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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年9カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[13]】はキジカクシ科(クサスギカズラ科:Asparagaceae)の植物です。キジカクシ科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第2回は、オオバギボウシの花です。(2017年6月26日撮影)。☆オオバギボウシは、北海道西南部から九州の草原や林内に生えるキジカクシ科キボウシ属の多年草です。(2017年6月26日撮影)。☆オオバギボウシの葉は全て根生葉で、長い葉柄の先に名前の通りの大きな葉をつけます。葉脈が凹んでいるのが目立ちます。(2016年6月29日撮影)。☆オオバギボウシの花期は6月から8月上旬で、花茎を長く伸ばし、紫白色や白色の筒状の花を咲かせます。(2012年7月2日撮影)。☆花の長さは4~5センチで細長く、先端は6つに裂けています。雄蕊は6本で花冠から少し出ており、雌蕊は長く花柱の先が曲がっており花冠から外に突き出しています。(2016年6月29日撮影)。☆花の付け根にある苞は白色から淡緑色で、花茎が伸長し花が開く前には星形になっており、白い花のように見えます。(2016年6月29日撮影)。☆苞は、花が開くと花茎から扁平に開出します。(2016年6月29日撮影)。☆オオバギボウシの果実は狭長楕円形の蒴果(さくか)で、種子が多数あり、種子は黒色・扁平の長楕円形で翼があります。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。(2018年11月1日撮影)。☆オオバギボウシ(大葉擬宝珠)の名は、キボウシ属の中では葉が大きく、花の蕾が橋の欄干の上端につける装飾具の擬宝珠に似ていることから。擬宝珠は、ネギの花に似ていることから「葱台(そうだい)」とも呼ばれるそうです。(2016年6月29日撮影)。☆オオバギボウシの花言葉は、「落ち着き」「静寂」「沈静」「変わらない思い」などだそうです。半日陰の林内で下向きの白い花を静かに咲かせている姿からは、どの花言葉もピッタリだと感じました。(2012年7月2日撮影)。☆なお、オオバギボウシの別名には、トウギボウシ(唐擬宝珠)などがあります。以前は、日本海側のものをトウギボウシ、太平洋側と北海道西南部のものをオオバギボウシと分けて別種としていましたが、最近では同一種とするのが一般的だそうです。
2018.11.30
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年9カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[13]】はキジカクシ科(クサスギカズラ科:Asparagaceae)の植物です。キジカクシ科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第1回は、オオアマナの花です。(2012年5月14日撮影)。☆オオアマナは、ヨーロッパ、アフリカ、アジア西部原産で、日本には明治の終わり頃に観賞用植物として渡来したキジカクシ科オオアマナ属の多年草です。古くから庭などで栽培されてきた品種は「オーニソガラム・ウンベラツム(Ornithogalum umbellatum)」で、写真はウンベラツムです。栽培品種が野生化して、広がっています。(2013年4月15日撮影)。☆オオアマナの葉は、1つの鱗茎から6~10個出て、長さは30センチ以下、幅は8ミリ以下の線形です。(2012年5月13日撮影)。☆オオアマナの葉は、表に白色の線があるそうですが、写真でも確認できます。(2012年5月13日撮影)。☆オオアマナの花期は4~5月で、散房状の総状花序に6~20個の花をつけます。(2014年5月14日撮影)。☆オオアマナの花のつくりは、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、1本の雌蕊があります。花被片の外側は緑色で、白色の縁取りがあります。(2013年4月15日撮影)。☆オオアマナの雄蕊の花糸の根元は幅広くなり、6本の雄蕊が王冠のように見えます。(2013年4月15日撮影)。☆オオアマナの雌蕊下部の子房は、緑色で大きく、6つの陵があります。(2013年4月15日撮影)。☆オオアマナ(大甘菜)の名は、花の形がユリ科のアマナ(甘菜)に似ていて大型であることに由来します。ただし、アマナと違って鱗茎は有毒だそうです。(2013年4月15日撮影)。☆オオアマナ花言葉は、「潔白」「純粋」「無垢」「才能」「清純な誘惑」などだそうです。「潔白」「純粋」「無垢」は、大きく白い花を咲かせることに由来するのでしょうか。(2013年4月15日撮影)。
2018.11.29
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[12]】はイヌサフラン科の植物です。イヌサフラン科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第3回は、イヌサフラン科のホウチャクソウの花です。(2018年4月22日撮影)。☆ホウチャクソウは、日本全土の丘陵や原野の林下に生えるイヌサフラン科チゴユリ属の多年草です。(2018年4月16日撮影)。☆ホウチャクソウの茎は上部で分枝し、高さ30~60センチになります。(2017年5月5日撮影)。☆ホウチャクソウの葉は互生し、長楕円形~広楕円形で先は尖り、表面は光沢があります。(2018年4月22日撮影)。☆ホウチャクソウの花期は4~6月で、枝先に淡緑白色の花が1~2個垂れ下がってつきます。(2018年4月16日撮影)。☆ホウチャクソウの花のつくりは、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、1本の雌蕊があります。ホウチャクソウの6枚の花披片は、長さ2.5~3センチで合着せずに筒状に集まっています。花被片の基部は淡緑白色でふくらみ、先端部は緑色が濃くなっています。(2017年5月5日撮影)。☆ホウチャクソウの花は、雄蕊が6本、雌蕊が1本で、雌蕊花柱の先端は3つに分かれています。(2015年4月29日撮影)。☆ホウチャクソウの果実は、直径約1センチの球形の液果で、8~10月に熟し、熟すと黒くなります。液果(漿果)とは、3層からなる果皮のうち、中果皮または内果皮が多肉質で水分が多く、軟らかい果実のことだそうです。(2017年9月7日撮影)。☆ホウチャクソウ(宝鐸草)の名は、花の形が寺院の軒先に下がっている宝鐸(四隅に吊り下げられた飾りの大型風鈴)に似ていることから。(2013年4月15日撮影)。☆ホウチャクソウの花言葉は、「追憶」「よきライバル」「嫉妬」「あなたを離さない」などだそうです。由来は、わかりませんでした。(2017年5月5日撮影)。
2018.11.28
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[12]】はイヌサフラン科の植物です。イヌサフラン科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第2回は、イヌサフラン科のチゴユリの変種と思われる花です。◎茎が立ち上がり枝分かれするチゴユリを発見。☆2018年4月16日と19日、昭和記念公園の「こもれびの丘」を訪ね、自然観察を行ないました。茎が立ち上がり枝分かれするチゴユリを見つけました。(2018年4月19日撮影)。☆昭和記念公園の「こもれびの丘」で、まるでホウチャクソウの茎にチゴユリの花が咲いているようなチゴユリの群落を2カ所見つけました。草丈は、20~25センチ程度です。近くには、茎が斜めに伸び、茎先に下向きに花を咲かせているチゴユリも生えていました。(2018年4月19日撮影)。☆茎が立ち上がり枝分かれするチゴユリの花と、ホウチャクソウの花が混在して咲いています。いずれも草丈は25センチ程度で、茎が立ち上がり枝分かれする姿は、全く同じように見えます。(2018年4月19日撮影)。◎茎が立ち上がり枝分かれするチゴユリの花。☆写真のように茎が立ち上がり、3つに枝分かれしています。(2018年4月19日撮影)。☆植物図鑑やインターネットの記事で、茎が立ち上がり枝分かれするチゴユリの花について調べてみると、次の3種類でした。