた。すると短剣を手にした麗姫と腕を斬られた敏夫人の姿がある。「大王、麗夫人が私を殺そうとして…」꒰⌯͒•·̫•⌯͒꒱<え?…めいよーじぇんだーめいよー!急遽、春の狩りは中止となり、大王一行は秦王宮へ引き返した。幸い敏夫人の傷は浅く、大事には至っていないという。それもそのはず、敏夫人は自分で自分の腕を斬っていた。しかし短剣は麗姫の祖父の形見、麗姫以外の誰かが持っているはずがない。清児は今朝、剣がなかったと訴えたが、嬴政は麗姫が肌身離さず持っているのを誰より知っていた。麗姫は仕方なく敏夫人の罪を告発した。実は韓非、韓長使、景(ケイ)良人を殺害した犯人は敏夫人だという。敏夫人は楚良人に罪を着せようと瑠璃珠の瓶に毒を入れ、その毒で韓非が自害すると、口封じに韓長使を殺したのだ。さらに楚良人への嫌疑を強めようと景良人を流産させたことを利用し、韓非と同じ毒を使う。太医に聞いたところ景良人は少量の毒を御膳に盛られていた。恐らく敏夫人は侍女を買収し、景良人を少しずつ死に至らしめたのだろう。「確かに証拠は何もありません、でも敏夫人は周りに趙人ばかり集めている 裏切って秘密を漏らす者はいない、たとえ疑われても証言できる者はもうこの世にいません」するとついに敏夫人が牙を剥いた。敏夫人は麗姫が自分を斬ったのは悪事がばれたせいだと訴えた。実は麗姫が丹太子の逃亡に加担しており、人質になったのも計画の一部だったという。すると侍女・小梨(ショウリ)は麗夫人と韓申(カンシン)が離れの寝殿で密談しているのを聞いたと証言した。麗姫は確かにあの時、物音がしたと思い出し、動揺する。「しかも太子府を襲った盗賊は麗夫人の師兄だとか…」そこで敏夫人は李斯を証人として呼んだ。李斯は楚夫人にそそのかされ、麗夫人の誘拐に関与したと認めた。しかしその時、麗夫人の救出に現れたのは韓申ではなく、二師兄の荊軻(ケイカ)だったという。話によれは麗夫人は入内前に荊軻とただならぬ仲だったとか。その時、李仲(リチュウ)はようやく洛陽(ラクヨウ)で麗夫人と一緒にいた師兄の姿を思い出した。…暗かったとは言え気づかぬとは…すると李斯は麗夫人が荊軻に救出され、1日経ってから王宮に戻ったことを怪しんだ。昔の恋仲と2人きりで1日過ごせば、関係が再燃しても不思議ではない。さすがに麗姫は下種の勘繰りだと非難したが、李斯はむきになるのは図星だからかと邪推した。嬴政は麗夫人以外の者を全員、追い出した。「先ほどの話は本当か?…答えよっ!さもなくば直ちに燕太子府の者を全員、殺す!」すると麗姫は仕方なく関与を認めた。ただし師兄が来ると知って手を貸したわけではなく、困難である友人を見殺しにできなかっただけだという。「本当は大王も丹太子の帰国を許したかったはずです」「丹太子の件は口実だ…本当はやつに会いたい一心だったのだろう? 2人で示し合わせてそなたは人質となった、韓申も共犯だな… 余の思いをそなたはやつと共に踏みにじった 丹太子を逃し、心を寄せるふりをして余を裏切っていたとは…これで満足か?」嬴政は結局、麗姫の心にいるのは荊軻だけだと思い知った。「そなたは余を愛しておらぬ、ただ利用し騙しておったのか」「違うわ!大王への想いは誓って真実よ!」「ごぅら!」嬴政はすがりつく麗姫を振り払い出て行った。嫉妬に駆られ逆上した嬴政は麗姫を永巷(エイコウ)に収監した。またちょうど燕に帰ろうとしていた太傅・粷武(キクブ)や使用人たちも捕まってしまう。一方、荊軻は改めて大師兄から本当の目的を聞き出そうとしていた。そこで韓申は実のところ丹太子が目的ではないと教える。「田光(デンコウ)先生には話した、だがすまん、できるだけ内密にしたい」荊軻が麗児と自分が秦側についたと疑うのも無理はない。しかし韓申は麗児が昔のように正義感が強く、少しも変わっていないと言った。「鵠落(コクラク)剣法を習得したことも喜んでいたぞ」「喜ぶ?…侠客から冷酷非道の刺客になったのに?」荊軻は冷ややかだったが、この乱世では誰もが犠牲になっていると理解していた。麗児も、大師兄も、もちろん自分も…。その時、突然、仮面をつけた曲者が現れた。麗姫と清児は張り付けにされ拷問された。李斯はここぞとばかりに麗姫を痛めつけ、密かに燕と通じていた認めるよう迫る。しかし麗姫は決して屈しなかった。「李斯大人に韓非先生の半分でも才知があれば、妃を拷問するよりましな任務に就けたでしょうに 卑怯者には弱い者いじめしか脳がないのね」激怒した李斯は再び麗姫を打てと命じたが、そこへ嬴政がやって来た。麗姫を愛しながら猜疑心を拭い去れない嬴政、結局、麗姫を助けず、帰ってしまう。韓申と荊軻は曲者を追って隠れ家を飛び出した。しかし曲者を始末したところで2人はこれが罠だったと気づく。2人は急いで隠れ家に戻ると倒れた田光と樊於期(ハンオキ)を発見、丹太子が消えていた。嬴政は静養中の敏夫人を見舞った。すると敏夫人は厳しい刑に麗夫人が耐えられるのか心配だと殊勝なふりをする。嬴政は麗夫人の話を嫌がり、それより丹太子をどうすべきか聞いた。「このまま燕に帰すか、それとも兵を出すべきだろうか、どう思う?」「まずは様子を見ては?丹太子が帰国しても挽回はかないません 大王が兵を差し向け追跡すれば天下の人々は大王を無情だと非難するでしょう」そこで敏夫人は敗戦続きで趙が討てないのなら、まず韓と魏を下してはどうかと提案した。嬴政は思わず趙から兵を引けば内心うれしいだろうと牽制する。つづく(  ̄꒳ ̄)どうも樊於期が怪しいw
2021.09.11
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燕云台 The Legend of Xiao Chuo第28話「新たなる戦い」太平王・耶律罨撒葛(ヤリツエンサーグァ)は沙陀(サダ)にいても上京(ジョウケイ)の事情に通じていた。「明扆(メイイ)はどんな条件を出して君を遣わした?」そこで王妃・胡輦(コレン)は景宗(ケイソウ)・耶律賢(ヤリツケン)からの親書を渡した。景宗は兵権を半分、差し出すことを要求し、その代わり罨撒葛が統べていた太宗皇帝の国阿輦(コクアレン)斡魯朶(オルド)を継承させるという。一方、景宗が罨撒葛を呼び戻すと聞いた耶律喜隠(ヤリツキイン)は怒り心頭だった。すると趙(チョウ)王妃・烏骨里(ウグリ)が気まずそうに書斎にやって来る。先の射鬼箭(シャキセン)の件でわだかまりがある2人、しかし烏骨里は罨撒葛が戻っても喜隠に機会はあると助言した。義父・耶律李胡(ヤリツリコ)が皇太弟や皇太叔に封じられながら結局、帝位に就けなかったように、景宗も兵権を持つ罨撒葛をなだめるため称号を与えるだけだろう。「2人は再び争うはずよ、和解はうわべだけのもの」「その通りだ!…さすが愛妃、私がズンドコ…いやどん底に落ちるといつも支えてくれる」こうしてバ…ゲフンゲフン…夫婦は仲直りした。太平王府に主が帰って来た。「もう二度と我らは離れない」「そうね…」罨撒葛は胡輦の手を握りしめ、久しぶりの我が家へ足を踏み入れた。罨撒葛が参内すると、景宗は病床にいた。確かに明扆は明らかに弱って見える。景宗は余命がわずかとなり、帝位を伯父に返したいと伝えた。そこで罨撒葛を皇太叔に封じて国阿輦斡魯朶を返すと決め、その代わり皇后・燕燕(エンエン)と生まれて来る我が子を大切にして欲しいという。太平王が朝議に堂々と姿を見せた。朝堂が騒然となる中、罨撒葛は反逆したことを後悔していると伝え、その証拠に兵権の半分を朝廷に差し出し、今後は粉骨砕身して仕えると上奏する。そこで景宗は太平王・耶律罨撒葛に皇太叔の称号を授け、国阿輦斡魯朶を与えて領地は従来のままとする旨の勅命を下した。女里(ジョリ)は上機嫌で高勲(コウクン)を訪ねた。実は以前くすぶっていた太平王にあえて文を送り、高勲の名も出しておいたという。女里は早速、一緒に太平王を訪ねようと誘ったが、高勲は喜隠が目を光らせていると止めた。「太平王は我らより焦っているはずだ…ニヤリ」その頃、上京で暗躍していた粘木袞(デンボクコン)が太平王府へ駆けつけ、主に拝礼した。「大王!よくぞお戻りに!」「王府もお前も変わっておらぬ、当然、私も変わってはおらぬ…苦労をかけたな」しかし粘木袞は肝心な時に失敗してしまったと肩を落とした。罨撒葛は焦る必要ないとなだめ、秘密を知る者なら全て始末したという。今の情勢なら自分たちに有利、そこで罨撒葛は景宗の望み通り喜隠に噛みついてみようと決めた。景宗を安心させて油断した頃が好機となる。すると粘木袞は喜隠なら女里、高勲と同盟を結んだようだと報告した。「女里からの文が″刀″となる、その刀の切れ味を見る時が来た」そこへ思わぬ来客の知らせが届いた。耶律只没(ヤリツシボツ)に愛想を尽かした寧(ネイ)王妃・安只(アンシ)は罨撒葛を頼ることにした。罨撒葛はまだ若く美しい安只が活路を求めて自分のところへ来たと見抜く。「私の命には何でも従うか?」「もちろんです、大王」そこで罨撒葛は今後も自分に従うなら栄耀栄華を極めさせてやると約束した。( ๑≧ꇴ≦)転んでもただは起きない安只!一方、蕭家の三姉妹は父の墓参りにやって来た。3人は蕭家の後継として選んだ継先(ケイセン)に叩頭させ、これから胡輦が教育すると墓前に報告する。(  ̄꒳ ̄)突然、現れたこの子は…誰?!そしていよいよ燕燕のお産が始まった。燕燕は無事に皇子を産んだ。我が子を腕に抱いて幸せに包まれる景宗、2人の姉たちも甥の誕生を喜ぶ。しかし燕燕は出産直後でありながら、虎に狼を食わせて均衡を保つしかない現状を嘆いた。娘ならまだ良かったが、息子なら標的にされるのは必至、もし敵が目覚めれば共謀して自分たちに刃向かって来るだろう。景宗はともかく今はゆっくり休むようなだめ、自分がいる限り誰にも勝手な真似はさせないと安心させた。耶律只没は二兄の子を見て感激しながら一方で跡継ぎを残せない悲しみに打ちひしがれた。自分が二兄のように冷静沈着だったら、遼の皇族の中に母の子孫もいたはずだろう。位牌の前で泣き崩れる只没、その様子を偶然、回廊を通りかかった安只が見かけた。…申し訳なく思うのは母親と父親にだけなの?じゃあ私は?…子供は仕方ないとしても、権勢すら与えてくれないなんて景宗は皇子の満ひと月の祝宴を開いた。胡輦と烏骨里は燕燕と一緒に後宮で儀式を見守っていたが、早速、事件が起こる。それは月里朵(ゲツリダ)が祈祷を終えて皇子を侍女に渡した時だった。皇子を抱いた侍女はわざと椅子にぶつかってつまずき、皇子を放り投げてしまう。しかし月里朵が飛び出し、身を挺して皇子を抱き止めた。燕燕は皇子の無事を確認して安堵し、代わりに火傷を負った月里朵の手当てを命じる。「どこから来た侍女なの?見ない顔だわ、誰の差金?」すると捕らわれた侍女は奥歯に仕込んでいた毒を噛み、自害した。宴席にいた耶律喜隠は婆児(ハジ)から手先がしくじったと聞いた。またしても失敗した喜隠は憤慨、その様子を見ていた罨撒葛は黙って席を立つ。その時、ちょうど楚補(ソホ)が現れ拝礼したが、罨撒葛は裏切り者に一瞥もしなかった。景宗が急に退出し、祝宴はそこでお開きになった。耶律休哥(ヤリツキュウカ)は何があったのか確認すると、楚補は皇子が狙われたと耳打ちする。一方、一足先に開皇殿を出た罨撒葛は粘木袞と合流した。「愚か者の喜隠は思った以上に気が短い…だが好都合だ、一石二鳥の機会を得た」罨撒葛はこれで景宗が喜隠を除く決意を固めると確信し、女里に会いに行くよう命じた。景宗は皇子が無事だと知って安堵した。思えば射鬼箭の時から狙われていた燕燕、うかつだったと反省し腹をくくる。「私には子供やあなたや遼を守る責任がある もう以前の無邪気な蕭燕燕ではいられない、強大な皇后にならなくては…」景宗は燕燕の覚悟を知り、全面的に燕燕を支持し、後ろ盾となると誓った。皇子を殺めようとした宮女の名は玉宛(ギョクエン)、下級の宮女だったがなぜか儀式に紛れ込んでいた。恐らく黒幕の手引きで宮中の検査をすり抜けたのだろう。景宗は韓徳譲に捜査を任せ、楚補から罨撒葛と喜隠の動向を聞いた。すると罨撒葛は相変わらず王妃とのんびり過ごし、趙王は屋敷に兵馬を集め、よく高勲の屋敷へ行っているという。「高勲を脅しているようです」そこで景宗は2人に動きがあれば報告するよう命じた。侍医・迪里姑(テキリコ)は国事に忙しい景宗を心配し、休みを取るよう諫言した。景宗は出産後の皇后を休ませる間だけだと言ったが、無理がたたって倒れてしまう。その頃、見舞いに訪れた罨撒葛は開皇門の前で弟・耶律敵烈(ヤリツテキレツ)と出くわしていた。「敵烈よ、蛙哥(ワカ)をよく見守れ、蛙哥は我が太宗の系統で唯一の子孫だ 我らの系統はこの先、蛙哥が頼りだぞ」敵烈は兄たちが先に宮殿に入るのを見送った。「先ほどの言葉は意味ありげだな…」「罨撒葛はあなたを悪事に誘い込む気かも?」冀(ギ)王妃・夷蘭(イラン)は罨撒葛に近づかず、平穏に暮らしたいと言った。胡輦も罨撒葛の敵烈への言葉に他意があったと気づいた。まさか景宗が倒れて我慢できなくなり、何か企んでいるのだろうか。しかし罨撒葛はからかっただけだと笑い飛ばした。「あなたの野心は知っているけれど、私たち3姉妹を巻き込まないでね、妹の子どもたちも」すると罨撒葛は自分たちにも息子が欲しいと言った。つづく(^ꇴ^)罨撒葛の復帰でようやく引き締まりましたでも下ネタはなしでお願いします(笑
2021.09.11
