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2023/11/29/水曜日/温かい初冬10月28から11月18日の3週間の間に、どうしたものか濱田庄司、河井寛次郎、柳宗悦の旧居を連続して訪ねた。日本民藝館以外はそこが第一の目的ではなく、付随しての見学だったが案外それら御三人の住まいが、心に沁み込むこと大だった。かつてそこに在り、その空気を動かし、影を刻んだ姿をぼんやり空想すると、気配はいよいよ濃密になる。その気配の色合いにも御三人の個性は立つ。▼濱田庄司旧居素晴らしい茅葺きの、堂々とした農家。心の故郷ともいえるような益子の風景と住まい。濱田庄司の、昨日は居たけど今日は留守、明日はどこなと出かけてます、の意の揮毫らしき一枚実は庵の奥深く、ひたすら土をこね土の声を聞いている気配濃厚だ。ここは土地の風景が格別素晴らしい。景色が魂を潤す。▼河井寛次郎旧居↑思索のためか、二畳の離れ田舎の好々爺、元先生の住まいのような風情がある。重さと軽さが同居している。ちょいと足を伸ばせば祇園、先斗町の町中に一つの宇宙がまろくある、という印象。禅問答のようなインスピレーションの書が多々。好きなのが、手霊足魂 の四字柳は紋様のための紋様を嫌ったそうだが、河井寛次郎は手を彫り、手を描いて紋様に昇華している。↑手の紋様。他にも関節毎に球に近いような作品もある。右は五世井上八千代氏の手。あ、河井寛次郎の手だ、と驚く。器の初源、掌。▼柳宗悦旧居↑日本民藝館玄関扉ガラス面に映る旧居2階豪農の長屋門は、栃木日光街道沿いにあったという。徳川家代々が目にもしたろう。同じ栃木でも濱田庄司の参考館辺りとは異なり、風格とか威厳が限りなく権力というものに近づいているような。そのあまりの重厚感は、瓦に用いられている大谷石が発する。しかしながら玄関土間にも大谷石が敷かれていて、頭の上と足の下が同素材というケレン味内部空間もその長屋門に同調するように重い。黒光りの木材は、長年囲炉裏で炙られた色であったとしても私には重か感じられる。ほっと息が漏れるのは民藝館玄関扉の白木の肌合い。その軽さと長年手に触られ練れた明るみ。畳面や障子、和紙、竹。できる限り素が、私には好ましい。柳宗悦旧居の、日本民藝館西館からの帰途、小さなギャラリーでレードルを求める。↑竹俣勇壱作/素材ステンレス型あり/仕上げコタタキ工業製品+手工芸 シン民藝?大皿の汁ものの取り分けに重宝している。
2023.11.29
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2023/11/25/土曜日/いきなり昨日の半分の気温11月2週目頃から取り組み始めたキットのヨークフォレストグリーンと命名されたメインカラーの糸が途中でぷっつり切れる災難に遭いながらもキャリーオン。襟周りで糸つぎしているので肌への触りがきになるけれど、襟は後で折り返す指定なので、まぁ何とかクリアするでしょう。21日火曜日 ここまで編み進み、大丈夫かフォレストグリーン。ああ、やっぱり。事故のようにぷっつりと。同じ位置で2回。糸が切れている。何か原因があると思われるB級糸かと思う。さすがに問題であろう。ここまで編むと愛着が湧いて、返品をする気にはなれないけれど事実をお伝えしよう、発行主体の株式会社ほぼ日さんにも価値ある情報と考えます。あー、アンゴラの毛が着ているものを色まぶししながら昨夜もがんばりましたー。ヨーク部分あと少し。↓先日京都街角のギャラリーで見たニット。お、ギャップ糸多色遣いの参考品となります。
2023.11.25
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2023/11/24/金曜日/インディアンサマー市比賣神社の真名井の水が、確かに携行ボトルに入っている先週金曜日。↑稲荷神社も同祀されている。お稲荷さんは秦氏の祖先を祀るとか。京都は古来秦氏の所領地朝は京都にいたのが夢幻の如く、午後は水道橋のお教室で、ニットを編んでいるのだった。本日のお題は、最新刊毛糸だまに案内されている、小さなレース編みのようなピースと、クロシェで星を編む、というもの。↓左は私の編んだもの短めに仕上げた。こんな小さなトライアルでも先生のようにクリアで目が揃うようには編めない。繰り返し編むのみ、である。ああ。お星さまも編み間違えて、小さなドワーフに変え。本日習ったモチーフをどんなふうに活かせるかな、わくわく(^^)
2023.11.24
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2023/11/23/木曜日/早朝の雨〈DATA〉著者 坂田和實 尾久彰三 山口信博発行所 新潮社とんぼの本2008年5月20日 発行〈私的読書メーター〉〈民藝館へ2度訪問の谷間で読む。「とんぼの本」って気楽なガイドブック、の印象だったがいやいや。どうしてどうして、予定調和なき坂田和實氏と尾久彰三氏とのやりとりの迫力に読む私も痛みを感じるほど。古道具坂田は閉店。遂に訪ねることができなかったがその道でつとに高名で彼の元から民藝が軽やかに広がったように感じられる。日本民藝館即ち柳のチョイスを坂田好みチョイスした品々を鼎談するのだが、鈴木大拙の名は出ずともやがてその思想に環流する。ように思う。千宗屋「民藝と茶の湯はある意味同じ問題を孕む仲の悪い兄弟」、包摂平和祈念〉柳宗悦の御伴侶が声楽家であったことが、柳宗悦の欠けたるところを補って余りあるように思った。即ち、ものの美は上々。その一方で音楽が日常に溢れていたこと。演奏されるその時のみに立ち現れ消える一回性の美、だ。しかも人間の声の。柳兼子さんは当時、声楽の神さまとまで称され、ドイツ留学の折のベルリンリサイタルも大好評を得たという、正真正銘の芸術のミューズだ。旧居の図面では、民藝館側に音楽室が大きく取られている。軍歌は強要されてもそれを拒み、柳宗悦と共に半島に渡り、日本の圧政を非難しながら当地の文化を守った。本書に寄って知ったが、空襲の火の手がすぐ先まで迫った時、オロオロする柳宗悦を横に建物に水を撒きかけ防災に奮闘したという。火の手は手前で奇跡的に消えた。後年、自宅と民藝館は米軍の攻撃対象外指定であったことを夫妻は知る。敗戦間も無い国破れた風景。亡失の男が幼い娘と二人で、導かれるようにこの無傷の建物を訪れた。建物に入ると娘は何故か赤とんぼを歌いだす。遅れてそれに合わせ美しい声で唱和する女性の声。それは兼子さんだったろう、という思い出がとてもうつくしい。兼子さんは経済的にも柳を支え、晩年まで一線で活躍した。柳宗悦の見る目は人間においてもかくも。彼女を主体にしたストーリーに出会いたいもの。