(1)オオチゴユリ。・草丈は40~70センチで、よく分枝する。花は大きく花被片の長さは15~20ミリ、花被片は緑色を帯びる。雌蕊の先は大きく裂ける。(2)ホウチャクチゴユリ。・高尾山で発見されたホウチャクソウとチゴユリの雑種で、花被片の長さは2~3センチ。(3)エダウチチゴユリ。・チゴユリの変種で、花被片の長さや雌蕊の先の裂け方はチゴユリと同じ。現在では、チゴユリの変種としないという記事もありました。☆今後の観察のために、花の特徴などを記録しておきます。茎は立ち上がり、3つに枝分かれしています。草丈は25センチ、花の大きさ(花被片の長さ)は17ミリです。葉をよく見ると、縁が波打っているように見えます。(2018年4月16日撮影)。◎花被片の長さは17ミリで雌蕊花柱の先端が大きく裂けている。☆花は茎先に1~2個ついており、下向きに咲いています。花被片の長さは17ミリです。ホウチャクソウとチゴユリの雑種のホウチャクチゴユリは、花被片の長さが2~3センチだそうですので、高尾山で発見されたホウチャクチゴユリではなさそうです。(2018年4月19日撮影)。☆花を下から観察してみると、チゴユリに比べて雌蕊花柱の先端が大きく裂けており、後ろに丸まるようにそり返っています。チゴユリの雌蕊の先端は、少ししか裂けていないため、明らかに異なっています。チゴユリの変種のエダウチチゴユリは、花被片の長さや雌蕊の先の裂け方はチゴユリと同じですので、エダウチチゴユリではありません。(2018年4月19日撮影)。☆こちらの花も、雌蕊花柱の先端が大きく裂けており、後ろに丸まるようにそり返っています。雌蕊の特徴だけを見ると、オオチゴユリと共通しているようです。(2018年4月19日撮影)。☆このような花の大きさや雌蕊の特徴から考えると、草丈は25センチと低いですが、オオチゴユリと共通しているようです。◎茎が立ち上がり枝分かれするチゴユリの花。引き続き調査していきます。☆茎が立ち上がり枝分かれするチゴユリの花。茎が立ち上がり枝分かれする姿は、ホウチャクソウと全く同じように見えます。(2018年4月19日撮影)。☆花の特徴はオオチゴユリと共通しているようですが、草丈や花被片の色など疑問が残ります。草姿から見るとホウチャクソウとチゴユリの雑種のようにも見えますが、高尾山で発見されたホウチャクチゴユリとは花の大きさが異なります。引き続き調査していきます。(2018年4月19日撮影)。
2018.11.27
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[12]】はイヌサフラン科の植物です。イヌサフラン科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第1回は、イヌサフラン科のチゴユリの花です。(2015年4月28日撮影)。☆チゴユリは、北海道から本州・四国・九州の山野の林内に生えるイヌサフラン科チゴユリ属の多年草です。茎は高さ15~30センチ、枝分かれしないか、わずかに枝分かれすることもあるそうです。(2013年4月18日撮影)。☆チゴユリの葉は、楕円形または長楕円形、葉柄はほとんどなく、先は尖っています。(2018年4月16日撮影)。☆チゴユリの葉の縁に「半円形の突起がある」と書いている植物図鑑がありましたが、葉の縁が波打っていることを指しているのでしょうか。(2018年4月16日撮影)。☆チゴユリの花期は、4~5月です。チゴユリは、茎先に1~2個の花を斜め下向きにつけます。(2017年4月14日撮影)。☆茎先の花は、ほとんどが1個ですが、これは2個の花が見えます。(2016年4月24日撮影)。☆花のつくりを見るため、花を下から撮影してみました。付け根が黄緑色の6枚の白い花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、雄蕊より長く突き出している1本の雌蕊が見えます。6本の雄蕊のうち、外側の3本が先に熟して花粉を出しているようです。(2017年4月14日撮影)。☆この写真では、雌蕊花柱の先端が3つに分かれており、裂片が反り返っているのがわかります。(2014年4月24日撮影)。☆チゴユリ(稚児百合)の名は、花が小さく可愛らしくチゴ(稚児)のようなユリ(百合)の花を咲かせることに由来します。名前の通り、直径1センチメートル位の小さな花を下向きに咲かせています。☆チゴユリの花言葉は、「私の小さな手をいつもにぎって」「恥ずかしがりや」だそうです。「私の小さな手をいつもにぎって」は、稚児のように小さくかわいらしい花の姿から連想されたのでしょうか。「恥ずかしがりや」は、うつむき加減に咲く白い花の姿から連想されたのでしょうか。どちらも、チゴユリにふさわしい花言葉だと共感しました。
2018.11.26
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[11]】はメランチウム科(シュロソウ科)の植物です。メランチウム科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第3回は、メランチウム科(シュロソウ科)のホソバシュロソウの花です。(2013年9月3日撮影)。☆ホソバシュロソウは、本州(関東以西)・四国・九州の山地の林内や林縁、湿った草原に生えるメランチウム科(シュロソウ科) シュロソウ属の多年草です。(2013年9月3日撮影)。☆ホソバシュロソウは、シュロソウの母種にあたり、葉幅が3センチ以下と狭く、葉が長いのが特徴です。葉は根生し、葉の長さは20~40センチで、幅は1~センチです。草丈は30~60センチで、茎葉は細長い数枚の葉が互生します。(2013年9月3日撮影)。☆ホソバシュロソウの花期は6~8月で、茎頂に円錐花序をつけます。(2013年9月3日撮影)。☆ホソバシュロソウの花茎は枝分かれし、黒紫色の花をつけます。(2013年9月3日撮影)。☆ホソバシュロソウの花茎には、白い毛が密生しています。花柄は、10~17ミリと長く、花柄の付け根には苞があります。(2012年9月14日撮影)。☆ホソバシュロソウの花は、直径1~1.5センチで、雌蕊のない雄花と雌蕊のある両性花が混じるそうです。ホソバシュロソウの花は、花被片の付け根より上に子房がある子房上位です(2013年9月3日撮影)。☆ホソバシュロソウの両性花は、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、1本の雌蕊があります。この写真では鮮明でありませんが、雌蕊の柱頭が3つに分かれているのがわかります。(2013年9月3日撮影)。☆ホソバシュロソウ(細葉棕櫚草)の名は、葉の幅が狭く葉が細いシュロソウ(棕櫚草)に由来します。別名のナガバシュロソウ(長葉棕櫚草)は、葉が細長いシュロソウ(棕櫚草)に由来します。シュロソウ(棕櫚草)は、葉が枯れて葉の付け根に残る葉鞘の繊維がシュロの毛に似ていることに由来します。(2013年9月3日撮影)。☆ホソバシュロソウの花言葉は、「静かな人」だそうです。(2012年9月14日撮影)。
2018.11.25
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[11]】はメランチウム科(シュロソウ科)の植物です。メランチウム科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第2回は、メランチウム科のオオバナノエンレイソウの花です。(2012年5月3日撮影)。☆オオバナノエンレイソウは、北海道から本州北部の原野の林下に生えるメランチウム科(シュロソウ科)エンレイソウ属の多年草です。(2012年5月6日撮影)。☆オオバナノエンレイソウは、茎の高さは25~70センチで、茎の先端に3枚の葉が輪生し、大きな花を咲かせます。葉は葉柄がなく、菱形状広卵形で先端は尖り基部は広いくさび型です。(2014年4月27日撮影)。☆オオバナノエンレイソウの花期は5~6月で、3枚の葉の中心から花柄を伸ばし、直径5~8センチの白い花を横向き(やや上向き)につけます。(2012年5月3日撮影)。☆オオバナノエンレイソウの花のつくりは、3枚の萼片、3枚の花弁、6本の雄蕊、柱頭が3つに分かれている雌蕊です。(2012年5月3日撮影)。☆オオバナノエンレイソウの雄蕊は、葯が長さ10~15ミリですが、花糸がごく短いのが特徴です。この写真では、雌蕊の柱頭が3つに分かれているのが、よくわかります。(2012年5月3日撮影)。☆オオバナノエンレイソウの花は、花被片の付け根より上に子房がある子房上位です。(2013年3月27日撮影)。☆オオバナノエンレイソウ(大花延齢草)の名は、大きな花が咲くエンレイソウ(延齢草)です。エンレイソウ(延齢草)の名は、中国では薬草として用いられていて、漢名を延齢草根(えんれいそうこん)という胃腸薬として用いられていたことから。大きな花がドレスのようで気品が感じられる花であることから「森の貴婦人」といわれています。(2012年5月3日撮影)。☆オオバナノエンレイソウの花言葉は、「奥ゆかしい美しさ」だそうです。(2012年5月6日撮影)。☆オオバナノエンレイソウは、北海道では各地に群生が見られます。広尾町には、日本最大規模のオオバナノエンレイソウの群生地があります。エンレイソウの仲間は、種子が芽生えてから開花するまでに10~15年かかるそうです。その後、10年以上は毎年花を咲かせるそうです。この写真は、神奈川県の箱根湿生花園で撮影したものです。(2013年3月27日撮影)。
