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『香港 新版』これの旧版はただの香港映画少年だった僕が「香港」を人生で取り組むべき対象として初めて意識するきっかけになった思い出深い本。初めて読んだ時は興奮して寝られなかった。その時に得たパトスが10代後半の勢いを支えていたといっても過言ではない。以後、著者の中嶋氏にしばらく激しく傾倒することになったけど、二十歳を過ぎる頃にだいぶ相対化されてしまっていた。それでも『香港回帰』や『中国・台湾・香港』は興味深く読んだ。97年の7月1日にはまだ香港に渡れず、自宅で「返還」式典の中継を複雑な心境で眺めていた。今では頻繁に行き来するようになれたけれど、やはり来し方を振り返ってみると感慨深いものがある。『香港回収工作(上・下)』これを今晩にでも読み返してみたい。そういえば、最近こんなのも出てる。『現代の香港を知るkeyword 888』
2007年06月30日
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『責任と判断』ハンナ・アレント未公刊の遺稿集。アレントの著作や関連本は日本で出ているものはほとんど持って読んでいるけど、いつもいろいろ考えさせられる。『ちょっと本気な千夜千冊虎の巻』セエゴォさん。『アジア系アメリカ文学』学部の時にちょっとだけ専門にしようと思った時期があったけど保留。でも、そのうちきちんと取り組みたい。『ある学問の死 惑星思考の比較文学へ』『ガヤトリ・チャクラヴォルティ・スピヴァク』スピヴァク。不勉強だったのでちょっと読んでみる。『「香港情報」の研究 中国改革開放を促す〈同胞メディア〉の分析』香港メディア論の専著は日本ではめずらしい。ちょうど整理したかったことなのでとても読み応えがあった。良著。『字統新訂 普及版』長いこと待ってて、ようやく出た普及版。即購入。
2007年06月29日
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『CEO 最高経営責任者』スー・リャン[石涼](Shi Liang)/マー・ユエ[馬躍](Ma Yue)/ワン・ミンイー[王民益]ウー・ティエンミン[呉天明](Wu Tian-Ming)商品情報・発売日:2005年10月28日・発売元:アップリンク・販売元:(有)アップリンク・ディスク枚数:1枚(DVD1枚)・収録時間:116分・映像特典内容:【映像特典】ウー・ティエンミン監督×チャン・ルエミンCEOインタビュー 劇場予告編・メーカー品番:ULD-268・JANコード:4932487022687後にCEOとなる当時35歳の工場長は、倒産寸前の冷蔵庫工場を起死回生のプロジェクトで救った。アジアでもっとも勢いのある経済人25人の1人に選ばれたハイアールの張CEOの、若き日の活躍をとらえた実録ドラマ。【ストーリー】1985年春、倒産寸前の“青島冷蔵庫工場"では起死回生のプロジェクトが練られていた。当時35歳の工場長リン・ミンはその任務を担いドイツに向かう。彼はドイツ企業・リーブ社の最新の生産ラインを自社に導入するために交渉に挑むが、厳しい条件に愕然としてしまう。悩んだ末にリン・ミンのとった対策とは…。【解説】'08年の北京オリンピック、'10年の上海万博を前に驚異的な経済成長力で注目を集めている中国ナンバーワンの家電メーカー、ハイアール(Haier)。CEO(最高経営責任者)であるチャン・ルエミン(張瑞敏)の独創的な経営手腕により、倒産寸前だった青島の町工場が中国初の世界ブランドを築くまでの苦悩と挑戦の物語を、中国映画界の巨匠、ウー・ティエンミン(呉天明)監督が描いたドキュメンタリー・ドラマである。画面サイズ:ビスタサイズ=16:9LB色彩:カラー言語: 中国語(オリジナル言語)音声方式: ドルビーデジタルステレオ(オリジナル音声方式)字幕言語: 日本語字幕制作国: 中国制作年:2002年タイトル:CEOアーティスト:ウー・ティエンミン[呉天明]/スー・リャン[石涼]/マー・ユエ[馬躍]出演:スー・リャン[石涼]/マー・ユエ[馬躍]/ワン・ミンイー[王民益]ほか監督:ウー・ティエンミン[呉天明]脚本:ウー・ティエンミン[呉天明]ほか原題は『首席執行官』。企業研修で使う教材の作成に必要なので久しぶりに観直す。『人生』(1983)『老井(古井戸)』(1986)や『変臉』(1995)などの名作を生んだ呉天明監督による、実話をもとにした映画。倒産寸前の青島の町工場を、世界的家電メーカーの「海爾(Haier)」にまで育て上げた張瑞敏(Zhang Rui-ming)の物語である。主人公・凌敏の父親役に名優朱旭さんが出てるのもなんだかうれしい。最初に観たときにはあんまり意識しなかったけど、映画そのものがビジネス中国語の教材にけっこう役立ちそう。
2007年06月28日
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『ラブソングができるまで 特別版』『MUSIC AND LYRICS』。ヒュー・グラントとドリュー・バリモアという、僕にとっては夢の共演の映画なのに、香港で見損ね、日本でも見損ね、とうとうDVD発売の日を迎えることに。日本では絶対に劇場で観てやろうと、前売り券2枚も買っていたのに…。サントラは3月に香港に行った時に購入。『オリジナル・サウンドトラック「ラブソングができるまで」』これはなんとかギリギリ劇場で観ることができたけど、DVDも買っておきたい。『ブラッド・ダイヤモンド 通常版・特別版』『エレクション~黒社会~』も7月18日の発売。香港版と大陸版をすでに持っているけど、特典映像の杜[王其]峰(ジョニー・トー)と梁家輝(レオン・カ-ファイ)の来日インタビューだけのためにまた一枚購入…。
2007年06月28日
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今日も帰りに数枚購入。スルーしかけたけど、いまさらながら。『B’DAY デラックス・エディション』あと、前から欲しかったこれも思い切って購入。ベートーヴェン没後180年企画。最近になってようやくフルトヴェングラーのよさがわかり始めてきた。日本版LPの紙ジャケが再現されていてなんだかうれしい。『フルトヴェングラー・ベートーヴェン交響曲全集』うちに帰ると、予約していたこの2枚が届いていた。『告白の噴水広場<通常盤>・<初回限定盤>』あと、この前行った春紺のDVDも一緒に。『桜満開 Berryz工房ライブ~この感動は二度とない瞬間である!~』われながら全く統一性がないな…。ついでに身内の誕生日のプレゼントも購入。
2007年06月27日
