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タイトルはもちろん、Candy DulferのHit Tune「Lily Was Here」(2nd Set 7曲目)から。Candy Dulferは20年来のファンであるが、ライブは初めて。最近忙しいので行けるか微妙であったが、18:30にBlue Noteへ電話すると予約できたので18:32には会社を出発。「予約受付順に整理番号を発行します。18:00から配っているので、出来ればお急ぎ下さい」とのことでBlue Noteには20:00少し前に到着。整理番号は58番。微妙な番号ですが、「神様から愛されているパパ」なのできっと好位置でCandyを観れるでしょう!暫し外出してお食事タイム。 整理番号を貰った際は「21:05頃御案内」の予定でしたが、1stが長めだったか、御案内は21:20頃。中央の席は既に一杯で右側の席にしてもらいました。Candy Dulferから約3Mのまずまずの良席。やはり、「神様から愛されているパパ」は健在。ライブは正統派のJAZZではなく、JAZZ FUNKそのもの。YouTubeでShielaEと歌っているのを見てましたが、Candy DulferはVocalistでした。Blue Note 全体が巨大なクラブ(昔流で言えばディスコ)に。Blue NoteでパパがずっとStandingとは初体験! キメの「7.LILY WAS HERE」、「9.PICK UP THE PIECES」がやっぱり一番良かった! 特に、「9.PICK UP THE PIECES」では場内をSAXをブロ捲って演奏。50cmの近さで「Candy Dulfer様の御尊顔」を見れました。美しかったが、やはり美貌の衰えが。。。MCで「90年代。そう私が2歳だった頃」と笑いを取ってましたが、時の移ろいは厳粛なもので(涙)。1stでは時間の関係で演やらなかった、「7.LILY WAS HERE」が2ndで聴けたので2ndの方がダイブお得。Candyも「1st Setを聴きに来た方には申し訳なかったんですが。。。」とMCで言われてました。 Candy Dulferのライブは初体験でしたが、実はお父さんのHANS DULFERのライブは2回目。偶然、Tower RecordのNYのどこかの店舗でHANS DULFERがIn Store Liveをしていたのを20分くらい聴いた時以来。15年ぶりくらいか?「5.SPANISH BOOTS」、「6.DIG 」、「9.PICK UP THE PIECES 」以降ECまで6曲の親娘共演。日本では12年ぶりとのこと。2ndだけで約2時間の熱演。正統派のJAZZでは無かったが、本当に音楽を楽しめた2時間。ギリギリ終電に間に合いました(笑)。<< HANS DULFER & CANDY DULFER @ Blue Note Tokyo/2014 Oct 30th >>Candy Dulfer(sax,vo)Hans Dulfer(sax,special guest)Ulco Bed(g)Manuel Hugas(b)Joost Kroon(ds)Arjen Mooijer(key)Andy Ninvalle(mc,rap)Ricardo 'Phatt' Burgrust(vo)1.AFTER TONIGHT 2.HEY NOW 3.WHAT YOU DO 4.MICKEY MOUTH 5.SPANISH BOOTS 6.DIG 7.LILY WAS HERE 8.BASS IN YOUR FACE9.PICK UP THE PIECES 10.HISTORY EC1.P-FUNK MEDLEY EC2.GOOD MUSIC << 1st/Nov 2014 (Sun) -セッション2014 -井上陽介カルテット- NHK FM>>「C Jam Blues」(2分20秒)「Good Time」(7分22秒)「Feel Like Making Love」(7分06秒)「Black Orpheus」(7分54秒)「Come Together」(8分58秒)「What are you doing the rest of your Life」(6分45秒)「Come On」(6分25秒)「Here There And Everywhere」(2分00秒) (ベース)井上陽介 (ピアノ)秋田慎治 (ギター)荻原亮 (ドラムス)江藤良人
