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カリフォルニアの砂漠に出来たパーム・スプリングス。砂漠をリゾート地に変えてしまうなんてアメリカはすごいなぁ。さて、この作品はパーム・スプリングで結婚式を挙げる新婦の友人であるブライドメイドの恋人が主人公。そして、新婦の姉が相手役となるラブ・コメ(?)というより、ドタバタな作品で、タイムループで眠るとその挙式当日の朝に舞い戻る繰り返し、繰り返し、繰り返しの連続。恋人のブライドメイドに浮気された男に同情したことから抜き差しならぬ関係になり洞窟でタイムループに巻き込まれてしまう。そのことを知った彼女(姉)がタイムループから脱却し、元の世界へ戻ろうとあくせくし、タイムループに身を任せていた男も引き連れ奮闘する。はたして、抜け出すことが出来るのだろうか…。あまりに退屈で二三度、寝落ちしそうになった。私には合わない作品だったなぁ。2020年/アメリカ・香港/90分/PG12監督:マックス・バーバコウ脚本:アンディ。シアラ出演:ピーター・ギャラガー、J・K・シモンズ、メレディス・ハグナー、カミラ・メンデス、タイラー・ホークリン原題:Palm Springs(「パーム・スプリングス」)お薦め度「パーム・スプリングス」★★☆(50%)字幕翻訳:
2021.08.12
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これは、パラレルワールド?唐突な出会いから気を失って恋に落ちて…どんどん進む年月。成功者となった生活で相手が見えなくなっていた。と突然。妻がいない。親友だけは知っているが、あとは知らない人ばかり。???どんな世界?別世界…。設定は気に入らないが、空気感がいい。言葉にしなくても映像で伝わる感情、想い。こうなってしまったからにはそうするしかないのか。でもそれも当然というか自然というか、あまのじゃく的ふるまいもわかる。失ってわかる痛み、想い。”10年前に出会いたかった”ラスト、感動した。2019年/フランス・ベルギー/118分/G監督:ユーゴ・ジェラン原案:ユーゴ・ジェラン脚本:ユーゴ・ジェラン、イゴール・ゴーツマン、バンジャマン・バラン出演:フランソワ・シビル、ジョセフィーヌ・ジャビ、バジャマン・ラベルネ、エディス・スコブ、アマウリー・ド・クレエンクール原題:Mon inconnue(「僕の知らない人」)お薦め度「ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから」★★★★(80%)字幕翻訳:
2021.08.12
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さすがディズニー映画だ。楽しめる作品になっている。ディズニー・ランドのアトラクションのネタバレの要素も含みながら、永遠の命を手に入れるべく”奇跡の花”を求めアマゾンのジャングル奥深く分け入っていく冒険譚。主役はザ・ロックのリングネームで有名となったプロレス出身のドウェイン・ジョンソン。「ハムナプトラ2 黄金のピラミッド」で俳優デビューして注目され、同作で演じたスコーピオン・キングを主役にした「スコーピオン・キング」で主演。「ワイルド・スピード MEGA MAX」以降、同シリーズに参加。アクション大作「スカイスクレイパー」や実話が元の「ファイティング・ファミリー」など見ごたえ充分、感動作にも出演しているスターだ。「ジャングル・クルーズ」では船長を演じている。相手役は「メリー・ポピンズ リターンズ」が大注目されたエミリー・ブラント。「クワイエット・プレイス」「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」で注目されている。大画面スクリーンで映画を見る楽しさ、嬉しさを感じつつ、丁々発止のアクションや言葉の応酬。小気味いい展開とネタのある策略。愛と冒険のクライマックスを楽しめた。2021年/アメリカ/127分/G監督:ジャウム・コレット=セラ原案:ジョン・ノービル、ジョシュ・ゴールドスタイン、グレン・フィカーラ、ジョン・レクア脚本:マイケル・グリーン、グレン・フィカーラ、ジョン・レクア出演:ドウェイン・ジョンソン、エミリー・ブラント、エドガー・ラミレス、ジャック・ホワイトホール、ジェシー・プレモンス、ポール・ジアマッティ原題:Jungle Cruise(「ジャングル巡航」)お薦め度「ジャングル・クルーズ」★★★★(80%)字幕翻訳:風間綾平
2021.08.09
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唐人街探偵シリーズ第三弾。東京が舞台となった作品だ。これまでの2作を知らないので、冒頭にダイジェストで教えてくれる。親切~。中国で大ヒットした作品だし、妻夫木聡が出ているので見に行ったけれど、私には合わなかった。フランスで大ヒットしたあ「シティハンターTHE MOVIE 史上最香のミッション」を見たときも、あまりピンとこなかったけれど、その物語の世界を知らないと楽しめないようだ。中国の懐メロ、日本や欧米の懐かしいメロディを聞いても、こんな曲あったなぁ程度で思い入れもそれほどでなく感動もない。オープニングは空港についてハチャメチャな大人数での大乱闘をくりひろげるので、訳が分からない状態に。その後、新宿から始まったので、新宿は庭と思えるくらい知っているので、どこでロケしたのか、あ、新宿南口だなとか歌舞伎町だなぁとか街に目線がいってしまって映画に集中できなかった。で、渋谷のスクランブル交差点が出てきたときには、1億円で再現した渋谷だと思ったりもして…。物語はよくわからない内容で密室殺人の謎解き?犯人探し?見終わって感じたことは物語に現代性がなく20年前の作品を見ているようであった。親子の設定も洋菓子屋なども昭和を描いていて、とても今の東京とは思えない。小林安奈(長澤まさみ)の幼少期の話だとしても20年前でも2021年、21世紀だ。日本はバブルが崩壊して失われた10年を経て、近代化どころか未来化していた。これが20年前の作品でそれから30年さかのぼって1960年代1970年代の日本であれば納得のいく映像であったと思える。良くは知らないが現代のやくざでこれほどもんもん(刺青)を入れてる人はいないのでは。これも昭和な感じが…。懐メロ好きなのも、ドタバタとおどけた格闘が好きなのも30年以上前の香港映画を見ているようで、ラストのクレジットなんかまさに香港映画そのものと思えた。密室殺人の謎も悪ふざけが過ぎる各人各様の死体略奪のシーンなんかも笑わせようとするのが見えすぎて面白くない。シリーズものだからヒットしたのかなぁ。密室殺人の謎解きも腑に落ちないというか面白くない。Qの存在もピンとこないし…。ブッキーをはじめとして日本人俳優の活躍を外国映画で見られてことは喜ばしい。ただ、やっぱり私には合わなかったなぁ。2021年/中国/138分/G監督:チェン・スーチェン脚本:チェン・スーチェン出演:ワン・バオチャン、リウ・ハオラン、妻夫木聡、トニー・ジャー、長澤まさみ、鈴木保奈美、奥田瑛二、染谷将太、浅野忠信、ジャン・ユーシエン、三浦友和、アンディ・ラウ原題:唐人街探案3 Detective Chinatown 3(「中華街探偵3」)お薦め度「唐人街探偵 東京MISSION」★★★☆(70%)
2021.07.24
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評判を聞きつけて見に行った。内容をまったく知らないのはいつものこと。感性と感覚と自らのアンテナを信じ、見に行った。”将来を嘱望された女性”、”将来を約束された女性”の成長物語を見るつもりだった。ところが……。予想だにしない過去。予想だにしない展開。予想だにしないクライマックス。あ然…。主演キャリー・マリガンの左口元にあるイボ、ほくろ、吹き出物(?)を取れば、もっときれいになるのになぁ、と思いながら見ていた。彼女としては自然発生していたものは取りにくいのかもしれないけれど…。男に対する恨み、仕返し。女を食い物にしようとする男への脅し。それが、こうなるとは…。ショックを受けるクライマックスと続く結末になぜこうなってしまったんだという思いと決着がついたという思いでなんともいえない感情のまま映画館を出た。監督エメラルド・フェネルはロンドン生まれの英国人。1985年生まれの女性で、女優と脚本家を経験し、この作品が長編映画監督デビューとなった。この作品で第93回アカデミー賞脚本賞を受賞。主演キャリー・マリガンは1985年生まれのロンドン出身で、「17歳の肖像」で注目を集め、「わたしを離さないで」「華麗なるギャッツビー」などヒロインを演じてきた。2020年/アメリカ/113分/PG12監督:エメラルド・フェネル脚本:エメラルド・フェネル出演:キャリー・マリガン、ボー・バーナム、アリソン・ブリー、クランシー・ブラウン、ジェニファー・クーリッジ、ラバーン・コックス、コニー・ブリットン原題:Promising Young Woman(「将来有望な若い女性」)お薦め度「プロミシング・ヤング・ウーマン」★★★★(80%)
2021.07.24
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大いに感激した映画だ。「サマーウォーズ」を見て衝撃を受け、感動し、ものすごい映像作家がいるものだと感心もしたのだが、「おおかみこどもの雨と雪」ではオオカミの設定が気に入らず、その世界に入り込めなかった。「バケモノの子」も「おおかみこどもの雨と雪」同様、バケモノの設定でその世界に入り込めず、イマイチに思えた。時空を超えた「未来のミライ」も面白く思えなかった。とはいえ長編アニメーションを作れる監督は少なく、音楽がいいという評判に釣られて見に行った。物語には期待していなかったので、どこがいいとか悪いとか、もちろんツッコミどころ満載な気がしないでもないけれど、”ラララッラララッラララッラッ”というテンポのあるきれいな歌声に惹かれ、おびただしく細かい電気信号の映像とあいまって、その創作世界に魅せられてしまった。その世界に入り込んでしまった。”U”と”AS”の関係とリベイルする、される攻防。電子世界と現実世界の非現実と現実の相反する同調性。現実世界の裏返しが電子世界であるならば同期し同調した時…。主人公である高校生すずを中心として同級生、合唱グループのひとびととのかかわりあい。そして、竜とのかかわりあい。クライマックスの大いなる歌声は私も声には出さずマスクの下で歌っていた。とてもとても感動した。とてもとても素敵な作品。2021年/日本/121分/G監督:細田守原作:細田守脚本:細田守声の出演:中村佳穂、成田凌、染谷将太、玉城ティナ、幾田りら、森山良子、清水ミチコ、坂本冬美、岩崎良美、中尾幸世、森川智之、宮野真守、島本須美、役所広司、石黒賢、ermhoi、HANA、佐藤健、津田健次郎、小山芙美お薦め度「竜とそばかすの姫」★★★★☆(90%)<ネタバレ>大いに感動した作品だった。冒頭に見せるおびただしい電子の画像は(全く違う描き方だけれど映画「トロン」を思い出した。他人の子を自らの意思で助けに行き死んでしまう事故。そのことに対する賛否両論をSNSで表現している。これは観客に対する防御策?それともすずの母への恨みの表出?物語が進んでいくと歌姫として”U”の世界で傑出した有名人となったBelle(ベル(すず))だけれど、Belleと竜のお城でのダンスを見ると「美女と野獣」を思い出した。まるでパクリではないかと思える二人のダンス。そして関係性。この一連に関してはオリジナリティは感じられなかった。愛玩動物ともいえるイルカでなく、とてつもなく大きなクジラをBelleのお供にしたのは今の時代だからかもしれない。クジラは良かった。竜のお城が焼き討ちされた後、Belleがリベイルされるのではなく、自らリベイルしたことは圧巻であった。このあと一人女子高生が現実世界で夜間、四国の高知県から東京多摩川まで長距離の旅に出るのだけれど、父親か合唱グループのおばちゃんかしのぶくんがついていくべきだろうし、ついていくはずだ。また、竜たちとすずが出会ったときに手荒い父親が出てきて、暴力をふるおうとして怖気づくのは、納得がいかない。ぜんぜん納得できない。力であろうが言葉であろうが、暴力、暴言を使うものが自ら撤退するなんてことはありえないのではないだろうか。電子世界の中でBelleに呼応するかのように”AS”(電子世界の中のアバター)たちが口ずさみ、歌う大合唱に大感動し、一緒に合唱したかった。
2021.07.23
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「ゴジラvsコング」という題名だが、”ゴジラブイエスコング”と読むのか?”ゴジラ対コング”と読むのか?日本としては”ゴジラ対キングコング”とすべきところだろうと思えるけれど、映画を見てみると東宝の「キングコング対ゴジラ」の物語とはまったく違っていて、アメリカのストーリーである。ストーリーに起承転結はなく、いきなり”承”、ゴジラはコングを目の敵にしているとして始まる。冒頭のコングの住む土地は、コングの一撃により驚きの正体を現す。秀逸な設定だ。そして、ゴジラを避け、コングは故郷へ(?)なんだかな~と思える設定と展開に、腑に落ちることはなにひとつなく、疑義を感じる内容。しかし、ゴジラとコングの戦いは続く。恐るべし予想だにしない展開。ギドラ(キングギドラ)の扱いも、なんだかなぁ。登場人物の人間も数多くいて、それぞれがちょっとずつ顔見世する状況はキャラクターの造形、存在感が希薄な感じがした。人間の描き方に深みがほしかったかな。撮影したのに大幅にカットされたのか、本人もびっくりという出番の少なさの小栗旬。台詞は少なく、発音は日本語的だった。英語の音で発音すべきだったのでは?例えば”ゴジラ”の発音は日本語的で”ゴジィラ”(Gojilla)だったが、他のキャストの英語発音”ゴズィラ”(Gpdzilla)とは違っていた。スペクタクルな大怪獣の戦いを見続けた一本だった。2021年/アメリカ/114分/G監督:アダム・ウィンガード原案:テリー・ロッシオ、マイケル・ドハティ、ザック・シールズ脚本:エリック・ピアソン、マックス・ボレンスタイン出演:アレクサンダー・スカルスガルド、ミリー・ボビー・ブラウン、レベッカ・ホール、ブライアン・タイリー・ヘンリー、小栗旬、エイザ・ゴンザレス、ジュリアン・デニソン、カイル・チャンドラー、デミアン・ビチル、ランス・レディック、ケイリー・ホトル原題:Godzilla vs. Kong(「ゴジラ対コング」)お薦め度「ゴジラvsコング」★★★☆(70%)字幕翻訳:松崎広幸
2021.07.22