2018.11.24
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[11]】はメランチウム科(シュロソウ科)の植物です。メランチウム科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第1回は、メランチウム科のエンレイソウの花です。(2018年3月29日撮影)。☆エンレイソウは、北海道から九州の山地の林内のやや湿った場所に生えるメランチウム科(シュロソウ科)エンレイソウ属の多年草です。(2012年5月6日撮影)。☆エンレイソウは、茎の高さは20~40センチで、茎の先端に3枚の葉が輪生し、小さな花を咲かせます。エンレイソウの花は、花被片の付け根より上に子房がある子房上位です。葉は葉柄がなく、菱形状広卵形で先端は短く尖り基部は広いくさび型です。(2014年4月27日撮影)。☆エンレイソウは、葉の形や大きさ、外花被片の大きさや色など、種内の変化が多いのが特徴です。(2018年3月24日撮影)。☆エンレイソウの花期は、3~6月です。花柄は長さ2~4センチ、花びらのように見えるのは3枚の緑色または褐紫色の外花被片(萼片)です。内花被片は普通ありませんが、まれにあるものがあるそうです。雄蕊は6本で葯は長楕円形、雌蕊柱頭は3つに分かれています。これは、東京都の高尾山で観察したエンレイソウですが、3枚の花被片は緑色で、薄い褐色の縁取りがあります。(2018年3月29日撮影)。☆これは、東京都の高尾山の別の場所で観察したエンレイソウですが、3枚の花被片は緑色ですが、明瞭な褐色の縁取りがあります。(2018年3月24日撮影)。☆これは、青森県弘前市で観察したエンレイソウですが、3枚の花被片は緑色と褐色の中間の色です。(2014年4月27日撮影)。☆これは、北海道旭川市で観察したエンレイソウですが、3枚の花被片は褐紫色です。(2012年5月6日撮影)。☆エンレイソウ(延齢草)の名は、中国では薬草として用いられていて、漢名を延齢草根(えんれいそうこん)という胃腸薬として用いられていたことから。(2018年3月29日撮影)。☆エンレイソウの花言葉は、「奥ゆかしい美しさ」「落ち着いた美しさ」「叡智」「熱心」などだそうです。(2014年4月27日撮影)。☆エンレイソウの仲間は、種子が芽生えてから開花するまでに10~15年かかるそうです。その後、10年以上は毎年花を咲かせるそうです。
2018.11.23
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第15回は番外編で、旧ユリ科(ユリズイセン科、アルストロメリア科)のユリズイセンの花です。(2013年6月24日撮影)。☆ユリズイセンは中南米原産で、日本には1926年(大正15年)に渡来しましたが、観賞用に栽培されていたものが各地で野生化しているそうです。クロンキスト体系ではユリ科、新エングラー体系ではヒガンバナ科に分類されていましたが、APG分類体系ではユリズイセン科(アルストロメリア科)に分類されています。☆ユリズイセンの葉は互生し、長楕円形、葉柄が捻じれて葉の表と裏が逆転しています。左上の葉は、葉柄が捻じれて葉の表と裏が逆転しているのがわかります。☆ユリズイセンの花期は6~7月で、茎先に散形花序をつけます。☆花は長さ2.5~5センチで、花被片は赤色で6枚(外花被片3枚と内花被片3枚)、先端と基部は黄緑色です。花の内側には褐色の班点が見えます。☆ユリズイセンの雄蕊は、内側3本と外側3本の6本です。写真では、外側の3本の雄蕊の葯が花粉を出しているようです。雌蕊は1本ですが、写真では確認できません。☆ユリズイセンの花は、花被片の付け根より下に子房がある子房下位です。このことからも、ユリ科からヒガンバナ科に分類が変わり、ユリズイセン科に分類されたことに納得できます。☆ユリズイセン(百合水仙)の名は、花の特徴が百合にも水仙にも似ていることからつけられたそうです。☆ユリズイセンの花言葉は、「未来への憧れ」「エキゾチック」「持続」「機敏」「援助」「幸福な日々」などだそうです。☆ユリズイセンの仲間は花が美しいものが多く、園芸植物として改良が進んでいるそうです。
2018.11.22
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第14回は、ユリ科のチューリップの花です。チューリップは、園芸植物として、様々な品種が栽培されています。チューリップは、日本には江戸時代後期に伝来しましたが普及せず、大正時代に入って、ようやく新潟県で本格的な球根栽培が始まったそうです。(2012年4月13日撮影)☆チューリップは、ユリ科チューリップ属の多年草です。原産地はトルコで、トルコからオランダにチューリップが伝わったのは16世紀頃だそうです。日本のホームセンターや園芸品店で販売されている球根は、ほとんどがオランダからの輸入だそうです。チューリップの球根は正確には鱗茎といい、短縮茎に葉が重なり合い層状になっているものです。(2012年4月13日撮影)。☆2月、チューリップの芽が、たくさん出てきました。(2016年2月20日撮影)。☆チューリップは、葉が2枚向かい合っているものは、内部に花芽ができており、今年花が咲きます。球根が小さいものは、内部に花芽ができず、葉が1枚出るだけです。葉が1枚だけのものは、花が咲くのは翌年以降になります。(2016年2月20日撮影)。☆チューリップの花のつくりは、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、柱頭が3つに分かれている雌蕊です。(2015年4月6日撮影)。☆チューリップには、自家不和合性という性質があり、自分の雄蕊の花粉が雌蕊についても受精して種子を作ることができません。そのため、球根の分球でクローンとして増やしていきます。多くの場合、同じ形や色の花を咲かせる同じ品種の株を並んで植えることが多いそうです。実生(種)は、品種改良の際に行われ、開花までに5年以上かかるそうです。(2012年5月3日撮影)。☆チューリップの名は、チューリップ(学名Tulipa)属の花の総称です。「学名Tulipa」は、ペルシャ語の古語「tulipan(頭巾)」が語源といわれ、花が頭巾にやや似ていることによります。(2015年4月6日撮影)。☆チューリップの花言葉は、花の色によって異なるそうです。赤いチューリップの花言葉は、「愛の告白」だそうです。(2015年4月6日撮影)。☆黄色いチューリップの花言葉は、「秘めた想い」「実らぬ恋」「正直」だそうです。(2015年4月6日撮影)。☆ピンク色のチューリップの花言葉は、「年頃」「愛の芽生え」「誠実な愛」だそうです(2015年4月6日撮影)。☆紫色のチューリップの花言葉は「永遠の愛」、オレンジ色は「照れや」、白色は「思い出の恋」「失われた愛(失恋)」「新しい愛」、緑色は「博愛・思いやり」だそうです。
2018.11.21