番組公式HP http://www.ntv.co.jp/119/index.html6月30日(土) 日本テレビ 21:00~22:54(以下、「MY日テレ」番組ページより引用)“動物専用の救急車" があるって知っていますか?「この『子』を助けてください―――」重症のペットを抱えて途方に暮れる飼い主の下に駆けつける獣医師。24時間体制、ワゴン車一台であらゆる場所に急行し、一刻を争う急患動物の命と向き合い、闘い続ける―――。そんな、動物の為の緊急救命獣医。そんな過酷な職に身を捧げる人々が実在します。今回のドラマは、日本で初めて、そんな“動物専用救急車"を作った男たちの物語です。傷つき、極度の不安とストレスに慄いた動物と対峙する救命獣医。彼らは、そんな極限下において、“物言わぬ動物"たちと、「心」を通わせ、「会話」し、小さくとも尊い命に息吹を与える為、全力を尽くします。このドラマでは、動物と“共に暮らしていく"こと-----、その意味を、動物愛あふれる一人の青年の目線から問いかけていきます。そんな救命獣医を演ずるのが、速水もこみち動物との奇行(ふれあい?)を繰り広げる、愛すべき、破天荒な“動物バカ"。私生活では、てんでイケてないのに、ひとたび、動物救命医療の最前線に立つやいなや、「救う命は選ばない」をポリシーに、猪突猛進!ペットや動物のおかれた現代の様々な問題に、真正面から立ち向かいます。ただし…、常識外れ、破天荒な言動で、周囲の人間に迷惑かけっぱなしですが…。だが、それも全ては、「動物たちの命を救いたい!」その一点のタメ。戸惑い、怒り、泣き、傷つき、そして葛藤しながら、かけがえの無い命の重みを感じ、愛と熱をもって動物と接し、人として、救命獣医として成長を遂げていきます。笑いと涙に彩られた物語を、コミカルかつ、熱く感動的に綴っていきます。
2007年06月27日
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『俄(上・下)新装版』シバは嫌いではないけれど、シバだけで全てを語ろうとする人はちょっと苦手。この手の、押し付けがましい史観がないのは気楽に読めていい。『天璋院篤姫(上・下)新装版』来年の大河ということでじわじわと関連書籍が増えている気がするけれど、実は宮尾登美子氏も僕としてはあんまり、だったりする。でも、幕末では薩摩ビイキなので、たぶん大河も見るからいちおう予習。『蔵(上・下)』とか、『鬼竜院花子の生涯』はけっこう好きだったりするのだけれど。それよりはこっちのほうが面白かった。『女たちの幕末京都』最近、読み応えのあった歴史物と言えば、やはり新装版で出た『列藩騒動録(上・下)新装版』だろうか。
2007年06月26日
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『ラブストーリー・イン・ハーバード香港版DVD』香港にキム・レウォンの熱烈なファンの友人がいるので、彼女に押し付けられるような形で買った『哈佛愛情故事』。せっかく香港で買ったので、と思ったので広東語で一通り見たけれど、いまさらながら韓国語原音で見直している。レウォニの英語はけっこうサマになっている。ちなみに台湾での題名は『愛在哈佛』。そのむかし哈大卒の中国系の友人を「ハルピン仏教大学出身か」と冗談でからかっていたのが懐かしい。ハーバード編(実際のロケ地は南加大とUCLAらしい)は学生生活をなかなかシビアに描いていてそれなりに面白かったけど、韓国に舞台を移してからは「なんじゃこりゃ」という展開が続いてちょっとヘキエキする。レウォンファンはこんなレウォニでいいのか?いちばん好きなキャラはもちろんケインズ教授。台湾版も、なぜか押し付けられて持っていたりする。『ラブストーリー・イン・ハーバード(愛在哈佛)台湾版DVD』韓国ドラマの中国語字幕はけっこういい加減なのが多くて、見てるとストレスがたまるので最初から消して観ることにしている。かと言って、韓国語で100%完璧にわかるわけでもないから別のストレスがたまる。いちばんいいのは韓国で韓国語字幕つきのソフトを買うのがいちばんなんだけど、それほど韓国ドラマに入れ込んでいるわけでもないから微妙。香港版、台湾版のメリットは広東語や中国語の勉強になるということと、あと値段。でも、いっぺん日本語字幕でゆっくりと観てみたい気もする。『25%OFF!夏のセール!ラブストーリー・イン・ハーバード 完全版 DVD-BOX I・II(DVD)』思い切って買おうかな…。
2007年06月26日
このブログのタイトルに使わせてもらっている『知音夢裡尋』は僕が小さいころからずっとファンである香港の歌手許冠傑(サミュエル・ホイ)の歌詞の題名である。許冠傑と言えば、口語広東語で歌った歌謡曲を香港で一躍ポピュラーなものとした功績が挙げられるけど、彼の歌は美しい文語体の歌詞を広東語音で歌ったもののほうが多かったりする。僕はどちらも好きだけど。作詞:許冠傑/黎彼得 作曲:許冠傑星星會明白我心早知戀愛盡憐閔誰料此際被情困想伊人空抱憾春色醉人夜已深結他輕奏別離韻盟誓毀碎涙難禁嘆息知音夢裡尋亂我心思傷透神舊愛竟貪新腸斷那堪風陣陣悽怨倩誰問街燈已殘月暗昏[リッシンベンに宛]惜空記熱情吻徒自追索緑雲鬢嘆息知音夢裡尋1990年コンサートの動画より→ようつべへ
2007年06月26日
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本業は中国語と韓国語だけれど、英仏のネイティブ話者が割拠する職場では相変わらず英語とフランス語が主要な使用言語。英語は何とか適当にお茶を濁しているけれど、フランス語はなかなかキビしい。去年はどちらかと言えばドイツ語がメインだったけど、今年は完全に独仏の勢力が逆転してしまった。とは言っても、かつてはフランス留学(未遂)のために猛勉強していた身。他人はごまかせても自分に対しては言い訳ができない。フランス語を日常的に使う環境になってからすでに2年なので、そこそこ格好はつくぐらいまでには回復したけれど、なかなかまとまった時間をフランス語にあてられないので、欲求不満の状態が続いている。それでもいつも座右に置いているいくつかの教材はある。学部時代のあの逼塞した空気から逃れるために必死に取り組んだ時の教材は、今では「お守り」的な価値も持っている。丸山先生の『NHKフランス語入門第2版』、『ディクテで学ぶ総合フランス語』、『丸山フランス語文法読本』などは本文をほとんど暗誦できるぐらいに読み込んだ。みんなちょうど絶版間際の時期だったのでギリギリのタイミング。あと、当時のNHKのラジオ講座を担当されていた小石先生の回を本にした『NHK新フランス語入門』や今や入手困難な『金色の眼の猫』(駿河台出版社)なども思い出深い。フランス語の教材も英語と同じとまではいかないまでもたくさん出ていて、その内容や質もピンキリである。とりあえずここ数年で、自分で見つけたり、フランス人の同僚に教えてもらったりして復習のために使ったテキストをいくつか。以前に購入していたものの改訂版も含めてレベル不同で。『楽しく身につくフランス語(1・2)』『ゼロから話せるフランス語』『メディアのフランス語入門』『映画のなかのフランス口語1700』『コンヴェルサスィオン』『DVDで入門フランス語』『フランス人が日本人によく聞く100の質問』『パン屋さんのフランス語』『聴いてわかるフランス語ニュース(基礎編)』とか。もちろん留学未遂時に買った本も未消化のものがかなり残っているので、それから片付けてゆかないと。どのみちフランス語も切実に必要になるのはわかっているので、今のうちにゆるゆると、せめて以前のレベルにまではなんとか戻しておきたい。そして、当時フランスを目指した原点としての『東西シノロジー事情』もあわせてお勧めしておきたい。
