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燕云台 The Legend of Xiao Chuo第15話「黒山の攻防」穆宗(ボクソウ)・耶律璟(ヤリツケイ)は冬捺鉢(ナバ)で黒山(コクザン)の行宮へ、一方、右腕の太平(タイヘイ)王・王耶律罨撒葛(ヤリツエンサーグァ)は留守を守るため上京(ジョウケイ)に残った。そんな中、耶律賢(ヤリツケン)の監視役・楚補(ソホ)が太平王を裏切り、耶律賢側に回る。実は穆宗に殺された義兄・白海(ハクカイ)はあの日、楚補の代理で狩りに同行していた。「本当は私が死ぬはずだったのです…」楚補は復讐を胸に耶律賢に叩頭、忠誠を誓った。燕燕(エンエン)は韓徳譲(カントクジョウ)から政変が近いと聞いた。しかし楚補が懐柔された話にはどこか違和感がある。「ちょうど義兄が殺されるなんて間が良すぎない?もしかして明扆(メイイ)大王が…」「あり得ぬ、明扆は蟻一匹も殺せぬ男だ」徳譲は兄弟も同然の耶律賢が清廉潔白であると信じて疑わなかった。一方、穆宗は黒山の狩り場で馬を駆けていた。しかし獲物が見当たらず、ふと思い立って宦官たちを標的にしてしまう。逃げ惑う宦官たち、すると穆宗は次々に矢を射っては高笑いした。穆宗の暴挙に怯える毎日、しかし従者たちもいよいよ腹に据えかねていた。するとその夜、側仕えたち4人の天幕に楚補がやって来る。楚補は明扆大王の勧めで訪ねたと切り出し、4人に家族からの差し入れを渡した。明扆大王の心遣いに笑顔が戻る4人、しみじみ優しい明扆大王に仕える楚補をうらやましく思う。そこで楚補は義兄・白海の無念を訴えた。「白海の両親に会ってきた…兄弟が大勢いたが無事に育ったのは白海だけ、だが白海も死んだ…」楚補はこのまま黙って死ぬくらいなら道連れにすればいいと扇動した。穆宗の側仕え4人が動いた。今夜も玉座で酔い潰れている穆宗、そこで4人は差し入れを届けに来たと見せかけ、盆の下に短剣を忍ばせて近づく。すると急に穆宗が寝言を叫び、驚いた随魯(スイロ)はお盆もろとも短剣を落としてしまう。ガシャーン!穆宗は大きな音で目を覚ました。しかし側仕えがいるのはいつもの情景、別段、気にする様子はない。そこで酒を持ってこいと怒号を響かせたが、ふと随魯の足元に転がっている短剣に気づいた。「…朕を殺す気か?」随魯は咄嗟に短剣を拾ったが間に合わず、瞬時に机の小刀を手にした穆宗に腹を刺されてしまう。驚いた3人は一斉に穆宗に襲いかかったが歯が立たず、そうこうしているうちに近衛軍がなだれ込んで来る。こうしてあっけなく失敗に終わったかに見えた穆宗の暗殺計画、しかし思わぬ伏兵がいた。耶律賢は近衛軍に劉梓固(リュウシコ)を紛れ込ませていた。穆宗を守ると見せかけ近づいた劉梓固、穆宗は捕らわれた宦官たちに気を取られ、刺客の存在に気づくのが遅れる。すると劉梓固が穆宗の腹を突き刺し、さらに抵抗する穆宗の首に短刀を突き立て止めを刺した。兵士たちが急いで刺客に斬りかかるも時すでに遅く、穆宗はそこでばったり倒れてしまう。「暴君を…ついに討った…」劉梓固は使命を果たし、絶命した。蕭思温(ショウシオン)たちが行宮に駆けつけた。早速、蕭思温は情勢を安定させるため、当時の耶律屋質(ヤリツオクシツ)に倣って新君を擁立しようと動き出す。そこで穆宗が先帝崩御の際、臣下の前で″皇子賢(ケン)を我が子同様に育て上げる″と宣言したことを利用した。つまり息子がいない穆宗の正当な後継者は皇子賢となる。蕭思温は混乱を防ぐため崩御を伏せ、行宮から人を出さないよう女里(ジョリ)に命じた。「表沙汰にするのは…陛下が刺客に襲われ、首謀者を捕らえたことだけ」そして韓匡嗣(カンキョウシ)が穆宗に代わって遺詔を準備することにした。雪が舞う上京、ついに耶律賢たちが待機する離宮に鳥文が届いた。「どうやら私の運も悪くないらしい…」鳥文には″事成(成功)″とある。すると韓徳譲が席を立ち、改めて拝礼した。「陛下にご挨拶を」韓徳譲は耶律賢を即位させるため、黒山へ発つことになった。しかし城門が封鎖され、昨日から太平王の新しい令牌以外では通れなくなっている。徳譲が探りを入れたところ罨撒葛が間者を捕らえ、残党が逃げぬよう令牌を変えていた。今日中に向かわねば罨撒葛のこと、すぐ異変に気づくだろう。追い詰められた徳譲は仕方なく蕭家に燕燕を訪ねた。太平王府に燕燕がやって来た。胡輦(コレン)は嫁入り道具に足りないものがあったのか心配すると、燕燕は実は持って行きたい書物があるという。「契丹(キッタン)八部族の族譜、部数が少ないから貴重なの~ほら、徳譲哥哥は書物が好きでしょう?」胡輦が可愛い妹の頼みを断るはずがない。「燕燕?いたずらしないでね、大切な公文書があるから触らないでよ?」「分かってるって~」罨撒葛の書斎にやって来た燕燕、そこでわざと山積みになっていた竹簡にぶつかった。胡輦は燕燕をどかせて侍女・安熙(アンキ)と片付けることにしたが、その隙に燕燕は机にあった通関令牌を手に入れることに成功する。一方、徳譲の帰りを待つ耶律賢は楚補に指示を出していた。「我らが去ったら婆児(ハジ)たちと屋質大王のもとへ行ってくれ、連絡は伝書鳩を使う」燕燕は徳譲に通関令牌を渡した。「燕燕、戻ったら婚礼を挙げよう」すると燕燕は手首に巻いていた帯を外し、そっと口づけしてから徳譲の手首に巻く。「うまく行くって信じてる、待っているから…」「必ず戻るよ」徳譲は燕燕の額に口づけし、決戦の地へ旅立った。その夜、韓徳譲と耶律賢は道中、韓匡嗣が出した迎えの軍と合流した。一方、黒山の変事は上京の耶律喜隠(ヤリツキイン)の耳にも届く。暗君が殺されたと気づいた喜隠はこの好機を逃すまいと黒山へ向かうことにした。身重の烏骨里(ウグリ)は気丈にも夫を送り出し、吉報を待つ。こうして喜隠は死士を集めて見張りの兵士たちを襲撃、無謀にも屋敷を飛び出した。喜隠は城門を突破するため、衛兵たちと衝突した。太平王府で報告を聞いた罨撒葛は激怒したが、胡輦の手前、義妹を寡婦にはしないと約束する。そこへ急報が届いた。「(ガーン)陛下が襲われ、黒山が封鎖された、本営に行った者も戻らぬと…おかしい」罨撒葛は何かが起こったと気づいた。すると粘木袞(デンボクコン)が喜隠の動きと関係があると疑う。罨撒葛は直ちに出発するため、ひとまず東の大営にいる兵馬を連れて行くと決めた。罨撒葛が城門へ到着すると、喜隠たちが兵士に囲まれていた。すると離宮の様子を見てきた高六(コウリク)が追いつき、耶律賢がいないと知る。罨撒葛は耶律賢に出し抜かれたと気づき、喜隠を捕らえるよう命じて慌てて出発した。その頃、病弱の耶律賢は山の寒さに耐えられず、意識が朦朧としていた。韓徳譲は弱気になる耶律賢を励まし、馬に飛び移って耶律賢の身体を支えながら行宮を目指す。やがて日が昇る頃、耶律賢はついに行宮へ到着、門では南院枢密使・高勲(コウクン)が出迎えた。臣下たちが行宮に集められた。一体、何事かと思えば、穆宗が従者に襲われて崩御したという。その頃、ついに罨撒葛たちも黒山に到着した。しかしすでに行宮は封鎖され、服喪の用意が始まっている。罨撒葛は兄が殺されたと気づき、呆然となった。「皇兄…皇兄ーーーっ!突撃しろ!」行宮の外で激しい戦いが始まる中、蕭思温は粛々と新帝の即位を進めていた。「ここに陛下の遺詔がある」すると臣下たちは一斉にひざまずく。「我が子、皇子賢は特に秀で大任を担うに値する、よってこの国を授け、遼の君主に任命する… 新帝をお迎えする!」その時、扉が開いて王冠をかぶった耶律賢が韓徳譲を従えて入って来た。「陛下、万歳!万々歳!」つづく( ̄▽ ̄;)喜隠…視聴者でさえ失敗すると分かっているのにw
2021.07.31
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丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman第10話「失意」その夜、麗姫(レイキ)の寝宮に何者かが忍び込んだ。寝所に現れたのは南宮に幽閉された太后・趙姫(チョウキ)。錯乱した趙姫は麗姫を呂不韋(リョフイ)の女だと勘違いし、嫉妬に駆られていきなり首を絞めた。しかしすぐに秦(シン)王・嬴政(エイセイ)が駆けつけたため、大事に至らずに済む。すると嬴政は趙高(チョウコウ)に太后を南宮へ送れと命じた。( ゚д゚).oO(太后?…あの人が大王の母親なの?麗姫が唖然とする中、趙姫は邯鄲(カンタン)に帰りたいと泣き叫びながら引きずり出されて行った。麗姫は嬴政に太后がなぜ錯乱したのか聞いた。ようやくまともに口をきいたかと思えば母の話、嬴政は太后の失態もあってか落胆を隠せない。「…そうでなければあなたの声も聞きたくない、顔も見たくないわ でも仕方がない、こんな身体のうえ味方もいないのだから」麗姫は秦王を憎む人ならたくさんいると挑発したが、今夜ばかりは嬴政も怒る気力がなかった。「休むがよい、ここは侍衛に守らせる」嬴政は南宮の母を訪ねた。幽閉生活で時折、混乱をきたすようになった趙姫、しかしふと息子の仕打ちを思い出す。「あなたは呂不韋を追放し、嫪毐(ロウアイ)を死罪にした、私の子供たちも…罪のない子まで…」「あの下劣な嫪毐との子だ!秦の恥ではないか!そなたに想いを断ち切らせるため殺したのだ」「邪魔者を始末して済々したでしょうね!」全てを失った趙姫は嬴政を激しく責め立てたが、嬴政は男と通じて怠惰と欲望に溺れた母が自分の名誉を大きく傷つけたと非難した。すると趙姫はせめて呂不韋と一緒にいたいと頼む。しかし嬴政は侍女を呼び、太后に薬を飲ませて眠らせろと命じた。祖太后の宴の準備に忙しい楚(ソ)夫人、それにしても大王がなぜここまで麗姫を寵愛するのか分からなかった。侍衛が守っていては手出しもできず麗姫のお腹は大きくなるばかり、そこへ趙高がやって来る。趙高は堕胎薬の件で厨房と後宮の下働きを厳しく取り調べたが、不明な点が生じたと切り出した。「麗良人が流産しかけた数日前、楚夫人は太医に薬を求めたのでは?」すると楚夫人は祖太后が麗良人の子の誕生を望んでいるかどうか分からないと、暗に祖太后の意向だとほのめかす。そこで高価な玉佩を渡し、祖太后にも取りなしてやると趙高を懐柔した。趙高は麗良人の寝所で待っていた嬴政に事実を隠匿して報告した。厨房と倉庫、妃の寝所を調べてみたが、疑わしいところは見つからなかったという。しかし疑り深い嬴政は嘘だと見抜いた。「何者かに買収されたか」李仲(リチュウ)がすかさず剣を突きつけると、趙高は慌てて平伏し許しを乞う。すると麗姫が嬴政を止めた。こうして子が無事だった以上、追及する必要はないという。「示しがつかぬ」「誰かの死の上に産まれるなんて、子供に不幸を負わせるつもりなの?!大王…」麗姫に懇願された嬴政は仕方なく趙高を追い払った。嬴政は李仲に意見を聞いた。李仲の話では後宮の警備は特に厳しく、薬を入れたのは内部の者の犯行で間違いないという。「そう言えば数ヶ月前に侵入者がありました、麗良人の入内後すぐです しかし常に厳戒態勢が敷かれているため、即刻、取り押さえました」麗姫はもしや師兄ではないかと心配になり、捕まった侵入者はどうなるのか聞いてしまう。「投獄され厳刑を受けます、その後、まだ命があれば労役に送られます」動揺する麗姫を見た嬴政はどうして気にするのか怪しんだ。慌てた麗姫は好奇心だと言ってごまかし、それより祖父の短剣を返して欲しいと話題を変える。すると嬴政は急に渋い表情になり、あきらめろと一蹴して帰って行った。…師兄、私たちの子供ができたの…どうか無事でいて、もう私のことは忘れてね一方、労役を課された荊軻(ケイカ)は他の罪人たちと共に驪山(リザン)を目指していた。すると休憩中の一行の元に早馬がやって来る。兵士は賄賂を受け取ると、荊軻の拘束具を外して出発した。ひとり解放され呆気に取られる荊軻、そこへ田光(デンコウ)が現れる。実は田光は荊軻を追って咸陽(カンヨウ)まで来たが、荊軻は見つからなかった。思い当たるのは秦王宮だけ、そこであらゆる人脈を頼って荊軻の居場所を探り、ようやく突き止めたという。しかし荊軻は己の不甲斐なさに絶望し、獄中で死んだほうがましだったと言った。田光は荊軻を助けるため己の身を投げ打った麗児を思い、その心に決して背いてはならないと諭す。「麗児は天下と俺のために犠牲となった…だが俺は? 愛する人も守れないのに、どうやって民を救い、世を変えるというのですか?」田光は荊軻の苦しみを理解し、とにかく燕(エン)に連れ帰ることにした。↓やつれてボサボサなのにイケメン師兄嬴政は麗姫を守るため、今後は一緒に膳を取ると決めた。そこへ侍女の清児(セイジ)が麗良人の食事を持って来る。嬴政は清児を下げて自ら粥を食べさせることにしたが、麗姫は拒否した。「私はいらない、あなたが食べたら?」「そう申すなら余も食べぬ」「…なら天下のためにも、あなたが餓死するまで絶食するわ」すると嬴政は麗姫を強引に引き寄せ、言動を慎まねば恐ろしい目に遭わせると脅した。「ただでさえ食欲がないのに、ますます食べる気がうせた」頑なに拒む麗姫、そこで嬴政は箸休めをくわえ、いきなり口移しで麗姫に押し付ける。「食べぬなら、こうして口に入れる…」_:(´ཀ`」 ∠):.oO(それは勘弁これにはさすがに麗妃も戸惑いを隠せず、仕方なく食事を始めた。( ˙꒳˙ )で、この山盛りの巨大な豆は何?荊軻は燕に戻っても立ち直れずにいた。麗児を失った苦しみに耐え切れず酒浸りの日々、すると酔った荊軻は麗児の幻覚を見る。( ;∀;)<麗児、戻ったのか?…辛かったよ~˚✧₊⁎❝᷀ົཽ≀ˍ̮ ❝᷀ົཽ⁎⁺˳✧༚<師兄、辛いと思おうが思うまいが、辛いのが人の世の常なのよ~(˘・з・˘)<麗児…ちょっと何言ってるか分からない˚✧₊⁎❝᷀ົཽ≀ˍ̮ ❝᷀ົཽ⁎⁺˳✧༚<師兄、ひとつだけ答えて、私と静かに暮らす道を選ばなくて後悔している?( TㅅT)<後悔している!すごく後悔している!あの時に戻りたい、やり直したいよ~荊軻は思わず手を伸ばしたが、麗児の姿は消えてしまう。↓泥棒ヒゲと前髪のコラボ酒楼を出た荊軻は田光の山荘まで歩いていた。すると再び丹頂(タンチョウ)門一派が現れ、鮑野(ホウヤ)から鵠落(コクラク)剣法の剣譜を渡せと脅される。泥酔していた荊軻は反撃もできず暴行を受け、あっけなく捕まった。しかしちょうど田光を訪ねるところだった蓋聶(コウジョウ)と蘭児(ランジ)父娘が通りかかり、助けられる。天下一の剣客の登場に動揺を隠せない丹頂門一派、仕方なく鮑野たちは荊軻を置いて逃げて行った。田光は蓋聶の来訪を喜んだ。そこで蘭児は夜食を振る舞ったが、荊軻は人が変わったように生気がない。「蓋大侠にはお助けいただき感謝します、ですが俺のような者を救う意味はない 今後おせっかいは無用です、では失礼」荊軻はやりきれない思いを抱え、ひとり悶々としていた。「飯も食わず散歩とは…不満のはけ口でも探しているのか?」その声は蓋聶だった。蓋聶は自暴自棄になった荊軻を煽って手合わせに興じたが、荊軻はあっさり倒れてしまう。「これでは300年修行しても君の師妹は助けられんな」すると蓋聶は荊軻の師匠である公孫羽(コウソンウ)の過去を話し始めた。公孫羽と言えば普段、穏やかで争いを好まなかったが、かつては″血影(ケツエイ)″という通り名があったという。「行く手には血の華が咲くからだ」( °◊° )ガタガタッ!!つづく( ๑≧ꇴ≦)数ヶ月も経ってたのかーいっ!