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第13回は、ユリ科のオオウバユリの花です。(2016年8月1日撮影)。☆オオウバユリは、北海道と本州(中部地方以北)に自生するユリ科ウバユリ属の多年草です。(2016年8月1日撮影)。☆広がり始めたオオウバユリの花序です。下の方には蕾全体を包んでいた総苞片が見え、それぞれの花にも苞があるのがわかります。(2016年8月1日撮影)。☆オオウバユリの根元の葉です。花の時期にも、葉は残っています。(2016年8月1日撮影)。☆オオウバユリの花期は、7~8月です。オオウバユリの花は、茎頂にたくさんの花が、総状につきます。オオウバユリはウバユリの変種で、ウバユリより全体的に大きく、ウバユリの数個に対して10~20個と花の数が多いのが特徴です。(2016年8月2日撮影)。☆オオウバユリの花は緑白色で、横向きに咲き、花被片は6枚(外花被片3枚と内花被片3枚)が不規則に並んでいます。オオウバユリの花は、先端が少し開くだけで、ヤマユリやオニユリのようには開花しません。(2016年8月1日撮影)。☆花被片の中を見ると、6本の雄蕊は長さが異なり、雌蕊花柱に沿って並んでいるようになっています。花被片内側には、黒褐色の斑点が見えます。(2016年8月1日撮影)。☆オオウバユリの果実は蒴果(さくか)で、中には大量の種子が入っています。(2017年10月10日撮影)。☆裂開し始めたオオウバユリの果実です。裂片が格子状の繊維でつながっているのがわかります。果実は3室に分かれ、それぞれに2個の種子が並んで積み重なっています。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。(2017年10月10日撮影)。☆オオウバユリ(大姥百合)の名は、文字通り大きいウバユリです。ウバユリ(姥百合)の名は、花が満開になる頃には葉が枯れてくる事が多いため、歯(葉)のない「姥」にたとえて名づけられたそうです。(2016年8月1日撮影)。☆オオウバユリの花言葉は、「威厳」「無垢」だそうです。オオウバユリが、林の中で凛として立って花を咲かせているように見える姿から名づけられたのでしょうか。
2018.11.20
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第12回は、ユリ科のウバユリの花です。(2016年8月16日撮影)。☆ウバユリは、本州(関東地方以西)から四国・九州の藪の中や山中の木陰に生えるユリ科ウバユリ属の多年草です。年を経て鱗茎が太ると、大きな茎が伸び50~100センチになって、花をつけます。(2016年8月16日撮影)。☆ウバユリの葉は、茎の中部以下に数枚集まってつきます。葉は、卵状心形で長い柄があります。葉身は、長さ15~25センチで、網状脈があります。(2016年8月16日撮影)。☆ウバユリの花期は、7~8月です。ウバユリの花は、茎頂に数個、総状につきます。緑白色の花が横向きに咲き、花被片は不規則に並んでいます。花被片内側には、黒褐色の斑点が見えます。(2015年8月24日撮影)。☆花被片の中を見ると、雄蕊の長さが違い、クリーム色の葯が雌蕊に沿って縦に並んでいるようです。花被片内側には、黒褐色のスジが見えます。(2015年8月24日撮影)。☆ウバユリの果実です。(2015年8月24日撮影)。☆写真は鮮明でありませんが、果実ができた時期にも、枯れ始めた葉が見えます。(2015年8月24日撮影)。☆ウバユリの花は横向きですが、実は上向きです。種子は扁平で、周りに広い膜があります。(2015年8月24日撮影)。☆ウバユリ(姥百合)の名は、花が満開になる頃には葉が枯れてくる事が多いため、歯(葉)のない「姥」にたとえて名づけられたそうです。『牧野植物図鑑』によると、「昔の人はこの様子を見て、娘が花の十八になるころ、世話をした人が歯(葉)のない姥になることにひっかけウバユリと名づけた」そうです。しろうと自然科学者が観察したところでは、ウバユリは花の時期にも果実ができた時期にも葉がたくさん残っていました。なお、枯れ始めているのも見かけました。(2016年8月16日撮影)。☆ウバユリの花言葉は、「純潔」「威厳」「無垢」だそうです。(2016年8月16日撮影)。
2018.11.19
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第11回は、ユリ科のホトトギスの花です。日陰で育つ秋の花で、園芸植物として利用されています。(2012年10月2日撮影)。☆ホトトギスは、北海道西南部・本州(関東地方以西・福井県以南)・四国・九州の山地の半日陰に生えるユリ科ホトトギス属の多年草です。日本には13種分布していますが、この内の10種は日本だけに生育する日本固有種だそうです。(2012年10月21日撮影)。☆ホトトギスの葉は互生で、葉の基部が耳のような形で茎を取り囲んでいます。葉腋から花茎が出ており、2~4個の花がついています。(2016年10月10日撮影)。☆ホトトギスの葉や茎には、白い毛が見られます。(2016年10月10日撮影)。☆ホトトギスの花期は、8~10月です。このホトトギスは、葉腋から出る花とともに、茎の先端に散房花序をつけています。(2016年10月10日撮影)。☆ホトトギスの蕾です。外花被片(萼片)には腺毛があり、3枚の外花被片は下部が球状に膨れています。(2016年10月10日撮影)。☆ホトトギスの蕾と開花した花です。開花した花でも、3枚の外花被片のそれぞれの下部に2つの球状の膨らみがあるのが特徴的です。この球状の膨らみには、蜜がたまっているそうです。(2016年10月10日撮影)。☆ホトトギスの花です。花は上向きに咲いています。白い6枚の花被片(外花被3枚、内花被3枚)には、紫色の多数の斑点があり、下部には黄色い斑点が見え、最下部の花被片の付け根には斑点がなく白いようです。(2016年10月10日撮影)。☆6本の雄蕊は、白い花糸に紫色の斑点があり、上部は外側に湾曲して、先端に紫色の葯があります。雌蕊花柱は、白く紫色の斑点があります。花柱は3つに分かれ、先端はさらに2つに分かれ、多数の腺毛状の球状突起があります。(2016年10月10日撮影)。☆ホトトギス(杜鵑)の名は、花被片に紫色の斑点があり、これを野鳥のホトトギスの胸の紋様に見立てて名づけられました。(2012年10月21日撮影)。☆ホトトギスの花言葉は、「永遠にあなたのもの」「秘めた意思(思い)」「秘めた恋」「恥ずかしがりや」「永遠の若さ」などがあるそうです。「永遠の若さ」や「秘めた意思(思い)」は、夏の初めから秋の終わりまで咲き続けており、その花が長くひたむきに咲いている姿に由来するという解説がありました。
2018.11.18
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第10回は、ユリ科のヤマホトトギスの花です。(2017年8月24日撮影)。☆ヤマホトトギスは、北海道西南部・本州(岩手県以南)・四国・九州の山地の林下に生えるユリ科ホトトギス属の多年草です。(2017年9月9日撮影)。☆ヤマホトトギスの葉は、長楕円形または楕円形で長さ8~15センチ、先は短く尖っており、下部の葉は無毛ですが上部の葉には毛があるそうです。(2017年9月8日撮影)。☆ヤマホトトギスの花期は7~9月で、茎の先端や葉腋に花が数個の散房花序を出します。花は、上向きに開きます。ヤマホトトギスは、花被片が強くそり返って下を向くようになることなどで、ヤマジノホトトギスと区別できます。(2017年9月9日撮影)。☆ヤマホトトギスの花のつくりは、強くそり返り紫色の斑点がある6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、雄蕊6本、紫色の斑点がある雌蕊の花柱は3本で先端が2つに分かれています。花被片6枚のうち、幅の広い3枚が外花被片(萼片)、幅の狭い3枚が内花被片(花弁)です。ヤマホトトギスの花柄には毛があり、外花被片の外面に腺毛があります。(2017年9月8日撮影)。☆ヤマホトトギスの蕾です。3枚の外花被片は下部が球状に膨れており、少し太めのロケット弾のような形です。蕾を見ると、外花被片の外面に腺毛があるのがよくわかります。(2017年9月9日撮影)。☆ヤマホトトギスの雌蕊の花柱と分枝には、紫斑があります。花柱と分枝をよく見ると、腺毛状の突起が見えます。雄蕊の花糸にも毛状突起と紫斑があるそうですが、この写真では確認できません。(2017年9月8日撮影)。☆ヤマホトトギスの果実は蒴果で、長さが約3センチです。(2017年9月9日撮影)。☆ヤマホトトギス(山杜鵑草)の名は、山地に咲くホトトギスから。ヤマホトトギスは、平地にも咲きます。ホトトギス(杜鵑草)の名は、花被片の斑点模様が野鳥のホトトギス(杜鵑、不如帰)の胸の模様に似ていることから。(2017年9月8日撮影)。☆ヤマホトトギスの花言葉は、「優柔不断」だそうです。(2017年9月9日撮影)。
2018.11.17
