吟遊映人 【創作室 Y】

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2009.02.09
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キリスト教の信者ではなくても、旧約聖書中にある“ダビデとゴリアテ”の逸話ぐらいはご存じであろうか?
羊飼いの少年ダビデが、ペリシテ人の巨人ゴリアテを相手に戦い、たかがパチンコで放った石がゴリアテの額に命中して倒れたという話である。
本来は、弱者でも勇気を持って戦えば必ず勝てる・・・という故事として扱われるべきテーマなのであるが、本作「告発のとき」においては違った。
作中、この勇敢な物語を少年の枕もとで寝物語として聞かせるのだが、その少年は武器であるパチンコに興味を持ったらしいのだ。
少年の母親は“じきにエアガンが欲しいと言い出すわ”と、不安を覚える。
この作品のテーマはいくつか挙げられるが、そのうちの一つが、エスカレートする人間の欲望。
正義のために一人でも多くの人間を殺害するという最大級の矛盾を抱えた戦争とは・・・?

現在は退役しているが、元軍人のハンクのもとに、軍から連絡が入る。

矢も盾もたまらずハンクは軍の基地へと向かい、マイクの行方を捜すことに。
その後、マイクの無惨に切り刻まれた焼死体が発見され、ハンクは原因を追究するため、必死で事件の真相を探ろうとする。

古今東西、親はだれよりも子を愛し、その全てを理解している・・・と思っている。
もちろん、それは決して間違いではない。
だがたとえ親子と言えども人格は別モノであり、分身ではない。
特に、軍人として戦地に赴いた若き兵士たちは、人間としてのルールやモラルから逸脱し、心に深い痛手を負う。
親にも白状できない生々しい現実を引き摺り、拠り所のない心境で帰還。
平和な環境の中でさらにギャップに苦しみ、神経を病み、荒んだ心のままバランスを崩し、やがて人格を崩壊していく。
サスペンス映画としてストーリーは展開していくが、実は反戦を訴求する内容として実に見事な構成に仕上げられている。
イラクに派兵された息子を持つ父親役を、トミー・リー・ジョーンズが好演。
いぶし銀の重厚な演技力に要注目だ。


【監督】ポール・ハギス
【出演】トミー・リー・ジョーンズ、シャーリーズ・セロン

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2009.02.09 06:03:26
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