2023.11.23
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2023/11/22/水曜日/晩秋日和◼️手打ちそば 大川や★初訪問千代田区せいろ大盛り 1200円+カキ酢 880円お昼は2時半までとあるけれど、2時かラストオーダーらしく、2時前到着のぎりぎりセーフ。せいろの蕎麦は何gかと聞くと110gで大盛り150gとのこと。私の適量130〜140には帯に短し襷に…仕方ない。大盛り発注。「海老が売り切れましたが、牡蠣なら天ぷらできます」、の牡蠣に鋭く反応。今シーズン初めての牡蠣!やはり生で頂きたい。アルコール無しだけど酢牡蠣もお願いする。紅葉下ろしの赤、食用菊の黄色、ワカメの深緑アサツキの緑、器との彩りもよい。先付けの酢牡蠣が終わる頃に蕎麦新蕎麦の甘味、蕎麦のヌメリなども感じる。香りはそこまで来ないような?ツユ、私好みのカツオ強めで旨し。ただ山葵がもうちょっとほしかった、と伝えると「今年の天候で不作の山葵の高騰が」と申し訳なさそうに。ここの山葵はじんわり丁寧に下ろしていることがよく分かる。山葵と蕎麦の甘みの清涼感がたまらぬ。十割かと思いきや、二八とのこと。好い蕎麦屋さん。
2023.11.22
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2023/11/21/火曜日/穏やかな日和〈DATA〉 編者 河井寛次郎記念館発行所 講談社講談社カルチャーブックス1291998年10月5日 第一刷発行〈私的読書メーター〉〈耳目に届いていても実は何一つ知らなかった。そんな事ごとの山に分け入り、丹念に葉裏まで確かめながら何事かを感じ考え糧にして生きていく「暮らしが仕事」になればなぁ!天才寛次郎は、土を捏ねてもロクロ回しも釉薬研究、上手の中国、李朝の写しにも遺憾無く才能を発揮した。当時柳宗悦とは誌上議論がぶつかり不仲だった。京都疎開中の柳宅を訪ねようと後輩濱田庄司に促され、渋々の体で訪ねた先で柳の木喰仏に遭遇する。寛次郎の魂消た反応をみて一瞬の内に彼らは氷解する。晩年民藝のその先へ全く自由になる作品群は岡本太郎のエネルギーの如く〉同じ講談社の自然科学系ブルーバックスに対応するのか、人文系カルチャーブックス。シリーズ発刊の言葉は野間佐和子氏。「新しい時代において、私たちがなすべきことは、「物質文明」の追求ではなくて、「精神文化」の充実を図ることであり、国際化がますます進む現代社会において必要とされるのは、ビジネスのことだけではなく、自国、他国の文化を理解することです。…」経済大国も今は昔。インドや韓国にも抜かれそうな具合で、貧困層は3度のご飯が頂けない一方、世界二位の金持ち者数とか?ただし2021年の円レートらしいけれど。いつの間にか、ほんとに歪な国になったもんだ。「物質文明」はお金がなくちゃ対応不能でしょうが。「精神文化」ならいつでも対応可能。世界のトレンドに即しているなあ、わがニッポンあ、金持ちが世界二位ほどいるんだっけ。私とは縁もゆかりも無いからツイよその国のように思う。貧しいことは恥ずかしいことでは無い。恥ずかしいのは人間の品位を貶める行為だ。私の親はそのように子の成長を促したけれど、今になって周囲を見回すとそれは少数派だったかもしれない。バブル以降の世にあって、隔世の感がある価値観ではあるけれど、それが私の「美の標準」だ。たまにその標準を持ち合わせ生きる人を見つけてはとても嬉しく心が軽くなる。河井寛次郎もそのようなひとの一人と確信する。
2023.11.21
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2023/11/20/月曜日/晴れるらし弾丸京都の最大目的はこれ↓東京の予約は全て空振りですっかり諦めていたところに、京都公演を知る。冗談半分に申し込んだら、三つの内の一つが、なんと当選!行くしかない。芝居の日程だけは縦にも横にも動かせぬ〜翌日午後イチで水道橋に居なくてはならない。そんなこんなで弾丸旅芝居のはねた後のお楽しみ、前回外したおばんざい屋さんはその夜は急なお休み。当日行き当たりのめぼしいところは予約のみ。四条辺りはそんな風なのね、ふらりが楽しみなのに。高瀬川沿いに小さなおばんざい屋さんを見つけ落ち着く。静かなお店でお腹もほっこり。翌朝のお散歩でお水を頂きに円やかな美味しいお水をありがとうございます。緩急ありて車上のひとに。↓帰りの富士京都駅の周囲は何しろ大きなトランク、スーツケース組がごった返す熱気、東京駅では働く人7割目のわっしょい混雑に気も遠く。怒涛の人波に押され、水道橋駅。圧倒的若者群と共に吐き出され、よろよろと月イチのN先生クラスへそれでもの遅刻。レイディマクベスについてしばらく持ちこたえて味わいたい。
2023.11.20
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2023/11/19/日曜日/うららかな晴天↓作業場に続く庭に出る前に鏡が掛けてある。心遣いの。↓故郷有志のみなさんが贈った竣工祝いの球体石は寛次郎所望のカタチ↓素焼き窯の前に、元作業場の所にも小ぶりの椅子お国柄も素材も違うけれど調和している。↑左の室はロクロを引く部屋、右は土コネの間だったか。手前には素焼き窯が設置されている。↓素焼き窯↓この造形そのものが神聖だ。↓地域の工人と共有したという登窯↓後期作品群↓中期作品群↓初期作品群↑左下、最初期作品↓晩年の頃↓暮らしの中に戒をもつことの大切さ。ましょう、の繰り返しが柔らかくかつ鍛錬された意識を伝えます。↓またおこしやす。草花も作品も生き物もそのように私に語りかける。
2023.11.19