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燕云台 The Legend of Xiao Chuo第27話「狙われた皇后」摂政になれると舞い上がっていた趙(チョウ)王・耶律喜隠(ヤリツキイン)だったが当てが外れた。「蕭燕燕(ショウエンエン)さえいなければ私が摂政だったはず ←( ̄▽ ̄;)え? 子を宿したくらいで我が祖母・述律(ジュツリツ)皇后と並び立つつもりかっ…ワナワナ」一方、韓徳譲(カントクジョウ)が流した偽情報により、蕭思温(ショウシオン)暗殺に関わった者たちが追い詰められていた。ε=┌(; ̄◇ ̄)┘<逃げるぞ!@蕭海只(ショウカイシ)この屋敷も見張られてますよ>( ̄꒳ ̄ )=C<o; ̄◇)oそこで蕭海里(ショウカイリ)は女里(ジョリ)から警備図をもらったことにしようと提案する。しかしその頃、女里と高勲(コウクン)もまた保身のため2人を差し出そうと考えていた。捜査を続ける韓徳譲は4月の記録簿に″蕭宰相が女里と高勲に関する告発状を受けた″という記載を見つけた。しかしその告発状が見つからない。もし女里と高勲が盗んだのなら記録も抹消しているはずだ。確かにあらゆる手がかりが女里と高勲を指していたが、問題は景宗を襲う理由がないことだった。「まるで何者かが裏で糸を引いているようだ…こんなことができるのはあの者だけ」\(( °ω° ))/<やっとまともな悪者クルーッ?!女里が朝議で蕭思温暗殺の首謀者として蕭海只と蕭海里を告発した。高勲の話では2人が高家の侍女を弄び、激怒した蕭思温が2人を処罰しようとしていたという。女里と高勲が一緒に調べを進めていたところ、2人の屋敷から警備図が発見されていた。ザワザワ…ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ…ザワザワ蕭海只と蕭海里が景宗と皇后の前に引っ立てられた。すると2人は互いに相手に罪を擦りつけ、その醜い姿に激怒した燕燕は顔を20回、打てと命じる。これで2人は言い訳もできなくなり、それを良いことに女里は2人が従者を買収し、自分を脅して来たと説明した。しかし買収された従者はすでに露見を恐れて自害してしまったという。蕭海只と蕭海里は収監された。首謀者が突然、見つかったことを訝しむ景宗だったが、実は韓徳譲の画策だと知る。徳譲は密かに偽り情報を流し、真っ先に動いたのが女里と高勲だった。追い詰められた2人は刺客を雇った蕭海只と蕭海里を罪人として突き出したのだろう。実は徳譲は蕭思温の背中を刺したのが高勲だと見当をつけていた。蕭思温の近くにいて背中を刺せたのは内部の者の犯行、侍衛の証言では蕭思温を支えていたのが高勲だったという。しかし景宗を狙った別の刺客たちに関してはまだ調べがついていなかった。「しばらく2人は泳がせておきましょう」景宗は燕燕を納得させるためにも、蕭海只と蕭海里を差し出して恨みを晴らさせようと決めた。早く真相を明らかにしなければ朝廷は揺らぎ、燕燕のお腹にいる子にも危険が及ぶ。すると徳譲は秘密裏に証拠を集めたいと申し出た。どうやら蕭思温の暗殺は巨大な陰謀の幕開けかもしれない。徳譲は黒幕に心当たりがあり、慎重に動くべきだと助言して下がった。そこで景宗は婆児(ハジ)に休哥(キュウカ)惕隠(テキイン)を呼ぶよう命じる。「頼みがある…」景宗は蕭海只と蕭海里の処刑を蕭家の3姉妹に託した。そこで耶律喜隠は烏骨里(ウグリ)に″射鬼箭(シャキセン)″を勧める。本来は儀式の際に生贄に対して行われるが、大罪人への処刑にもうってつけだと教えた。ただ大姐は屋敷の差配で忙しく、皇后は身重、喜隠は2人に手間をかけないよう自分が準備を手伝うという。耶律休哥が突然、女里の屋敷に現れた。実は蕭思温の亡骸を調べたところ、なぜか背中に刺し傷があったという。警備を担っていたのは女里、なぜそんな隙が生まれたのだろうか。休哥は刺客がさらに景宗まで狙ったが、これは重罪になるとほのめかした。後ろ暗い女里は焦りを隠せず、何が目的かと聞く。そこで休哥は高勲と甘い汁を吸うなら自分も分け前が欲しいと迫った。「蕭宰相を殺したのは権力が欲しいからだろう?独り占めとは虫がよ過ぎる …高勲より私を味方につけた方が役に立つぞ?」女里が上機嫌で狩りから戻ると、高勲が待っていた。「なぜ休哥を政事令に推挙した?!危う過ぎる!」「休哥は惕隠で皇族の長だ、抱き込んで損はない」女里は休哥なら信頼できると安心させ、これからは手を組むと言った。( ̄▽ ̄;)ダメだこりゃ耶律喜隠と撒懶(サツラン)は今日の射鬼箭で身重の燕燕が矢倉から落ちるよう階段に細工をした。「皇后が矢倉に上がる時、烏骨里だけを止めよ」「大王、高い台ではありません、何も言わぬのが得策でしょう 王妃にも秘密にすれば、誰にも疑われることはありません」しかし偶然、回廊で話を聞いた烏骨里が書斎に乗り込んでくる。「燕燕に罠を仕掛けたの?!」「少し灸を据えようと思っただけだ、燕燕は私から摂政の座を奪った ←まだ言ってる( ̄▽ ̄;) …私を支えてくれる約束だろう?」一方、街に出ていた韓徳譲は信寧(シンネイ)から射鬼箭で使う矢倉を作った匠が趙王の配下だったと報告した。「何か細工を施したのでは?」「…まずい!」蕭海只と蕭海里の処刑が始まった。燕燕たち3師妹は処刑台の蕭海只と蕭海里に矢を放つため、矢倉に上がる。胡輦は身重の燕燕に先に行くよう勧め、その後ろから心配そうに烏骨里が続いた。思わず燕燕を支えようとする烏骨里だったが、ふと夫の鋭い視線に気づいて手を引っ込める。しかしその時、突然、韓徳譲の叫び声が響き渡った。「皇后!危ない!」驚いた燕燕は足を止めて振り返ると、ちょうど一段上に上がった侍女・青哥(セイカ)の足元が崩れ、転落した。韓徳譲の予感は的中、やはり皇后を狙って矢倉に細工があった。胡輦は延期してはどうかと提案したが、燕燕は気丈にも続けるという。こうして3人は矢倉に上がって罪人に矢を放ち、父に敵を討ったことを報告した。燕燕は階段が崩れる直前に二姐が自分の腕をつかんで助けたことに気づいていた。実の姉が耶律喜隠の企みを隠していたことに衝撃を受ける燕燕、しかし景宗は烏骨里が最終的に妹を選んだとかばう。しかし今回、妹を選んだからと言って次も妹を選ぶとは限らなかった。一方、計画が失敗に終わった耶律喜隠は烏骨里に八つ当たりしていた。烏骨里は妹を見捨てることなどできないと訴えたが、喜隠は甘過ぎるという。「この道がどれほど残酷か知らぬのか!」「あなたが妹を傷つけるなら私は妹を守る!でも妹があなたを傷つけるなら妹と戦う!」「…両方を選ぶことなどできぬ」「それでも選びたいの!燕燕と大姐には手を出さないで!」「甘いっ!」すると喜隠は憤慨して出て行ってしまう。胡輦のもとに罨撒葛(エンサーグァ)から文が届いた。上京(ジョウケイ)で別れて数ヶ月、罨撒葛も蕭思温の訃報を聞いて心を痛めているという。「私は沙陀(サダ)にいる、1日も早く再会し君と寄り添いたい」←まさか下ネタじゃないよねwすると胡輦は参内し燕燕に会うことにした。燕燕は耶律喜隠に手を出せば皇族たちに不安が広がると心配した。景宗は身体が悪く、自分も大きなお腹でままならない。軽率に動けば喜隠は逆襲して来るだろう。しかし韓徳譲はこのまま喜隠を野放しにはできないと訴えた。「私にも考えがあるの…大姐が来たわ」燕燕は景宗と徳譲に罨撒葛からの文を見せた。胡輦なら烏骨里と違い夫を牽制できる。今や喜隠は高勲や女里と組んで大きな勢力を築き、これに対抗できるのは太平王しかいなかった。燕燕は″虎″と″狼″の均衡を利用し、その間に力を養うことができるかもしれないと期待する。「どれだけ危険か分かっているのか?」「…私たち夫婦、そして子孫が乗り越えるべき山よ、逃げては駄目 罨撒葛を呼び戻し、私たちの目の届く所へ置くの、困難は一緒に立ち向かいましょう」燕燕が優しく景宗の手に触れるのを見た徳譲は思わず目を背けた。「はお、そなたに従おう」燕燕は寝宮に戻ることにした。すると追いかけてきた韓徳譲が回廊で呼び止める。「皇后、その場しのぎで罨撒葛を呼び戻すのはあまりに危険すぎます …もし罨撒葛のために姐妹が反目するようなことになれば…」「私にとって大事なのは情より国です、大姐も同じはずよ」徳譲は燕燕がすでに立派な皇后になっていると知った。沙陀の罨撒葛の軍営に胡輦が現れた。一瞬、目を疑った罨撒葛だったが、千里を駆けて会いにきてくれた愛する妻を自ら迎える。「ようやく会えた」罨撒葛は人目もはばからず胡輦を抱きしめ、目を潤ませた。そこで配下たちに今後は太平王妃を自分だと思い、逆らってはならないと命じる。「再会を祝し、禁酒を解いて大いに飲もう!」しかし罨撒葛は景宗が胡輦を遣わしたと分かっていた。つづく(  ̄꒳ ̄)立ち上がる皇后→狙われた皇后…次は狙い過ぎた喜隠かな?
2021.09.10
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上阳赋 The Rebel Princess第4話「子隆の失敗」寧朔(ネイサク)軍の3代目首長・蕭綦(ショウキ)は20万人の兵士を率いて忽蘭(クラン)王を討ち取り、その功績を称えられ豫章(ヨショウ)王に冊封された。ここに建国以来初めて馬(バ)姓以外の王が誕生する。三皇子・子澹(シタン)は開宴するとすぐ恩人である蕭綦のもとへ向かった。そこで敬意を表して一献しようとしたが、蕭綦は酒が飲めないので水だと断ってから杯を交わす。そんな中、ひとり落ち着かない様子の皇太子・子隆(シリュウ)がいた。子隆は頃合いを見計らって宴席を抜け出し、華光殿に戻った。そこで使用人たちを全て追い出し、寝所に入ってその時を待つ。しかし何者かが密かに迷香を置いていた。蕭綦は息抜きに大殿を出て風に当たることにした。一方、皇后に呼ばれた上陽郡主・王儇(オウケン)はなぜか叔母の昭陽殿ではなく、皇太子の華光殿に案内される。「ここなの?…誰もいないわ」「皇后殿下が静かな場所で話したいとおっしゃって…」仕方なくは王儇は前庭に入ると、徐(ジョ)乳母と宦官は静かに門を閉めて錠をかけた。王儇は正殿に入った。しかし叔母の姿が見当たらず、仕方なく奥殿の戸を開けると、誰かの房事を目撃してしまう。すると寝台の御簾を開けて皇太子が顔を出した。「阿嫵(アーウォ)?…あれ?阿嫵?」驚いた阿嫵は慌てて逃げ出したが、門が開かなかった。そこへあられもない姿の皇太子が駆けつけ、間違いが起こったが、愛しているのは阿嫵だと迫る。「来ないで!恥知らず!」恐怖におののいた阿嫵は襲いかかる皇太子を蹴り飛ばし、木に登って塀の上に上がった。無我夢中で細い足場をよろよろと歩いて行く阿嫵、やがてうっかり足を滑らせ落下してしまう。その時、咄嗟に駆けつけた蕭綦が阿嫵を抱き止めた。「…なぜあなたが?」阿嫵はそのまま蕭綦の腕の中で意識を失ってしまう。↓郡主が15歳だから…将軍は18歳くらい?…( °◊° )え?皇后は是が非でも阿嫵を皇太子妃にすべく、子隆と無理やり関係を持たせて婚姻させようと企んだ。しかしその計画を知った何者かが謝宛如(シャエンジョ)を阿嫵より先に華光殿へ案内してしまう。その時、媚薬で我を失っていた子隆は宛如を阿嫵だと思い込み、無理やり寝台へ連れ込んでいた。皇后は乳母から計画の失敗を聞いた。しかも貞操を奪われた宛如が自害しようとしたことから、皇帝の知るところとなる。皇帝は実は子隆が阿嫵を手込めにしようと企んでいたと知り、烈火の如く怒った。「愚か者!太子の座はお前にはやれぬ!」驚いた皇后は再考を嘆願すると、皇帝は今日のところはともかく華光殿を訪れた徐乳母以外の者に毒酒を飲ませるよう命じた。その夜、知らせを聞いた丞相・王藺(オウリン)が昭陽殿に駆けつけた。危うく娘を傷つけられるところだった王藺は浅はかな皇太子を引っ叩き、甥と言えども突き放す。「舅舅…誓います、阿嫵をあきらめます」「今度、問題を起こしたら王氏は助けぬ…すぐ宛如と婚姻し、太子妃に迎えよ」子隆は意気消沈して昭陽殿を出ると、子澹が待っていた。すると子澹は兄を殴りつけ、謝氏の女を陵辱し、自死に追いやりかけたと猛烈に抗議する。子隆は口からあふれ出した血に呆然、しかし子澹は再び兄を殴りつけ、倒れた子隆の上にまたがった。「これは阿嫵の分だ!こんな屈辱を受けたのは初めてだ! いいか!これは警告だ!今度、阿嫵に手を出したらこれでは済まないぞ!」阿嫵は衝撃のあまり高熱を出して倒れた。晋敏(シンビン)長公主・馬瑾若(バキンジャク)は枕元で娘の手を握りしめ、兄・王夙(オウシュク)は皇太子への怒りがおさまらない。そこへ遅れて王夙の妻・桓宓(カンヒツ)が見舞いにやって来た。すると王夙は妹を静かに休ませたいと言って世子妃を追い返してしまう。馬瑾若は息子夫婦の仲を心配していた。婚姻して数年経ったが、一向に孫を抱ける様子はない。一方、皇后はひどく殴られた息子の顔を手当てしながら子澹への恨みを募らせた。しかし子隆は自分の過ちだと認め、三弟だけでなく父皇も叔父も謝貴妃も怒らせてしまったと嘆く。「私は宛如に興味はありません…生涯、夫婦のふりをして生きろと?」「あなたの意見は通らない」皇后は太子の位を守るためには宛如と婚姻しなければならないと諭した。その夜、蕭綦は中庭で草笛を吹きながら、上陽郡主を抱き留めた時のことを思い出していた。「大王?どうされました?」すると腹心のひとり、宋懐恩(ソウカイオン)がやって来る。「草笛の音色もいつもと違いますね?…もしや日中、救った女子のことを想っていたので?」「…月が明るい、眠れないのなら庭を100周、走って来い」蕭綦は宋懐恩に胸中を見透かされ、照れ隠しに追いやった。皇帝は皇位争いに巻き込まれた宛如に胸を痛めた。確かに皇座に就くため琅琊王(ロウヤオウ)氏の力を借りたが、今となってはその事実が足かせとなる。実のところ子隆は単純すぎる男で隠し事すらできない。それでも王氏の息子であるがゆえ、いずれ皇位を継承しなくてはならなくなった。謝氏の娘を蕭綦に嫁がせ王氏をけん制しようと考えたが、子隆の思わぬ過ちにより計画は水泡に帰してしまう。…もはやこの機に乗じて決断するしかない、禍根を残さぬためにも…いつの間にかうたた寝していた馬瑾若、ふと目を覚ますと肩に王藺の外套がかかっていた。その頃、屋敷に戻った王藺は弟の王栩(オウク)から報告を聞いていた。実は皇太子の寝所で迷香が見つかり、調べたところ催淫効果のある媚薬だったという。歴代の王朝で禁じた薬だったが、後宮では寵愛を争う側室たちが欲しがり、禁止できなかったという曰くつきの薬だった。「太子と宛如はこれを嗅いだのでしょう」宛如は女官から皇后が呼んでいると言われて華光殿に案内されていたが、その女官は生死すら不明だという。恐らく何者かが皇太子と阿嫵の婚姻と同時に謝氏と蕭綦の縁談も頓挫させたのだ。三皇子は刺客に狙われ、顧庸(コヨウ)は殺され、そして華光殿の騒動、見たところ徳を得るのは王氏でもなければ謝氏でも皇帝でもない。王藺は禁衛兵に調査させると決めたが、その前に解決すべき問題があった。「皇帝が太子を廃位しようとしているらしい …皇帝が先に仁の道に背いた、私が不義になるのも責められまい(はっ!)誰だ!」王藺は回廊に誰かがいると気づいた。そこで王栩が様子を見に行こうとしたが、その時、馬瑾若が入って来る。馬瑾若は夫の外套を抱え、書斎の明かりが見えたので寄ったと言ったが、王栩が来ていると知って戻って行った。「大哥?嫂嫂に聞かれたでしょうか?」その夜、馬瑾若はなかなか寝つけなかった。…そなたは余の妹か、丞相の妻か…皇兄の言葉を思い出し、馬瑾若の心は大きく揺れる。そして翌朝、阿嫵は薬のおかげかすっきり目が覚めた。「夢に子澹哥哥が出て来たわ」すると侍女・蘇錦児(ソキンジ)が失笑し、実は三皇子が昨夜、来ていたという。三皇子は郡主を休ませたいので起こさないよう頼み、そのまましばらく庭で見守ってから帰っていた。皇帝は宛如を皇太子妃にするという王藺の救済策を謝淵に伝えた。しかし謝淵は悪辣な皇太子の廃位を求める。「子澹を太子にしては?良い機会です!」「…たやすくはない、必ず一度で成功させなくては…」実は皇帝も華光殿の一件には背後で操る者がいると疑っていた。「探せ」皇帝は皇后に子隆と宛如を婚姻させると命じた。「それで終わりにする、しかし覚えておけ、これがお前たちに与える最後の機会だ」この一件で皇帝と皇后の溝はいっそう深くなり、皇后は思わず積年の恨みを爆発させてしまう。「かつては夫の愛に生きようとしました、でもあなたが守るのは別の女ばかり… 私の願いを切り捨てたのは誰でしょう?陛下が私に投げられた言葉を忘れません! 一体なぜこうなったのです?!」「そなたは王氏の女であり、余は皇帝だ…仕方がない」そんな2人の言い争いを王藺が回廊で聞いていた。王藺が娘の寝宮を訪ねると、なぜか阿嫵が外にいた。王藺は傷ついた娘を抱きしめ、何をしていたのか聞く。「宛如姐姐に会いたいけど…余計に苦しめそうでためらってるの」「…太子妃になるのを嫌がる女子は愚かな阿嫵を除いてこの世にいないだろう」「姐姐は太子妃になるの?!ひどい目に遭わされた人に嫁ぐなんて… 豫章王には何て説明するの?」「そう言えば豫章王に助けられたあと、礼を言っておらぬな」すると王藺は自分が代わりに伝えると言って戻って行った。一方、子澹は父皇に謁見し、皇太子を殴ったと謝罪して罰を請うた。しかし皇帝は自分の代わりに殴ってくれたと許してくれる。「父皇、お願いがあります」つづく( ๑≧ꇴ≦)急にオスマン帝国外伝が始まったわw今日の口ぶりだと皇后もいやいや嫁いだフラグ?