2007年06月26日
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香港に行ったときにはかならず詣でる星光大道にある成龍大哥のオフィシャルショップ。いつも記念になにか買って帰るのだけれど、通販でも帰るようになったみたい。でも、こういうなのって行って買うからこそ意味があると思うんだけど、Tシャツぐらいなら買ってもいいかな、と。ちなみに現在使用中の携帯電話ケースは一昨年、香港で買ったコレ。
2007年06月25日
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なんだかいろんな人が、僕にメリケン行きを進めてくる。サイード先生亡き今、哥大行きを急ぐ必要もなくなったのだけれど、とりあえず下記の本を引っ張り出して読んでみる。題名どおりのストレートなマニュアル本だけど。でも、いつどうなってもいいように「思想準備 si xiang zhun bei」はしておくにこしたことはない。徐々に慣らしてゆこう。『How They Got Into Harvard: 50 Successful Applicants Share 8 Key Strategies for Getting Into the Coll 』
2007年06月23日
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『韓国語学習Q&A 200』韓国語に関するこまごまとした疑問に答える本。韓国語を普段使っていて当然だと思っていることでも、いざ他人に説明するとなると手間取ることが多い。そういうことを文章で提示されると新たな発見がある。分かっているつもりで実は分かってなかったところもいろいろと気づかされる。内容的にちょっと物足りない気がしないでもないけれど、今まで類書がなかったので画期的な一冊。『会話で学ぶ韓国語文末表現』これもユニークな学習書。「中級レベル」と謳っているけれど、なるべく入門の時期に見につけておきたい重要な表現ばかり。会話表現が中心なのですぐに使えるだろう。『韓国語ジャーナル21号』先週買ったKJも通読。なんだか毎号読むのも惰性になってきたけど、そのうち教材として使えるかもしれないし、というのと、自分の勉強にもやはりなるので、結局新刊が出るたびに買ってしまう。CJもEJも同じ状況。
2007年06月22日
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昨日仕事帰りに買ったもの。『井上道義/モーツァルト:交響曲第39番・第40番・第41番「ジュピター」』『大植英次/ショスタコーヴィチ:交響曲第7番』『大植英次/大阪フィルハーモニー交響楽団/英雄の生涯』『僕は君を愛してる [DVD付初回限定盤] 』『UN/SWEET AND STRONG(DVD付)』
2007年06月21日
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劉徳有『日本語と中国語』劉徳有さんの名前を知ったのはサイマルから出ていた『日本語の面白さ-中国人が語る日語趣談』や『日本語の旅-中国人の再発見 戦後日語新探』を中学・高校時代に読んでから。(両書とも現在は入手困難) 日本での著作の出版は久しぶりである。 中国切っての知日家である氏の文章は、中国語と日本語に関する深い洞察だけにとどまらず、日中関係を考える際の有益な示唆に満ちている。 昨年も氏による『時光之旅-我経歴的中日関係』(商務印書館,1999)を読んだが、戦後の日中外交の現場において常に最前線で活躍されてきた氏の人生はそのまま戦後日中関係史を体現している。後に邦訳も出た。 『時は流れて 日中関係秘史五十年(上・下)』この新著では、古稀をとうに過ぎているとは思えない瑞々しい感覚で、現代の日本や中国のコトバを俎上にのせて、独自の文化論が展開される。 中国語を始めて随分になるが、氏の著作を読む度に、自分がまだその登り道のふもとにいることを思い知らされる。中国についてもまだまだ知らないことがあると痛感すると同時に、ネイティブカルチャーであるはずの日本についても実はまだよくわかっていないことに愕然としてしまう。 でも、それは脱力感にはつながらず、日中間に横たわる困難に立ち向かうための、新たな元気を与えてくれる。 新刊である、ご自分の日本語とのかかわりを中心に綴られた半生記『わが人生の日本語』にも大いに啓発され、胸を打たれた。中国語を学び、中国となんらかの関係を持っている人には、ぜひ読んでもらいたい一冊。
2007年06月20日
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『中国語翻訳作法―文の理解から訳出のプロセスまで』翻訳の技法を書いた本というより、示唆に富んだ、優れた日中対照言語学の読み物。ネイティブ話者では気づかない日本語の盲点にへーっと感心させつつ、中国語との違いを解き明かしてゆく。 自分も読んでて、それまで当たり前だと思っていたことを次々とひっくり返されてしまった。 書店に中国語のテキストはあふれるようになったけれども、こうした良質な読み物は極めて少ない。読み終わった後に充実感を感じられるものはもっと少ない。 直訳型の中国語から脱却したい人にお勧めの一冊。なお同著者には以下の著作もある。『日本語から学ぶ中国語・中国語から学ぶ日本語』
2007年06月20日