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すごい映画だ。まるでドキュメンタリーを見ている気になった。それくらい本気。妻が失踪した。容疑者は夫。第一審で無罪となったものの、10年後の今、第二審、検察側が上告しての再審である。子供の家庭教師がその容疑者の娘であったことから裁判の証拠集めに奔走する女性。敏腕弁護士に弁護を依頼する。なぜ、彼女はそこまで家庭教師の親の裁判に入れ込むのか。そこには…。証拠となるものが、ほぼ何もなく、240時間に及ぶ音声録音を検証。わかってくる不可解な出来事の数々。見ていてあまりに彼女に肩入れしすぎたのか、ショックを受ける場面もあった。”推定無罪”という言葉も飛び出すが、なんら証拠はないまま、証言は偽証だらけと判明していく。容疑者となった父親の運命は…。死体なき殺人?これは完全犯罪なのだろうか。実在する弁護士デユポン=モレッティ役を演じるオリビエ・グルメの延々と続く最終弁論が圧巻。2018年/フランス・ベルギー/110分/監督:アントワーヌ・ランボー原案:アントワーヌ・ランボー、カリム・ドリディ脚本:アントワーヌ・ランボー、イザベル・ラザール出演:マリナ・フォイス、オリビエ・グルメ、ローラン・リュカ、フィリップ・ウシャン、インディア・ヘア、アルマンド・ブーランジェ、ジャン・ベンギーギ、スティーブ・ティアンチュー、フランソワ・フェネール、フィリップ・ドルモア原題:Une intime conviction(「ひとつの心証(内的確信)」)お薦め度「私は確信する」★★★★(80%)
2021.06.12
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事実を基にしているからと言って、何を描いてもいいというわけではない。また、聖職者(厳密にいえば聖職者ではないけれど)が無軌道な行動を行う、姦淫などを見せるのはキリスト教的なものへの反動で、反感で、これらを表現することを良しとする思考がおかしいと思える。そして、その作品をアカデミー賞外国映画賞にノミネートしてしまうとは。キリスト教の国のなせる業だと思えた。突然の終幕。何を描きたかったのか、わからない。学歴資格がなくても、その真摯な思いがあれば良しとするのか。それとも、詐称、詐欺は許されるものではないと描きたかったのか。なんとも判断に苦慮する。そもそもフランス映画を見たいと思って出かけて、ポーランド映画を見てしまったのが間違いのもとだったのかもしれない。<ネタバレ>物語ではとある小教区の田舎町で事件・事故により村八分が行われていることを知った仮釈放中の偽神父が真実を明らかにし、村八分をやめさせようとした。ところが、偽神父もしらない新事実が明かされ渾沌としたところで偽神父であることの状況が変わり、そして終幕。なんだかなぁ‥。2019年/ポーランド・アメリカ/115分/PG18+監督:ヤン・コマサ脚本:マテウシュ・パツェピチュ出演:バルトシュ・ビィエレニア、アレクサンドラ・コニェチュナ、エリーザ・リチェムブル、トマシュ・ジェンテク、レシュク・リホタ、ルカース・シムラット原題:Boze Cialo(「聖体節(カトリックの休日)」)お薦め度「聖なる犯罪者」★★★(60%)
2021.06.12
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「大統領の料理人」でブレイクしたカトリーヌ・フロの最新作を見に行った。「パリの家族たち」のオリビア・コートが出演していたのに驚く。バラ園を経営していた父の遺産を受け継いでやってきた一人娘独身者は新作ができず倒産の危機にあえいでいた。低賃金の労働者でさえ雇えないバラ園だったが、先代から経理事務を担当する女史が職業訓練生として格安で三人を雇い入れた。前科者、年配おやじ、女性の三人で、三人ともさえない感じ。とても仕事ができる人たちではない、造園、バラ栽培の素人の彼らと背に腹は代えられない経営危機一髪の彼女は希少品種を盗むことを考えるが…。交配して新種を品評会、コンクールに出すとしても1年後、ポンコツ従業員を引き連れて、ドタバタ、あたふたの自転車操業。自然災害で花が壊滅状態になったり、すったもんだの結末は…。予想外のクライマックスに、あっぱれ!イケメンも美女もいない、さえない人たちの寄せ集めだけれど、ハートフルで感動的な映画であった。従業員に贈る花言葉の本に入っていた花のしおり、三枚。花言葉が胸にしみた。2020年/フランス/96分/G監督:ピエール・ピノー脚本:ピエール・ピノー、ファデット・ドゥルアール、フィリップ・ル・ゲイ出演:カトリーヌ・フロ、メラン・オメルタ、ファッシャ・ブヤメッド、オリビア・コート、マリー・プショー、バンサン・ドゥディエンヌ原題:La fine fleur(「(一流の)素敵な花」)お薦め度「ローズメイカー 奇跡のバラ」★★★★(80%)字幕翻訳:星加久実
2021.06.09
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映画館に見に行った。原作がそうなのか。大学病院の救命救急医師が退職し故郷に戻り在宅医療の医師として携わる患者を次々と映し出す。医療日誌のような展開。終末期医療のせいか、ひとりひとり看取っていく。それゆえこのまま何の展開もなく山場もなく淡々と終わるものと思っていた。ところが父親の申し出、父とかわした約束により突然の終わりをむかえる。はたして終わりなのか…。吉永小百合演じる白石咲和子の年齢設定がよくわからなかった。大学病院に勤務していたことを思うと50代後半なのかと思い見ていた。黒々とした髪の吉永をみると、本人が後期高齢者の年齢になったことを思えば、また、父親が田中泯なので奇妙に感じ、気になってしまった。ちなみに、ググると吉永と田中は3日違いの同級生であった。入れ替わり立ち代わり登場人物の出入りがあるが、皆、著名な人ばかり。恐れ入った。松金よね子は先日テレビドラマ「生きるとか死ぬとか父親とか」でも終末期の老人を演じていて、亡くなる役であった。絶妙な芝居だった。いくつかあるエピソード、在宅医療の家族では夫婦役、柳葉敏郎と森口瑤子の演技が秀逸だった。あと、田中泯、泉谷しげる、小池栄子が良かったなぁ。松坂桃李と南野陽子は熱演をみせる。西田敏行の温かみのある声は良かったし、丹波哲郎の物まねは堂に入ってた。店のマスター、みなみらんぼうの雰囲気は良く、店名”station”は凝りすぎというかダサく感じた。吉永小百合は吉永小百合らしく、広瀬すずは広瀬すずらしかった、ように思う。2021年/日本/119分/G監督:成島出原作:南杏子脚本:平松恵美子出演:吉永小百合、松坂桃李、広瀬すず、南野陽子、柳葉敏郎、小池栄子、伊勢谷友介、みなみらんぼう、泉谷しげる、森口瑤子、松金よね子、石田ゆり子、田中泯、西田敏行、鈴木咲お薦め度「いのちの停車場」★★★☆(70%)
2021.05.30
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この週末、映画は何を見ようかとググったところ、SCREEN映画評論家38人が選んだ【最も優れた映画2020】に行きついた。読んでみるといくつかの作品はすでに見ていたので、見ていない中で最高位の5位「燃ゆる女の肖像」を見ようと思った。これまたググると、ちょうど本日から飯田橋ギンレイホールで上映されるので、朝一番に出かけて見に行った。(列に並んで3番目だった)事前に情報を入れずに見に行ったので、男女の恋愛映画だと思っていたけれど、そうではなかった。先ほどネットで調べて知ったけれど、カンヌ映画祭では脚本賞だけでなくクィアパルムを受賞している。「クィア」とは、「風変わりな」「奇妙な」という意味で、クィアパルムはLGBTやクィアをテーマにした作品に与えられるとのこと。まったく見当違いをして見に行ったわけだが、もう少し情報を見聞きしていったほうがいいなぁと思った。(笑)主演ノエミ・メルランはエマ・ワトソン似の女優で、きりりとした眉が印象的である。相手役のアデル・エネルは強いて言えばケイト・ウィンスレット似であるが、当初は笑顔がないので憮然と見える。相手役の母役はバレリア・ゴリノ。見覚えがある顔であった。この作品は評価が高く、映画.COMでも【ALL TIME BEST】に選出されている。期待が高まって見たが、思うほどのものではなかった。クィアパルムは納得としても脚本賞をとるほどの作品とは思えない。しかし、そこは映像のしじま(無音)に感ずるべきものがあったのかもしれず、私の感性が反応しなかっただけなのかもしれない。顔を見せない女の肖像画を描くことになった画家マリアンヌ(ノエミ・メルラン)の思いと結婚のための肖像画を描かれる女エロイーズ(アデル・エネル)の思い。言葉にすることのない思いが数日間続く…。淡々と織りなす日々にしばし眠気とたたかった。映画館でなければ(配信であれば)、眠ってしまったか途中で断念したかもしれない。評価の高い作品でも感性の合わないものもあるものだと知った。2019年/フランス/122分/PG12監督:セリーヌ・シアマ脚本:セリーヌ・シアマ出演:ノエミ・メルラン、アデル・エネル、ルアン・バイラミ、バレリア・ゴリノ原題:Portrit de la jeune fille en feu (「燃ゆる若い女の肖像」)お薦め度「燃ゆる女の肖像」★★★☆(70%)字幕翻訳:横井和子
2021.05.15
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とあることがきっかけで始めたスマホゲーム「モンスターハンターライダーズ」。けっこうはまっていて、そのもととなるゲーム「モンスターハンター」のハリウッド映画が公開されたので、期待して見に行った。「モンスターハンター」の内容(物語)は知らず、出てくるモンスターの大きさに、映画館で見るべき作品だなと感心しきり。別世界と現世界があり、時空の亀裂か何なのか嵐か雷か電磁波か、で時空を超え、別世界へ行き、モンスターと対峙する。言葉もわからず、訳が分からず、生死をかけた戦い。見ていてとても楽しめた。「バイオハザード」の監督と主演。ポール・W・S・アンダーソンとミラ・ジョボビッチ。さすがのタッグである。相手役というか主要キャストで登場するハンター役がトニー・ジャー。ハリウッドで活躍するタイ人アクション・スターであるとのことだが、原作が日本産なだけに日本人キャストでよかったんじゃないかな。いや、日本人キャストにしてほしかった。ケイン・コスギは同年代だし、若手であれば、佐藤健や山崎賢人もいる。レンズをクルクルいじる受付嬢役で山崎紘菜が出演していたので、男優もどうにかならあなかったのかなぁ。山崎紘菜は日本のドラマで見るような長身がめざわりな感じもなく、逆に小柄に見えるほどにファンキーな役どころ。彼女と気づかないくらいでちょうどよかった(似合っていた)と思える。大団長(船長)が勉強したとはいえ英語を流ちょうに話すのはなんだかなと思えるが、深くつっこまないで(笑)ここで終わりと思えるところから、はたまた…続編へ続く終わり方はさもありなん。続編が作られるようなら期待して、また映画館へ足を運びたい。おもしろかった!楽しめた!2020年/アメリカ/104分/監督:ポール・W・S・アンダーソン脚本:ポール・W・S・アンダーソン出演:ミラ・ジョボビッチ、トニー・ジャー、ディップ・”T.I.”・ハリス、ミーガン・グッド、ディエゴ・ボニータ、ジョシュ・ヘルマン、オウヤン・ジン、ロン・パールマン、ヒロナ・ヤマザキ(山崎紘菜)原題:Monster Hunter(「怪獣狩人」) お薦め度「モンスターハンター」★★★★(80%)字幕翻訳:風間綾平
2021.04.07
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映画を見終わったとき、プロデューサーとしてフランシス・マクドーマンドが単独でクレジットされた時、彼女の本気度を知った。オープニングでの荒野で一人の彼女を見たときにも、すごいなと小さく思った。中盤、湖水のような澄んだ水に浮かぶ彼女を見たときもすごいなと思った。ところどころ人とのかかわり、仕事における社会とのかかわりがあるため大人数になることもあるが、半分以上が彼女一人。でも、孤独ではない。ホームレスでなく、ハウスレス。学もあり代用教員まで勤めた彼女が何ゆえに短期間労働者となって、荒野をさまようのか。”ノマドランド”車を住みかとする路上生活者。”ノマド”には高齢者が多い。人生を陸上競技のトラック一周に例えると第4コーナーにさしかかった者か、最後の直線を走っている者だと思われる。それゆえ、スタートしたばかりの十代や第1コーナーの二十代や第2コーナーの三十代には彼らの心境はわからないのではと思える。とはいえ、歳をとればわかるわけではなく、お金に価値を見出し、成功者となった者や成功を夢見る者にはわかりえないだろうし、都会の暮らし、裕福な暮らしをしているものにもわからない。そんなことも映画では描かれる。面白い映画ではなかった、楽しめる映画でもなかった。心情は理解できる。しかし、わかりえたのか。歳をとって第3コーナーか第4コーナーを走っている私は夢破れても都会の生活を捨てられず、成功への欲望は残っている。だから気持ちは伝わっても、心底わかりえたのか、わからない。いい作品だと思う。大きな感動はないが、この感触は何だろう…。2020年/アメリカ/108分/G監督:クロエ・ジャオ原作:ジェシカ・ブルーダー脚本:クロエ・ジャオ出演:フランシス・マクドーマンド、デビッド・ストラザーン、リダ・メイ、スワンキー、ボブ・ウェルズ原題:Nomadland(「遊牧民の国」) お薦め度「ノマドランド」★★★☆(70%) 字幕翻訳:牧野琴子<ネタバレ>「ファーゴ」でフランシス・マクドーマンドを見たとき、これほど息が長く、第一線で主演で女優を続ける人だとは思わなかった。久々に注目したのは「スリー・ビルボード」。どちらもアカデミー主演女優賞を受賞している。そして、今回「ノマドランド」。受賞するかどうかわからないが、彼女らしい作品と思えるし、プロデューサーとなっていることは驚愕だった。物語はガレージから始まる。何やらバン(車)に荷物を積んでいる。そして、荒野にひとり、放尿している。驚いた。車で寝泊まりする宿泊所があることに驚いたが、日本でも今では車で泊まれるところもできたように思う。さて、アマゾンの配送センターで働いていたが、クリスマス休暇とともに終了。アマゾン負担の宿泊代を打ち切られ、旅に出る。”ノマド”と呼ばれる車上生活者には高齢者が多い。息子を亡くし人に尽くすために来た人がいるし、ファーンのように砂漠という辺鄙なところにあった企業城下町が企業の撤退ともに退去を余儀なくされて一人暮らす者もいる。一人旅、澄みきった湖水のような池のような中に全裸で浮かぶ彼女、女優としてのマクドーマンドの度胸に驚く。独り者なので天涯孤独かと思いきや窮地に陥ったときに身内がいることがわかる。姉がいた。普通というよりは裕福な暮らしをしている姉夫婦がいた。子はなく夫が亡くなり独り身となったファーンは夫のために辺鄙な町で暮らし、夫の死後も居座ったという。そして、町がなくなるので致し方なく、町を出て”ノマド”となった。夫とともに夫への思い夫の思い出を胸に宿し生きていると思えるファーンにとって、愛されて求められて家のある暮らしをすすめられても安眠できない。彼女は彼女の想いとともに生きている。修理するより買い替えたほうが良いと言われても自らの手で改良を重ねた車を手放すことはできない。そんなファーンである。死ぬまで一人。車に一人。そして生きていく彼女。死ぬまで生きていく。大きな感動はないけれど、インパクトと何かしら感じるものがある。じわりと感じるものがある。
2021.03.27