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第9回は、ユリ科のキバナノアマナの花です。(2010年5月5日撮影)。☆キバナノアマナは、北海道から本州中部以北の山野の日当たりの良い林縁などに生えるユリ科キバナノアマナ属の多年草です。(2012年4月30日撮影)。☆キバナノアマナの根出葉は、白っぽい緑色をしており、線形でやや厚く、長さ約15~30センチで、花茎よりも高く伸びます。(2010年5月5日撮影)。☆キバナノアマナの花期は4~5月で、高さ15~25センチの花茎の先に4~10個の花が散形状につきます。細長い花柄は、長さが不規則です。(2010年5月5日撮影)。☆キバナノアマナは、細長い花柄の付け根には2枚の苞葉があります。(2014年4月27日撮影)。☆よく観察すると、キバナノアマナの葉の縁や花茎に軟毛が見えるようです。調べてみると、根出葉は全体に軟毛があり、後に脱落するという記事がありました。(2010年5月5日撮影)。☆キバナノアマナの花のつくりは、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、1本の雌蕊です。花被片の内側は黄色く、外側は緑色を帯びています。(2012年4月30日撮影)。☆キバナノアマナの花被片は、線状長楕円形で長さ12~15センチ、先端はアマナのように尖らず、丸くなっています。雄蕊は花被片に比べてかなり短く、雌蕊花柱の先端は3つに分かれているようです。(2010年5月5日撮影)。☆キバナノアマナ(黄花の甘菜)の名は、黄色い花で、球根(鱗茎)を煮て食べると甘みがあることから名づけられたそうです。食べられる山野草には、菜(な)の文字が付くとのこと。(2010年5月5日撮影)。☆キバナノアマナの花言葉は、「前途洋洋」「運が向いてくる」だそうです。(2010年5月5日撮影)。
2018.11.16
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第8回は、ユリ科のアマナの花です。(2014年3月29日撮影)。☆アマナは、福島県以西の本州・四国・九州に分布し、日当たりの良い草原に生えるユリ科アマナ属の多年草です。アマナの葉は線形で、長さ10~25センチ、幅は5~10ミリです。(2014年3月29日撮影)。☆アマナの花期は、3~5月です。アマナは、中央がくぼんでUの字になった2枚の葉の間から花茎を伸ばし、その先端に花を1つだけつけます。花被片の外側には、紫のスジがくっきりと見えます。(2013年3月20日撮影)。☆花の形は同じユリ科のチューリップに似ており、かつてはチューリップ属に含められていたこともあるそうですが、花茎の途中に2枚(~3枚)の苞があるので別属のアマナ属に分類されたそうです。(2013年3月20日撮影)。☆アマナの苞は2枚か3枚で、左の花は苞が3枚、右の花は苞が2枚です。(2016年3月23日撮影)。☆「アマナは2枚の葉の間から花茎を伸ばし、その先端に花を1つだけつけます」と書きましたが、このアマナは花茎の先端とともに、花茎の途中にも花をつけています。調べてみると、1茎1花ですが、2~3個の花をつけることがあるそうです。(2017年3月29日撮影)。☆アマナの花のつくりは、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、1本の雌蕊です。(2016年3月23日撮影)。☆雄蕊6本のうち内側の3本の雄蕊の葯からは花粉が出ていますが、外側の3本の雄蕊の葯からは花粉が出ていません。時期がずれているのでしょうか。雌蕊花柱の先端は3つに分かれています。(2017年3月29日撮影)。☆アマナ(甘菜)の名は、球根(鱗茎)や葉に甘味があり食べられることに由来するそうで、食べられる山野草には、菜(な)の文字が付くとのこと。学名は「Amana edulis」で、属名は「Amana」(アマナ)で、種小名の「edulis」は「食用の」という意味だそうです。日本以外では朝鮮と中国東北部に分布しているそうで、学名の属名には和名のアマナが採用されたようです。(2014年3月29日撮影)。☆アマナの花言葉は、「お天気屋」「運が向いてくる」だそうです。「お天気屋」は、陽があたると開花し陽がかげると閉じてしまうことに由来するそうです。「運が向いてくる」には、どんな由来があるのでしょうか。写真は、15時58分に撮影した花が閉じたアマナです。「お天気屋」の花言葉が納得できます。(2016年3月25日撮影)。
2018.11.15
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第7回は、ユリ科のカタクリの花です。(2014年4月1日撮影)。☆カタクリは、北海道・本州・四国・九州の平地から山地の落葉樹林に自生するユリ科カタクリ属の多年草です。(2015年3月28日撮影)。☆カタクリの長楕円形の葉には、暗紫色の模様がありますが、地域によっては模様がないものもあるそうです。(2015年3月28日撮影)。☆カタクリの花期は、4~6月です。カタクリの花のつくりは、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、1本の雌蕊です。(2018年3月24日撮影)。☆6枚の花被片を裏側から見ると、内花被片には明確な2本のスジが見えます。(2018年3月24日撮影)。☆6枚の花被片を下側から見ると、内花被片・外花被片ともにW字状の濃紫色の斑紋があります。(2015年3月28日撮影)。☆6本の雄蕊は、長短2種が3本ずつあり葯は暗紫色です。写真を見ると、雄蕊は長いものと短いものがあるのがわかります。長い雄蕊の葯が先に成熟して裂開するそうです。雌蕊の花柱の先端は、3つに分かれています。(2018年3月24日撮影)。☆カタクリの果実です。果実には3室あり、その中に種子ができるそうです。カタクリの種子は長さ2ミリほどの長楕円形で、5月に種が落ちるそうです。(2012年5月6日撮影)。☆カタクリ(片栗)の名は、カタクリの花が「傾いた籠状の花」の意味から「カタカゴ」とよばれ、この「カタカゴ」が「カタコ」→「カタコユリ」→「カタクリ」になった説、カタクリの葉の形が栗の子葉に似ていることから「片栗」となった説があるそうです。(2013年4月1日撮影)☆カタクリの花言葉は、「初恋」「寂しさに耐える」「消極的」などだそうです。花が下向きに咲いている姿から付けられたのでしょうか。(2016年3月25日撮影)。☆カタクリの生活史について、紹介したことがあります。カタクリは、種が落ちて7~8年目、地表から20~25センチの深さで鱗茎が5~6センチの大きさになった時に、2枚の葉が出て花茎を伸ばして開花します。◎カタクリの生活史(2017年4月26日)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20170426/
2018.11.14
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第6回は、ユリ科のカノコユリの花です。(2014年7月29日撮影)。☆カノコユリは、四国・九州の山地に自生するユリ科ユリ属の多年草です。茎は、高さ1~1.5メートルです。花がきれいなので、古くから観賞用に栽培されており、白やピンクなどの品種があるそうです。自生地では、イノシシが球根を食べたり、人が摘み取ったりする影響などで「絶滅の危険が増大している種」として環境省のレッドデータブックの絶滅危惧II類に指定されているそうです。(2013年8月3日撮影)。☆カノコユリの葉は互生で、卵状披針形で長さ10~18センチ、短い葉柄があります。(2015年7月26日撮影)。☆カノコユリの花期は7~9月で、茎の先に数個から20個の花が咲く総状花序をつけます。(2013年8月3日撮影)。☆カノコユリの花のつくりは、後ろに反りかえっている6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、1本の雌蕊です。(2012年8月9日撮影)。☆カノコユリの花びらには、名前の由来になった赤い斑点があります。斑点は、よく見ると花被片から盛り上がっており、花の中心のものは突起状になっているようです。(2013年8月3日撮影)。☆カノコユリの雄蕊は、長く伸びた花糸と先端にぶら下がるように付く葯からなり、葯は赤褐色で黄色い花粉を出します。花粉は、油分が多いので、水をはじく蝶の羽にもしっかりつくそうです。(2016年7月28日撮影)。☆カノコユリ(鹿の子百合)の名は、花被片に鹿の子模様の斑点があることから名付けられたそうです。(2016年7月28日撮影)。☆カノコユリの別名は、ドヨウユリ(土用百合)、タナバタユリ(七夕百合)で、花が咲く季節に由来するようです。ほとんどの百合は花期が6~8月ですが、カノコユリの花期は7~9月で、他の百合よりも遅くなっています。(2013年8月3日撮影)。☆カノコユリの花言葉は、「荘厳」「慈悲深さ」「富と誇り」「飾らない美」などだそうです。(2013年8月3日撮影)。