『知音夢裡尋』(2005.09.11)より。 昼過ぎまで在宅作業。衛星でニュースを見てたら卓球の福原愛選手のドキュメンタリーやってた。うちの一族にいてもおかしくない系統の顔立ちなので、以前からなんだか無意味な親しみがある。でも、やっぱり注目すべきは彼女の中国語だ。16歳の歳であの中国語はやっぱり感心する。僕が彼女の年齢の時はすでに中国語学習歴は8年に達していたけれども、16の今頃はちょうど、それまで身につけたものを全部捨てさせられて、一から発音の猛特訓をやらされていたところだ。きっと同じ世代だったら、激しく発奮していたにちがいない。 でも、上達の理由として「中国にいるから」とか「必要があるから」というのがよく言われるようだけれども、実は正しいようであんまり正しくない。特に前者。 その言語が話されている場所にいるだけで、その言語がうまくなるなんてのは幻想、かなりのカン違いだ。確かに単語やイディオムレベルではそれらしいものが身につくかもしれないし、要領のいい人は、そこから会話みたいなものに持っていくこともできるだろうけれど、あくまでその程度のものである。いわゆる「環境」という要素で複数言語話者になれるのは母語の干渉の少ない5、6歳ぐらいまでで、それ以上の年齢では、ただ暮らしていただけじゃ何にも起こらない。(それにバイリンガル、トリリンガルという状況が「うらやましい」ものであるかというのも、心して考えるべきだ。これもやはりモノリンガルが陥りやすいカン違いのひとつ) それはどこそこに一年とか、二年留学しました、なんて人を見るとよくわかる。留学帰りなら周囲は暗黙の了解として「語学は問題なし」として扱ってくれるから、誰もその人の語学力を疑おうとしないけれども、実はこんな馴れ合いの傾向が大学の語学教育のレベルを下げていたりするから、実はとても由々しきことである。まぁ、これは例には事欠かないと思うので多言無用だと思うけれども。 やはりどこにいようとも、地道で、かつ体系的な学習は不可欠なわけで、ネイティブの環境で生活できるという幸運にめぐりあえても、それを活かすだけの努力は自分で意識的にしなければ、ただの自己満足でおわってしまう。「生活できてんだから、たぶん、語学的にも問題ないんじゃないか」という都合のいい暗示にかかってはいけない、ということだ。単語を自分の都合で並べているだけでは、それは会話とは言わない。 愛ちゃんもそうだし、ハリウッドに進出している非英語母語話者の俳優たちも英語を猛勉強している。むろん、陰の努力にはあえて触れないのがマナー。でもかと言って、ぜんぶ「環境のおかげ」にしてしまうのも失礼なわけで、結局「おフランス帰り」というだけでチヤホヤしていた明治、大正の時代から日本人は精神構造に進歩がないということなのかもしれない。
2007年06月19日
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『ビジュアル漢詩心の旅(1)』『ビジュアル漢詩心の旅(2)』映画『男人四十』を見てから急に欲しくなったので一巻も買った。全五巻で現在刊行中。「漢詩」というと中国語では「漢代の詩」ということになるが、日本語の文脈では中国の古典詩全般をさす。宋代は「詞」という別の形式が隆盛になるが、とりあえずそれも「漢詩」の中に含んで表している。僕は古典を専攻してはいないけれど、唐宋八家、特に蘇軾と欧陽脩の文章と詩詞をこよなく愛しているので、中国で出た全集を手元にそろえてよく読んでいる。『宋詩概説』『蘇東坡100選』十代の頃は中国語の勉強もかねてよく古典を読んで、その暗誦に挑戦していた。当時はもちろん解説をそのまま理解して、とにかく覚えただけだったけど、それが自分の中でよい具合に醸成されて精神的な糧にすることができている気がする。もちろん非専門であるという気軽さも手伝っているけれど、中国語を教える時に年配の人からの質問にも即座に答えることができるのはその時の蓄積のおかげだ。普通話の発音では暗誦できる『前赤壁賦』。今度は粤語音で覚えてみたい。壬戌之秋、七月既望、蘇子與客泛舟、遊於赤壁之下。清風徐来、水波不興。挙酒蜀客、誦明月之詩、歌窈窕之章。少焉月出於東山之上、徘徊於斗牛之間。白露横江、水光接天。縦一葦之所如、凌萬頃之茫然。浩浩乎如馮虚御風、而不知其所止、飄飄乎如遺世独立、羽化而登仙。於是飲酒楽甚。扣舷而歌之。歌曰、桂櫂兮蘭漿。撃空明兮泝流光。渺渺兮予懐、望美人兮天一方。客有吹洞簫者。倚歌而和之。其声鳴鳴然、如怨如慕、如泣如訴、余音嫋嫋、不絶如縷。舞幽壑之潜蛟、泣孤舟之寡婦。蘇子愀然正襟、危坐而問客曰、何為其然也。客曰、月明星稀、烏鵲南飛、此非曹孟徳之詩乎。西望夏口、東望武昌、山川相繆、欝乎蒼蒼。此非孟徳之困於周郎者乎。方其破荊州、下江陵、順流而東也、軸艫千里、旌旗蔽空。糲[酉麗]酒臨江、横槊賦詩。固一世之雄也。而今安在哉。況吾與子、漁樵於江渚之上、侶魚蝦而友麋鹿。駕一葉之軽舟、挙匏樽以相蜀、寄蜉蝣於天地、渺滄海之一粟。哀吾生之須臾、羨長江之無窮。挟飛仙以遨遊、抱明月而長終、知不可乎驟得、託遺響於悲風。蘇子曰、客亦知夫水與月乎。逝者如斯、而未嘗往也。盈虚者如彼、而卒莫消長也。蓋将自其変者而観之、則天地曾不能以一瞬、自其不変者而観之、則物與我皆無尽也。而又何羨乎。且夫天地之間、物各有主。苟非吾之所有、雖一毫、而莫取。惟江上之清風與山間之明月、耳得之而為声、目遇之而成色。取之無禁、用之不竭。是造物者之無尽蔵也。而吾與子之所共適。客喜而笑、洗盞更酌。肴核既尽、杯盤狼藉。相與枕籍乎舟中、不知東方之既白。
2007年06月18日
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『渡部昇一の中世史入門』頼山陽のことを知ったのは渡部氏の本でだった。『渡部昇一の古代史入門』の続編。思想的には自分とは対極に位置する渡部氏だけれど、今の読書スタイルを形作ってるのは中高生の頃に熱中して読んだ渡部氏の著書から受けた影響におおいに負っていることは否定できない。ついでにこれも購入。『人間は一生学ぶことができる』刊行中の『興亡の世界史』の最新刊。テーマ的にも買わざるを得ない。『興亡の世界史(第2巻) スキタイと匈奴遊牧の文明』これも刊行中の『ビジュアル漢詩心の旅』の第二回配本。スルーしようかと思ってたけど『男人四十』を観てからなんだかこんな本が欲しくなった。教材にも使えるし。『ビジュアル漢詩心の旅(2) 長江を詠う』文庫も惹かれるものを何冊か。『漱石の夏やすみ』『懐かしい人たち』吉行淳之介の本は文庫化されたらたいてい買うんだけど、シバレンのことが出てたので迷わず購入。あとディケンズの文庫を何冊か。
2007年06月15日
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『三銃士』デュマ原作の『三銃士』を改変した映画はたくさん存在するけど、難しい理屈は置いといて、いちばん好きなのがこの93年版『三銃士』。三銃士の三人はもちろん、ティム・カリーのリシュリューはいかにもリシュリューだし、マイケル・ウィンコットのロシュフォールもいかにもロシュフォールなのがいい。ラストシーンで、散り散りになっていた銃士隊がピンチに陥ったダルタニャンや三銃士の救援に駆けつけて、制服の上に羽織っていたものを一斉にバッと脱ぎ捨てるシーンのカタルシスはなんとも言えない。アラミスがリシュリューを追い詰めて剣を突きつけて「You're under arrest」と言うシーンもたまらない。でも、三銃士ファンなら見てて当然のこの2作品ははずせない。『三銃士』、『四銃士』空前の『タイタニック』ブームの中で公開されたこの映画も。『仮面の男』レオ様はともかく、ジェレミー・アイアンズのアラミス、ジェラール・ドパルデューのポルトスにはしびれた。あと、こんなのもあるけどソフィー・マルソーは好きだから許せる。『ソフィー・マルソーの三銃士』これは未見。『レディダルタニアン 新・三銃士』アニメも子供のころに見ていた『ワンワン三銃士』とかいろいろあるけど、やはりNHK版なくしては語れない。『アニメ三銃士 パーフェクトコレクション DVD-BOX 1・2』これ、フランスでも放映されたみたいなので、ソフト化されてたらぜひ買いたい。でも、これも未見。三銃士もディズニーも好きだけど、なかなか見る勇気が出ない…。『ミッキー、ドナルド、グーフィーの三銃士』平和な時代なら『三銃士』研究者になりたかった。
