柳の実、と思ってカメラを向けましたが、撮影しながら、柳絮
(りゅうじょ)
という言葉が思い浮かびました。柳絮と言えば春の季語。春になると綿毛の付いた柳の種・柳絮が舞うことから、春の季語となっている。してみれば、この夏の盛りに柳がこのような実を付ける筈もない。ひょっとして虫こぶかと帰宅してから調べてみると、果たしてその通りでありました。
シダレヤナギハオオコブフシという虫こぶだそうな。
もう少し近寄ってみるとこんな感じです。何れの虫こぶも葉の付け根に近い部分に出来ているが、実がこのようななり方をする筈もないことは見れば分かるというもの。
この虫こぶはコブハバチの一種という蜂の幼虫が中に1匹入っているそうですが、割って虫の平穏を脅かすのもいかがなものかと、その撮影はしませんでした。どうしても見たいというお方は下記<参考>のサイトに写真が掲載されていますのでご覧下さい。
<参考> 東京23区内の虫2-シダレヤナギハオオコブフシ
幼虫の写真は コチラ
成虫の写真は見当たりませんでした。
虫散歩と言うからには他の虫も何か掲載しなければ散歩にならない。
で、蜘蛛の巣を写真に撮りましたが、クモは何処にかクモ隠れ。
空き巣になっていました。こういう写真の撮り方は「空き巣狙い」ということになって、余りよろしくないのであります。上の虫こぶと言い、この蜘蛛の空き巣と言い、虫散歩にもかかわらず、虫そのものの姿が見えませぬ。と言うことで、虫の姿の写った写真はと探すとトンボのそれがありました。
蓮は極楽に咲く花。仏の座は蓮華というのが決まり。
先日はホトケノザの花にとまっているモンキチョウを写真に撮り、仏の座を狙う蝶、と駄洒落にしてみましたが、こちらのトンボも仏の座を狙っていると言えるかも知れません。このようなトンボは普通「極楽とんぼ」と呼ばれますが、そんな阿呆なことを言っているヤカモチの方が余程に極楽とんぼであるという説もあるそうな。
このトンボ、余程にこの蓮の蕾がお気に召したのか、カメラを近づけて警戒心から逃げ去ってもすぐにまた戻って来るのでありました。遂には完全にカメラ目線でポーズというシオカラトンボ君(オオシオカラトンボ君かも知れません。)であるのでした。何か言っているようなので聞いてみると、
ドウ トンボ
リに トンボ
おりませんか?という駄
洒落でした。
ドウ トンボ
リはとおりません、と答えて置きました。
蓮花 いまだ咲かぬか 塩辛に 似たるトンボの とまりたる見む (蜻蛉家持)
(本歌)ひさかたの 雨も降らぬか 蓮葉に たまれる水の 玉に似たる見む (右兵衛 万葉集巻16-3837)
(注)万葉では蓮は「はちす」(蜂巣)と言うので、上の蓮花は「はちすはな」、蓮葉は「はちすは」と読んで下さい。
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