2014.10.30

金曜(10/17)の夜、南青山BODY&SOULで聴くつもりだったLage Lund Trio。急遽、10/17の夜はドイツとTV会議する羽目になり、BODY&SOULのライブに行くのは断念。NARUでも同じメンバーでライブがあるので、こちらに参戦。SetListは書き留めていなかったのですが、おそらく下記のBODY&SOULとほぼ同じと思われますので、そのまま記します。雰囲気を残すため、写真もBODY&SOULのものを借用します(笑)。去年のライブはLage Lundさんのオリジナルばかりだったらしいですが、今年はCole Porter等のスタンダードが多くLage Lundさんの静かで心地よいサウンドをよりvividに感じることが出来ました!あまりに心地よいので、半分寝ながら聴き入りました。睡眠学習。Lage Lundさんのギターのプレイスタイルは独特で、写真のように体を傾けながら、恐らく遠くの1点、虚空を見つめながらに思える演奏。思わず「一体どこ見ているんでしょうか?」と聞きたくなりました(笑)。何故かとても気になる。<< Lage Lund Trio@御茶ノ水NARU 2014/10/19 SetList>> Lage Lund(g) Matt Brewer(b) Johnathan Blake(ds) from NY▶1st.stage(1)C.ポーター♪Just One of Those Things、(2)C.ポーター♪So in Love (3)ラーゲさんオリジナル曲♪All Harsey、(4)スタンダード曲♪Come Rain Come Shine、(5)B.ハッチャーソン♪Isn't This My Sound。 ▶2nd.stage(6)♪I Surrender Dear(7)ラーゲ作♪Cengue、♪Lanchbery Winter、(8)S.ロリンズ♪Blues、 Enc. A.C.ジョビン♪ Soto de Separacao。 << 19th/Oct 2014 (Sun) -セッション2014 -大隅寿男トリオ feat.3・pianists- NHK FM>>「C Jam Blues」 (1分35秒) (ドラムス)大隅寿男 (ベース)横山裕 (ピアノ:高音域)青木弘武 (ピアノ:中音域)関根敏行 (ピアノ:低音域)ハクエイ・キム「Speak Low」 (9分50秒) (ドラムス)大隅寿男 (ベース)横山裕 (ピアノ)関根敏行「The Look of Love」 (6分50秒) (ドラムス)大隅寿男 (ベース)横山裕 (ピアノ)関根敏行「You Don't Know What Love Is」 (6分14秒) (ドラムス)大隅寿男 (ベース)横山裕 (ピアノ)ハクエイ・キム「I Fall In Love Too Easily」 (8分20秒) (ドラムス)大隅寿男 (ベース)横山裕 (ピアノ)ハクエイ・キム「A Hard Day's Night」 (6分22秒) (ドラムス)大隅寿男 (ベース)横山裕 (ピアノ)青木弘武「The Wedding」 (5分12秒) (ドラムス)大隅寿男 (ベース)横山裕 (ピアノ)青木弘武「Watermelon Man」 (7分41秒) (ドラムス)大隅寿男 (ベース)横山裕 (ピアノ:主に高音域)青木弘武 (ピアノ:主に中音域)関根敏行 (ピアノ:主に低音域)ハクエイ・キム<< Oct 22th 2014 (Wed) - 'Pars Orpheus' DJ: 佐藤竹善 <80′s Euro Popで秋満喫> >>21:03 "THE CAPTAIN OF HER HEART" DOUBLE21:07 "SWEET, SOFT N’ LAZY" VIKTOR LAZLO21:14 "THE RIDDLE" NIK KERSHAW21:17 "CRUISING FOR BRUZING" BASIA21:21 "CAMINO DEL SOL" ANTENA21:27 "KING OF WISHFUL THINKING" GO WEST21:31 "WHAT TIME IS IT NOW ?" SING LIKE TALKING21:37 "TOO LOW FOR ZERO" ELTON JOHN21:42 "TURN BACK THE CLOCK" JOHNNY HATES JAZZ21:47 "TEMPTING" ANNA DOMINO21:53 "WALK ON THE WILD SIDE" WHITE LIES<< 24th/Oct 2014 (Fri) 佐藤竹善Friday Musical Voice Play List>>23:00 It's Too Late Johnny Hammond 23:05 So Good Today Ben Westbeech 23:08 Inner Frame Avishai Cohen 23:12 Shadow of Light SALT 23:16 Good Time 井上陽介 23:22 Come Together 井上陽介 23:28 Strolling Bob SALT 23:32 Come On 井上陽介 23:37 Wonderful Tonight 井上陽介 23:41 Reflections SALT 23:45 Iron Cage 佐藤竹善 23:52 U Mandara Ke (Mandara Flower) Garrison Fewell << 2014 oct 25th/ ジャズ・トゥナイト -日本のジャズ 伝説のライヴ~ギタリスト 高柳昌行->>「CITRUS SEASON」(杉浦良三とニューディレクション・クインテット)(5分30秒)<KING JAZ-3007>「GREENSLEEVES」(高柳昌行、金井英人、稲葉国光、富樫雅彦)(15分00秒)<SONY MHCP 10023>「SUBCONCIOUS LEE」(高柳昌行セカンド・コンセプト)(10分30秒)<JINYADISC B-13>「RESISTANCE 1」(高柳昌行ニュー・ディレクション・ユニット)(11分49秒)<CS RECORDS THCD-235>「KARY’S TRANCE」 (高柳昌行)(6分45秒)<JINYADISC B-08>「EPILOGUE(LONELY WOMAN)」(高柳昌行)(2分08秒)<JINYADISC B-08>「NAR-THIS」 (ANTONIO SANCHEZ、BRAD MEHLDAU、MATT BREWER)(12分33秒)<CAM JAZZ KKE 038>「ROONY AND VINSKI」(ANTONIO SANCHEZ、JOHN SCOFIELD、CHRISTIAN MCBRIDE)(6分21秒)<CAM JAZZ KKE 038>「I MEAN YOU」(ANTONIO SANCHEZ、JOE LOVANO、JOHN PATITUCCI)(7分52秒)<CAM JAZZ KKE 038>「IT DON’T MEAN A THING(IF ITAIN’T GOT THAT SWING)」(TONY BENNETT&LADY GAGA)(2分23秒)<UNIVERSAL UICS-1286>「ANYTHING GOES」(TONY BENNETT&LADY GAGA)(2分01秒)<UNIVERSAL UICS-1286>「HIDE AND SEEK」(JOSHUA REDMAN)(12分13秒)<WARNER WPCR-15881>「ARMAND’S RUMBA」(RICHARD GALLIANO)(4分39秒)<RESONANCE RCD-1021>「IN A SENTIMENTAL MOOD」(RICHARD GALLIANO)(7分09秒)<RESONANCE RCD-1021> << Oct 29th 2014 (Wed) - 'Pars Orpheus' DJ: 佐藤竹善 <70′s まったりR&Bで秋に浸ろう!> >>21:03 "THOUGHTS OF OLD FLAMES" PLEASURE21:07 "SO IN LOVE" CURTIS MAYFIELD21:15 "GAMBLE WITH MY LOVE" DAZZ BAND21:19 "YOU NEVER FIND ANOTHER LOVE LIKE MINE" LOU RAWLS21:24 "LET'S GET IT ON" MARVIN GAYE21:29 "FOOTSTEPS IN THE DARK" ISLEY BROTHERS21:34 "BABY'S SO MUCH FUN TO DREAM ABOUT" JOHNNY BRISTOL21:43 "REDENVOUZ" SING LIKE TALKING21:48 "THEME FROM MAHOGANY" DIANA ROSS21:53 "EASY" COMMODORES