2007年06月15日
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岩波版『三銃士(上・下)改訳』復刻版もようやく。『ダルタニャン物語 全11巻』こんなのも。『ダルタニャンの生涯』
2007年06月15日
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『即戦力がつくビジネス英会話』職場では8割がフランス語で2割が英語。普段はスギタさんのテキストで勉強しているけれど、たまには気分を変えて。でも「不求甚解(bat kau sam gaai)」、集中してアタマに流すことが重要。テキストの選定も兼ねているので月に何冊もいろんな言語の新刊書を読まなければならないから、をそれで何かが残ればもうけもの、ぐらいの感覚で読む。前に某企業の研修で使わせてもらった同著者の次の2冊もけっこうよかった。『基礎からわかる会社で使う英語』、『会社で使う英語スキルアップゼミ』
2007年06月15日
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『Word Power Made Easy: The Complete Handbook for Building a Superior Vocabulary』高校時代、地元の紀伊國屋書店で何気なく買った本。けっこう気に入って、いまだに手元にあるのだけれど、だいぶ後になって、なにかの本を読んでいる時に、けっこう定番であることを知って驚いた。今も売れ続けているらしい。さすがにもうボロボロで持ち歩きもきつくなってきたか、いい加減、新しいの一冊買ってみようかな。
2007年06月13日
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『中日日中貿易用語辞典』こういう工具書は僕らみたいな稼業の人間にとっては必需品。 今年は塚本先生主編の『中国語新語ビジネス用語辞典』(大修館書店)や、あるいは同学社の『中国語新語辞典』の四訂版が出てかなり満足してたんだけど、これもかなり役に立ちそうだ。 貿易用語に限定してあるけれど、企業研修に出かけて行くと、やはりそこでフォローしきれない用語というのはかなりある。中国語を社員に学ばせたいというからには、中国との輸出入をあくまで前提に置いているわけで、こちらもそれにきちんと備えておく必要がある。でも、自分で用語集を作っていたのではとても間に合わないので、こういう辞典の存在はとてもありがたい。 巻末の書簡用語集や文例集もいい。こういうような言葉がすっと出てくるような中国プロパーに増えてもらいたい。 なにより、他のこの手の專門辞典と違うところは、単語に例文がついてることだ。これもうれしい。たとえ、当座に必要なくても、こういう語彙を例文とともに目を通しておけばどこかできっと役に立つ。そういうような準備を日頃から怠らないのも中国語のプロとしての義務。 大学でのビジネス中国語は今年で懲りてしばらくやらないけど、最前線に立つ人々のお手伝いになる企業での仕事は、なるべく引き受けてゆくつもり。 自分の中国語に絶えず息を吹き込む努力をしてゆかないと、実践の場では全く役に立たない。単語を適当に並べて「日常会話なら話せます」なんて、趣味の悪い冗談以外の何ものでもないわけで、そこがきちんとわかってるかどうかで、だいたいその人の中国語の段階が分かる。 この本を見て、「うわぁ!」と叫んで一食抜いても即買いする人はホンモノだろう。(2006年12月10日)
2007年06月13日
先日も紹介したアジア版TIMEの最新号。月曜日の朝に届いたので、ようやく特集記事だけ読み終えた。思いのほかきちんとした特集で読み応えがあって満足した。特に“Ten Years, Five Views”の対談記事はおもしろかった。『TIME』や『NEWSWEEK』のカバーストーリーに香港や中国のことがかかると条件反射的に緊張感が走る。松本道弘氏の著書に感電してTIMEの定期購読を始めたのが中三の夏だからもうずいぶんになる。TIMEを毎号読むことは、英語の勉強とかそういうこと以前にもはや自分の日常の「行」と化している。ほとんど捨てずに取ってあるが特に「天安門事件」のTIMEはその時の時代の息吹きを思い出すための僕の貴重な宝物だ。十代の頃はジャーナリストになって香港「返還」に立ち会うのが夢だった。だから普通話、広東語、英語の三つの言語はその時から自分の人生に不可分なものとして認識されていた。この三つがバランスよく自分の中でせめぎ合っている時は万事において調子がいい。ここ数年、そのバランスが崩れて、人生そのものも瞑想していたけれど、ようやく平衡を取り戻しつつある。いい傾向だ。もうすぐあの「返還」の日から十年。当初の夢とは形は変わっているけれど、なんとか香港に関われる位置に自力でたどり着くことができた。それを考えると感慨深い。今年の七月一日を自分はどんな気持ちで迎えるか、この記事を読みながらあらためて考えてみた。文中の“Hong Kong has returned [to China] in name, but not in substance”(Yan Xyetong)の言葉が印象深い。
2007年06月12日
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『起きてから寝るまで中国語表現ドリル』『起きてから寝るまで中国語単語帳』英語のシリーズには中高生の頃にずいぶんとお世話になった思い出がある。その時から、これで中国語があればどんなに役にたつだろう思っていたのだけれど、去年の年末にようやくの登場。生活に最低限必要な基本的な語彙、表現はこの2冊をしっかりやれば充分だろう。あくまで最低限、だ。「日常会話」なら問題ないんですが、という人は多い。でもその感覚にはおおいに「問題」がある。「日常会話」がネイティブ話者なみに問題なくできるのならば、それより上に望むことなんてあるんだろうか、といつも思うのだけど、「留学」を一年か二年した人にそんな人が多い。でも、そんな人でほんとうに「日常会話」が「問題なく」できる人に、残念ながらいまだにお目にかかったことがない。現に企業で留学組の研修をやってても「目覚ましをセットする」、「シートベルトを締める」、「アイロンをかける」といったことも言えない人が多い。留学中にそんな場面に出くわさなかった、というのは言い訳にならない。