2021.09.10
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上阳赋 The Rebel Princess第3話「王の冊封」実の姉妹のように仲の良い上陽郡主・王儇(オウケン)と謝宛如(シャエンジョ)。宛如は今日も阿嫵(アーウォ)を訪ね、三皇子・子澹(シタン)の怪我なら回復していると安心させた。喜んだ阿嫵は目を輝かせ、すぐにでも子澹に嫁ぎたいと夢を見る。そんな無邪気な阿嫵の笑顔を見ながら宛如はふと顔を曇らせた。「どうしたの?何かあった?」「私…婚姻するの」宛如は許嫁が寧朔(ネイサク)将軍・蕭綦(ショウキ)だと言って肩を落とした。確かに蕭綦は英雄で王に封じられるが、宛如にとって武勇伝などどうでも良いことだという。あと数日で蕭綦は皇都に入り、入城の儀で皇帝が出迎えることになっていた。「ねえ、見物に行ってみない?」「でも女子は入城の儀に行けないわ」王家の世子・王夙(オウシュク)は今日も涼亭で美人画を描いていた。そこで阿嫵と宛如は入城の儀に連れて行って欲しいと頼んだが、その時、ちょうど父の丞相・王藺(オウリン)が通りかかる。阿嫵は仕方なく正直に蕭綦がどんな人か見てみたいと話したところ、父は兄と一緒に行って豫章(ヨショウ)王の軍威を見て来いと許してくれた。「阿嫵が男なら憂慮せずに済むのだが…」肝心の世子は酒や書など道楽ばかり、王藺は自分の絵を描いてみろと言ったが、王夙は黙って寝宮に引き上げてしまう。一方、晋敏(シンビン)長公主・馬瑾若(バキンジャク)は意を決し参内していた。そこで皇兄への謁見を前に貴妃謝(シャ)氏を訪ねる。すると謝貴妃もやはり子澹と阿嫵を襲わせたのが皇后だと疑っていた。2人はその陰湿なやり方に反発、子供たちのために一緒に婚姻を嘆願しようと決める。大成皇帝・馬曜(バヨウ)は妹と寵姫からの頼みを聞き入れ、子澹と阿嫵の婚姻を認めた。喜ぶ長公主だったが、皇帝は2人だけで話があるという。皇帝は母の命で王氏に嫁がされた妹をずっと不びんに思っていた。しかし馬瑾若は自分の子どもたちが幸せなら満足だと話し、駙馬(フバ)とは同床異夢だという。「元より王氏の権力は強いが、ここ数年、王藺の勢力が朝廷でも大きくなっておる 余には備えが必要であろう、ひとつだけ聞く…今のそなたは余の妹か?丞相の妻か?」屋敷へ戻った長公主は娘に謝貴妃から託された玉の腕輪を渡した。この腕輪は高価な品ではないが、謝貴妃が母から受け継ぎ、子澹に嫁ぐ娘に渡すと決めていたという。阿嫵は大喜びで母に抱きつくと、そこへ父が帰って来た。しかし阿嫵は父には腕輪をもらったことを秘密にして部屋に戻ってしまう。翌朝、王藺の弟・王栩(オウク)が興味深い情報を持って来た。刺客の件で異民族を探していた顧庸(コヨウ)が遊郭で二皇子・子律(シリツ)に遭遇したという。すると家職・王安(オウアン)が皇太子と二皇子が来たと声をかけた。皇太子・子隆(シリュウ)は長公主と謝貴妃が皇帝に謁見したと知って焦った。そこで贈り物を持って阿嫵に結婚の申し込みにやって来たが、けんもほろろで取り付く島もない。すると息子が無駄足を踏んだと聞いた皇后は、蕭綦の冊封の宴に阿嫵を呼ぶよう命じた。蕭綦を出迎える入城の儀の準備が始まった。大臣たちが城門の前に集まる中、早速、王藺と謝淵(シャエン)は蕭綦との縁談の話題で牽制し合う。その頃、阿嫵は城楼へ真っ先に駆け上がり、高楼から元気そうな子澹の姿を見つけた。思わず見つめ合う2人、すると皇太子と二皇子も阿嫵が来ていると知る。その時、ついに寧朔軍が到着、蕭綦は兜を外して皇帝の前で片膝をついた。蕭綦を見た子澹は刺客から助けてくれた恩人だと気づいて驚いた。遠くから見下ろしている阿嫵はまだ気づいていないらしい。 ←と思うけどどう?すると皇帝は自ら蕭綦のもとへ歩み寄り、一緒に宮殿へ向かうことにした。その時、突然、城門から顧庸が冊封に反対する抗議文と一緒に飛び降り、自害してしまう。王藺は顧庸の自害の調査を申し出た。すると皇帝は顧庸の息子がすでに他界しているため、孫娘・顧采薇(コサイビ)を雲瑶(ウンヨウ)県の県主に、もう1人の孫・顧閔汶(コビンムン)には父の俸禄を継がせ、顧庸を埋葬した後に中書省へ復職させるよう命じる。しかし謝淵はいくら顧庸が蕭綦の冊封に反対していたとは言え、命までかけるだろうかと訝しんだ。冊封の祝宴は数日後に延期になった。謝淵は娘婿のために準備した豪華な屋敷へ蕭綦たちを案内する。実は寒門出身の王に多くの大臣が反対し、中でも顧庸は何度も皇帝に諫言していた。しかし謝淵は蕭綦の後ろに謝氏がついていると安心させ、そこで帰ることにする。一方、王藺と王栩は検視官の報告を聞いていた。すると死亡時刻から顧庸が自死を装った他殺だったと分かる。王藺は検視官に口外しないよう釘を刺し、黒幕が誰なのか考えた。最近の顧庸と言えば例の刺客の捜査で忙しかったはず、もしや糸口を見つけて殺されたのだろうか。「顧庸は我ら王氏側の者になってから兵部を管掌し、天下兵馬を統括しておった この者の死により、兵部にも変化が生じるだろう…」近頃の宮中はまるで蕭綦の冊封に合わせるかのように怪奇な事件が続いた。王栩はこれがもし王氏を脅かすための策略なら、禁衛軍にも準備させた方が良いと提案する。「波風を立たせるつもりだ…早めに備えさせよう、皇后には知らせるな」皇后は阿嫵を皇太子妃にするため、強硬手段に出ることにした。さすがに乳母は考え直すよう嘆願したが、皇后は王氏の私事ゆえ万一の時は自分が片をつけると安心させる。その話を立ち聞きしている宦官がいた。その夜、子澹と阿嫵は裏庭の塀の上で肩を寄せ合っていた。2日前に会ったばかりの顧庸の死に衝撃を受ける阿嫵、すると子澹は笑顔になるよう告げる。「阿嫵にはずっと笑っていて欲しい…私がそばにいる、怖がらなくていい」月明かりに照らされる仲睦まじい2人の姿、しかしちょうど帰って来た王藺に見られていた。そこで王藺は翌朝になると裏庭の木を切ってしまう。蕭綦の冊封の祝宴の日、宛如はまだ蕭綦との婚姻に承諾しなかった。謝淵は蕭綦が100年の家門である謝一族に役立つ男だと説得したが、宛如は自分を駒にするのかと非難する。激高した謝淵は娘を思い切り引っ叩き、有無を言わせず蕭綦に嫁がせると言った。その頃、阿嫵は祝宴が開かれる大殿に向かっていた。すると回廊の途中で皇太子の乳母に呼び止められ、皇后が呼んでいると知る。「皇后は独りでお越しになるようにと…」阿嫵は仕方なくそこで侍女・蘇錦児(ソキンジ)と別れた。こうして様々な思惑が錯綜する中、蕭綦は豫章王に冊封される。つづく
2021.09.09
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第16話「傍の恋敵」納蘭逸(ナランイツ)は衛琳琅(エイリンロウ)が記憶を取り戻しつつあると恵(ケイ)妃に報告した。今はまだ自分が何者かまでは分かっていないが、早かれ遅かれ思い出すだろう。そこで恵妃はついに琳琅を始末しようと決めた。しかしそこへ深傷を負った容若(ヨウジャク)が現れ、琳琅の命乞いをする。恵妃は愛する弟の願いを仕方なく受け入れたが、無理をした容若はそのまま卒倒した。康熙(コウキ)帝は琳琅に会いに御薬房へ出かけた。すると琳琅が肌身離さず下げていた首飾りがないと気づく。琳琅はうっかりなくしたと言ったが、その首飾りは容若が怪我を押して懸命に修理していた。そうとは知らず、康熙帝はお茶を運んできた琳琅に実母の形見の指輪を通した首飾りを贈った。琳琅はさすがに恐れ多いと辞退したが、康熙帝は自分にとって一番大切なのは琳琅だという。驚いた琳琅はこれ以上、皇帝を欺くことができず、実はこの8年間、想い続けた人がいると告白した。傷心の康熙帝は兄弟のように信頼する容若にだけは苦しい胸の内を明かした。「天下を握っても愛する女の心をつかめぬとは…何とも滑稽な皇帝だな」まさか目の前にいる容若こそ恋敵だとも知らず、康熙帝は琳琅に想い人がいると教える。「琳琅を悲しませる男が目の前にいたら決して許さぬものを…」←( ๑≧ꇴ≦)後ろ後ろ!結局、康熙帝は琳琅を希望通り辛者庫に戻すことにした。納蘭逸は恵妃に琳琅が辛者庫に戻ったと報告した。理由は分からないが皇帝を怒らせたようで、これを機に自分が害を取り除くと告げる。しかし恵妃は納蘭逸の身を心配した。「お前が身を捨てて悲しむ者がいないとでも思う?この件は忘れなさい」納蘭逸は恵妃の思いやりのある言葉に胸を打たれた。琳琅が辛者庫に戻ると、女官頭・閻(エン)は念のため下手に出た。しかし皇帝が琳琅を気にかけている様子もなく、いよいよ琳琅を見捨たのかと考える。一方、様子見していた長慶(チョウケイ)は再び琳琅に接触し、手を組まないかと持ちかけた。その様子を偶然、芸初(ウンショ)が見かける。すると琳琅はにべもなく断った。長慶が不機嫌そうに帰ると、芸初は慌てて琳琅に駆け寄り、喧嘩でもしたのかと心配する。「もしかして哥哥のことが嫌いなの?」「陰険な人だわ、関わらない方がいい」長慶は琳琅を罠にはめ、ちょうど衣を取りに来た端(タン)嬪の侍女・暁児(ギョウジ)の前でつまずかせた。琳琅は侍女にぶつかって転倒、巻き込まれた暁児は激怒して琳琅の手を踏みつける。すると騒ぎに気づいた閻姑姑がその様子を見に来た。そこで長慶はどうやら本当に皇帝から見限られたらしいと吹き込む。閻姑姑ははやり琳琅が皇帝に見捨てられたと確信し、ほくそ笑んだ。翠雋(スイシュン)は琳琅の手の傷に薬を塗ってやった。すると芸初は最近、琳琅の手の平におまじないの虎の絵がないと気づく。「気が沈むなら描いてみたら?勇気がわくって言ってたでしょ?」そこで琳琅は久しぶりに虎の絵を描いた。恵妃は皇帝が琳琅をまだ気にかけていると気づいていた。そんなある日、琳琅が衣を届けに承乾宮にやって来る。恵妃は琳琅を呼び止め、″不治の重病以外では宮中を出られない″とほのめかした。「本気で出たいならすべきことは分かるはずよ?」玉の輿を夢見る画珠(ガジュ)は端嬪の美しい衣に目を奪われた。誰もいないのを良いことに衣を広げて自分の胸に当ててみると、紛れ込んでいたかんざしが落ちる。喜んだ画珠はかんざしを手に入れ、急いで衣を畳み直して出て行った。すると入れ違いで閻姑姑がやって来る。閻姑姑は琳琅への嫌がらせに、こっそり端嬪の衣を汚しておいた。暁児が端嬪の衣を受け取りに来た。しかし衣の後ろがすすで真っ黒になっている。激怒した暁児は女官頭を呼びつけると、閻姑姑は御前侍女だった琳琅に指図することなど恐れ多いと訴えた。琳琅は仕方なく罰を受けると申し出たが、暁児は叩くのも面倒だと呆れ、3日間ひざまずけと命じて帰ってしまう。すると琳琅が罰を受けた話はすぐ恵妃の耳に入った。康熙帝は琳琅の苦境を知らず、太皇太后と談笑していた。国の繁栄と静かな余生を願うだけだという太皇太后、すると康熙帝は必ず良い皇帝になると約束する。康熙帝はしばらく祖母と書物を楽しみ、御書房の外まで見送ることにした。「この数日、急に寒くなりましたね…雪まで降り出したわ」「皇祖母、外でお寒くないように手套(シュトウ)を作らせました」すると太皇太后は喜んで手を通し、帰って行った。その夜、康熙帝はふと辛者庫まで歩いて行った。まさか琳琅が雪の中でひざまずいているとも知らず、康熙帝は意地を張って会わずに帰ってしまう。その時、琳琅は薄れゆく意識の中、愛しい容若との思い出に浸りながら、ついに倒れていた。翌朝、酔い潰れている容若のもとに恵妃から密書が届いた。「馬車を!早く!」一方、目を覚ました翠雋は急いで琳琅の様子を見に行った。しかし琳琅の姿がない。すると閻姑姑は意味ありげに閻魔様が連れて行ったと笑った。激怒した翠雋は思わず閻姑姑につかみかかったが、画珠と芸初が慌てて止める。「琳琅に何かあったら許さないから!」「ふん、琳琅はここで死ぬ運命なのよ~だ!」その頃、意識を失った琳琅は恵妃の指示で宮外へ運ばれようとしていた。するとちょうど皇帝の一行が通りかかり、宦官たちはいったん止まって拝礼する。康熙帝は辛者庫で誰かが亡くなったと気に留める様子もなかったが、ふと亡骸の手に見覚えのある虎があったと気づいた。「琳琅?…止まれ!」恵妃は城楼から琳琅が運ばれる様子を眺めていた。門の外にはすでに容若が待っている。これで全て解決した、そう思った矢先、突然、皇帝が現れた。「止まれ!琳琅!」宦官たちは門の手前で慌てて担架を降ろし拝礼、すると康熙帝は白い布をめくりあげ、琳琅を抱き抱えて連れ戻してしまう。呆然となる恵妃、一方、知らせを聞いた容若は喀血して倒れた。琳琅を診た太医は手遅れだと言った。しかし康熙帝はあきらめきれない。一方、意識を取り戻した容若は慌てて参内することにした。そこへ父・納蘭明珠(ナランメイジュ)がやって来る。「話は恵妃娘娘の使いに聞いた…どこへも行かせんぞ!」つづく( ๑≧ꇴ≦)えーっ!またしても失敗!www
2021.09.08
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丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman第31話「黒幕」韓長使(カンチョウシ)の子供をもらい受ける計画が頓挫した楚(ソ)良人。そこで陸(リク)太医を呼び、協力しないなら全て暴露すると脅した。翌朝、嬴政(エイセイ)は麗姫(レイキ)の勧めで久しぶりに南宮に幽閉した母を訪ねた。しかし想像以上に心を病んだ母を前に嬴政は衝撃を受ける。するとそこへ尚儀(ショウギ)が駆けつけた。実は楚良人が転倒し、その後、腹痛を起こして流産したという。陸太医は大王に母体に大事はないと報告して下がった。大王は全く疑う気配もなく、楚良人は傷ついて弱った演技を見せる。趙高(チョウコウ)は思わず後宮の風水を変えてはどうかと提案した。景(ケイ)良人、韓長使に続いて楚良人の子まで産声を上げられないとは不吉だという。しかし嬴政は趙高の軽口を叱り、楚良人に春の狩りも皇宮で休むことを認めた。ソ  ̄꒳ ̄)<はあ~やっとコントが終わった~大王が帰ると楚良人は安堵し、これも勝手に王宮を抜け出した韓長使のせいだと八つ当たりした。すると尚儀が麗姫と韓長使は密かに親交を深め、懐妊の件も麗姫が大王に口添えしたと報告する。ソ  ̄꒳ ̄)<どうせいつものお節介でしょう?しかし尚儀は麗姫が大王の前で楚良人を追い込みながら、急に取り澄まして″敏(ビン)夫人に関わらない方が良い″などと助言するのは矛盾していると指摘した。そもそも敏夫人とは親友のはずなのにおかしい。今朝は南宮でも麗姫と太后が親しそうだったが、何のための根回しかは察しがついた。「私は心配なのです… 麗姫が大王ばかりか太后と敏夫人を抱き込めば楚良人の立場が弱くなるばかりです」「間違いない!全ての黒幕は麗姫だわ!」←1周回ってそこw↓楚夫人も蟹タイプその夜、嬴政は麗姫と過ごしながら不安を口にした。「大切な者が次々と離れて行く…」母の心が壊れ、楚良人の子も亡くなり、成蟜(セイキョウ)や丹(タン)太子は去った。これも自分の猜疑心の強さのせいなのか。 ←割と冷静( ̄▽ ̄;)麗姫は洛陽(ラクヨウ)で嬴政と一緒だった公子が成蟜だと思い出し、2人は仲が良かったと懐かしんだ。しかし入内してから知ったが、成蟜は大王を裏切って流刑になったという。「裏切ったのは余の方だ…」成蟜は生来、温厚だった。腹違いであり、立太子の際に波風はあったが、嬴政を兄として敬愛し、常に尊重してくれたという。嬴政は讒言を信じて謀反だと決めつけ、成蟜の苦しみを分かってやれなかったと後悔した。「思い返すたび胸が痛む…悔いても悔い足りぬ…大切な弟を余は見捨てたのだ」すると麗姫はそっと背後から腕を回し、嬴政を抱きしめた。嬴政は韓申(カンシン)と双六に興じていた。しかし韓申がどこか上の空だと気づいて手を止める。「大王…実はお願いがあります」韓申は麗姫の依頼でひと月ほど外出許可が欲しいと頼んだ。用件は言えないが、ただ秦と大王には決して損失を与えないという。「いいだろう、ただし1ヶ月だ」一方、趙王の座を狙う嘉(カ)公子は呂不韋(リョフイ)という策士を得て次の手を考えていた。呂不韋は嬴政が必ず逆襲するはずだと分かっていたが、嘉公子には自分と敏夫人がついているという。秦軍さえ抑えれば王位奪取は遠からず果たされるはずだ。そんなある日、蒙武(モウブ)は優れた兵書と出会い、早速、大王に献上した。信頼する蒙武の勧めとあって目を通した嬴政、しかし著者の尉繚(ウツリョウ)が魏人だと知る。そこで朝議に尉繚を招き、なぜ魏王に献策せずに秦で名声を得ようとするのか聞いた。しかし尉繚の望みは名声ではなく、2度と戦乱が起きない太平の世が訪れることだという。家族は戦乱に巻き込まれて命を落とし天涯孤独、今さら名声を得てもなにもならない。「乱世を終わらせ民が安寧を得るための方法はただ1つ、それは天下統一です! 私は秦を選んだ、今の世で天下統一を成せるのは秦だけです これまで私は数度、秦を訪れました、厳しい法の下で官吏は節義に厚く、民は実直かつ堅実に働く それを見て分かりました、歴代秦王のたゆまぬ努力が天下統一の基礎を作り上げたのだと…」尉繚は戦にこだわる嬴政を諫め、諸国の合従を防ぐためには他国の重臣に多額の賄賂を贈ればいいと進言した。離間が当を得ていれば強敵の趙でさえたやすく瓦解できるだろう。「見事だ!」嬴政は尉繚の献策に感銘を受け、国尉(コクイ)に命じた。麗姫は敏夫人と城楼を散策していた。そこで大王に離間の策を献上した者がいるが、その標的は趙だと教える。「政事に興味がないと言っても祖国が狙われるのよ?趙の民を思うなら大王に陳情しては?」しかし敏夫人は前にも言った通り、世情に興味はないと断った。麗姫はそれとなく何か悩みがあるなら相談して欲しいと誘導したが、敏夫人は悩みなどないという。「なぜ急にそんな話をするの? …そう言えば韓長使の死を調べると言っていたけど、進展はあったの?」「ええ、韓長使を殺した犯人が分かったわ」「誰なの?」するとそこへ嬴政が現れた。嬴政は麗姫の腕を引っ張ってその場を離れた。すでに韓申が都を発ったが、何を頼んだのか教えて欲しいという。麗姫は悪戯っぽく笑うと、心配をかけたくないので秘密だと答えた。(*˙꒳˙*)<お願いだから信じてください( ̄꒳ ̄)<はお、信じよう…この貸しは別の場所で返してもらうぞ?そんな2人の下ネタをよそに敏夫人はいよいよ麗夫人が邪魔になった。その夜、韓申は覆面姿で丹太子の宿に忍び込んだ。しかし曲者だと間違え、物陰に隠れていた荊軻が現れる。「俺だよ俺~!」「大師兄?!なぜここに?」荊軻は刺客を欺くため、あえて広い部屋に寝ていると説明した。すると韓申は丹太子の無事を確認したかったと釈明する。樊於期(ハンオキ)は秦王の御前侍衛である韓申を警戒したが、田光(デンコウ)は麗夫人と韓申の協力で丹太子が脱出できたと説明し、麗夫人は2人の師妹だと教えた。樊於期はそれでも秦王に近い韓申を疑ったが、丹太子と田光は韓申を信じるという。「実は田光先生にお話が…」一方、敏夫人はくすぶる李斯を呼び出し、懐柔しようとしていた。「趙高が敏夫人と通じていたとは…私の思った通りだ」李斯はやはり韓非(カンピ)を殺して自分に罪を被せたのが2人だと納得する。しかし敏夫人は麗姫が追究しなければ李斯と楚良人も無事だったと切り出した。「麗夫人が消えれば全てうまく行くわ… 李斯大人が大王の信頼を取り戻したいなら、良い方法がある 本宮が力を貸してあげてもいいけれど、まずは私たちの側についてもらわなければね」つづく( ๑≧ꇴ≦)ちょっと尚儀どんだけ情報通なのよ…w