2018.11.13
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2018.11.12
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2018.11.11
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第3回は、ユリ科のオニユリの花です。(2017年7月24日撮影)。☆オニユリは、日本全土の野原や田の畔など人里近くに生えるユリ科ユリ属の多年草です。茎は、高さ1~2メートルになります。オニユリは、中国から古い時代に朝鮮半島を経由して渡来したと考えられているそうです。日本全国で古くから食用に栽培され、人里近くに野生化しています。(2015年7月23日撮影)。☆オニユリの葉は互生し、長さ5~18センチ、幅0.5~1.5センチの披針形~広披針形で、先は尖っています。葉には柄がなく、基部に黒紫色の珠芽(ムカゴ)ができます。(2017年7月24日撮影)。☆オニユリは、染色体が3倍体なので種子ができません。オニユリは、地下の鱗茎と葉の付け根にできる珠芽(ムカゴ)で繁殖します。なお、一部に2倍体で種子ができるものがあるそうです。なお、よく見ると、オニユリの茎には綿毛があります。(2017年7月24日撮影)。☆オニユリの花期は7~8月で、茎の先に数個から20個の花が咲く総状花序をつけます。(2015年7月10日撮影)。☆オニユリの花のつくりは、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、1本の雌蕊です。花被片はオレンジ色で、濃褐色・暗紫色の斑点があり、強くそり返っています。(2017年7月24日撮影)。☆濃褐色・暗紫色の斑点は、よく見ると花被片から盛り上がっており、花の中心のものは突起状になっているようです。(2013年7月14日撮影)。☆秋に観察したオニユリのムカゴです。根が伸びていました。ムカゴから3~4年目くらいで開花するそうです。(2012年10月20日撮影)。(2012年10月20日撮影)。☆オニユリ(鬼百合)の名は、形が大きく豪快なので「鬼」の名がついたとか、花の様子が赤鬼に似ているので「鬼百合」になったなどの説があるそうです。(2015年7月10日撮影)。☆オニユリ花言葉は、「華麗」「愉快」「陽気」「賢者」「純潔」「富と誇り」「嫌悪」「荘厳」などだそうです。「華麗」「愉快」「陽気」は花が咲いている様子からイメージできますが、他は由来はよくわかりませんでした。(2013年7月14日撮影)。
2018.11.10
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第2回は、ユリ科のヤマユリの花です。(2017年7月8日撮影)。☆ヤマユリは、本州(北陸地方を除く近畿地方以北)の山地の草原や林の中に生えるユリ科ユリ属の多年草(球根植物)です。(2016年8月1日撮影)。☆ヤマユリの花期は7~8月で、花は茎先に横向きに付き、数個から多いものでは20個にもなるそうです。球根の成長とともに1株に咲く花の数が増えていくようです。(2012年7月15日撮影)。☆ヤマユリの葉は互生、卵状披針形で5脈が目立ち、基部には丸い短柄があります。(2016年8月1日撮影)。☆ヤマユリは、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、1本の雌蕊があります。花被片は白色で先端が外側にそり返り、内側には赤褐色の斑点と中脈に沿って黄色い帯があります。内花被片は外花被片より幅が広く、基部の内面に突起があります。(2016年8月1日撮影)☆雄蕊は、花糸が基部では雌蕊に沿って伸びており、上部が外側に広がり、葯から出る花粉は鮮やかな赤褐色です。雌蕊の柱頭は、3つに分かれています。(2016年8月1日撮影)。☆花被片の赤褐色の斑点は、上部では盛り上がっていますが、基部では突起状の形になっています。(2016年8月1日撮影)。☆ヤマユリの果実は蒴果(さくか)で、中には大量の種子が入っています。果実は6つの陵がある紡錘形で、3室に分かれ、それぞれに2個の種子が並んで積み重なっています。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。(2017年10月10日撮影)。☆ヤマユリ(山百合)の名は、山に咲く百合から。「百合」の名の由来は、日本釈名(にほんしゃくみょう、1700年)に「茎細く花が大きく、風にゆり動くので、ユリと呼ぶ」という記述があるそうですので、風に揺れるさまに由来するようです。(2016年8月1日撮影)。☆ヤマユリの花言葉は、「純潔」「荘厳」「高貴な品性」「飾らぬ美」「威厳」などだそうです。林の中で大きな花を堂々と咲かせていることに由来するのでしょうか。(2015年7月10日撮影)。
2018.11.09
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第1回は、ユリ科の花の特徴とAPG分類体系による分類の変化です。写真は、ヤマユリです。◎花は花茎の先に総状花序か1個つき、多くが両性で、放射相称か左右相称。☆花茎の先に総状花序をつけるオニユリの花です。☆花茎の先に1個の花を咲かせるカタクリの花です。◎花被片の付け根より上に子房がある子房上位。☆花被片の付け根より上に子房があるアマナの花です。◎花被片は6枚で外花被片3枚と内花被片3枚。☆外花被片3枚と内花被片3枚のヤマホトトギスの花です。☆外花被片3枚と内花被片3枚のチューリップの花です。◎雄蕊は6本で子房は3室に分かれている。☆雄蕊が6本で、雌蕊柱頭が3つに分かれているヤマユリの花です。☆雄蕊が6本で、雌蕊柱頭が3つに分かれているホトトギスの花です。☆子房が3室に分かれているオオウバユリの果実です。◎葉腋に珠芽(ムカゴ)ガできるものと、できないものがある。☆オニユリの珠芽(ムカゴ)です。オニユリは、染色体が3倍体なので種子ができません。オニユリは、地下の鱗茎と葉の付け根にできる珠芽(ムカゴ)で繁殖します。なお、コオニユリには珠芽(ムカゴ)ができません。◎多年草で葉的器官が多肉化した球根(鱗茎)がある。☆ユリ科の球根(鱗茎)は、塊茎(ジャガイモ、キクイモ)のように茎が肥大するのでなく、葉的器官が多肉化して多くの貯蔵物質を貯えたものです。短縮茎に葉が重なり合い、層状になっているものです。◎APG(Angiosperm Phylogeny Group)分類体系による分類の変化。☆APG(Angiosperm Phylogeny Group:被子植物系統グループ)とは、この分類を実行する植物学者の団体です。旧い分類法の新エングラー体系やクロンキスト体系は、マクロ形態的な仮説を根拠に演繹的に分類体系を作り上げたものです。これに対して、APG分類体系は、ミクロなゲノム解析から実証的に分類体系を構築するもので、以前の分類手法とは根本的に異なる分類手法です。[新エングラー体系(modified Engler system 又は updated Engler system)]☆アドルフ・エングラーが提唱したエングラー体系をもとに、1953年及び1964年にハンス・メルヒオール(Hans Melchior)らが提唱した植物の分類体系です。[クロンキスト体系(Cronquist system)]☆1980年代にアーサー・クロンキスト(Arthur Cronquist)が提唱した、被子植物の分類体系です。1990年代にAPG体系が登場するまでは最新の分類体系でした。☆APG分類体系では、従来の分類手法でユリ科に分類されていたものが、次のように分類が変わっています。これまでに観察し紹介したものに限って、説明します。(1)ネギ属は、ヒガンバナ科に分類されています。(2)ユリズイセン属は、ユリズイセン科に分類されています。(3)エンレイソウ属、シュロソウ属は、メランチウム科(シュロソウ科) に分類されています。(4)チゴユリ属は、イヌサフラン科に分類されています。(5)オオアマナ属、ギボウシ属、ツルボ属、ヤブラン属、ムスカリ属、スズラン属、リュウゼツラン属、ユッカ属は、キジカクシ科(クサスギカズラ科)に分類されています。(6)ワスレグサ属は、ススキノキ科に分類されています。☆ネギ属は、ヒガンバナ科の振返りで、11月7日に紹介しました。それ以外については、ユリ科の振返りの後に順次紹介していきます。