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有村架純はいい!菅田将暉は、演じることが難しい役だと思った。女性の役は筋が通っているので、役に身をゆだねその心情のまま演ずることができると思う。ところが男は、麦は難しい。私にはそう思えた。筋が通っていないのではなく、筋は通っているが変節しているから。本末転倒しているとも、いえなくもない。素直に演じることはできないし、理解しても演じることが難しい。その辺の感情にどう折り合いをつけて同化して麦として存在するのか、相当、難しく思えた。監督と脚本が名のある人のせいなのか、著名な俳優たちが脇役というよりチョイ役で出演している。恐るべきことだ。著名な俳優たちなので、もっと登場するだろうとか、もっと絡んでくるだろうとか、思ってしまい、気にかかった。時系列を現在から過去にとばし、順送りで見せてくれるのだが、二人が出会い、オールナイトすごした時の時系列、移動が変に思えた。それが気になり、また作品に没頭することができなかった花束みたいな恋をする映画を見たいと出かけたが、花束みたいな恋を見られたという実感はない。昨年見た映画「劇場」で傷つけあうというか、ほぼ一方的に気づつける毒々しい作品を見たが、それとは違いお互いをけなしたり、暴力をふるうということはない反面、苦々しさの残る作品と思えた。お薦めはしないが、客席は満席であった。2021年/日本/124分/G 監督:土井裕泰脚本:坂元裕二出演:菅田将暉、有村架純、清原果耶、細田佳央太、韓英恵、中崎敏、小久保寿人、瀧内公美、森優作、古川琴音、篠原悠伸、八木アリサ、押井守、PORN、atagi、モリシー、佐藤寛太、岡部たかし、オドギリジョー、戸田恵子、岩松了、小林薫お薦め度「花束みたいな恋をした」★★★☆(70%)<ネタバレ>2020年、飲食店で恋人同士がひとつのイヤフォンをLとRにわけて、聴いてるのをみて、苦言を言っているカップルの男、と別のテーブルの別のカップルの女。目が合った二人はここから恋が始まるのかと思いきや、5年前、2015年に時はさかのぼる。男と女、それぞれの姿が描かれるが、明大前にて終電を逃したことで、一夜を共にすることに。居酒屋いったり、カラオケいったりするのだけれど、居酒屋を出たところでうっすらと明るい。夜が明けたものだと思ったのだが、続くその後のシーンで真夜中に戻っていた。そこが気にかかり物語に入っていけない。徒歩での帰宅となったが、着いたところはPARCO。渋谷のPARCO?と思った。明大前から渋谷まで歩いたと思ったのだが、歩いた先は調布。調布駅前で雨が降り、調布駅徒歩8分の麦の家、彼の家まで行く。これまた?である。調布まで歩いたのなら飛田給まで歩けよ、と思った。居酒屋、カラオケと行くお金があるんならタクシーに乗れたんじゃないの?とも思う。で、翌朝、調布から飛田給までバスに乗った。これまた疑問?調布駅徒歩8分だったら京王線で調布から飛田給まで行くだろうと。そのほうが早い。電車は3分130円、バスは10分210円。気になりだして、さてはこの監督、真摯に映画を作っていないのではないかと思えてしまった。絹(有村架純)の行動様式はなんなく入ってくるけれど、麦(菅田将暉)の行動様式には抵抗を感じた。仕送り生活ができなくなり働いて生活の糧を得るのに足りなくなった5万円という金額を考えるならば、わざわざ就職するほどのことでもないように思えるのだが。金銭面でなくイラストを描く才能に限界を感じたのなら納得がいく気がするけれど、そんな風には描かれていない。仕事が生きがいになったのなら仕事人間でもいいけれど、嫌気が重々の仕事ならばやめればよいと思うのだが、いやな仕事に身を挺し、もっと金を稼ごうとする。その変貌ぶりには驚くばかり。そして、それまでの変遷が十分には描かれていない。それゆえ、絹同様、麦の言動には面食らう。破局へと向かうことは必然ともなっていく。絹は1ミリもぶれずに別れに向かうのに対し、麦は大きくぶれる。結婚しようと言い出す始末。若いカップルを見ていたたまれなくなり店外に出た絹を麦が追いかけ抱きしめる。ここで二人は付き合いだした頃を思い出し、元サヤにおさまるかに思えたが別離を決意。なんで!?私には理解不能のことが多く?????のオンパレードとなった本作。感動する、しないより以前に作品となっているのか。最後に2020年を描くのにコロナやマスクがまったく存在しないのもどうなのかな、と思えた。
2021.03.14
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離婚調停?いや、子供の親権問題。10歳の娘の親権を獲得するために、クビ間際のハイヤー運転手の父親の奮闘ぶりと彼が4人目となる運転手として雇った調香師女性の再生物語。上から目線の調香師、独身中年女性のアンヌ。”マダム”と呼ばれ、”マドモアゼル”と訂正する。香りに敏感な彼女は酒もタバコも敬遠するが…。アンヌに気おされて、ドライバーのみならず書記や荷物運びといった秘書的な手伝いをする中年おやじギヨーム。彼もまた香りには敏感であった。知らされていくアンヌの過去。親権を継続するために引っ越しを迫られるギヨーム。とあることで生活が一変し、離れてしまったふたり。それが…。調香師と運転手の関係性が妙味である。ラスト、じわっと感動したのはいい作品からなんだあろうなぁ。2019年/フランス/101分/G監督:グレゴリー・マーニュ脚本:グレゴリー・マーニュ出演:エマニュエル・ドゥボス、グレゴリー・モンテル、セルジ・ロペス、ギュスタブ・ケルベン、ゼリー・リクソン、ポリーヌ・ムーレン原題:Les parfums(「香水」)お薦め度「パリの調香師 しあわせの香りを探して」★★★★(80%)字幕翻訳:柏野文映ヒューマントラストシネマ有楽町にて
2021.02.23
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【速報】ってわけでもないけれど。私が2020年映画館で見た作品は22本。決して、多くはないけれど、ベスト10をピックアップ!!① TENET テネット② ジュディ 虹の彼方に③ キーパー ある兵士の奇跡④ フォードvsフェラーリ⑤ レイニーデイ・イン・ニューヨーク⑥ パブリック 図書館の奇跡⑦ 男はつらいよ お帰り 寅さん⑧ ようこそ映画音響の世界へ⑨ ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語⑩ ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密②③④は実話が元ネタなんだよね。
2021.01.09
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「マイ・インターン」「オーシャンズ8」と映画館で見てきて、「魔女がいっぱい」も期待して、期待を込めて見に行った。しかし、私好みではなかったようだ。そもそも映画がヒットした「チャーリーとチョコレート工場」さえ、私にはピンとこず、面白いものとは思えなかったので、同じ作家ロアルド・ダール原作のこの作品が面白いと思えないのも当然なのかもしれない。期待のアン・ハサウェイは大魔女グランド・ウィッチを演じて凄みを見せるが、子供向けのためなのか、恐怖心をあおり、おびえさせる感じはほぼない。たとえるなら大人には厳しい役職あるこどもにはやさしい親戚のおばさんみたいなものなのかもしれない。それゆえ、ネズミ対魔女の攻防もドタバタコメディのようであり、ああ、気軽にみられるように作ってあるんだなぁと思えた。ただ、内容に関してはネズミになってしまった息子を認めようとしなかった親だったり、ラストのどうしようもない末路を思うとシビアというか、やさしくない結末に暗澹たる思いを抱いた。観客のこどもたちはそこまで思いをはせるかどうかわからないけれど。2020年/アメリカ/104分/G監督:ロバート・ゼメキス原作:ロアルド・ダール脚本:ギレルモ・デル・トロ、ロバート・ゼメキス、ケニヤ・バリス出演:アン・ハサウェイ、オクタビア・スペンサー、スタンリー・トゥッチ、クリス・ロック、クリスティン・チェノウェス、ジャジル・ブルーノ、コーディ=レイ・イースティック原題:The Witches(「魔女隊」)お薦め度「魔女がいっぱい」★★★(60%)
2020.12.31
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カンヌ映画祭監督賞を受賞したとあるが大した作品ではないなと思えた。カンヌ映画祭パルムドールを受賞した映画「ロゼッタ」のジャン=ピエール・ダルデンヌとリュック・ダルデンヌの監督兄弟と知り、合点がいった。僕には合わない監督だ。何が面白いのか、何が良いのかさっぱりつかめない、わからない映画を撮る監督。それゆえ、今回もなんかわからない面はゆい作品と感じた。ベルギーを舞台にしたコーラン崇拝主義に毒されて教師を殺害しようとした少年の話である。アメッドの心はかわらなかったように思う。2019年/ベルギー・フランス/84分/G監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ脚本:ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ出演:イディル・ベン・アディ、オリビエ・ボノー、ミリエム・アケディウ、ビクトリア・ブルック、クレール・ボドソン、オスマン・ムーメン原題:Le jeune Ahmed(「若いアメッド」)お薦め度「その手に触れるまで」★★☆(50%)字幕翻訳:
2020.12.20
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話題と人気になった作品と認識していた。この題名、このチラシ。なんとなく海物語のとってもいい作品なのではないかと。ロードショーの時にはまだコロナ自粛明けで怖くて映画館に行けなかった。今日見た。まったく予想を裏切り、こんなにもひどい主人公がいていいのか。家族崩壊を描き、明日への希望もなく、見るべきものもない。そんな映画がなぜ評判を呼んだのか。それはスタイルであり、音楽であり、ドラマ作成法とは真逆をいく展開であるせいなのかもしれない。途中、私は見るべきではなかった。見なければよかったとさえ思った。ただ、映画館へ入れば居眠りでもしない限り、映画館を出ない限り見続けるしかない。で、エピローグが長いな、ここで終わりか?と思ってからもずいぶんと続いた。第二章ではないが、前半と後半、二つの、もとい、二人の物語が描かれていた。現代のアメリカのある生活が描かれている。そんな作品。冒頭360度回転する映像に、どのようにして撮影したのか不思議になった。自動車の窓から身を乗り出す女、足を窓から投げ出して運転する男。これだけではちゃめちゃ、規格からはみ出す若者であるということを表現していたのかもしれない。低重音が館内を満たす。黒人、もといアフリカンアメリカ人の作品なのだろうか、と。アメリカの高校生の映画を見ていて、感覚的に日本では大学生のような雰囲気に見える。車を運転し、酒を飲むからだ。アメリカだから薬もやる。酒と薬とスマートフォンが引き起こした事件、なのかもしれない。<ネタバレ>ここからはネタバレで書く。パワフルな作品だ。そして、解決策はなく肯定も否定もしない結末。奨学金有望なレスリング選手のアフリカ系アメリカ人の高校生男子が主人公。恋人の彼女は褐色ヨーロッパ系のように見えた。どちらも裕福な家庭に思える。自分の車を持ち、家族からの期待も厚い。彼の母は継母であるが医者であり、週4日勤務で金曜日は家族に捧げている。日曜日は実父、継母、実妹と4人で教会に通うキリスト教徒。幸せな日々が続いている。と、見えた。彼の左肩痛が深刻な状況で選手生命が絶たれるということが判明するまでは。高圧的ではないが強権発動する父親に翻弄される。そんなおり、彼女が妊娠する。中絶をしに行ったケアセンターで中絶反対の声をあげる女性から”ニガー”と蔑まれて、彼は怒髪天を衝いた。怒りが大爆発したのだ。そして、彼女に堕胎しなかったと告げられ、けんか別れ、置き去りにしてしまう。その後、すったもんだの末、彼女に子供を産む宣言をされ、挙句の果てにSNSをブロックされて、ブチ切れた。酒と薬をあおり、SNSの情報を手掛かりにパーティ会場にいる彼女に会いに行く。この時、家を出るときに、父親が止めようとするけれど、彼に張り倒されてしまう。彼と彼女の口論。怒りに我を見失った彼の一発は彼女を張り飛ばし、床に頭を扶持付けた彼女は瀕死の状態に。対処する術もなく彼は逃げ帰り、逃亡しようとする。そして、警官に捕まる。第二級殺人で30年の刑。<ここまで見て、見なけりゃよかった、と思った><これまでの映画の主人公は幾多の困難を乗り越えて自らの力で問題解決をし、結末では勝利したり、成功したり、となる。見ているほうも主人公と同化し一喜一憂しラストには快哉を叫ぶ、が良い映画だと><ところが、この作品では主人公は何もしない。自身のけがについても、彼女の妊娠についても、逃げ回る。挙句の果てに、過失とはいえ、女性と身ごもっていたその子供を殺してしまう。最低、最悪な状況>第二級殺人…計画性がなく、ついかっとなってやってしまった殺人。物語は終わった。エピローグがでてきたけれど、カラフルなまだら画面になったところで映画は終わる、終わったと思った。ところが、映画は続く。妹が主人公。兄の事件に翻弄された家族。継母は兄に対する愛情と後悔から夫(実父)を遠ざける。家族離散の危機?さまざまな中傷から逃れるために、妹はSNSを削除し、一人孤独で過ごす。ある日、なんか一緒に食べないかと、声をかけてきた白人高校生。レスリング選手でもある。母子家庭である彼は父親のことを話さない。しかし、思案気な彼を問いただすと父親が臨終の床についているという。会いに行くことを提案し、車を出す妹。そして…。このあとも映画は続くが、結末はご覧ください。現代のアメリカをある種、切り取った作品。一見立派に見える人たちが、立派ではないということ、スター選手が人格ともに立派ではないということ。理解のある父親、理解のある母親、理解のある家族があったとしても判断や行動が正しくなければ、事件、事故をおこすということ。何を描きたかったのかわからないが、彼らは決して不幸ではなかったし、不幸になりようもなかった。しかし、兄の無軌道な行動により、このような結果になってしまった。見て思った、いや感じたのは、兄の彼女の行動が不可解な点。長年付き合っていれば、どういう彼かわかっているはず。その彼に対して、不安だけを口にし、身ごもった子供をどうするか、どうしたいか相談しなかったこと。SNSのブロックという最悪なことをいとも簡単にやってしまうこと。自分の身を守るという行動ができなかった。【字幕について】字幕に二度出てきた”ライム”という単語が気になった。今回字幕はベテランの松浦美奈さん。WIKIPEDIAでみても翻訳の代表作品がパッションいまを生きるマレーナ戦場のピアニストブラックホーク・ダウンロスト・イン・トランスレーションインファナル・アフェア8 Mileアレックスシェフとギャルソン、リストランテの夜シンプル・プランキャスパー:誕生編ツイステッドチャーリー・ウィルソンズ・ウォーイングロリアス・バスターズブラック・スワンソーシャル・ネットワーク悪の法則アナと雪の女王あなたを抱きしめる日までマンデラ 自由への長い道J・エドガーゴーン・ガールアメリカン・スナイパーイントゥ・ザ・ウッズイミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密チャッピー完全なるチェックメイトブリッジ・オブ・スパイブラック・スキャンダルキャロルヘイトフル・エイトある天文学者の恋文ハドソン川の奇跡女神の見えざる手沈黙 -サイレンス-マグニフィセント・セブンエイリアン: コヴェナント王様のためのホログラムブレードランナー 2049ジグソウ:ソウ・レガシーザ・サークルオリエント急行殺人事件ワンダーストラックペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書君の名前で僕を呼んで運び屋世界の涯ての鼓動アナと雪の女王2とある人気実力派だ。最初に字幕で”ライム”を見たとき、柑橘系の植物のライムかな?と思った。しかし、すぐに歌詞のことだと気づき、なぜ読み違えするようなわかりずらい単語を使うのかと気になった。音楽、中でもヒップホップをしている人にはあたりまえの用語であったとしても映画ファン、まして年配の人でわかる人はほぼいないのではないだろうかと思われる単語である。で、終盤でまた”ライム”と字幕で出てくる。先ほどネット検索したところ、ライムは歌詞ではなかった。歌詞はリリックであり、ライムは韻を踏むことなのだそうだ。私の解釈も的を得てなかったのだけれど、それならば”ライム”でなく「韻を踏む」もしくは「韻」と表記できなかったのかな、それも字幕では難しかったのかも。どうしても”ライム”を字幕で使わなければならなかったのであれば、異例ではあるけれど、映画開始前に”この映画作品では、音楽用語のライムを使用します。ライム…韻を踏む”と明示しても良かったのでは、と思う。2019年/アメリカ/135分/PG12監督:トレイ・エドワード・シュルツ脚本:トレイ・エドワード・シュルツ出演:ケルビン・ハリソン・Jr.、ルーカス・ヘッジズ、テイラー・ラッセル、アレクサ・デミー、ニール・ハフ、クリフトン・コリンズ・Jr.、レネー・エリス・ゴールズベリー、スターリング・K・ブラウン、原題:Waves(「(感情などの)高まり」)お薦め度「WAVES ウェイブス」★★★(60%)字幕翻訳:松浦美奈