2021.09.08
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丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman第30話「疑念」燕(エン)の丹(タン)太子を追跡すべきと上奏した李斯(リシ)。このまま見逃せば秦が天下の嘲笑を買うと訴えたが、左丞相・昌平君(ショウヘイクン)が異論を唱えた。「人質1人のために大軍を差し向けてはかえって天下の嘲笑を抑えられぬのでは?」「もっともだ」嬴政(エイセイ)は韓非(カンピ)が非業の死を遂げたことで、すでに秦王が狭量だと噂になっているという。墓穴を掘った李斯は慌ててひざまずいたが、嬴政は李斯を殺す時間も無駄とばかりに蒙武(モウブ)と趙(チョウ)討伐の戦略を練ることにした。一方、丹太子一行は無事に国境を越え、趙の領域にいた。すると荊軻(ケイカ)は町に入ったら念のため太子を″公子″と呼ぶよう助言する。その時、何者かが一行を追跡していると気づいたが、ひとまず泳がせることにした。起死回生を狙った李斯だったが、大王が丹太子の追跡に乗り気でないことを読めず失敗した。恐らく丹太子と親しい麗姫(レイキ)が余計なことを吹き込んだに違いない。李斯は自分の見識のなさを棚にあげ、麗姫を始末しなかった丹頂門(タンチョウモン)掌門・夏侯央(カコウオウ)に八つ当たりした。しかし鮑野(ホウヤ)は想定外の事態が起きたと掌門をかばう。実は麗姫には韓申(カンシン)だけでなく、荊軻という師兄がいた。李斯は実は麗夫人を救出したのが大師兄ではなく、二師兄だったと知る。しかも入内前、荊軻と麗姫は恋仲で、食事だけでなく起居を共にしていたというのだ。敏(ビン)夫人は体調を崩した韓長使(カンチョウシ)を見舞った。実は韓非の子を身ごもっていたと聞いて驚いたが、あろうことか麗夫人に大王への取りなしを頼んだという。敏夫人は平静を装いながら、そろそろ王宮を出たほうが良いと判断、今夜のうちにも脱出するよう言った。「趙高(チョウコウ)に話を通しておくわ」家族との再会を待ち望んでいた韓長使は喜び、敏夫人に心から感謝した。そんな中、懐妊を装う楚(ソ)良人のもとへ突然、大王がやって来た。ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ なぜ急に?!楚良人は慌てて寝台に横になり、急いで″お腹″を入れる。「これまで気にかけてやらず済まなかった…子の様子はどうだ?」「…あ、先ほどはお腹を蹴りました、元気です」「触らせてくれ」「いえ、もう大人しくなりました~( ̄▽ ̄;)」楚良人は思わず大王の手を握りしめてごまかし、何とかしのいだ。(´゚艸゚)もう~心臓止まるかと思ったわ~@楚 ←今回のコント趙高は韓長使を逃がす手はずが整い、敏夫人に報告に来た。すると敏夫人は口ふうじのため、韓長使と家族を全て始末するよう命じる。「これも麗夫人に取りなしなど頼んだからよ、私より麗夫人を信用するなんて…」敏夫人は他人を信じたのなら裏切ったも同然だと切り捨てた。麗姫は久しぶりに南宮に幽閉された太后を見舞った。すっかり拗ねた様子の太后だったが、麗姫が好物の棗(ナツメ)を出すと嬉しそうに頬張る。「ん?不思議ね、昔、呂不韋(リョフイ)からもらった趙の棗と同じ味だわ」「ぁ…敏姐姐から頂きました、何でも趙王宮で食される棗だとか…」「敏姐姐?…敏代(ビンダイ)のこと?」すると太后はふいに正気に戻り、敏代は子をなしたかと聞いた。麗姫は不思議そうにまだだと答えたが、太后は鼻で笑う。「ふん、政児を愛していないものね、それなのになぜか秦に嫁いで来たのよ」実は趙王・趙遷(チョウセン)が太子だった当時、敏代と恋仲だったのは有名な話で、いつも一緒で仲むつまじかったという。しかし麗姫は敏夫人が即位した趙遷のことを素行が悪く、王の器ではないと蔑んでいたことを思い出した。「てっきり嫌っているのかと…」「ふふ、趙遷は浮気性で有名だったからね~」敏夫人は麗夫人に趙から取り寄せたお茶を差し入れた。すると清児(セイジ)が実は韓長使が死んだという噂を聞いたと報告する。詳しいことは知らないが、何でも遺体は都の外れに捨てられており、偶然、農夫が発見していた。高価な衣服だったので王宮に知らせが届き、禁軍が確認したらしい。麗姫は突然の知らせに呆然、しかもお腹を裂かれていたとはあまりにむごい殺され方だ。その時、いつもは慎重な敏夫人が楚良人と李斯が口ふうじに殺したのではないかと切り出した。麗姫は韓非を陥れて厳罰を受けたばかりの2人が危険を冒すとは思えないと否定したが、敏夫人は執拗に楚夫人に罪を着せようとする。「別の悪事を命じていたのではないかしら?あるいは韓長使から脅されたのかも…」「理にかなうわね…」麗妃はあえて否定はしなかったが、あくまで推測でしかないと牽制した。一方、丹太子一行は趙の小さな町に入った。都の邯鄲(カンタン)から遠く離れていながら活気のある町、すると荊軻は丹太子たちに先に行くよう促す。すると一行が横道に入ったところで、笠を目深にかぶった怪しい男が現れた。荊軻は山からずっと後をつけて来た男を背後から取り押さえたが、男は丹太子に助けを求める。そこで丹太子が笠を外してみると、驚いたことに行方不明になった秦の将軍・樊於期(ハンオキ)だった。楚良人は尚儀から韓長使が死んだと聞いた。しかも敏夫人が密かに韓長使の部屋を訪ねていたという。楚良人は韓非と景(ケイ)良人の件で自分を陥れたのが韓長使と敏夫人だと気づき、居ても立っても居られず昭徳(ショウトク)宮へ出向いた。楚良人は敏夫人が景良人と韓長使を殺したと暴き、自分に罪を着せるつもりかと迫った。もはや楚良人への敵意を隠そうともしない敏夫人、ならば大王に″本当は昌平君を殺すつもりだった″と白状するかとやり返す。「昌平君は秦の左丞相、重臣の暗殺を企てたとなれば、さらに重い罪となるわね?」「何ですって!」楚良人は思わず手を挙げると、敏夫人がその手をつかんで引っ張り合いになった。しかしそこへ麗姫が駆けつけ、2人を止める。麗姫はお腹の子に触ると言って楚良人を先に帰すと、敏夫人が無事だと分かって出て行った。麗姫は回廊で楚良人を引き止めた。そこで率直に韓非と景良人の件は楚良人の仕業かと尋ねる。楚良人は天に誓って殺していないと否定、証拠となった瑠璃珠は祖太后や敏夫人にも贈ったと教えた。「だいたい趙討伐で韓非大人を恨むのは敏夫人の方でしょう?」すると麗姫はしばらく敏夫人に関わらないよう忠告した。「命を落としたくなければ言うことをきくことね…」麗姫は嬴政と双六に興じながら、ふと韓長使の悲運を嘆いた。嬴政は韓長使を丁重に埋葬すると安心させ、家族には知らせたかと聞く。すると麗姫は奇妙なことに韓長使が王宮を出てすぐ家族も亡くなったと教えた。嬴政はもしや韓長使が韓非の死に関わっていたのかと疑ったが、麗姫は否定する。あの時、韓長使は韓非の死を悲しみ、自責の念に駆られていた。嬴政はならば楚良人の口ふうじかと怪しんだが、麗姫は厳罰を受けた楚良人が罪を重ねるとは考えにくいという。「大王、楚良人は降格されて傷ついているはず あなたの子を身ごもっているのだから、いたわってあげてください」麗姫は同じ女として楚良人の気持ちが分かると言った。そもそも楚良人が欲しいのは王后の位、自分に争う理由はないという。嬴政はしみじみ麗姫が王后になれば後宮の騒動も収まると訴えたが、麗姫は天明(テンメイ)さえ無事なら何もいらないと笑った。(  ̄꒳ ̄)<余もいらないのか? 分かってるくせに…>(* ॑꒳ ॑* )( ๑≧ꇴ≦)いや分かりませんけどっ@視聴者一方、韓長使の子供をもらい受ける計画が頓挫した楚良人は陸(リク)太医を呼んでいた。つづく(  ̄꒳ ̄)そうか、趙高は初めから敏夫人と組んでいたのね〜コントばかりに気を取られて本題をすっかり忘れていたわw
2021.09.07
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第15話「蘇る記憶」洞窟に閉じ込められた康熙(コウキ)帝と衛琳琅(エイリンロウ)。しかし外に出ていた納蘭容若(ナランヨウジャク)が駆けつけ無事に救出した。「皇上が…あの時の葉三(ヨウサン)哥哥ですか?」「思い出したか、では良児(リョウジ)いう名は?」琳琅は虎の絵を描いてくれた葉三という少年のことは思い出したが、それ以外のことは分からないという。その時、覆面で顔を隠した長慶(チョウケイ)が現れ、皇帝に斬りかかった。容若は曲者の手の甲を斬りつけたが、逃げられてしまう。長慶が御膳房へ戻ると、お土産を待っていた芸初(ウンショ)がやって来た。「お帰りなさい!さんざし飴は?」「…あ、用事が多くて買う暇がなかった、次は買って来るよ」しかしなぜか長慶の顔が真っ黒で、手の甲から血が出ている。驚いた芸初はすぐさま長慶の手の傷を手当てした。ようやく康熙帝が養心殿に戻った。小徳子(ショウトクシ)は安堵し、皇帝の留守をごまかすために皇太后や妃たちが差し入れた汁物を4杯も飲まねばならなかったという。「あ、恵(ケイ)妃娘娘からも杏仁酪(アンニンラク)が… 恵妃娘娘は召し上がるまで待つと仰せで、うっかり完食して器をお返ししてしまいました」「(´-ω-`)ウム…完食したか~って( ゚д゚)何だと!」皇帝は例え好物でも完食しないのが決まりだった。康熙帝は慌てて承乾(ショウケン)宮を訪ね、うっかり杏仁酪を平らげてしまったとごまかす。全てお見通しだった恵妃だったがあえて何も聞かず、皇帝が政務の疲れを癒やせるよう琴を弾くことにした。しかし考え事をしていた皇帝はただ″良い曲だ″と褒めて帰ってしまう。恵妃が披露した曲は入内した日に皇帝が弾いてくれた思い出の曲だった。…もうお忘れなのね…すると納蘭逸(ナランイツ)が戻って来た。神武門で聞いたところ、皇帝は容若と琳琅と3人で宮中へ戻ったという。「琳琅を女官にしたのは失敗ね…あの娘を追い出さなくては」そこで恵妃は明日、容若を呼ぶよう命じた。康熙帝は御花園の築山の奥が崩れていると報告を受けた。そこで早速、自ら視察に行ってみたところ、確かに硝石(ショウセキ)の匂いがする。「皇上、何者かが火薬を用いたようです」それは長慶が密かに爆薬の実験をした場所だった。芸初は長海(チョウカイ)が慎刑司(シンケイシ)の王(オウ)太監に連行されるところを目撃した。そこですぐ長慶に報告し、何でも宮中で硫黄や硝石を隠していた罪だと教える。「花火もお咎めを受ける?」芸初は遠征先で長慶が花火を見せてくれたことを思い出し、知らせに来たのだ。「大丈夫だよ」「誰にも言わないから安心して、だって長慶哥哥は悪い人じゃないもの」しかし長慶は身代わりになった長海を思い、どこか上の空だった。結局、身体の弱い長海は勾留中に死亡、女官の気を引くため花火を作っていたと供述していたという。一方、容若は姉に呼び出されていた。恵妃は大好きな蘭の花を手入れしながら、宮殿に閉じ込められていては花も正気がないとこぼす。「皇上が誰を見初めようが異論は挟めない、でも琳琅だけはだめよ いつか琳琅の素性がばれたら納蘭一族も死罪になるわ」しかし弟が最も恐れているのは大切な琳琅が皇帝を敵と知り、恨み苦しむ姿を見ることだろう。恵妃は皇帝と納蘭一族の安泰のため、何としても琳琅を連れて皇宮を出るよう迫った。琳琅は皇帝に見覚えのある庭の絵を見せた。喜んだ康熙帝は琳琅の記憶を頼りに当時の庭を再現、そこには思い出の梨の木もある。すると琳琅の脳裏に母が兄と自分を呼んでいる情景がよみがえった。…良児…(´⊙ω⊙`)ハッ!<思い出した…思い出しました!私の名は良児です!康熙帝は琳琅に良児と名づけたウサギを返した。すると琳琅はウサギを自由にしてやりたいとカゴから出してやる。2人の距離が近づく中、焦った容若は琳琅に今すぐ何もかも捨てて逃げようと持ちかけた。しかし琳琅は自分の過去を知りながら嘘をついていた容若に不信感を持ち、断ってしまう。追い詰められた容若は納蘭逸の手を借りることにした。そこでその夜、築山に琳琅を呼び出し、納蘭逸が殴って気を失わせ、その間に宮中を出ることにする。しかし準備が整う前に琳琅が部屋で目を覚ました。ちょうど飾ってあった宝剣で手の縄を切ると、その時、馬車を準備した容若と納蘭逸が入って来る。琳琅は咄嗟に短剣を突き出し2人を脅したが、納蘭逸がその手をつかんで阻止した。その手には十字の傷がある。「やめろ、少し外へ」容若は納蘭逸を下げ、一緒に行くしかないと琳琅を説得した。しかし琳琅は納蘭逸が自分を殺そうとしたことを思い出してしまう。「覆面をしていたけど、あの手の傷を覚えている…隠すなら死ぬわ!」容若は覚悟を決めた。愛する琳琅が兄弟のように寵愛してくれる皇帝を憎むことだけは避けなくてはならない。「君の両親は納蘭府の使用人だった 8年前、君の父親と兄さんは犯した罪を認めず、血気盛んだった私は大勢で君の家に抗議に… 君の兄さんが先に手を出して激しい争いになった、不幸にも君の家族はその争いで死んだ 君はまだ10歳、不びんで手を下せず引き取ったんだ」容若は琳琅が苦しむと思って話せず、自分も恨まれたくなかったという。すると衝撃を受けた琳琅は短剣を捨てて部屋を飛び出して行った。琳琅は居所に戻ると、母や庭園の絵をびりびりに破り捨てた。…私は君の敵、優しくしたのは罪滅ぼしだ…いつかこの日が来ると覚悟していた、敵を討ちたいなら私を殺せ容若の言葉を思い出し絶望する琳琅、しかしどうしても信じられなかった。琳琅は庭園の片隅でこっそり家族を弔った。しかし運悪く皇帝に見つかってしまう。私的な弔いは禁止されていたが、康熙帝は追及せず、琳琅に見せたいものがあると言った。康熙帝は城楼へ登り、琳琅に夜景を見せた。「家々の明かりだ、全てそなたの家だと思え」8年間も良児を探し続けた康熙帝、例え琳琅が昔の記憶を取り戻せなくても、これから作る思い出は美しいものになるという。「今から朕がそなたの家族だ」しかし琳琅は皇帝と生死を共にしたのは昔の話で、記憶を失った8年間は自分の心に皇帝がいなかったと言った。翌日、琳琅は納蘭逸を呼び出し、なぜ自分を殺そうとしたのか尋ねた。「覆面をしていたわね、だけど手の傷は覚えている」すると納蘭逸はいきなり琳琅の首に手をかけ、生かしておけば納蘭家に災いをもたらすと脅す。しかし危ないところで容若が駆けつけ、止めた。琳琅は怒りを爆発させた。「納蘭家の者は皆、私を殺そうとする、ならなぜ私を助けたの?!恨むわ…あなたが憎い!」激情に駆られた琳琅は思わず容若の剣を抜いてその胸に突き刺した。しかし容若は殺して構わないという。「ただし約束してくれ、これ以上、詮索せず、できるだけ遠くへ行け」容若は剣先をつかみ、自ら胸に深く差し込んでしまう。驚いた琳琅は剣を捨て、首飾りを引きちぎると、容若と縁を切ると叫んだ。「金輪際、あなたとは赤の他人よ!」容若は呆然と立ちすくみ、琳琅を追いかけることもできない。すると足元には地面に叩きつけられて無惨に割れた玉の梨の花があった。長慶は琳琅を呼び止め、御前太監の件を考えてくれたか聞いた。しかしあっさり断られてしまう。そこで長慶は切り札を出した。「納蘭大人のためでもある、相愛の仲だろう?狩り場から駆け落ちするはずだった それを知って自分の出世のために陰ながら君を助けて来た」「…ごめんなさい、何もできないわ、私を告発すればいい」琳琅が見せた予想外の激しい気性、当てが外れた長慶は恨みを募らせた。納蘭逸は恵妃に琳琅の記憶が戻っていると報告した。「遅かれ早かれ思い出すでしょう、恵妃娘娘の脅威となります 情に流されませぬよう…」つづく(  ̄꒳ ̄)まさか無限ループの悪寒…いや予感?