2018.11.08
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[9]】はヒガンバナ科の植物です。第12回は、ヒガンバナ科のネギ(ネギ亜科ネギ属)の仲間です。写真は、ネギです。(2012年5月23日撮影)。◎ユリ科ネギ属⇒ネギ科ネギ属⇒ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属へと変遷(1)1980年代までは、マクロ形態的な仮説を根拠に演繹的に作り上げたクロンキスト体系が主流で、ネギ属はユリ科に属していました。(2)1990年代には、ミクロ的なゲノム解析から実証的に構築されたAPG(Angiosperm Phylogeny Group: 被子植物系統発生グループ)分類体系が登場し、1998年に初版が出されました。ネギ属はネギ科とされました。(3)APG分類体系は、2003年に第2版、2009年には第3版が出され、この第3版ではネギ属はヒガンバナ科に分類されることになりました。◎ネギ(ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属)☆筒状の葉を食用にする青ネギ、肥大化した偽茎を食用にする白ネギがあります。(2012年5月23日撮影)。◎タマネギ(ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属)☆タマネギは鱗茎を食用にするものですが、鱗茎は茎ではなく葉が層状に重なり合っているものです。(2012年10月28日撮影)。◎ニラ(ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属)☆扁平な葉を食用とするニラです。ウォーキングコース(玉川上水)では野生化しています。(2012年9月27日撮影)。◎ワケギ(ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属)☆筒状の葉を食用にするワケギは、ネギとタマネギの雑種だそうです。(2012年10月28日撮影)。◎ノビル(ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属)☆山野に自生するノビルは、鱗茎を食用にします。(2012年3月7日撮影)。◎園芸植物のハナニラ(ヒガンバナ科ネギ亜科ハナニラ属)☆ハナニラは原産地が南米で、主にメキシコからアルゼンチンにかけて分布し、日本には、明治時代に入ってきたそうです。ハナニラは、ハナニラ属の総称です。ハナニラ(花韮)の名は、花がきれいで葉がニラに似ており、葉を折るとネギやニラのような匂いがすることに由来します。雑草のように丈夫で、種と球根(塊茎)で、庭だけでなく芝生の中など野生化して繁殖しています。(2008年3月30日撮影)。☆ハナニラの花期は春で、球根(鱗茎)から数枚の線形の葉を根生し、その中心から花茎を伸ばします。(2015年4月6日撮影)。☆ハナニラは、花茎の先端に細長い鞘状の苞があり、苞の裂け目から細長い花柄が伸び、1個の花をつけます。(2013年3月12日撮影)。☆ハナニラの花のつくりは、花被片6枚(外花被片3枚、内花被片3枚)、雄蕊が6本、雌蕊が1本です。(2013年3月12日撮影)。
2018.11.07
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[9]】はヒガンバナ科の植物です。第11回は、ヒガンバナ科のスイセン(スイセン属)の仲間です。(2010年3月21日撮影)。☆スイセンは、スイセン属(ナルシッサス属)の総称です。球根(鱗茎)から3~6枚の線形の葉を根生し、その中心から花茎を伸ばします。花期は、11~4月です。(2008年1月3日撮影)。☆スイセンは、花茎の先端に細長い鞘状の苞があり、苞の裂け目から細長い花柄が伸び、種によって1個から10個以上の花をつけます。(2010年3月21日撮影)。☆スイセンの花のつくりは、花被片6枚(外花被片3枚、内花被片3枚)、雄蕊が6本、雌蕊が1本です。花被片の中心に、副花冠があります。副花冠について調べてみると、「副花冠は雄蕊の付属物」、「副花冠は花冠や雄蕊の一部が変形してできたらしい」という記事や、「副花冠はオシベの花糸が花弁化したうえで、その花弁どうしが合弁したものと考えられる」という記事がありました。(2014年3月25日撮影)。☆スイセンの花は、花被片の付け根より下に子房がある子房下位です。(2015年12月1日撮影)。☆スイセンは園芸品種が1万品種以上あるので、副花冠の形や花の咲き方によって、スイセンの品種が便宜的に区分されているそうです。☆ニホンズイセンなど一つの花茎に数個の花が房咲きに咲く品種は、「房咲き水仙」と呼ばれるそうです。(2014年1月5日撮影)。☆一つの花茎に一つの花が咲く品種で、副花冠が花被片の3分の一以下の品種は「小杯水仙(ショウハイスイセン)」と呼ばれるそうです。品種は少ないそうで、見かけませんでした。☆一茎一花で、副花冠が花被片の3分の一以上あり、花被片より短い品種は「大杯水仙(タイハイスイセン)」と呼ばれるそうです。(2016年3月23日撮影)。☆一茎一花で、副花冠が花被片と同じか、それより長い品種は「ラッパスイセン」というそうです。(2014年4月4日撮影)。☆他にも、八重咲きスイセンなど園芸品種の区分があるそうです。☆スイセンという名は、中国名の「水仙」を音読みしたものです。水仙という名は、水辺で咲くスイセンの姿を仙人に例えたと言われています。中国の古典に「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」という記述があるそうです。(2012年2月28日撮影)。☆スイセンの花言葉は、「うぬぼれ」「自己愛」などだそうです。花言葉の「うぬぼれ」「自己愛」は、水鏡に映った自分の姿に恋をしてスイセンになってしまった美少年ナルキッソスの伝説に由来するそうです。(2008年3月30日撮影)。
2018.11.06
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[9]】はヒガンバナ科の植物です。第10回は、ヒガンバナ科のクンシランの花です。(2015年4月19日撮影)。☆クンシランは、ヒガンバナ科クンシラン属(クリビア属)の半耐寒性多年草です。クンシランは、南アフリカ原産で、ヨーロッパを経由して明治時代に日本に渡来したそうです。属名の学名Clivia(クリビア)は、19世紀に植物学発展のために援助をした英国クライヴ家(Clive)出身の公爵夫人を讃えて名づけられたそうです。(2015年4月6日撮影)。☆クンシランは、クンシラン属の総称です。本来のクンシランは花が下向きで観賞用に適さず、花が上向きに咲くウケザキクンシラン(受け咲き君子蘭)の園芸品種がクンシランとして市場で流通しているそうです。(2015年4月19日撮影)。☆クンシランの葉は分厚い線形で、根元から8~10枚ほどでます。花とともに、肉厚の葉をも楽しむ園芸植物です。(2015年4月6日撮影)。☆クンシランの花期は3~4月で、高さ40~50センチほどの花茎の先に総苞片の中から多数(5~20個)の花を散形花序につけます。(2015年4月19日撮影)。☆クンシランの花被片は6枚(外花被片3枚、内花被片3枚)です。外花被片と内花被片は、ほぼ同じ形です。雄蕊は6本、雌蕊は1本で、雌蕊は雄蕊より長く、柱頭は3つに分かれているようです。(2015年4月19日撮影)。☆クンシランの花は、花被片の付け根より下に子房がある子房下位です。(2015年4月19日撮影)。☆写真ではわかりませんが、他のヒガンバナ科の植物の多くは地中に鱗茎がありますが、クンシランは太い根を張るだけで鱗茎はありません。(2013年4月3日撮影)。☆クンシラン(君子蘭)の名は、本来のクンシランの学名が「高貴な」「気品がある」という意味で、それに日本では「君子」という言葉を当てたことと、葉が蘭に似ていることに由来するそうです。(2015年4月19日撮影)。☆クンシランの花言葉は、「高貴」「情け深い」「誠実」「端正」などだそうです。「高貴」は、クンシラン(君子蘭)の名に由来するようです。(2015年4月19日撮影)。
2018.11.05