そして「たまたま」知っていたとしても自慢にならない。すべては留学中の意識の高低にかかってくる。語彙レベルで考えても、より生活に密着したものの方が実は難しい。「石鹸」ひとつとってみても日本語では「せっけん」だが普通話では「fei2 zao4」、ついでに韓国語では「pi nu」である。こんな単語は当たり前に無数に存在する。この時点で「漢字が同じだから筆談でだいじょうぶ」といった甘い期待は裏切られる。より抽象的な概念、例えば「社会」、「政治」、「経済」、「哲学」といったものは日本起源の漢字語なので、漢字使用国では読み方がそれぞれ違うだけでほとんど通用する。難易度の高そうな学術論文の方が、中国語がわからなくてもなんとなくわかる気がするのはそのためである。ある程度、漢字の発音の類推が利くようになっていれば、その単語を聞いたらやはり意味がつかめる。日本語と同じだからだ。韓国語も同様で、論文ももし漢字語の部分のハングルを漢字に直すとやはりなんとなく意味が通じてしまう。でも、いくら「なんとなくわかる」政治経済の記事が読めても、「ATMでお金を預ける/おろす」と言えない人の中国語はやはり信用できない。形而上的な語彙や表現ならいくらでも日本で勉強できる。中国でいったい何をしていたんですか、ということになる。「日常会話」というくらいだから、話している時に日本語の漢字の知識は役に立たない。聞くのも言うのもすべて頼りになるのは習熟した「音」だけだ。そこに甘えを介在させることはできない。だから「語学留学」を何年もしてもなおその「甘え」を振り切れていないということには、その人の中国語に対する姿勢そのものに疑問を抱かざるを得ない。以前、中国語通訳の第一線で活躍する某氏と話をしていた時、別のテーブルで自由闊達に世間話をしていた中国人の二人組みを眺めながら、氏がため息まじりに「ああいう風にごく普通のことをごく自然に話せるようになるのが夢ですね…」とつぶやかれた。僕が知る非ネイティブの中国語の使い手の中でも五本の指に入る氏にしてこの坦懐。思わず居住まいを正してしまった。韓国語にも同シリーズがある。やはり入門、初級時には有用だろう。『起きてから寝るまで韓国語ドリル・単語帳』
2007年06月12日
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林嘉欣出演作で日本で公開、DVDリリースされたものの一覧。(年代不同)『ティラミス スペシャル・エディション』『姉御~ANEGO~』『恋の風景』『カオマ』『ヒロイック・デュオ 英雄捜査線』『カルマ』ちょっと日本での題名を整理しておきたかったので…。『ダブルイメージ(詭絲)台湾版DVD』これは日本版のリリースはまだなのかな。張學友と共演した『男人四十』や『後備甜心』もはやく日本に入ってくればいいんだけど。(映画の説明はリンク先=YesAsia参詳)
2007年06月11日
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『中国語ジャーナル 2007年6月号』先月号には章子怡の、今月号(『中国語ジャーナル 2007年7月号』)には馮小剛のインタビューが載っている。もちろん附録CDにも収録。こうした映画関係者のインタビューは僕みたいな人間にはいろんな面でとても勉強になる。馮小剛へのインタビュアーはなぜか垠凌(オブ・ジョイトイ)で楽しい。『夜宴』(邦題『女帝』)を観る前でも観た後でも、読んで(聴いて)おきたい記事だ。
2007年06月11日
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黎明、舒淇主演、そして日本でも公開中の『夜宴』にも出ている呉彦祖が初々しい『玻璃之城』(1998)。『玻璃(ガラス)の城』普通、映画で広東語を学ぼうとする時、香港をはじめとする中華圈で製造されたDVDの中文字幕が広東語の意味を類推するのに大いに役に立つが、あくまで標準中国語の字幕だから、もちろん広東語そのままではない。(映画によっては広東語の字幕がついているのもある。)『玻璃(ガラス)の城―シナリオ対訳』英語を学ぶために映画のスクリプトを教材用に編集したものはたくさんある。普通話のものもいくらかはある。でも広東語で映画を丸ごと扱ったものは目下のところこれ一冊しかない。しかし、これはただなんの解説もなしに日本語対訳と並べて広東語の台詞が書いてあるだけだから中級者以下には全く向いていない。発音記号も皆無だから、調べるすべのない人はお手上げということになる。香港現代史のだいじな部分を叙情的に描いたよい映画なのだから、文法的なことのみならず、そのコトバの背景を説明した語釈が丁寧につけると、かなり有用な教材になったと思うのだけれど、どうやら制作サイドにそんな気はなかったらしい。出版の意図がよくわからない。でも、すでに広東語学習の難関をいくつか突破し来た人にはある程度は役に立つし、その気で読めば実線に使える表現もたくさん拾える。一読しておけば、映画を観た時にずっと聴き取りやすくなるだろう。だから、使い方が難しい本だ。小さい頃から見続けている無数の香港映画からためこんだ広東語の「音」のストックは、僕の貴重な財産になっている。まったく見当がつかなかった当時に比べると広東語はだいぶできるようになってはいるけれど、まだまだわからないままのものがたくさん残っている。それをひとつひとつ解いていくのが映画を観ながら広東語を学ぶ楽しみのひとつ。でも、僕のような、いや僕なんか及びもつかない香港映画ファンは他にもいくらでもいるに違いない。よい香港映画はたくさんあるのだから、それらの脚本を題材にして広東語や香港文化を学べる教材を作ればすでに一定の需要は必ずあるのだし、その教材の存在でさらに広東語を始める人も増えるかもしれない。よい教材が増えれば、いい加減で粗悪な教材は自然に駆逐されてゆく。そういう教材の登場を待ってみたい。
2007年06月10日
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広東語をほんとうに気合を入れてきちんと学びたければ、前にも紹介した白帝社の『香港粤語』シリーズをやりこむのがいちばんなのだけれど、いちおう他の教材も紹介しておく。ひと昔前、僕が子供の頃には広東語の教材なんて簡単に手に入るものがなかったから、香港映画の世界でしか聞けない「神秘のベールに包まれたコトバ」だった。その頃からすでにあった『広東語四週間』、『実用広東語会話』は小学生にはちょっと敷居が高すぎた。僕がこの2冊をクリアしたのはだいぶ後の話だ。でも、より一般向けの『香港広東語会話』が出てからは、しばらく千島氏の著作の独壇場が続くことになる。僕も入門、初級段階ではずいぶんとお世話になった。『CDエクスプレス広東語』『日常ミニミニ広東語会話』『自己紹介の広東語会話』『250語でできるやさしい広東語会話』『香港に行こう!』また『東方広東語辞典』が出るまでの長い間、『標準広東語同音字表』にお世話になっていた人も大勢いるはずだ。