2021.09.06
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第14話「過去と未来」恵(ケイ)妃は容若(ヨウジャク)を呼び出し、皇帝と衛琳琅(エイリンロウ)の関係を問いただした。しかし容若が何か言おうとした時、自ら言葉を遮ってしまう。「姐姐…」「いいわ…分かってる」恵妃は皇帝の琳琅への気持ちに気づいて困惑した。康熙帝(コウキテイ)が御薬房を訪ねると、ちょうど琳琅が椅子に座って居眠りをしていた。楽しい夢を見ているのか笑顔の琳琅、するとふいに目を覚まして慌てて皇帝に拝礼する。「夢を見たのか?何の夢だ?」「子供の頃の情景です 家の庭で母が作ったお菓子を食べ、隣で哥哥が三角鏢(サンカクヒョウ)の練習をしていました」一方、納蘭逸(ナランイツ)は琳琅を皇帝のそばに置くのは危険だと恵妃に警告していた。「お任せくだされば私が始末します」しかし弟の想い人であり、従妹である良児(リョウジ)を亡き者になどできるはずがない。すると恵妃は手を打つゆえ心配ないと納蘭逸を下げた。辛者庫の女官頭・閻(エン)は罰として杖(ジョウ)責30発と厠の掃除ひと月を命じられた。また通報した長慶には銀50両の褒賞が与えられる。しかし昇進を期待していた長慶は落胆を隠せなかった。辛者庫にやって来た琳琅は門の前で長慶に呼び止められた。琳琅は長慶のおかげで助かったと感謝し、いつか恩返ししたいという。そこで長慶は御前太監になれるよう皇帝に売り込んで欲しいと頼んだ。「君にも何かと便宜を図れるし…」「私にそんな力はありません」琳琅は断ったが、長慶は考えてみて欲しいという。戸惑いながら芸初(ウンショ)に菓子を差し入れた琳琅、そこで長慶がどんな人か聞いた。「何だか怪しいの…」「いい人よ?だって姐姐を助けた…考え過ぎよ~ムシャムシャ」康熙帝は琳琅が記憶を取り戻せるよう尽力した。琳琅の母の味を探そうと、何種類もの干菓子を作らせて味見させる。また兄と石を投げて遊んでいたと聞けば、一緒に庭園で再現した。真実を知る容若は皇帝が懸命になればなるほど不安が募る。そんなある日、乾清宮で控えていた容若は回廊の物音に気づいて様子を見に行った。どうやら小徳子(ショウトクシ)が宮女とぶつかって大事な書類をぶちまけてしまったらしい。実はそれは皇帝が絵師に描かせた庭の絵だった。驚いた容若は拾うのを手伝いながら、咄嗟に袖口に何枚か隠してしまう。琳琅は記憶を頼りに母の似顔絵を描いていた。すると康熙帝がやって来る。琳琅はおぼろげながら自分にも母がいて、とても愛されていたと感じると話した。確かに母さえ忘れていたのなら、自分を覚えていないのも仕方がない。康熙帝は妙に納得し、今度は琳琅に庭園の絵を渡した。「感謝いたします、皇上」「記憶が戻り朕を思い出したら、もうかしこまる必要はない」容若は急いで御薬房の火鉢で盗んだ庭の絵を燃やした。しかしそこへ琳琅がやって来る。容若は慌てて土瓶を戻し、最後の絵を丸めて慌てて袖口に入れたが、立ち上がった時にうっかり落としていた。「何をしていたの?」「何も…」すると自分の生い立ちに疑問を持ち始めた琳琅は、本当に生まれてすぐ孤児になったのか聞いた。「そうだ」「嘘じゃないのね?…私たちの愛に賭けて誓える?」「愛があるなら何も言わずに私を信じろ」容若はなぜか不機嫌そうに帰ってしまう。琳琅は断片的ながら幼い頃の楽しかった情景を鮮明に思い出すようになった。そこで容若に両親が見守るそばで兄と遊んでいたと訴え、本当は自分の家族がどこかにいるはずだと疑う。問い詰められた容若は琳琅に家族がいたのは事実だが、かえって余計に悲しむと思ったと釈明した。「じゃあ皇上と私はどこかで会っていたの?」「…もう君の心に私はいないんだな、愛がなくなったから私を疑うんだろう? 夢に見るほど皇上を思っているのか?自分の過去と私、君にとって大事なのはどちらだ?」康熙帝は琳琅の身上書を取り寄せた。…女官・衛琳琅、包衣奴僕・衛冠清(エイカンセイ)の娘…衛家の長男は病のため夭逝、時を経ずして両親も死去琳琅は容若の言った通りだと落胆したが、康熙帝は他に縁者がいないか調べるよう命じた。しかし琳琅は記憶が戻らないのは思い出したくない経験をしたからだと話し、過去よりも現在と未来を大事にしたいと諦めてしまう。康熙帝は琳琅に負担を与えてしまったと反省し、御薬房に花を飾るよう命じた。そこで小徳子が鉢植えを運び入れ帰って行ったが、机を動かしたせいで容若が落とした紙が見つかる。琳琅は不思議そうに紙を広げると、それは見覚えのある庭の絵だった。琳琅は小徳子に他の庭の絵を返却した。その時、容若もこの絵を見たと知って動揺する。一方、容若は皇帝から琳琅の記憶を取り戻すことに失敗したと聞いて安堵した。そこで御花園に琳琅を呼び出し、2人で宮中を出ようという。しかし琳琅は容若から手を離した。「過去とあなた、どちらが大事かと聞いたわね、だから私はあなたを選んだ では答えて、あなたには過去と私、どちらが大事なの? 私が大事なら真実を教えて、あなたの口から聞きたいの」琳琅は御薬房で拾った絵を見せた。「私が昔、暮らした家ね、なぜ隠そうとするの?…真実を教えて!」容若は困惑していると、琳琅は失望して帰ってしまう。まさか事実を話せるはずがなかった。あの時、皇帝の聖旨で自分の父が琳琅の家族を皆殺しにしたなどと言えるものか。一方、あきらめきれない康熙帝は太医から記憶を取り戻す方法を聞いていた。すると一緒に思い出の場所を訪ねてはどうかと勧められる。そこで康熙帝は琳琅と容若を伴い皇宮を出た。しかしちょうど街に買い物に出かけていた長慶がお忍びで歩いている3人を見かける。長慶は芸初のためにサンザシを買おうとしていたが、急いで爆薬の材料を買いに向かった。康熙帝たちは馬を駆り、とある山道へやって来た。するとあらかじめ待っていた刺客役の侍衛たちが現れ、襲いかかる。実は康熙帝は8年前に起こった出来事を再現、一芝居うって琳琅の記憶を刺激しようと考えた。康熙帝は琳琅を連れて追っ手から逃げるふりをしながら、刀で道端の岩に″三″と削った。その様子を見た琳琅は急に記憶が蘇り、確かにこの道を夢で見たと訴える。すると近くの洞窟に荒れ寺があると思い出し、皇帝を案内した。康熙帝はこの洞窟で何があったか話して聞かせた。しかし琳琅はまだ詳細まで思い出すことはできない。容若は記憶が戻ることを恐れて早く出ようと促したが、康熙帝は少し外に出ているよう命じた。長慶は急いで爆薬を作り、皇帝たちを追って荒れ寺へやって来た。しかし容若がひとりで出て来る。そこで長慶はわざと音を立て、容若を洞窟から引き離した。その間に洞窟の入り口に爆薬を置き、導火線に火をつけてしまう。「ここがお前の墓場だ」ドッカーン!容若は爆発音に驚き、慌てて戻った。洞窟の入り口がふさがれ、琳琅は次第に息苦しくなった。不安になる琳琅を見た康熙帝はあの時と同じように手の平に虎の絵を描いてやる。すると琳琅はふいにその時の情景を思い出した。「(はっ!)あなたなの?」その時、懸命に石をかき出していた容若が洞窟に入って来た。つづく( ๑≧ꇴ≦)いやどう見ても筆ペン!wそしていつの間にか乗馬ができるようになった琳琅
2021.09.06
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第13話「恵妃への懇願」辛者庫(シンジャコ)の芸初(ウンショ)は太監・長慶(チョウケイ)に思いの丈をぶつけた。「何日もずっと考えてた、私、何をしてしまったんだろうって…ゥッ…仕事にも身が入らない 避けている理由を教えて欲しい、これじゃ辛いの」すると長慶は芸初の手の火傷に気づき、黙って手当てしてから肉餅(ロービン)を食べるよう勧めた。「私を避けないと約束してくれたら食べるわ」「約束するよ」長慶は健気な芸初をこれ以上、傷つけることができなかった。納蘭容若(ナランヨウジャク)は姉を訪ね、衛琳琅(エイリンロウ)と宮中から出たいと懇願した。「琳琅なしでは私は一生、不幸です!3年も待ったのです、これ以上は待てません!」恵(ケイ)妃はなぜ弟がこれほど急ぐのか分からなかったが、確かに琳琅が記憶を取り戻せば面倒なことになる。「今のうちに外へ出すのもいいでしょう、策を考えます」康熙(コウキ)帝は琳琅の希望を叶え、辛者庫の洗濯係に戻した。辛者庫と言えば宮中で最も身分が卑しく、つらい仕事ばかり与えられる。夜明け前には起床し、子の刻まで休めず、食事も満足にはできなかった。病で死んだ者は皇宮の外に捨てられてしまう。康熙帝は琳琅が心配で居ても立っても居られなくなり、辛者庫へ駆けつけた。しかし琳琅は仲良しの芸初・画珠(ガジュ)・翠雋(スイシュン)と楽しそうに笑っている。初めて見る琳琅の屈託のない笑顔、康熙帝は自分が間違っていたと気づき、黙って引き返した。亡き玉箸(ギョクチョ)の代わりに新しい女官頭・閻(エン)姑姑がやって来た。すると閻姑姑は早速、ふざけていた琳琅たち4人に尻打ちの罰を与える。しかも食事抜きを言い渡され、傷も癒えぬうちから仕事を命じられた。琳琅は腰の痛みを我慢しながら後宮へ妃の服を届けに行った。すると納蘭逸(ナランイツ)に呼び止められ、恵妃が呼んでいるという。その時、琳琅は納蘭逸の手の甲に十字の傷痕があることに気づいた。琳琅は3年ぶりに恵妃と再会した。『お前を娶れば容若は一生、出世できない、身を引いて欲しいの 容若のために全て忘れて、二度と会わないで…』『お別れすると約束します』恵妃はあの時のことを思い出しながら、やはり容若と琳琅は幼なじみで絆が強いのだと実感した。互いに忘れられないのは情が深い証拠なのだろう。そこで薬瓶を授けた。「皇宮の規則では重病の女官は暇を出されるわ、2日後、辛者庫に迎えの者をやります」琳琅が下がると、納蘭逸は甘すぎると苦言を呈した。しかし恵妃は琳琅を失って傷つき、苦しむ弟の姿を見たくないという。居所に戻った琳琅は薬を飲んでその時を待った。一方、琳琅が辛者庫に戻ってからというもの、康熙帝は元気がなくなり、食欲もない。そこで自分が口を付けなかった料理を辛者庫に下ろすよう命じた。閻姑姑たちはまた琳琅に言いがかりをつけてきた。琳琅は薬のせいで体調が悪かったが、画珠をかばって洗い物をやり直すと申し出る。その様子をちょうど料理を運んできた長慶が見かけた。閻姑姑たちは厨房で皇帝から下賜された料理を見つけた。しかし長慶が現れ、これは琳琅の分だという。「どんな力があるか分からない人です、怒らせて万一のことがあると…」長慶はわざと閻姑姑をたきつけた。閻姑姑は生意気な琳琅に腹を立て、ちょうど洗い終わった琳琅の洗濯物を手に取り、そのまま捨てた。「洗ったばかりなのにどうして…」「口答え?…誰か叩いて」驚いた芸初たちは琳琅をかばったが、閻姑姑はならば4人を叩くという。仕方なく琳琅は自分の無礼を認め、自ら罰を受けると言った。その間に長慶は小徳子(ショウトクシ)に琳琅が罰を受けていると報告に向かう。一方、容若は納蘭逸から恵妃の伝言を聞いて安堵していた。「″手はずは整えた、ここで待て″と…」琳琅は恵妃の使いが来るまで何とかこらえていた。すると閻姑姑は弱音を吐かない琳琅に痺れを切らし、自ら激しく折檻する。やがて琳琅はついに耐え切れなくなり、ばったり倒れた。その時、知らせを聞いた康熙帝が現れ、琳琅を抱きかかえて連れて行ってしまう。そうとは知らず、納蘭逸は辛者庫へ琳琅を迎えにやって来た。しかしすでに康熙帝が連れて行ってしまったという。納蘭逸は恵妃に計画の失敗を伝えた。しかも康熙帝が琳琅を抱いて運んだと知り、恵妃は動揺を隠せない。その頃、琳琅を虐待した閻姑姑たちは震え上がっていた。意識を失った琳琅は家族が襲撃される夢を見て飛び起きた。「阿娘!」すると康熙帝が現れ、傷だらけの琳琅の手に薬を塗ってくれる。「そなたが昔を思い出していたら冷たい態度を取らないはずだ、今後は朕のそばにいてもらう 記憶を取り戻す手立てを考えよう、もし思い出しても離れたいと思うなら自由にするよ」琳琅は1人になると手の平に書いた虎の絵を眺めた。断片的に蘇る母や兄の面影、皇帝が持っていた見覚えのある良児(リョウジ)の手巾…。『知りたくないか?過去に何が起きて何を忘れたのか…』皇帝の言う通り、琳琅は自分が何を忘れているのか気になった。容若は御花園の築山に合図の梨の花を置いた。するとその夜、琳琅が現れる。「ごめんなさい、約束を破ったわ…」容若は琳琅の傷だらけの手を見て胸が痛んだ。「辛い目に遭わせてしまったね…まずは養生してくれ、他の手を考える」琳琅は思わず容若の胸に身体を預け、ようやく安心する。「あなたといると心が休まるわ…」つづく( ๑≧ꇴ≦)あ〜惜しい!あと1歩だったのに〜
2021.09.05