2021.07.30
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丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman第9話「嫉妬」麗(レイ)良人の寝殿、楚(ソ)夫人の密偵は回廊で聞き耳を立てていた。「…おかしいわね、静か過ぎる」すると巡回していた衛尉(エイイ)・李仲(リチュウ)が怪しい宮女を見つけ、追い払ってくれる。その頃、秦(シン)王・嬴政(エイセイ)は麗姫に口づけしようと迫り、顔を背けられていた。「心を開いてくれるのはまだ先になりそうだ…何が欲しい?何でも叶えよう」嬴政は大人しく帰って行くと、また景(ケイ)良人の元で時間を潰した。翌朝、荊軻(ケイカ)は他の罪人たちと共に咸陽(カンヨウ)城を出た。…麗児、待っていてくれ、必ず助けてやるからな…( ๑≧ꇴ≦)いや、どうやって~?!元服してから政務に掛かりきりだった嬴政、しかし麗姫が入内してからというもの、毎夜のごとく後宮に通っていた。一見すると大王に寵愛されているのは麗良人と景良人、そこで趙高(チョウコウ)は他の妃たちが嫉妬に駆られて大騒ぎだと諫言する。「後宮の調和を守ることが肝要かと…特定の妃のみをご贔屓になさいませんように」「そうだな、分かった」嬴政は今夜は楚夫人を訪ねると決めた。大王の来訪で楚夫人は上機嫌だった。翌朝、早速、景夫人と韓(カン)長使を呼んで鼻高々に自慢する楚夫人、しかし景夫人の様子がおかしい。「気分でも悪いの?」「妹妹、風邪を引いて頭が痛むので少しぼんやりしていました…お許しを」「風邪ですって?…まあ大変だこと」そこで楚夫人は尚儀(ショウギ)に薄荷油を持たせるよう指示したが、景夫人はそんな楚夫人を嫌悪していた。侍衛の詰所に珍しく趙高が顔を出した。何でも麗良人が懐妊し、大王からいつお呼びが掛かるか分からないという。その話を侍衛として宮中に潜入してた韓申(カンシン)が聞いていた。「大人(ダーレン)、聞いたところ麗良人は大王の寵姫なのだとか…」「うむ、妃としては異色ではある、衛(エイ)の平民の娘だ」|ω-`).oO(やはり師妹か…ついに麗児を見つけ出した韓申、しかし懐妊していると聞き及び、仇敵である秦王の子を宿していると誤解してしまう。華陽(カヨウ)太后は立后の件で大王を呼んだ。そこで同じ楚人で孫のように可愛がっている楚夫人を王后にと推挙したが、嬴政は時期尚早だという。「祖太后、麗良人が懐妊しました」嬴政は王后の子が嫡子となるため、立后は麗良人が出産を終えてからだと言った。最初に男児を産んだ妃が王后となるのは王族の慣例、もちろん長子である扶蘇(フソ)に期待しているが、生母の鄭(テイ)夫人は早世している。「よって次に男児を産んだ妃を王后とします 王后の子が世継ぎなら諍いもなく安寧も得られましょう」嬴政は楚夫人を牽制して帰って行った。祖太后は楚夫人を王后にすべく手を打つことにした。そこで側仕えの鳳儀(ホウギ)に早速、薬を用意するよう命じる。楚夫人は祖太后が麗姫を流産させるつもりだと分かったが、万一にも大王に知られたら大事だと心配した。しかし祖太后は呂不韋(リョフイ)が去った今、嬴政に信頼できる者などおらず、身近な相手と言えば趙高だけだと指摘する。「趙高は容易に買収できる、後ろ盾のない麗姫には近づかぬだろう」楚夫人は自分の手を汚さずに済むよう、景良人を利用することにした。そこで景良人を呼び出し、麗良人の懐妊を教えて嫉妬心を煽る。しかし意外にも景良人は母から懐妊とは天運によるところが大きいと聞いたことから、麗良人は幸運だと答えた。楚夫人は自分への当てこすりかと気分を害したが、ともかく麗姫が男児を産めば自分たちの立場が危ういと脅す。「私と手を組んだ方が得よ?…うまくやれば悪いようにはしないわ」その夜、麗姫は食が進まなかった。側仕えの清児(セイジ)はつわりだろうと気遣い、それでもお腹の子のために食べるよう勧める。麗姫は仕方なく料理に手をつけたが、急に激しい腹痛に襲われた。太医が麗良人を脈診していると、大王が慌てて駆けつけた。「大王、母子ともに命に別状はありませんが…流産の兆候でございました 何者かが堕胎作用のある巴豆(ハズ)と益母草(ヤクモソウ)を御膳に混入させたようです しかし武術で鍛えられたお身体のため、流産は避けられました」激怒した嬴政は控えていた李仲と趙高を呼び、厨房と後宮の者を調べるよう命じた。李仲は厨房と後宮に出入りする者が数百人に上ると難色を示したが、嬴政は探し出せないなら全て死罪にするという。「李仲、趙高、お前たちもだ…全員、下がれ」嬴政は寝台に腰掛け、麗姫の様子をうかがった。すると麗姫がゆっくり目を開け、鋭い眼差しを向ける。「本当はあなたの仕業なのでしょう?」「余が本気ならばこんな手間をかけずに殺す」「でしょうね、妃の嫉妬心をあおることなど容易にできる 妃の誰かをそそのかして堕胎薬を混入させればいい」「余が命じたのなら、わざわざここに来ない」「どうかしら?」思えば衛王府でもまんまと趙(チョウ)公子の演技に騙された。嬴政は秦に刃向かう麗姫を救うためだったと釈明、さもなくばあの場で断罪されていたという。とにかく今回の件は自分ではないと否定し、恐らく懐妊した麗姫を妬んだ妃が画策したのだと言った。「まるで監獄みたい、私はあなたの寵愛も王后の座もいらないのに… たとえ豪華な食事でも安心して食べられない」陰謀渦巻く後宮になじめない麗姫、しかし嬴政はここで子を産むことが定めだとなだめた。「…さっきはなぜ怒ったふりをしたの?」「ふりなどではない、なぜそこまで疑う?そなたは余の妃、危害を及ぼす者は余の敵だ」「結局、自分が一番なのね」(*゚▽゚)*。_。)*゚▽゚)*。_。)ウンウン「…宿したのが余の子なら信じるか?そなたを案じていると」しかし麗姫は何も答えなかった。「もうよい、夜も更けたゆえ休め」後宮で大捜索が始まった。翌朝、景良人は慌てて楚夫人に助けを求めたが、楚夫人は捜索を仕切っているのが趙高なので心配ないという。しかし薬の効き目が弱く流産には至らなかったため、楚夫人は景良人の裏切りを疑っていた。趙高は大王からの贈り物を届けるため、静養中の麗良人を訪ねた。しかし麗姫は全て持ち帰るよう命じ、欲しいのは祖父の形見の短剣だという。趙高は仕方なく帰ったが、入れ違いで敏(ビン)夫人が見舞いにやって来た。すると敏夫人は麗姫を初めて見た時、一目で望まぬ入内だったと気づいたという。「私と大王は趙で幼なじみだったの、大王とは兄妹みたいなもの、男女の情はないわ 嫁いできたのは祖国と秦の関係を保つためよ」敏夫人は麗姫の警戒を解き、自分を姉だと思って欲しいと言った。…ビン夫人が仲間になりたそうにこちらを見ています、仲間にしてあげますか?▶︎はい いいえ一方、麗児の懐妊を知った韓申は居ても立ってもいられなかった。そこでその夜、一か八か内廷に入ろうと試みたが、門衛に止められてしまう。「門鑑(モンカン)を見せよ、入れるのは内廷の侍衛だけだ」韓申は怪しまれないよう咄嗟に新入りのため迷ったとごまかした。敏夫人は意外にも打算がなく、麗児は判断に迷った。そこで宮中に長い清児になぜ敏夫人が格下の自分に近づくのか聞いてみる。清児は確かに後宮では力ある妃に侍女や宦官がこびへつらうものだと言った。楚夫人や敏夫人の祖国は大国ゆえ後宮での地位も盤石だが、小国の妃は大国の妃におもねるしかない。清児は大王の寵愛があり、懐妊している麗良人に敏夫人が近づくのも当然のことだと言った。後宮の地位など興味がない麗姫は呆れたが、清児は地位が低ければ子供を守ることもできないという。清児の諫言はもっともだった。麗児は悶々としながら床についたが、夜も更けた頃、何者かが寝所に侵入する。つづく(  ̄꒳ ̄)弱いし意外にポンコツだった荊軻しかしすっかり忘れ去られていた大師兄が意外にもデキる人だった!そして麗姫の頭デカすぎ問題…いや毛量多すぎでしょう?w
2021.07.29
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丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman第8話「後宮」公孫麗(コウソンレイ)は身ごもっていた。秦(シン)王・嬴政(エイセイ)は激怒、太医に子を殺せと命じたが、麗児がならば自分を殺せという。激情に駆られた嬴政は李仲の佩刀を抜き、麗児の首に突き付けた。「卑しい胤(タネ)だ!」「私の子ですっ!」麗児は命乞いもせず、怯むどころか凛としていた。嬴政は愛する麗児を殺すことができず、剣を投げ捨てた。「李仲、姑娘に見張りを付けろ、何かあれば全員、死罪だ! 太医には懐妊を口外すれば命はないと告げよ!」嬴政が寝宮を出ていくと、麗児は急に緊張が解けてその場にへたり込んでしまう。一方、荊軻(ケイカ)は日夜を問わず馬を駆け、咸陽(カンヨウ)を目指していた。後宮から足が遠のいていた嬴政が珍しく妃たちを集めて宴を開いた。床入りも済んでいない妃たちは大王に会えると喜んだが、嬴政は公孫麗という衛(エイ)の娘を紹介し、趙高(チョウコウ)に布告を命じる。「大王は公孫氏の名を麗姫(レイキ)とし、良人(リョウジン)の位を与える」まさか公孫家の娘が秦王の妃になるとは…。麗児にとってこれ以上の屈辱はなかった。すると面白くない楚(ソ)夫人は新しい妃の入内をめでたいとしながら、麗良人に詩を吟じて欲しいと頼む。平民の娘に詩など詠めないと思ったのだろう。しかし麗姫は古代楚王の王后だった息媯(ソクギ)の詩を披露した。これを聞いて表情が曇る嬴政、実はこの詩は息媯が元夫・息侯への誓いを詠った詩で、息媯はたとえ楚王にこの身を奪われても、心の中で息侯への想いを貫いたという。当てが外れた楚夫人だったが、今度は武家出身で武術をたしなむ麗良人に腕前を披露して欲しいと言い出した。この提案は嬴政にとって渡りに船、麗姫が身重と知りながら蒙武(モウブ)将軍との比武を命じる。( ತ _ತ).oO(びんびんコイツッ!流産させようって魂胆ね?一方、荊軻はついに咸陽城へ入った。 ←ちょこちょこ挟む師兄LIVE麗姫は鎧に身を包み、修練場で蒙武と手合わせすることになった。そこで麗姫は自分が勝った時は祖父の形見である短剣を返して欲しいと頼む。「考えてやる…蒙武、手加減無用だ」蒙武もこの時は、まさかうら若き女子に負けるとは思いもよらなかっただろう。初めこそ腹をかばって無理をしなかった麗姫、しかし攻撃が最大の防御だと気づいた。そこで麗姫は蒙武の力を利用し、見事な剣さばきで柔が剛を制す。蒙武もその腕前に感服し、完敗だと認めた。麗姫は約束通り祖父の短剣を返すよう頼んだ。しかし李仲や楚夫人があたかも麗良人が大王を害するとでも言いたげに反対する。すると嬴政は意味ありげに微笑んだ。「剣を返すと言った覚えはない」嬴政は席を立って麗姫の元へ向かうと、耳元でこっそりささやいた。「腹の子を殺さぬだけでもありがたいと思え、図に乗るな」その夜、荊軻は衛兵を襲って甲冑を手に入れた。←再び師兄LIVEまさか師兄が王宮に紛れ込んでいるとも知らず寝支度をしている麗姫、そこへ嬴政がやって来る。「良人に封じてやったのに、大王に拝礼もなしか?」「私が喜ぶとでも?…感謝などしない、あなたは私の王ではないもの」すると嬴政は宮女を下げた。「…その汚らわしい子を産ませてやるのだぞ?」「何ですって?この子は私と師兄…うっ!」嬴政は突然、麗姫の首を強くつかんだ。「そいつを産むなら、皆に余の子だと思わせろ、分かったか! 永遠にあの男の名を口にするな、子が生まれたらすぐ引き離す! ここで誓え、永遠に秦を離れぬと、これがそなたが支払う代償だ…言え!」麗姫は子供を守るため、永遠に秦を離れないと約束するしかなかった。「…分からせてやる、余こそがそなたの王だとな」一方、荊軻は広い王宮で麗児を探し回っていた。その時、ちょうど前から宮女が麗良人の話をしながら歩いて来る。荊軻は思わず宮女を引き止め、麗良人はどこか聞いた。しかし麗良人の侍女・清児(セイジ)は見ない顔の衛兵だと気づき、曲者だと叫んで逃げてしまう。↓甲冑で前髪を隠すも正体がバレてしまう師兄w嬴政は麗姫を寝台に押し倒し、なぜ自分を目の敵にするのかと迫った。「祖父も両親も秦人に殺されたわ、大切な家族と祖国を奪われたのよ?私は一生、秦人を許さない」「余を殺したいと?」「今すぐにでも殺してやりたい…その首を衛に持ち帰り、亡国の屈辱を晴らしたいわ」 「…もう良い、勝手にせよ」嬴政が出て行くと、麗姫はほっと胸を撫で下ろした。いつか子供ができた時はどんな苦労をしてでも自分の手で育てたいと決めていた麗姫、そのためには何としてでも生き抜かねばならない。しかしその時、宮中では愛する荊軻が衛兵相手に大立ち回りを演じ、ついには捕らわれの身となっていた。( ๑≧ꇴ≦)師兄ーっ!荊軻は張り付けにされた。しかし天牢にも恩賜が振る舞われ、兵士たちは拷問より先に食事にありつく。兵士たちの話では大王が新しい妃を迎えた祝いに恩賜が配られ、何でも軍が大捜索の末、ようやく捕らえた平民の娘だという。「その娘は剣術の達人らしい、入内の時に大暴れしたとか」荊軻は麗児のことだと気づいてはらわたが煮えくり返り、思わず叫んだ。「黙れっ!」↓触覚を失い戦力が落ちる師兄w翌朝、尚儀(ショウギ)は大慌てで楚夫人のもとに駆けつけた。実は大王が昨夜、麗良人の部屋からすぐ帰ってしまい、その後、景(ケイ)良人を訪ねて深夜まで一緒だったという。楚夫人は他の妃が自分を差し置いて大王と過ごしたと知り激怒、すぐ景夫人を呼びつけた。後宮の妃たちは祖太后の権威を笠に着る楚夫人に頭が上がらなかった。急な呼び出しに緊張を隠せない景夫人と韓(カン)長使、すると楚夫人は生意気な麗姫を排除するため助け合うべきだと切り出し、これからは3人で協力して大王の心を満たそうと提案する。「幸せは分かち合うものよ?抜け駆けはしないでね、いいかしら?」それにしても大王は麗姫にずい分と執心かと思えば、まだ一度も夜を過ごしていないらしい。楚夫人は何か裏があると疑い、尚儀に麗姫を見張らせるよう命じた。荊軻は兵士たちを怒らせ、ぼろぼろになるまで打たれた。それでも怒りが収まらない兵士は牢で休んでいる荊軻をさらに痛めつけようとしたが、その時、荊軻の処分が通達される。荊軻は驪山(リザン)での労役を課せられた。「仕方ない、着替えさせろ…残念だよ、お前の高い鼻が手に入らなくて~」( ๑≧ꇴ≦)兵士!師兄の鼻と取り替えるつもりだったのかwww麗姫は遅くまで書を読んでいた。すると懲りずに嬴政がやって来る。麗姫は挨拶もせず、そのまま書物から目を離さなかった。頑な麗姫の姿に嬴政は手を焼き、思わず子を守りたければ覚悟を決めて身を任せろと脅してしまう。しかし麗姫は一瞥しただけで、またすぐに視線を戻した。「皆の者、下がれ」嬴政は麗姫の手から書物を取り上げると、急に抱き上げて寝台へ連れて行った。「洛陽(ラクヨウ)では共に寝た中ではないか?」「…あの時、趙(チョウ)公子の嘘に気づくべきだったわ」「ふっ、余は誰とも眠らぬ、あの日、そなたと寝たのは趙公子、秦王ではない」つづく( ̄▽ ̄;)後宮に入った途端、麗児が◯ヴィ夫人化…それにしても麗妃が強過ぎ、もしや師兄より強いの?
2021.07.28
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丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman第7話「契り」荊軻(ケイカ)は田光(デンコウ)の知人・高漸離(コウゼンリ)のもとで修行すると決めた。解毒薬の真相を告げられぬまま桟橋でひとり思い悩む公孫麗(コウソンレイ)、そこへ荊軻がやって来る。「師妹、出立はもう少し先だ、修練に付き合ってくれ」「いいわ!」そこで二人は久しぶりに一緒に編み出した″双人(ソウジン)剣法″で腕を磨いた。今でも息がぴったりの二人、しかし急に雨が降り出してしまう。秦(シン)王・嬴政(エイセイ)は朝議で相国の位を廃すると宣言した。権勢を誇って来た呂不韋(リョフイ)の失脚に動揺が広がる朝臣たち、しかし廷尉(テイイ)・李斯(リシ)が真っ先に賛同してその場を収める。すると李斯は呂不韋の邸宅に密偵を置いて監視させるよう進言した。呂不韋と言えば執政を通じて秦の内情に精通しているため、他国と内通を図れば重大な危機を招くという。そこで嬴政は太監の趙高(チョウコウ)にすぐ手配するよう命じた。麗児と荊軻は洞窟に避難し、濡れた外衣を乾かしながら暖を取った。子供の頃からいつも守ってくれた師兄、麗児はこれが最後の機会だと感じ、それとなく荊軻の気持ちを探る。「最近、爺爺の言葉を思い出すの、″己のために生きよ″って…でも乱世では無理よね?」|ω・`).oO(師兄、あなたが望むなら秦王の怒りを買っても二人で逃げる…「そうだな、まずは燕翔剣(エンショウケン)との腕比べで多くを学びたい」( ꒪ω꒪).oO(ぁ___やっぱりそうですよね荊軻はそろそろ帰ろうと言って乾いた衣を取りに立った。すると麗児は思わず荊軻の背中に抱きついてしまう。「師兄…私のことが好き?師妹ではなく女として見て欲しいの…」しかし荊軻は麗児の告白に驚いて言葉が出ない。「…ごめんなさい、気持ちを抑えられなくて」麗児は手を離したが、その時、荊軻が急に振り返り麗児の手を握りしめた。「師妹!ぁ…俺は…君だけを思っている、俺は金も地位もない無力な男だ だけど君を一生守ると決めていた、何があっても君を悲しませないと… 一緒になれないなら…生きる意味はない」「師兄、絶対に生き抜いて、民のためにも… 何が起きても、どこにいても、私の心はあなたのものだから…忘れないでね」二人はこれまで秘めていた想いが通じ合い、ついに結ばれる。そうとは知らず、咸陽(カンヨウ)では嬴政が麗児の入内する日を今か今かと待っていた。↓師兄の前髪を押えることを忘れない師妹秦王との約束の3ヶ月はあっという間だった。荊軻は真相を知らぬまま高漸離のもとへ旅立ち、麗児は悲しみをこらえて師兄の背中を見送る。秦王宮からの迎えは間もなく来るだろう。「先生、師兄のことを見守ってください…私のことで志を曲げたりしないように」「…任せなさい」田光(デンコウ)はせめてもの救いになればと麗児を安心させた。衛尉(エイイ)・李仲(リチュウ)が公孫麗を迎えにやって来た。重い足取りで馬車へ向かう麗児、するとふいに立ち止まり、首に巻いていた思い出の襟巻きを外してしまう。…師兄、あなたの麗児は今この瞬間、死んだ、だから私のことは忘れて…麗児は荊軻からもらった襟巻きを畳んで袋にしまった。↓師兄がなぜよりにもよってそれにした的なスカーフw麗児を乗せた馬車が咸陽へ向かった頃、荊軻はちょうど高漸離のもとへ到着した。「その適当なバチさばき、四角いご尊顔…まさしく片岡◯太郎先生!」「…うむ、その花形満ばりの前髪、さすが公孫羽(コウソンウ)の弟子だ」すると早速、高漸離と荊軻の手合わせが始まった。麗児はついに秦王宮に到着した。すると李仲から後宮では侍衛を除き帯刀は許されないと止められる。麗児は祖父の形見である短剣をどうしても手放したくなかったが、李仲は秦王が何度も命を狙われていると説明した。仕方なく麗児は短剣を渡し、自分が死んだ時に墓に入れて欲しいという。一方、荊軻と剣を交えた高漸離は公孫剣法を褒めたが、ひとつだけ惜しいと指摘した。「情に縛られている…高みを目指すなら情を捨てよ」( ๑≧ꇴ≦)<ジョー!@別のドラマ後宮に入った麗児は沐浴の間、涙に暮れた。そんな麗児の心を知ってか、咸陽はどんよりとした空から雨が降り始める。しかし後宮を仕切っている華陽(カヨウ)太后は楚(ソ)夫人から聞くまで、大王が衛(エイ)の娘を入内させたと知らなかった。「軍を総出で捜索していたので逆賊の娘を探しているものだとばかり… でも今日、李仲がその娘を連れて参りました、只今、沐浴の最中だそうです 王族や高官の娘ではありません」「…亡国の娘が秦王の妃になるなど言語道断!」祖太后は憤慨したが、恐らく太王の気まぐれだろうと高を括った。麗児は床入りの前に死を覚悟した。祖父の短剣は取り上げられてしまったが、身支度の時に咄嗟にかんざしをつかんで首に当てる。宮女たちは平民の娘が良人(リョウジン)になれる栄誉に何の不満があるのか分からず、取り乱す娘に手を出せずにいた。そしてついにかんざしを首に突き刺すべく振り上げた麗児、その時、急に気分が悪くなって倒れてしまう。麗児は太医の脈診を受けた。そこで思わぬ事実が発覚する。麗児はすでに荊軻の子供を身ごもっていた。荊軻は予定より早く帰って来た。実は高漸離から斉(サイ)へ来るよう誘われたが、断ったという。「師妹はどこですか?」一刻も早く麗児の顔が見たい荊軻、すると田光は出て行ったと教えた。「公孫姑娘は秦へ行った…君には伏せていたが、あの解毒薬は咸陽で手に入れた物だ」田光も詳細までは知らなかったが、恐らく秦王と取引をしたのだろう。麗児は祖父の形見と荊軻からもらった襟巻きを携え、去ったという。事情を聞いた荊軻は居ても立ってもいられず、田光が止めるのも聞かずに馬を駆けて行った。その夜、麗児が待つ寝宮に秦王が現れた。すると嬴政は宮女たちを全て下げ、寝台に腰掛けた麗児の元へゆっくり歩いて来る。「…来たか」「師兄のためよ…」麗児には分からなかった。大王なら一声で選りすぐりの美女が献上されるはず、なぜ自分にこだわるのか。嬴政は麗児が恩人だと明かさず、ただ従順な女などつまらないと挑発した。しかしそこへ李仲が太医を連れてやって来る。「大王、公孫姑娘のことでお話が…」太医は公孫麗を脈診したところ、身ごもって1ヶ月だと報告した。予想外の事実に嬴政は呆然となった。しばし右往左往する嬴政、その時、突然、腹の子を殺せと命じる。驚いた麗児は立ち上がり、ならば自分を殺せと迫った。「殺せぬと思うのか?!」激高した嬴政は李仲の佩刀を抜くと、麗児の首に突き付けてしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)麗児の斜め上行く反撃!それにしても先が思いやられる妃たちのスタイリングががが…
2021.07.27