僕も2冊ひき潰して、今、手元にあるのは3代目だ。研究書の邦訳である『広東語文法』も、やや専門的だけど、一読すれば文法事項の整理ができる。今のところ体系的な代替物がないので重宝する。また、『広東語の風景』も、広東語や香港・広東文化への理解を深める一助になるだろう。ただ、千島氏のものには香港で使われている広東語としては若干の疑問を抱かざるを得ない表現が散見する。『東方広東語辞典』にしても同様だ。ここのサイトに細かく指摘されているが、もっと簡単な語釈、例文にも首をかしげてしまうものが多い。ひと昔前はほとんど選択肢がなかったので千島氏のものに頼るしかなかったのだが、今は他にも良質の教材が増えてきた。単語や表現については、絶えずネイティブに尋ねるなりして、そのニュアンスを確認してゆく作業が肝要になってくる。他には、『ゼロから話せる広東語―会話中心』『広東語レッスン初級(1)(2)』なども学習のイントロとしてはいいだろう。ある程度わかるようになって、なおかつ映画が好きならば『香港電影的広東語』や『香港電影的広東語(続集)』も楽しい。ただ、『今すぐ話せる広東語(応用編)』などの山本氏による『今すぐ話せる』シリーズは香港ではなくて広東省広州のコトバと考えたほうがいいので、そのことに注意していれば逆に役に立つ。また、香港など日本国外での出版物で日本人向けの教材も探せば良質なのがかなりある(ダメなのも多いけど…)。片岡新・李燕萍著『拉埋天窗 ある香港女性と日本男性の物語』(Greenwood Press) 李兆麟・田中真澄著『めぐりあい そして さよなら 南の香港物語』(青木出版印刷公司)李兆麟・田中真澄『風水師 読みながら学ぶ広東語(附CD2張)』(青木出版印刷公司)それと、頼玉華氏の下記のシリーズである。『日本人のための広東語 I 』(オイスカ文化中心) 『日本人のための広東語 II 』(オイスカ文化中心) 『日本人のための広東語(単語)(オイスカ文化中心)『日広辞典(日本人のための広東語)』(オイスカ文化中心) 『広東語研究(日本人のための広東語 III)』(オイスカ文化中心) 『広東語会話 I 』(オイスカ文化中心) 『広東語会話 II 』(オイスカ文化中心)などもきちんとやりこめば相当に応用力がつくだろう。あと、かなり古めだが、Sidney Lau(劉錫祥)の『ELEMENTARY CANTONESE(Vol.1.2)』(政府印務局)『INTERMEDIATE CANTONESE(Vol.1.2)』(政府印務局)『ADVANCED CANTONESE(Vol.1.2)』(政府印務局)も余力があると取り組めば確実に役立つ。現在では使われていない古い単語や言い回しもたくさんあるが、古い映画を観たりする時にかえって役に立つし、自分の広東語をより豊かなものにすることができるだろう。でも、やはりこれもそのニュアンスをすぐに確認できる環境で学ぶのが望ましい。いずれにせよ、発音表記がどの本もまちまちなのが入門、初級者にとってはネックである。どれか信頼に足る教材をひとつ選んでそれにしっかり習熟してから、他の教材に挑戦されたい。
2007年06月10日
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『ミスター味っ子 DVDメモリアルボックス 1~3』たまに急に観たくなるもののひとつ。BOXのパッケージは、書き下ろした作者の画風が原作連載時からだいぶ変わっているので多少の違和感を覚えるのだけれど、中身はもちろん問題ない。台湾に始めて行った時に原作漫画の中国語版を見つけて迷わずに全巻買ってきたことがある。アニメ版も吹き替え版があれば楽しそうだけど、まだ確認していない。2004年にBGMが大幅に追加されて再販されたサウンドトラック。これも僕が元気を出したい時に聴くアルバムのひとつだ。アニメのサントラだからといって莫迦にできない。「ミスター味っ子」満腹定食 オリジナルサントラアルバム
2007年06月09日
『TIME』最新号のカバーストーリー。Hong Kong's Future: Sunshine, with CloudsA decade after its return to China in 1997, Hong Kong is more vibrant and spectacular than ever. But as the city looks ahead, it faces a critical question: How can it be both a part of the motherland and the world?ここ最近、スルーできない記事ばかりのASIA版TIME。ちょっと怠けてるとすぐにたまるからきちんと読む時間を取りたい。それにしても、最新記事もアーカイブもウェブで簡単に見られるようになったのだからいい時代になったものだ。でも、やっぱり紙媒体のほうが緊張感があっていいのだけれど。香港では公共の研究機関のごく一部とかを除いては英語は決して使わず、広東語で通すように努力している。英語は香港ではあくまで護身の剣。人前では最後まで抜かないけれど、錆びつかないようにいつも磨いていなければならない。
2007年06月08日
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『柴田元幸と9人の作家たち』僕が翻訳者としてひとつの目標とさせてもらっている柴田元幸氏の英語による作家たちへのインタビュー集。しかもそのインタビューを収録したCDまでついているので画期的だ。2004年の出版だけど、なぜか当時はスルー。柴田氏の著書や訳書はすべて持ってるのに不思議だ。先日ようやく買ってゆっくりと堪能。語種は違うけど、CDを聴きながら一読して得たものは大きかった。
2007年06月06日
スー・チーさん軟禁いつまで続く 国連が軍事政権非難(産経)いやなニュースが公私共に押し寄せてきてうんざりなんだけど、ここ数日でいちばん打撃力があったのがこのニュース。前にも書いたけど、大学に入る前の一年は郷里で、ビルマの民主運動を支援する運動にもほんのちょっとだけ関わっていたので、その時からまったく進展がないってのはやっぱりショッキングだ。もちろん「民主化=進歩」という短絡かつ安直な図式は僕は支持しない。あくまでその国の歴史と文化のコンテクストを最重視して考えるべきことだから、軍事独裁が「悪」という一方的な見方もしていない。でもビルマの軍事政権は僕からすればやはり「悪」以外のなにものでもない。ちなみにビルマ人は姓と名がくっついてるし、分かち書きもしないので「アウンサンスーチー」という表記が本来は正しい。英語表記も「Aung San Suu Kyi」。字数の制限があるとは言え、「スーチーさん」ではなにか落ち着かない。