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2023/11/18/土曜日/風あるも晴れ金曜日の朝、東京目指す新幹線ひかり米原は曇り、千代田区は土砂降りの様子今回のタンカン京都 のツインピークスの一つ。それは 河井寛次郎記念館佇まいのその静かな表に、よもや急な休館ではなかろうかと恐る恐る重め格子戸を引く。あ、開いた。入れる。やれ嬉しや。↓吹き抜けの、炉のある応接の間には小さな家のような家具のツマ側に火伏せの神棚か?この吊り戸棚をもう少しゆっくり見てくればよかった。ここにも火伏せを祀る?方角は登窯ではなかろうか。屋根付き家具南面と囲炉裏↓囲炉裏の隅の意匠。火、の文字が見える。↓応接の間。三本脚の椅子と不思議なオブジェはストーブだろうか?↓ウスのイス階段家具の手摺り?握り玉↓2階階段ホール。どことなく日本民藝館のような↓卓のテクスチャー↓階段ホールの出窓風↓ホールにつながる、上座敷き。小上がり床になっている。素晴らしい母子像。寛次郎作と思われる。↓お琴が立て掛けてあったと思う。お嬢さんの部屋かしら、青のガラス花瓶蓋付き作品の配列↑手考足思
2023.11.18
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2023/11/17/金曜日/朝は小雨昨日出発の新横浜は良いお天気今回の京都弾丸一泊は、会員にはなったけれど一回しか使ってない大人の休日倶楽部を利用して、と思いきや。これは西方面にはご利益はさっぱり、だった。というか。2割お得で使えると宣伝の、新幹線はひかり、こだま。のぞみには適用されない。これならJR東海ネット早割がお得でした。反省。弾丸から濁点取ってタンカン、くらいの勢いで列車の人となる。まあ、行きも帰りも富士山ロケーションを考慮頂いたのでヨシとする。ここ最近新幹線から拝めなかった富士山がくっきりと。それから。伊吹山。ひょっとして違う?でも私はいつもこれを見るとあー伊吹山って思うのだ。間も無く琵琶湖の南端を過ぎ、トンネル出ると京都なの、である。京都弾丸の目的とは別に、せっかくだから先ず行こうと考えたのが、怪談和尚三木住職の蓮久寺。↓大宮通りの立体歩道橋から南以外を見回す。京都の良さは街中からも山が見えること。山の姿でオリエンテーションが認識しやすい。蓮久寺へは地下鉄五条駅を降りて15分ほど歩く。お寺のある通り入り口にはおや、三喜という名のお好み焼きやさんが。あらー本当にまっかな山門が。高名な花魁の寄贈と聞くけれど、さすがに歳月を経ています。↓なかなかお商売上手お守りが欲しくてやって来ましたが、とてもお忙しいらしく、土日以外はお守りも対応しないとはびっくりです。それでも近しい所にいらっしゃいます、大黒さま大雲住職の夢枕に何度も現れ、今日の盛運を授けたという。福々しいお姿でございます。お仲間も続々とお揃いで↓本堂は既に完成全体は年末までには完成らしい。おみくじを引きました。半吉(~_~;) 確かに。一見さんではお守りも頂けぬ京モードをしみじみ感じましてござります。滞在時間は短し、いそげや先に。角を回ればはや、住之江につきにけぇり〜街を歩けば神社仏閣に当たります。
2023.11.17
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2023/11/16/木曜日/朝は快晴蕎麦の実よしむら京都市中京区本日膳 1600円本日はぐーんと遠くまでやって来た。京都ならうどんでしょ、と言いたいところだけど京都でも旨い蕎麦やに当たりたい。一応評価を気にしてやって来たのが五条烏丸のよしむらさん。あー、お店が見えたあたりから観光客向けなのかなぁ、と引いてしまうがとにかく食べてみるまでは結論は出せない。京都はちょー少ないお馴染みさんとその他観光客で回ってるところだしねえ。お店の前にはここで並び待ちください、みたいな指示があったのだけれど、お昼前はその姿もなくすんなり入れる。メニューから本日膳を選択、お蕎麦を十割にしてもらう。お蕎麦は常陸秋蕎麦とのこと。わざわざ沖縄のお塩も添えてサービス。ありがとう意外なことに京都弁が周囲から聞こえる、ということは在住の方も結構ランチしに来ているのかな?十割蕎麦そのものは美味しく頂きましたが、温かいとろみ蕎麦がダメ。蕎麦そのものの美味しさが生きない感じ、、あと、木葉丼てずっと油揚げとネギかと思っていたが当店では卵とかまぼこでした。お漬物はとても美味しい。一階に降りてお勘定する頃には観光客らしき集団がわっさと混み合っていた。↓ここもチェックしてたのだけど、ここまで到達する前に空腹に(~_~;)
2023.11.16
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2023/11/15/水曜日/最高気温14°曇天浅草橋界隈は旨い蕎麦やが分散している。張り切ってさかき にやって来たが、水木休店(T-T)でも 分散の土地の良さ。他にも寄りたいところあり。手打ちそばと海鮮と鴨 和仁 浅草橋店★初訪問ランチセット 十割蕎麦+天丼¥1400↓店名が長い。そうそう、和仁で良くない?蕎麦やを訪ね、歩き回り空腹で、天丼によろめく。入り口に 新蕎麦 の貼り紙の白さが嬉しいねぇお蕎麦を十割に指定しても値段がそのまま1400円。デザートも付いて。お香こ以外の一品も付いて!ありがたい。肝心のお蕎麦も甘味が強く香る。コシが強く咬みごたえ十分。天つゆは濃いめ甘口、海老がぷるる。イカに茄子、さつま芋。ごはん粒はしっかり。蕎麦のつゆはカツオがやや負け?昆布勝ちかな。江戸らしい濃さ。次回は粗挽き蕎麦食べようかな。でもその日によって支度がない時もあるみたい。ご馳走様でした!↓ああ新蕎麦
2023.11.15