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遇龙 Miss The Dragon第33話上古の秘術・夢魘(ムエン)大法で夢境に閉じ込められてしまった顧軽煙(グーチンイェン)このまま夢から醒めなければ、軽煙の元神は7日かけてゆっくりと術をかけた者に吸い込まれてしまう軽煙を救うためにはそれまでに施法者を見つけ、殺さなくてはならなかった雪阡尋(シュェチェンシュン)の話では施法者は夢の中にいて、あたかも現実のような情景を作り出しているが、必ず綻びがあるというその綻びを見つければ施法者が誰か分かるというのだそこで龍王・尉遲龍炎(ユーチーロンイェン)は危険を顧みず、自分の霊力を軽煙の夢の中に送り込むよう雪阡尋に頼んだしかしもし7日以内に施法者を見つけられなければ龍炎も夢の中に閉じ込められ、元神は魔夢に堕ちてしまうだろう龍炎が目を開けると、そこは懐かしい200年前の流螢(リィゥイン)の房間だったどうやら施法者は軽煙の渡劫の前の経歴を知っているらしいそれにしても夢の世界はよく出来ていた恐らく施法者は夏侯(シァホウ)府をよく知る者の髪や肌を使ったのだろう中庭では軽煙が偽物の龍炎と仲良く甘栗を食べていたそこに突然、もう一人の尉遲哥哥が現れる軽煙はどちらが本物の尉遲哥哥か分からず困惑、すると二人が同時に言った「彼は偽物だ!私に成りすましている!」龍炎と偽龍炎の激しい戦いが始まったしかしどちらも龍炎、なかなか決着はつかないそこで偽龍炎は一瞬の隙を見て軽煙を連れて消えてしまう偽龍炎と軽煙は200年前に龍炎と流螢が旅した街へやって来たしかしすぐ龍炎が現れ偽者を突き飛ばし、軽煙を奪って崑崙山に連れて行く(^ꇴ^)<あ!崑崙派だわ!そこへ偽龍炎が現れ、軽煙をさらって落英谷に飛んだ龍炎はすぐ後を追って軽煙を奪い返すと、今度は索隆火山の洞窟へ移動するすると偽龍炎が現れた「このひどい場所は何だ?」ここは龍炎と軽煙しか知らない洞窟、偽物に分かるはずがない「…(はっ!)ここへ来たことがある!あなたが本物の尉遲哥哥ね!」見破られた偽龍炎は自ら姿を消した龍炎と軽煙が洞窟を出ると、そこは落英谷だったすると幻境の中で流螢と何世にも渡り過ごした思い出が蘇る「私たちここに居ましょう?いいでしょう?」「…はお、ここにいよう」龍炎は軽煙を抱きしめ、いつしか夢境に陥ってしまう雪阡尋と青青(チィンチィン)は龍炎が施法者を見つけ出すのを今か今かと待っていたその時、夢を見ている龍炎と軽煙が幸せそうな笑顔を見せる雪阡尋は龍炎まで夢境に陥ったと気づいた恐らくこの幻境は始めから軽煙と龍炎二人のために用意された罠だったのだろう二人は一体、誰の恨みを買ったのか龍炎は施法者のことなど忘れ、幻境で軽煙と幸せな時間を過ごしたここは第5話で旅の途中に食事をした酒楼あの時と同じように卓上には店からのサービスの榴莲(ドリアン)酥と梅子糕があるすると軽煙が早速、ドリアンを食べ始めた「美味しいわ!」「美味しい?」龍炎は違和感を感じた…私と流螢は互いにドリアンが苦手だと知っている…しかし他に知る者はいない龍炎は夢境の綻びを見つけ、ふと我に返った龍炎は200年前の流螢との旅のことを知っているのはあの猫だと気づいたしかし花点(ファディェン)は途中で逃げ出したはず、どうして夏侯府のことまで知っていたのか龍炎は花点がこの数日、山荘で青青と仲良くしていたことを思い出し、恐らく青青の髪か肌を利用して夢を作ったのだと分かった龍炎は軽煙と落英谷に戻り、ここで少し休もうと言ったすっかり疲れていた軽煙は木にもたれてすぐ眠り始めると、龍炎は霊力で雪阡尋たちと接触する言葉を話すことができないため、身振りだけで必死で花点だと伝える龍炎雪阡尋と青青はなかなか理解できず苦しんだが、やがて青青が猫だと気づくすると青青は花点が自分の抜けた髪を取ってくれたことを思い出した雪阡尋は青青の髪の毛を使い、花点の居場所を突き止めた花点を見つけた青青は軽煙の元神が目当てだったのかと怒り心頭だが、花点は何の話か分からない実は花点はあの謎の男から夢魘大法を伝授されただけで、恩人を罠にはめたつもりなどなかったそこで雪阡尋は誰から術を伝授されたのか聞いたが、その時、花点が苦しみ出し、消散してしまう「千機心火雷か…」花点は何者かに元神を砕かれ、黒幕の手がかりはなくなった龍炎と軽煙は目を覚ました軽煙は6日間も眠っていたと知り、師匠に大目玉を食らうと慌てて崑崙に戻るすると師匠は猫妖が死んだとは言え勝手に下山したことは許されないと激怒、軽煙に后山で20日間の面壁を命じ、反省を促した師兄の軽風(チンフォン)は厳しい罰を受けた軽煙を心配して見送ったが、軽煙は山で青青と遊べるとほくそ笑むそこで青青を傷つけないよう仙妖魔を害する金鷹匕首を師兄に預けた一方、龍炎は龍隠天池に戻って霊力を回復していたそこへ慌てて命格星君が現れる雪阡尋から過去に罰せられた件について問われ調べていたが、ある記載を見つけたというのだすると命格星君は萬歴通鑒(マンレキツガン)を招喚し、青青と雪阡尋は結ばれない縁だと教える驚いた龍炎は思わず萬歴通鑑を奪い取り、記録を確認した「雪阡尋が天孤星…青青が青玄鳥だったのか…」実は天孤星の罰と青玄鳥の罰には関わりがある「私が話すより、友人であるそなたから話した方が良いだろう、彼に伝えるかどうかは君次第だ」すると命格星君は帰ってしまうこの時、龍炎は命格星君が記載を隠して雪阡尋に萬歴通鑑を見せていたことなど知る由もなかった一方、青青は軽煙に会うため后山に入ろうとしていたしかし障壁にぶつかり、跳ね返されてしまうすると侵入者に気づいた崑崙の弟子たちが現れ、青青は陣に捕らわれた慌てて呪文を唱えて雪阡尋を呼ぶ青青、その時、危機一髪のところで雪阡尋が駆けつける「本座に免じて見逃してはくれぬか」弟子たちは雪阡尋の仙気から天界の上仙だと分かったが、なぜ鳥妖をかばうのか理解できない崑崙派が妖を斬り、魔を除くのは天の行道、これを邪魔することは天条を犯すことになる雪阡尋も確かに人間に法術を使えば天条に触れると分かっていたが、もっとも人間相手に自分の功力を使う必要などなかった雪阡尋にとって崑崙の弟子など敵ではなかったしかし軽風がちょうど軽煙から預かっていた匕首を投げてしまう匕首は雪阡尋をかばって飛び出した青青の胸に刺さり、雪阡尋は呆然となった激情に駆られた雪阡尋は思わず法術を放ち、弟子たちを吹き飛ばしてしまうその時、青青は匕首から受けた衝撃で過去の記憶が蘇っていた雪阡尋は忌まわしい匕首を放り捨て、青青を連れて羅酆(ラホウ)閣へ戻った自分の霊力で青青を癒す雪阡尋、すると回復した青青が思わぬ言葉を口にする「…この額の傷は天雷でできたのね」「思い出したのか?」「フル(・_・ ))(( ・_・)フル…ただ断片的に頭の中に浮かんだの もしかして私たちは千年前に出会っていたの?」「…そうなんだ」雪阡尋は青青を抱きしめ、二人は唇を重ねたしかしそんな二人に突然、天雷が落ちる青青は気を失い、雪阡尋は激しい痛みに苦しんだその時、頭の中で天帝の言葉が蘇る…青玄鳥に誘惑され天孤星は持ち場を離れた、罪を認めるか?…つづく( ;∀;)GIFが適当ですみませんこれ以上、大きいとアップできないのです
2021.07.26
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燕云台 The Legend of Xiao Chuo第14話「皇后の座」耶律喜隠(ヤリツキイン)に嫁いだ蕭(ショウ)家の次女・烏骨里(ウグリ)が懐妊した。禁足で寂れた王府も喜びに湧いたが、喜隠は数少ない使用人に決して漏らさぬよう口止めする。実は喜隠は穆宗(ボクソウ)・耶律璟(ヤリツケイ)が耶律只没(シボツ)を宮刑に処したのは、人皇(ジンコウ)王の血族を断つための罠だと疑っていた。耶律賢(ヤリツケン)が病弱なことを思えば、この系統の血は途絶えることになるだろう。烏骨里は自分の子供も標的になると知るや、急に恐ろしくなった。そこへ燕燕(エンエン)が訪ねて来たと知らせが届く。喜隠は心の憂いが身重の身体に悪影響があると心配し、燕燕にだけは懐妊を明かすことを許した。燕燕は暇を持て余し、馬球の誘いにやって来た。すると烏骨里は人払いし、二人きりになってから身ごもったと報告する。燕燕は叔母になると知って大喜び、早速、大姐にも知らせて来ると言った。しかし烏骨里から止められ、太平(タイヘイ)王妃の胡輦(コレン)には教えないよう釘を刺す。もちろん姉のことは信じているが、問題なのは耶律罨撒葛(ヤリツエンサツカツ)だった。「陛下も罨撒葛も子がいない、なのに喜隠や明扆(メイイ)に子を持たせると思う?」確かに只没の一件を思えば烏骨里の懸念は当然のことだった。燕燕は燕王府に韓徳譲(カントクジョウ)を訪ねた。何やら難しい顔で文机に向かう徳譲、すると燕燕が来たと気づいて慌てて文を裏返してしまう。燕燕は気になって咄嗟に文を取り上げると、それは新帝への奏状だった。見られてしまった以上は仕方なく、徳譲は皇子賢(ケン)こそ遼(リョウ)の新しい明君となれる人物だと訴え、その時が迫っていると匂わせる。燕燕は事情を知って協力を申し出ると、自分なら太平王府の出入りが自由だと言った。しかし徳譲は危険を冒さないよう釘を刺し、思わず燕燕の手を握りしめる。「私はこたび命を懸ける、心配させまいと黙っていたが、万一のことがあれば私たちの婚姻も…」驚いた燕燕は咄嗟に徳譲の口を手でふさぎ、言葉を遮った。「言わせないわ、いくらでもあなたを待ってる」「燕燕…君を娶れることは生涯、最大の幸せだ」「ふふ…あ、そうだ!あなたの妻になるなら漢名が要るわね!」燕燕は早速、徳譲と一緒に名前を考えることにした。一方、耶律賢も燕燕への想いを募らせていた。…これまで多くのものを失ってきたが、この先、望むものは決して手放さない…何も知らない韓徳譲、自分の犠牲になった時、本当に一緒に遼の改革への道を歩んでくれるだろうか。そんなある日、屋敷にいた燕燕は耶律賢が書房に案内されるのを目撃し挨拶に向かった。すると平服姿の耶律賢は祖州から来た劉(リュウ)と名乗り、南朝の進攻について宰相に話があるという。「″劉″と言ったわね?太祖は漢の高祖(コウソ)の劉姓を名乗った つまりあなたも太祖たちの遺志を継いで漢制を進めるのね?」燕燕は″道義にかなえば助けを得る″だと説き、すでに道義ある耶律賢なら成功すると後押しした。「武力で天下を抑えても治めることはできないわ 遼を長く安定させるなら漢人に倣い、漢制を進めるべきよ」その話をちょうど書房にやって来た蕭思温(ショウシオン)が聞いていた。蕭思温は大王と話があると言って燕燕を下げた。耶律賢がこの緊迫した状況下に宮中を出たのはすでに計画があり、重大な局面が近づいているからだろう。「南朝軍が北伐を図るなら迎え撃つ備えが必要だ だが陛下の性格からして深く考えていないゆえ、宰相から提言して欲しい 冬捺鉢(ナバ)の間、罨撒葛に上京(ジョウケイ)を守らせるようにと…」「罨撒葛が上京に残り、陛下が単独で黒山(コクザン)に向かう…分かりました、必ず手はずを整えます」すると耶律賢はもう1つ重要な話を始めた。「こたびもし私が勝てば優れた皇后を選びたい、それは燕燕だ」「燕燕ですか…燕燕はまだ子供です」蕭思温は話を逸らそうとしたが、耶律賢は燕燕に他の令嬢にはない能力があると見抜いていた。「私は述律(ジュツリツ)皇后のような妻を選びたい、私を支え、私に代わり、遼の天下を支える妻を… 宰相が認めてくれるなら燕燕はその座に就ける」耶律賢の夢は燕燕と夫婦になり、共に天下を治めることだという。何より后族の中で皇后を輩出していないのは蕭思温の家のみ、耶律賢は自分に機会を与えてくれれば、それは蕭家一族にとってもまたとない機会なると言った。蕭思温は耶律賢の言葉に心が揺れた。しかし韓徳譲との婚姻が決まり笑顔が絶えない燕燕、今も婚礼の衣装選びに忙しいらしい。蕭思温は娘の様子をこっそりのぞいてみたが、すぐ燕燕に見つかった。3人の娘の中でも最も母親に似ている燕燕、蕭思温はすでに嫁ぐ歳になったと感慨深いが、その相手が誰になるかは天神にしか分からない。「燕燕、人の一生は大半が思うようにならぬもの、今後つらい時はこの言葉を思い出しなさい ″去らぬ苦難はない″と…お前は騰里(テングリ)の娘、漢人の女子のように容易に傷つくな」「大丈夫よ、契丹(キッタン)の女はつらくても泣き叫びません」そんな中、狩りに出かけた穆宗は酔って逆上、また数人を殺した。報告を聞いた耶律賢は被害に遭ったのが白海(ハクカイ)だと知り、婆児(ハジ)に折を見て義弟の楚補(ソホ)に話せと命じる。常軌を逸した穆宗、今や民にも皇族にも見放され、自ら孤立していた。耶律賢は罨撒葛の差し向けた護衛の楚浦もこれで目が覚めたはずだと期待する。そこで韓徳譲を離宮に呼び、近衛軍を掌握する女里を訪ねることにした。徳譲は表立って会えば太平王に知られると警戒したが、耶律賢は楚補の罨撒葛への忠誠心を試しているという。「今日、動きがなければ手なずける策を考えよう」それにしても白海の死は間が良すぎる。徳譲はまさか耶律賢が関わっていないか心配した。偉大な志を抱く耶律賢が残虐な穆宗のように無辜の命を奪うなどあってはならない。すると耶律賢はもちろん自分は無関係であると否定し、徳譲を安心させた。耶律賢たちは女里の協力を得ると離宮へ戻った。後ろめたさを感じながら韓徳譲を見送る耶律賢、するとその足で劉梓固(リュウシコ)を訪ねることにする。実は劉梓固の父は耶律賢の恩人で、これまで家族を守って来た。そんな劉梓固は敵討ちを今か今かと待っている。耶律賢は自分の指示を待つようなだめたが、復讐の機会はまもなく訪れると伝えた。燕燕は太平王府に胡輦を訪ねた。すると大姐がすっかり夫である罨撒葛側の人間になっている。胡輦は只没の一件も罨撒葛が取り成したおかげで何とか収まり、最近では耶律賢兄弟を心配して奔走していたと話した。燕燕がこのままでは穆宗が燕雲十六州という先祖の遺産を手放してしまうと嘆けば、胡輦は兵士たちを無駄死にさせたくないからだという。姉の変わりように驚きを隠せない燕燕、しかし胡輦は罨撒葛にとって穆宗が兄というだけでなく恩人だとかばった。自分たち姉妹がそうであるように、兄弟の絆は切っても切れないという。「物事の善悪は明らかよ?兄弟だろうと関係ない!…罨撒葛を好きになったから味方するんだ?」「…誰より大事なのは父上よ、そして妹たち、私を信じられないの?」「大姐は信じてる…ブツブツ…信じられないのはえんかっ…えんさつさっ…えんさつかつよ」「舌をかみそうね?何かあったの?まさか喜隠が騒ぎを起こして烏骨里に影響が?」「フル(・_・ ))(( ・_・)フル」すると胡輦は燕燕が話せないなら直接、聞きに行くと言い出し、焦った燕燕は烏骨里の懐妊を教えてしまう。「子の安全のため、罨撒葛には知られたくないって」「あの子ったら、喜隠の入れ知恵ね、私まで敵と見なすなんて…」烏骨里を守るために罨撒葛に嫁いだ胡輦は憤慨したが、秘密にすると約束した。燕燕は燕王府を訪ね、徳譲に愚痴をこぼした。「罨撒葛をかばうなんて、大姐は変わったわ」燕燕にとって完璧な人間だった胡輦、これまで大姐の言うことは全て正しいと思って来たが、実は胡輦にもよく見ていないことがあると気づく。すると徳譲は燕燕の鋭い物の味方は多くの男や胡輦をも超えていると称賛した。「で、今後はどうするつもりなの?」「陛下が捺鉢で黒山に行ったこの機に動く」「監視役に計画が知られたりしないかしら?」「心配ない、明扆(メイイ)は長年、自分を監視して来た者を懐柔する」つづく(  ̄꒳ ̄)じわじわ来る…
2021.07.24
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燕云台 The Legend of Xiao Chuo第13話「果たされた約束」蕭燕燕(ショウエンエン)は耶律只没(ヤリツシボツ)が皇帝の逆鱗に触れ、宮刑に処されたと知った。只没と言えば耶律賢(ヤリツケン)の弟、燕燕はふと約束を思い出し、慌てて屋敷を飛び出して行く。一方、耶律賢は絶望の淵にいる弟を救う手立てを探っていた。そこでまず例の宮女を永興(エイコウ)宮へ連行するよう指示する。実は安只(アンシ)は混乱のさなか放置されていたが、運良く女里(ジョリ)が指揮使となった近衛軍が捕らえていた。耶律賢は安只が誰かの差金で弟を陥れたと疑った。驚いた安只は涙ながらに只没と本当に愛し合っていたと訴え、生涯を共にしようと誓ったという。「生涯を共にだと?…只没のように簡単に騙せると思うな」耶律賢は弟が罰を受けている時に安只は何もしなかったと指摘、本物の情があるとはとても思えなかった。すると焦った安只はか弱い女子に何ができようかと泣き崩れ、思わず耶律賢の足元にすがりつく。「只没大王への思いは本物です!じぇんだぁ!(/ω\*)ウワーン(/ω・\*)チラッ」耶律賢は小賢しい安只にへき易していたが、最後の機会を与えた。「どんな方法でも良い、只没に食事をさせ、薬を飲ませ、生かすのだ もし死なせたら、お前を只没と共に葬る」只没は安只に勧められても頑なに薬を拒んだ。仕方なく安只は先にあの世で待っていると伝え、短刀で自害しようとする。驚いた只没は思わず起き上がり、安只の腕をつかんで止めた。「必死でお前を救ったのは死なせるためではない…」「死など恐れません、私が怖いのは大王に捨てられること…ウルッ」「私は全て失った…今や無用の長物だ」(இωஇ)<いいえ、私にとってあなたは永遠に私の只没大王、決して変わりません!(ノ꒦ິ⌑꒦ີ)ノ<安只…私から離れるな、そばにいてくれ~↓このアヒル口はお見事!すでに夜も更けた。しかし耶律賢は燕燕と会う約束があったため、今から出かけるという。婆児(ハジ)はさすがに酒楼も閉まり、燕燕は帰っただろうと反対した。すると耶律賢はたとえ燕燕がいなくとも約束を破りたくないと話し、禁を犯して皇宮を出てしまう。驚いたことに燕燕はまだ衡山(コウザン)酒楼で待っていた。聞けば昼に韓徳譲(カントクジョウ)と待ち合わせしていたが、いくら待っても来ないので屋敷へ帰ったところ、只没の件を聞いて耶律賢との約束を思い出したという。「あなたが来るかどうか全く分からなかったわ、でも約束を破ればもっと悲しませると思って…」今の燕燕にできることは黙って耶律賢の酒に付き合うことだった。「泣きたいと思うなら泣いたほうがいいわ」「子供の頃すでに悟った、涙は何の役にも立たないと…」耶律賢は強がって見せたものの、ついにこらえ切れず、泣き崩れてしまう。「恐ろしいのだ、このまま私が持ちこたえられなかったら、どうなってしまうのか…」「只没大王を守れるのはこの世であなただけ、きっと乗り越えられるはずよ」…天禄5年、帰化(キカ)州祥古(ショウコ)山まだ幼き耶律賢と韓徳譲は祖廟に忍びこみ、上階に隠れていた二人は祭祀の様子を盗み見ながら、跪拝の時に一緒に″免礼″と言おうと笑うすると突然、反乱軍が雪崩込み、目の前で生母と長兄が殺された徳譲は悲鳴をあげそうになった耶律賢の口を咄嗟にふさぎ、全てが終わるのを待つやがて惨劇が終わり、二人は外へ出た耶律賢はあの時の血生臭い光景を決して忘れることはない…耶律賢が目を覚ますと、すでに朝だった。すると燕燕が飲みすぎて眠ったのだと教え、何度も声をかけたが起きなかったという。「1人じゃ心配で付き添ったの」「もう何年もほんの僅かな物音で眠れなくなっていたが…まさか起こされても目覚めぬとは」耶律賢は酒楼の前で燕燕と別れ、その背中を見送った。…10数年ぶりに良く眠れたのは君がいて安らいだからだ…燕燕、君は騰里(テングリ)が遣わした贈り物だ韓徳譲は燕燕と一緒にいてもどこか上の空だった。穆宗(ボクソウ)・耶律璟(ヤリツケイ)が使用人だけでなく皇族にまで手を出したことから、朝廷に激震が走っている。徳譲はこの混乱が自分たちの婚姻にも影響しそうだと心配していた。しかし燕燕は婚姻とは無関係だと訴え、これを言い訳にしないで欲しいという。徳譲は失笑し、もちろん燕燕を早く娶りたいと言った。ただ耶律賢には明君の才覚があり、残虐な皇帝から1日も早く代わらせたいという。今回も穆宗は宮刑で只没を罰したように見せて、実は耶律賢に警告を与えたのだ。徳譲は命をかけて耶律賢を守るつもりだが、そのせいで燕燕を巻き込むことが怖いと打ち明ける。すると燕燕は徳譲に嫁ぐと決めた以上、苦労を共にするのは当然だと言った。耶律只没は安只の献身的な看病で順調に回復した。そこで只没は安只を娶り、正式な立場を与えたいと耶律賢に頼む。安只はもはや只没の生きる希望、耶律賢は迷わず皇帝に許しを求めることにした。耶律賢が弟の婚姻を申し出たのを機に太平(タイヘイ)王・耶律罨撒葛(ヤリツエンサーグァ)が動き出した。罨撒葛はまず安只を太平王府に呼び付け、塔布(トウホ)という侍女を紹介する。「安心して王妃を努めよ、あとは塔布に任せればよい…大出世だな」焦った安只は只没に何かあれば殉死することになると訴えたが、罨撒葛は自分に従えば後ろ盾になると安心させた。また耶律賢の妹・胡古典(ココテン)には粘木袞(デンボクコン)が探してきた楚里(ソリ)という男をあてがうことにする。( ー̀ωー́ )<うむ…見た目は良いが(え?w)いささか風格が…しかし罨撒葛は公主を娶れば自然と風格も身につくと期待した。耶律賢は燕(エン)王・韓匡嗣(カンキョウシ)に協力を頼んだ。穆宗からの縁談話を病を口実に断り、できれば宮中を出て療養したいという。「そうすれば今後、かなり動きやすくなる」すると耶律賢は燕王から思わぬ事実を聞いた。あまり顔を出さない韓徳譲が気になっていたが、実は蕭思温(ショウシオン)の三女との婚姻の準備で忙しいという。耶律只没と安只、胡古典と楚里の縁談がまとまり、いよいよ婚儀の日を迎えた。2組の夫婦の幸せを祈り、杯を交わす耶律賢、しかし疲れが出たのか突然、倒れてしまう。知らせを聞いた穆宗や太平王がすぐさま駆けつけた。そこで罨撒葛はこの機に乗じて漢人が婚姻で病を治すらしいと進言する。耶律賢は息も絶え絶えに、いつ尽きるかも知れない命のため婚姻は避けねばならないと訴えた。すると穆宗も了承し、燕王にしっかり病を治すよう命じる。韓匡嗣はすかさず郊外の離宮で静養してはどうかと提案、殿内に緊張が走った。咄嗟に短剣に手をかける穆宗、しかしさすがに凶行には及ばず、療養に行くことを認めるという。罨撒葛は何とか耶律賢の縁談をまとめようとしていた。太平王妃・胡輦(コレン)は純粋に叔父としての優しさだと信じていたが、身体が弱い耶律賢では妻を娶っても床入りもままならぬだろう。そこで胡輦は他の系統から養子を取れば耶律賢も安心し、病が治るのではと助言した。罨撒葛は胡輦の話から思わぬ糸口を見つける。…明扆(メイイ)と只没に子がなければ傍系(ボウケイ)から養子を取ればいい…それで人皇(ジンコウ)王の系統の憂いも消え、太祖の三支は私が掌握することになる韓徳譲は離宮で耶律賢と合流した。すると耶律賢はなるべく早く蕭思温に会いたいと頼み、改めて徳譲の覚悟を確認する。もし事を起こせば多くの者の命を危うくするだろう。耶律賢には選びようのない宿命だが、徳譲にとっては犠牲になるに過ぎない。しかし徳譲は韓家が3代前に漢制改革に携わって以来、自分も大王を支えることが宿命になったと言った。そこで耶律賢は国家と愛する女子、どちらが大切だと思うかと聞く。徳譲は当然、国家だと即答した。「国家のため誰かを犠牲にしても私は許されるだろうか?」「天下のための行いなら、帝王は誰の許しも要らぬ」「犠牲になるのがお前でも?」「漢制への道が遼のためなら私は死んでも悔いはない」「…韓徳譲、この先、何があっても私と共に遼の改革への道を歩んで欲しい、お前にできるか?」「信じてくれ、大王を支え、共にやり遂げる」(  ̄꒳ ̄).oO(言ったな?今、言ったな?一方、烏骨里(ウグリ)は侍医から懐妊2か月と診断された。耶律喜隠(ヤリツキイン)は大喜びだったが、なぜか懐妊を漏らさぬよう命じる。つづく|ω・`)押すなよ押すなよ?絶対、押すなよ?みたいな…違うw