でも天安門事件のリーダーの一人のウイグル人のウルケシュ・ダブレット(Urkesh Davlet)の中国表記「吾爾開希」が日本語に受け入れられた時に「ウーアルカイシ」になって、それを「ウーアル・カイシ」とカン違いして、来日して某番組でインタビューを受けた彼を某ジャーナリストが何度も「カイシ」さんと呼んでいたのに比べるとマシかもしれない。人名の呼び方にはもっと慎重であってほしい。前にも紹介したビルマの民主化運動に関する本でぜひ読んでもらいたいのは、『Freedom from Fear and Other Writings』(邦訳は『自由』)『アウンサンスーチー演説集』『ビルマ軍事政権とアウンサンスーチー』など。あと、ビルマといえば、古典的な『アウンサン将軍と三十人の志士』も、やはりはずせない。もうすぐ六四だし、ウルケシュの名前が出たからついでに言うけど、僕らみたいに少しでも89年の「天安門事件」を前後した当時の中国の民主化運動に関わった人間はウルケシュは絶対に心情的に許せない。そして柴玲夫婦も。まぁ、そのへんの詳しい説明はここには書ききれないのでまたいずれ。天安門事件も「学生=正義」、「共産党・人民人民解放軍=悪」という単純な図式では成り立たない複雑な構図を持っている。僕も、もちろん天安門広場を埋め尽くした学生たちが100%正しかったとは決して思っていない。むしろ「非」が学生たち、とりわけ柴玲たち学生リーダーにあったことはその後にやはり明らかにされている。日本を含む西側諸国がこぞって喧伝した「広場で数百人(数千人)虐殺」という通説も、僕は最初から疑ってかかっていた。(前日記で挙げた諸文献など参詳)でも、高校に入ったばかりの、これから中国に向けて飛び出そうと希望に燃えてた時に喰らったショックの大きさは筆舌に尽くしがたい。「天安門」とはなんだったのか?を考えることが、以来、僕のライフワークになった。中国の近、現代史を熱心に学び始めたのもこの時から。僕が中国や中国語のことを語りだすといつも深刻な精神論になるので「もっと気楽に楽しくすれば」なんて言う人いるけど、そんな中で再出発した僕の中国語を通して見る現代中国は、僕にとっては「気楽」にも「楽しく」も絶対にできない対象だ。もし16歳の誕生日(事件は実質3日の夜から)にこの「事件」がなかったら、中国語はお気楽な子供の趣味のままだったかもしれないことを考えると、なんだかとてつもなく感慨深い。1989年の息もつかせぬ、たたみかけるような一連流れから受けた影響がその後の僕を決定付けていることは否定できない。今考えてもすごい年だった。(2007年05月27日の日記を改訂)
2007年06月04日
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『天安門文書』張良他編著の『Tiananmen Papers 』(Public Affairs、2001) の邦訳。扱われている資料については検証がまだ必要だろうが、「事件」を考える上で重要な文献のひとつであることにはかわりない。他にも関連書籍はたくさんあるけど、印象にのこるルポは、『中国共産党に消された人々』『香港返還と天安門事件』など。他にも譚ろ美 さん(「ろ」は玉偏に路)の『柴玲の見た夢』、『天安門十年の夢』(新潮社、1999)の2冊も、天安門事件から自分の人生に重大な影響を受けている僕にとっては特別の意味を持つ。この2冊は現在入手困難だが、『中国共産党葬られた歴史』などは今も手軽に読めて、中国現代史理解の一助になるだろう。ドキュメンタリーとして「事件」に至るまでの軌跡を丹念に追った『天安門』を見た。あくまで欧米視点なのは致し方ないとしても、秀逸なドキュメンタリーには違いない。あと、NHKスペシャルの『天安門 激動の40年 ソールズベリーの中国(前・後編)』(1989.09.23)の録画。自分の中で風化させないように毎年この時期になるとかならずこれらの映像を見返すようにしている。後者の番組を書籍化したハリソン・E・ソールズベリー『天安門に立つ/新中国40年の奇跡』(日本放送出版協会、1989)も絶版になって久しいけれど、これも僕にとっては当時の感覚を呼び起こすために不可欠な一冊だ。
2007年06月04日
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『ピアノを弾く大統領』(2002)韓国映画界の皇帝・安聖基が大統領、その娘の担任のヂウ姫(崔志宇)が相手役。『箪笥』のイム・スジョンが安聖基の娘役。スクリーンデビュー作になる。『箪笥-たんす』韓国から友人が送ってくれたDVDで見てたけど、最近わうわうでよくやってるので、あるたびに見てる。『ピアノを弾く大統領 DVDノーカットオリジナル版』安聖基は韓国映画界きっての大名優。60年代~80年代の名作映画にはほとんど顔を出してて、現在もなお、その出演ペースは落ちていない。この韓流騒ぎの中でよんさまだのびょんさまだのの影に隠れてるのは残念でならない。実はヂウ姫はあんまり好きなのではないのだけれど、この映画の崔志宇はけっこういい。劇中、ヂウ姫とSPを巻いて逃げ回るシーンがあるけど、その時にバックにかかるのが「永遠のオッパ」趙容弼の『ムチャケタ クェコリ』。これも小さい頃に刷り込まれた歌だからとても懐かしい。ちなみに安聖基と趙容弼は中学時代の同級生らしい。趙容弼の歌はけっこう映画に効果的に利用されていて、たとえば『アタック・ザ・ガス・ステーション!』(1999)で主人公たちに脅された朴永圭演じる社長が歌う歌も趙容弼の『コチュチャムチャリ(赤とんぼ)』。このへんは趙容弼の歌とその位置づけを知らないとおかしみが伝わってこないので、一般の日本の観客にはもったいないところだ。大統領が主人公でその恋愛を描いた映画はハリウッドではいくつかあるけれど、韓国を舞台にこんなストーリーは新鮮でいい。『アメリカン・プレジデント』安聖基のしゃべる韓国語もカッコいいし、聴き取りやすい。その気で見ると、かなり韓国語の勉強にもプラスになる映画だ。(2006/09/05)
2007年06月03日
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今日はちょっとした自分の記念日なので、仕事の手を休めて過ごすことに。渡辺美里/スタジアム伝説 FOREVER 1986~2005 BORN FINAL〈完全生産限定盤・9枚組〉一昨年の年末に買ったまま見る時間の無かったこれを一気に見てみることにした。『渡辺美里/She loves you born9 10th anniversary video collection 1985-1995』『SEIBU STADIUM LIVE HISTORY 1986~1999』リアルタイムだとこのあたりの時代。アメリカに持っていったCDのひとつにも、発売されたばかりのアルバム『Flower bed』があった。あの頃の気概を取り戻せることができるだろうか。
2007年06月02日
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