2020.12.20
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この作品が公開されたときにはコロナ感染が怖くて、まだ映画館に足を運べなかった。しかし、なんとか今日、映画館で見られた。良かった。監督・主演のエミリオ・エステべスはマーティン・シーンの息子で、チャーリー・シーンの兄である。登場した時から、シーンという芸名を名乗らずエステベスという本名、スペイン系の名を使っていたのを疑問に思っていた。ハリウッド・スターとなった弟チャーリーとは違い、有名にはなったが一時期を除いて活躍していたとは思えない。2000年から監督業をしているようだが、今回、ヒット作としてスクリーンに戻ってきてくれたのが嬉しい。まわりも一時期ハリウッド・スターとして名を馳せたアレック・ボールドウィンとクリスチャン・スレーターだ。今となっては往年のスターと呼ぶにふさわしい年齢になってしまったけれど、彼らの登場も嬉しいものである。巨大寒波が押し寄せる冬、図書館前でホームレスが凍死した。毎日毎日、開館時間の間、暖房のきいた図書館で過ごし夜はシェルターに避難するも、どこも満杯であぶれるホームレスがいる。シェルターに入れることのないホームレスが図書館に居座り、その渦中に図書館員のスチュアート(エミリオ・エステべス)が巻き込まれていく。図書館占拠の報に警官や交渉人がやってきて交渉が始まる。その結末は…予想しえないクライマックス。驚き…!犯罪者でないものを犯罪者に仕立てていくアメリカ。やむにやまれず善意でしたことが罪となって多いかぶさってくる。フェイクニュースの報道。アメリカの悲惨さをユニークに取り上げた作品である。楽しめました!2018年/アメリカ/119分/G監督:エミリオ・エステベス脚本:エミリオ・エステべス出演:エミリオ・エステべス、アレック・ボールドウィン、ジェナ・マローン、テイラー・シリング、クリスチャン・スレーター、ガブリエル・ユニオン、ジェフリー・ライト、マイケル・K・ウィリアムズ、チェ・”ライムフェスト”・スミス、ジェイコブ・バルガス原題:The Public「一般客」お薦め度「パブリック 図書館の奇跡」★★★★(80%)
2020.12.06
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生まれた未熟児が原因不明の湿疹に侵される。治療するすべのない両親は不思議な力を持った水にいきつく。そして信心深く星の国の人となっていた両親。健康な体となった次女は水中心の家庭環境。長女は両親の心配と愛情を一身に受ける妹を妬ましく思い、水の生活に染まれない。姉は家を出る…。中学3年生となった次女は新任イケメン教師に思いを寄せるが…。信仰にはまった人には何が正しくて、何が本当かわからなくなってしまうものなのだ。両親の水を疑い始めた娘の迷い、イケメンに対する思慕、姉への思いなどなど、何か信じきれない、何か不安な心の揺らぎを映し撮っている作品である。芦田愛菜は等身大で同世代の女の子の気持ちをありのまま演じている。彼女の絶妙な演技について言うまでもない。共演する先生役の岡田将生がとても素晴らしかった。イケメン先生を嫌味なく演じ、また衒いもない(自分の才能を誇って得意そうに見せること、もない)。岡田将生は素晴らしい俳優だ。彼が先生としていることでこの作品が数段よくなっていると思える。そうそうたる俳優たちがほとんど台詞なく出演しているように思えた。2020年/日本/110分/G監督:大森立嗣原作:今村夏子脚本:大森立嗣出演:芦田愛菜、永瀬正敏、原田知世、岡田将生、大友康平、高良健、黒木華、蒔田彩珠、粟野咲莉、新音、池谷のぶえ、池内万作、宇野祥平、見上愛、赤澤巴菜乃、田村飛呂人、大谷麻衣お薦め度「星の子」★★★☆(70%)
2020.11.22
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エル・ファニングの芸達者ぶりが炸裂。アリゾナの田舎女子大生が学校新聞のインタビューで人気の映画監督に会うためにマンハッタンに行くことになる。同行する同級生彼氏はティモシー・シャラメ。ニューヨーカーの富豪の息子。週末のニューヨークデートを恋人とのプランを盛りだくさん詰め込むが、1時間で終わるインタビューが新作映画にまつわるハプニングで次々と展開。二人は別行動のまま、彼女は映画界の人々に、彼は家族のしがらみに翻弄される。次から次へといろいろなことがわきおこっては消えていく、彼と母の軋轢も大人の会話で雲散霧消。そして再会した二人は…。機関銃のようにしゃべり多種多様な表現をするエル・ファニングは黒柳徹子もびっくりするほどのもの。芸達者だと思わずにはいられなかった。相手役のシャラメはこれまた、ムムッと思ってしまうほどの芸達者ぶりを披露する。脚本家として登場するジュード・ロウも弁舌さわやかだ。これだけ台詞の多い作品だと通常の1.5倍くらいの量があるのではないだろうかとさえ思えた。シャラメに絡むセレーナ・ゴメスが今一つ魅惑的でないのが心残りではあるが、それにしてもほぼ絶品といっていいほどの出来栄え。初めて監督ウディ・アレンの辣腕、才能を認めたね(笑)。しかし、ここに描かれていることは有名映画監督としてウディが体験、あるいは見聞きしてきたものであるだろうから、単にそれを描き出しただけとも言えるかもしれない。たとえそうだとしても映画にできる才能はやはり大したものだ。とはいえ、このあと起こったMETOO運動の影響を受け、ウディ・アレンは映画を撮れなくなっている。2019年/アメリカ/92分/PG12監督:ウッディ・アレン脚本:ウッディ・アレン出演:ティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セレーナ・ゴメス、ジュード・ロウ、ディエゴ・ルナ、リーブ・シュレイバー、チェリー・ジョーンズ、原題:A Rainy Day in New Yorkお薦め度「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」★★★★(80%)字幕翻訳:古田由紀子
2020.11.14
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「はちどり」題名の意味するところはわからない。徒然なるままに、の「徒然草」ではないが、中学二年生の主人公の日常をただ描いている。良し悪しをつけるわけでもなく、ただ、その日々を延々と。起承転結があるわけでもなく。事件が起こっても事件になるわけでもなく。好きか、嫌いか、人との交流も起伏が大きいわけでもなく。感情の爆発も、感情の吐露も、あるけれど、激しく。でも、淡々と…。入院してもけがをしても別れがあっても淡々と…、淡々と…。大きな事故があった。大きなニュースであった。そして、知った、人生は永遠でなく。ある日突然なくなるものだと。淡々と…。淡々と…。感情を表に出さない、どちらかといえば静かなシーンが続くので、退屈さのあまり、何度寝そうになったことか。実際、二度ほど意識がとんだかもしれない。一瞬、見逃したかもしれない。クライマックスのニュースは韓国内では周知の有名な出来事。外国からすれば、何も知らないけれど。それで思った、感じた。人生は永遠ではない。そのことを描きかったのか。ただ、多感な思春期を描きたかったのか。淡々と…淡々と。2018年/韓国・アメリカ/138分/PG12監督:キム・ボラ脚本:キム・ボラ出演:パク・ジフ、キム・セビョク、チョン・インギ、イ・スンヨン、パク・スヨン、キル・ヘヨン原題:House of Hummingbirdお薦め度「はちどり」★★★(60%)字幕翻訳:根本理恵
2020.11.14
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イギリスの捕虜からプロサッカーチームのゴールキーパーになったドイツ兵がいたとは知らなかった。ハート・トラウトマンという人の実話の映画化。バイエルン映画祭2019最優秀作品賞、他多数の賞を受賞。映画『キーパー ある兵士の奇跡』公式サイト一部で評判な作品であることは知っていた。しかし、いつものように何も知らず、予習も予告編も見ないで本編を見た。ただ、ゴールキーパーの話なんだなとだけ思っていただけ。心優しいというか非人道的なことには賛同できないドイツ兵士がイギリスの捕虜となる。捕虜収容所ではドイツ軍と同じくナチスが幅をきかせているようだ。しかるに捕虜収容所を預かる軍曹はとてつもないドイツ嫌い。ある日、タバコ欲しさにPKを止める賭けをしたところを軍の消耗品調達のイギリス民間人が見かけ、サッカーチームの監督でもあるその人が主人公をキーパーとして寸借する。その後の展開は映画を見てね(笑)とてもいい作品だと思う。人としてあるべき姿、生き方。苦悩することも多いけれど、トラウマをかかえているけれど、敵国ドイツ兵でありながらスタープレーヤーとして活躍していく様子は力強く必死である。イギリス女性との恋。家族。見終えたときにこんなすごい人がいたんだと感心した。相手役のフレイヤ・メーバーは「サンシャイン 歌声が響く街」に出演していて、映画館で見ている2018年/イギリス・ドイツ/119分/G監督:マルクス・H・ローゼンミュラー脚本:マルクス・H・ローゼンミュラー、ニコラス・J・スコフィールド出演:デビッド・クロス、フレイア・メーバー、ジョン・ヘンショウ、ハリー・メリング、デイブ・ジョーンズ、マイケル・ソーチャ、バーバラ・ヤング、クロエ・ハリス、ミッキー・コリンズ、ゲイリー・ルイス、デブラ・カーワン原題:The Keeper(「その人キーパー」)お薦め度「キーパー ある兵士の奇跡」★★★★(85%)字幕翻訳:牧野琴子参考ブログ「読んで♩観て♩」
2020.11.05
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この作品を見に行った。ブログを書こうといつものように映画.COMを開くと【ALL TIME BEST】に選出されていた。それだけでなくアカデミー賞で監督賞・脚本賞・作曲賞にノミネートされ、話題の長回しのあった撮影賞はアカデミー賞を受賞していた。ゴールデングローブ賞でも作曲賞はノミネートされ、ドラマ部門の最優秀監督賞を受賞していた。はたしてそれほどの作品なのだろうか。<ネタバレ>決死の伝令の命令を受けた兵隊が一昼夜走り続けて、将軍の命令を伝達した。終幕にこの話をしてくれた○○(兵隊)に感謝するという一文が掲示されるから、たぶん事実の話なのだろう。とはいえ、たったそれだけの話が一本の映画になろうとも映画賞で評価されベストムービーに選ばれる作品になろうとは。この作品はそこまでの出来ではないと思う。兵士を助けるという意味では「プライベート・ライアン」という作品を思い出したが、これとて、内容はそれほどのものではない。しかし、こちらはアカデミー賞で監督賞・撮影賞・編集賞を受賞し、ゴールデングローブ賞ではドラマ部門の最優秀監督賞を受賞している。どちらもさしたる内容を持つものではないけれど、撮影賞で評価されるほど、戦闘シーンなど見るべきもの驚嘆すべきものがあった。内容、その物語は評価すべきほどのものとは思えないのだけれど。と考えるのは私だけか?カメオ的出演をしている大御所が二人。将軍役でコリン・ファース。大佐役でベンディクト・カンバーパッチ。どちらもワンシーンの登場だ。彼らが出演する意味あったのか?宣伝には寄与したかもしれないが、あまりにぜいたく、またもったいない。2019年/イギリス・アメリカ/119分/G監督:サム・メンデス脚本:サム・メンデス、クリスティ・ウィルソン=ケアンズ出演:ジョージ・マッケイ、ディーン=チャールズ・チャップマン、マーク・ストロング、アンドリュー・スコット、リチャード・マッテン、コリン・ファース、ベネディクト・カンバーバッチ原題:1917お薦め度「1917 命をかけた伝令」★★★☆(70%)字幕翻訳:松浦美奈
2020.10.24