2021.07.23
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遇龙 Miss The Dragon遇龙 Miss The Dragon第1話~32話 まとめ龍王・尉遲龍炎(ユーチーロンイェン)は千年に1度だけ訪れる渡龍天劫の真っ最中しかしいよいよ上仙への飛昇も目前という頃、負傷して人間界に落ちてしまいますその時、小龍となった龍炎を助けてくれたのが人間の娘・流螢(リィゥイン)でしたいつしか愛し合うようになった龍炎と流螢二人は結婚を約束しますが、実は流螢にはある重大な秘密が隠されていました流螢の身体には上古女媧(ジョカ)の強大な極陽霊力を持つ元神が宿っていたのですこの元神の力を狙っていたのが、転生を統御している羅酆(ラホウ)閣羅酆閣は悪霊魔精を封印している天網を修復するため、流螢の元神の力が必要でした龍炎は愛する流螢が無事に生涯を終えられるよう命がけで守り、その深い愛情に関心を持った羅酆閣主・雪阡尋(シュェチェンシュン)は流螢を見逃しますただしその条件として龍炎は今回の飛昇をあきらめ、さらに流螢が三生を終えるまで結ばれぬ運命を受け入れなくてはなりませんでした龍炎は心を鬼にして流螢から自分の記憶を抹消し、別の男に嫁がせますやがて寿命をまっとうした流螢は羅酆閣で龍炎と再会、愛する人の記憶を取り戻しましたしかし幸せも束の間、流螢は八泪を飲み、前世を忘れて転生することに…すると流螢は自然と龍炎と同じ名前・玉池(ユーチー)鎮という小さな山村を選び、産声を上げます第11話から物語は二生へ~二世の流螢の名前は阮阿瑜(ルァンアーユー)母は阿瑜を産んで亡くなり父に育てられますが、貧しくも美しく快活な娘に成長します一方、流螢を恩人と慕っていたことが縁で龍王と親しくなった青鳥妖・青青(チィンチィン)青青は流螢の生まれ変わりを見守るため、龍炎と兄妹に扮して人間界に屋敷を構え、幼なじみになりましたそんな阿瑜を目の敵にしていじめているのが官吏の娘・劉玉香(リュウユーシャン)です阿瑜は危ないところを助けてくれた玉池哥哥こと龍炎と恋に落ちますしかし龍炎は実は龍妖だと告白、自分が愛しているのは流螢だけだと言って突き放すしかありませんでしたそんなある日、龍炎や青青の正体に気づいた玉香が街中で阿瑜は妖女だと中傷します偶然にもこれを聞いた阿瑜の父が激怒、ちょうど皇帝が干ばつのため探している″東南の方角に降り立つ神女″こそ阿瑜だと大口を叩いてしまいますそれを運悪く役人が聞いていました皇帝のお達しで嘘をついたとなれば重罪、阿瑜は父を救うため仕方なく自分が神女だと名乗り出ます一か八か神女として雨乞いの儀式に挑んだ阿瑜龍炎は天界にいる玄冥雨神に雨を降らせるよう迫りますが、確かに予定通り昨日も雨を降らせたと断られてしまいます調べてみれば天血魔が最期の怨気で玉池鎮の上空に光の幕を張り、雨を弾いていたことが発覚そこで龍炎は雪阡尋たちの協力を得て光の幕を壊し、ついに雨が降り出しましたこうして正式に神女だと認められた阿瑜、その結果、褒賞として皇帝の妃に封じられます龍炎はこれで阿瑜が苦労なく幸せに暮らせると思っていましたが、皇帝の寵愛が長く続くはずもなく、結局、阿瑜は玉池哥哥を想いながら後宮で孤独な一生を終えたのでした第18話から物語は三生へ~阿瑜は羅酆閣で玉池哥哥と再会、実は自分こそ龍炎の想い人・流螢の生まれ変わりだと知ります「君は私を龍王と呼んでいた」「龍王…」しかし生まれ変わるためには八泪を飲んで前世の記憶を全て忘れなくてはなりません阿瑜は半分ほど飲みましたが、残りをこっそり捨てて転生します三世の流螢は将軍府に生まれました名前は封塵月(フォンチェンユエ)将軍家のお嬢様としてさぞや美しくおしとやかに育つかと思いきや、塵月は武功に優れた勇ましい娘に成長します今や塵月は父の跡を継ぎ、辺境の軍営で東羅国の侵略を防ぐ立派な女将軍青青は侍女として塵月に仕え、一方、龍炎は一介の兵士・隆言(ロンイェン)として将軍を守ります塵月は自分の軍のピンチを救った隆言を重用、やがて隆言こそ記憶に残る玉池哥哥だと確信しますしかし三世が終わるまでは身分を明かせない隆言塵月はそんな頑な隆言の気持ちを尊重して三生を終えるのでしたすると龍炎が龍王の姿に戻って塵月を迎えにやって来ます第29話から物語は四生へ~三生を終えて仲良く羅酆閣に現れた龍炎と塵月塵月はそこでようやく侍女の青青が青鳥妖で、江湖の郎中(医者)だと思っていた雪阡尋が羅酆閣主だと知ります今回は塵月が八泪を捨てないよう目を光らせる雪阡尋すると龍炎は生まれ変わった塵月を必ず見つけ出すと安心させ、次の転生で結婚できると教えます塵月はならば待つ必要はないと気づき、二人はすぐ結婚することに…龍炎は念願かなって龍隠天池に塵月を案内しました塵月は三生三世に渡り龍炎がいつもそばにいて自分を守って来たことを知ります愛を誓い合い、口づけを交わす二人、しかし慌てて命格星君がやって来ました塵月は天地で生まれた元神を持っていますが、人間の歴練だけでは他の世界で生き続けることができませんそこで命格星君は塵月に再び人間界へ行って法術を修練し、仙人に飛昇するよう助言します塵月は確かにこれから何千年、何万年も龍炎の庇護の下で生きて行くのは無理だと気づき、何より龍炎のお荷物にはなりたくないと決心、八泪を飲み干し、人間界での歴劫へ旅立ちました四世の流螢の名前は顧軽煙(グーチンイェン)特別な命格を持つことから崑崙(コンロン)の掌門・玄陽真人が自分の弟子として引き取ります実は軽煙が持つ特別な極陽元神は天を揺るがすほどの力があり、妖魔たちがその匂いに惹きつけられるとか掌門は軽煙を守るため崑崙山に結界を敷いて警戒、そのせいで龍炎や青青は遠目から軽煙の成長を見守っていますそんなある日、こっそり下山した小軽煙は街で妖魔に襲われますそこへ龍炎が颯爽と現れ軽煙を救い、崑崙山の結界までおぶって送って行きました小軽煙はなぜか龍炎に親しみを感じ、どこかで会ったことがあるか尋ねますすると龍炎はずっと昔の話だと教え、軽煙に玉佩を贈りました「今度はいつ会える?」「それが君が大きくなるまで会えないんだ」そこで小軽煙は18歳になったら会いに来て欲しいと頼み、その時に昔話を聞かせてもらう約束を交わします門弟たちに囲まれ、修練を積みながら優しい娘に育った軽煙ある時、軽煙は大師姐たちに妹を殺された妖猫に襲われますが、青青に助けられ、青青と友だちになりますしかしその妖猫、実は軽煙が前前前世で助けた猫の花点(ファディェン)でした軽煙は妖魔退治する崑崙の弟子でありながら、妖魔の世界にも良い妖魔と悪い妖魔がいると考えるようになりますそんなある日、軽煙は師匠の誕生日に仙界の聖花である迦楼羅花を贈ろうと索隆火山へ密かに見守る龍炎は軽煙を助けてやりたいものの、すでに修行を積んだ軽煙なら気息だけで龍妖だと見抜かれてしまいますすると見かねた雪阡尋が一時的に気息を隠せる″噬魂扇(ゼイコンセン)″を貸してくれました龍炎は道に迷った軽煙のため蛍を放し、螢に道案内をさせましたそのおかげで軽煙は無事に聖花を手に入れ、その夜は洞窟で暖をとりますするとそこに懐かしい尉遲哥哥が現れました「これは君の夢の中だ、小流螢」「それでも嬉しい!もうすぐ18歳の誕生日よ!そうしたら昔話を聞かせてね」軽煙は自分の夢ならどんな願いも叶うと気づき、急に龍炎の背中にしがみつきます「あの時みたいに家まで送ってくれる?」翌朝、軽煙が目を覚ますと、すでに崑崙の山門でした掌門は軽煙からもらった聖花で金鷹匕首を作り、軽煙に肌身離さず持つよう教えます実は迦楼羅花には仙妖魔すべてを傷つけられる力があり、師匠は軽煙が自分の身を守れるようこの武器を作ってくれたんですね~さて、妹を殺された怒りから人々を襲っていた花点崑崙で捕らわれの身となりますが、ある日、軽煙が牢獄にやって来ます花点は200年前に助けてもらった猫だと訴えますが、軽煙には何の話か分かりませんでしたしかし花点から″流螢″と呼ばれ、夢の中で再会した尉遲哥哥も自分を″小流螢″と呼んだことを思い出します花点は無防備な軽煙を騙して迷魂煙を嗅がせ、その間に脱走すると林の中で頭から外套をすっぽりかぶった謎の男に出会います男は恩人である軽煙を傷つけずに妹の敵を討つ方法があると花点を懐柔喜んだ花点は再び軽煙に近づきます軽煙は妖猫を逃してしまった責任を感じ、密かに下山して探していましたするとちょうど妖狼に襲われている妖猫を発見、助けようとしましたが逆に襲われることに…しかし危ないところで龍炎が現れます龍炎は妖狼を消散させましたが軽煙をかばって負傷そこで軽煙はひとまず妖猫を捕らえ、山荘で龍炎を看病することにしました妖猫があの花点だと気づいた龍炎は前世のことを口止めしておきます軽煙は花点に同情し、結局、解放しましたその夜は山荘に泊まった軽煙、しかし翌朝、軽煙が一向に目を覚ましません龍炎が雪阡尋に診てもらうと、軽煙は上古の秘術・夢魘大法にかかっていました人間の1日は夢の中の1年、このままでは七日後に軽煙の元神は秘術をかけた者に吸い込まれてしまいますそこで龍炎が軽煙の夢に入って犯人を見つけ出し、それを青青と雪阡尋に伝えることになりましたつづく(  ̄꒳ ̄)う〜ん、記憶を頼りにまとめてみましたが、話半分でお願いしますw
2021.07.22
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丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman第6話「条件」公孫麗(コウソンレイ)は毒に侵された師兄・荊軻(ケイカ)を救うため、田光(デンコウ)の山荘を飛び出した。咸陽(カンヨウ)まで馬なら2日、眠らずに駆ければ1日半で着くだろう。…師兄、私が帰るまで待っていて…嬴政(エイセイ)の予想通り公孫麗は自ら秦王宮にやって来た。がらんとした正殿に案内され、玉座の前で困惑している麗児、するとどこからともなく秦王の声が聞こえて来る。「拝礼もせぬのか?」麗児は慌てて平伏し挨拶すると、ようやく秦王が現れた。かろうじて見えるのは秦王の裳裾と美しい履き物、その時、秦王から顔を上げるよう命じられる。ゆっくり頭を上げて秦王の顔を見た麗児、そこに立っていたのは洛陽(ラクヨウ)で知り合った商人・趙(チョウ)公子だった。今になって思えば衛(エイ)王府を自由に行き来できるのは秦王ただ1人、別れ際にくれた令牌にも合点がいく。麗児は呆然としていたが、急に怒りが込み上げて来た。「私を恩人と呼びながら、無理やり捕らえることが報いですか?」「目的を果たすには手段が要る」嬴政の目的とは麗児を手に入れることだった。…師兄の生死は私に懸かっている…解毒薬が手に入れば私はもうどうなってもいいわ麗児は荊軻の解毒薬と引き換えに条件をのんだ。「3か月後、師兄が回復するまでお待ちください…この約束は誰にも話しません 3か月経てば必ず入内(ジュダイ)します、師兄を傷つけたら私は参りません」「はお、3か月待つ、約束を破れば荊軻とそなたがどうなるか分かっておるな?」嬴政は久しぶりに気分が良かった。すると衛尉(エイイ)・李仲(リチュウ)が戻り、公孫麗が軍の護衛の下、安邑(アンユウ)へ向かったと報告する。「大王が荊軻のみに毒を使えとお命じになったのは、 公孫姑娘(グーニャン)が助けを請いに来ると分かっていたのですね?」「李仲…余は卑怯者であろうか」「(゚ェ゚(。_。*)コク…(はっ!)まさか~@震え声」「己の心に嘘はつけぬ、あの荊軻は天下で唯一、余が羨む男だ」麗児が解毒薬を持って戻って来た。しかし田光に薬を託し、そのまま倒れてしまう。やがてふと目を覚ますと、床を離れて粥を食べている荊軻の姿があった。「師兄!目が覚めたのね!気分はどう?」「師妹、君こそ一昼夜眠り続けていた」すると田光はそれとなく麗児に合図し、二人は薪を取りに行くと断って部屋を出た。「咸陽の件は話しておらぬ、荊軻は長らく昏睡していたが、目覚めると真っ先に君の安否を尋ねた 私が調合した薬を飲んだと思っておる」麗児は仕方がなく秦王から解毒薬をもらったと告白し、絶対に他言無用でと懇願した。荊軻には祖国を再興するという高い志があり、その邪魔はできないという。田光は殊勝な心を持った麗児に敬服し、思わず頭を下げた。麗児は献身的に荊軻の世話をした。しかし荊軻が解毒薬は本当に田光の処方なのかと疑う。実は朦朧としながらも、田光が秦の妖術師が作った猛毒だと言ったのを聞いていた。麗児は街で手に入れたと嘘をつき、名医を探していたら毒を消せる方士(ホウシ)がいたとごまかす。「あまりに怪しいから半信半疑だったけど、荊軻が助かって良かった~(^ꇴ^) 嘘だったら家をぶち壊しに行っていたところよっ(๑•̀ㅂ•́)و✧」「…じゃあ配合は」「もうやめて、深く考えないで…強くなって私を守ってくれるんでしょう?」麗児はとにかく身体を治すようなだめた。すると荊軻は麗児の手を握りしめ、麗児が救ってくれたと心から感謝する。麗児は喉まで出掛かった真相を飲み込み、そろそろ休もうと言った。こうして二人は同じ部屋の端と端で床に就く。麗児は荊軻に笑顔を見せて横になったが、こらえきれず声を殺して泣いた。2か月もすると養生していた荊軻はすっかり回復した。そんなある日、麗児と荊軻は田光の勧めで街へ出かけることにする。田光は幸せそうな二人の背中を見送りながら心が痛んだ。…荊軻は若く一途に公孫姑娘を思っておる…真実を知れば平静ではおれぬだろう麗児と荊軻は賑やかな魏(ギ)の旧都を散策した。古代、黄帝の妃がここで養蚕(ヨウサン)を伝えたことから、絹が有名だという。そこで荊軻は記念に一枚、麗児へ襟巻きを買った。すると露店の店主が美男美女の夫婦だと褒め、可愛い子供が生まれるという。二人は照れ臭そうに顔を見合わせたが、その時、急に荊軻が麗児の腕を引っ張って物陰に隠れた。「衛兵だ、君を捕まえる気だ、行こう」「師兄、もう大丈夫よ、人相書きはもう無いもの」確かに衛兵はそのまま通り過ぎて行ってしまう。「人違いだったのよ、行きましょう」一方、街には大師兄の韓申(カンシン)がいたが、運悪く二人と行き違いになっていた。秦王宮、嬴政は相国府の食客・李斯(リシ)を朝議に招いた。「今や秦は他の諸侯を屈服させ、臣下のように従えています 秦の国力と大王の英明さをもってすれば、何の造作もなく諸侯を滅ぼせるでしょう ただし、この機を逃せば諸侯は再び合従(ガッショウ)し、力を強めます」李斯は覇業のためにまず諸侯の勢いを削ごうと、近隣の小国・韓を下すべきだと上奏した。すると嬴政は早速、軍議にかけて検討すると決め、李斯を廷尉(テイイ)に封じる。一方、荊軻は養生していた2か月も修練を怠ったてしまったと反省していた。麗児の事情を知っている田光はこれを機に燕(エン)の知人・高漸離(コウゼンリ)を訪ねるよう提案する。高漸離は″燕翔剣(エンショウケン)″とも呼ばれる剣客で、″一生の後悔があるとすれば公孫羽(コウソンウ)と手合わせできなかったこと″と常々、話していた。「せめて後継者に会えれば本望だろう」博学多才で剣術にたけるという高漸離、共に競いながら技を磨き合えば、良い刺激を受けて大きな成長が見込めるという。荊軻は目を輝かせながら麗児にすぐ出かけようと言ったが、麗児は疲れたので行かないと断った。驚いた荊軻はならば自分もあきらめるという。そこで田光は自分が麗児を預かると安心させた。「鍛錬に励み、早く帰って来れば良い」「そうだわ、どうせ私はお荷物になるし、留守番していた方がいい」「はお、では師妹をお願いします」何も知らない荊軻は、戻ったら麗児に技を伝授すると約束した。翌朝、麗児は桟橋でひとり物思いにふけっていた。そこへ荊軻がやって来る。「師妹、出立はもう少し先だ、修練に付き合ってくれ」「いいわ!」麗児は荊軻から剣を受け取ると、急に思い出し笑いした。「昔、二人で編み出した双人(ソウジン)剣法を覚えている?」「もちろんだ、あの時、天下一の剣客になると誓い合ったんだ」つづく(  ̄꒳ ̄)本当の恩人は荊軻なのになぜ?って思っていたけど、なるほど~麗児に愛される荊軻が邪魔だったのね…( ๑≧ꇴ≦)びんびんめ!←違うw
2021.07.21
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丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman第5話「秘計」秦(シン)王・嬴政(エイセイ)は捕縛令を布告、衛(エイ)の娘・公孫麗(コウソンレイ)の捜索が始まった。偶然、街に買い物に来ていた麗児は自分の人相書きを見て呆然、急いで魯勾践(ロコウセン)の山荘へ戻ることにする。↓( ゚д゚)似てねぇぇぇぇ…ボソッその頃、師妹たちを探している大師兄・韓申(カンシン)も麗児の捕縛令を見つけていた。公孫麗の人相書きは秦だけでなく魏(ギ)にまで張り出された。衛尉(エイイ)・李仲(リチュウ)は軍総出で捜索、見つかるのも時間の問題だと大王を安心させる。しかし嬴政はもうひとつ麗児に罠を仕掛けていた。麗児と荊軻(ケイカ)は秦の追っ手から逃れるため、早々に魯勾践の山荘を離れることにした。すると魯勾践は文を持たせ、何かの時には友人の田光(デンコウ)を訪ねるよう勧める。田光は燕(エン)人で義侠心に厚く、深い見識を持ち、必ずや二人の力になってくれるだろう。蓋聶(コウジョウ)は出かけたまま未だ戻らず、二人と意気投合した蓋蘭(コウラン)は離れがたかったが、再会を誓って見送った。嬴政は相国府に呂不韋(リョフイ)を訪ねた。対応したのは食客の李斯(リシ)、実は呂不韋は風邪で高熱を出し、寝込んでいるという。嬴政は仮病だと疑ったが、李斯が楚の荀子(ジュンシ)に師事したと聞いて興味を持った。「荀子?性悪説のか」孟子や孔子と言った儒家は好まないという嬴政、すると李斯は大王の志がはるかに遠大なため飽き足らないのだろうという。「恐れながら、大王の志とは天下統一かと」李斯はもはや衰退の一途をたどる六国は恐るるに足らず、第一に考えるべきは国内の安定、古来より王が全権を有すればこそ国は安寧を得られると説いた。「大王、決断せねば禍根を残します」その時、家職が慌てて駆けつけ、呂不韋が身支度を整え次第すぐ来ると報告する。しかし嬴政はその必要はないと言った。「得るべきものは得た…用はない」嬴政は生母の太后・趙姫(チョウキ)を咸陽(カンヨウ)へ呼び戻した。民の間では大王の孝行心が評判となったが、実は嬴政は秦王宮に戻った母から幼い弟を取り上げてしまう。「たとえ母上が産んだ子でも余の兄弟ではない!逆臣の子だ!」一方、太監の趙高(チョウコウ)は権勢が衰えた呂不韋に巻き込まれぬよう、大王の歓心を買っていた。趙高は趙人のため、嬴政が人質として辛酸を嘗めて来たことを心得ている。「実権を握った相国は謀略を巡らせ、大王を陥れています 嫪毐(ロウアイ)、長安君の謀反、大王の出自についての流言まで…断じて許せません 太后は王宮に戻られました、これからどうなさいますか? …王宮も秦も大王のものです!一切の処遇は大王のお心次第かと」嬴政はその時ふと李斯の進言を思い出した。その夜、逃亡中の麗児と荊軻は山間で見つけた廃家で一夜を過ごすことにした。秦軍が麗児を追っている狙いは一体、何なのか。荊軻は剣譜の在りかさえ分かれば鵠落(コクラク)剣法を習得して麗児を守れると焦った。すると麗児は正直なところ、祖父の敵討ちも剣譜もどうでもいいと明かす。「誰にも脅かされない場所で師兄と一緒に静かに暮らしたい…(〃ω〃)テレ」しかし荊軻は否定も肯定もできなかった。…亡国の屈辱を忘れてのうのうと暮らせば、あの世で師父が悲しむことだろう…俺だって君と静かに暮らせたらどんなにいいか嬴政は呂不韋と趙姫を招いて宴を開いた。すると嬴政は歌姫を呼び、不実な男に嫁いだ女の詩を歌わせる。居たたまれなくなった趙姫は疲れたので休むと断ったが、嬴政は所望するなら若い男を向かわせると言った。趙姫は息子の辛辣な言葉に呆然となり、自分を帰京させたのはいたぶるためだったのかと泣き崩れてしまう。慌てた呂不韋は全て自分のせいだと趙姫をかばったが、嬴政はならば相国の位を廃すると命じた。その代わり左右丞相を置くと決めて兵権を嬴政ひとりが持つこととし、さらに太后は南宮に幽閉、面会も一切、禁じられてしまう。翌朝、再び出発した麗児と荊軻だったが、山中で風林火山の二人と出くわした。風林火山は大王から公孫麗を秦王宮に連れて来るよう命じられたと教え、二人に襲いかかる。しかし荊軻が麗児をかばって胸を刺され、深手を負った。そこで麗児は自ら剣を首に当てて自害すると脅し、荊軻を連れて逃げ出すことに成功する。風林火山は大王の命で公孫麗に手荒な真似はできず、あっさり二人を見逃した。どちらにせよ公孫麗は秦王宮へ出向くしかない。実は荊軻は剣先に塗られた毒にあたっていた。この毒は7日以内に解毒しなければ死を待つだけとなる。こうして公孫麗を捕らえるための包囲網は嬴政の計画通りに進んだ。麗児は山小屋で荊軻を休ませた。しかし荊軻は急激に具合が悪くなり、やがて意識を失ってしまう。麗児は原因も分からず独り涙に暮れたが、翌朝、魯勾践から紹介された安邑(アンユウ)の田光を頼ることにした。荊軻を荷車に乗せて山道を行く麗児、すると偶然にも田光が現れる。若い娘の難儀な様子が気になって声をかけてきたのだ。そこで麗児は魯勾践の文を渡した。田光はその娘が公孫羽(コウソンウ)の孫だと聞いて喜んだが、戦で公孫羽が命を落としたと知るや顔を曇らせる。「…秦め、姑娘、私についてきなさい!」今は一刻も早く荊軻を助けることが先決だった。田光は山荘に荊軻を連れ帰った。刺し傷は急所を外れており致命傷ではなかったが、荊軻が毒にあたっていると分かる。毒はすでに全身を回り、解毒薬がなければ恐らく長くても7日の命だった。すると麗児は怪我を負わせた者が秦の四大名手・風林火山だと教える。田光は風林火山が秦の妖術師・姚賈(ヨウカ)の手下で、秦王の腹心である姚賈と言えば卑劣な手段を用いて標的を闇に葬ると話した。どうやら秦王は是が非でも公孫麗を手に入れたいらしい。「なぜ私のようなただの娘に秦王は執着するのかしら…」「公孫姑娘の美貌には男なら誰しも魅了されるだろう、秦王とて例外ではない あるいは秦王に取り入ろうとする者が献上品代わりにするつもりやも…」麗児の頬を涙が伝った。どんな理由にせよ自分が原因で荊軻は死の淵をさまっている。「先生、考えがあるので馬を貸してください 留守の間、師兄をよろしくお願いします、ご恩は忘れません」つづく