2014.10.19

今日の一日の唯一の目的は、「(5) 秋吉敏子(p) ソロ」、「(6) 秋吉敏子(p) トリオ」を聴くことだけと言っても良いが、美しいJAZZ Playersの方を巡る冒険?もしてみた。「(1) ウィリアムス浩子(vo)グループ」のウィリアムス浩子さん、「(3) 向井滋春(tb)クィンテット」の纐纈歩美さん、「(4) 横濱ジャズ物語:ハマッ子ジャズメン大集合!」の彩木香里さんの美しさで大いにパパの日頃の疲れも癒された。本来?の目的の秋吉敏子さんのピアノは期待通りの美しさ。 MCも名人芸。野毛「ちぐさ」でレコードを聴きまくって擦り切れるほど。秋吉さんが聴いたレコードは何回も繰り返して聴いたLPの箇所が本当にすり減ったこと。聴き込みすぎて終電を逃しタクシーを使ったこと。「ちぐさ」は今のような立派な店構えでなく、6人も入れば一杯になってしまうバラックの掘立小屋のようなお店だったこと。秋吉さんは「ちぐさ」で聴きこんだ記憶で練習してBud Powellの演奏テクニックを我が物としたのであろう。オスカー・ピーターソンとの出会いで1956年ボストンのバークリー音楽院に学ぶ機会を得た。アメリカに移動したその日の夜にいきなりBud Powellのライブを聴ける機会に恵まれる。秋吉さんとBud Powellは深い縁で結ばれている。Bud PowellとThelonius Monkの友情。Monkへの友情のためにフィラデルフィアで警官に負わされたBud Powellの怪我。Bud Powellの悲運な人生。41歳で夭逝。8/24に「ソロモン流(テレビ東京)」へ出演した際にADが「神は(インスピレーションは突然)降りてくるものなのでしょうか?」と秋吉さんに聞いて、秋吉さんが「それはあなたがミュージシャンではないからそういうことを言う。ミュージシャンなら皆知っている。努力しなければイケないこと(突出したミュージシャンには成りえないこと)。努力しなければ普通のミュージシャンで終わってしまう」と秋吉さんが言われた言葉がcome to my mind! Bud Powellは秋吉さんが自分のテクニックをベースにした演奏をしてくれていることをとても喜んで、何度も秋吉さんのライブに来てくれたらしい。秋吉さんのためというよりは、Bud Powell自身をself motivate、「アジアにも自分のプレイ、テクニックを理解してくれて自分の演奏スタイルに採り入れてくれている人がいる」、この勇気付けられる事実がBud Powellの心の拠り所に成った筈。そんなJazz MasterのMCはとても興味深く、ますますJazzが好きになった。大西順子がフィニアス・ニューボーンJr.の演奏スタイルを我が物として昇華させる30年以上前に、秋吉さんがBud Powellのテクニックを取りこんで自分のスタイルを確立していた。今日の秋吉さんが演奏したパウエルの曲は「Bud Powell - Tempus Fugit」だったと思う。勿論、素晴らしかった。ライブは定番の「Long yellow road」で始まり、「We wish Upon A Star」、没後40周年のDuke Ellingtonの「Take the A Train」、「SOFISTICATED LADY?」、George Gershwin’s Porgy and Bessの「A Man's Gone Now?」、「Repsose((青森・森田村の冬)」、「Deep River」、「Hope (for Hiroshima)」 他で計15曲。「みなとみらいホールのほぼ最前列の秋吉さんの目の前の中央席で聴けた今日は「我が人生最良の日」。パパには「我が人生最良の日」が多過ぎるかも知れませんが(笑)。 (1) ウィリアムス浩子(vo)グループ with 夏樹陽子12:00~13:30@関内ホール 小ホールウィリアムス浩子 ヴォーカル 馬場孝喜 ギター 若井優也 ピアノ 西嶋 徹 ベース 夏樹陽子 Special Guest vocal (2) KANKAWA(org)カルテット13:50~14:50@横浜市開港記念会館KANKAWA オルガン 太田 剣 アルトサックス 越智 巌 ギター Gene Jackson ドラムス(3) 向井滋春(tb)クィンテット15:40~16:40 横浜赤レンガ倉庫1号館向井滋春 トロンボーン 纐纈歩美 アルトサックス 井上祐一 ピアノ 佐藤慎一 ベース 安藤正則 ドラムス (4) 「横濱ジャズ物語:ハマッ子ジャズメン大集合!」17:10~18:10 横浜みなとみらいホール田村博トリオ+島 裕介+渡辺典保+ヴォーカル 北村順子、MIZUHO、彩木香里(5) 秋吉敏子(p) ソロ 18:30~19:10 横浜みなとみらいホール(6) 秋吉敏子(p) トリオ 19:30~20:30 横浜みなとみらいホール秋吉敏子 ピアノ 古野光昭 ベース 岩瀬立飛 ドラムス << 12th/Oct 2014 (Sun) -セッション2014 -岡安芳明トリオ- NHK FM>>「C Jam Blues」(3分26秒)「Here Comes C.T」(6分01秒)「The Tender Gender」(10分32秒)「La Petite Mambo」(7分58秒)「So Little Time」(1分49秒) ギター・ソロ...(アコースティック・ギター)岡安芳明「Why Did I Choose You?」 (2分05秒) ギター・ソロ...(アコースティック・ギター)岡安芳明「My One And Only Love」 (4分15秒) ギター・ソロ...(アコースティック・ギター)岡安芳明「Steeplechase」(7分18秒)「What Am I Here For」(6分28秒)「Things ain't what they used to be」(3分50秒)(ギター)岡安芳明(ピアノ)吉田桂一(ベース)佐々木悌二
2014.10.12

昨年も行った、横濱 JAZZ PROMENADEに今年も参戦。去年は1日のみ参加だったが、今年は2日とも参加予定。去年の移動は関内ホール⇒みなとみらい⇒赤レンガ倉庫⇒みなとみらいと歩きて移動したのでエライ大変(50分の移動のための空き時間をほぼ使い果たした)ので、今年は関内ホール⇒横浜市開港記念会館⇒関内ホール周辺(KAMOME live matters)のみで、この範囲のみで面白そうなものをセレクト。(1)増尾好秋(g) スペシャルユニット ジャズプロ2014 12:00~13:00 関内ホール 小ホール 増尾好秋 ギター 丈青 ピアノ 鈴木 勲 ベース 岸田恵士 ドラムス 海老原淳子 ヴォーカル(2)峰 厚介(ts)カルテット ジャズプロ2014 13:50~14:50 関内ホール 小ホール 峰 厚介 テナーサックス 清水絵理子 ピアノ 杉本智和 ベース 本田珠也 ドラムス(3)鈴木良雄(b)BASS TALK ジャズプロ2014 15:50~16:50 横浜市開港記念会館 鈴木良雄 ベース 井上信平 フルート 野力奏一 ピアノ 岡部洋一 パーカッション(4)横濱JAZZ オールスターズ ジャズプロ2014 17:40~18:40 横浜市開港記念会館 類家心平 トランペット 峰厚介 テナーサックス 板橋文夫 ピアノ 古野光昭 ベース 守 新治 ドラムス(5)太田剣(as)カルテット KAMOME live matters 19:20~22:20 太田剣(as) 成田祐一(p) 坂崎拓也(b) 石若 駿(ds)
2014.10.11

安西水丸さんの本を読んだので、「相棒」村上春樹さんの本も読んでみた。春樹さんの久々の短編集。随分春樹さんの短編を読まないなと思っていたが、「まえがき」によれば9年振りらしい。なかなか良い短編集。アマゾンのレビューにある、プロットが「性的なもの」に傾き過ぎるのは事実だが、それは「ノルウェイの森」の頃からのことで今に始まった話ではない。「中国行きのスロウ・ボート」、「螢・納屋を焼く・その他の短編」に相当する短編集の快作。★★★★。個人的にはライトに笑える、「カンガルー日和」の「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」や「スパゲティーの年に」のような短編を読みたいが、今の春樹さんには無理なのかも。