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ようやく「テネット」を見に行った。難解だという情報を耳にし、しっかり見なければ、と思っていたけれど、なんだこの大音響は!!ガンガンと音を打ち鳴らすディスコ(クラブ)のように響く音。体感すべく大音量。これがあるから映画館で見ろとクリストファー・ノーラン監督は言ったのか?どれだけ鮮明で大画面なモニターで見たとしてもこれほどの大音量を家庭で浴びることはできない。やかましいとしか表現できない音に10分か20分慣れることなく見続けた。主演はジョン・デビッド・ワシントン。父親はデンゼル・ワシントンという。父親ほどのイケメンではないけれど、プロのアメフト選手として活躍していたとあるから、その運動能力、パワーで今回の役は十分こなせたのだろう。見る限り相当きついアクションシーンが続くから。相棒はロバート・パティンソン。「トライライト」シリーズで薄気味悪いバンパイヤを演じていたので、薄気味悪い色白の俳優と思っていたが、「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」でセドリック役もやっていたんだな。「ベラミ」を見ているが、彼には合ってない役だったと思う。今回の役は彼の評判をあげるだろう。エリザベス・デビッキ。敵役の妻。長身の美女。あまりに長身。「華麗なるギャツビー」や「コードネームU.N.C.L.E.」など出演作がある。今回、初めてお目にかかった。ケネス・ブラナー。敵役。風貌から、ケネス・ブラナーではと思ったけれど、本人を感じさせないみごとな演じっぷり。(単に私が気付かないだけか)女を愛する男としては奇特な存在。マイケル・ケインは見た瞬間、ケインだと分かった。スーツについてくだりがあるが、ブルックス・ブラザースが紳士の絶品として引き合いに出されるけれど、コロナ禍にて倒産してしまった。今では、もうスーツは買えない。<ネタバレ>さて、この作品について書こうとするとネタバレでなく書くことは正に隔靴掻痒。とにかく書く。難解である、という情報だけを耳に入れ、ストーリーも展開もしらないまま、いつものように映画を見た。あ、逆行シーンがあることも知っていた。最初にも書いたが、あまりに大きすぎる音響に耳をふさぎたいほどであった。いままでこのように感じた作品はないだけに、通常の作品以上に大音量での上映だったのだろう。体感するといえるほど、体に波動を感じるほどの音であった。それはさておき、ストーリーについてだが、難解なところはなかった。設定や細かい点については疑問を持つところがいくつかあるが、それは初見では見極められないだろうし、何度見てもわからないかもしれない。難解というよりはややこしい、把握が困難になってくるのが後半だ。逆行シーンが始まってからだ。物質によるものか、何かの作用によるものかわからないけれど、物事が逆行する現象があるということが冒頭に提示される。その謎を探求している科学者も登場。しかし、その謎が解明されることはない。事象としての逆行と、時空を超えて時間をさかのぼることができるということが実際問題として起こってくる。そして、それが、抗争、プルトニウム争奪の場となる。後々、プルトニウムではないこの世の終わりをもたらすものであることが判明するけれど。で、逆行である。逆行できること、また逆行する注意点として、自分自身とは触れ合わない、マスクをする、みたいなことを字幕で読んだ気がするが、その点は主人公が逆行を始めた時だけ守られていて、その後は触れ合っているし、マスクなどしていない。この点はシナリオや編集のミスなのか、監督の勘違いなのか、字幕の過ちなのか、私の間違いなのか。時空をさかのぼった人間がさらに時空をさかのぼりを繰り返し、過去の自分とすれ違うシーンも出てくる。同時に同一人物が何人存在するのだろうか?誰だか、わからない殴り合っている相手が○○だったとは!?びっくりしたけれど、嬉しくなった!?陰に隠れている黒幕が○○だったとは!!さもありなん。未来の人間が現在(過去)の人間によって救われるために、過去を操作する。「ターミネーター」のようであるが、未来人がやってくることはない。武器や金塊は届くのに。終末期の人間が道ずれに世界を終わらせようとする話であったが、そもそもそれは何のために?なにゆえに?全くその意図、意志がみえない。わからない。その虚無感は共感を呼べず、彼の部下は自分たちがこの世からいなくなることがわかって働いているのだろうか?と思ってしまった。敵役は妻一人を愛する、けなげな男。そのことが終盤、彼とともに死んだとされる女性の存在がわかることによって表出。この点もびっくりしたが、憎い演出として嬉しく思った。人類の生命について考えるとジブリ映画の「風の谷のナウシカ」や「もののけ姫」を思い起こす。この作品はそれらとは対極にあると感じた。全人類を自身の死とともに消え去ろうとする人命を尊重しない描き方は空疎・虚無に思えた。それだけに内容に重みや含蓄ある何かを感じることはできず、中身のないものに豪華な飾りつけ、包装をしたもののように、映像や斬新な発想や音響で飾り付けた作品のように思えた。主人公の立場が人類を守る、生命を守るものでありながら、敵役の思考が作品の印象として全面に出てきていることに畏怖を感じた。翻って、人命を尊重することが主題であるとするならば、結末として描いているものの、そう思えないのは、やはり畏怖でしかない。2020年/アメリカ/150分/G監督:クリストファー・ノーラン脚本:クリストファー・ノーラン出演:ジョン・デビッド・ワシントン、ロバート・パティンソン、エリザベス・デビッキ、ケネス・ブラナー、ディンブル・カパディア、アーロン・テイラー=ジョンソン、ヒメーシュ・パデル、クレマンス・ポエジー、マイケル・ケイン、マーティン・ドノバン、デンジル・スミス、ユーリー・コロコリニコフ原題:TENET(「テネット」)お薦め度「TENETテネット」★★★★☆(90%)字幕翻訳:アンゼたかし
2020.10.21
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コロナ禍にあって、見に行けなかった、見に行かなかった。公開を楽しみにしていたけれど、まさかコロナ禍の中、公開していたなんて、映画館に行くことをあきらめていたのでまったく気づかなかった。いま、この作品は動画配信されていることは知っている。しかし、映画館で見たかった。昨日まで上映していたギンレイホールに昨日見に行った。ジュディ・ガーランドの晩年。結果的に最晩年となった、最後のロンドン・ライブを描いている。結果的に5度結婚したジュディ。幼少の時より映画界に入り、子役スターとなり、一線で活躍するためにダイエットと薬物に翻弄された。映画人の大人たちに翻弄された。その子役の時のシーンも時折描かれる。もっとジュディに似ている子役をキャスティングすればと映画を見ながら思ったけれど、ウイキペディアで十代の頃のジュディの画像を見ると似ていると思えた。「オズの魔法使い」のジュデイでなく、十代のジュディとして描かれていたのだろう。さて、小柄で顔も小さくかわいいジュディと彼女を演じたレニー・ゼルウィガーは似ていないと思う。それでも、レニーがキャスティングされたのは「きれいでなくかわいくもない、スタイルも良くない、ただ歌がうまいだけの女の子」と子役時に言われていたジュディと歌がうまいレニーがその点において似ているからなのかも。思えば、レニーは普通の女の子である。映画「エージェント」でトム・クルーズに相手役として抜擢されたときは、美人じゃない女優をキャスティングしたと思った。その時には気づかなかったが、芝居のうまい女性だったと後年わかる。というのも、普通の女子そのままに「ブリジット・ジョーンズの日記」という大ヒット作に出演したから。おっと、そのままではなかったレニーは役作りのために6キロ太ったんだった。彼女が演じたブリジットは彼女自身のように存在し、ヒット作は「ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月」そして、「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」と続く。三部作として結実したことは素晴らしい。彼女の代表作である。今作「ジュディ 虹の彼方に」に続く、歌の上手さの確かさは映画「シカゴ」で証明済み。この「ジュディ 虹の彼方に」でアカデミー主演女優賞とゴールデングローブ最優秀主演女優賞を受賞したことは素晴らしいことである。この映画を見るまで、ジュディにライザ・ミネリ以外に子供がいたことを知らなかった。娘と息子。子供二人で上がる舞台。終演後、戻ったホテルでは契約切れで追い出される。泊る所のなくなった親子がたどり着いたのは元夫。二人の子供の親権を要求され、子供を取り戻すべく、歌手として人気のあるロンドンへ旅立つジュディ。しかし、情緒不安定、アルコール依存の彼女に舞台は務まるのか?オープニングは大成功であった。しかし…。大スター人気女優の末路として本作は描かれる。ジュディの生きとし生き様、そして、ジュディの、いや、レニーのみごとな歌いっぷりをとくとご覧あれ!感動の映画作品である。2019年/イギリス/118分/G監督:ルパート・グールド原作:ピーター・キルター脚本:トム・エッジ出演:レニー・ゼルウィガー、ジェシー・バックリー、フィン・ウィットロック、ルーファス・シーウェル、マイケル・ガンボン原題:Judy(「ジュディ」)お薦め度「ジュディ 虹の彼方に」★★★★☆(90%)字幕翻訳:稲田嵯裕里
2020.10.03
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チラシを見てわかるように(文字色を変えてある)、「ようこそ映画音響の世界へ」が題名だ、見に行くまで「ようこそ映画音楽の世界へ」と勘違いしていた。見ると決めてから、見る直前にその違いに気づき大きく落胆したが、見てみると、とんでもない!落胆したことが申し訳なかった。なかなか面白い作品だった。映画における音響の役割と作り方をインタビューや過去の作品に照らして検証というか説明しているのだけれど、音響の世界はとても奥深く多岐にわたり、映画音楽は映画音響の一部分でしかないことを知れる。映画音響の神髄に触れることができ、音響に興味を抱くことができた。これがあるから映画館へも足を運ぼうというものだ。素晴らしい映画音響!!インタビューにはチラシに載っている人以外にもロバート・レッドフォードや音響の魔術師のような人々が数多く登場する。2019年/アメリカ/94分/G監督:ミッジ・コスティン脚本:ボベット・バスター出演:ウォルター・マーチ、ベン・ハート、ゲイリー・ライドストローム、ジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグ、ロバート・レッドフォード、バーブラ・ストライサンド、デビッド・リンチ、アン・リー、ソフィア・コッポラ、ピーター・ウィアー、エリク・アーダール、イオアン・アレン、リチャード・アンダーソン、カレン・ベイカー・ランダーズ、ボビー・バンクス、リチャード・ベッグス、アンナ・ベルマー、マーク・バーガー、ディーン・デイビス、ピーター・デブリン、テリ・E・ドーマン、テレサ・エクトン、ジェシカ・ギャラバン、ルドヴィッグ・ゴランソン、セス・ホール、グレッグ・ヘッジパス、ローラ・ハーシュバーグ、トムリンソン・ホルマン、リチャード・ハイムンス、パット・ジャクソン、リチャード・キング、アイ=リン・リー、デビット・マクミラン、マーク・マンジーニ、アリソン・ムーア原題:Making Waves:The Art of Cinematic Soundお薦め度「ようこそ映画音響の世界へ」★★★★(80%)字幕翻訳:横井和子
2020.09.22
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この作品を見るのは3回目なのか4回目なのか、あるいは5回目か。映画館で見るのは今回が初めて。ようやく映画館で見ることができた。お客様はほぼ満席で年齢層高めか。覚えているシーン、忘れてしまったシーンなどあるが「撃ってはいけない!」というメッセージは強く入ってきた。毒の森・腐海でマスクをしているシーンを見ると、今の世の中でのマスクと結びついた。人類は滅亡へと進んでいるのか?ナウシカの決断力、行動力。さらに、探求心と研究熱心さ。手本にしたいことが多い。風の谷、風がないと死んでしまう=換気すべしみたいにも思ってしまった。宮崎駿の金字塔の「風の谷のナウシカ」を映画館で見られたことを幸せに思う。ありがとう。ありがとうございました。(「風の谷のナウシカ」2017.02.27のコメント)1984年/日本/116分監督:宮崎駿原作:宮崎駿脚本:宮崎駿出演:(声の出演)島本須美、辻村真人、京田尚子、納谷悟朗、永井一郎、宮内幸平、八奈見乗児、矢田稔、吉田理保子、菅谷政子、貴家堂子、坂本千夏、TARAKO、松田洋治、冨永みーな、寺田誠、坪井章子、榊原良子、家弓家正、水鳥鉄夫、中村武己、太田貴子、島田敏、野村信次、鮎原久子、大塚芳忠お薦め度「風の谷のナウシカ」★★★★☆(90%)
2020.08.13
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”わたしの若草物語”だからか?監督・脚本のグレタ・ガーウィグが感じた若草物語が披露されているのであろう。この作品は「若草物語」を読んでいるか、あらすじというか、この物語を事前に知っていないとなかなか理解に苦しむ作品であろうと思われる。幸いにして「若草物語」の映画は何本か見ており、ここ最近でもNHK-BSで放送された「若草物語」を見たばかりだった。それゆえ、理解出来たし、話にもついていけた。現代と過去、大人と少女の時代を行ったり来たりする作品なので場面の切り替わりで現代なのか過去なのか、現代なのか回想なのか、同じキャストが演じているゆえ、場面を見て把握しなければならない。ジョーを演じる主演のシアーシャ・ローナンは「レディ・バード」でもグレタ・ガーウィッグ監督とタッグを組んでいるので、気心が知れていい撮影ができたであろうと思われる。旧作「若草物語」の四姉妹のキャストとイメージが異なるこの作品の四姉妹に慣れるまでしばし時間がかかった。長女と次女、三女と四女の歳の順序で混乱する。とはいえ良く出来た作品で旧作「若草物語」で疑問に思った点、描かれていなかった点がこの新作では描かれており、三女エイミー(フローレンス・ピュー)とローリー(ティモシー・シャラメ)のなれそめ、恋の始まりが描かれていたのは嬉しかったし、ジョーがローリーに思いをはせる手紙をしたためた展開は若者では起こりえる後悔と焦燥が表現されていて楽しめた。このように見たかった、あるいは知りたかった場面があったことは嬉しい限りだが、反面、本来描かなければ理解できないであろうジョーが父の元へ旅立つ母へのお金の工面の件は、いきなりお金を持ってこられても初見の観客には理解不可能であろうと思われる。ジョーの視点、否、グレタ・バーウィグ監督の視点から描かれたこの作品は第92回アカデミー賞で作品賞はじめ計6部門でノミネートされるも衣装デザイン賞を受賞したにとどまる。それもさもありなんと思える作品であろう。エマ・ワトソン、ローラ・ダーン、メリル・ストリープと有名スターが出演しているのがすごい。クリス・クーパーには気づかなかったのが残念。2019年/アメリカ/135分/G 監督:グレタ・ガーウィッグ 原作:ルイザ・メイ・オルコット 脚本:グレタ・ガーウィッグ 出演:シアーシャ・ローナン、エマ・ワトソン、フローレンス・ビュー、エリザ・スカンレン、ローラ・ダーン、ティモシー・シャラメ、メリル・ストリープ、トレイシー・レッツ、ボブ・オデンカーク、ジェームズ・ノートン、ルイ・ガレル、クリス・クーパー、ジェイン・ハウディシェル 原題:Little Women(「若い女性たち」) お薦め度「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」★★★☆(70%)字幕翻訳:牧野琴子
2020.06.24
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昨年、2019年5月6日に見た気がする。映画日記帳にこの「名探偵ピカチュウ」を記載忘れたなんて。地上波テレビ初放送がなかったら気づかなかった。アニメの実写版なので、あまり期待せず見たところ、意外と楽しめた。渡辺謙が出演していることにもびっくりしたし、なかなかの作品だった。そして、この作品が世界的にもヒットして、世界興行収入ランキング14位43170万ドル、これまたビックリ!ピカチュウファンであってもなくても、物語として十分楽しめるし、構成、展開、クライマックス、結末と見どころ十分な作品である。2019年/アメリカ/97分/G 監督:ロブ・レターマン 脚本:ダン・ヘルナンデス、ベンジー・サミット、ロブ・レターマン、デレク・コノリー 出演:ジャスティス・スミス、キャスリン・ニュートン、渡辺謙、ビル・ナイ、リタ・オラ、スキ・ウォーターハウス、竹内涼真、ピカチュウの声(ライアン・レイノルズ) 原題:Pokemon Detective Pikachu「ポケモン探偵ビカチュウ」 お薦め度「名探偵ピカチュウ」★★★★(80%) 映画「名探偵ピカチュウ」公式サイト