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2023/11/14/火曜日/小春日和↓10月末に届いた手編みキット mizudoriお高いので躊躇しつつも、自分へのクリスマスプレゼントなんぞと弁解を重ねて発注した。しばらく7号とか8号で編んでいたので、細い針はもはや懐かしささえ感じるこの頃。アルバイト仕事は決算の山場を越えて、心底ほっと緩む。さあ、新しく取組むときが来たとばかり気分も上向く。ゲージを取らずにダイビングしてしまった首周り。え!メインの緑の糸が途中でぷつりと切れているではないか。仕方ない。糸を継ぎ足して編み、目数を再確認。あーあ、四目多いではないか、解き編み直し。まあ、糸切れ無しで首周りは編みたいしねえ。↓糸切れの地点でまでを残しておく。再度の作り目はレシピ通り、ごく一般的なロングテイルにした。一目ゴム編みのキャストオンは数え間違いが多く、目数の多い時は苦行ではある。ところが糸切れは尚も続く。襟の一目ゴム編みの仕上げまでに3回糸切れが発生。これは返品すべきかと悩む。しかも指定の段数に達していないのに、指定の3センチを超えている!模様のヨーク部分は2号針指定だが、1号針をキープオンした。悩みつつも気持ち緩めで編み進める。金額2万円越え!のキットの場合は、今後はできるだけ対面で買うことにしたい、と思った。どうぞこれ以上、糸ぷっつんがありませんように。昔から思ってたんだけど。イトイシゲサトって何となく胡散臭い。林真理子と同じ体臭がある気がして苦手。あくまでも三國さんに半目は向かないアタシ。手を動かすヒトを最後まで信用する。ので、まあ己が不運をかこつ。のだ。それでも編み物は楽しい!しあわせ。
2023.11.14
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2023/11/13/月曜日/何故なの?急な寒さまだまだどっさりとあります、草木染めギャップ糸こと G Gヤーンこの糸の手触りと色味は、前々より思っていたけどサイチカさんのカケラというリストウォーマーは、実はよく映える。サイチカさんは縄文土器のカケラをイメージしたという。うん、この糸は縄文に反応したのだろう。緩めツイードジャケット、できれば手縫い。みたいな袖口から出してみたいなぁ。↓スタディC一目ゴム編み のよじれ変形の自由律がこの糸の大らかさに似合う。ハタ。と考える。これだけを単体で着用すると、目立ちすぎないか。この糸は目立ちたくないのだ。応用してスヌードか、話題の首だけセーター?みたいなものを遊び編みしてみる。↓適当に山を拵える。うむむむ。あと少しというところで糸が足りずに、やや濃い目を足して裾を編み、閉じた。↓着用してみる。ジャケットの下でいいかも。スタディD↑ツギハギみたいなカウル風オリジナルなので名前をつける。「行きあたりばったり」再現性なし。で、持って無いんです。緩めツイード、手縫い。みたいなふっくらしたジャケット。落ちてないかなぁ、何処かに。落ちているものはどんぐり。↓スタディE↑残り糸でどんぐり編んだ。ravelry にレシピが落ちていた。糸はともかく、この色は、自然の形象=事物=どんぐり、を編むのにはとても相応しい。皿は言問団子屋で昔使われていた団子皿のB級品と思う。三浦乾也ものが欲しかったのだが。右、5号針。左、2号針。スタフにする端糸も増えたので、丁度好い。待ちぼうけのウサギにならないよう、せっせと探求してみるかな?緩めツイードの手縫い風ヂャケッツ、柳や吉田が着てたような。↑『日本民藝館へ行こう』から
2023.11.13
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2023/11/11/土曜日/めっきり晩秋先週連休の好いお天気に誘われて、駒場公園の前田侯爵邸を見学した。文化の日の催しウィークとかで、フリーガイドが設置され参加してみることに。ツアーは小一時間。長いと躊躇したが、それでも早足巡りだった。見るべきものが豊富だ。↓東門の方からアプローチした風景前田侯爵邸は第16代当主、前田利為トシナリその人の時、竣工した。本郷の土地をT大に譲渡した代替地に、侯爵が望んで駒場の土地、当時3万坪だかを入手し、等価交換でお屋敷も構えたらしい。↓玄関ホール侯爵は英国留学や大使付き武官としての赴任の経験で英国式のカントリーハウスへの愛着があり、駒場の風景はそれを思い出させたらしい。 ↓広々とした芝生の裏庭からはお屋敷も小ぶりに見える。因みに、現代当主はこの11月に前田利宜トシタカ氏が19代になったらしい。ガイドツアーならではのタイムリーな話題も。トシタカ氏は京都でコーヒー屋になった云々を聞いて検索すると、なんとまぁ。「京都の朝はイノダから」の、イノダコーヒーの代表になられたのだった。 慶喜公もすなる珈琲を加賀の殿さま末裔も?そういえばツレの従兄弟も東京在住で京都にコーヒー屋を持ったとか。末裔から庶民までなんかいいらしい、京都でそれは。↓バルコニーに設けられた水鉢。家紋?玄関ホールを入ると素晴らしい階段が左側にある。階段下の空間がイングルヌックになっている。当時からイングルヌックの名で呼んだのだろうか。それは英国ではなく北欧のものだから。昔、とある方のアトリエをデザインしたことがある。その方は北欧暮らしが長く、イングルヌックを所望されたのだった。イングルヌックとは何ぞや、調べるにも資料の乏しい時代だった。今は何と便利なことだろう。前田邸の1階は来客に接する、或いはもてなすためのオフィシャルな空間。各部屋やコーナーに相応しい暖炉が設置されてはいるが、実はセントラルヒーティング方式なので、それらはお飾り、というのはいかが。↓こちらは温風吹き出し口?どことなく北欧の住宅で見かけるような。ハマスホイの絵とか。一つの暖炉で隣接する部屋も暖める、例の方式に用いるものに似ている。↓吹き抜けのホールはかなり寒かったようで、このイングルヌックは温熱が留まり愛されたとか。本物の火が見えたらどんなにかよかっただろうに。2階はプライベートと使用人の空間。女中も金沢辺りのしかるべく筋の娘さんらが、行儀作法の学びを兼ねて集められた。かつての江戸屋敷スタイルが踏襲されたのだろう。地階は厨房や機械室3階にはランドリーが。長女の酒井美意子さんら子ども室も当時に近い姿で見られるが、当初の用意は美意子さんだけだった。図らずも子福が得られ、談話室とか図書室など別用途の部屋が順次子ども室に変えられたという。このお屋敷で最も麗しいのが夫人室見た瞬間に好みのレベルを超えて、その優雅さにため息がもれる。当時の家具は殆ど残ってないらしいが、この部屋の壁紙、カーペットは当時を再現した。お屋敷の中で最上の場所に最上の意匠と品質を、建築評議会の最中に侯爵が指示したのかしら。