2021.07.20
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丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman第4話「捜索」贏成蟜(エイセイキョウ)は嬴政(エイセイ)に譲位を迫るもあっさり退けられた。林の中では趙軍を率いた嘉(カ)太子が固唾をのんで見守っている。すると成蟜がついに剣を抜き、大王の後ろに控えていた衛尉(エイイ)・李仲(リチュウ)と大将軍・王翦(オウセン)も瞬時に剣を抜いた。しかし嬴政が手を挙げ制止する。「しばし待て…」嬴政は成蟜が自分に勝てないと分かっていた。何より苦楽を共にした兵士たちに同士討ちさせるわけにはいかない。しかし引っ込みがつかない成蟜は頑だった。そこで嬴政は歌を口ずさみ、弟の情に訴えかける。「♪衣がなくても寒くはない~お前と共にまとえばよいのだから~ 王は進軍の命をお出しになった~いざ武器を取り、戦に備えよ~ 同志たちよ、一丸となり敵に立ち向かおう~ 衣がなくても寒くはない~…」かつて兄弟は天下統一を目指し、共に国を治めようと約束した。その時、成蟜は命ある限り兄に尽くし、忠誠を捧げると誓う。(* ̄0 ̄)θ<エンダァァァァァアァァァァァ~♪ (;∀; )お兄…ガッシャ〜ン!成蟜は兄との絆を思い出し、戦意を喪失して剣を落とした。嘉太子たち援軍の出番はなかった。すると嬴政が兵士たちに秦人は同胞を殺さないと叫ぶ。「今この時から嬴成蟜は秦と縁を絶つ!恩義は尽き果て、今生で相まみえることはない!」嬴政は弟を見逃し撤収した。(꒦ິ⌑꒦ີ)<哥ーっ!comeback!成蟜は黙って去って行く兄の背中を見ながら絶叫したが、嬴政が振り返ることはなかった。一方、公孫麗(コウソンレイ)と荊軻(ケイカ)は魯勾践(ロコウセン)の山荘へ向かっていた。剣譜を狙う丹頂門(タンチョウモン)を警戒しながら林の中でひと休みする二人、その間も荊軻は修練に励む。そんな師兄をながめながら麗児は絵を描いていた。実は祖父を失ってから麗児は戦ばかりの世の中が嫌になり、愛する荊軻と山に移り住んで穏やか日々を送れたらと考えるようになる。「見て、私と師兄を描いたの…これは二人で海で遊んでいるところ、一度は本物の海を見てみたいわ」他にも二人で一緒に馬に乗ったり、山登りしている絵がある。荊軻ももちろん愛しい麗児とこんな風に過ごせたらと願ったが、師匠の教えが思い留まらせた。「剣譜を守り、武術を極め、世のために生きる…それが俺の道だ 自分だけ幸せになるわけにはいかない」「…ただの夢よ、気にしないで」麗児は少し寂しそうに絵をたたんで立ち上がったが、その時、荊軻が麗児の手をつかんだ。「どんな道が待っているのか俺にも分からない、でも行けるところまで一緒に行こう」再び旅に戻った二人、すると荊軻は麗児が描いた絵のように、麗児の手を引いて山道を登って行った。嬴政は友人であり人質である燕の太子丹(タン)に愚痴をこぼしていた。共に修練に励み支え合って来た弟、一体、何が間違っていたのだろうか。すると太子丹は王族の宿命だと慰めながらも、兄思いの長安君が謀反を起こす理由がないと訝しんだ。「ましてや生来、穏やかなお方です、恐らく何者かの教唆があったのでは? お二人を離間させ、利を得るのは誰でしょうか?」嬴政にはすぐ黒幕が分かった。その夜、呂不韋(リョフイ)は成蟜を失った嬴政を励ましにやって来た。「この仲父だけは決して裏切りません、いつまでも…」「その口を閉じよ…」嬴政は自分が信頼していた者が次々と去る理由がやっと分かった。「全てそなたが裏で糸を引いていたのだな…」「政児、誤解するな、父として我が子を思いしたことなのだ」嬴政を趙から帰国させて王位に就けたのは呂不韋だった。確かに呂不韋がいなければ趙で人質として惨めな一生を終えたのかもしれない。「政児、私と共に六国併合を遂げ、覇権を手に入れようではないか!」しかし嬴政は自分を傀儡として全てを意のままにしようと暗躍する呂不韋や祖太后たちにへき易していた。そんな中、成蟜だけは嬴政を敬い、気遣い、兄と慕ってくれたという。成蟜は嬴政の出自も知りながら、それでも王としての立場と苦しみを理解し、黙っていたのだ。「そんな弟を失った…お前が己の野心のため、兄弟の情を引き裂いたのだ!」激情に駆られた嬴政は思わず呂不韋の首をつかんだが、ふと冷静になって手を離した。「出て行け…余の前から消えろ…顔も見たくない…失せろっ!」麗児と荊軻はふもとの村で武芸達者な娘と出会った。娘は露店の老婆から売上を巻き上げたごろつきを成敗していたが、ちょうど通りかかった荊軻が助太刀する。3人は意気投合、荊軻はどこの門下なのか聞いた。すると娘は父から武術を習っているという。実は父が秦の暴政を憎んで親子で祖国を去り、今では追われる身だというのだ。秦の剣客と言えば蓋聶(コウジョウ)しかいない。実はその娘は蓋聶の一人娘・蓋蘭(コウラン)だった。蘭児は父の元へ麗児と荊軻を案内した。すると村はずれで待っていた蓋聶がちょうど秦の追っ手と手合わせしている。その追っ手こそ秦の四大名手・風林火山の二人だった。ここで会ったが百年目、麗児と荊軻は公孫羽(コウソンウ)の敵を討つため剣を抜いて襲いかかり、蓋聶は外野に追いやられてしまう。しかし若い二人の腕前では到底、風林火山に及ばなかった。蓋聶は頃合いを見計らい助太刀に入ると、一撃で風林火山を吹き飛ばす。その力量に驚いた風林火山は退散、麗児と荊軻は慌てて追いかけようとしたが、蓋聶が制止した。「諦めろ、勝てぬ相手だ」蓋聶は修練を積んで成長してからでも敵討ちは遅くないと諭した。( ๑≧ꇴ≦)可愛いだけではない、たてもキレイなのだ!荊軻は己の無力さを実感し、このままでは敵討ちどころか師妹さえ守ってやれないと焦った。そこで思い切って蓋聶に弟子入りしたいと懇願したが、蓋聶は一匹狼、弟子を取らないと断る。「いくら頼んでも無駄だ、諦めてくれ」蓋聶は娘と出立することにしたが、その時、麗児が止めた。「大侠、弟子ではなく友人ならいかがですか?」秦王宮では華陽(カヨウ)太后が嬴政の妃たちと談笑していた。嬴政にはまだ幼い息子・扶蘇(フソ)が1人だけ、生母の鄭(テイ)夫人は早世している。そこで祖太后は太医令(タイイレイ)に滋養をつける薬湯を用意させ、妃たちに1日も早い懐妊を望んだ。すると祖太后が孫のように可愛がっている楚(ソ)夫人が後宮に入ってから一度も大王と枕を共にしていないと暴露する。実は同席していた敏(ビン)夫人も同じだった。祖太后は後宮の問題を解決すべく嬴政を呼び、立后(リッコウ)を提案した。元服を終えて数ヶ月、王后が決まれば国は安定し、天下は平らぐという。そこでお気に入りの楚夫人を推挙したが、嬴政の心には公孫麗がいた。麗児を忘れられない嬴政は商王武丁(ブテイ)のような女傑を望むと答え、無理な条件を出す。「しかし文武両道かつ徳量寛大、用兵にたけ、余と共に覇業を成せる者でないと…」祖太后はそんな特別な娘が容易に見つかるはずないと呆れたが、嬴政は見つからなければ立后もしないと言い放った。「余の心は変わりません、他にご用がなければ失礼します」魯勾践の山荘に身を寄せた麗児たち。荊軻が修練に励む間、麗児と蘭児は繕い物をしながら互いの身の上が似ていると気づいた。麗児は両親が濮陽(ボクヨウ)城を守るため最期まで戦い、祖父のもとで武術を習いながら育ったが、実は蘭児も母が早世しており、父に育てられながら武術を学んだという。気が合う二人は不思議な縁を感じ、これを機に義姉妹の誓いを立てることにした。「今日から私たちは姉妹となり、同じ日に生まれずとも同じ日に死すことを願います」麗児と蘭児は天地に叩頭して義姉妹となり、互いに姉と妹ができたことを喜んだ。嬴政は朝議で嫪毐(ロウアイ)と一族郎党を凌遅(リョウチ)刑に処すと勅命を出した。さらに衛尉(エイイ)・李仲(リチュウ)に準備を任せていた捕縛令を布告する。↓( ̄ー ̄)ニヤリその頃、麗児は荊軻と蘭児と一緒に町で買い物をしていた。すると通りが何やら騒がしくなる。何事かと思えば、店先に麗児の人相書きが貼られていた。(´⊙ω⊙`)ポカーンつづく( ๑≧ꇴ≦)もうね、とにかくラバちゃんが可愛いの ←それだけw
2021.07.18
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燕云台 The Legend of Xiao Chuo第12話「怒りと憎しみ」韓徳譲(カントクジョウ)は父に蕭燕燕(ショウエンエン)との縁談を頼んだ。燕(エン)王・韓匡嗣(カンキョウシ)は燕燕を危険に巻き込むと警告したが、徳譲は幽(ユウ)州の一件で考えが変わったという。「燕燕は私の理解者です、私が危機に瀕しても付いて来てくれます」徳譲は母が勝手に李家との縁談を進めていることから、引き伸ばせば李思(リシ)を誤解させ、何より燕燕を傷つけてしまうと訴えた。確かに李思の方が自分にふさわしい相手なのだろう。正直なところ以前は徳譲も夫婦は互いを敬い合えれば十分だと考えていた。「世の中はままならぬことばかりです、何とぞ私のわがままをお許しください」南朝の趙匡胤(チョウキョウイン)が親征した。危機に陥った北漢(ホッカン)は援軍を求めて遼(リョウ)を頼ったが、穆宗(ボクソウ)・耶律璟(ヤリツケイ)は使者の前でも酒を飲んで泥酔している。仕方なく蕭思温(ショウシオン)は北漢を助けるよう進言、すると穆宗は了承して早々に退朝した。穆宗は酒を飲んでは次々と宮女を刺し殺した。生き延びるため仲間を犠牲にするしかない侍女・安只(アンシ)、しかしこの地獄から耶律只没(ヤリツシボツ)が救い出してくれると信じている。一方、耶律賢(ヤリツケン)も婆児(ハジ)から穆宗がまた人を殺したと報告を受けた。聞けば様子を見に行った女里(ジョリ)さえ危険な目に遭ったという。すると耶律賢は書斎の裏に密かに飾ってある燕燕の絵を見に行った。…宮中にはびこるのは殺戮や陰謀、そして血だ…燕燕、君は私が求めていた女子だ…賢いだけではない、政(マツリゴト)について洞察力が深く、先見の明もある…私と共に遼を守るのにふさわしい女子だ耶律賢は全てが片付いたら燕燕に婚姻を申し込もうと決めていた。韓徳譲は燕燕に父が婚姻に同意してくれたと伝えた。幸せに包まれる燕燕と徳譲、しかしその頃、横恋慕する耶律磨魯古(ヤリツマロコ)も父に燕燕との縁談を懇願していた。「私の意思は変わりません、父上が承諾するまでひざまずきます!」耶律虎古(ヤリツココ)はあのじゃじゃ馬が来たら屋敷が大変なことになると反対したが、息子にせがまれ折れた。こうして奇しくも燕王と虎古が同じ日に蕭思温を訪ね、燕燕への縁談を申し込むことになった。板挟みとなった蕭思温は、燕燕の一生に関わることゆえ本人に話を聞くことにする。すると父に呼ばれた燕燕は当然、韓徳譲を選んだ。虎古は断るだけならまだしも、娘を漢人に嫁がせるのかと激怒する。しかし蕭思温は娘の決断が自分の決断であり、とやかく言われる筋合いはないと気丈だった。一方、只没は安只と密通を続けながら、皇族の重鎮を懐柔しようと動き始めていた。大軍が国境に迫っているため穆宗はいずれ出兵するはず、この好機に出征して兵権を得れば帝位は自分のものになる。しかし大長老である大于越(ダイウエツ)・耶律屋質(ヤリツオクシツ)にはすげなく追い返された。すると只没の安易な行動はすぐ太平(タイヘイ)王・耶律罨撒葛(ヤリツエンサーグァ)の耳に入る。兵権を求めて軍功を狙う者は数知れず、罨撒葛は只没が格好の見せしめになると考えた。「…只没に何か弱みはないか?」遼の大軍が南朝軍の奇襲に遭った。この失態に穆宗は激怒、多くの将兵を斬り、九族皆殺しにすると息巻いているという。戦で負けても穆宗は人を殺すばかり、腹に据えかねる韓徳譲と耶律賢だったが、今は耐えるしかなかった。「″睡王″と揶揄される陛下が夢うつつで遼の天下を他人に渡すやも… 胸に秘めた大志を果たせねば、私は先祖に合わせる顔がない」「大王、案ずるな、そんな事態にはならぬ」只没は北府宰相に蕭思温を訪ね、皇帝に自分の出征を上奏するよう訴えた。しかし救援を仕切っているのは太平王のため、太平王と協議するよう体良く追い返されてしまう。只没は仕方なく蕭家を後にしたが、外で兄が待っていた。只没が皇族に接触していることはすでに噂になっていた。耶律賢は告発されたら大ごとになると言い聞かせたが、血気盛んな只没は阿保機(アホキ)の子孫として決着をつけると息巻く。「とにかく軽挙は慎むと約束してくれ、いいな?」「…私のことはご心配なく」すると只没は頑な態度で帰ってしまう。婆児(ハジ)は宮中育ちの只没ならわきまえているとなだめたが、耶律賢は嫌な予感がしていた。燕燕は酒楼で韓徳譲と待ち合わせしていた。徳譲にお茶をご馳走しようと準備を始める燕燕、しかしその頃、宮中で大変な事件が起こる。只没が安只との密通現場を取り押さえられ、皇帝の前に連行されたのだ。只没の側仕えから報告を聞いた耶律賢は愕然、恐らく穆宗は表向き密通という罪名で弟を処刑するつもりだろう。そこで耶律賢は真っ先に太平王府へ駆けつけ、口添えを頼んだ。罨撒葛は自分の策略ながら何も知らなかったように驚き、耶律賢に同情する胡輦(コレン)の手前、情けをかけるという。只没は安只と愛し合っていると訴えたが、穆宗は自分のものに手を出した甥を許さなかった。すると只没はこれまでの鬱憤が爆発、そもそも全て父のものだったと暴言を吐いてしまう。「父上が亡くなった時、我ら兄弟は幼かったからお前は即位できただけだ! お前の帝位はいずれ私が継ぐ、まさか敵烈(テキレツ)の子に譲位すると?敵烈は奴婢の子だ!」「…だが生粋の契丹人だぞ?」穆宗は只没の生母が漢人・甄(シン)氏だと指摘、只没を雑種だと蔑んだ。「耶律璟…もう一度、言ってみろ!殺してやる!」その頃、参内した罨撒葛は回廊をわざとのんびりと歩き、耶律賢をやきもきさせていた。穆宗は只没に車裂きの刑を命じた。そこへちょうど耶律賢が到着、慌てて弟の命乞いをする。「只没は無知なのです…断じて伯父上に二心はありません!」耶律賢は罨撒葛に助けを求めたが、穆宗が発言させる隙を与えなかった。「朕はそやつを死罪に処すと決めた、引っ立てろ!」すると衛兵に抱えられた只没は開き直り、穆宗を酒乱の能無しだと愚弄、遼の皇帝に相応しくないと叫んでしまう。激情に駆られた皇帝は取るものも取り敢えず机にあった小刀を思い切り投げつけた。小刀は只没の右目を切り裂き、激しい血が吹き出す。さらに穆宗は自ら只没を斬殺すべく駆けつけ、剣を振り上げた。しかし危ないところで罨撒葛が皇帝を取り押さえ、ここで只没を殺せば皇族の反発を買うと説得する。「皇兄、殺さずに別の刑罰を与えては?鬱憤は晴らせます」穆宗はその手があったと気づき、命だけは助けようと言った。ひたすら平伏していた耶律賢は感謝したが、その代わり罰として宮刑を申し渡されてしまう。只没は衛兵に連行され、すぐさま去勢されて戻って来た。罨撒葛は耶律賢に感謝するよう促したが、耶律賢は放心状態のまま言葉がでない。「宮刑では軽すぎたようだ、見せしめで杖刑100回に処す」穆宗の容赦ない仕打ちに耶律賢は慌てふためき、急いで頭を下げた。「…明扆(メイイ)がお礼を申し上げます」罨撒葛の口添えのおかげで杖刑の罰は侍医が止血してからと決まった。すると皇帝に命じられた衛兵が只没を引きずり出し、回廊から放り投げてしまう。耶律賢はなす術なく、ただ長い石段を転がり落ちて行く弟の姿を呆然と見ていた。まるでゴミのように捨てられ、眼下に横たわる血塗れの弟…。耶律賢は耐え難い屈辱と怒りの中、激しく吐血し卒倒してしまう。耶律賢が目を覚ますと、燕王と韓徳譲が付き添っていた。只没はすでに寝殿に戻り、命に別状はないという。すると耶律賢は重い身体を起こし、只没の様子を見に行くことにした。耶律胡古典(ヤリツココテン)は涙しながら三兄を介抱していた。しかし只没が薬を拒否し、どうしたら良いのか分からない。そこへ耶律賢が病を押してやって来た。「早く薬を飲め、さもなくば傷口がふさがらぬ」「…私は去勢され独眼となりました、10日後には杖刑100回を受ける 薬を飲んだところで、何日か命が延びるだけです …再び辱めを受けて死ぬより、早く楽になりたい」「絶対にお前を死なせたりしない…必ず命を守ってやる!お前を死なせるものか!」「私に生きる意味が?もはや生ける屍だ…いっそ早く死にたい…」耶律賢は弟の無念を思い、泣き崩れた。かつて身体の弱い兄とか弱い妹を自分が守ると約束してくれた只没、そんな弟の哀れな姿を思うとやり切れない。それでも耶律賢は生きていれば希望があると励まし、何としてでも生き延びるよう説得した。しかし只没は頑に薬を飲もうとしない。すると耶律賢は妹に只没の世話を任せ、引き上げて行った。太祖の三支のうち喜隠(キイン)は禁足、只没が宮刑となり、韓徳譲は次の標的が耶律賢だと警告した。「大王、何かお考えが?」「…徳譲、今日は父上と帰ってくれ、私は一人になりたい」一方、徳譲にすっぽかされた燕燕は仕方なく屋敷へ戻った。すると家職の虎思(コシ)が心配そうに前庭で右往左往している。聞けば宮中で大事があり、父もまだ帰っていなかった。「陛下が只没大王の目を傷つけ、宮刑に処したとか…」燕燕は徳譲が来られなかった理由を知ると、慌てて屋敷を飛び出してしまう。つづく(O_O)え___何この展開?
2021.07.17
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燕云台 The Legend of Xiao Chuo第11話「確かめ合う想い」酒楼での騒ぎを収拾した太平(タイヘイ)王・耶律罨撒葛(ヤリツエンサーグァ)。実は耶律賢(ヤリツケン)が蕭思温(ショウシオン)の末娘・燕燕(エンエン)に近づいていると知ったが、自分の敵ではないことから見逃した。一方、燕燕と耶律賢は再び酒楼の個室に戻った。耶律磨魯古(ヤリツマロコ)を懲らしめ胸がすく思いの燕燕、それにしてもなぜ漢族というだけで韓徳譲(カントクジョウ)を蔑むのだろうか。燕燕がため息を漏らす様子を見た耶律賢は何か悩み事かと聞いた。すると燕燕は目を輝かせ、好きな人がいると告白する。しかし相手には同じ民族の許嫁がいるため、きっと相手の家族は反対なのだとこぼした。燕燕の想い人が契丹(キッタン)人ではないと分かった耶律賢は確かに家柄が釣り合わないという。「何と言っても君は后族で契丹人だ、皇后にもなれる」「皇后なんてなりたくない!好きな人に嫁ぎたいの」耶律賢は燕燕の即答に落胆したが、燕燕が気づく様子はない。「そうだ!あなたは漢学に通じてる、その人に何を贈ったらいいかしら?」「…学のある人物なら書物が良い、私の元に珍しい法律書がある、きっと気に入るだろう」耶律賢は燕燕に自らお茶を立てた。その様子を見ていた燕燕は、太祖が漢制を学んだおかげで遼(リョウ)がめざましく発展したにもかかわらず、契丹人以外を差別し、出自を笠に着ている人がいると嘆く。「才能があり、遼に忠誠を誓う人物なら出自は関係ない、大事なのは遼の興隆よ?今の陛下は…」燕燕は思わず穆宗(ボクソウ)・耶律璟(ヤリツケイ)を批判しそうになったが、耶律賢が咄嗟に遮った。「女子の君が国家に関心を持つとは…君も述律(ジュツリツ)太后のようになりたいと?」「当然よ、太后娘娘のように国を動かせたら人生に悔いはないわ~ナンツッテ…」「将来、君を評価する皇帝と出会い、述律皇后のように重んじられたら、 国を動かし、夫の偉業を補佐できるかもしれないな」「ふふふ、あなたは人をからかうのがうまいわね~」燕燕はまるで今すぐ述律太后になれそうな気分になったと笑った。「私は本気だ、いずれ分かる…」すると頃合いを見計らっていた婆児(ハジ)がそれとなく大王に目配せした。「…燕燕姑娘、少し外す、ここにいてくれ」耶律賢は階下で南院枢密使・高勲(コウクン)と接触した。実は高勲は晋の北平(ホクヘイ)王の子で高貴な出自、しかし一族は没落している。すでに徳譲と女里(ジョリ)が何度も高勲を推挙していたが、出自の問題で出世を阻まれていた。「陛下には頑固すぎるところがあるゆえ、そなたたち忠臣に我慢を強いてすまぬ」「先帝がご存命の頃は信賞必罰でした、しかし…ぁ」高勲はそこで言葉を飲み込み、人皇(ジンコウ)王の系統に忠義を尽くすと誓った。燕燕はなかなか戻って来ない耶律賢を心配していた。すると耶律賢が現れ、部屋を間違えて迷っていたと誤魔化す。「あまり外出できないゆえ書物は明日、届けさせる、来月15日にまた会ってもらえぬか?」(^ꇴ^)ノ<はお、じゃあ先にお礼を言っておくわ♪ ←能天気すぎるw耶律賢は永興(エイコウ)宮へ戻った。すると婆児が燕燕と会えなければ危ないところだったと安堵する。それにしても何と見識の高い娘だろうか。耶律賢は燕燕に惹かれていたが、燕燕の想い人が誰なのか気になった。