2020.05.23
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「スキャンダル」な作品かと思い、見に行った。原題は”bombshell”とあり、調べてみると【爆弾ニュース】や【とても魅力的でセクシーな女性】といった意味があり、ダブルミーニングで使用されたのかもしれない。さて、この作品。アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞をカズ・ヒロが受賞したことからして主演シャリーズ・セロンがシャリーズ・セロンに見えない。ニコール・キッドマンも似せればよいと思ったが、かなり違う印象もある。いまみてびっくりなのは、セクハラで訴えられるCEOをジョン・リスゴーが演じている。まったく気づかなかった。歳をとったのか、メイクなのかわからないが、いづれにしても驚きだ。近年、実話と違うではないかといわれるのが怖いのか、フィクションを加えた方がエンタメなのか、実話作品がなくなった。実話をもとにしているとあるだけで、実話とはしていない作品ばかりだ。この作品も同様、実話をもとにしたフィクションだ。三人目のマーゴット・ロビーは実在しない登場人物だと人から聞いた。作品をみればわかるが、あそこまでの恥部ともいえるセクハラが実在の人物がいたとしたらなかなか描けないだろう。これを加えてより衝撃度を上げたかったのかもしれないが、是か非か、功を奏したかどうかはわからないものとなった、と思える。必然、彼女(マーゴット・ロビー)に絡む同性愛の女性同僚も実在しないんだろうなぁ。実話作品(実話をもとにした作品)にある、胸のすく結末を期待したが、うやむやむにゃむにゃといった残尿感のような心に澱が残ったような印象である。それゆえか作品に対する称賛度は少ない気がする。話題作を見るという意味では見てもよいかも。2019年/アメリカ/109分/G 監督:ジェイ・ローチ 脚本:チャールズ・ランドルフ特殊メイク:カズ・ヒロ 出演:シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビー、ジョン・リスゴー、ケイト・マッキノン、コニー・ブリットン、マルコム・マクダウェル、アリソン・ジャネイ、リブ・ヒューソン、ブリジット・ランディ=ペイン、ロブ・ディレイニー、マーク・デュプラス、スティーブン・ルート、ロビン・ワイガート 原題:Bombshell お薦め度 「スキャンダル」★★★☆(70%) 字幕翻訳:松浦美奈
2020.02.26
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「ジョーカー」を見に行った。アカデミー賞作品賞をとれなかったけれど、なぜかな、と思い、見逃していたので。ホアキン・フェニックスが主演男優賞を受賞し、注目だった作品。ジョーカーがジョーカーになる作品だった。前半は笑いが止まらない病気もあり、まわりからいじめられ社会からも拒絶され、負の連鎖から落ち込んでいく。突発的な出来事から、自身のなかにあったタガが外れ、凶器(狂気)へと突き進む。見終わってみれば、思うに、アカデミー賞作品賞をとってはいけない作品だと思った。しかるに、第76回ベネチア国際映画祭(2019年)金獅子賞を受賞している。すごい映画だ。2019年/アメリカ/122分/R15+監督:トッド・フィリップス脚本:トッド・フィリップス、スコット・シルバー出演:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、サジー・ビーツ、フランセス・コンロイ、ビル・キャンプ、シェー・ウィガム、ブレット・カレン、グレン・フレシュラー、リー・ギル、ダグラス・ホッジ、ダンテ・ペレイラ=オルソン、マーク・マロン、ジョシュ・パイス、シャロン・ワシントン、ブライアン・タイリー・ヘンリー原題:Jokerお薦め度「ジョーカー」★★★(60%)字幕翻訳:アンゼたかし
2020.02.12
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映画「キャッツ」を見に行った。評判は良くないらしいが、自分の目で見ないと、と思った。ネタバレになるだろうけれど、皆が見知ったミュージカル。ストーリーは十分に知れ渡っているし、その部分については書いてもいいかな。冒頭の捨て猫のシーンがいい。捨て猫が捨て猫とわかっているけれど、そうではない体(てい)で、猫たちが絡み踊り取り囲む様子はゴッドであった。ミュージカルではない映画独特のシーンもよかった(<ネタバレ>参照)ミュージカル舞台は4、5回見ているので、筋立ては理解していていいはずなのに、覚えていなくて展開していってのを見て、ああこうだったのか、と思った。汽車のシーンではガラクタで記者を組み立てるのが舞台での妙味であったが、映画では屋外、レールの上に飛び出す。舞台でのすばらしさから映像で違う表現をされても舞台のすばらしさを越えていない気がしたので、残念な思いになる。映画独特といえば、CGをかなり使っているが、使いすぎて違和感を持つところもあり、良かったとは一概に言えない。バレエやタップを取り入れたダンスは素晴らしく歌もハーモニーなど聴きどころはあった。しかし、一番の聴きどころ、聞かせどころの”メモリー”があまりにもみずぼらしい始まりで途中からの盛り上がりにも欠け、パワフルな歌もバックミュージックの音量の大きさに負けてしまっていた。ジェニファー・ハドソンの面目なしであると思えた。他の人の歌も耳というか心に届かないものばかりで残念だと思った。唯一気に入ったのがテイラー・スウィフトでソプラノで耳に届いて心に落ち着く歌声は一品であった。2019年/イギリス・アメリカ/109分/G 監督:トム・フーパー 脚本:トム・フーパー リー・ホール 出演:フランチェスカ・ヘイワード、ロビー・フェアチャイルド、ジェニファー・ハドソン、ジュディ・デンチ、ジェームズ・コーデン、ローリー・デビッドソン、スティーブンマックレー、ジェイソン・デルーロ、レベル・ウィルソン、イアン・マッケラン、イドリス・エルバ、ティラー・スウィフト、ダニー・コリンズ、ニーブ・モーガン 原題:Cats お薦め度 「キャッツ」★★☆(50%)<ネタバレ>前半部分にあるミュージカル舞台ではないネズミのシーンや続くゴキブリの編隊行進のシーンは見事だった。映像で表現する意味があったと思う。
2020.02.09
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「映画の日」といっても、毎月のファースト・デイ、1,200円で映画を見に行った。そうそうたる出演者の作品。主役級が目白押しだ。”007”のダニエル・クレイグは言うまでもなく、”キャプテン・アメリカ”のクリス・エバンス。僕のお気に入り(?)ジェイミー・リー・カ-ティスは「ハロウィン」で見て以来、「ワンダとダイヤと優しい奴ら」の痛快さがとても良かった。「サウンド・オブ・ミュージック」で有名なクリストファー・プラマーは老いてなお意気軒高「偽りの忠誠 ナチスが愛した女」なんか良かった。「イン・ハー・シューズ」で注目したトニー・コレットも活躍し続けているし、「ブレードランナー2049」で注目したアナ・デ・アルマスが軸となって展開する。とても興味深く面白い内容なのに、早々に犯人を明示してしまい、それは他に真犯人がいるのかどうかの気がかりとなり続けた。アナ・デ・アルマスは「灼熱の肌」「カリブの白い薔薇」「ノック・ノック」「エクスポーズ 暗闇の迷宮」「ハンズ・オブ・ストーン」「ブレードランナー2049」で見せた、妖艶さ、美しさとかわいらしさは影を潜め、女性の魅力を炸裂させることなく看護士を神妙に演じているのがもったいない。もちろん芝居はいい演技をしている。作品はゴールデングローブ賞がノミネートだけに終わったように、ノミネート止まりの出来のような気がする。キレッキレの敏腕探偵であるべくダニエル・クレイグはそれほどの切れ味を見せず、謎解きがすべて終わっても腑に落ちるといったスッキリ感がない。”風が吹けば桶屋が儲かる”あるいは”簡単な話を小難しくする”といったような感じがした。これだけの出演者をそろえていて、そこそこの脚本を作り上げているにもかかわらず、傑作には今一歩、いや二歩遠かったと思える。2019年/アメリカ/131分/G 監督:ライアン・ジョンソン 脚本:ライアン・ジョンソン出演:ダニエル・クレイグ、クリス・エバンス、アナ・デ・アルマス、ジェイミー・リー・カーティス、マイケル・シャノン、ドン・ジョンソン、トニ・コレット、ラキース・スタンフィールド、キャサリン・ラングフォード、ジェイデン・マーテル、フランク・オズ、リキ・リンドホーム、エディ・パターソン、K・カラン、ノア・セガン、クリストファー・プラマー 原題:Knives Out お薦め度 「ナイブス・アウト 名探偵と刃の館の秘密」★★★☆(70%)
2020.02.02
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2019年に見た作品からおすすめベスト5を選びました。①アラジン②アクアマン③蜜蜂と遠雷④真実⑤ビリーブ 未来への大逆転「アラジン」素晴らしい映像に素晴らしい歌唱。ジャスミンの”スピーチレス”は圧巻。サブ・ストーリーのジーニーの家族も注目である。「アクアマン」スペクタクルな海洋世界の映像。海洋族の大海原での戦いは見る者を圧倒する。主人公の恋に加え、海洋族プリンセスと漁師(人間男)との恋物語。感動のラストだ。「蜜蜂と遠雷」松岡茉優がこれほどの演技巧者と思わなかった。カデンツァと呼ばれる即興演奏が注目点。聴き所でもある。素晴らしい演奏に感動する。「真実」カトリーヌ・ドヌーヴとジュリエット・ビノッシュの母娘の葛藤、愛憎のドラマ。心のひだを感じることができる。劇中作のSF作品がとても風変わりでおもしろい。「ビリーブ 未来への大逆転」男女平等裁判に挑んだ女性弁護士・判事の実話がもと。正義を貫こうと、正しい道を進もうとする人を応援したくなる。
2020.01.26
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この作品の予告編を見て見てみたいと思ったので見た。予告編で父親だと思っていた人が、少年の妄想のヒトラーだと知り、愕然。映画を見る力がないのではと心配になった。存在しないものを映し、存在するものを映さない。それは特殊な映画の手法だといえよう。あるものをはっきりと映さないということは、想像したり推察したりするしかないわけだから、観客の観察力というものが試される。さて、この作品、民家に匿われているユダヤ人について、少年の目から見た世界が描かれているわけだが、少年の世界というのは一辺倒な思想で、狭量だったりするわけだけれど、10歳の少年の目を通しての戦争ははかない忠誠心だったのかもしれない。クレジットを見て、チェコで撮影していると知った。2019年/アメリカ/109分/G 監督:タイカ・ワイティティ 脚本:ローマン・グリフィン・デイビス、トーマシン・マッケンジー、タイカ・ワイティティ、レベル・ウィルソン、スティーブン・マーチャント、アルフィー・アレン、サム・ロックウェル、スカーレット・ヨハンソン、アーチー・イェーツ、ルーク・ブランドン・フィールド、サム・ヘイガース 原題:Joko Rabbit お薦め度 「ジョジョ・ラビット」★★★☆(70%)
2020.01.18
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マット・デイモンとクリスチャン・ベールのダブル主演。レーサー対決の話ではなく、経営不振に陥ったフェラーリを買い損ねたフォードがル・マン24時間耐久レースでフェラーリを打ち負かそうと取り組む話。クライスラーを立て直したリー・アイアコッカが登場したり、フォードのドライバーとしてマクラーレンが登場したり、なかなか楽しめる作品である。マット・デイモンがキャロル・シェルビーを演じ、クリスチャン・ベールがケン・マイルズを演じる。重量感のあるレース音と秒速の争い。次々と更新されるラップタイムが驚きの連続だ。キャロル・シェルビー(マット・デイモン)が運転する車に乗ったヘンリー・フォード2世(トレイシー・レッツ)の顔が忘れられない。絶妙な苦笑だ。見ごたえのある作品である。2019年/アメリカ/153分/G監督:ジェームズ・マンゴールド 脚本:ジェズ・バターワース、ジョン=ヘンリー・バターワース、ジェイソン・ケラー 出演:マット・デイモン、クリスチャン・ベール、ジョン・バーンサル、カトリーナ・バルフ、トレイシー・レッツ、ジョシュ・ルーカス、ノア・ジュプ、レモ・ジローネ、レイ・マッキノン、J・J・フィールド、ジャック・マクマレン 原題:Ford v Ferrari お薦め度 「フォードvsフェラーリ」★★★★(80%)
2020.01.16
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今日、見に行ってきました。こどもが見たいと言ったので、親子で久々の映画です。子供も大きくなると一緒に出掛けることが少なくなりますが、今日、一緒に見られて良かったです。ナレーションだけのセリフのない作品ですが。小さいお子さんの多い、家族連れの客ばかり。笑いが時々、でもクライマックスでは、子供たちは泣いているような感じでした。
2020.01.12