この部屋の主人は侯爵後妻の酒井菊子さま。久邇宮朝融王婚約破棄事件の方故に、侯爵がいかにも丁重にお迎えしたのであろうか。或いは加賀百万石の名にし負わば。酒井美意子さんの思い出には、母はベッドに入るまで靴を脱がないで暮らした、とあるそうな。うむ。庶民とはチガウ。菊子さま、侯爵より長身であらせられる。それにヒールともなると、いかにも女主人。寄木の床と絨毯に段差のない工夫。これなど、当初からオーダーメード以外の選択肢は無いという発想↓夫人室は衣裳部屋や談話室も伴ったという、侯爵も及ばない待遇。その談話室で妻子は多く過ごし、朝の食事も摂った。↓夫人室からダイレクトにつながった主寝室。珍しく家具がかなり残っている。寝台は英国だかフランスだかで作らせた。枕元に懐刀を置くためのニッチが設けられている。うむ。庶民とチガウ。↓こちらは侯爵の書斎だったか、親しい人を招く部屋だったか。夫人室隣接。簡素ながらも風格のあるデザイン。執事は近い部屋に控える。うむ。庶民とはチガウ。一切の和モード無し、純然たる洋館は、しかし日本式住宅、和館と長い廊下で繋がっている。渡り廊下の建築も洋から和へ、違和感なく繋げるため仕上げで変化させる工夫が洋館窓から覗ける。↓大広間のクリスタルカットされた窓ガラスは、広い庭からの陽光を虹色に部屋に落とす。建築にあたり評議会が持たれ、当時の最高水準のチームが内外の美と機能を入念に研究し、打合せを重ね、竹中工務店によって建造された。設計は学士会館やライト後の帝国ホテル設計の高橋貞太郎前田家が建て、資本家が買い、進駐軍に接収され、やがて目黒区の公共財産になった。建物は時代時代の権力や財力へ振れながら、今現在はコモンへと移った。百年に満たない歳月でさえ、生者必滅会者常離だ。↓分かり辛いが、大理石甲板に閉じ込められ、スライスされたアンモナイトが上中に。屋敷で繰り広げられた晩餐会や夜会に現れては消える登場者を見ていたのは、このアンモナイトかも↓日本家屋の玄関アプローチ。昭和初めの職人たちはこちら側の普請では、何となし呼吸がしやすく手業した、ような印象をもつ。和館内部も次回はガイドツアーで見学したい。↓駒場公園入り口も重厚感がある。ここも加賀藩藩主、前田侯爵の敷地だった。文学館までは寄れなかったが、そこは当時、温室と厩舎があったそうな。まさにカントリーハウスかマナハウスだ。当主は46歳で、太平洋戦争時に南洋に向かう飛行機の事故で亡くなった。これを戦死とするか事故死とするかで残された遺族の立場が大きく異なる。事故死を主張したのは東條英機だった。陸軍大学校首席卒の前田利為と東條英機は同期とはいえ、東條は4年も遅れて卒業した挙句、何の成行か陸軍大将のまま総理大臣になった。東條は嫉妬深い性格で、人事権を得るや対象人物を隔離、危険な任務に当たらせたという。家柄も知性も品位も敵わない利為にも勝手に恨みを募らせた。男どもの嫉妬恐るべし。政治家を希望していたという前田利為が東條と入れ替わっていたならば、日本は異なる敗戦と戦後だったろう。悪貨良貨を駆逐する悪いものが悪いものを呼んでやがて国破れ。今この時どこかで生じているバオバブの弊害を、目を凝らして摘み取らねばならない。星の王子さまのように。
2023.11.11
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2023/11/10/金曜日/いきなり最高気温17°草木染めギャップ糸。長たらしいので、G Gヤーン。と呼ぶ。この魅力をなんとか引き出せないかと9月以来の夜なべ継続中→電車で爆睡。↑スタディA媒染に工夫すれば様々な色が出せるのだろうが、それらを用いない私の経験では、草花は淡い黄色に染まる。同じ鍋で同じ時間煮詰めても色合いが微妙に異なるのは面白い。しかし、この G Gヤーン様は、何度トライしてもフェルト化が難しい羊毛だ。フェルトにするには確かランビエがよいと記憶する。ランビエは割とボソボソとした手触りで、この糸も近いように感じたのだけど。フェルト化が難しいので、袋物はダメかしらん。とりあえず、今度は同じボーダーでも、ぐるっと輪編みしてみる。↓スタディB、である。裏側は段増しをしてこんな感じ。糸のよりがすごく異なるために、自然とドレープみたいなうねりが。ヨークの編みはじめ部分は糸が細い。うーん、色はソフトだけど個性的なガンコちゃん水通し、平干し。ややうねりが落ち着いたかも。水マジックであります。↓スタディBスタディBは丸洗いや石鹸熱湯茹でをしていない。 G Gヤーンは何になりたいのか。どうなるのが自分に相応しいと思っているのか。模索は続くが。そろそろ細い糸でしんみり編みたくなっちゃったなぁ。↓秋バラも初夏のバラとは違う。どこかひっそりしている
2023.11.10
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2023/11/09/木曜日/秋らしくも立冬〈DATA〉 著者 里文出版編平成二十三年二月二日 発行〈私的読書メーター〉〈「民芸の100年展」以来、モノ、特に家屋や里山を歩き見る事が俄然増した。鄙びた里山歩きの参考になるかしらと手にした本書。6組の対談集なのだが、どなたがコーディネートしたのか登壇者の振れ幅が凄い。志村ふくみ×近藤高弘、岡村美穂子×千宗屋の対談からは柳宗悦と鈴木大拙、民藝がまるで今ここにある生々しさと迫力がある。柳から破門された志村の、対談の末に現れることば。原点への創発というか、常に初に生まれ変わり続けることで自分自身であり続ける様、人間存在の極意を見る思い。大拙の秘書を長く務めた岡村さんがまた素晴らしい。〉▲濱田琢司×久野恵一 ー本来「民藝」というのはスピリットだと思うんですが、その部分が伝わらなくて、表面的なスタイルだけが伝わっているのではないでしょうか。久野恵一さん 私の好きな民藝小鹿田焼 飴釉打刷毛目大皿濱田琢司さん 私の好きな民藝河井寛次郎記念館 臼のテーブル▲尾久彰三×豊島愛子・鄭玲姫小谷伊太郎さんはご存知ですか?素敵なかたで、艶福家で、自前で遊んだかたですからモテたんです。尾久彰三さん 私の好きな民藝革製水注 イギリス 18世紀豊島愛子さん 私の好きな民藝鉄製の燭台▲志村ふくみ×近藤高弘ひょっとしたら、柳先生が民藝を発見されたときから、民藝は民藝じゃなくなってしまってるのかもしれない。