しかし相手は契丹人ではない。后族を娶るには皇族でなければ釣り合わず、耶律賢はどちらにしても結ばれないと余裕を見せた。その頃、李思(リシ)は縁談のため母と一緒に燕王府を訪ねていた。すると韓夫人はしとやかな李思を気に入り、早速、独り身の四男・徳譲に相手をさせる。どこか気まずい徳譲だったが、李思は燕燕に土産を差し出した。「燕燕姑娘は后族だからいずれ皇族に嫁ぐわ、ご機嫌取りに見えるかしら?ふふ」李思は徳譲が燕燕との付き合いを続けていれば、いずれ皇后や妃になった時に助けてもらえるという。しかしその会話を運悪く燕燕が聞いていた。「何ですって?!」燕燕は耶律賢から届いた書物を早速、韓徳譲に届けに来た。しかし涼亭で話している徳譲と李思の会話を耳にして激怒する。「皇后や妃って?どういう意味かしら?!」「燕燕姑娘、誤解しないで、あなたは大勢の皇族から慕われているでしょう?」「徳譲哥哥の心は私のものよ?忘れないで」驚いた徳譲は燕燕の無礼な態度を叱ったが、燕燕を怒らせてしまった李思は慌てて謝罪した。「四哥、私が悪いの…燕燕姑娘、ごめんなさい」「いいわ、許す、ならもう帰って!」すると徳譲は母から李思の相手をするよう頼まれた以上、ここに居てくれと引き止めた。燕燕は唖然、徳譲の態度に憤慨して帰ってしまう。「燕燕はまだ幼く、礼儀が身についていない、私が代わりに謝罪する」徳譲は拝礼し、急いで燕燕を追いかけた。( ゚д゚).oO(幼い?って…誰が?燕燕は韓徳譲が追いかけてくると見込んでのんびり市場を歩いていた。すると偶然、耶律磨魯古(ヤリツマロコ)と出くわす。いつもなら磨魯古の誘いなど断る燕燕だったが、そこへちょうど徳譲が追いついた。そこで燕燕はわざと磨魯古と相撲の試合へ行くことに同意する。徳譲は燕燕を引き止めたが、燕燕はこの機会を利用してやり返した。「磨魯古?私にいじめられたり、私のせいで禁足にされたりしてるわね? 私に腹が立たないの?」「まさか、君のことが好きだからな」「それじゃ、私のどこが好きなの?」「燕燕は美しいし性格も豪傑、上京で燕燕に憧れる者は数知れずだ」「私もそう思う(え?w)でも鈍感で全然、分かっていない人がいるの~」「…分かった、もう邪魔はしないよ」徳譲はへそを曲げ、帰ってしまう。燕燕は磨魯古を煙に巻いて徳譲を探した。すると隠れていた徳譲がひょっこり姿を現す。「そろそろ機嫌を直してくれ」徳譲は燕燕の不安をなくすため、父に頼んで正式に婚姻を申し込むと伝えた。一方、耶律賢の異母弟・耶律只没(ヤリツシボツ)も野心のため燕燕との縁談を望んでいた。これを知った穆宗の侍女・安只(アンシ)は絶望し、只没の前で池に身を投げてしまう。安只を助けた只没は自分の寝宮で介抱すると、三つ指を立てて誓った。「私は決めた、生涯、安只を大切にする…ここに誓う、決してお前を裏切らないと」こうして只没は掟を無視して皇帝の侍女と密通してしまう。その夜、罨撒葛が胡輦(コレン)へ贈り物を届けた。実は述律太后や母の装身具を手がけた匠に自ら頼んで作らせた冠だという。胡輦は自分に釣り合わないと恐縮したが、罨撒葛は明日の宴に付けるよう勧めた。「罨撒葛、あなたは大勢の恨みを買った、太平王府は耳目を集めている 私が嫁いだ今、目立つことは控えてはどうです?」「君は私の王妃、何を言われても構わん、皇后亡き今、最も高貴な女は君だ 陛下も言ってくれただろう?我らの息子を後継にするつもりだと」罨撒葛は胡輦を娶ったのは大切に愛するためだと訴え、これまでの慎重さは必要ないと言った。「私に頼ればいいんだ」翌日、罨撒葛と胡輦は太平王府で家族の宴を開いた。こうして弟の敵烈(テキレツ)一家、喜隠(キイン)と烏骨里(ウグリ)夫妻、そして燕燕が一堂に会する。すると罨撒葛は今や家族となった喜隠に過去のいざこざを帳消しにしようと提案、二人は杯を空けて表向き和解した。宴がお開きになると、蕭家の三姉妹水入らずとなった。顔を合わせれば小競り合いになる烏骨里と燕燕、しかし今となってはそれも懐かしい。すると胡輦は燕燕が気もそぞろだったと指摘し、何か悩みがあるのか聞いた。燕燕は思わず含み笑い、実は韓徳譲と縁談話があると告白する。しかし今でもなぜ徳譲があの時、李思の味方をしたのか分からなかった。話を聞いた烏骨里は子供みたいだと呆れ、まずは優しく包み込むようふるまい、わがままになるのは相手の心をつかんでからだと熱弁を振るう。「こんなに早くから本性を見せて、よく婚姻の話が出たわね?」胡輦は妙なことを教えるなと笑い、穏やかな徳譲は好きではない相手にこそ他人行儀にふるまうと教えた。怒ったのは燕燕を身内だと思っているからだという。大姐の言葉ですっかり自信を取り戻した燕燕、一方、徳譲は父に頭を下げていた。「父親(フーチン)、宰相に燕燕との婚姻を申し込んでください」つづく( ̄▽ ̄;)只没よ…お前もかそして圧が強いけど太平王の好感度up!w
2021.07.16
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丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman第3話「亀裂」秦(シン)王・嬴政(エイセイ)は命の恩人である孫(ソン)小侠が実は女子だと知った。孫小侠を心配して様子を見に来た嬴政、するとうなされる彼女の胸元に見覚えのある玉佩(ギョクハイ)を見つける。それは確かに幼い時に出会った公孫麗(コウソンレイ)が首からかけていたものだった。…これは何?…母上の形見なのあの夜、嬴政は林の中で趙兵に殺されそうになったところを偶然、麗児と荊軻(ケイカ)に助けられ、満月の下で友情を誓った。「本当に君なんだな…天のお導きだ」その頃、咸陽(カンヨウ)に戻った呂不韋(リョフイ)は次の手を考えあぐねていた。まさか太后にあてがった嫪毐(ロウアイ)が自分の目を盗んで謀反まで起こすとは…。呂不韋は愚かな趙姫(チョウキ)のせいで築き上げてきた地位を一瞬で失ったと嘆いた。一方、荊軻は魯勾践(ロコウセン)の山荘で目を覚ました。荊軻は恩人に感謝し、本当なら師妹と一緒に訪ねるはずが何者かに襲撃されたと説明する。曲者が麗児を狙っていたことから、荊軻は敢えておとりとなり城外へ出たのだ。すると魯勾践は荊軻を襲ったのが丹頂門(タンチョウモン)で、恐らく公孫羽(コウソンウ)の死を聞きつけたせいだと教える。掌門・夏侯央(カコウオウ)は鵠落(コクラク)剣法の剣譜を奪うため荊軻たちを襲ったのだ。(  ̄꒳ ̄).oO(剣譜?…師父から託されたあの布切れのことか?嬴政が留守の間に反乱が勃発した。呂不韋は華陽(カヨウ)太后(祖太后)に謁見、趙と結託した反乱軍に対抗すべく五万の兵を派遣するが、成蟜(セイキョウ)を指揮官として参戦させるよう進言する。祖太后は兵権を得た成蟜が謀反を起こす恐れがあると反対したが、呂不韋はむしろここで真意が測れると訴えた。「大王の地位を確たるものにすべく、長安君に二心あらば討ちましょう」実は先王の嬴子楚(エイシソ)は病床から呂不韋に成蟜を世継ぎにしたいと打ち明けていた。しかし呂不韋は趙に捨て置かれていた異人(イジン)が王になれたのも自分のおかげだと言い放ち、揉み消してしまう。麗児が目を覚ますと趙公子がいた。「具合はどうだ?まだ痛むかい?孫姑娘」趙公子から″お嬢さん″と呼ばれた麗児は自分が女子だとばれてしまったと気づく。「驚いたでしょう?」「″孫″というのは本名なのか?」「いいえ、本当は公孫麗と言うの、ごめんなさい、旅のためやむなく男装していたのです」嬴政は忘れもしないあの公孫麗だと感激したが、そこへ衛王が現れた。麗児は衛王の姿に驚き、慌てて寝台を降りてひざまずいた。「私は公孫麗、大王に拝謁いたします…」慌てた嬴政は一緒に拝礼し、衛王に芝居に付き合うよう目配せする。すると麗児は先日、秦軍の侵攻で濮陽(ボクヨウ)が落城、統帥である祖父の公孫羽(ソウソンウ)が秦の四大名手・風林火山に敗れて命を落としたと報告した。秦王から外部との接触を禁止されていた衛王はここで初めて落城を知り、さすがに動揺を隠せない。「秦が侵攻して以来、戦火は絶えず、家も家族も失い私は流浪の身です せめて私の一太刀(タチ)で秦への恨みを晴らしたい…私も師兄も衛人として命を捧げます」衛王は秦王の手前、慌てて麗児の言葉を遮ったが、そこへ衛尉(エイイ)・李仲(リチュウ)が駆けつけた。「公子、お話が…」上党(ジョウトウ)の反乱軍に趙が加勢、成蟜に出陣の命令が下された。嬴政は呂不韋の罠だと気づき、成蟜を引き止める。「呂不韋め、失脚を恐れ実力行使に出たのだろう、どんな策を弄するつもりか」「どんな意図があろうと私はいつでも王兄の味方、それに名将の楊端和(ヨウタンワ)もおります」成蟜が覚悟を決めると、李仲は大王も一緒に帰京するよう勧めた。しかし嬴政の顔が一瞬、曇る。「…かつて趙にいた頃、人質だった余は趙兵に殺されかけた その時の恩人がここにいる公孫麗なのだ、こたびもまた彼女に助けられた だから今は離れがたい…」成蟜はひとまず先に出発した。嬴政は再び麗児に付き添っていたが、どうやらまだ嫁いでいないと知って安堵する。しかし麗児には秦への強い恨みがあり、秘めてきた思慕の念を打ち明けることはできなかった。「急用があるので出立する、十分に養生されよ」嬴政は麗児に令牌を渡し、秦軍に遭遇した時に役立つと教えた。嬴政は衛王に恩人である公孫麗の面倒を頼み、急いで帰京ることにした。すると衛王は臣下が街で見かけて買い求めたという画を献上する。実は衛王は秦王が麗児の恨み節を聞いても怒らなかったことから、あの娘が秦王にとって特別だと分かっていた。「公孫麗は美しい娘ですので、男装しても絵師の目に留まったのでしょう」嬴政が画を広げてみると、男装姿の麗児の肖像画が現れる。「公孫麗は正義感が強く、家柄も良い娘です…」「…余が興味を示さねば、そなたは保身のためにあの者を殺すのだろうな」嬴政は衛王の浅はかな考えに呆れながら、必ず公孫麗を手に入れると誓って衛王府をあとにした。荊軻は麗児を迎えに洛陽に戻った。そこで宿泊した宿を訪ねてみたが、老板から出立後は麗児の姿を見ていないと言われてしまう。荊軻は麗児が衛王府へ向かったかもしれないと考え、急いで野王の地へ向かった。その夜、麗児ははぐれた荊軻のことを心配していた。そう言えば旅の途中、師兄が祖父から託された布切れを見せてくれたが、意味が分からずとも剣譜の在りかだという。『大師父から託されたと師父が言っていた』『それなら剣譜の在りかに違いないわね…剣譜があれば敵が討てる』『そうだ、師父の無念を晴らせる』その時、衛王が荊軻を連れてやって来た。奇遇にも麗児の行方を尋ねに荊軻が衛王府に現れたという。荊軻は麗児の無事な姿を見て安堵した。「君に何かあったら私も命を絶つよ、君のためならこの命も惜しくない」すでに回廊に出ていた衛王だったが、二人の仲睦まじい様子に気づき、秦王の秘めた想いを思うと居たたまれなくなった。一方、秦王宮に戻った嬴政は側仕えの趙高(チョウコウ)から思わぬ話を耳にした。呂不韋が長安君を出兵させたのは、嫪毐の件で勢力を削がれた呂不韋が長安君を操り、再起を狙うつもりではないかという。しかし嬴政は母が違うとは言え成蟜とは強い絆で結ばれていると信じていた。「裏切りなどあるはずがない」成蟜軍営に突然、趙の嘉(カ)太子が現れた。すると嘉太子は荘襄(ソウジョウ)王が残した遺詔を差し出す。…成蟜を太子に立てる、政児は余の息子ではない…父の血書を見た成蟜が驚愕していると、嘉太子はさらに成蟜の生母・紫玉(シギョク)夫人の死は事故ではなく、呂不韋の策略だったとほのめかす。実は嘉太子に血書を届けさせたのは呂不韋だった。呂不韋は計画が上手く行ったと知り、趙高に嘉太子への伝言を頼む。「計画通り再起できたあかつきには趙を攻めないとな…」麗児は回復し、荊軻と共に衛王府を出発することになった。結局、秦の支配下にある衛王府になぜ自分たちが入れたのか分からなかったが、衛王はただ大丈夫だと言って送り出してくれる。一方、秦では信じられない檄文(ゲキブン)が朝議に届いていた。李仲は長安君の直筆だと確認したが、とても読み上げることができない。しかし嬴政は早く読めと声を荒げた。…王室が悪党によって汚されようとしている…商人であった呂不韋は先王に引き立てられながら、その恩に報いず私利私欲に走っている…今王・政は王族ではなく呂不韋の子であり、呂不韋は己の子を宿した趙の女を先王に嫁がせたのだこれを聞いた嬴政は激昂、自ら檄文を手に取ると、続きを読んだ。…呂不韋は己の息子を王位に就けた、これは巧妙な簒奪である…国が乱れ、天の怒りを買うであろうすると嬴政は直ちに成蟜の元へ行くと決めた。「成蟜は本王の弟だ、本人の口から事情を聞かねば信じられぬ」嘉太子の先祖・趙盾(チョウトン)は謀略により一族皆殺しになっていた。唯一の生き残りが″趙氏孤児(チョウシコジ)″で名高い趙武(チョウブ)で、まさに成蟜の境遇と相通じるという。秦が嬴氏のものになるか、呂氏のものになるのか、これも成蟜次第だと煽る嘉太子、そこへ嬴政からの親書が届いた。嬴政は誤解があるなら解きたいと書いていたが、もはや成蟜の決意は揺るがない。こうしてついに兄弟両軍が対峙する事態となった。嬴政は父の遺詔を確認し、弟が反旗を翻した理由を知った。思えば幼くして母を失った成蟜を懸命に慰めてやった嬴政…。『代わりに私がいる、これからは私がお前を守ってやる』まさか呆気なく兄弟の強い絆が断ち切れてしまうというのか。しかし成蟜の不信感は拭えず、兄が自分に優しかったのも謀反を恐れたせいだと言い放った。「王位を私に譲れ!」「余は万物を手中に収めたい、地上だけでなく天上の楽園も奈落さえもだ…」すると嬴政の声が山間に響き渡った。「我は!…我こそは!全てを統べる″皇(オウ)″となる!(๑•̀ㅂ•́)و✧ …これが余の夢だ、ゆえに誰にも王位を譲るつもりはない」「ふっ、ならば戦うしかないな…私か貴様かどちらかが死ぬまで」成蟜は剣を抜いた。つづく
2021.07.14
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丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman第2話「邂逅(カイコウ)」…紀元前238年、嬴政(エイセイ)は冠礼の後に親政を開始した実は嬴政が生まれたのは趙(チョウ)国の邯鄲(カンタン)、そのため原名は趙政という人質の子として忌み嫌われ、趙軍は父・異人(イジン)の身代わりに子を殺すべく連夜、追いかけ回した『迫り来る趙軍の追っ手と振り下ろされる剣、当時の光景は今もありありと目に浮かぶ』その後、秦に帰国した趙政は嬴政と改名した即位した時はわずか13歳と幼く、政治の実権は華陽(カヨウ)太后と相国(ショウコク)・呂不韋(リョフイ)が握ることになるそして積年の屈辱を晴らすべく、嬴政は今、まるで奮い立つ虎のように雄叫びを上げようとしていた…謀反に失敗した嫪毐(ロウアイ)一派は事実上壊滅、仲父(チュウホ)・呂不韋の権勢も地に落ちようとしていた。容赦ない嬴政は反乱に加わっていなかった食客たちまで死罪を言い渡し、朝議を終える。すると嫪毐を捜索していた衛尉(エイイ)・李仲(リチュウ)が報告にやってきた。あの時、兵士になりすまし難を逃れた嫪毐は、腹心を連れて洛陽(ラクヨウ)に逃げたという。嬴政は自ら嫪毐を捕らえると決め、弟の贏成蟜(エイセイキョウ)と僅かな護衛のみで出かけて行った。祖国を追われた荊軻(ケイカ)と公孫麗(コウソンレイ)は洛陽の宿に落ち着いた。荊軻は師妹の安全を考え男装させていたが、麗児は食事中もどこか機嫌が悪い。それより衛王府がある野王(ヤオウ)の地はすぐ近く、麗児は公孫家が受けた恩義を思うと衛王の身を案じずにはいられなかった。恐らく衛王は濮陽(ボクヨウ)の落城すらまだ知らないだろう。「爺爺が会うよう言い残した魯勾践(ロコウセン)大侠のことだけど、信陵君(シンリョウクン)の食客だったとか? でも信陵君は逝去して長いわ、探し出すには時間がかかりそうね」その時、奇しくも同じ宿の酒楼で嬴政の一行も食事をしていた。すると泥酔した客が酒を買いに来た娘にちょっかいを出す。荊軻は娘を助けることにしたが、それより早く嬴政が飛び出した。嬴政が殴った酔っ払いが麗児たちの席へ倒れ込みそうになった。荊軻は瞬時に男の背中を剣で受け止め料理を守ると、即座に麗児が男の足を叩いて倒す。こうしてコテンパンにやられた男たちは逃げるように店をあとにした。嬴政は加勢してくれた二人の腕前を褒めた。荊軻も乱世には珍しい義侠心だと感服、意気投合した3人は互いの正体を知らぬまま杯を交わす。嬴政は趙と名乗り、商いのため洛陽に立ち寄ったと嘘をついた。荊軻と麗児は目の前に秦王がいるとは夢にも思わず、諸国が手を取り秦に立ち向かう好機だと訴える。別の席にいた成蟜と李仲は顔を見合わせたが、嬴政は話題を変えてうまくごまかした。麗児はすっかり泥酔した荊軻を支えて部屋まで送った。すると荊軻がうわ言で思わず麗児への気持ちを吐露し、1日たりとも麗児を離したくないという。麗児は師兄の気持ちを知って気恥ずかしくなり部屋に戻ったが、翌朝、目が覚めるとなぜか隣に嬴政が寝ていた。嬴政は自分がうっかり部屋を間違えたことに気づいた。しかしどちらにしても男同士、このままもう少し寝かせて欲しいと頼む。麗児は激しく動揺するが、嬴政は男同士で恥ずかしがる理由はないと笑った。その時、ちょうど荊軻が麗児を起こしにやって来る。すると部屋からなぜか趙公子が現れた。「趙公子、どうしてここに?」「昨夜は飲み過ぎて部屋を間違えたようだ」すると嬴政は何事もなかったかのように先に朝餉に行ってしまう。「師兄、私もよく覚えていないの…目覚めたら横であの人が寝ていて…」「…悟られなくて幸いだ」荊軻は麗児が気にしないよう笑顔を見せた。嬴政が成蟜と食事をしていると李仲が戻ってきた。「やつの行方が分かりました」その時、ちょうど麗児と荊軻が上階から降りてくる。嬴政は先に出発すると挨拶して出て行ったが、酒楼にいた黒装束の一団が後に続いた。その様子を見た麗児と荊軻は思わず顔を見合わせ、目を丸くする。あの趙公子とは一体、何者なのか。呂不韋は嫪毐の身柄が確保されたと知り、その夜、急いで洛陽郊外の山荘に駆けつけた。そこで秦王に引き渡せば拷問を受けた上に惨殺されるが、自分なら一思いに殺してやるという。嫪毐は思わず高笑いし、そもそも自分を宦官と偽って太后にあてがったのは呂不韋だと呆れた。自分が真相を暴露すれば当然、呂不韋も破滅するだろう。「忘れたのか?お前のために太后を籠絡し、不義の関係を清算してやった やっと手に入れた相国の位を守ってやったのはこの私だっ!」激怒した呂不韋は嫪毐を引っ叩き、死にたいなら今すぐ殺してやると声を荒げた。しかしそこへ嬴政たちが現れる。「すべて聞いたぞ」嬴政は呂不韋を誘き出すため、側近の司空馬(シクウバ)にわざと情報を流していた。処罰を覚悟した呂不韋だったが、嬴政は即位した当時、仲父から言われた言葉をそっくりそのまま返すことにする。「そなたと嫪毐は秦の柱だ、時を置かずに処分すれば諸侯は衝撃を受け、国は揺らぐ 今日からは″何事も分をわきまえ、出過ぎぬよう、余が与えた命には決して逆らうな そなたは全て余に従えば良い″、分かったか? 先はまだ長い…今後、余を苦しめ、屈辱を与えた者どもを一人残らず同じ目に遭わせてやる」一方、江湖では公孫羽(コウソンウ)の戦死を知った丹頂門(タンチョウモン)の掌門・夏侯央(カコウオウ)が目の色を変えていた。これは鵠落(コクラク)剣法を物にできる一遇の好機、実はこの剣法を習得した者は一国を倒す力を得ると言われている。鵠落剣法とは200年以上前に剣客・聶政(ジョウセイ)が創始し、公孫羽がその後継者と噂されていた。掌門は公孫羽に麗という孫娘がいることを思い出し、その孫娘が剣譜(ケンプ)を持っていると疑う。「公孫麗を捕らえるよう各地の弟子に文を送れ」嬴政は洛陽まで来たついでに野王の地にある衛王府を訪ねた。衛王・角(カク)は秦王の突然の来訪に動揺、ついに死罪を賜るのかと早合点する。しかし嬴政には別の目的があった。「衛の人々はどのような食事や歌を好む?民の暮らしはどのようなものか教えてくれ」嬴政は心には今でも公孫麗がいた。その夜、麗児の部屋に曲者が現れた。しかし曲者は命を狙わず、かんざしを落として麗児の長い髪を降ろす。そこへ隣の部屋で寝ていた荊軻が駆けつけ、曲者の前に立ちはだかった。「…やはり女か、公孫家の者だな」曲者たちはそこで逃げて行ってしまう。「私たちの身元を知っていたわ、誰の差金かしら?」翌朝、麗児と荊軻は魯勾践を訪ねるため宿を出た。するとしばらくして麗児が帯に挟んでいたかんざしがないと気づく。祖父にもらった形見のかんざし、麗児はすぐ引き返すことにしたが、荊軻が酒楼で待つよう告げた。「すぐ戻るよ」荊軻は宿の部屋で麗児のかんざしを見つけた。その時、昨夜の曲者が現れる。一方、麗児は酒楼で偶然にも趙公子たちと再会していた。喜んだ嬴政は相席を勧め、兄弟子が戻るまで一緒に酒を飲むことにする。そこへ突然、嫪毐の残党たちが乗り込んで来た。剣を持っていた麗児は迷わず応戦したが、趙公子をかばって刺されてしまう。しかし危ないところで李仲たちが到着、難を逃れた。その頃、宿の窓から逃げ出した荊軻は郊外で丹頂門一派に囲まれた。公孫麗を出せと迫られた荊軻は鮑野(ホウヤ)と一騎打ちとなったが、打ちのめされてしまう。しかし危機一髪のところで凄腕の剣客が現れ、救われた。「剣痴(ケンチ)と名高い魯勾践か…噂は聞いている」「昔のことだ、老いた今は隠居し、一介の刀工にすぎん」鮑野は配下と共に襲いかかったが、魯勾践にあっさり退けられてしまう。一方、咸陽(カンヨウ)に戻るはずだった嬴政は深傷を負った孫小侠を置いて行けず、衛王府へ運び込んだ。医師の話では命に別状がないものの、数日は発熱が続くという。嬴政は少し様子を見たいと言ったが、医師は困惑した。「失礼ですが、公子はどんなご関係で?」「知り合ったばかりだが友人だ、身代わりになり命を助けてくれた」「そうですか…ではご存知ないのですな」実は孫小侠は女子だった。↓濃い…嬴政は侍女が孫小侠に薬を塗るのを待ってからようやく見舞った。するとうなされる孫小侠の胸元に見覚えのある玉佩(ギョクハイ)を見つける。つづく( ゚д゚)・・・師兄、弱っ!