「1Q84」とか近年の長編小説はあまりに難解、かつ、面白味に欠ける。(1) ドライブ・マイ・カー(2) イエスタデイ(3) 独立器官(4) シェエラザード(5) 木野(6) 女のいない男たち 短編は上記の6作。どの作品も「奇妙な性癖?」を持った男が主人公。「(2) イエスタデイ」の栗谷えりかは、エアコンの風にちらちらと揺れるキャンドルの炎を無言で眺めていた。それから言った。「私は同じ夢をよく見るの。私とアキくんは船に乗っている。長い航海をする大きな船。私たちは二人だけで小さな船室にいて、それは夜遅くで、丸い窓の外には満月が見えるの。でもその月は透明なきれいな氷でできてる。そして下の半分は海に沈んでいる。『あれは月に見えるけど、実は氷でできていて、厚さはたぶん二十センチくらいのものなんだ』とアキくんは私に教えてくれる。『だから朝になって太陽が出てきたら、溶けてしまう。こうして見られるうちによく見ておくといいよ』 つて。その夢を何度も繰り返し見た。とても美しい夢なの。いつも同じ月。厚さはいつも二十センチ。下半分は海に沈んでいる。私はアキくんにもたれかかっていて、月は美しく光っていて、私たちは二人きりで、波の音が優しい。でも目が覚めると、いつもとても悲しい気持ちになる。もうどこにも永の月は見えない」 栗谷えりかはしばらく黙っていた。それから言った。「私とアキくんと二人だけでそういう航海を続けていられたら、どんなに素敵だろうと思う。私たちは毎晩二人で寄り添って、丸い窓から氷でできた月を見るの。月は朝になったら溶けてしまうけれど、夜にはまたそこに姿を見せる。でもそうじゃないかもしれない。ある夜、月はもう出てこないかもしれない。そのことを思うとひどく怖い。明日自分がどんな夢を見るのか、それを考えると、身体が音を立てて縮んでいくくらい怖い」(p.99-p.100)の「氷でできた月の夢」の一節が特に「僕(パパ)」を強くグリップした。多分、「1Q84」の青豆と天吾が月を眺めるのもこのコンテクストであろうと想像している。 切なさ一番は「(3) 独立器官」の渡会氏の「純愛」。「逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり」(権中納言敦忠(43番) 『拾遺集』恋二・710)「彼女より容姿の優れた女性や、彼女より見事な身体を持った女性や、彼女より趣味の良い女性や、彼女より頭の切れる女性とつきあったことは何度かあります。でもそんな比較は何の意味も持ちません。なぜなら彼女は私にとって特別な存在だからです。総合的な存在とでも言えばいいのでしょうか。彼女の持っているすべての素質が、ひとつの中心にむけてぎゅっと繋がっているんです。そのひとつひとつを抜き出して、これは誰より劣っているとか、勝っているとか、計測したり分析したりすることはできません。そしてその中心にあるものが私を強く惹きつけるのです。強力な磁石のように。それは理屈を超えたものです」 (p137)。「今の生活からある日突然引きずりおろされ、すべての特権を剥奪され、ただの番号だけの存在に成り下がってしまったら、私はいったいなにものになるのだろう?」(p141)。「すべての女には、嘘をつくための特別な独立器官のようなものが生まれつき具わっている、というのが渡会の個人的な意見だった」 (p164)。 F. Scott Fitzgeraldが「The Rich Boy」で自らの悲劇的な未来を予見したように、渡会氏は悲劇的な結末を迎える。文学の薀蓄のある方によると、「(3) 独立器官」と同趣旨の筋書きの作品に芥川龍之介作:「好色」があるそうだ。青空文庫の「好色」を読むと、「純愛」の渡会が平中で、渡会を「独立器官」で意のままに操る、夫と子供さえも捨てる「専業主婦」が侍従。恐ろしい話。