「糸である、繭である、植物である」.こういうところに視点をもっていかなければ、できあがったものを見せても、着られもしない高い着物、そんなもの見せて何になろうかというところに、内藤礼さんの展覧会で気づかされたんです。志村ふくみさん 私の好きな民藝飛天(梵鐘) 慶州泰徳寺近藤高弘 私の好きな民藝鋳鐘窯 河井寛次郎記念館▲千宗屋×岡村美穂子ふだんの柳先生は身体から感じられるものは、一言でいうならば、「孤ボウ庵の井戸茶碗」ですね。お点前をしたりするのは「和敬清寂」の「寂」を自由に動かすためのお稽古である、という「寂」の解釈がいいなあと思います。「生死」も相対の次元を指す言葉ですから、「生きながら死人となりてなり果てて、思いのままにする技ぞよし」という至道無難禅師の偈があります。 つまり自由になるということは、一度生きながら死ぬことにある。いっぺん死んで生きるというのが、利休さんにもあったのではないでしょうか。美しさの基準がどこにあるのかを知る必要があります。柳先生は、民藝は「自由」と「安らぎ」の作であって「無心」である「無有好守醜」の境地から生み出されているからです、とおっしゃった。人もものも救われないと「用の美」ではないわけです。ー柳が禅宗から浄土真宗に行ったのは、転機になる何か決定的なことがあったんでしょうか。禅も真宗も何も釈尊の教えですのでもとより相違はないのです。柳先生は恐らく『大無量寿経』に書かれている四十八願のうち、第四番目の願文にいたく感動されたのだと思います。「無有好醜」の願ともいいます。…何れの願文も相対の次元を超えることを約束されることにあるのです。上下、左右、高低、遠近、善悪、好醜などなど。その次元を超えることを仏教では物事がまだ分かれていない「大本」「本来」を確認することにあるのです。分かれるということは分かれていない「本」がある。柳先生はきっと、美とか醜とかが未だ分かれない大本を指して、計らいのない無作為の世界に民藝を見ることができたのだと思います。人間から手仕事を奪うと必ず心の病に悩まされます。健康であることは「手と頭と心のバランス」だとバーナード・リーチ先生はよくおっしゃっていました。それはまさに民藝の本質でもありますし、宗教もまた同じでしょう。千宗屋さん 私の好きな民藝絵唐津秋草文壺岡村美穂子さん 私の好きな民藝柳宗悦「無有好醜」▲星野若菜/五十嵐恵美×田中敦子やっぱりつくっている人も楽しくないとダメなんじゃないでしょうか。工程に関わる全部の人、買う人も、使う人も、つくる人も、私たちもみんなが幸せでないといけない。幸せな気持ちから生まれる心地よさはものに現れると思います。星野若菜/五十嵐恵美 私の好きな民藝足立茂久商店のわっぱセイロ田中敦子さん 私の好きな民藝豊岡杞柳の飯行李▲馬場浩史×テリー・エリス/北村恵子今回は「民藝に未来はあるか」というのがテーマだけど、むしろ未来が民藝的な世界観を必要としてるんじゃないか、と思っているのです。馬場浩史さん 私の好きな民藝藁作りの神馬テリー・エリス/北村恵子さん 私の好きな民藝ゆしびん 上江洲茂雄
2023.11.09
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2023/11/08/水曜日/立冬小田急東北沢駅から徒歩13分くらい。民藝館入り口の建具が素晴らしい。民藝館の全ての中で、私にとってはこれが一番と言えるかもしれない。面の取り方が丸く柔らかで、訪問者を招き入れる気持ちが伝わる。↓当日の展示11/23まで中は撮影禁止、一箇所だけ撮影可能な場所があったが、そもそも柳宗悦の尽力で建てられた館。写真など撮って、余計な知識など蓄えて何するものぞ、ということか。直観の力で見よしかし若い見学者は何と館内で動画を撮っているではないか。びっくり。禁止されてるみたいよ、とは伝えてみた。見学者の多さにも驚く。こんな辛気臭い?所に大勢、若い方や海外の方も集まって来るって、何が起きているのか。井戸茶碗と椅子、アイヌのタバコ入れ、キセル立て、刺繍、古い椅子などが目を引く。↓撮影許可のあったもの。これでは何とも。↓柳宗悦の旧宅、長屋門は栃木からの移築。西館これが柳宗悦の嗜好する住宅建築モデルだとしたら、重い。風格があるがちょっと厳つい。日本民藝館はこの意匠に合わせ、柳宗悦がデザインしたもの。西館の方の見学は第2と第3の水、土曜柳宗悦が没するまでここで暮らしたという。内部空間はどうか。次はこちらも訪ねたい。しかし次の展示の入れ替えの際には長期間閉館するらしく、ぶらり派の私もさすがに自分に注意を促したい。↓パンフレットとショップで買ったもの柳宗悦の書いたものと柳宗悦について書かれた最新研究の新書。鶴見俊輔が著したものとで悩んだが、中見真理氏の小文を先日読んでとても共感したので。民藝バックナンバーは吉田璋也の名を認めて帰途、先に気になったパン屋さんにてバゲット他も買う。
2023.11.08
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2023/11/07/火曜日/最後の夏日かな❶ 路庵世田谷区せいろ合鴨丼セット 1200円このお店はお昼3時まで開いているのが有難い。駒場公園から怒涛の歩きで2時半に入店。え、それでも先客2名待ち。前回訪問はお昼時。酷暑の中1時間ばかり並んだのだった。下北沢が最寄りの駅で、また来ようと思える蕎麦屋さん。蕎麦は玄蕎麦、十割オネギは九条か?これが残念。今日は空腹過ぎて小丼を付ける。満腹、お漬物も美味しい。
2023.11.07