2021.07.13
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丽姬传(秦时丽人明月心) The King's Woman第1話「約束」衛(エイ)の濮陽(ボクヨウ)統帥・公孫羽(コウソンウ)は孫娘の公孫麗(コウソンレイ)と弟子の荊軻(ケイカ)を連れて夜通し馬を駆けた。そして3人は魏(ギ)の都・大梁(ダイリョウ)へ入る。時は戦国時代、秦(シン)は獰猛な獣のごとく暴虐の限りを尽くしていた。10数年前に蘇秦(ソシン)の六国合従(ガッショウ)が失敗に終わり、強大化した秦は常に周辺国を狙っている。秦の実権を握るのは相国(ショウコク)・呂不韋(リョフイ)、狡猾な男で名将の誉れ高き信陵君(シンリョウクン)を奸計により陥れ、魏を衰退させた。さらに荘襄(ソウジョウ)王と趙姫(チョウキ)との子・嬴政(エイセイ)を太子に立て臣下を抱き込み、己の勢力を拡大させることに成功する。かつて秦と手を結んでいた衛も魏に攻め込まれ今や属国となり、衛王は野王の地へと移され、秦に軟禁されたも同然だった。目下、呂不韋は野心に任せ各地に侵攻、このままでは諸国が亡国の憂き目に遭うだろう。公孫羽たちはそんな秦に対抗すべく、剣客・蓋聶(コウジョウ)を追っていた。( ๑≧ꇴ≦)ラバちゃん!その頃、秦王・嬴政は西山(セイザン)の狩り場で見事に鹿を仕留めていた。「持ち帰るぞ!」しかし上機嫌な嬴政にある臣下が横槍を入れる。実は太后が決めた規則により長信侯(チョウシンコウ)・嫪毐(ロウアイ)の許可なく獲物は持ち帰れないと言うのだ。衛尉(エイイ)・李仲(リチュウ)は大王への非礼を詫びるよう迫ったが、嬴政は従うという。翌朝、公孫羽たちは運良く″天下一の剣客″と名高い蓋聶と出くわした。公孫羽は蓋聶が秦を見限ると聞いて馳せ参じたと切り出し、天下のために力添えを願い出る。しかし蓋聶はあっさり断った。驚いた麗児は秦に対抗するには諸国の団結が必要だと訴え、祖国の秦に反発して出国したのなら加勢してもらえないかと頼む。すると蓋聶はもし自分の行く手を阻むことができれば力になると言った。嬴政は弟・嬴成蟜(エイセイキョウ)を連れて太后の寝宮を訪ねた。母の趙姫は宦官の嫪毐と戯れていたが、息子の姿に驚いて姿勢を正す。嬴政はふしだらな母の姿に嫌悪感を抱きながらも、これから元服式のため成蟜と共に雍(ヨウ)城へ行くと報告した。そこで狩り場での一件を思い出し、実は鹿を仕留めたが嫪毐の許可がないと獲物を持ち出せないと訴える。焦った趙姫は多忙な息子のために狩り場の管理を命じただけだと嫪毐をかばった。嫪毐はならばその鹿を大王に献上すると言ったが、嬴政は久しぶりに顔を見た母に贈りたいという。一方、蓋聶に戦いを挑んだ公孫羽は激しい攻防の末、負けを喫した。蓋聶は改めて世事に関わるつもりがないと断り、ただし剣を交えた縁に免じてある情報を耳に入れる。「秦を出る途上、大将軍・蒙武(モウブ)の出陣を見た 秦の侵攻を受ければ魏は和睦のため、属国である衛の濮陽を差し出すだろう」長楊(チョウヨウ)宮を出た成蟜は、人目もはばからずむつみ合う太后と嫪毐に呆れていた。嫪毐など太后の寵愛を得て権力を誇示しているだけの宦官、とは言え簡単に排除はできない。実は嫪毐は宦官とは建前で去勢しておらず、太后と男女の仲にある情夫なのは明らかだった。このまま嫪毐を罰すれば太后の名まで汚すことになる。成蟜は兄が後宮のことに煩わされる必要はないとなだめ、真の敵は呂不韋だと言った。しかし嬴政は呂不韋を倒すためにも母と情夫を片付けねばならないという。そこへ李仲が現れた。「大王、西山の鹿はご命令通りに…」嬴政はささやかな抵抗として、情夫と枕を共にする太后の寝床の中に皮を剥いだ血だらけの鹿をこっそり入れた。その夜、公孫羽たちは濮陽へ戻った。留守を預かっていた大弟子・韓申(カンシン)は3人を出迎え、すでに秦軍は濮陽から10里に駐留し、夜襲の恐れもあると報告する。公孫羽は総帥として徹底的に抗戦すると決意、韓申と荊軻に東西それぞれの門から民を無事に脱出させるよう命じた。「荊児、城内は混乱を極めるだろう、麗児を頼んだぞ」「爺爺、私だって役に立ちたいわ、女子でも祖国を思う気持ちは同じよ?」しかし麗児は公孫家で唯一の子孫、公孫羽は己の身を守ることだけ考えるよう説得した。麗児は両親も同じことを言って帰らぬ人となったことを思い出し、逃げるなら祖父と一緒だという。「家系なんか途絶えたっていい!私だけ生き残ってどうなるの?!」するとそこで荊軻が麗児を止めた。↓( ๑≧ꇴ≦)師兄!時は紀元前241年、蒙武率いる秦軍が濮陽を攻撃、荊軻は麗児と民を連れて城内から脱出した。一方、公孫羽は韓申たちを城門から逃がそうとしていたが、その時、秦の四大名手と称される風林火山が立ちはだかる。「申児よ、民を安全な場所まで逃がせ、やつらは私が引き止める…行けっ!」師匠を残して去るのは断腸の思いだったが、韓申はわずかな兵と共に民を連れて引き返した。同じ頃、嬴政は元服式で雍城にいた。戴冠の儀を済ませて祖廟から現れた嬴政、すると濮陽が陥落したと報告が届く。これはまさに元服の記念となる吉報だったが、喜んだのも束の間、今度は嫪毐が挙兵したと急報が舞い込んだ。何でも″雍城にいるのは偽王、討伐して王室を守れ″と決起し、反乱軍はすでに隣の郿(ビ)城に到着したという。「太后の兵符をお持ちです!」「なぜ太后が兵符を?!」成蟜が唖然としていると、呂不韋が釈明した。「以前、太后が雍城でお過ごしだった時、万一に備えて兵符を預けていたのです まさか嫪毐が謀反など…」しかし嬴政は全てお見通しだった。「…嫪毐はそなたが献上した男だろう?」すると嬴政は李仲に馬の準備を命じ、自ら逆賊の討伐に向かった。公孫羽は民を守るため、城外で秦軍の追跡を阻止していた。そうとは知らず荊軻と一緒に民を連れて避難した麗児は、祖父が合流するのを今か今かと待っている。しかし荊軻は嘘をついて麗児を連れ出した後ろめたさから動揺を隠せずにいた。…荊児よ、秦に攻め込まれたら濮陽はもたぬだろう、私は最期まで戦う…「師兄?どうしたの?」「…師父は、師父は来ないんだ」荊軻はこらえ切れず、実は師匠が死を覚悟していたと教えてしまう。麗児は祖父を助けるため引き返した。慌てて後を追った荊軻だったが、二人は山道で倒れている公孫羽と兵士たちを発見する。「爺爺ーっ!」「師父ーっ!」二人はまだ息のある公孫羽を抱き起こし、すぐ医者を呼ぶことにした。しかし虫の息となった公孫羽はもはや無駄だと止める。「麗児よ、今や天下は覇権争いで戦火が絶えぬ…民のためではなく、己のために生きるのだ… 荊児…麗を頼んだぞ…」こうして公孫羽は秦軍との死闘の末、孫娘と民たちのために命を落とした。一方、嬴政は成蟜と共に反乱軍を掃討、しかし嫪毐の身柄を取り逃していた。趙姫は息子の報復に怯えていたが、その夜、ついに嬴政が寝宮に現れる。「政児、私は何も知らなかったの、嫪毐に無理やり兵符を奪われてしまって…信じてちょうだい」しかし情夫に爵位や権力だけでなく、己の身を預けた母への怒りはおさまらない。「余は王でありながら宦官ごときに従わねばならなかった これがどれほどの屈辱だったか、あなたには分からないでしょうね?」嬴政は命乞いする母に剣を突きつけると、そこへ呂不韋が駆けつけた。「大王!なりません!過ちを犯したとは言え、太后は生母ですぞ?!」趙姫は慌てて呂不韋の後ろに隠れた。呆れた嬴政は思わず失笑し、今度は呂不韋に剣を突きつける。「呂不韋よ、そなたは余の仲父(チュウホ)だな? 確か嫪毐は余の義父だと称した、さらに実父は先帝だ、なんと父の多いことか…」「政児、呂不韋を殺さないで、彼は、彼はあなたの…」「黙れっ!」すると嬴政は謀反に加担した罪で母を雍城へ流刑とし、生涯幽閉すると命じた。その頃、麗児は荊軻と一緒に祖父を埋葬し弔っていた。この乱世の中、天涯孤独となってしまった麗児…。荊軻は悲しみに暮れる麗児を抱きしめてやりたかったが、兄妹弟子の一線を画した。翌朝、嬴政は身支度を整えながら、肌身離さず持っている思い出の手巾を眺めた。実はまだ幼かった時、嬴政は崖から落ちそうになっていたところを偶然にも麗児と荊軻に助けられている。手巾はその時、麗児が怪我をした嬴政の手に巻いてくれたものだった。あの夜、3人の子供たちは満月の下で友情を近い、それぞれ願い事をする。麗児はこの友情が長く続き、一日も早い乱世の終わりを祈った。荊軻は剣術の奥義を体得し、師匠のような英雄になりたいという。そして嬴政は大切な人を守れるよう、人に恐れられるほど強くなりたいと願った。つづくラバちゃんキタワ〜‹‹\(´ω` )/››‹‹\( ´)/››‹‹\( ´ω`)/››もはや懐かしさを覚えますが、配信当時にあらすじをupしたものの、日本放送は見ていませんでした衣装や演出はアレなんですが(どれ?w)思い出深い作品のひとつですすでに視聴済みの方が多いと思いますコメント欄でのネタバレはご遠慮ください(*ᴗˬᴗ)⁾⁾⁾ペコ
2021.07.11
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燕云台 The Legend of Xiao Chuo第10話「君主の道」姉たちの婚姻で気分がふさぐ蕭燕燕(ショウエンエン)。しかし耶律賢(ヤリツケン)と草原で語り合ううち、意外にも皇子が人格者であると知った。実は蕭家の娘たちの婚礼は上京(ジョウケイ)でも話題、娘の夫を遼(リョウ)を支配しうる2つの系統から選んだ蕭宰相は計算高いと揶揄されている。「みんな勝手なことばかり言うんだから(ボソ」「″流言は知者に止まる″、見知らぬ者の言うことに腹を立てることはない」「ふふ、あなたは理にかなった人ね、あの二人とは違って次期皇帝にふさわしいわ」「どんなところが?」「知らんけどw…でも幼い頃に父が書物の言葉を教えてくれたの ″大学の道は明徳を明らかにし、民を新たにし、至善にとどまるにあり″、君主の道も同じだって 私の考える民が求める君主とは、道理を知り、徳を積み、それを民にも広める人 努力する人なら自然と推戴(スイタイ)されるはずだわ、だからあなたはふさわしいの」耶律賢は燕燕が説く君主の道に思わず失笑した。これまでずっと先帝の息子なら帝位を継ぐべきと言われながら、その一方で文武ともに成せず、人より劣ると言われてきたという。まさかここに来て己の努力で帝位に就けと言われるとは思いもよらなかった。「私を皇帝にしたいと?」「あなたがなりたいかどうかよ?政(マツリゴト)は遊びじゃないわ」耶律賢は燕燕が教養がある后族の娘の中でも誰より賢く、先見の明があると感心した。燕燕と耶律賢には事情が違えど思わぬ共通点があった。病弱な耶律賢は周囲から壊物のように扱われ、毎日のように薬を飲み、少し外にいれば誰かが来て座っていろと注意されるという。すると燕燕も皆から騒ぎばかり起こすと叱られてばかりだと笑った。「二姐はうるさくなくて仲良しだった、でも二姐は…近づく相手の思惑を疑いもしなかったの」「つまり君は全てが起こる前に戻りたいんだね?…ゴホッゴホッ!」耶律賢が咳き込むと、案の定、婆児(ハジ)がそろそろ戻ろうと声をかけた。「今日から私たちは友だ、私は警戒される身で人付き合いは少ない この友情もまだ秘密にしておいて欲しい」「誰にも言わないわ」一方、太平(タイヘイ)王妃となった胡輦(コレン)は夫の耶律罨撒葛(ヤリツエンサーグァ)と一緒に参内した。皇帝への謁見の際は妹夫妻に会えると期待していたが、どうやらまだ到着していないらしい。その代わり義弟となった耶律敵烈(ヤリツテキレツ)が夫人と息子を連れて祝福に来ていた。穆宗(ボクソウ)・耶律璟(ヤリツケイ)は上機嫌、まるで自分の婚礼のように喜んでいたが、なぜか三弟にはあからさまに冷たい。敵烈の息子を尻目に自分たちの系統には未だ後継がいないと言い放ち、胡輦に早く息子を産んで欲しいと言った。焦った敵烈は思わず蛙哥(ワカ)も12歳になったので役に立てると口を挟み、皇帝の怒りを買ってしまう。「弟弟(ディディ)や…南京(ナンケイ)では皇族の鎮守を欠いているゆえ、お前と蛙哥を共に派遣する」敵烈はまだ幼い我が子を守ろうと独りで行きたいと申し出たが、穆宗は突然、激昂して机を叩いた。結局、皇帝の命に従うしか道はない敵烈、酒席は水を打ったように静まり返り、胡輦は兄弟の確執に困惑してしまう。その時、耶律喜隠(ヤリツキイン)の来訪の知らせが届いた。しかし穆宗は待たせておけという。↓いきなり地獄( ̄▽ ̄;)燕燕は韓徳譲(カントクジョウ)と草原へ出かけた。人目を気にせず仲良く手を繋いで歩く二人、しかし誤って一緒に転んでしまう。「…早く起きろ、女子が男の身体に乗っていては体裁が悪い、ふっ」「やましいことはしていないわ、ふふ」↓(  ̄+ー ̄)キラーン…二人は立ち上がり再び歩き出したが、運悪く耶律磨魯古(ヤリツマロコ)の一行と遭遇した。磨魯古は想い人の燕燕を見つけて駆け出すと、一緒に乗馬に行こうと強引に手を引っ張る。これに怒った徳譲は燕燕を守ったが、磨魯古は幼い頃から漢族の徳譲を見下していた。「韓家は要領がいいな?ふん 医術で述律(ジュツリツ)太后に取り入り官職を得て、今は酒乱の陛下を世話して王となった そんな奴がまさか后族の娘を娶るとでも?…お前はふさわしくない、高望みはするな」「磨魯古殿、敬意は払うが恐れはせぬ…」徳譲にとって磨魯古など敵ではなかった。しかし多勢に無勢、徳譲は磨魯古の仲間に取り押さえられ、暴行を受けてしまう。徳譲を助けようと止めに入った燕燕、すると誰かの肘が顔に直撃した。磨魯古の叔父にあたる耶律斜軫(ヤリツシャシン)は争いに加わっていなかったが、さすがに燕燕に怪我をさせた磨魯古たちに激怒する。「大勢で、しかも女子まで殴るとは何事か!六院(リクイン)部の恥だ!」そこへ騒ぎを聞きつけた耶律休哥(ヤリツキュウカ)が駆けつけた。一方、喜隠と烏骨里は開皇(カイコウ)殿に入れてもらえず、ずっと立たされていた。胡輦は外にいる妹を心配し、罨撒葛にこっそり催促する。しかし罨撒葛から喜隠夫妻を中へ呼ぶよう頼んでも、穆宗は喜隠を逆賊の息子だと蔑み、太平王の妹が妻でなければ宮中にも入れないと突っぱねた。「死ぬまで立たせておけ!」その頃、喜隠は今にも倒れそうな烏骨里を支えていた。太平王に嫁いだ姉が歓待され、自分に嫁いだ烏骨里がこんな仕打ちを受けようとは面目が立たない。すると烏骨里は気丈にも大丈夫だと答えた。「これは始まりに過ぎない、夫婦一体となり、あなたを支えます いつの日か何倍もの栄光を取り戻してみせるわ!(๑•̀ㅂ•́)و✧」穆宗の嫌がらせに決して屈しまいとする烏骨理、そこへ随魯(スイロ)が現れ、皇帝から帰宅を許す命が下ったと伝えた。燕燕は燕王府で韓徳譲を介抱していた。すると徳譲は磨魯古の言葉が気になり、噂にならないよう早く帰った方が良いと言う。燕燕は馬鹿げていると笑い飛ばし、徳譲のそばを離れないと誓った。「だから約束よ、出自を理由に私を遠ざけないで」「はお、約束するよ、君を手放したりしない」「…ねえ、聞きたいことがあるの、いつ求婚に来てくれる?ふふっ♡」「燕燕…君と蕭宰相を巻き込みたくないんだ」しかし燕燕は共に密書を追いかけた時から巻き込まれていると笑い、一緒に立ち向かいたいと言った。「私のせいで怪我させちゃったけど、大丈夫(ポンポン)責任を取るから安心して」耶律休哥は磨魯古を屋敷へ送り届け、耶律虎古(ヤリツココ)に草原で見たことを一部始終、報告した。確かに粛祖(シュクソ)の子孫が大勢で漢人を虐げれば叱責されても仕方がない。虎古は息子を厳しく叱ったが、一方で契丹(キッタン)と漢は区別するべきであり、休哥は漢人に肩入れし過ぎだと苦言を呈した。すると休哥は韓家が遼に来てすでに3代、皇帝から功績を認められているにも関わらず、なぜ出自にこだわるのかという。そんな休哥は若いが身分が高く、仲父房(チュウフボウ)の直系、しかも文武に優れて人望があった。将来が期待される休哥を敵に回したくない虎古はそれ以上、反論はせず、休哥を帰すことにする。磨魯古は怒りがおさまらず、思わず邪魔立てした斜軫に八つ当たりした。しかし斜軫は曷魯(カツロ)大于越(ダイウエツ)の孫、虎古は無礼があってはならないと釘を刺す。「再び分別のないことを言えば、脚をへし折るぞ!」耶律賢は蕭家の屋敷の前で燕燕を待っていた。しかし婆児が聞いてきたところ、燕燕は朝から出かけてまだ戻っていないという。罨撒葛の配下につけられていることもあり、耶律賢は今日のところは帰ろうと決めた。その時、ちょうど燕燕が帰ってくる。屋敷の前で烏雲蓋雪(ウウンガイセツ)から降りた燕燕、すると耶律賢の姿を見つけて駆け寄った。「私に会いに来たの?」「そうだ、良い酒楼がある、座って話さないか?」罨撒葛の配下は酒楼に入った耶律賢と一緒にいたのが太平王妃の妹だと気づいた。するとその酒楼に南院枢密使・高勲(コウクン)がやって来る。配下はこれが偶然なのかどうか分からず、念のためすぐ太平王に知らせることにした。耶律賢は燕燕の顔にあざがあると気づいた。「あ〜これ?喧嘩したの」「私もしてみたいが…負けるのが怖い」「ふふふ」耶律賢は心配してすぐ薬を手配すると、実は喧嘩の時に韓徳譲が一緒だったと知る。何でも磨魯古のせいで徳譲は燕燕を守り、傷を負ったと言うのだ。燕燕は磨魯古が権力を笠に人をいじめるしか脳がないと非難し、皇帝が韓家を王に封じても言いがかりをつけると話した。「ウム…徳譲は誠の英才だ、侮辱されるいわれはない」「徳譲哥哥は英才なの?!」「長い付き合いゆえ能力は承知している、5年もせずに朝堂で活躍するだろう」「そうよねそうよね!明扆(メイイ)大王はやっぱり見る目があるわ〜!」燕燕は必ず今日の借りを返すと意気込み、男でも女でも互いに守るべき時があると熱弁を振るった。その時、窓から外を警戒していた婆児が磨魯古を見つけて報告する。耶律賢はふと妙策を思いつき、燕燕の鬱憤を晴らしてやることにした。磨魯古は燕燕が向かいの酒楼に入って行く姿を見かけた。そこですぐさま後を追いかけ、ある部屋の前にいた燕燕を引き留める。磨魯古はその部屋に徳譲がいると思い込み、男同士で決着をつけると言って扉を蹴り飛ばした。「卑しい奴婢め!出てこい!」しかしその部屋にいたのは高枢密使だった。高枢密使は自分を侮辱した磨魯古を袋叩きにした。そこへ知らせを受けた罨撒葛が駆けつけ、居合わせた耶律賢と燕燕も呼んで事情を尋ねる。磨魯古は誤解だと訴えたが、高枢密使は確かに自分を奴婢だと罵ったと激怒、これも虎古を重用している太平王の指示かと噛みついた。「明扆、何があった?」「存じません、私は燕燕姑娘と酒を飲みに来たところ、騒ぎが聞こえて様子を見に出ただけです」すると罨撒葛は自分も耶律賢も通りかかっただけ、自分たちに他意はないと釈明した。「磨魯古、重臣を侮辱した罰を待て、うせろっ!」罨撒葛が事態を収拾、燕燕と耶律賢は個室へ戻った。罨撒葛は何も言わなかったが、恐らく耶律賢も喜隠のように蕭思温の娘を娶り、その援助を期待しているのだろう。「考えが甘すぎるぞ…」つづく( ̄▽ ̄;)どう見ても磨魯古の方がおじさ…ゲフンゲフン
2021.07.10
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燕云台 The Legend of Xiao Chuo第9話「姉妹たちの夜」蕭思温(ショウシオン)は耶律罨撒葛(ヤリツエンサーグァ)に嫁ぐと決めた長女・胡輦(コレン)の覚悟を知った。しかし相手はしたたかで考えが読めない太平(タイヘイ)王、恐らく″太平王妃″にはいばらの道が待っているだろう。すると胡輦は父を心配させまいと笑顔を見せた。「何があろうと私は息災に日々を過ごせます」「父は信じている、お前なら大丈夫だ」二人は固く手を握り合ったが、その様子を回廊にいた燕燕(エンエン)が見ていた。燕燕は大姐(ダージェ)が嫁ぐ理由を知り、二姐(アージェ)の部屋に乗り込んだ。何も知らず花嫁衣装をながめながら夢心地の烏骨里(ウグリ)、そんな身勝手な二姐に燕燕は激怒する。「大姐を犠牲にして…自分の心配ばかり!大姐や家のことはどうでもいいの?! 大姐は二姐のために一生を棒に振って罨撒葛に嫁ぐのよ!」「犠牲ですって?!バカな子ね、分からないの?!罨撒葛の片想いじゃない! 大姐も皇后の座が欲しいのよ!罨撒葛を見込んで帝位に就かせようとしているの!」すると燕燕は思わず烏骨里を突き飛ばした。「自分勝手な上に大姐を侮辱したわね!」「燕燕…あなたなんか妹妹(メイメイ)じゃない!」「そっちこそ姐姐なんかじゃない!」侍女たちはつかみ合いになりそうな二人を引き離し、一緒にいられるのも残り少ないと訴えた。しかし納得がいかない燕燕は出て行ってしまう。怒りが治らない燕燕はその足で燕王府に韓徳譲(カントクジョウ)を訪ねた。話を聞いた徳譲は聡明で善良な胡輦の決定を尊重するようなだめたが、燕燕は二姐がすっかり変わってしまったと憤る。「燕燕、君に責められたら烏骨里も傷つく、泣き顔で嫁がせるつもりか?」徳譲はしょんぼりする燕燕の頭を優しく撫でた。屋敷に戻る頃にはすっかり落ち着いた燕燕、しかし二姐の部屋を訪ねてみると、烏骨里はまだ悲しみに暮れていた。「私は悪者で大姐は慈悲深いんでしょう?!喜隠(キイン)に嫁ぐ私に2度と会わないつもりなのね?!」「分かっているのに過ちを認めないから怒ったの…」すると烏骨里は投獄された時と同じような恐怖だったと吐露する。あの時もこのまま家族と永遠に離れ離れになるのではと怯えていたのだ。燕燕は婚礼を前に二姐を不安にさせたことを反省、思わず烏骨里と抱き合った。「もう泣かないで…」胡輦が妹たちの様子を見に来た。侍女の話では二人でひとしきり泣いて笑って、そのまま寝てしまったという。二人の寝顔を見た胡輦は侍女に掛け物を持ってくるよう頼み、自分も横になって妹たちと手を繋いで眠った。一方、蕭思温は嫁ぐ娘たちに文をしたためていた。…私の娘たちよ、これがお前たちの運命でも、肉親の愛だけは忘れないで欲しい…血は水よりも濃い、どんな状況にあっても互いを信頼し、常に心を1つにすること…決して政争に巻き込まれてはならぬ婚礼当日、耶律罨撒葛と耶律喜隠は蕭家へ許嫁を迎えにやって来た。義理の兄弟となった二人は互いに笑顔で挨拶したが、腹の中では相手への憎悪が渦巻いている。こうして奇しくも異なる系統に嫁ぐことになった胡輦と烏骨里、二人が乗った馬車は別々の方向へと走り出した。燕燕は思わず屋敷から飛び出して姐たちの馬車を見送ったが、どこか不安がぬぐえずにいる。…騰里(テングリ)天神、大姐と二姐をどうかお守りください、そして平穏な幸せを…たとえ嫁いでも良き姉妹でいられますように太平王と喜隠の権勢の差は誰が見ても明らかだった。