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丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman第29話「親子」李仲(リチュウ)は燕(エン)の丹(タン)太子が潜んでいる棺に剣を刺した。その瞬間、荊軻(ケイカ)が警固していた兵士たちを一太刀でなぎ倒し、李仲を突き飛ばす。李仲の剣は棺の底に隠れていた丹太子の目前で止まっていた。そこで韓申(カンシン)は咄嗟に荊軻に襲いかかり、自分を斬れと合図する。荊軻は韓申の腕を斬りつけ、棺に刺さっていた剣を李仲めがけて投げつけると、ひるんだ李仲を人質に取った。すると田光(デンコウ)が丹太子を棺から救出する。荊軻は仲間たちが無事に関所を出たところで李仲を解放、脱出することに成功した。嬴政(エイセイ)は丹太子が禁軍でも相手にならぬほどの手だれを使ったと知り警戒を強めた。李仲の話ではその男はまさに神業の持ち主で、もし戦場に立ったらやすやすと敵将の首級を挙げることができるという。すると嬴政は韓申の腕の傷に気づいた。韓申は軽症だと言ったが、嬴政はふと江湖にいた韓申ならこの剣客に心当たりはないかと聞く。その時、咄嗟に麗姫(レイキ)が口を挟んだ。大師兄も宮中に入って長くなり、最近、台頭してきた新鋭には詳しくないだろう。しかし李仲はあれほどの手だれが台頭したばかりとは思えなかった。「例えそうであっても、麗夫人なら剣使いを見て流派ぐらいお分かりでは?」「…この広い天下に達人はいくらでもいます 一度、技を見ただけで流派を判別するなど、私にそこまでの眼識はないわ」麗夫人と韓申の様子を訝しんだ李仲はさらに追及しようとしたが、嬴政が止めた。「日を改めよう」寝宮に戻った麗姫は物思いにふけっていた。…函谷関(カンコクカン)から薊(ケイ)まではひと月ほどかかる…師兄と丹太子は無事かしらそこへ嬴政がやって来た。嬴政は苦労を重ねてきた麗姫の心を癒すため、天明(テンメイ)を王宮に呼び戻すことにしたという。「本当に?天明を?!…よかった」実は麗姫が天明に会えたのはこの3年で数回だけしかなかった。天明は会う度に大きくなり、いつか母親を忘れそうで心配だったという。「長らく引き離してすまなかった、これからは一緒に暮らせ」嬴政は天明を自分の子だと言った。その夜、荊軻は野宿する一行から離れ、独り河にいた。久しぶりに再会した愛しい麗児、しかしその姿はすでに王妃の風格を漂わせ、もはや自分が知っている無邪気な師妹ではなかった。荊軻は何とも言えない虚しさを覚えたが、その時、ふと蓋蘭(コウラン)の笑顔を思い出す。すると荊軻はなぜか急に心が軽くなり、笑顔になった。天明が王宮に戻り、嬴政は実の息子のように可愛がった。しかし愛されて育つ天明の姿を見ると、ふと趙(チョウ)で人質として育った辛い経験が蘇る。だからこそ丹太子の気持ちが分からないわけではなかった。丹太子も心に決めているだろう。嬴政がそうだったように、いつか自分を軽んじ哀れんだ者を見返してやるのだと…。一方、降格された楚(ソ)良人はしがない1日、宮女に八つ当たりして鬱憤を晴らしていた。そんなある日、尚儀(ショウギ)が太医に安産の薬を求めた侍女を発見、韓長使(カンチョウシ)の懐妊を知る。報告を聞いた楚良人は韓非(カンピ)との間にできた子供など無関係だと興味を示さなかったが、尚儀が思わぬ妙策を授けた。大王は公にできない子供のことなど興味がないはず、そこでこの機に楚良人も懐妊を装い、韓長使が出産したら金子を持たせて追い出すという。そして楚良人がその赤子を引き取り、自分が産んだことにすればいいとそそのかした。楚良人は早速、贈り物を持って韓長使を訪ねた。そしてあの時は八つ当たりしてつい言い過ぎたと謝罪し、安泰薬まで差し入れる。しかし韓長使は景(ケイ)良人の一件を思い出し、何か魂胆があると見抜いていた。そこで麗夫人に懐妊を伝え、助けを求める。「この子を無事に産めるよう、夫人から大王に口添えして頂けませんか?」一方、楚良人は陸(リク)太医を脅していた。かつて買収されて景良人に飲ませる堕胎薬を用意した陸太医は逃げられなくなり、協力せざるを得なくなってしまう。嬴政は麗姫から韓長使の懐妊を知った。韓非は冤罪による非業の死を遂げたが、表向きは罪を犯して獄死したことになっている。公にできない子供を身ごもった韓長使は堕胎を恐れて嬴政に報告できなかったのだろう。しかし嬴政は韓非に返せぬほどの借りがあった。「韓長使に安心して子を産むよう伝えてくれ」↓ラバちゃんの良さを全て消し去る斬新な配色…趙高(チョウコウ)は楚良人の懐妊を大王に伝えた。懐妊して3ヶ月ほどで、太医が見たてを誤り報告が遅れたという。「余が降格を申し渡す前か…」嬴政は贈り物を届けるよう命じたが、結局、政務が忙しいことを理由に会いには行かなかった。…まさか楚良人まで懐妊とは…趙高は大王の命で楚良人に薬を届けた。それにしても何の兆候もなく突然の懐妊、趙高は疑いの目で見たが、楚良人は急にえずく振りを見せ、つわりを装ってごまかした。「ん…確かにこれじゃ懐妊しているように見えないわ…″おなか″を用意して」秦軍は王翦(オウセン)と楊端和(ヨウタンワ)が再度、趙に進攻するも、李牧(リボク)に敗れた。左丞相・昌平君(ショウヘイクン)はひとまず停戦して各国から賢者を募り、策を講じることが先決だと進言する。そこで嬴政は蒙武(モウブ)将軍に撤兵を伝えるよう命じた。すると昌平君は李牧がかつて趙王の王位継承に反対を唱えたことから、趙王と太后が李牧を快く思っていないと報告する。こたび秦軍が攻撃の手を緩めて趙王を油断させれば、離間の好機が訪れるだろう。次に李斯(リシ)が丹太子の追跡を上奏した。しかし昌平君はこの問題は大王が余計な干渉を受けずに決めるべきと反対する。「こたびの逃亡は裏切りと言えます しかし人質1人のために大軍を差し向けてはかえって天下の嘲笑を抑えられぬのでは?」つづく( ๑≧ꇴ≦)師兄!前髪がきれいにまとまったところで心の整理もついたのね…
2021.09.05
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燕云台 The Legend of Xiao Chuo第26話「立ち上がる皇后」蕭思温(ショウシオン)暗殺事件を調べ始めた韓徳譲(カントクジョウ)。景宗(ケイソウ)・耶律賢(ヤリツケン)の話では刺客は弓を構えて潜んでいたが、蕭宰相を襲ったあともさらに数が増えたという。やはり検死で分かった通り、刺客は2つの集団に分かれていた。しかも蕭宰相の死は別の者による可能性が高い。「蕭宰相の身体には矢傷もありましたが、致命傷となったのは背後からの刺し傷でした …私が必ず黒幕を突き止めます」蕭海里(ショウカイリ)は海東青(カイトウセイ)が城門から出たのを見届け、蕭海只(ショウカイシ)と合流した。これで叔父の物は全て自分たちのもの、叔父の跡を継ぐのはもちろん兄の海只で、領地は海里と山分けだと皮算用した。翌朝、弔問に訪れた趙(チョウ)王妃・烏骨里(ウグリ)は我が物顔で実家を仕切る従兄弟たちの姿を見た。家職・虎思(コシ)の話では海只と海里が蕭達凛(ショウタツリン)を追い出し、叔父への孝行だと言って屋敷のことに口を出し始めたという。憤慨した烏骨里は屋敷へ戻ると耶律喜隠(ヤリツキイン)に助けを求めたが、けんもほろろにあしらわれてしまう。どうせ海只や海里に大したことはできない。喜隠はそれより徳譲の捜査で不安に駆られている女里(ジョリ)と高勲(コウクン)の動向が気になった。その頃、韓徳譲は楚補(ソホ)の案内で蕭思温の殺害現場を検証していた。そこで徳譲は楚補を蕭思温に見立て、襲われた様子を再現してみる。蕭宰相の刀傷から察するに最初に襲撃した刺客は前から斬りかかっていた。2つの弓傷はその後に現れた別の刺客が放ったものだろう。しかし弓で狙うなら距離が必要、こんな広い場所で背後まで近づき背中を刺すことは不可能だ。すると調べを終えた信寧(シンネイ)が駆けつけた。思った通り凶器は遼(リョウ)の肉切り刀、刺客の武器ではない。つまり蕭宰相の背中を刺せるのは内部の人間だけ、護衛の誰かだ。景宗は内部の者の仕業だと聞いて愕然となった。蕭宰相を襲ったのは海東青という暗殺組織で景宗を襲ったのは動きから見て軍経験者、しかしまだ正体は不明だという。やはり頼りになるのは韓徳譲だったが、徳譲は要件だけ済ませると早々に下がってしまい、取り付く島もなかった。朝堂では秦(シン)王・高勲が空位となった北府宰相と北院枢密使の後任の選定を上奏した。蕭達凛は不謹慎だと憤慨したが、確かに重要な2つの職位を長く空けておくことはできない。そこで景宗は臣下たちの意見を聞きたいと探りを入れた。すると高勲は女里を枢密使に推挙する。しかし燕王・韓匡嗣(カンキョウシ)がすかさず反対した。女里は契丹行宮都部署・近衛軍統領、閭(リョ)山警備の責任は免れず、昇進などあり得ないという。横槍を入れられた高勲と女里は反発したが蕭達凛が応戦、これをきっかけに朝臣たちは紛糾した。その時、心労が重なった景宗が突然、気を失い、机にうつぶしてしまう。燕燕は景宗が倒れたと聞いて急いで彰愍(ショウビン)宮に向かった。今は大事ないが、ただこれからは休養が必要になるという。しかし景宗は思うようにならない自分の身体に苛立ち、自棄になって薬を飲もうとしなかった。「遼は宰相に続き君主まで失うのかしら? 父親がいない子は苦労する、この子をあなたと同じ目に遭わせるつもり?」燕燕はあえて辛く当たると、景宗はようやく身体を起こして薬を飲むと言った。「高勲が女里を枢密使に推薦したそうですね…」「高勲はまず女里を枢密使にしてから今度は自分を宰相に推薦させる気だ」「高勲が望むなら宰相にすればいい、朝堂を仕切る者は必要でしょう ただ落ち度があった女里は無視すればいいのです」「…ふっ、そなたは学ぶのが早いな」景宗は″離間の計″を提案した燕燕に感心し、ならば枢密使にふさわしいのは誰か聞いた。枢密使は高勲を牽制する鍵、燕燕は迷わず信頼できる韓徳譲だと推挙する。すると景宗は急に顔を曇らせ、まだわだかまりがあると言った。景宗にはもうひとつ大事な人事があった。日ごとに悪化する体調、政局の安定には時間が足りそうにない。「摂政を置かねば朝廷が乱れてしまう」しかしさすがに摂政を決めるにはまだまだ話し合いが必要だった。一方、暗躍する耶律喜隠は間者から景宗が摂政を探していると聞いた。もはや摂政王になったも同然とひとり浮かれる喜隠、すると撒懶(サツラン)が興味深い情報を持ってくる。実は閭山の数日前、ある者が蕭宰相の馬車を止め、女里と高勲の謀反を告発していたというのだ。喜隠は告発状の行方が不明だと知り、何としてでも手に入れるよう命じる。するとその夜、魏王府の蕭思温の書斎から侍女がこっそり告発状を盗み出した。…女里と高勲は罨撒葛(エンサーグァ)と通じ野心を…景宗は韓徳譲を呼び出した。そこで枢密使を任せたいと打診したが、徳譲は暗殺事件の捜査が先だという。「この件は陛下の新政への反撃に見えます、黒幕を捕らえれば新政は進みます ですが解決せずに朝廷に入れば、私は死ぬでしょう」徳譲は枢密使に耶律賢適(ヤリツケンテキ)を推薦したが、景宗は再度どうしても戻って欲しいと頼んだ。そんな中、寧(ネイ)王・耶律只没(ヤリツシボツ)は権勢からひとり遠ざかっていた。寧王妃・安只(アンシ)はこのままでは喜隠が摂政になってしまうと焦り、すぐ参内するようけしかける。しかし只没は安只と静かに暮らしたいと話し、全く興味を示さなかった。「まるで死人のようですね!情けない!」郊外で海東青の首領・忽爾博(コツジハク)の遺体が見つかった。信寧は早速、韓徳譲に報告し、携帯品を届ける。すると金塊と蕭海只の令牌が出て来た。どうやら海東青はただの駒に過ぎず、恐らく小悪党の海只も身代わりだろう。信寧はふと思い出し、実は海只と海里が高家の侍女を辱めて蕭思温を怒らせたと話した。何でも蕭思温は激怒し、2人に跡を継がせないと断言したとか。「…つまりあの2人にも蕭宰相殺害の動機があったわけか」そこで徳譲は信寧に″海東青の忽爾博が捕らえられた″と噂を流すよう指示、さらに人手を増やして高勲を監視させることにした。韓徳譲の包囲網がじわじわと迫る中、高勲と女里は耶律喜隠の酒席に招かれた。喜隠は2人が景宗を狙って重臣の蕭思温を亡き者にしたと指摘、その証拠に魏王府で見つけた告発状を見せる。告発の内容までは分からなかったが、さすがにごまかせなくなった高勲は何が目的かと聞いた。すると喜隠は太祖の系統の継承者として摂政は自分の座になると豪語し、同盟を結びたいという。「陛下の体調は良く知っているだろう?余談を許さぬはずだ…」喜隠は撒懶の妙策のおかげで簡単に2人を引き込めたと上機嫌だった。弱みを握られては従うしかあるまい。しかし撒懶は策略と手段に優れた2人には十分な警戒が必要だと諫言した。←( ̄▽ ̄;)え?「あまり追い詰めると反撃されます」「偶然、要職を得たからと調子に乗りすぎだ ←( ̄▽ ̄;)鏡鏡! 君臣の礼は最初のうちにしっかりと叩き込まねば」景宗は徳譲の調べで喜隠が高勲や女里と組んだと知った。「あの勢力は朕に従わぬ、燕燕は身ごもっており、もはや我らは最も弱い立場になった …平穏を保つためには譲歩するしかない」しかし燕燕は退けば挽回が不可能になると反対し、お腹の子は自分が守るという。景宗は燕燕の思いが痛いほど分かったが、ただ今の朝廷で対抗勢力を抑えられる者がいなかった。「ある方をお忘れです…」黙って聞いていた徳譲だったが、皇后を摂政に推挙する。燕燕は確かに皇后として今こそ立ち上がり、困難に向き合うべきだと気づいた。景宗も最も信頼する燕燕と徳譲に朝廷を任せたいが、徳譲が朝政に乗り気でないと知っている。「無理強いはしない」「…陛下と皇后のお望みならば国に尽くします」景宗はあれほど頑なだった徳譲が燕燕のためにあっさり承諾したことに一抹の不安がよぎった。↓ジョーがこのプロペラでいつケンを叩くのかと…w景宗は燕燕を連れて朝議に現れた。そこで摂政としての権限を皇后に託すと宣言し、今日から皇后も″朕″と称することを認めるという。耶律喜隠は当然、反発したが、すかさず韓徳譲が抑えた。すると景宗は高勲を宰相に任じ、また耶律賢適を北院枢密使に任じて大丞相の北府の政を支えるよう命じる。また喜隠は西南面招討使(メンショウトウシ)に、徳譲は枢密院通事に任じられた。納得がいかない喜隠は政の経験が少ない徳譲の起用に異議を申し立てると、昇格しなかった女里たちも賛同する。しかし思った通り高勲は追従しなかった。景宗は即位した当時、重要な役職には忠誠心を重視して経験は問わなかったと言った。もし徳譲がふさわしくないと言うなら一体、誰がこの重要な任務を担えるのか。「異議を唱えるものはまず己の官職を返上してから意見を聞かせてもらおう」するとさすがに朝臣たちは静かになった。つづく( ๑≧ꇴ≦)喜隠wwwこれは演出のおかげなのか、中の人の演技力のおかげなのか…上手い!w違った意味で面白くなってきました( ̄▽ ̄;)え?