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2019年度中に見ることかなわず、本日「男はつらいよ お帰り 寅さん」を見に行った。久しぶりの新宿ピカデリーである。SMT(松竹)は趣向を凝らしていて、リピーター割引という特典をしていて、一回見に行った履歴があれば、次回が、1,200円で鑑賞できるようだ。さて、寅さん50作目。主役は吉岡秀隆。前作から20年以上の時を経て、時代は移り、おいちゃん・おばちゃんはすでに亡く、住職も先代から次代に代わっていた。寅さんの消息については語られず、行方知らずということなのか。観客は年配の方が多く、空席も多少あった。中学生割引をしているが、この作品の内容を見てみると、満男の回想は高校生だったり、満男の娘も高校生なので、高校生が見れば多少、親近感がわくかもしれないが、中学生がわざわざ見るほどではないと思えた。私は泉(後藤久美子)の母役は三田佳子だと記憶違いをしており、なぜ夏木マリが出ているのか回想シーンを見るまで不思議だった。どうやら昔の風邪薬のCMでの後藤久美子と三田佳子のインパクトが大きかったのかもしれない。今回出演の池脇千鶴が良い芝居をし、桜田ひよりは感じが良かった。浅丘ルリ子や美保純は演技巧者ぶりを発揮し、濱田マリやカンイング竹山のワンポイント出演も名演技だった。立川志らくや富田望生は見どころがなく、もったいなかった。久々に見た小林稔侍に嬉しくなり、倍賞千恵子や前田吟や吉岡秀隆の老いを感じさせる容姿には少々驚いた。後藤久美子は大人の女性として美しく、今回主軸をになったのはブランクがありながら立派であった。彼女の語学が役柄で活かせたのは大きい。少し泣いて、泣いて、少し笑った。回想で見ることしかできなかった寅さんが懐かしくもあり寂しくもあった。寅さんよ、永遠に。2019年/日本/116分/G監督:山田洋次脚本:山田洋次、朝原雄三出演:渥美清、倍賞千恵子、吉岡秀隆、後藤久美子、前田吟、池脇千鶴、夏木マリ、浅丘ルリ子、美保純、佐藤蛾次郎、桜田ひより、北山正康、カンニング竹山、濱田マリ、出川哲朗、松野太紀、立川志らく、笹野高史、橋爪功、林家たま平、富田望生、倉島颯良、中澤準、田中壮太郎、桑田佳祐お薦め度 「男はつらいよ お帰り 寅さん」★★★★(80%)<ネタバレ>作品ことを書くので、ネタバレとする。テレビのクイズ番組ではメタメタでからっきしダメな浅丘ルリ子がリリーとして絶妙の芝居をするので、さすが女優と感心した。美保純や濱田マリ、カンニング竹山の妙味、演技巧者ぶりも良かった。美保純と丁々発止とやりとりするさくら(倍賞千恵子)を見ていて、おばちゃん(三崎千恵子)のように思え、おかしかった。満男(吉岡秀隆)が、妻をなくしての7回忌というのはいかがなものか。法要はその設定でいいかもしれない。しかし、やもめとなった初老男性に再婚をすすめるならば3回忌くらいがよかったのでは。7回忌の設定では満男が娘の思春期をやもめで暮らしたことになる。ただ、3回忌では再婚を固辞するのは、当然で泉(後藤久美子)との再会で恋心が再燃しにくいのかもしれない。役どころ、編集者としての池脇千鶴の演技は見事で抜かりない気がした。絶妙なキャスティングといえよう。設定でいちばん驚いたのが満男が小説家になっていたことである。満男には似合わない気がしたが、エンディングを見て、書き下ろしを書き始めるとなるほどと納得する職業選定であった。映画の題名が”お帰り 寅さん”となったのも、これだからか、と思えた。クライマックスの空港での満男と泉の別れは衝撃的だった。アンビリーバブル! 相手を思いやる心があった。感動的ですらあった。エンディングのマドンナたちの回想シーン。私に物語を思い出させたのが松坂慶子と太地喜和子と浅丘ルリ子くらいで、初期から中期のマドンナたちが多く懐かしむことはなかった。後期の作品をほぼすべて見ているが、中期までは見ていないんだなと認識したしだい。渥美清さんはじめ物故者に合掌。山田洋次監督、この作品を作ってくれて、ありがとう。
2020.01.11
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これがスカイウォーカーの始まりなのか。性善説、性悪説とあるけれど、生きてきた軌跡がすべてだということなのだろうか。大晦日のせいかシネマイレージデイだったけれど、満席ではなかった。登場していたのにハリソン・フォードのクレジットがなかったのは、なぜ?見落としかなぁ。2019年/アメリカ/142分/監督:J・J・エイブラムス出演:デイジー・リドリー、アダム・ドライバー、ジョン・ボイエガ、オスカー・アイザック、マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、ビリー・ディー・ウィリアムズ、ルピタ・ニョンゴ、ドーナル・グリーソン、ケリー・マリー・トラン、ヨーナス・スオタモ、アンソニー・ダニエルズ、ビリー・ロード、ケリー・ラッセル、ナオミ・アッキー、リチャード・E・グラント、イアン・マクダーミド原題:Star Wars:The Rise of Skywalkerお薦め度 「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」★★★★(80%)
2019.12.31
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僕がピュアすぎるのだろうか?若い男女の恋物語を予想して見に行った作品は、単なるラブ・ストーリーではなかった。”ラスト・クリスマス”の本当の意味がわかると宣伝文句にあったらしいけれど、見てみて納得。「えっ!それをここで言うか!!」って。いや、大ヒットしたワム!の曲でも明らかなんじゃないかとおもうけれど。”ラスト”って聞くと、つい”最後の”と短絡的に考えてしまいますよね。映画「ラスト サムライ」みたいに。ところがよく使われる”ラスト ウィーク”なんてあるように、「先週」のことだったりするわけで。そういう意味では「去年のクリスマス」という意味なんです。でも。映画を見るともう少しいろいろ思うけどね。さて、この作品。純粋な心で純粋な恋物語を見に行ったものには、前半辛かったです。ユーゴスラビアでの讃美歌のシーンから始まるので、ユーゴスラビアの話なのか、移民の話なのかといろいろと想像してしまって、想像外、予想外の物語に興味がわかなかったから。主要キャストでアジア人が出てきます。トムと呼ばれる男性とサンタと呼ばれる店主。ヨーロッパの作品にアジア人が出ることは珍しいので驚きました。そこはこの作品のサブテーマともいえる今は移民であふれかえるロンドンを表現しているのかもしれません。まぁ、それ以外は移民だとしても西洋人ばかりなので、東洋人の私には見ていて誰が何人かはわかりませんけれど。主役はエミリア・クラークで「ターミネーター:新起動 ジェネシス」や「世界一キライなあなたに」に出演し「ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー」にも出演した注目の女優です。久々に見たエマ・トンプソンがやけにおばあちゃんになっている、と思ったけれど。エミリアが若い娘と思ったからそう感じただけで、今思うとエミリアの役、ケイト自身が三十路にかかる女性でその母親であるエマ・トンプソンは母親であるけれどおばあちゃんなのでしょう。つまらないとおもえた映画でしたが、起承転結の転をむかえて、大きくかわります。主人公ケイトがきづいたことが、予想だにしないことだったので驚天動地。驚きに驚きました。そして、気が付くと大いに感動し、見て良かったと思える作品になりました。”ラスト・クリスマス”本当に去年のクリスマスなんですよね。2019年/アメリカ/103分/G監督:ポール・フェイグ出演:エミリア・クラーク、ヘンリー・ゴールディング、ミシェル・ヨー、エマ・トンプソン原題:Last Christmasお薦め度 「ラスト・クリスマス」★★★★(80%)
2019.12.31
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「アー、アー、ア、ア~。アー、アー、ア、ア~。」と耳に残る声。その声に導かれるように霧に閉ざされた山奥にわけいるエルサたち。吹替えで見た声優たちの声は素晴らしかった。英語に合わせた口の動きを歌唱シーンではリズムに合わせればマッチングしやすいとは思うけれど、エルサがアナが、今、声を発した、歌を唄った、ように声(音)が聴こえてくるのは、感嘆した。物語は謎をかかえ、その謎を解き明かすために山奥へ、霧に閉ざされた政界へわけいる。前作では奇想天外な展開に驚き、エルサやアナの心情や葛藤に同調し共鳴し、おかしみやユーモラスと苦しみを共に感じ作品にどっぷりと浸かった感じがした。素晴らしい歌とともに、その世界に魅了された。今作は前回公開から約6年。しかし、作品の中は3年後。時間経過が遅かったのでは。前作を見た幼児は児童になり、児童は生徒になり、生徒は十代、あるいは大人になってしまった。今作ではエルサを呼ぶ声の主を探し求めるけれど、その声は・・・。過去の先代の仕業によりもたらされた世界。人々を助けることは出来るのだろうか。いろいろとエンターテイメントに富んだ作品に仕上げてくれているけれど、あまりに出来過ぎてPVかと思えるようなシーンもあった。大いなる感動や腑に落ちる結末でもなかったように思える。ただ、続編を見られた幸せはある。2019年/アメリカ/103分/G監督:クリス・バック、ジェニファー・リー声の出演(日本語版):松たか子、神田沙也加、武内駿輔、原慎一郎、松田賢二、吉田羊、前田一世、余貴美子、小林親弘、壹岐紹未、吉見一豊、安崎求、飯島肇、黒川聖菜、新津ちせ、津田英佑、多田野曜平、稲葉菜月、佐々木りお 原題:FROZEN2お薦め度 「アナと雪の女王2」★★★★(80%)
2019.12.29
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「エンド・オブ・ホワイトハウス」「エンド・オブ・キングダム」の続編「エンド・オブ・ステイツ」である。無敵で不死身のシークレット・サービス、マイク・バニング(ジェラルド・バトラー)が活躍する。前作「エンド・オブ・キングダム」でも、やりすぎに思えたアクション、破壊シーンであるが、今回も強烈!空前絶後のカー・チェイス、爆破シーンを見せる。冒頭からの戦闘シーンの連続にあっけにとられる。早くも全力の映像だ。大統領暗殺の攻防戦。アメリカの民間軍事産業と影に見え隠れする敵国。次々と殺害されていく政府側。マイクは容疑者とされ、行動もできない。そして、思いもよらない黒幕の登場で驚く。久々に見たニック・ノルティはますます年老いていた。「48時間」(1983年)でスターとなった。「サウス・キャロナイナ 愛と追憶」(1992年)で見た時の印象とは随分と変わっていた。「ロング・トレイル!」(2016年公開)の嫌なじいさんとも違っていた(笑)久々に見られて、嬉しかった。みごとな演技をする赤ちゃん(?)二歳児(?)は、CGではないかと思えた。とてもあれだけの受ける演技をすることは不可能と思えるから。丁々発止で敵対する二人の切っても切れない関係に、死闘が圧巻。見ごたえ十二分のアクション映画であった。2019年/アメリカ/121分/PG12監督:リック・ローマン・ウォー出演:ジェラルド・バトラー、モーガン・フリーマン、ジェイダ・ピンケット・スミス、ニック・ノルティ、ランス・レディック、ティム・ブレイク・ネルソン、パイパー・ペラーポ、ダニー・ヒューストン原題:Angel Has Fallenお薦め度 「エンド・オブ・ステイツ」★★★★(85%) 字幕翻訳:北村広子
2019.12.01
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予告やあらすじを全く読まない私は実際の事件のドラマかと思いこの作品を見に行った。見終わって、あまりに突拍子もない内容に実話ではないのではないかという疑念が生まれ、ググってみたところ、事件に着想を得たフィクションが原作で、実際の事件をググってみたら実態はずいぶんと違っていたようだ。とはいえ、この作品を見ての感想を述べよう。この作品を見て、日本大使公邸占拠事件の背景や実態を知ろうと思っても無理だ。それらはほぼ全く描かれておらず、占拠事件を題材にとったフィクション、作り話で見ている人たちが感情移入できるように作られている。さて、主役ベルカント(美しい歌唱)のオペラ歌手にジュリアン・ムーア、彼女を敬愛する実業家に渡辺謙、通訳に加瀬亮の配役。チラシもこの三人である。世界的ソプラノ歌手のプライベートコンサートが南米某国の副大統領邸にて各国著名人を招いて開かれていた。そこに、テロリストによる襲撃と占拠、人質拘束が行われる。そこでの生活と人質とテロリストの交流、人質同士の交流を描いた作品。物語の進行とともに深まる関係に見ている者の心も連れられていく。情感たっぷりのドラマに酔いしれていく感じがする。しかし、テロである、占拠である、人質である。クライマックスから結末までは突然であり、驚きである。とてもとても感傷的な終わり方はその登場する人々の姿に、あ然とする。まったくのフィクションとはいえ、素敵な作品である。2018年/アメリカ/101分/G監督:ポール・ワイツ出演:ジュリアン・ムーア、渡辺謙、加瀬亮、クリストファー・ランバート、セバスチャン・コッホ、テノッチ・ウエルタ、マリア・メルセデス・コロイ、エルザ・ジルベルスタイン原題:Bel Cantoお薦め度 「ベル・カント とらわれのアリア」★★★★(80%) <ネタバレ>ジュリアン・ムーアの歌の吹き替えはルネ・フレミング。当代随一のアメリカのソプラノ歌手らしい。とても美しい歌声。ジュリアンとの口あわせ(口パク)は吹き替えと知っていただけにわずかに違和感があった。ロクサーヌ(ジュリアン・ムーア)とホソカワ(渡辺謙)の交流、ゲン(加瀬亮)とカルメン(マリア・メルセデス・コロイ)の交流はフィクションとはいえいきすぎなのでは?めくるめく想いを描くには現代作品としては必要なのかな。ラストの1年後、このシーンで突入銃撃戦で生死がはっきりしなかった二人が描かれるが、その姿を見ても判然としなかった。う~ん、この描き方でいいのかな?解釈は観客にゆだねるとも思えないでもないが、この描き方だと微妙。
2019.11.17
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主役はリンダ・ハミルトン(サラ・コナー役)だった。シュワちゃんは主に後半戦に登場。冒頭のT2その後の件は衝撃的だった。それを受けての今回の作品。あまりにも強靭、無敵、不死身なREC-9(新ターミネーター)に勝てないと思えた。サラ・コナーのこともT-800のことも知らない未来人。追われる身になる重要人物ダニー。壮絶なバトルに見終わった時には少し疲れを感じるかも。CGなのかなんなのか、どうやって撮影したのかわからない空中シーン。飛行機やヘリコプターの爆発などなど、見ごたえは十分である。ただ、作品としての打ち震える衝撃や感動を感じなかったので、新機軸はあれど新鮮味は足りなかったのかもしれない。2019年/アメリカ/129分/監督:ティム・ミラー出演:リンダ・ハミルトン、アーノルド・シュワルツェネッガー、マッケンジー・デイビス、ナタリア・レイエス、ガブリエル・ルナ、ディエゴ・ボニ-タ、エドワード・ファーロング原題:Terminator:Dark Fateお薦め度 「ターミネーター ニュー・フェイト」★★★★(80%) <ネタバレ>冒頭にあったジョン・コナーとサラ・コナーとT-800のシーンは意外だった。気づけば、任務完了した時に償還されることはなかったのだろうか。いや、その時には未来が変わっていて、償還できるところがなくなっていたのか。未来が変わってしまう話はなかなかややこしい。ゆえにラストのシーンで二度と死なせるものかというセリフの意味も深く感じた。未来は変わったんだと。時代を反映して舞台はメキシコから始まる。T2ではチャーミングなエドワード・ファーロングが登場したのだか、本作ではそのようなチャーミングな男の子も女の子もいない。メキシコからアメリカへの不法侵入。それが不首尾に終わるというのは現政権へのごますり(?)、いや、物語としての必然なのかな。サラ・コナーが主役だったことに驚き。T-800の隠遁生活にも驚き。バトルの繰り返しであるけれど、とどのつまり自己犠牲による攻撃でないと敵をやっつけられないという悲惨さはいいのか、悪いのか。そうせざるを得ないところまでターミネーターを強靭に作り上げたことで壮絶な作品となった。原題の”Dark Fate”は何を指すのであろうか?
