
「架線注意」標識は
昭和35年(1960年)頃から電化対策の一環として取り付けられるようになり、決して
復活蒸機特有の標識ではありません
。
交流電化区間では架線から1m離れていても感電事故があったそうで、2万Vの高電圧になると磁界が広がって30cmの距離では手袋をはめていても吸い寄せられてしまい、蒸機の古い電球交換(150Wの電球。補助灯は電球切れの時に点灯させるシールドビームの予備灯で本来、電球の前照灯とは同時に点灯させなかったそうです。)などは命がけだったようです。
蒸機での定番の取付け箇所は
①
前照灯の下、
②
スチームドームの手前のステップ、
③
テンダーのハシゴ最上段の下
です。
あとは番外になりますが、
④デフの左右取付けステー、
⑤増設重油タンクの手すり下、
⑥ボイラー上の発電機下、
⑦テンダー貯炭板の前端
などに取り付けられた事例があります。
なお、蒸機に限らず、キハ58系の正面手すりの上やタンカー貨車の給油口手すり付近、石炭貨車セキ3000などのホッパー上端(アイドとエンド側)、ブルトレのブルトレのスハネフ15やオハネフ25の緩急車側昇降ステップ最上段の横などにも取り付けられています。こちらは架線注意標識の2種類あるうち、小型のようです。
架線注意標識の 「標準型」
実物です。
縦10cm、横30cmですので、
1/80としてデカールは縦1.25mm、横3.75m
m
になります。
また、 「小型標識」 もあり、 実物は縦6cm、横18cmですので、デカールは縦0.75mm、横2.4mmになります。 小型標識は キハ58系の正面手すりのほか、蒸機のスチームドームのステップの前などにも取付け例が見られます。
一番肝心なのは市販のインレタ選びです。

写真左が「世田谷車両総合センター」製、写真右が「くろま屋」製のインレタです。中央は記憶があいまいですが、「トレジャータウン」製だったと思います。
写真の右下に架線注意のインレタが並んでいるのは
、
自分で 「台紙に貼付した加工品
」
です。

こちらはIMON製です。
そのほか、トレジャータウン製、鳳車両製造製など他社製もありますが、
スケールが正確か、文字が判読できるか、ゼブラ外枠と文字がバラバラにならないか、両者の印刷位置関係がずれていないか、品質に注意
して選んでください。
なお、趣味の延長でマニアックに製作販売されているメーカーもあるので、個人に分けてもらうつもりでお願いしましょう。アマゾンに発注するような調子で、「すぐに返答が来ない」、「発送が遅い」などと文句を言わないように。
<貼り方の注意>
テンダーの後方ハシゴ周辺やキハ58の先頭車運転席の上に標識を貼る場合はインレタを直接貼れますが、 前照灯の下やデフの左右ステー、スチームドーム前のステップ周辺、重油タンク給油口ハシゴ周辺などに綺麗に歪みなく取り付け付けるには予め固い台紙にインレタを貼っておく必要があります。
架線注意インレタをそのまま貼って、 あとで歪んできた「失敗例」
です。急がば回れ・・ですね。

台紙は写真のような 厚さ0.1-0.2mmの腰のある樹脂シート
が最適です。
市販品は中々ないので、私はKATOやTOMIXの インレタ保護シートを流用
しています。ポリプロピレン製の「クリスタル」調の透明袋でも適しています。セロテープは腰がないので不適です。
台紙のシートにまず、艶消しクリアのスプレー塗料を10cmくらいの距離から軽く吹き付け、その上に「架線注意」のインレタを置いていきます。クリア塗料が乾燥したら、上からさらにクリアスプレーをもう一度軽く塗布します。これで完璧です。
貼るのは比較的簡単なスチームドーム手前のステップから始めます。まず、 爪楊枝でホワイトボンドを点付け
します。
C58の場合、小型機なのでステップが小さめで架線注意標識も 小型
のほうを取り付けました。
後方のC62には 通常型
の標識を取り付けていますので、大きさを比べて下さい。
前照灯下には同じ要領で通常型の標識を取り付けました。
C58以外に先出の天賞堂C57や9600にも取り付けました。
天賞堂C59にも取り付けました。スチームドーム前のステップには写真では分かりにくいですが、小型を取り付けました。
天賞堂のC62カンタム搭載機にも取り付けました。
前照灯の下に取り付けます。まず、 ホワイトボンドを爪楊枝で点付け
します。乾くと収縮して透明になりますので、余りはみだしに神経質になるより、ボンド不足で外れないように注意してください。
台紙シートに貼った標識をボンドの上に置くように貼ります。うまく行きました!
ナンバープレートに比べて非常に小さいので、作業難度が高いのも納得いただけると思います。
貼り付け作業の際にも機炭連結状態を保つために、ウェスを丸めてテンダーの下にかませています。
ご存知と思いますが、北海道時代のC623とC622は架線注意標識の 位置と数が違います
。
なお、C623も昭和63年の復活時にはC622と同じく左右の2枚が追加されました。細かいことですが、歴史を辿ると楽しいですね。
大宮鉄道博物館のC57135号機のデフ裏取付け事例ですが、標識のぶら下げ方法はC622と同じです。
ラストランの三重連の姿に合わせて、架線注意標識を貼り終えました。C622には 0.2mmの真鍮線
をデフとボイラーの間に渡してホワイトボンドで固定し、その上に取り付けています。
なお、C6216の煙室用ナンバープレートはニコイチ加工で製作したモノですが、あとで後出のように作り直しました。
スチームドーム前にあるツララ切りの付いたステップにも実車通り、装着しました。正規側です。
C62カンタム搭載モデルもギア割れなど初期生産品のトラブルはありましたが、後期になってボイラー煙室の艶消し黒トーンが塗り分けられ、空気作用管固定ステーもエッチング地肌が艶消し黒塗装されるなど、改良が進んでいるのは嬉しいことです。
定価が4倍近い2013年以降のカンタム搭載のクラウンモデルと精巧度の差が少なくなってきた
ので、個人的には通常のカンタム機に架線注意標識などのディーテルアップを施すほうがお買い得感があると思います。
念のため、昭和63年のC623復活時の実車写真と比べてみました。架線注意の標識だけでなく、ドームも実車写真のほうが平ぺったい印象ですが、広角レンズによる撮影のせいかと思われます。興味深いです。
同じ要領で非正規側にも装着しました。
C623のATS発電機にも取付けました。