2021.09.04
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燕云台 The Legend of Xiao Chuo第25話「失意の再会」景宗(ケイソウ)・耶律賢(ヤリツケン)と魏(ギ)王・蕭思温(ショウシオン)は狩りに向かう道中、刺客に襲撃された。女里(ジョリ)は標的の蕭思温から景宗を引き離したが、その時、別の刺客が現れる。その一群は明らかに景宗を狙っていた。蕭思温の暗殺を請け負った忽爾博(コツジハク)たちは別の一群に驚いて撤退した。危ないところで一命を取り留めた蕭思温、しかし暗殺の失敗に気づいた高勲(コウクン)は動揺を隠せない。一方、女里は予想外の刺客に戸惑いながらも景宗を守っていた。そこへ楚補(ソホ)が騎馬兵を率いて現れ、刺客を撃退してくれる。景宗は急いで蕭思温の元へ戻ったが、すでに虫の息となった蕭思温に高勲が付き添っていた。「分かっている、約束しよう、燕燕(エンエン)と蕭家は朕がしっかりと守る!」「・・・・・」蕭思温は景宗を見つめて必死に訴えていたが、結局、何も伝えられず絶命した。景宗は身重の燕燕を心配し、厳戒令を敷いて皇后の耳に入らないよう命じた。蕭家の姉妹でただ1人、閭(リョ)山に同行していた烏骨里(ウグリ)は父の亡骸に付き添い、夫の腕の中で気が狂わんばかりに泣き続けている。「父上が死んでしまった…父上!」その頃、高勲は女里の首に短剣を突きつけていた。「何をした?!陛下を狙う刺客も現れたのはそなたの仕業か?!」「警備の配置を変えただけだ!」すると高勲は別の者がいると気づいた。「奴らの狙いは陛下だ…」「奴ら?」一方、絶望に突き落とされた景宗はこの衝撃にじっと耐えながら、無意識に血が出るほどこぶしを握りしめていた。「帰京する」景宗が帰ってきた。燕燕は真っ先に景宗の手の怪我に気づいたが、景宗は自分の不注意だと笑って気丈に振る舞う。そこで留守の間、皇后の話し相手をしてくれた胡輦(コレン)だけを外へ連れ出すことにした。「もうすぐ蕭宰相の誕生日だが祝いの品を選ぶ暇がなかった、太平王妃に手伝ってもらおう」燕燕は自分が選ぶと言ったが、景宗は休んでいるよう命じた。蕭思温の亡骸はすでに魏王府に到着していた。景宗から父の訃報を聞いた胡輦は急いで駆けつけ、棺に眠る父と対面を果たす。「なぜこんなことに…信じられない…父上…」胡輦は棺にしがみついて号泣した。女里は浮き足立ち、高勲に蕭海只(ショウカイシ)と蕭海里(ショウカイリ)を突き出すよう迫った。しかし高勲は軽はずみに動けば自ら火中に飛び込むことになると釘を刺す。実は高勲は裏で糸を引いているのが趙(チョウ)王・耶律喜隠(ヤリツキイン)だと見当をつけていた。太平王は上京(ジョウケイ)にいない。ならば直接、利を得るのは趙王ただ1人、趙王にとってまさに一挙両得のはずだ。その頃、独りで食事をしていた韓徳譲(カントクジョウ)は偶然、隣の席から思わぬ話を耳にした。「上京は不穏ゆえ、しばらく近づくな」「何かあったのか?」「宰相大人が殺されて陛下が刺客を追っているらしい」驚いた徳譲は取るものも取り敢えず烏雲蓋雪(ウウンガイセツ)にまたがり、上京を目指した。一方、後宮では女里の姪で小妃・喜哥(キカ)が早速、太妃たちに宰相の急逝を伝えていた。しかし景宗が動揺させまいと皇后には知らせていないという。そこで蕭蒲哥(ショウホカ)と蕭啜里(ショウセツリ)はこれを利用し、日頃の鬱憤を晴らそうと考えた。喜隠は密偵から蕭思温の死で利を得るのが蕭海只と蕭海里だと報告を受けた。しかしさすがに喜隠も2人の背後に潜む者がいると気づく。閭山での警備は厳重のはず、事前に配置を知らなくては容易に襲撃などできるはずがない。「警備を担っていたのは女里だ…」すると撒懶(サツラン)が女里1人で景宗の暗殺をもくろむとは思えないという。喜隠は蕭思温が高勲と女里の権限を削るよう進言したことから、高勲も関わっていると分かった。「大王、最初から刺客も口封じに消す計画だったのでしょう」「これは絶好の機会だ、確かな証拠をつかみ、女里と高勲を言いなりにする!(๑•̀ㅂ•́)و✧」2人の太妃が急に皇后の寝宮に乗り込んで来た。燕燕は何事かと気になり、太妃たちを通すよう命じる。すると太妃たちはさも燕燕を心配しているふりをして慰めに来たと言った。「ご存知ないのですか?蕭宰相が殺害されたと…」突然の知らせに卒倒する燕燕、その頃、韓徳譲は必死に馬を駆けていた。燕燕が目を覚ますと景宗が付き添っていた。景宗は身ごもっている燕燕の身体を心配し、黙っていたと釈明する。「…言ったはずよ?父の権力が大き過ぎて人々に嫉妬され、危険にさらされると あなたは耳を貸さず、父を守ると約束したのに…あなたのせいよ」燕燕は寝台から出ると、屋敷に帰って父に会うと言った。「朕も一緒に…」「来ないでください、蕭一族以外、誰も入ることは許しません」景宗は燕燕に責められても何も言えなかった。すると婆児(ハジ)は喜哥小妃が太妃たちをけしかけて皇后に伝えさせたと報告する。景宗はこれまで目をつぶって来たが、ついに決心した。「命を伝えよ、太妃2人は偏宮で静養を、朕の許可なく出ることは許さぬ 喜哥小妃に至っては冷宮送りが妥当だ」燕燕が魏王府に駆けつけた。胡輦は泣き崩れる燕燕を優しくなだめ、泣き過ぎるとお腹の子に良くないという。すると燕燕は父と2人だけにして欲しいと頼んだ。ちょうどその時、門前に韓徳譲が到着する。↓( ๑≧ꇴ≦)帰ってきたジョー!走馬燈のように蘇る父との思い出、燕燕は涙も枯れて途方に暮れていた。そこに突然、韓徳譲が現れる。徳譲は皇后に拝礼すると、蕭思温の位牌に叩頭した。呆然と立ちすくむ燕燕、しかし徳譲の弔問が終わると声をかけた。「長旅で疲れたでしょう?」「こたびの件を知って急ぎ駆けつけました、どうぞご自愛を 必ずや黒幕を捕らえ、蕭宰相の墓前にご報告します…」「徳譲哥哥、ありがとう…」燕燕は徳譲に拝礼すると、徳譲は困惑した。「…私は皇后の臣下、君臣の礼は守らねばなりません、すぐ調べに取り掛かります」↓(TㅅT)おかえりジョー燕燕は宮中に戻った。景宗は安堵したが、実は魏王府に韓徳譲が弔問に訪れたと知る。そこで燕王府に徳譲が戻りしだい参内するよう勅命を出した。その夜、徳譲は景宗に謁見した。懐かしい友との再会に喜びを隠せない景宗、しかし徳譲はどこかよそよそしい。「以前とは違います、君臣の垣根は越えません、お申しつけのみで結構です」徳譲は蕭宰相殺害の真相を調べたいと嘆願し、そのために戻って来たと言った。そこで景宗は徳譲の願いを聞き入れ調査を認め、今も最も重要な席は徳譲のために空けてあると引き止める。しかし徳譲は昔に戻れると思うのかと冷ややかだった。「もう夜も更けました、これで失礼いたします」「…私も殺されかけた!他に誰が燕燕と子を守れる!」景宗は思わず徳譲の背中に怒鳴ったが、徳譲はただ黙って振り返っただけだった。韓徳譲は蕭達凛(ショウタツリン)の協力を得て、手始めに刺客たちの亡骸を調べた。するとある遺体に見覚えのある入れ墨がある。「″海東青(カイトウセイ)″という組織の印だ」中には印のない遺体もあったが、海東青は掟が厳格で印のないよそ者は混ざれない。また遺体の手にはマメがあり、そのマメの場所から海東青は刀を使い、一方は弓を使うと分かった。次に亡骸の衣服を調べると、履物から棕櫚(シュロ)の中敷きを見つける。棕櫚は南方の素材、上京で見るのは初めてだ。そこで徳譲は信寧(シンネイ)にこの中敷きを扱う店が上京にあるか調べるよう頼む。また達凛から検死報告書を借りることにした。達凛の話では一番の疑問は致命傷となった背中の傷だという。徳譲は改めて武器を調べて傷口と照らし合わせることにしたが、想像以上に複雑な陰謀が絡んでいると驚いた。「海東青以外の奴らは恐らく陛下を狙っていたな」韓徳譲は景宗からも当時の話を聞くことにした。あの日、確かに刺客は即座に蕭宰相を襲ったが、景宗は本当の狙いが自分だったという。「不審に感じた点はありますか?」つづく( ;∀;)ディエディエ~!悲しみと陰謀の…ってえ?何これ?浅はか選手権?w(* ತ _ತ)<こたびは読みを誤ったわ…って太妃( ̄▽ ̄;)
2021.09.04
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上阳赋 The Rebel Princess第2話「襲われた皇子」叔父である皇帝から″婚姻の自由″を許してもらった阿嫵(アーウォ)こと王儇(オウケン)。しかし罰として父から100日の禁足を言い渡されてしまう。そんなある日、阿嫵が退屈しのぎに中庭で侍女たちと鬼ごっこに興じていると、謝宛如(シャエンジョ)が差し入れを持って見舞いにやって来た。阿嫵は宛如が三皇子・子澹(シタン)から何か言付けを預かっていないか期待した。しかし宛如は従弟が恋の話など自分に託すはずないと笑い、それより明後日の旧正月、一緒に街へ行こうと誘う。「灯籠祭りの日、西門の前で待ってるわ」阿嫵は禁足中だと困惑したが、宛如は子供の頃を思い出せと言った。一方、阿嫵の父・王藺(オウリン)はまだ皇都に到着したばかりの寧朔(ネイサク)将軍・蕭綦(ショウキ)に密かに使いを出した。謝淵(シャエン)が蕭綦の冊封に力添えしたのは軍の指揮権が欲しいからだろう。謝氏は金と食糧を意のままにしているが、兵力の半分は王氏のものだった。金と食糧と兵は国の根本、これを両家で二分すれば拮抗する。朝廷はこれで均衡が保たれて来たが、今回は想定外の力により均衡が崩れることになった。「ふん、この王氏なしで国が安定しますかな?」王藺は不敵な笑みを浮かべた。蕭綦は丞相から灯籠祭りに是非もてなしたいと誘われた。側近の胡光烈(ココウレツ)と妹・胡瑶(コヨウ)は何か妙だと訝しんだが、蕭綦は自分の置かれている立場自体がすでに妙な話だという。「行かざるを得ぬな」旧正月の夜、阿嫵は合図の灯籠が上がるのを見ると、こっそり裏庭へ出た。そして子供の時のように木に登り、塀から抜け出すことにする。下で見守っていた侍女・蘇錦児(ソキンジ)は羽織を持っていくよう声をかけたが、その時、阿嫵はうっかり転げ落ちた。「うわあっ!」しかしちょうど下にいた三皇子・子澹(シタン)が抱き止めてくれる。「子澹哥哥?どうしてここに?」「来る手はずだった」阿嫵はようやく宛如に騙されたと気づいた。「驚かせようと思ったんだが…私が驚かされたよ」阿嫵と子澹は賑わう街に出かけた。すると錦児が追いかけて来る。「今宵は冷えますゆえ、やはり羽織をお持ちました」子澹は錦児から羽織を受け取ると、阿嫵に着せて紐を結んでやった。「人目が多い場所です、どうぞご慎重に」「心配ないわ、早く戻って!」錦児は三皇子と上陽(ジョウヨウ)郡主が手をつないで走って行く姿をうらやましそうに眺めていた。ちょうど同じ頃、蕭綦は側近の宋懐恩(ソウカイオン)を連れて清河酒店に入った。すると外套を目深にかぶった王藺が現れる。王藺は皇帝が蕭綦を呼んだのは王に封じるふりをして実は権力を奪うためだと吹き込んだ。「軍の指揮権を握るそなたを恐れ、皇帝は夜も眠れずにいる」「…丞相も眠れぬのでは?」「ふっ…そなたは猛虎だ、皇都に来るのは監禁されるも同然 正直なところそなたが本領発揮できまいと考えておる、同盟を結びたく、ここまで呼んだのだ」蕭綦は丞相の腹の中が読めなかった。しかしどちらにしても選択権は自分にある。ともかく今夜は街に出たついでに灯籠祭りを見物して帰ることにした。すると驚いたことに人形劇で自分の武勇伝が大袈裟に語られている。その露店で気が強い令嬢と一緒になったが、その美しい娘がまさか丞相の娘だとは知る由もなかった。子澹と2人で蕭綦将軍の人形劇を見ていた阿嫵だったが、偶然に居合わせた無骨な男に腹を立てた。穏やかな子澹はもめ事を起こさぬようなだめ、相手の男にも謝罪して早々に立ち去る。そして2人は仲良く河に灯籠を流し、願い事をした。「ねえ見て、花灯が戻って来たわ!…不思議ね」その時、2つの花灯の下から刺客が飛び出した。蕭綦は祭り見物をしていたが、ふと物音に気づいた。すると川岸で男女が襲われている。蕭綦と宋懐恩は颯爽と駆けつけ、黒装束の男を退けた。子澹は命の恩人が少し前に人形劇で阿嫵と小競り合いになった男たちだと気づく。「あなたたちは先ほどの…おかげで助かりました」「礼など不要ですよ、ではこれで…」「ぁ…もしまたお会いできたら、その時に必ず礼を…」「いいえ」阿嫵も子澹もその豪腕な男が蕭綦将軍だとは夢にも思わなかった。↓これはいいモフモフ!楽しかった祭りが一転、阿嫵は恐怖と衝撃ですっかり消沈した。すると屋敷まで送って来た子澹が成人の儀で渡せなかったかんざしを贈る。腕の傷はまだ出血していたが、子澹は最後まで笑顔だった。阿嫵はまた塀から裏庭へ入り、こっそり居所へ戻った。すると清児が姪の帰りを一晩中、待っていた皇后の前でひざまずいている。驚いた阿嫵は慌てて叔母に拝礼、すぐ甘えて脱走をごまかそうとしたが、皇后の話は皇太子との結婚だった。「嫌でも皇太子と婚姻を結ぶしかないのよ?王氏の娘は生まれた瞬間から国母となる運命 そなたも私もお祖母様も、先祖代々ね、皇帝陛下のそばを守ると定められているの」「ですが私は互いに愛する人と共にしたいのです…」そこで阿嫵は髪に挿していたかんざしを外し、子澹から婚約の印にもらったと教えた。皇后は2人が結ばれれば自分たちはもはや家族ではなく敵になると迫ったが、阿嫵はただ子澹と婚姻したいだけだと訴える。「たとえ王氏でなくなっても構いません…」姪の暴言に思わず手を振り上げる皇后、しかしその時、晋敏(シンビン)長公主・馬瑾若(バキンジャク)が入って来た。馬瑾若は娘に手を挙げようとした皇后を諌めた。そこで娘の躾が悪いというなら、自分の顔を平手打ちするかと迫る。皇后は仕方なく帰ることにしたが、ちょうど門に向かっていたところで兄が帰って来た。阿嫵に反発された皇后は兄に不満をぶちまけた。ここ数年、皇帝は王氏を警戒し、皇后と王藺を仲たがいさせている。実は皇帝は皇后との婚姻で王氏の助けを得て皇位に上り詰めていた。しかし皇帝はその座が安定すると謝氏と手を組み、王氏に圧をかけて均衡を図るようになる。確かに阿嫵が皇太子と婚姻すれば朝廷は王氏の独壇場となり、皇帝は安心して眠れなくなるだろう。実は王藺は皇帝の思惑にすでに気付いていた。将棋の巧者である皇帝が本当に阿嫵に負けるはずがない。「いいだろう、私も一局、対戦しよう」王藺は妹に自分について来いと言った。三皇子の刺客騒ぎは皇帝の知るところとなった。しかし調査で分かったのは巡城司が発見した骸の2体が、三皇子の証言から刺客だと断定されただけだという。皇帝は執金吾丞・王栩(オウク)の怠慢だと激怒し、担当から外して1年の減棒を科した。三皇子を襲った黒幕は誰もが皇后と王氏一族だと疑った。皇帝と謝淵もまた同様に皇后に疑いの目を向ける。二皇子・子律(シリツ)は生母の身分が低く早世して後ろ盾がないため、皇太子にとって脅威になるのは子澹だけだ。「阿嫵と余の約束が何者かを焦らせたようだ…」すると皇帝は宛如の縁談を急ぐことにした。太傅・顧庸(コヨウ)は皇帝から指名され、刺客事件の捜査を引き継いだ。検視官の話では刺客の骸は2体とも一撃で絶命しており、素人の仕業ではないという。また刺客の顔立ちは異民族のようだった。「異民族?!」その夜、妓楼に突然、兵士たちが雪崩れ込んだ。女主は何事かと困惑したが、指揮する武官は妓楼に異民族がいると聞いたという。「でも女子ですよ?」「それでも異民族だ、命の通り厳しく調べる!」すると女主はある房間の前に立ちはだかり、調査を止めた。「ここはなりませぬ、入られては困ります!」武官は怪しんで強引に乗り込み、房事の最中だった寝床の御簾を開けてしまう。しかしそこにいたのは二皇子だった。謝淵は早速、宛如に皇帝からの縁談を勧めた。しかし相手が蕭綦だと聞いた宛如は驚愕し、娘を寒門出身の人殺しに嫁がせるのかと反発する。「腑に落ちないとしても謝氏の一大事なのだ」謝淵は娘を説得したが、宛如は泣きながら出て行ってしまう。つづく
