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2009.09.07
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「犯人は薄らバカじゃない」
「大バカだよ。今ごろバアさんのパンティはいて踊ってる。ナニをしごいてね・・・違うか?」

サスペンス映画に転機を迎えたのは、やっぱり90年代に入って公開された「羊たちの沈黙」あたりではなかろうか。
単なる悪党の、金欲しさによる殺人とか恨みつらみを晴らすための復讐とか、これまでの犯人像を大きく揺るがしたのがハンニバル・レクターであった。
本作「セブン」もそういう意味で、犯人は超人的な意思と信念に支配される男であった。

「セブン」における犯人は、キリスト教の“七つの大罪”をもとに、神への生け贄を捧げるべくして次々と殺人を繰り返していく。
あるいは生け贄ではなく、人を罰しているのかもしれない。
そうすることで、犯人は社会に警告しているつもりになっているのだ。


大都会での殺人事件は日常茶飯事のことだった。
野心家の新人刑事ミルズは、手柄を立てたいと志願して治安の悪いこの街へやって来た。

退職を控えたベテラン刑事サマセットのもとで、早速難事件に取り掛かることになった。

事件現場はとあるアパート。
異常なほど肥満した男が汚物にまみれ、スパゲッティの中に顔を埋めた状態で死んでいた。
犯人が書き残した“大食”に一体どんな意味が隠されているのか、サマセットはこの事件が連続殺人のスタートであることを予測するのだった。

通常のサスペンスモノならば、犯人が捕まるか、あるいは殺されるかしてジ・エンドである。
ところが「セブン」は違った。
知能犯の仕掛けた策略にまんまとハマってしまったミルズは、愛妻の生首が送り届けられたことで怒り狂い、犯人を射殺。
犯人が意図したのは、若夫婦への“嫉妬”そしてミルズの烈しい“怒り”。
犯人は見事に“七つの大罪”を成し遂げたという結末なのだ。

暗く陰鬱で絶望的なムードの漂うラストである。
しかし、これまでの既成概念を崩し、新たなサスペンス作品の境地を切り開いた本作は一見の価値がある、非常に完成度の高い映画であった。

1995年公開
【監督】デヴィッド・フィンチャー
【出演】モーガン・フリーマン、ブラッド・ピット


See you next time !(^^)





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最終更新日  2009.09.07 11:17:14
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