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2023/11/06/月曜日/朝のうち雨↓新幹線移動中に読み終える〈DATA〉 NHK美の壺制作班2009年5月30日 第1刷発行〈私的読書メーター〉〈偶に見るこの番組、これは見逃していた。書物で読めるのは幸い。本書でも指摘があるけれど、柳宗悦が果たした「用の美」の着眼は、それまでの美への考えを反転させ、新たな気づきを日本人の感受性に与えた点で千利休に匹敵すると思う。豪華絢爛ではない侘び寂びに、ときの権力に抵抗する千利休。日韓併合の、国も民もこぞって雪崩れた時代に朝鮮の素朴な、無心の工人の手業に驚嘆し、当地に関心を寄せ芸術の尊敬の念を醸した柳。そんな背景が短い文章にしっかり記述されている。ブレイクから入り木喰上人、他力へ至る柳の柔らかい微笑が好い。〉益子の一日訪問の移動には新幹線に3回乗る。その間、どうせ風景は楽しめないから、軽く薄い本を探していたら、丁度こんな本に遭遇はあ、東北大震災前に放送、上梓されていたんだ。番組の構成に沿った編集壱のツボ てらいが無いから美しい弍のツボ 自然の意志を感じよ参のツボ 使い込むほど美しい浅川兄弟が挨拶がわりに持参した李朝の小壷冊子白樺に、後期印象派の作品論文などを20歳そこそこで載せていた柳宗悦。私の記憶では、彫刻をする浅川兄が、柳宗悦がロダン作品を有しており、それを見せて貰うために訪ねたのだった。ところが、李朝の工芸品を愛する浅川兄弟の手土産に柳は打たれる。その刹那、民藝運動が始まった。それまで生活雑器であったものが一変する。見るものをして「これは美しい」と承認させるパラダイムシフトがおきたのだ。柳が美しいというまで、それはただの古臭いやぼったい下手物に過ぎなかった。それまでの詫びや寂びの中に美を研ぎ澄ました日本的感性に、更に民衆の中にその創造者を発見した、という点で柳は偉大な思想家とも思う。達人のことば、という本書の結びに日本民藝館学芸部長、杉山喬司氏の一文がある。そこに引用された『柳宗悦 時代と思想』(中見真理著 東京大学出版会) に心惹かれた。「柳宗悦の生涯を貫く問題意識の核心に、『複合の美』の思想があることを指摘している。そしてこの思想は強者の力によって世界が一色になることに抗い、大小の草花が共生する自然界のような『複合の美』の世界を、非軍事的方法によって作り上げていくこと」を希求するもので、これは近代日本人が持ち得た内発的で良質な平和論の一つであると高く評価している。と記される。巨大なプラットフォーマー、或いは超監視国家によって知らず自分の思考も感受性も一色に染められかねない現代である。私もまた『複合の美』の端で、糸を染めたり編んだりしながら、よく知る顔の他者に身に付けてもらえるような努力を重ねたい。いや、全然見知らない人のためにもいつかおくりものとして届けたい。
2023.11.06
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2023/11/05/日曜日/ほぼ晴れ前夜は高崎の娘夫婦宅でお泊まり。本日は、その夫婦がそれぞれの両親を積善館にご招待くださる!とのこと。ありがたやー10/28 四万温泉は紅葉が始まっていた。↑紅荘で鰻重ランチお蕎麦を所望したのだけれど、12時で既にお蕎麦売り切れ、もう一軒の蕎麦屋には数人が並び待ち。なのに何故か6名が待たずに、いつも人気らしい紅荘に入れた奇跡を皆で喜ぶ。四万川を眺めながら、満腹の面々はチェックインタイムまで、小さな温泉街を散策。↑この店主の会話が面白過ぎた。あとで食べようと戻ってくるともう店じまい。↑少し塩味が混ざるお味。ミネラル豊富な印象↑四万川に降りてみる↑↑積善館上にある温泉宿たむら。ここにも温泉を飲むスポットあり。↓たむら の歴史古い地味な温泉地ではあるけれど、歴史は古い。3時には少し早いけれど伺うと受け入れてもらえる。混む前に取り急ぎ温泉へ。宿は山に沿って三層の造り。一番上が一番新しく温泉設備も整う。ここに露天風呂あり。二層目には家族風呂。他に岩風呂があったようだけれど今は使われてない?お次は目当ての大正風呂。ここは温泉目当ての日帰り客も利用できる。↑風呂場左の小さなにじり口は温泉蒸気を利用した蒸し風呂サウナ。しゃがんで入る。1.2mも無いような低さと暗さ、湿度と生暖かさに母胎回帰願望ある向きは癒される。閉所恐怖症の人にはホラーか。この時間に入れたので温泉独占!夕飯を頂き、夜のライトアップを楽しむ。宿を背中にすれば叢雲に月。みるみるぽっかり丸明かりの、月と宿の饗宴床に就く前に再び湯に浸かる。私の部屋から三層上の露天風呂へは複雑な迷路を辿る。これが面白い。↓千と千尋のモデルと言われる温泉宿本家らしく。↓宿の中は改装を重ねている様子。あちこちに休憩室やコーナーも配置されている。泉質が柔らかく透明、匂いは少し感じることもあったけれど、ほぼ無臭。湯上がり、肌しっとりを実感する。女性に抜群の人気を誇るというのもよく分かる。目覚めの一浸かり、極楽はあ〜婿殿、娘よありがとう。夫は次は草津だーとのたまう。
2023.11.05
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2023/11/04/土曜日/昨日のように晴れ↓婿殿用サイズで編むと、ベストでも糸が足りない、草木染めの手紡ぎ糸が5kgはある。微妙に異なるけれど同じ草木仲間。媒染で引き出される色々はペンタトニック。そこに不協和音はない。それで。同じ太さの糸を混ぜて試作してみる。↑ボーダー、ドルマン、七部袖のイメージのプルオーバーは、女性M寸法もしも娘がこれを気に入れば、クリスマスプレゼントにしようかな。旦那さんのベストと微妙なハーモニーペアになるだろう、不協無しの♬↓編み終わり、水通し、石鹸ゴシゴシで縮毛させて平干し。しかし、この羊毛の特性か、或いは染色の湯通しゆえか、殆ど縮毛せず。↓編み地はこんなに元気である。10日余り放置して、本日↑石鹸粉を入れた大鍋で、5分ばかりセーターを茹でる。↓軽め脱水して、再び平干し。前後計測してない!が、印象としては2.3%ほどは縮んだかな?↓それでもフェルト化は殆ど起きていない。このまま5日くらい平干しさせてみよう。洗濯機で丸洗いできるよ!何なら乾燥までOKなセーターだよーと伝えれば娘、感涙かも?↓庭のデッキの鉢で水を飲む山鳩の番のように仲良しでね
2023.11.04