2021.09.03
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上阳赋 The Rebel Princess第1話「はじまりの時」雪の舞う皇都・建寧(ケンネイ)、まだ幼い上陽(ジョウヨウ)郡主は20日間も宮中に留まっていた。長公主は娘を連れ戻そうと使いを出したが、郡主は帰りたくないという。すると郡主を溺愛する皇太后はもうしばらく滞在させると伝言を託した。…私は王儇(オウケン)、琅琊王(ロウヤオウ)氏の娘母は大成皇帝・馬曜(バヨウ)の唯一の妹で、皇太后が寵愛している晋敏(シンビン)長公主・馬瑾若(バキンジャク)父は当代の丞相・王藺(オウリン)よ私は生まれてすぐ皇太后から鳳池(ホウチ)宮を賜り、宮殿への出入りも自由だったのだから3人の皇子たちと幼なじみでも皇太子・子隆(シリュウ)は意地悪で、二皇子・子律(シリツ)は病弱で寡黙、皇太子にいじめられていた私はとても優しい三皇子・子澹(シタン)哥哥が一番好きだったわそして私の姑姑は後宮を統べる皇后、父の妹で王氏一族12人目の皇后私はすでに上陽郡主を授かり、哥哥よりも位が高かった今も親しい人は皆、私を幼名で呼んでいる、阿嫵(アーウォ)と…幼い頃から蝶よ花よと可愛がられ、皆から愛された王儇。まさかこの繁栄の裏で、自分の誇りである士族や国が戦火にまみれているとは想像すらしなかった。そして元熙(ゲンキ)15年8月、はるか西の寧朔(ネイサク)で数多くの戦士たちが敵国・忽蘭(クラン)を食い止めている中、皇都では上陽郡主の成人の儀が華やかに始まる。しかし成長した純粋無垢な郡主は、この時から政争に巻き込まれる運命だった。王藺は壇上で成長した娘の姿を見守っていた。すると儀式も終わりを迎える頃、手元に急報が届く。王藺はひとまず報告を後回しにしたが、その時、皇太子の目配せに気づいた皇后が成人を迎えた上陽郡主に婚約を賜ってはどうかと切り出した。それを受けて太傅・顧庸(コヨウ)は皇太子に嫁がせるべきだと進言、一方、侍中・温宗慎(オンシュウシン)は仲睦まじい三皇子との縁談を上奏する。そこで阿嫵は自ら皇帝に嘆願した。「陛下、愛とは純粋であるべきもの、婚姻は当事者が望んでするものです 私は15歳になり、もう立派な大人、言動には責任を持ちます 華美な衣は望みません、贅沢な生活も望みません、私の願いは愛する人に嫁ぐこと 皇帝陛下、本日、私はこの場でお願いが…」その時、王藺が娘の言葉を遮って火急の知らせが届いたと報告した。「忽蘭王が10万の兵を率いて我が北西の辺境を侵略し、一刻を争う事態です! 娘・王儇の話は次の機会に…」↓三皇子、またしても良い役を手に入れましたね~阿嫵は父がわざと自分の話を遮ったと分かった。翌朝もふて腐れて儀式をすっぽかしてしまう阿嫵、すると話を聞いた兄の世子・王夙(オウシュク)と世子妃・桓宓(カンヒツ)が妹を迎えにやって来る。阿嫵は祠堂まで強引に引っ張られ、嫌々ながら儀式に参加するも琅琊王氏家の家訓を唱えなかった。阿嫵は父になぜ自分の上奏を遮ったのか聞いた。あからさまに不快感を表した王藺は国の一大事だと答えたが、阿嫵は嘘だと気づいている。「子澹哥哥以外には嫁ぎませんから!」王夙は父も慎重なだけだと妹をなだめたが、阿嫵は怒りがおさまらない。「もういいわ、舅舅に言うから!」一方、北西の辺境では寧朔の将軍・蕭綦(ショウキ)がちょうど忽蘭王の居場所を突き止めていた。↓いや~予想外にカッコいい蕭綦w3年前、皇帝は″忽蘭王を討ちし者は出自に関係なく王爵に封じる″と発布していた。もし蕭綦が大功を上げれば寒門の若者に王爵が与えられることになる。丞相でさえ公爵だというのに皇族でない王爵など前代未聞、大成士族は自分たちへの侮辱だと大反対した。しかし王藺は反対せず、ただ皇帝の意思に従うのみだという。その頃、阿嫵はちょうど棋譜を打っていた皇帝を訪ねていた。「舅舅、また将棋?…阿嫵が勝ったらご褒美をくださいますか?」「良いぞ?余に勝てたら何でも聞いてやろう」皇帝は朝廷でのいざこざにうんざりしていた。まだ勝負も定かでないうちから、国の存続よりも蕭綦に王爵を与えるかどうかでもめている。「忽蘭は何度も国境を攻めています、ですから勝利した者にはふさわしい褒美を与えるべきです 舅舅、出し渋ってはいけません」「だが蕭綦は寒門の出身だ、将軍の位を授けただけでも異例の抜擢なのだぞ? 王爵となれば士族たちが不満を垂れる、だが3年前にもう命を下しておる」すると阿嫵はいとも簡単に王爵に冊封してしまえばいいという。「王爵であれ将軍であれ、舅舅の駒なのですから」阿嫵は将棋に勝った。そこで皇帝の前にひざまずき、皇太子妃にはなりたくないと訴える。「陛下、どうか阿嫵に婚姻の自由をお許しください」すると皇帝は太監・薛道安(セツドウアン)に言った。「肝に銘じておけ、二度と上陽郡主と将棋を指させるな…負けの代償が大きいからな」阿嫵は皇帝のお墨付きをもらい歓喜しながら帰って行った。この頃はただ無邪気に幸せが待っていると信じて疑わなかった王儇、皇帝も美しく賢い姪を可愛がっていたが、王氏であることが残念だった。↓おじさんと姪…いやどうみても(´゚艸゚)ゲフンゲフン皇帝が上陽郡主に婚姻の自由を許可したことはすぐ皇后王氏の耳に入った。将棋ごときで王氏皇后の歴史を断つなど言語道断、すぐ上陽郡主を呼ぶよう命じたが、すでに宮中を出た後だった。屋敷に戻った阿嫵は回廊で気分良く舞っていた。すると王夙がこっそり背後から近づき、裙裾をつかんで引っ張る。驚いた阿嫵は思わず柱にしがみついたが、すぐ兄の仕業だと分かった。「…哥哥!離して!」阿嫵と王夙は裙裾の引っ張り合いになり、すかさず侍女・蘇錦児(ソキンジ)が加勢する。こうして阿嫵と錦児のみごとな連携で王夙は吹き飛ばされた。皇太子も婚姻の自由の件を聞いて昭陽殿に駆けつけた。すると縁談をまとめられなかった母に八つ当たりし、阿嫵を娶れないなら皇太子の位さえいらないとわめいて帰ってしまう。一方、阿嫵は父が戻るとすぐ、先手を打って自らひざまずき罰を請うた。尻を叩かれてもいいように兄からもらった尻当てをつけて準備は万全、しかし急に手を出せと命じられてしまう。予想外の展開に恐る恐る手を出す阿嫵、思わず父の裾を引っ張って助けを求めたが無駄だった。「うわっ!」父が棒を振り上げた瞬間、阿嫵は思わず叫び声を上げて避けてしまう。「…これでは傷が残る、板で手のひら50回だ、本日より100日間、禁足に処す、よいな?」皇帝は政務を終え、寵愛する貴妃謝氏の寝宮にやって来た。謝貴妃も息子の三皇子と阿嫵が恋仲なのは気づいていたが、王氏の娘の婚姻は国の未来を左右する。「二人の恋路は茨の道でしょう」「皇后と丞相が黙っておらぬだろうな」翌朝、鎮国公府の書房に王藺と弟の執金吾丞・王栩(オウク)・顧庸が集まった。まさか本当にあの蕭綦が勝つとは予想外、しかし皇帝は約束は約束だと話していたという。こうして忽蘭王を討ち取った寧朔将軍・蕭綦のもとに皇帝の聖旨が届いた。…ここに征北将軍の位を授け、北西の軍務を一任する、直ちに皇都へ戻り、王爵を拝受せよ…禁足で退屈な阿嫵は中庭で鬼ごっこ、すると宛如(エンジョ)が差し入れを持って訪ねて来た。つづく(  ̄꒳ ̄)お決まりの年齢詐称から始まりました~こうして見てみると第1話から濃いっw
2021.09.02
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丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman第28話「幇助」田光(デンコウ)は燕(エン)の丹(タン)太子の策士だった。麗姫(レイキ)から知らせを受けた田光は丹太子を救出するため、天下無敵の鵠落(コクラク)剣法を習得した荊軻(ケイカ)に協力を頼む。ただし秦(シン)王の膝下で厳重な警備をかいくぐり助け出すという困難を極める作戦、田光は命の保証がないのでよく考えて欲しいと言った。しかし荊軻は恩人である田光のために迷わず引き受けるという。韓申(カンシン)は田光からの密書が届き、折を見て麗姫に見せた。「師弟が咸陽へ来るそうだ」「丹太子を救出するのね…」韓申は田光に丹太子の軟禁を伝えたのが麗姫だと知り、内通罪になると慌てた。しかし麗姫は嬴政(エイセイ)にとっても、友である丹太子をこんな形で留め置くのは本意ではないはずだという。むしろ丹太子が逃亡することが嬴政への救いにもなるはずだ。韓申は思わずため息をつき、麗姫の行動が丹太子のためのか、嬴政のためのなのか分からなくなったという。すると麗姫は亡き祖父の口癖を持ち出し、″なすべきことを見極めよ″だと言った。「万一捕まっても、大王は私を死罪にはしないわ…」その時、回廊で物音がする。驚いた麗姫が飛び出すと、見張りをしているはずの清児(セイジ)が消えていた。「清児?清児?…清…」ε=┏(* ・_・)┛タッタッタッタ!<夫人!厠に行ってました~申し訳ありません!麗姫は安堵して殿内に戻ったが、改めて韓申に用心しようと言った。( ๑≧ꇴ≦)ようやくまともな衣装キタ!にしてもその襟…その夜、麗姫はひとり城楼で満月を眺めながら荊軻に想いを馳せた。…師兄、あなたならやり遂げられるはず…同じ頃、荊軻も麗姫と同じ満月を見ていた。いよいよ明日は燕太子府に乗り込む。もし失敗すれば丹太子も自分たちもここで命を落とすことになるだろう。翌日、麗姫は政務中の嬴政のそばで甲斐甲斐しく世話を焼いていた。そこへ李仲(リチュウ)と韓申が現れ、実は阮青(ゲンセイ)からの報告で丹太子が病を患い、ずっと伏せっているという。驚いた嬴政は太医の派遣を許可し、警戒を強化するよう命じた。すると麗姫が大王の代わりに見舞いに行くという。そもそも大王が帰国を認めないせいで丹太子が病となり、何もしなければ薄情だとそしられるだろう。「私が名代なら礼を失することはないかと…」「はお、韓申、そなたも同行してくれ」こうして麗姫は大王の勅命を手に燕太子府へ向かった。麗姫が見舞いにやって来た。麗姫と韓申が丹太子の寝所へ入ると、黄侍衛は戸にぴったりと張り付いて聞き耳を立てる。丹太子は御簾から元気な姿で現れたが、黄侍衛を警戒してわざと咳き込んだ。すると麗姫は祖国を思うあまり病が回復しないのだろうと心配し、望郷の念を和らげるべく歌を贈るという。殿内に響く麗姫の美声、その時、黒装束に身を包んだ田光と決死隊が燕太子府になだれ込んだ。中庭が急に騒がしくなった。黄侍衛は盗賊が乱入したと報告、すると麗姫が様子を見てくると言って寝所を出る。「韓侍衛、外を見てくるから丹太子をお守りして」その頃、騒然となった中庭にひとりの手練れが現れた。荊軻は鮮やかに次々と禁軍を退け、田光に目配せする。すると麗姫と黄侍衛が殿内から出てきた。荊軻の姿を見つけた麗姫は物陰に隠れ、急いで裙裾を外して息を整えた。そして落ちていた兵士の剣を拾うと、荊軻めがけて突進する。( ・ノェ・)コショッ<師兄、私を人質に…早く!荊軻は一瞬、戸惑ったものの、麗姫と一手だけ交えてから人質に取った。「動くな!」すると阮青と禁軍は一斉に手を止め、盗賊たちと対峙する。その間に韓申は田光と黒装束に着替えた丹太子を寝所から逃がした。荊軻は2人が無事に脱出したのを確認すると、麗姫を連れて引き上げて行く。そこで韓申は自分が麗夫人を追うと伝え、阮青に報告を任せた。思わぬ形で再会を果たした麗姫と荊軻、荊軻はようやくこの計画を立てたのが麗姫だと知った。恐らく田光は荊軻が動揺しないよう隠しておいたのだろう。「前髪…ちゃんとまとまってるのね、爺爺(イェイェ)もきっと喜んでる」「麗児…もしや他に隠しているこ…」荊軻は麗児に聞きたいことがあったが、丹太子と田光が現れ言葉をのみ込んだ。そこへ遅れて韓申も合流する。「間もなく禁軍が追って来ます、直ちに国境を越えてください」実はまだ最後の難関である関所越えが待っていた。「麗夫人…いや公孫(コウソン)姑娘とお呼びします」丹太子はその場でひざまずき、麗姫に拝礼した。「今生での恩返しがかなわぬゆえ、来世でお返しします」「丹太子、道中のご無事をお祈りしています…師兄、田光先生、どうか息災で」荊軻と麗姫は別々の方向へ歩き始めた。荊軻はふと振り返り、麗姫の背中を見送る。思い出されるのは無邪気だった頃の2人の思い出、しかし前を向いて歩いていく麗姫を見て、荊軻も再び歩き出した。するとその時、麗姫が振り返り、下山する師兄の背中を見つめる。…あなたには蘭児がいるから安心ね…荊軻はふともう一度振り返ったが、すでに麗姫は歩き出していた。( ;∀;)最後まですれ違うなんて、切ないわ~急報を聞いた李仲は直ちに大王に伝えた。激怒した嬴政は自ら麗姫の捜索に出かけると、ちょうど山中で麗姫を確保した韓申と合流する。「盗賊は麗夫人を置いて逃げていました、麗夫人を王宮へお連れするのが先かと…」しかし嬴政は何かおかしいと気づき、ふと罠だと分かった。一方、李仲は燕太子府を調査していた。すると驚いたことに殺された兵士たちは急所を一太刀で仕留められている。「相当の手だれだな…ただの盗賊とは思えぬ、丹太子は?」「中でお休みです」李仲は寝所に声をかけた。確かに丹太子は無事だったが、激しい咳が続いたせいか声がおかしい。そこで大王の命だと断って寝所に踏み込み、御簾をあげるよう頼んだ。「やつれているためご容赦を…」「せめてひと目だけでも…」李仲は剣に手をかけたが、その時、大王が駆けつけ、御簾から丹太子をひきずり出した。「入れ替わったか!」嬴政が懸念した通り、寝所にいたのは丹太子の身代わりだった。そこで燕丹の居場所を教えれば屍を揃えて埋めてやると迫ったが、身代わりは奥歯に仕込んでいた毒を噛み、自害してしまう。丹太子の捜索が始まった。韓申は今からでは追いつかないと言ったが、李仲は大王から預かった令牌で官道を使うという。「最短の道で函谷関(カンコクカン)へ向かう、追いつけるはずだ」その頃、田光たちは葬送請負人に扮し、ちょうど関所に到着していた。門衛は許可証がなければ通れないと止めたが、田光は秦で客死した百越の者の遺体で、死後ひと月以内に故郷へ運んで埋葬せねば来世で畜生に堕ちてしまうと訴える。「許可証をもらう暇もなく…どうかお目こぼしを」するとある兵士がどうせ遺体なので見逃してやろうと門を開けてやった。しかしその時、李仲たちが到着してしまう。李仲は覆面を外せと命じ、太子府で盗賊を見た韓申に調べさせた。しかし韓申は太子府を襲った盗賊とは違うと証言し、逃がそうとする。すると李仲は棺を開けて中を調べると言い出した。遺体に剣を突き刺して念には念を入れる李仲、そしてついに丹太子が隠れている棺の番になる。つづく
2021.09.02
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