<< 5th/Oct 2014 (Sun) -セッション2014 -ランディ・ブレッカー&マイク・スターンBAND - NHK FM>>「C Jam Blues」(2分11秒)「Out of the Blue」(15分44秒)「KT」(10分31秒)「The Dipshit」(7分18秒)「Some Skunk Funk」(7分32秒)「Big Neighborhood」(6分53秒) (トランペット)ランディ・ブレッカー (ギター)マイク・スターン (ベース)トム・ケネディ (ドラムス)ライオネル・コーデュー<< Oct 8th 2014 (Wed) - 'Pars Orpheus' DJ: 佐藤竹善 <満月の夜のムーン・ソング> >> 21:04 "FULL MOON" KAREN SOUZA 21:07 "AUTUMN MOON" KEZIAH JONES 21:14 "THE SKY'S THE LIMIT" NIK KERSHAW 21:18 "SHADOW ON THE HARVEST MOON" EVERY THING BUT THE GIRL 21:23 "IN THE DARK" KLEE 21:28 "眠りに就くまで" SING LIKE TALKING 21:36 "I LOVE YOUR SMILE" SHANICE & FRIENDS 21:41 "WHAT A LITTLE MOONLIGHT CAN DO" CECILE MCLORIN SALVANT 21:51 "SUCH A NIGHT" VOORMANN & FRIENDS FEAT. DR.JOHN
2014.10.05

「首折り男のための協奏曲」は雑誌か何かの特集で「面白そう」と予感させたが、読んでみると少し残念な印象。「首折り男の周辺」、「濡れ衣の話」、「僕の舟」、「人間らしく」、「月曜日から逃げろ」、「相談役の話」及び「合コンの話」の7つの作品から構成される短篇集。『死神の精度』のような「連作」の統一感、『残り全部バケーション』のような収束感もなく、何かバラバラなモノを読まされた感が強い。一つ一つの短編は自虐的な、アイロニックな笑いがついつい出てしまう伊坂ワールドそのものだが、やはりパンチが足りない。短編集ではないが、『グラスホッパー』 (GRASSHOPPER) や『マリアビートル』(MARIABEETLE)のような「唐突な、圧倒的な暴力」に至らない「予測可能な、小さな暴力」しかない「首折り男のための協奏曲」。消化不良の感は拭えない。『グラスホッパー』、『マリアビートル』の続編を早く読みたい。 << Oct 1st 2014 (Wed) - 'Pars Orpheus' DJ: 佐藤竹善 <Songs in the Attic vol.13> >>21:03 "BACK WHERE WE BELONG" THE LAST GOODNIGHT21:06 "BACK SMOKE" GARETH PEARSON21:08 "BROWN KOFFEE" NIA21:15 "PROMISE IN LOVE" TAKUYA KURODA21:19 "MOANIN’" JOSE JAMES21:29 "DON’T CRY ILENE" VONDA SHEPARD21:33 "I KEEP FORGETTIN’" 佐藤竹善21:39 "BAD CITY" SHUGUN21:43 "CAN’T GET ENOUGH" ST. PAUL21:49 "KID CHARLEMAGNE" STEELY DAN21:54 "HARD TO FIND" VICTOR FELDMAN<< 3rd/Oct 2014 (Fri) 佐藤竹善Friday Musical Voice Play List>>23:00 It's Too Late Johnny Hammond 23:08 New Kid in Town Eagles 23:13 Deep Affection 塩谷 哲23:17 Somethin' Stupid Frank Sinatra 23:20 Lucky Jason Mraz 23:23 Get Up 'n' Go Four of a Kind 23:27 Our Song Shanti 23:31 そして僕は途方に暮れる Shanti 23:35 To Be Stars 塩谷 哲23:39 Two of Us Aimee Mann 23:43 Islands in the Stream Kenny Rogers 23:47 Reflections SALT 23:50 Change the World Eric Clapton 23:54 Christmas Moon 佐藤竹善
2014.10.01
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