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2023/11/03/金曜日/文化の日、晴れ美術館を出ると、あの雷雨は夢だったろうか、な秋晴れだ。坂の途中の新しい家もスマートだなぁ日常使いの器にも真剣に向かう環境があれば、自ずと住まいも身につけるものも佇まいも底上げされるんだろう。それが文化の底力。↓釜にも暖炉にも応分に薪は必要↓道の左右は陶器屋さんが並ぶ。電信柱が無いのがよい。↓来週の陶器市を待つ姿↓ちょっといい感じのお店で、焼き物買うか迷い、タオルを買う?アテクシ。↓お店かとおもたれば、一般住宅↓陶古というギャラリー、ショップ。建物が素晴らしい。お安いものもあります。↓交差点渡り、振り替えって気づく。なんだなんだ⁈どうやら藍染めの高名な工房らしい。↓茶まんじゅう他買う。↓これ、実は長屋門。おされなカフェとかお店が。↓民芸店ましこここでは濱田窯の焼き物も扱う。あれこれ、じっくり眺めているとお茶が出てきた!↑うつくしい茶の心。結局、今晩お世話になる娘夫婦のお土産にスリップ皿を一つ求める。↓おお。駅に向かう道すがら、アンティークショップを見つけてワクワク覗いてみると、ほぼブティックだった。古い家屋が残っている山里の町はいい。夕焼けに送られて益子の満月に照らされて真岡鉄道の車両に乗って高崎に向かう。すなわち小山から大宮、大宮から高崎へ新幹線乗り継ぎという旅路。↑濱田庄司参考館にあったスタンプ。昨日在庵今日不在明日他行まるで私のごとし。
2023.11.03
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2023/11/02/木曜日/日中は暑くなるらし旅は道連れカゴ。旧濱田庄司邸を背景に、茅の輪くぐりのような。↓藁屋根の厚さ!きれいなケラバ。こんな美しい葺き方を初めて見た。↓お邪魔します。無料である。いつから土間に大谷石?うつくしい色とテクスチャーが年月を経た無垢板と清潔な障子紙に映える。建築関係の外国からの見学者だろうか、ため息混じりに眺め入っていた。濱田庄司は英国でも作陶をし、生活した。彼の芸術果実はとても日本的だが、普遍性の土台は頑丈だ。屋内は平家で、天井は二階家くらいの高さ。↓ステージはロクロを回す作業コーナーが3箇所ばかり。掘り炬燵形式でここに腰掛け作業する。外の光が手元を照らす塩梅になっている。作業コーナー上はロフトのような中二階。作業する場所は天井を低くし、土をこねることに没頭できる配慮が感じられる。無垢板の床が飴色に光を反射する。すぐ側に囲炉裏の火とヤカンの湯↓上画像の大甕。益子の海外交流事業で来日した韓国の作家が益子の登り窯で焼いた作品。見事にこの屋内に調和している。素朴で質実剛健な民家に、華奢で優美な欄間半衿の刺繍を見るようなあわいの繊細さ↓日本の伝統家屋の意匠は屋根にあり。↓参考館ショップで買ったポストカード濱田庄司の掌陶器市1週間前の益子は人も少なく、このタイミングで来てよかった。いつの間にやら晴れ上がる。↑108回を重ねたとはすごい。↓回廊ギャラリーを渡り、芹沢銈介展を見に行く静岡の芹沢銈介美術館にはぜひ行きたいとかねがね思いながら果たせていないのだけれどまさかの益子で 旅する染色家芹沢銈介展が。↑開館30周年記念 益子日帰り がデザインされた表紙↓この建物は今ひとつ感心しない。旅をよくした、民藝運動の芹沢銈介は訪ねた各地の風景、特に手仕事の工房のスケッチを数多く残し、中には手作りの絵本に仕立てたものもある。展示されていたましこひかへりは展覧会の主題。↑芭蕉布に芭蕉の型染め沖縄紅型や、釉薬の流れた甕の図案の着物、暖簾などグラン・パレでの展覧会出品作など展示フランスでの展示会は、あのバルテュスが芹沢作品を愛し、骨折りして開催にこぎつけたという。バルテュスは20世紀最後の巨匠と言われた画家。パリのレアールでの大回顧展を随分昔に見た。晩年スイスの山里で、スイスの古い民家シャーレに着物姿の節子夫人と隠遁暮らししたことに何となく作品との乖離を覚えたものだった。しかしその違和感が芹沢銈介展開催への、彼の奔走の事実を知り氷解したかも。↑このおおらかさと繊細な色調が好い。左は戦前に益子を訪れ、芹沢銈介がスケッチした濱田庄司の工房。右は先ほど訪れた際の画像。おや。同じアングルやなかとですか。軸組はさすがに変わらず、屋根葺材と外壁の仕上げが変わりました。絵の方に住みたくなりまする。↓焼き物展示会場入り口正面に島岡達三作品。↓今回気になった作家、加守田章二加守田章二(1933-1983)は大阪で生まれ、京都で陶芸を学び、益子で独立。遠野で生涯を終える。北上の人、である。受賞後毎に、その作風をがらりと変えた。入場券を買うと、喫茶百円引き券を頂き、見学後カフェにて休憩。ずらりと並んだ中から好みのカップを選べ、とのこと。お、陶芸美術館を謳うだけのことはあります。私のチョイスは岩下宗晶さんの、少し島岡ブルーぽいカップ。先が楽しみな作陶家さん。紅葉の始まり出した丘を下り、陶芸屋さんを冷やかしにそぞろ歩き開始。
2023.11.02
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2023/11/01/水曜日/蚊に刺される参考館を出ると雨は止んでいた。この界隈はいかにも里山の風景立派なお屋敷を構えた家が散見される。↓濱田庄司氏と縁のあるお宅のようだけど?↓その家の前に藁狩場と藁納屋?こんな風景を見ながら浮世をやり過ごせるのは羨ましい。大いに読書し、身体を遣い働く。夜は静かに考える。そんな暮らしが浮かぶ。道々発見の 仁平古家具店アケビのつるかしらん、平カゴを求める。そのカゴを片手にぶらぶらとお昼の蕎麦屋さんへ、更にとよだ民芸店へ戻る。↓あちゃー臨時休業↓益子で重要な陶工四大思えば夏に訪れた、韮崎の大村博士コレクションで島岡達三の作品に触れて、益子に行きたい気持ちになったのだった。道祖土 と書いて さやど と読む。この交差点奥に濱田庄司の工房、現在の参考館はある。地名を聞いて彼は好ましく思ったのではないだろうか。宇都宮からここまでのバス停が示す地名は、物語が聞こえるような響きと文字で印象深かった。地名が薬効をもたらすようなエッセイか紀行文か、梨木香歩で読んだように記憶する。やがて細い道に分け入り、坂を上ると旧濱田庄司邸と益子陶芸美術館のある丘に辿り着く。長屋門風の入り口。2階は敷地高低差を活かしたギャラリー兼回廊↓後日我が家に収まった平カゴ
2023.11.01
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