その夜、太平王府の祝宴には皇族と后族のほとんどが集まったが、喜隠の屋敷に招待客の姿はない。烏骨里に心配をかけまいと笑顔で床入れの儀に現れた喜隠、しかし烏骨里は侍女から表の様子を聞いていた。太平王府の祝宴がお開きとなり、罨撒葛も床入りの儀を迎えた。隣に座った太平王に緊張を隠せない胡輦、しかし罨撒葛は胡輦にとって望まぬ婚姻だと分かっている。「私は待てる、君が振り向くまで」罨撒葛は男らしくあきらめて戻ることにしたが、胡輦が袂を握って引き止めた。感激した罨撒葛は思わず胡輦を強く抱きしめ、何度も胡輦の名を呼び続ける。胡輦は意外にも太平王がこれほど自分を愛しているのだと知り、嬉しい驚きだった。「胡輦、后族の君なら分かるはずだ、皇族の争いの残酷さを… 特に私のような帝位継承権を持つ者は一時も安らげぬ、だから妻にするなら家族を愛する女子が良い 私が失意に沈む時も、優しくそばにいてくれる君のような女子が…」「太平ぉ…」「いや、罨撒葛と呼んでくれ」「え、えんさつ…えんかつさ…(あ、舌かんじゃった)罨撒葛…」すると罨撒葛は胡輦を一生、大事にして守り続けると誓った。喜隠にとって屈辱となった祝宴、しかし烏骨里の前では噯(オクビ)にも出さなかった。しかしそんな健気な夫の姿に烏骨里はついに我慢できなくなる。「喜隠…あなたが全てを奪い返せるよう支え、あなたをみくびる者たちに後悔させる」「バカだな…それは男の事情だ、君は心配しなくて良い さほど待たせず、君をその屈辱の千倍分、喜ばせる」二人は手を取り合い、再起を誓った。韓徳譲は思い詰めた様子の燕燕が気になって帰れなかった。すると燕燕はひとり中庭の涼亭で考え事をしている。燕燕は徳譲の顔を見ると、内に秘めていた本音をぶちまけた。「とても悲しいし、悔しくてやりきれない…なのにどうすればいいか分からない」 燕燕にとって父と大姐は雲の上の人だった。しかし幽(ユウ)州から戻ってみると、完璧だと思っていた父にもあらがえない事があり、大姐さえ自分の運命を選べないと知る。燕燕は全ての元凶が暗君である穆宗(ボクソウ)・耶律璟(ヤリツケイ)のせいだと分かっていた。父は″契丹(キッタン)八部族は常に有能な者が統べる、部族の利益を損なう長(オサ)は認められない″と言ったが、明らかに穆宗は失格だろう。徳譲は聡明な燕燕の指摘に驚いたが、自分たちの計画を明かすことはできなかった。「徳譲哥哥(グァグァ)、あなたと父上はもしかしてすでに…(はっ)私は支持するわ」「心に留めておいてくれないか、誰にも言わないでくれ」「大姐は知っているんでしょう?」果たして父と徳譲が選んだのは誰なのか。燕燕は徳譲がまだ自分に話せないとしても、姉たちのことは守って欲しいと頼んだ。翌日、耶律賢(ヤリツケン)は宰相の屋敷の前で燕燕が出てくるのを待っていた。婆児(ハジ)は頻繁に宮中を離れては警戒されると諌めたが、耶律賢は皇帝の恩人となってから警戒されていないと安心させる。するとようやく燕燕が屋敷から出て来た。しかし燕燕は門前ですぐ烏雲蓋雪(ウウンガイセツ)にまたがり、侍女たちと出かけてしまう。耶律賢は狩場で燕燕を探していた。その時、ふと背後に気配を感じて振り返ると、弓矢を構えた燕燕がいる。「何者なの?なぜ私の後を追ってるの?」「また会えるとは思いもしなかった、干し草の山でのことを覚えているかい?」耶律賢は指で口髭を作ると、燕燕はようやくあの時の″ゴホゴホ公子″だと思い出した。「燕燕姑娘に心から感謝を…」「どうして私の名前を?」「私は明扆(メイイ)だ」「明扆?…聞き覚えがあるわ…はっ!もしかしてジョー&ケンの皇子賢?!」「(*゚▽゚)*。_。)ウン、人皇(ジンコウ)王は私の爺爺、世宗皇帝は私の父皇だ」←自慢か?w一方、太平王の婚儀に触発された耶律只没(ヤリツシボツ)は、ちょうど朝議を終えた蕭思温を呼び止めた。「実はお話があってお待ちしていました、宰相の末のご息女に縁談などは?」驚いた蕭思温は思わず亡き妻を持ち出し、末娘を占ったところ婚姻を急いではならないと言われ、まだ数年は手元でしつける必要があると断った。「娘の婚姻を急げば大王に影響を及ぼすやも…」「ご息女を思う気持ちは分かります、では機が熟してから燕燕姑娘に再び縁談を申し入れます」その話を只没に想いを寄せる皇帝の侍女・安只(アンシ)が聞いていた。耶律賢は燕燕が姉たちの婚姻で気分がふさいでいると知った。すると燕燕は婚姻の自由さえあれば父は二人の姉を嫁がせなかったと訴える。「太平王には迫られ、喜隠には手を回されて仕方なかったの…」つづく|ω・`)ぁ…熟年の再婚は…え?違う?(笑
2021.07.09
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燕云台 The Legend of Xiao Chuo第8話「揺るぎない同盟」蕭家の長女・胡輦(コレン)が太平(タイヘイ)王府にやって来た。そこで耶律罨撒葛(ヤリツエンサーグァ)は痛々しい背中の傷が見えるよう仕組み、それとなく恩を着せる。すると何も知らず案内された胡輦は慌てて目を逸らした。罨撒葛は急いで肌衣をまとって無礼を謝罪した。すると胡輦は気を取り直し、蕭家の傷薬を差し入れる。罨撒葛はありがたく受け取ると、馴れ馴れしく胡輦の手を握りしめ、口説き始めた。しかし胡輦は女に困らない太平王の殊勝な演技の裏には何か企みがあると疑う。そこで罨撒葛は娶りたいのは胡輦だけだと告白し、貢ぎ物の真珠の耳飾りを贈った。胡輦も若い娘(え?w)、悪い気はしなかったが、父がこの縁談には同意しないと遠慮する。「私が方法を考える、君の気持ちは?…胡輦、君を娶り、遼(リョウ)で最も高貴な女子にする」「…真心で接してください、他に目的があるなら私は真心を捧げられません」韓徳譲(カントクジョウ)は燕(エン)王府の祝宴に来てくれた燕燕(エンエン)を屋敷まで送り届けた。するとちょど胡輦の馬車が到着する。「大姐が帰って来た!」慌てて駆け出した燕燕はうっかり段差につまずいたが、徳譲が抱き止めて難を逃れた。「いつもそそっかしいな、私が支えなければ転んでいたぞ?」胡輦は燕燕と徳譲の親密な様子に戸惑いながら噯(オクビ)にも出さず、祝宴の欠席を丁重に詫びた。しかし徳譲は燕燕が蕭家を代表して来てくれたと喜び、そこで帰ることにする。「ぁ…徳譲哥哥!明後日なら会いに行ってもいい?」「用がある」「明明後日は?」「よし、待っていろ」「歯医者に連れて行ってね~(^ꇴ^)ノ″」←とは言ってないw燕燕は大姐と屋敷に入ったが、胡輦はどこか機嫌が悪そうだった。そこで侍女・良哥(リョウカ)に探らせたところ、大姐が太平王府に行って来たと知る。驚いた燕燕はその夜、姉の寝所を訪ねた。すると大姐が高価な真珠の耳飾りを握りしめ、何やら物思いにふけっている。「それは罨撒葛からの贈り物?!…まさか好きになったの?」「もう燕燕たら…」燕燕は何か悩みがあるなら姉妹で協力して解決しようと訴えたが、胡輦は心配かけまいと追い返した。一方、耶律喜隠(ヤリツキイン)は烏骨里(ウグリ)を娶るため、一族の大長老・耶律屋質(ヤリツオクシツ)を頼っていた。屋質は蕭思温(ショウシオン)と燕国長公主の娘を娶りたいだけだと思ったが、喜隠は父を失って烏骨里だけが最も愛しい人だと訴える。どうやら喜隠も今回の投獄で成長したのだろう。確かに太祖の三支の子孫を絶やすわけにはいかず、屋質はひと肌脱ぐことにした。耶律屋質が喜隠の代理として蕭家にやって来た。烏骨里は大喜びだが、蕭思温は大長老からの縁談に驚きを隠せない。その頃、胡輦は草原の天幕で密かに罨撒葛と接触していた。すると罨撒葛は胡輦の言った通り″真心は真心で接すれば得られる″という考えに同意だと告げ、念願の胡輦の乳茶を飲む。「ん?なぜあの耳飾りをしない?」「もともとおめかしは好きではありません」「そうか、ふっ…小胡輦、私は惚れた女子を必ずものにする 他の男に惹かれるな、さもなくば君の心を奪ったやつを切り刻んでやる…」罨撒葛は脅しておきながら、あまり考え過ぎるなと豪快に笑った。「楽しく花嫁衣装を準備して私に嫁げ」胡輦は返事をしなかったが、帰路の馬車の中で罨撒葛からもらった耳飾りをつけた。太平王府に突然、穆宗(ボクソウ)・耶律璟(ヤリツケイ)が現れた。狩りの準備をしていた罨撒葛は慌てて拝礼、すると焦った家職が結納用の雁を射るため出かけると口を滑らせてしまう。報告していなかった罨撒葛は困惑したが、驚いたことに穆宗は弟が胡輦に求婚すると知っていた。「朕の苦肉の計が役に立ったであろう?杖刑20回で女を射止められたんだ 今後は他人に弱みを握られるな」穆宗は喜隠の件で罨撒葛を疎むことなどないと安心させた。そこで罨撒葛は喜隠を放ったのには理由があると釈明する。耶律李胡(ヤリツリコ)は逆賊とは言え太祖の嫡子、太祖の子孫は3系統しかなく、いずれも自分たちの身内だ。他の2系統を殺し尽くせば自分たちの系統は勢力を失い、また万一の時、五院部・六院(リクイン)部・后族との間に溝がある自分たちの系統だけでは危険がある。「2系統を残しておけば、阿保機(アホキ)の子孫が遼を統治できます」すると穆宗はさも始めから分かっていたように喜隠は殺さないと言った。「只没(シボツ)は虫の好かぬ奴だが、明扆(メイイ)@ケンは悪くない 人皇(ジンコウ)王の系統も断絶させぬ、安心せよ」その話を皇帝付きの侍女・安只(アンシ)が聞いていた。穆宗は近衛軍指揮使が空位になったことを思い出した。やはり韓徳譲の助言が功を奏し、穆宗は耶律賢が辞退したことで分をわきまえていると評価する。結局、耶律賢は女里(ジョリ)を推薦したが、穆宗は罨撒葛を復帰させることにした。しかし罨撒葛もあえて辞退し、女里に任せてはどうかと兄の警戒心を解く。すると穆宗は女里に任せると決め、機嫌良く弟の狩りに付き合うことにした。太平王が大きな雁を手土産に蕭家に現れ、胡輦を娶りたいと頼んだ。蕭思温は本人の意思を尊重したいと遠回しに断ったが、驚いたことに太平王が胡輦の腕輪を見せる。それは確かに胡輦が肌身離さずつけていた母の形見の腕輪だった。まさか娘がすでに情の品を太平王に渡していたとは…。動揺する蕭思温を前に罨撒葛は自分たちとわだかまりがある后族を牽制した。「この雁も陛下と共にしとめたものだ、陛下は私の求婚を知り大層お喜びだぞ?」罨撒葛は婚姻を結んで義理の親子になれば蕭家も安全だとほのめかして帰って行った。蕭思温はすぐ胡輦を呼び出し、太平王との関係を追及した。するとようやく戦で留守の時、胡輦が烏骨里を救うために太平王からの求婚に応じたと知る。驚いた蕭思温は胡輦を守るため自分が責めを負うと言ったが、胡輦は皇帝の信頼を得て権勢を振るう太平王からの縁談を断ることがどんなに危険か分かっていた。「私はあの人に嫌悪感はありません、どちらにしても長女の私はいずれ皇族に嫁ぎます これが私の運命なのでしょう…あの人は約束通り烏骨里を助けた、私も約束を守ります」耶律賢は弟・只没と中庭を散策していた。そこで偶然、宦官たちの噂話を耳にする。実は喜隠だけでなく太平王も蕭家の長女に婚姻を申し込んだと言うのだ。その夜、耶律賢は自分を救ってくれた燕燕の面影がちらついて眠れなくなった。「燕燕、蕭家の娘は皇族と婚姻を結ぶ…君は誰に嫁ぐのだ?」耶律賢は燕燕の絵を書いているうち、そのまま眠ってしまう。韓徳譲が永興(エイコウ)宮を訪ねると、耶律賢は青白い顔で病床にいた。急な病の悪化を訝しんだ徳譲は侍医・迪里姑(テキリコ)の職務怠慢だと咎めたが、耶律賢は自分の責任だと告げる。実は昨夜、床に就かなかったというのだ。聞けば蕭家の婚姻話を知り、宰相が自分たちとの同盟を解消するのではと心配になったという。しかしそもそも蕭家は耶律家と姻戚、徳譲は今回の婚姻がなくても皇帝や罨撒葛と宰相の関係は耶律賢より近いと教えた。それでも宰相が耶律賢を選んだのは、縁者より遼を案じている者に尽そうと決めたからだろう。耶律賢は確かに蕭家の娘が誰に嫁ごうと自分たちの大事に影響しないと気づき、宰相に会いたいと頼んだ。娘たちの縁談に苦悩する蕭思温、すると突然、耶律賢が訪ねて来た。韓徳譲は二人が面会している間、回廊で待っていたが、ふと気配を感じて振り返る。すると柱の影に隠れた燕燕に気づいた。「燕燕?こそこそ何をしている?…様子が変だな?」「徳譲哥哥…実はね、父に聞いてみたの、私たちのこと反対しないみたい」「本当か?!」耶律賢は縁談のことが気がかりなら、どちらも承諾してはどうかと勧めた。そうすれば攻めやすく守りやすくなるという。もし自分たちの大事が失敗しても蕭一族を守ることができるからだ。耶律賢は互いに遼を案ずる同志だと訴え、どちらの縁談も断り難い事情は承知しているという。「私が案ずるのはこの件で我らの間に溝が生じること、それだけは避けなければならない」「…大王の話を伺い、慚愧(ザンキ)に堪えません」蕭思温は自分の方が大王を疑っていたようだと恐縮し、目が覚めたと言った。韓徳譲は宰相と大王の話が終わったと気づき、慌てて門の前に戻った。すると回廊に出た耶律賢は急いで帰って行く燕燕の後ろ姿を見る。「あ…宰相の三女・蕭燕燕です」「美しい後ろ姿だな」「ははっ、確かに美しいが無鉄砲で騒動ばかり起こします…実に頭が痛い」燕燕の話をする徳譲の表情はこれまで見たことのない笑顔だった。永興宮へ戻った耶律賢はひとり悶々としていた。すると書斎の絵を片付けていた婆児(ハジ)が画板から枠を外す音が聞こえて振り返る。「大王、この絵はしまいますか?」「もう良い、燃やしてくれ」そうは言ったものの耶律賢はやはり燕燕の絵を表装して欲しいと頼んだ。「しかし人に見られないようにな…」蕭家の屋敷は祝賀の紅い布で美しく飾りつけられた。その夜、蕭思温は回廊を歩いている時、ひとりで涼亭にいる胡輦を見つける。「まだ寝ないのか?」「眠れないのです…」胡輦の目は心なしか潤んで見えた。「父は日頃、烏骨里へのしつけを怠っていた、お前が尻拭いすることになるとは… こたびお前は烏骨里を救うため求婚を受け入れた、父はお前に申し訳ない」「やめてください、烏骨里の件がなくても太平王はいずれ求婚したでしょう 陛下は残虐で血を好む、蕭家は常に危険と隣り合わせです 私は昔から女子が政争に巻き込まれ、命を落とす姿を見て来ました 太平王に嫁いで我が家を守れるなら悪くありません」そんな二人の話を燕燕が聞いていた。つづく(  ̄꒳ ̄)ん?ケンは作戦ではなく本当に身体が弱い設定だったの?やだ全然、病弱に見えないぃぃぃ___(O_O)
2021.07.03
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燕云台 The Legend of Xiao Chuo第7話「揺らぐ兄弟の絆」南朝軍が撤退、幽(ユウ)州は危険な状態を脱した。上京(ジョウケイ)に戻った穆宗(ボクソウ)・耶律璟(ヤリツケイ)は相変わらずおぼつかない足取りで朝議に現れ、早速、酒を飲み始める。すると弟の太平(タイヘイ)王・耶律罨撒葛(ヤリツエンサーグァ)が謀反人の名簿を渡した。名簿を確認した穆宗は、逆賊の両親や友人たちも同罪だと非難した。北府(ホクフ)宰相・蕭思温(ショウシオン)は先祖が残した教訓、″謀反の罪は本人のみ、子孫は罪に問わない″と諌めたが、穆宗は子孫を責めていないと揚げ足を取る。するとさすがに罨撒葛も行き過ぎだと反対した。「そうなると上京の多くの契丹(キッタン)人の家で死者が出ます…もう少しご恩情を」「恩情だと?!…謀反人の命の方が朕の命より尊いと言うのか?!」「滅相もない、陛下の命に従います」天牢で処刑が始まった。耶律李胡(ヤリツリコ)は皇帝が戻ったのだと気づき、ならば蕭思温が娘の烏骨里(ウグリ)を救うはずだと期待する。「烏骨里、私はそなたと喜隠(キイン)がこの李胡の子孫を残してくれることを願う それこそが最上の喜びだ …喜隠、私の言葉を忘れるな、必ずや我らの系統が帝位をつかむのだ」すると喜隠は生涯を懸けてつかみ取ってみせると約束し、烏骨里も喜隠に嫁いで志を支えると誓った。(  ̄꒳ ̄)ぁぁぁ___あえていばらの道を進むスタイル~耶律李胡たち3人が最後に牢から引きずり出され、罨撒葛の前に引っ立てられた。毒酒を賜った李胡は自ら飲むことを選択し、自分が去れば次は罨撒葛の番だと言い残す。「喜隠!私との約束を忘れるな!しかと心に刻め!」すると李胡は喜隠と烏骨里の目の前で毒酒を飲み干し、絶命した。太平王が喜隠を見逃すと知り、側近の粘木袞(デンボクコン)は後顧に憂いを残すと危惧した。何より烏骨里が本当に喜隠に嫁げば、宰相が味方になる可能性がある。しかし実は太平王も蕭家の長女に縁談を申し込むつもりだった。突然の申し出では宰相も辞退できるが、喜隠が烏骨里を娶れば自分と胡輦(コレン)の縁談を断れないと目論む。「英明です、大王の婚姻をお祝い申し上げます」蕭家に太平王から烏骨里を迎えに来るよう連絡が来た。胡輦は罨撒葛が願いを叶えてくれたと安堵し、早速、燕燕(エンエン)と一緒に迎えに行く。しかし烏骨里は帰るのを拒み、喜隠と一緒にいたいと訴えた。「牢で誓ったの、生涯を共にすると…」これに胡輦は激怒、家に帰る帰らないで烏骨里と言い争いになってしまう。すると喜隠が烏骨里に今日のところは帰るよう勧め、堂々と婚姻を申し込みに行くと約束した。↓なんておじいちゃ___( ̄▽ ̄;)蕭思温はやつれた烏骨里の姿に心を痛め、娘を巻き込んだ喜隠を決して許さないと激怒した。しかし当の烏骨里は愛する喜隠を必死にかばう。蕭思温や胡輦は烏骨里の浅はかさに憤ったが、烏骨里は一人残された喜隠をそばで支えたいと涙ながらに訴えた。「許していただけるまで、ここでひざまずきます!」すると蕭思温は胡輦に烏骨里を連れて行くよう命じ、問題を起こさぬよう世話を任せた。胡輦が烏骨里を連れて出ていくと、蕭思温は大きなため息をついた。そこで燕燕は父の肩をあんまして機嫌を取り、二姐を怒らないで欲しいとなだめる。「一時の気の迷いです…それにあまり怒ると身体に毒ですよ?」燕燕は姉の縁談話のついでに、韓徳譲(カントクジョウ)のことをどう思うか父に聞いてみた。すると蕭思温は三姉妹の嫁ぎ先なら太祖の三支のいずれかに決まっていると釘を刺す。「それが后族の責務、権力を分散させるためだ、勝手は許されぬ …しかしお前の姉たちがどちらも皇族に嫁げば、お前は好きな相手を選べるやもしれぬな」↓おじいちゃ…( ̄▽ ̄;)その頃、燕(エン)王府では祝宴の準備に追われていた。韓匡嗣(カンキョウシ)は暗君の寵愛を受けて医術で王に封じられたことに違和感があったが、息子の徳譲は来るべき日に備えて立場を固めておくのは悪くないと励ます。確かに誰もが政(マツリゴト)にも日々の暮らしにも失望している今、王として1人でも多くの領民を擁護できることだけは救いだった。韓徳譲と耶律賢(ヤリツケン)は蕭家の次女が釈放されたと聞いて点と線がつながった。罨撒葛が烏骨里の件を皇帝に報告しなかったのは、最初から胡輦に狙いを定めていたからだろう。天牢で烏骨里に喜隠と苦難を共にさせ、あえて李胡の獄死を見せたのだ。こうして烏骨里の喜隠への想いを揺るぎないものとし、喜隠に烏骨里を娶らせれば、宰相も罨撒葛と胡輦の婚姻を認めざるを得なくなる。そこでジョーとケンは女里(ジョリ)を使ってこの件を皇帝の耳に入れることにした。耶律璟は疑り深い上、常に酒を浴びて酩酊状態、今や弟の罨撒葛の手腕で安定を保っている。もし皇帝兄弟の間に疑念が生じて反目し合えば、形勢はジョー&ケンに有利になるはずだ。(^ꇴ^)今週のジョー&ケン!白歯のジョーが弓までかっこいいわ~耶律賢は春捺鉢(ナバ)で自分を助けてくれた娘の話を持ち出した。すると韓徳譲はその娘が蕭燕燕だと教える。耶律賢は二人の姉の婚姻が決まれば、残った末娘に多くの皇族が関心を寄せるだろうと探りを入れた。「そうだな、后族の娘は皇族に嫁ぐ、自由に相手を選べるかは何とも言えぬ…」二人は互いに燕燕への気持ちを隠し、大業を成すまで身を固めることはできないと覚悟した。穆宗は女里と二人で酒を飲んでいた。そこで上京で何か面白い話はないか聞いてみると、実は話題ならあるが太平王が関係しているという。「喜隠が李胡の謀反を知っていたことを太平王は隠しました」「わははは〜エンサグァは朕の弟だ、なぜ喜隠をかばう?」「私も信じられなかったのですが、李胡を捕らえた時、屋敷には蕭宰相の次女もいました 喜隠と逢い引きしていたのです、このことを太平王は報告していないのでは? …太平王は蕭宰相の長女を見初め、蕭家のために隠したのです」「ふっ、わははは~!確かにこれは上京の面白い話だ 色のためなら天をも恐れずか〜大胆に法を曲げるとは…罰を与えねばな、誰か!」穆宗は太平王に不手際があったとして杖刑(ジョウケイ)20回、さらに近衛軍指揮使の職も解くと命じ、耶律賢を後任に指名した。耶律賢は近衛軍指揮使に任命された。側近の婆児(ハジ)は兵権を持てば宮中から独立できると喜んだが、韓徳譲は辞退するよう助言する。もし皇帝が本当に耶律賢を信頼しているなら、一度の辞退で任命を撤回しないはずだ。恐らく皇帝は耶律賢の忠誠心を試しているのだろう。耶律賢は確かに猜疑心の強い皇帝に危うい態度は取れないと気づき、すぐ辞退する旨の奏状を書くことにした。「大王は成長なさいました」徳譲は安堵したが、大王の年齢なら自分で気づき、自分は補佐に回るべきだという。「いつまでもお前に頼らず、自分の力で判断すべきだな」胡輦は太平王が杖刑の罰を受けたと聞いた。責任を感じた胡輦は韓家の冊封の祝宴を燕燕に任せ、太平王府に向かう。燕燕は仕方なく一人で出かけることにしたが、今まで欠席などしたことがない大姐に困惑した。「大姐の大事な用って何かしら?…近頃うちの家族は変わった、二姐も変だし、大姐も変だわ」耶律敵烈(ヤリツテキレツ)が太平王府にやって来た。杖刑で怪我を負った二兄のため渤海(ボッカイ)から献上された薬を届けに来たという。ちょうど背中に薬を塗ってもらっていた罨撒葛は冷ややかな反応だったが、世話係に美しい生娘を連れて来たと聞いて機嫌を直した。しかしそこへ胡輦が到着したと知らせが届く。驚いた罨撒葛は余計な気を回した弟に激怒、薬も娘も連れて帰れと声を荒げた。( ๑≧ꇴ≦)キテレツキター!(←名前が似ているだけでw罨撒葛は女たちの痕跡を残さないよう、急いで床掃除をさせた。そして再び寝台に寝転んで背中に薬を塗るよう指示、わざと胡輦にあられもない姿を見せる。すると胡輦が薬の差し入れにやって来た。胡輦は上半身裸の太平王の姿に驚いて背を向けると、罨撒葛は急いで肌衣をまとう。つづく(  ̄꒳ ̄)まさかの色気付く罨撒葛あ、エンサツカツは舌かみそうなのでピンインを採用、″エンサ-グァ″に変えました
2021.07.02
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