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[9]】はヒガンバナ科の植物です。第9回は、ヒガンバナ科のインドハマユウ(印度浜木綿)と思われる花です。(2013年6月23日撮影)。☆インドハマユウ(印度浜木綿)は、ヒガンバナ科クリナム属(ヒメノカリス属)の耐寒性常緑多年草(球根植物)です。インドハマユウについては、(1)インドハマユウ(インド、スリランカ、タイ、ベトナム原産)、(2)インドハマユウ(アフリカ、インド、スリランカ原産)、(3)アフリカハマユウ(南アフリカ原産)の3種が混同されてきたという説明もありましたが、詳しいことはわかりません。☆インドハマユウは、白色花が代表的ですが、園芸品種には桃色花品種もあるそうです。写真でも、花被片の外側に薄いピンク色が見えます。☆インドハマユウの葉は分厚い線形で、根元から多数でます。葉の長さは70センチほどで、葉の幅は10センチ程度です。☆インドハマユウの花期は6~9月で、高さ80センチほどの花茎の先に2枚の総苞片の中から多数の花を散形花序につけます。☆インドハマユウの花を横から見ると、6枚の花被片が基部で合着して細長い筒状になっています。☆インドハマユウの花被片は6枚(外花被片3枚、内花被片3枚)で、先端はやや反り返っています。外花被片と内花被片は、ほぼ同じ形です。雄蕊は6本、雌蕊は1本で、ほぼ同じ長さです。☆インドハマユウの花は、花被片の付け根より下に子房がある子房下位です。☆インドハマユウ(印度浜木綿)の名は、インド原産の浜木綿から。園芸店では、属名の「クリナム」で流通することも多いそうです。ハマユウ(浜木綿)の名は、白い花が木綿(コウゾの樹皮を細く裂いてつくった繊維)を垂らしたように見えることから名づけられたそうです。☆インドハマユウの花言葉は、「どこか遠くへ」「あなたを信じます」「快楽」「清潔」などだそうです。
2018.11.04
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[9]】はヒガンバナ科の植物です。第8回は、ヒガンバナ科のゼフィランサスとハブランサスの花です。写真は、ゼフィランサスの花です。(2012年10月15日撮影)。☆ゼフィランサスは、アメリカ原産で江戸時代末期から明治時代初期に渡来したヒガンバナ科ゼフィランサス属(タマスダレ属)の多年草、球根(鱗茎)植物です。鱗茎の分球による繁殖力が強く、園芸植物ですが、耐寒性があり野生化したものがよく見られます。(2012年10月15日撮影)。☆ゼフィランサスは、葉が線形で、6月から10月に花茎の先の苞の中から蕾を伸ばし、1個の花を上向きに咲かせます。(2012年10月15日撮影)。☆ゼフィランサスの花は、花被片6枚(外花被片3枚、内花被片3枚)、黄色い葯がつく雄蕊が6本、雌蕊が1本です。(2012年10月15日撮影)。☆ゼフィランサスの名は学名の音読みで、「Zephyranthes」の名はギリシャ語のZephyros(西風、ゼピュロス)とanthos(花)が語源だそうです。和名のタマスダレ(玉簾)は、白い小さな花を「玉」に、葉が集まっている様子を「簾」に例えたことによるそうです。ゼフィランサスの花言葉は、「汚れなき愛」「期待」「便りがある」「予想」などだそうです。(2012年10月15日撮影)。☆こちらは、ハブランサスの花です。6月から9月に花茎の先の苞の中から蕾を伸ばし、1個の花を咲かせます。(2009年6月21日撮影)。☆ハブランサスは、アメリカ原産で大正初期に渡来したヒガンバナ科ゼフィランサス属と近縁のハブランサス属の多年草、球根(鱗茎)植物です。ゼフィランサスは花を上向きに咲かせますが、ハブランサスは花を横向きに咲かせます。(2009年6月21日撮影)。☆ハブランサスの花は、花被片6枚(外花被片3枚、内花被片3枚)、黄色い葯がつく雄蕊が6本、雌蕊が1本です。(2009年6月21日撮影)。☆ハブランサスの名は学名の音読みで、「Habranthus」の名はギリシャ語のhabros(優雅な)とanthos(花)が語源だそうです。(2009年6月21日撮影)。
2018.11.03
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[9]】はヒガンバナ科の植物です。第7回は、ヒガンバナ科のスノーフレークの花です。(2016年3月12日撮影)。☆スノーフレークは、ヨーロッパ原産のヒガンバナ科スノーフレーク属の多年草で球根植物です。園芸植物ですが、各地で野生化して広がっています。(2016年3月12日撮影)。☆スノーフレークは、2月の上旬から中旬に葉が伸びて成長し、3月中旬から花茎の先に1~4個の花を咲かせます。(2013年3月19日撮影)。☆スノーフレークは、花茎の先端に細長い鞘状の苞があり、苞の裂け目から細長い花柄が伸び、下向きに花をつけます。(2013年3月20日撮影)。☆スノーフレークの花は、花被片の付け根より下に子房がある子房下位です。(2016年3月12日撮影)。☆スノーフレークの花のつくりは、花被片6枚(外花被片3枚、内花被片3枚)、黄色い葯がつく雄蕊が6本、雌蕊が1本です。(2016年3月12日撮影)。☆スノーフレークの花被片の先端近くには、緑色の斑紋があります。(2016年3月12日撮影)。☆スノーフレークの名は英名snowflakeで、「雪のひとひら」「雪片」「雪の結晶」という意味です。スノーフレークの和名は、オオマツユキソウ(大待雪草)です。同じヒガンバナ科のマツユキソウ(スノードロップ)に比べて大きいことから。マツユキソウ(待雪草)の名は、冬の終わりの雪が消える頃に咲く花ということから。(2016年3月12日撮影)。☆スノーフレークの別名は、スズランスイセン(鈴蘭水仙)で、花がスズランに似て葉がスイセンに似ていることから。(2016年3月12日撮影)。☆スノーフレークの花言葉は、「純粋」「純潔」「汚れなき心」「皆をひきつける魅力」などだそうです。「純粋」「純潔」「汚れなき心」は、花びらの先端に入る緑の斑点が、純白で清楚な花をいっそう際立たせていることに由来するそうです。(2013年3月19日撮影)。
2018.11.02
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年7カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[9]】はヒガンバナ科の植物です。第6回は、ヒガンバナ科のキツネノカミソリの花です。(2017年8月6日撮影)。☆キツネノカミソリは、本州・四国・九州の山野に生えるヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草です。(2017年8月6日撮影)。☆キツネノカミソリは、長さ30~40センチ、幅0.8~1センチの葉を早春に伸ばし、夏になると枯れます。葉が枯れたあと、8月から9月に高さ30~50センチ花茎が伸びて、3~5個の黄赤色の花を散形状につけます。(2012年7月31日撮影)。☆キツネノカミソリの総苞片は、披針形で長さ3~4センチです。開花し始めた蕾では、数個の花を包んでいる2枚の総苞片がよくわかります。開花したものでも、花柄の付け根に2枚の総苞片があるのがわかります。(2017年8月6日撮影)。☆キツネノカミソリの花柄は、長さ2~6センチです。キツネノカミソリは、花被片の付け根より下に子房がある子房下位です。(2014年8月7日撮影)。☆キツネノカミソリの花のつくりは、花被片6枚(外花被片3枚、内花被片3枚)、黄色い葯がつく雄蕊6本、雌蕊1本です。雄蕊の長さは花被片とほぼ同じ長さです。雌蕊花柱は、花被片より少し長いようです。(2013年7月30日撮影)。☆この写真では、キツネノカミソリの雌蕊花柱が花被片や雄蕊より長く突き出しているのがわかります。キツネノカミソリは花の後に実ができます。キツネノカミソリは、球根(鱗茎)の分球と種の両方で増えていきます。(2017年8月6日撮影)。☆キツネノカミソリの花被片は、「斜めに開いて反り返らない」という記事がありましたが、このように明らかに反り返っているものもありました。(2017年8月6日撮影)。☆キツネノカミソリ(狐の剃刀)の名は、花の色が狐色で葉の形が剃刀に似ているので名づけられたそうです。すでに紹介した通り、キツネノカミソリの葉は春に出て夏には枯れます。(2016年7月26日撮影)☆キツネノカミソリの花言葉は、「妖艶」だそうです。「妖艶」は、薄暗い林床で花茎をすっと伸ばして橙赤色の花をつける妖しいほどのなまめかしい姿からつけられたそうです。(2017年8月6日撮影)。
2018.11.01
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