写真の一番手前からC6216、C623、C622です。見ていると、ついニヤニヤしてしまいます。
<ゼブラ板の取付け>
テンダーにはステップ3段目の上に ゼブラ板
(写真のEco Model製品)を取り付け、1段目の下に通常型の架線注意標識を取り付けました。

C58以外に、前述の天賞堂「C57135」にも同様に架線注意標識とゼブラ板を取り付けました。
実機に電化対策で取り付けられたゼブラ板はハシゴを上る整備員に見えるように原則、ハシゴ下段に上向きですので、取付け方向を間違わないように。
なお、「C57135」の取付け位置は変則的でハシゴ中段です。
大宮鉄道博物館の「C57135」保存機です。現役時代から変則的にハシゴの中段にゼブラ板が付いていました。
非常にレアで私の知る限り、唯一の例外ですが、「C571」の実機はゼブラ板がハシゴの上段に下向きに付いています。写真はIMONのHPにある同社製ゼブラ板の取付け解説写真です。さすがによく見ておられます。

架線注意の標識はC622とC623は同じハシゴ最上段の下で同じですが、C6216は苗穂工場で耐寒装備を受けた時にC6232のテンダーに交換されたため、ハシゴの右上になっています。広島工場で山陽仕様の電化対策を受けた時のなごりと思われます。
三重連ラストラン前日に小樽築港機関区でナンバープレートを磨かれるC623とC6216。50年前を思い出します。
<天賞堂 クラウンモデルでの取付け例>
クラウンモデルの外観上の簡単な識別ポイントとして、
煙室扉の開閉に加え、架線注意標識が標準で取り付けられています。
C57180 2024年製のクラウンモデル11093の事例です。


C57180 2024年製のクラウンモデル11093はJR東日本仕様のため一層の電化対策が施された姿になっており、キャブ窓の上やテンダーの炭載ゲートの上部にも架線注意標識が設置されています。


C581やまぐち 2008年製のクラウンモデル11027の事例です。


C56小海線2007年製のクラウンモデル11018の事例です。
<エンドウ キハ58での取付け例>

キハ58には「世田谷車両センター」のインレタを取付けました。「小型」とのことで実車写真と比べてスケールは正確と思いますが、周囲のゼブラマークの黒線がやや太く、遠目では黒縁に見える難点があります。
<KATO タキ43000での取付け例>

取り付けた状態です。なお、標識の位置はハシゴ横だけでなく、ハシゴ最上段の場合もあります。

まず標識を貼る位置にホワイトボンドを爪楊枝で点付けします。

次に台紙シートに貼った標識を腰のあるピンセットでつまんでボンドの上に置くように取り付けます。

反対側の手すりにもうまく貼れました。
北海道の三笠鉄道村のセキ3000保存車に注意標識が装着されていました。
天賞堂のセキ3000完成品には架線注意標識がサイドのみしか貼付されていなかったため、早速、エンド側のハッチ開閉ハンドルの上にも追加しました。
閲覧数が150,000件を超えており、鉄道模型の別テーマに関しても、参考にしていただければ嬉しいです。



「HO/N パンダスパーク!に酔う」:
https://plaza.rakuten.co.jp/smorimoto0296/diary/202502040000/

























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