2019.11.10
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「夜のピクニック」を読んで、恩田陸は素敵な作家に思えた。映画「夜のピクニック」も良かった。そんな遠い思い出に原作を読んでから、この作品を見たかった。けれど、先に映画作品を見てしまった。原作を知らないのですべてが新鮮で次に起こることも予見できずに、興味を持って見た。素晴らしかった、良かった、いい作品だと思った。感動したところはあちらこちら、ところどころで涙を流し感じ入ってみた。神童や天才と呼ばれる若きピアニストが超一流のプロピアニストを目指してピアノコンクールでしのぎをけずる話。主演松岡茉優。ショートボブの髪型からして、20歳の女の子であれば広瀬すずでよかったのではないかと思えた。当代一のスター女優・広瀬すずが最適ではないか、映画のヒットも考えるとそう思えた。松岡茉優であればしらない観客も多いのではないか。事実、知人は松岡茉優を知らなかった。しかし、知らない分、役柄・栄伝亜夜として存在した。広瀬すずでは広瀬すずが認識されて、栄伝が感じられないかもしれない。私が、松岡を知ったのはNHK朝ドラ「あまちゃん」でのアイドルグループのリーダー役だった。アイドルを目指す十代の女子がタレントとして集められたなかでピンでは無理だからグループで売り出すという方針。その中でのリーダー役。美人でもかわいくもなく、この子はアイドルにはなれないな、だからリーダー役、そう思った。アイドルとして売れることはない、と思った。松岡茉優はスターにもアイドルにもなることはなかったが、この作品を見て、女優になったなと感じた。テレビドラマ「やすらぎの郷」のバーテンダーや映画「ちはやふる」のクィーンなど、私が見る松岡はチョイ役であった。TVCMにも出ているので人気もあるのだろうけれど、彼女の女優度を感じたことはなかった。この作品を見て栄伝として栄伝を演じきった松岡を見て、いい女優になったなと思った。共演の森崎ウィンも新人の鈴鹿央士もいい演技をしていた。松坂桃李は芝居がヘタだと思っているが、今作では引き出しを増やしたんだなと人気者として作品に出演し続ける経験値を知った。ブルゾンちえみはブルゾンらしい役どころで、片桐はいりも彼女が似合う役どころと見えた。眞島秀和の役どころはいい役者としてはもったいない使い方に感じた。平田満はいい味出してるいい役どころである。鹿賀丈史の役どころも申し分なく。斉藤由貴を審査委員長としてキャスティングしたことは芝居巧者の彼女に託したことは大成功だと思える。彼女とともにいる審査員の外人が素晴らしかった。審査員としての自然な演技で英語でのやり取り、それにともなう字幕を読んでいるとまるで外国映画を見ているような錯覚にとらわれるほど。この役者アンジェイ・ヒラはよかった。光石研もいい芝居してました。映画を見て、後追いになるけれど原作を読んでみたいと思った。みなさまにお薦めする映画作品です。2019年/日本/119分/G監督:石川慶 出演:松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士、臼田あさ美、ブルゾンちえみ、福島リラ、眞島秀和、片桐はいり、光石研、平田満、アンジェイ・ヒラ、斉藤由貴、鹿賀丈史お薦め度 「蜂蜜と遠雷」★★★★☆(90%)<ネタバレ>本当にこのような子供がいるのだろうか。音のならない鍵盤で板で演奏の練習をする者が。そこが大きな疑問ではあるが、若き若者だけが持つ怖いもの知らずの強さ。そして、大聴衆に恐れをなさず楽しめるすごさ。母を亡くした苦しみから立ち直るべく7年を要し、最後の挑戦としてチャレンジャーとして出戻ってきた主人公・栄伝亜夜。彼女の苦しみも悲しみも必要最小限しか描かれない。それを見て彼女の慟哭をくみ取っていくしかない観客。音の世界。音楽の世界。プロの境地。それを映像化できた具現化できた作品である。もちろん、観客にわかるように演者の表情や行動やしぐさで、うまくいった、失敗したを表現したいささかの残念さあるけれど、いたしかたないこととも思えた。この作品のためにピアノレッスンを何カ月も続けた出演者は素晴らしい演奏演技として結実していたと思える。原作にあるのかないのか、不要なものや不敬なものに見えたふたつのシーンがある。不要なものは審査員が客席で演奏中にホットドックをほおばるシーン。不敬なものは審査員長と審査員が演奏中に私語を交わすシーン。演奏中に言葉を発するなんてあってはならないと思うのだが。片桐はいりはいい味を出していたが、彼女のシーンはあえて入れなくても良いのではないだろうか。冒頭、クライマックス、エンディングと登場する馬。馬は何を意図するのか。私にはわからない。心地よく何度もリフレインしてしまう、人を酔わせる曲や演奏よりも、超絶技巧にとんだ連弾のほうが評価が高いなんて、コンクールというものはそういうものだということを忘れていた。フィギュアスケートがどんなに優雅に素晴らしくすべっても、4回転みごとに跳んだものが優勝するように、胸に響く歌を歌うより低音から高音まで、はては他人が出せないハイトーンで歌うものが優勝するように、きざみこむ奏法を完璧にこなすものが優勝するピアノコンクール。それを魅せてくれた。コンクールの結果は、エンドロールの始まりであった。
2019.10.23
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映画「真実」を見に行ったのは、体育の日(10/14)だった。この日はTOHOシネマズデイということもあり、昼のちょうどいい時間帯TOHOシネマズでは満席・ほぼ満席でどの作品も見られないか、見るなら最前列といった状態だった。台風19号上陸ということもあり、様子をみてから予約をと考えていた私は完全に出遅れた、というわけだ。それならと、他の映画館を新宿や渋谷で探してみても新宿ピカデリーも新宿バルト9もTOHOシネマズ渋谷もほぼ満席であった。よほど人気のない作品なら若干席に余裕はあるが、わざわざ都心まで出かけて興味のない作品を見るくらいなら、TUTAYAにでも行った方がましだと思い、映画を諦めかけた。念のため、都内全域で探してみたところ、TOHOシネマズ日比谷だけは見やすい席にも空席があり、日比谷に出かけることに決めた。電車などが止まったり遅延してはと早めに家を出たら11時前に東京ミッドタウン日比谷についてしまった。1階からはいると玄関は老人集団でごった返していた。70代80代とおぼしき老人たちが大挙して押し寄せていたのは何かわからなかったが、その老人たちの間をゆっくりとすり抜けエスカレーターに乗った。2階に上がった通路を真っ直ぐ進むとまだシャッターが下りている。警備員が11時開店を知らせ、待つことにした。たぶん迂回経路で4階の映画館まで上がれるのだろうけれど、1時間も早くついてしまったのでショップ開店を待つことにした。シャッターが上がり通路を突き進みエスカレーターで3階に上がる。と、ここは3階どまり。4階へ行くには別経路のようだ。しかたなく迂回するようにぐるっと通路を巡り映画館の4階に上がるエスカレーターに到着した。ショップ開店をまった十数分は無駄だったなと自嘲しながら、エスカレーターで4階へ。散点するソファには数人の老人たちが腰かけている。ここは年齢層が高いのか?と思ってしまった。会場まで相当な時間があったので老人たちと同じようにソファに座りゲーム、ツムツムをして開場を待つことにした。広いフロアーなので4階だけに映画館がある。入場してエスカレーターを上に上に上がっていかなければいけない新宿ピカデリーやTOHOシネマズ新宿や新宿バルト9とは違う。池袋のグランドシネマサンシャインも映画館ビルなのでエスカレーターを上へ上へと上がることになる。一等地の日比谷でワンフロアにシネコンが集約されているというのは驚きである。もちろん4階まではエスカレーターで上がってきたのだが、入場後に上がらなければならない面倒がない。念のためWEBで確認したところ、TOHOシネマズ日比谷ではスクリーン12・13は東京宝塚ビル地下にあるとのこと。東京宝塚劇場の地下にあるということである。厳密にはワンフロアでなかった。映画館の広さにもビックリした。SCREEN9で見た。このシネコンで2番目か3番目に広い映画館である。今日10月19日のスケジュールを見るとSCREEN9では「マレフィセント2」を上映していて、「真実」(字幕版)はSCREEN13(東京宝塚地下)になっている。10月14日の上映後に帰る観客を見ると年配の方が多く80代と50代の母娘とみられるような人もいた。総じて年齢層は高く20代30代はカップルなど2、3組を数えるくらいだった。この作品、カトリーヌ・ドヌーヴが主演でジュリエット・ビノシュが共演、監督が是枝裕和ということしか知らなかった。フランス映画なのにアメリカ人俳優イーサン・ホークが出ていたのにもびっくりしたし、こんな女優知らないと思ったリュディビーヌ・サニエが「スイミング・プール」の主演少女だったことにも驚いた。フランス語英語を理解ししゃべる子役をキャスティングするなど、なかなかの実力派を集めた作品だといえよう。「真実」というのは、大女優であるファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)が著述した実話本の題名である。その本の内容は真実が一部分でほとんど真実が書かれていないか虚構の話のようである。「真実」本の出版のお祝いにアメリカから駆け付けた娘家族(ジュリエット・ビノシュとイーサン・ホークと子役)との数日間の生活で明らかになる真実と母や娘や使用人の思い。共演女優との思いも表出され、とても感じ入る作品であった。見ていて、家族関係、人の心の襞(ひだ)を丹念に描いていると思え、味わいは違うけれど小津安二郎作品を思い出した。私が見た小津安二郎作品は「東京物語」や「お早よう」であった。リアルタイムではないが、小津安二郎作品を映画館で見たことがあるというのは年の功なのであろう。とてもとても素敵な、万感胸に迫る作品であった。手前勝手であるが、この作品は人の心がわかる感情豊かな人でなければ、感じ入ることができないのではないかと思えた。私自身は涙がにじんだのは二度三度ではない。とてもとても感じ入った作品である。是枝裕和監督、あっぱれである。2019年/フランス・日本/108分/G監督:是枝裕和出演:カトリーヌ・ドヌーブ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホーク、リュディビーヌ・サニエ、クレモンティーヌ・グルニエ、マノン・クラベル、アラン・リボル、クリスチャン・クラエ、ロジェ・バン・オール原題:La veriteお薦め度 「真実」★★★★☆(90%)<ネタバレ>過去に海で亡くなってしまった(たぶん)叔母の存在がファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)とリュミール(ジュリエット・ビノシュ)の母娘の関係に影を落としている。女優街道まっしぐらの母と女優である叔母に子守される娘。娘は叔母ちゃん子だったのだろう。叔母に慣れ親しんでいたが母への追慕もかなりあったことがうかがえる。母は母でなく女優として生きたために子育て出来なかった娘に気後れがあり女優であった叔母にライバル心もあるようだ。暴露本「真実」の出版に際し帰省した娘家族。夫はアメリカのテレビ俳優のアメリカ人。普段、英語しか話さない。子供は娘で英語フランス語両方を使いこなす。売れっ子新進女優(三十代?)の主演SF映画にその娘として共演する母。主演女優は不治の病で地球にいれば2年で死んでしまうので、生きながらえるために宇宙に行き、7年ごとに娘に会いに地球へ来るという話のようだ。主演女優と子役、主演女優と若手のシーンを撮影現場で見る。主演女優は亡き叔母の再来と言われて脚光を浴びている。そして、中年女性のまま歳をとらない母役主演女優との70歳を越えた子役のファビエンヌとの共演。撮影現場から抜け出し、いい芝居ができないと何度もNGを繰り返すファビエンヌ。そして、とうとうこれほどまでにない名演技、名シーンを見せたファビエンヌ。見ていたこちらも感動に熱くなった。その刹那、映画監督がもう一度と声をかけられる。どうして?いい芝居だったじゃないと抗議すると、いい芝居だったけれど長い、あと80秒縮めてくれという。まさしく撮影現場にいてみているような生のシーンを見せてくれた。現場を知りえた人間が描ける世界である。嬉しくなる楽しめたシーンである。是枝監督がジュリエット・ビノシュと映画を撮るという話から始まった作品らしいが、いい作品を作ってくれた。なぜかこの作品、日本語吹き替え版がある。原稿は是枝監督が日本語で書いたものだからフランス語に置き換える時にずいぶんと直されたようだ。たとえば、「すいません・・・」で始まる会話の場合、フランス語で"Pardon""Exceuse moi"など使わないとか。そんなこんなで、オリジナルに近いということが売り文句になっているけれど、吹き替え版を作ったのかな。母役が宮本信子で娘役が宮﨑あおいであるが、なぜこの二人なのかという質問に是枝監督は会いたかったから、みたいなことを言っている。それゆえか吹き替えに関する演技指導はなかったようである。好きにやってくださいみたいな。いや、もとい。映画の中の女優さんに合わせる必要はないといったのかな。(笑)そんな思いがあるならば、いっそ日本映画でリメイクしれみれば、と思い。キャスティングを考えてみた。主演はなんといっても吉永小百合でしょう。1945年生まれだから1943年生まれのカトリーヌ・ドヌーヴとほぼかわらない。若い頃から映画界を背負って立つ大女優で今もなお現役主演映画女優という点でも共通している。しかし、意地の悪さというか、きつい言葉=毒舌は吉永小百合には似合わない。吉永小百合が悪態をついたとしてもそれは無理からぬこと意地の悪さというものは出てこない気がする。そこで思いあぐねて選び出したのが松坂慶子である。松坂慶子は1952年生まれなのでドヌーヴよりは10歳若いけれど年齢的には祖母役でピッタリである。NHK朝ドラ「まんぷく」でも祖母役を演じていたし、NHK大河ドラマ「篤姫」の幾島役でのきつい物言いは意地悪い毒舌に通じるものがある。加えて若い頃の出演作にはお色気いっぱいのものもありドヌーヴとも通じる感じがする。ぽっちゃりどっしり感のあるスタイルもドヌーヴさながらである。(太っているという意味ではない)母役が吉永小百合であれば娘役は原田美枝子でいいなと思えた。原田のスレンダーな感じのスタイル、若い頃の映画での脱ぎっぷりの良さはジュリエット・ビノシュに通じるものがあり演技巧者という点においてもそん色ないものと思われる。しかし、松坂を母親役にした場合には1958年生まれでの原田では年齢が近すぎるので再考しなければならない。背格好から若手を考えると深津絵里とも思ったが、なんとなく地味に思える。ビノシュに匹敵する日本人女優と考えたが思い当たらず、娘役は見当たらないと諦めかけた時、思い出した。山口紗弥加はどうだろう。1980年生まれなので松坂慶子ともあう。スタイリッシュな背格好で近年はテレビドラマの主役をつとめるほど成長した。ただ、たぶん是枝監督は山口紗弥加のこと、知らないだろうなぁ。知ってるかな?フランス版 母・カトリーヌ・ドヌーヴ 娘・ジュリエット・ビノシュ日本版 母・松坂慶子 娘・山口紗弥加でどうでしょう?とここまで考えたら、お気に入りの女優が浮かんだ。酒井美紀である。1978年生まれで、年齢、背格好共に松坂慶子ともあう。映画「誘拐」で見せた名演技が忘れられないが「沈まぬ太陽」でも娘役で出演していたと思うけれど、違うのかなぁ。演技巧者だよね。是枝監督ならお気に入りの女優の方を使うよね。だとしたら日本版 母・松坂慶子 娘・酒井美紀になる。(笑)でも、日本語吹き替え版まで作ったから邦画リメイクということはないだろうね。
2019.10.19
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このチラシの主人公、ななめ顔を良く描いている。正面顔の本人を見てしまうと別人に思える。さて、その主人公ジュリエットを演じるのはリリー・ジェームズ。「シンデレラ」「マンマ・ミーア:ヒア・ウィー・ゴー」で頭角を現した女優だ。長い顔が主流の西洋で縦が短い感じのする顔立ちである。相手役はミキール・ハースマン。彼の出演作は「アデライン、100年目の恋」と「わたしの会うまでの1600キロ」を見ているが記憶にない。もう一人がグレン・パウエル。「ドリーム」に出演しているらしいが、記憶にない。編集者なのかマシュー・グードがジュリエットを手助けする役としていい感じだ。監督は「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」のマイク・ニューウェルとのことだが、手腕は良くわからない。結婚前夜の独身女性が単身、島に乗り込み、過去をほじくりかえすのはその秘密を知らない観客として興味をそそられる。人間関係がいろいろとあり、苦心することただならぬものがあるけれど。クライマックスの落ちには安堵し、感動する。鑑賞して悪くない作品だと思える。2018年/フランス・イギリス/124分/G監督:マイク・ニューウェル出演:リリー・ジェームズ、ミキール・ハースマン、グレン・パウエル、ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ、キャサリン・パーキンソン、マシュー・グード、トム・コートネイ、ペネロープ・ウィルトン原題:The Guernsey Literary and Potato Peel Pie Societyお薦め度 「ガーンジー島の読書会の秘密」★★★☆(70%)<ネタバレ>話が見えないと、少々辛い、島の隠し事がわかってくるにつれて、興味を持てるようになってくるけれど、読書会の秘密、男女の話、何がメインかということになるけれど、クライマックス、大団円を見れば、こういった話かということで納得できる。文面から始まる読書会とジュリエットの出会いは、次作を書かねばならない作家として、興味本位から来訪することになり、読書会メンバーとの面会。戦争時における過去の出来事。私たちの中で戦争は終わっていないという言葉はよく聞く。それを紐解いていく話。ジュリエットの恋物語=結婚が同時進行する。私としてはマーク(グレン・パウエル)が、気のいいパーティ・ボーイでいろいろと尽してくれるのが胸キュンで痛い。結末は見てのお楽しみ。
2019.09.08
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